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JP6681680B2 - ファイバレーザ - Google Patents
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Description

本発明は、双方向励起型のファイバレーザに関する。
加工用のレーザ装置として、ファイバレーザが広く用いられている。ファイバレーザは、コアに希土類元素が添加された光ファイバ(以下、「増幅用光ファイバ」と記載)をレーザ媒質とするレーザ装置である。
ファイバレーザは、増幅用光ファイバと、増幅用光ファイバの一端に接続されたミラー素子と、増幅用光ファイバの他端に接続されたハーフミラー素子と、増幅用光ファイバに励起光を供給する励起光源とにより構成される。励起光には、ミラー素子を介して増幅用光ファイバに供給されるものと、ハーフミラーを介して増幅用光ファイバに供給されるものとがあり、前者は前方励起光、後者は後方励起光と呼ばれる。前方励起光源及び後方励起光源の両方を備えた双方向励起型のファイバレーザでは、1kW以上の出力パワーを得ることができる。
ファイバレーザでは、増幅用光ファイバに端部から励起光が入射すると、この端部近傍において増幅用光ファイバが励起光を吸収して発熱する。この際、増幅用光ファイバの樹脂部分に関して、その温度(以下、「樹脂温度」と記載)がその材料の耐熱上限温度を超えると、劣化や分解などの問題を生じ得る。このため、増幅用光ファイバの樹脂部分の温度が耐熱上限温度を超えないよう、励起光のパワーを抑えざるを得ず、このことがファイバレーザの高出力化の足枷となっている。
ファイバレーザに用いられる増幅用光ファイバの発熱に関して、特許文献1には、以下の知見が示されている。すなわち、前方励起光に起因する増幅用光ファイバの単位長さあたりの発熱量は、前方励起光が入射する端部において最大になり、この端部から遠ざかるに従って指数関数的に減少する。換言すれば、前方励起光に起因する増幅用光ファイバの発熱は、前方励起光が入射する端部近傍において局所的に起こる。同様に、後方励起光に起因する増幅用光ファイバの単位長さあたりの発熱量は、後方励起光が入射する端部において最大になり、この端部から遠ざかるに従って指数関数的に減少する。換言すれば、後方励起光に起因する増幅用光ファイバの発熱は、後方励起光が入射する端部近傍において局所的に起こる。
また、特許文献1には、上記の知見に基づき考案された増幅用光ファイバの実装形態が示されている。すなわち、増幅用光ファイバを、間隔を空けながら渦巻状に巻いて放熱板の上に載置する実装形態が示されている。特許文献1に記載の実装形態においては、(1)増幅用光ファイバの巻き方を、発熱量の大きい端部近傍が渦巻の外周を構成する巻き方とし、(2)増幅用光ファイバの間隔を、渦巻の外周側において増幅用光ファイバの直径以上とすることによって、増幅用光ファイバの単位面積あたりの発熱量(単位面積内に配置される部分からの発熱量)の分布を一様分布に近づけている。これにより、放熱板を用いた放熱が効率的に行われ、その結果、増幅用光ファイバの端部近傍における樹脂温度が上昇し難くなる。
特開2015−90909号公報(公開日:2015年5月11日)
しかしながら、増幅用光ファイバの実装に特許文献1に記載の形態を採用したとしても、励起光のパワーを上げれば増幅用光ファイバの端部近傍における樹脂温度が上昇することに変わりはない。すなわち、増幅用光ファイバの実装に特許文献1に記載の形態を採用したとしても、励起光のパワーをさらに上げれば増幅用光ファイバの端部近傍において樹脂部分が劣化又は分解するといった問題を生じ得る。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、励起光のパワー(前方励起光のパワーと後方励起光のパワーとの和)を上げても、増幅用光ファイバの端部近傍における樹脂温度が上昇し難いファイバレーザを実現することにある。
本発明に係るファイバレーザは、上記の課題を解決するために、増幅用光ファイバと、上記増幅用光ファイバに前方励起光を供給する前方励起光源と、上記増幅用光ファイバに後方励起光を供給する後方励起光源と、上記前方励起光のパワーと上記後方励起光のパワーとが相補的な増減を繰り返すように、上記前方励起光源と上記後方励起光源とを制御する制御部と、を備えている、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、前方励起光のパワーが増減を繰り返すため、前方励起光のパワーが増加したときに上昇した、増幅用光ファイバの前方励起光が入射する側の端部近傍における樹脂温度を、前方励起光のパワーが減少したときに低下させることができる。その結果、増幅用光ファイバの前方励起光が入射する側の端部近傍における樹脂温度の上昇を抑えることができる。
