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JP6679449B2 - 牽引フックの取り付け構造 - Google Patents
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Description

本発明は、車両の牽引フックの取り付け構造に関する。
下記特許文献1に記載されているように、車両のバンパーリインフォースメントに締結される牽引フックは知られている。このバンパーリインフォースメントは、車室の前方(又は後方)にて、車幅方向に延びる筒状に形成されている。このバンパーリインフォースメントの長手方向に垂直な断面外形は矩形である。すなわち、バンパーリインフォースメントは、前壁部、後壁部、上壁部及び下壁部を有する。前壁部及び後壁部は、車両高さ方向に平行である。また、上壁部及び下壁部は、車両高さ方向に垂直である。上壁部は、前壁部の上端と後壁部の上端とを接続している。下壁部は、前壁部の下端と後壁部の下端とを接続している。前壁部及び後壁部に、車両前後方向に貫通する貫通孔が形成され、この貫通孔にナット部材が挿入されている。ナット部材は、車両前後方向に延設されている。ナット部材の前端は、前壁部の前面から前方へ突出している。また、ナット部材の後端は、後壁部の後面から後方へ突出している。ナット部材の前端は、前壁部の前面に固定され、ナット部材の後端は、後壁部の後面に固定されている。ナット部材に牽引フックが締結される。また、バンパーリインフォースメントは、車両の骨格部材(サイドメンバ、サブフレームなど)に取り付けられる。
特許第4229388号公報
特許文献1においては、ナット部材がバンパーリインフォースメントから車室側へ突出している。したがって、ナット部材が前記骨格部材及び車両の他の部品に干渉しない位置に牽引フックの取り付け位置を設定する必要がある。車両の意匠上の制約、他の部品の配置による制約などにより、ナット部材が前記骨格部材に干渉するような位置にしか牽引フックの取り付け位置を設定できない場合には、前記骨格部材においてナット部材を避ける構造(凹部、孔など)が必要である。
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、車両の設計自由度を向上させることができる牽引フックの取り付け構造を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、車両の牽引フック(30)と、車室の前方又は後方にて車幅方向に延設された第1壁部(12,13)であって、その壁面が前記車室とは反対側へ向けられている第1壁部と、第1壁部の上端部及び下端部から車室側へそれぞれ延設された第2壁部(14)及び第3壁部(15)を有するバンパーリインフォースメント(10)と、牽引フックをバンパーリインフォースメントに締結するナット部材(20)と、を含む牽引フックの取り付け構造(1)であって、第1壁部、第2壁部及び第3壁部には第1貫通孔(H121)、第2貫通孔(H14)及び第3貫通孔(H15)がそれぞれ形成され、ナット部材は、車両高さ方向に延設されていて、第2貫通孔及び第3貫通孔に挿し込まれた状態でバンパーリインフォースメントに固定されており、牽引フックの先端が第1貫通孔からバンパーリインフォースメントに挿入されて、ナット部材に締結されている、牽引フックの取り付け構造としたことにある。
この場合、第3貫通孔が第2貫通孔より大きく形成され、ナット部材は、第2壁部の上方から第2貫通孔に挿入され、その先端部が第3貫通孔から突出した状態で、バンパーリインフォースメントに固定されているとよい。
また、この場合、ナット部材の上端部及び下端部が第2壁部及び第3壁部にそれぞれ溶接されているとよい。
本発明に係る牽引フックの取り付け構造において、牽引フックが締結されるナット部材は、車両高さ方向に延設されている。そして、ナット部材は、バンパーリインフォースメントの第2壁部及び第3壁部に設けられた第2貫通孔及び第3貫通孔に挿入されて、第2壁部及び第3壁部に固定される。したがって、ナット部材の上端部及び下端部が、バンパーリインフォースメントの上面及び下面から多少突出するとしても、ナット部材は、バンパーリインフォースメントから車室側へは突出しない。また、牽引フックは、第1壁部に設けられた第1貫通孔からバンパーリインフォースメント内へ挿入され、ナット部材に締結される。牽引フックのうち、ナット部材に締結される部分の長さ(雄ねじの長さ)をナット部材の厚さと同等に設定すれば、牽引フックがバンパーリインフォースメントから車室側へ突出しない。したがって、車両の骨格部材において、ナット部材及び牽引フックを避けるための凹部、孔などを設ける必要がない。また、車両の骨格部材の位置に制約されることなく、牽引フックの取り付け位置を設定できる。このように、本発明に係る牽引フックの取り付け構造によれば、車両の設計自由度を向上させることができる。
また、特許文献1の牽引フックの取り付け構造のように、ナット部材が車両前後方向に延設され、ナット部材が第1壁部に支持されていた場合、牽引荷重(牽引フックに作用する車両前後方向の荷重)が、第1壁部に直接的に作用し、第1壁部を介して第2壁部及び第3壁部に作用する。この場合、第2壁部及び第3壁部は、第1壁部のリブとして機能するが、過大な牽引荷重によって第2壁部及び第3壁部が変形する前に、第1壁部が変形する虞がある。これに対し、本発明では、牽引荷重が第2壁部及び第3壁部に直接的に作用する。したがって、本発明によれば、特許文献1の牽引フックの取り付け構造に比べて、牽引最大荷重を大きく設定できる。
また、バンパーリインフォースメントは、衝突時の衝撃荷重により車両前後方向に圧縮変形し、前記衝突による衝撃を吸収する機能を有する。ここで、特許文献1のように、ナット部材がバンパーリインフォースメントの前端から後端に亘るように車両前後方向に延設されている場合には、後方(又は前方)からの衝突に対し、バンパーリインフォースメントにおいてナット部材が設けられた部分の剛性が他の部分の剛性よりも高い。したがって、バンパーリインフォースメントにおいてナット部材が設けられた部分の変形が抑制され、衝撃を効率的に吸収することが出来ない。これに対し、本発明では、バンパーリインフォースメントにおけるナット部材よりも前方に位置する部分及びナット部材より後方に位置する部分に空間を形成することが可能である。よって、車両の後方(又は前方)に物体が衝突した際、バンパーリインフォースメントにおけるナット部材よりも前方に位置する部分及びナット部材より後方に位置する部分が圧縮変形することにより、前記衝突による衝撃が吸収される。
また、本発明の他の特徴は、ナット部材がバンパーリインフォースメントにおける車室側の端部に配置されている、牽引フックの取り付け構造としたことにある。
牽引フックがナット部材に締結された状態において、牽引フックに車両高さ方向又は車幅方向の荷重が作用すると、牽引フックが前記荷重の方向に多少振れる。牽引フックが第1貫通孔の内周面に当接することで、牽引フックの振れが規制される。本発明では、ナット部材は、バンパーリインフォースメントにおける車室側の端部に配置されている。これにより、牽引フックがナット部材に締結された状態における、牽引フックを支持するナット部材と第1貫通孔との距離を比較的大きく設定できる。したがって、ナット部材がバンパーリインフォースメントにおける車室とは反対側の端部(第1貫通孔の近傍)に配置されている場合に比べて、牽引フックの振れが規制された状態の牽引フックの振れ角度が小さい。
なお、ナット部材の車両前後方向の位置(つまり、第2貫通孔及び第3貫通孔の車両前後方向の位置)を、バンパーリインフォースメントとバンパーカバーとの距離に応じて設定するとよい。例えば、前記距離が比較的長い車種においては、ナット部材を第1壁部に近い位置に設定する。一方、前記距離が比較的短い車種においては、ナット部材を第1壁部から遠い位置に設定する。これによれば、同一の牽引フックを前記距離が異なる複数の車種について共通の部品として採用した場合であっても、前記複数の車種におけるバンパーカバーからの牽引フックの突出量を同等に設定できる。
本発明の一実施形態に係る牽引フックの取り付け構造が適用された車両の概略を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る牽引フックの取り付け構造の分解斜視図である。 バンパーリインフォースメントの端部であって、牽引フック及びナット部材が配置された部分の長手方向に垂直な断面であって、の車幅方向における中央部の断面図である。 中間成形体の斜視図である。
本発明の一実施形態に係る牽引フックの取り付け構造1について説明する。まず、牽引フックの取り付け構造1が適用された車両Vの構成について簡単に説明しておく。この車両Vは、図1に示すように、サイドメンバSR,SLを有する。サイドメンバSR,SLは、車幅方向に間隔をおいて配置され、車両前後方向にそれぞれ延設されている。サイドメンバSR,SLは、角筒状に形成され、その後端面は後壁部によって閉じられている。この後壁部の後端面は、車両前後方向に垂直な平面状に形成されている。
つぎに、牽引フックの取り付け構造1の概略について説明する。この実施形態では、図2に示すように、バンパーリインフォースメント10に設けられた貫通孔であって、車両高さ方向に貫通する貫通孔H14、貫通孔H及び貫通孔H15にナット部材20が挿入される。そして、ナット部材20に牽引フック30が締結される。なお、本実施形態では、車両Vの後端に牽引フック30を取り付ける構造について説明するが、本発明は、車両Vの前端に牽引フック30を取り付ける構造としても実施可能である。また、牽引フックの取り付け構造1において、その左端部の構造は右端部の構造と対称であるので、その説明を適宜省略する。
以下、バンパーリインフォースメント10、ナット部材20及び牽引フック30の構成について詳しく説明する。バンパーリインフォースメント10は、車幅方向に延設され、その車幅方向における前面の両端部がサイドメンバSR,SLの後壁部の後面に締結される。バンパーリインフォースメント10は、図2及び図3に示すように、車幅方向に延びる筒状に形成されている。バンパーリインフォースメント10の車幅方向における中央部は、車両Vのバンパーカバーに沿うように湾曲形成されている。つまり、バンパーリインフォースメント10の平面視において、バンパーリインフォースメント10の車幅方向における中央部は、車幅方向における両端部よりも後方に位置するように湾曲している。バンパーリインフォースメント10の車幅方向における両端部は、車幅方向に平行な直線状に延設されている。
図3に示すように、バンパーリインフォースメント10の延設方向に垂直な断面外形は略五角形を呈する。すなわち、バンパーリインフォースメント10は、前壁部11、上側後壁部12、下側後壁部13、上壁部14及び下壁部15を有する。上側後壁部12及び下側後壁部13は、前壁部11の後方に位置している。前壁部11の壁面(前面)が車室側へ向けられており、上側後壁部12及び下側後壁部13の壁面(後面)が車室とは反対側へ向けられている。前壁部11及び上側後壁部12は、車両高さ方向に平行である。下側後壁部13は、上側後壁部12の下方に位置している。下側後壁部13の上端が上側後壁部12の下端に接続されている。下側後壁部13は、車両高さ方向に対して少し傾斜している。具体的には、下側後壁部13の下端が、上端よりも少し前方に位置している。なお、上側後壁部12及び下側後壁部13が本発明の第1壁部に相当する。
上壁部14及び下壁部15は、車両高さ方向に垂直(つまり、上面及び下面が水平)に配置されている。上壁部14の前端は、前壁部11の上端に接続され、上壁部14の後端は、上側後壁部12の上端に接続されている。つまり、上壁部14は、上側後壁部12の上端から車室側へ延設されている。下壁部15の前端は、前壁部11の下端に接続され、下壁部15の後端は、下側後壁部13の下端に接続されている。つまり、下壁部15は、下側後壁部13の下端から車室側へ延設されている。なお、上壁部14が本発明の第2壁部に相当し、下壁部15が本発明の第3壁部に相当する。
また、前壁部11、上側後壁部12、下側後壁部13、上壁部14及び下壁部15によって囲まれた空間内には、リブRが形成されている。リブRは、上側後壁部12と下側後壁部13との接続部から前方へ延設されて前壁部11の車両高さ方向における中央部に接続されている。
上壁部14、リブR及び下壁部15の右端部には、車両高さ方向に貫通する貫通孔H14、貫通孔H及び貫通孔H15がそれぞれ形成されている。貫通孔H14、貫通孔H及び貫通孔H15は同軸配置されている。貫通孔H14、貫通孔H及び貫通孔H15は、バンパーリインフォースメント10の車両前後方向における中央部よりも前側(車室側)に形成されている。バンパーリインフォースメント10の平面視において、貫通孔H14、貫通孔H及び貫通孔H15は、車幅方向に長い矩形を呈する。すなわち、貫通孔H14、貫通孔H及び貫通孔H15の車幅方向の寸法は、車両前後方向の寸法よりも長い。貫通孔H14、貫通孔H及び貫通孔H15の長辺の長さは同一である。一方、図3に示すように、貫通孔H及び貫通孔H15の短辺は、貫通孔H14の短辺よりも少し長い。つまり、貫通孔H及び貫通孔H15は、貫通孔H14よりも少し大きい。
また、上側後壁部12の右端部には、車両前後方向に貫通する貫通孔H121が形成されている。貫通孔H121の中心軸は、貫通孔H14、貫通孔H及び貫通孔H15の中心軸に直交する。貫通孔H121の内径は、後述する牽引フック30の軸部31の外径よりも少し大きい。
また、前壁部11の右端部には、車両前後方向に貫通する4つの貫通孔H11がそれぞれ形成されている。貫通孔H11の内径は、バンパーリインフォースメント10をサイドメンバSR,SLに固定するためのボルトの外径よりも少し大きい。また、上側後壁部12及び下側後壁部13の右端部には、車両前後方向に貫通する貫通孔H122及び貫通孔H13がそれぞれ形成されている。貫通孔H122及び貫通孔H13は、貫通孔H11の後方に位置している。貫通孔H122及び貫通孔H13の内径は、バンパーリインフォースメント10を固定するためのボルトを締結する際に用いる工具を挿入可能なように、貫通孔H11よりも大きく形成されている。
バンパーリインフォースメント10は、下記のようにして、一体的に形成される。まず、金属材料(例えばアルミニウム材)を押出加工して、図4に示すような、直線状に延びる筒状の中間成形体Mが形成される。この中間成形体Mの延設方向に垂直な断面形状は、バンパーリインフォースメント10の車幅方向端部の断面(図3)と同じ形状を呈する。なお、前記金属材料の押出方向は、車幅方向に相当する。次に、中間成形体Mの車幅方向両端部を固定した状態で中間成形体Mの車幅方向中央部を後方へ押圧して湾曲させる。そして、前壁部11、上側後壁部12、下側後壁部13、上壁部14及び下壁部15に、貫通孔H11,H121,H122,H13,H14,H15がそれぞれ形成される。このようにして、バンパーリインフォースメント10が形成される。
ナット部材20は、車両高さ方向に延びる本体部21と、本体部21の上端に設けられた板状の鍔部22を有する。本体部21の車両高さ方向に垂直な断面は、車幅方向に長い矩形を呈する。本体部21の車両前後方向の寸法は、貫通孔H14の車両前後方向の寸法よりも少し小さい。本体部21の上部(車両高さ方向における中央より上側)の長辺の長さは、貫通孔H14の長辺の長さよりも少し小さい。本体部21の下部(車両高さ方向における中央より下側)の長辺の長さは、上部の長辺の長さの半分程度である。ただし、本体部21の下端部の長辺の長さは、上部の長辺の長さと同程度である。また、本体部21の車両高さ方向の寸法は、バンパーリインフォースメント10の車両高さ方向の寸法よりも少し大きい。また、本体部21の車両高さ方向における中央部よりも少し上方に位置する部分に、車両前後方向に延びる雌ねじ部211が形成されている。
ナット部材20の平面視において、鍔部22は車幅方向に長い矩形を呈する。鍔部22の長辺の長さは、本体部21の上部の長辺の長さよりも長い。つまり、鍔部22は、本体部21から車幅方向に張り出している。一方、鍔部22の短辺の長さは、本体部21の短辺の長さと同等である。
ナット部材20は、バンパーリインフォースメント10の上方から、貫通孔H14、貫通孔H及び貫通孔H15に挿入される。鍔部22が上壁部14の上面に当接した状態で、本体部21の下端は、下壁部15よりも少し下方に位置している。この状態において、本体部21の前面と、貫通孔H14の内周面との間の隙間は僅かである(図3参照)。本体部21の前面と、貫通孔H及び貫通孔H15の内周面との間には比較的大きな隙間が形成されている。また、本体部21の後面と、貫通孔H14の内周面との間に隙間は僅かである。本体部21の後面と、貫通孔H及び貫通孔H15の内周面との間には比較的大きな隙間が形成されている。一方、本体部21の右面と、貫通孔H14、貫通孔H及び貫通孔H15の内周面との間の隙間は僅かである。また、本体部21の左面と、貫通孔H14、貫通孔H及び貫通孔H15の内周面との間の隙間は僅かである。また、本体部21の前面と、バンパーリインフォースメント10の前壁部11との間には比較的大きな空間が形成されている。本体部21の後面と、バンパーリインフォースメント10の上側後壁部12及び下側後壁部13との間には比較的大きな空間が形成されている。鍔部22の周縁部が上壁部14に溶接される。また、本体部21の下端部における右面及び左面が、下壁部15に溶接される。この状態において、本体部21の雌ねじ部211は、上壁部14とリブRとの中間に位置しており、雌ねじ部211と貫通孔H121とが同軸配置されている。
ナット部材20が溶接されたバンパーリインフォースメント10が、サイドメンバSR,SLの後方に載置される。バンパーリインフォースメント10の貫通孔H122,H13からボルト及び工具の先端がバンパーリインフォースメント10内に挿入される。そして、前記ボルトの先端が貫通孔H11に挿入されて、サイドメンバSR,SLの後壁部に締結される。このようにして、バンパーリインフォースメント10が車両Vの本体に固定される。
牽引フック30は、直線状に延びる軸部31と環状に形成されたフック部32とを有する(図2及び図3参照)。フック部32は、軸部31の長手方向における一端部に設けられている。軸部31の長手方向における他端部には、ナット部材20の雌ねじ部211に締結可能な雄ねじ部311が形成されている。雄ねじ部311の長さ(軸部31の長手方向の長さ)は、ナット部材20の本体部21の短辺の長さと略同一である。バンパーリインフォースメント10の後方から、貫通孔H121に、牽引フック30の軸部の先端部(他端部)が挿入され、雄ねじ部311がナット部材20の雌ねじ部211に締結される。牽引フック30がナット部材20に締結された状態において、軸部31の先端(他端)は、ナット部材20の前面から僅かに突出している。
上記のように、ナット部材20がバンパーリインフォースメント10に固定された状態において、ナット部材20の上端部及び下端部が、バンパーリインフォースメント10から上方及び下方へ多少突出しているが、ナット部材20は、バンパーリインフォースメント10から前方へは突出しない。そして、牽引フック30の雄ねじ部311がナット部材20の雌ねじ部211に締結された際、牽引フック30の軸部31の先端部は、バンパーリインフォースメント10内に位置している。つまり、牽引フック30は、バンパーリインフォースメント10の前面から前方へ突出しない。したがって、バンパーリインフォースメント10の車幅方向における両端部の前面を平面状に設定でき、サイドメンバSR,SLの後壁部において、ナット部材20及び牽引フック30を避けるための凹部、孔などを設ける必要がない。また、サイドメンバSR,SLの位置に制約されることなく、牽引フック30の取り付け位置を設定できる。このように、牽引フックの取り付け構造1によれば、車両Vの設計自由度を向上させることができる。
また、特許文献1の牽引フックの取り付け構造のように、ナット部材20が車両前後方向に延設され、ナット部材20が前壁部11、及び上側後壁部12(又は下側後壁部13)に支持されていた場合、牽引荷重(牽引フック30に作用する車両前後方向の荷重)が、前壁部11、及び上側後壁部12(又は下側後壁部13)に直接的に作用し、前壁部11、及び上側後壁部12(又は下側後壁部13)を介して上壁部14及び下壁部15に作用する。この場合、上壁部14及び下壁部15は、前壁部11、及び上側後壁部12(又は下側後壁部13)のリブとして機能するが、過大な牽引荷重によって上壁部14及び下壁部15が変形する前に、前壁部11が変形する虞がある。これに対し、本実施形態では、ナット部材20は、上壁部14及び下壁部15に支持されているので、牽引荷重が上壁部14及び下壁部15に直接的に作用する。したがって、本実施形態によれば、特許文献1の牽引フックの取り付け構造に比べて、牽引最大荷重を大きく設定できる。
また、バンパーリインフォースメント10は、衝突時の衝撃荷重により車両前後方向に圧縮変形し、前記衝突による衝撃を吸収する機能を有する。ここで、特許文献1のように、ナット部材20が車両前後方向に延設され、その前端及び後端が、前壁部11及び上側後壁部12(又は下側後壁部13)に固定されている場合には、後方からの衝突に対する、ナット部材20が設けられた部分の剛性が他の部分よりも高い。したがって、車両Vの後方から物体が衝突した際、ナット部材20が設けられた部分の変形が抑制され、衝撃を効率的に吸収することが出来ない。これに対し、本実施形態では、バンパーリインフォースメント10におけるナット部材20よりも前方の部分及び後方の部分に空間が形成されている。よって、車両Vの後方から物体が衝突した際、バンパーリインフォースメント10におけるナット部材20よりも前方の部分及び後方の部分が圧縮変形することにより、前記衝突による衝撃が吸収される。
また、牽引フック30がナット部材20に締結された状態において、牽引フック30に車両高さ方向又は車幅方向の荷重が作用すると、牽引フック30が前記荷重の方向に多少振れる。牽引フック30の軸部31が貫通孔H121の内周面に当接することで、牽引フック30の振れが規制される。本実施形態では、ナット部材20がバンパーリインフォースメント10の車両前後方向における中央部よりも前側(車室側)に配置されている。そのため、牽引フック30がナット部材20に締結された状態において、牽引フック30を支持するナット部材20と貫通孔H121との距離が比較的大きい。したがって、ナット部材20が後壁部12に近い位置に配置されている場合に比べて、牽引フック30の振れが規制された状態の振れ角度が小さい。
なお、ナット部材20の車両前後方向の位置を、バンパーリインフォースメント10とバンパーカバーとの距離に応じて設定するとよい。例えば、前記距離が比較的長い車種においては、ナット部材20を上記実施形態よりも少し前方に設定する。一方、前記距離が比較的短い車種においては、ナット部材20を上記実施形態よりも少し後方に設定する。これによれば、同一の牽引フック30を前記距離が異なる複数の車種について共通の部品として採用した場合であっても、前記複数の車種におけるバンパーカバーからの牽引フック30の突出量を同等に設定できる。
また、貫通穴H及び貫通穴H15が貫通穴H14より少し大きい。したがって、ナット部材20を貫通穴H14に挿入したのち、ナット部材20が少し傾いたとしても、ナット部材20を、比較的簡単に、貫通穴H及び貫通穴H15に挿入できる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、バンパーリインフォースメント10は、筒状に形成されているが、前壁部11の車両高さ方向における中央部が車室側へ向かって解放されていてもよい。また、上記実施形態では、ナット部材20がバンパーリインフォースメント10に溶接されているが、ナット部材20の固定方法は上記実施形態に限られない。例えば、ナット部材20が締結部材によってバンパーリインフォースメント10に締結されてもよい。
1・・・牽引フックの取り付け構造、10・・・バンパーリインフォースメント、11・・・前壁部、12・・・上側後壁部、13・・・下側後壁部、14・・・上壁部、15・・・下壁部、20・・・ナット部材、21・・・本体部、22・・・鍔部、30・・・牽引フック、31・・・軸部、32・・・フック部、H11,H121,H122,H13,H14,H15・・・貫通孔、M・・・中間成形体、R・・・リブ、SR,SL・・・サイドメンバ、V・・・車両

Claims (4)

  1. 車両の牽引フックと、
    車室の前方又は後方にて車幅方向に延設された第1壁部であって、その壁面が前記車室とは反対側へ向けられている第1壁部と、前記第1壁部の上端部及び下端部から前記車室側へそれぞれ延設された第2壁部及び第3壁部を有するバンパーリインフォースメントと、
    前記牽引フックを前記バンパーリインフォースメントに締結するナット部材と、を含む牽引フックの取り付け構造であって、
    前記第1壁部、前記第2壁部及び前記第3壁部に第1貫通孔、第2貫通孔及び第3貫通孔がそれぞれ形成され、
    前記ナット部材は、車両高さ方向に延設されていて、前記第2貫通孔及び前記第3貫通孔に挿し込まれた状態で前記バンパーリインフォースメントに固定されており、
    前記牽引フックの先端が前記第1貫通孔からバンパーリインフォースメントに挿入されて、前記ナット部材に締結されている、牽引フックの取り付け構造。
  2. 請求項1に記載の牽引フックの取り付け構造において、
    前記第3貫通孔が前記第2貫通孔より大きく形成され、
    前記ナット部材は、前記第2壁部の上方から前記第2貫通孔に挿入され、その先端部が前記第3貫通孔から突出した状態で、前記バンパーリインフォースメントに固定されている、牽引フックの取り付け構造。
  3. 請求項1又は2に記載の牽引フックの取り付け構造において、
    前記ナット部材の上端部及び下端部が前記第2壁部及び前記第3壁部にそれぞれ溶接されている、牽引フックの取り付け構造。
  4. 請求項1乃至3のうちのいずれか1つに記載の牽引フックの取り付け構造において、
    前記ナット部材が前記バンパーリインフォースメントにおける車室側の端部に配置されている、牽引フックの取り付け構造。
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