また、上記の構成によれば、後方励起光のパワーが増減を繰り返すため、後方励起光のパワーが増加したときに上昇した、増幅用光ファイバの後方励起光が入射する側の端部近傍における樹脂温度を、後方励起光のパワーが減少したときに低下させることができる。その結果、増幅用光ファイバの後方励起光が入射する側の端部近傍における樹脂温度の上昇を抑えることができる。
さらに、上記の構成によれば、前方励起光のパワーの増減と後方励起光のパワーの増減とが相補的であるため、増幅用光ファイバに供給される全励起光のパワー(前方励起光のパワーと後方励起光のパワーとの和)を一定又は略一定に保つことができる。
まとめると、増幅用光ファイバに供給される全励起光のパワーを一定又は略一定に保ったまま、増幅用光ファイバの各端部近傍における樹脂温度の上昇を抑えることができる。
本発明に係るファイバレーザにおいて、上記制御部は、上記前方励起光源と上記後方励起光源とが相補的に点滅するように、上記前方励起光源と上記後方励起光源とをON/OFF制御する、ことが好ましい。
上記の構成によれば、前方励起光源が点滅するために、前方励起光源の点灯期間において上昇した、増幅用光ファイバの前方励起光が入射する側の端部近傍における樹脂温度を、前方励起光源の消灯期間において低下させることができる。その結果、増幅用光ファイバの前方励起光が入射する側の端部近傍における樹脂温度の上昇を抑えることができる。
また、上記の構成によれば、後方励起光源が点滅するため、後方励起光源の点灯期間に上昇した、増幅用光ファイバの後方励起光が入射する側の端部近傍における樹脂温度を、後方励起光源の消灯期間において低下させることができる。その結果、増幅用光ファイバの後方励起光が入射する側の端部近傍における樹脂温度の上昇を抑えることができる。
さらに、上記の構成によれば、前方励起光源の点滅と後方励起光源の点滅とが相補的であるため、増幅用光ファイバに供給される全励起光のパワーを一定又は略一定に保つことができる。
まとめると、増幅用光ファイバに供給される全励起光のパワーを一定又は略一定に保ったまま、増幅用光ファイバの各端部近傍における樹脂温度の上昇を抑えることができる。
本発明に係るファイバレーザにおいて、上記制御部は、上記後方励起光源を消灯して、上記前方励起光源を予め定められた点灯時間に亘って点灯させた後、上記前方励起光源を消灯して、上記後方励起光源を予め定められた点灯時間に亘って点灯させる制御を繰り返す、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記前方励起光源の点灯時間及び上記後方励起光源の点灯時間を十分に短く設定することにより、増幅用光ファイバの各端部における樹脂温度を増幅用光ファイバの樹脂部分の耐熱上限温度よりも低く抑えることができる。
本発明に係るファイバレーザは、上記増幅用光ファイバの上記前方励起光源側の端部近傍の樹脂温度を測定する第1の温度計と、上記増幅用光ファイバの上記後方励起光源側の端部近傍の樹脂温度を測定する第2の温度計と、を更に備えており、上記制御部は、上記後方励起光源を消灯して、上記第1の温度計にて測定された樹脂温度が予め定められた閾温度に達するまで上記前方励起光源を点灯させた後、上記前方励起光源を消灯して、上記第2の温度計にて測定された樹脂温度が上記閾温度に達するまで上記後方励起光源を点灯させる制御を繰り返す、ことが好ましい。
上記の構成によれば、閾温度を増幅用光ファイバの樹脂部分の耐熱上限温度よりも低く設定することにより、増幅用光ファイバの各端部における樹脂温度を当該耐熱上限温度よりも低く抑えることができる。
本発明に係るファイバレーザにおいて、上記増幅用光ファイバは、1つの渦巻を形成するように巻かれており、当該ファイバレーザは、上記増幅用光ファイバと熱的に接触する放熱ブロックであって、上記増幅用光ファイバの内周部と接触する領域における単位面積あたりの吸熱量が上記増幅用光ファイバの外周部と接触する領域における単位面積あたりの吸熱量よりも大きい放熱ブロックを更に備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、増幅用光ファイバが1つの渦巻を形成するように巻かれているので、増幅用光ファイバの実装に要する面積を小さく抑えることができ、その結果、ファイバレーザを小型化することができる。
また、増幅用光ファイバの単位長さあたりの発熱量の分布が対称である場合、増幅用光ファイバの内周部における単位面積あたりの発熱量(単位面積内に配置される部分からの発熱量)は、増幅用光ファイバの外周部における単位面積あたりの発熱量よりも大きくなる。したがって、放熱ブロックの単位面積あたりの吸熱量の分布が一様である場合、増幅用光ファイバの内周部における樹脂温度が増幅用光ファイバの外周部における樹脂温度よりも高くなる。
これに対して、放熱ブロックの単位面積あたりの分布を上記のように非一様化すれば、増幅用光ファイバの内周部と外周部とにおける樹脂温度の差を小さくする(増幅用光ファイバの内周部における樹脂温度を下げる)ことができる。
本発明に係るファイバレーザにおいて、上記増幅用光ファイバは、1つの渦巻を形成するように巻かれており、上記前方励起光源及び上記後方励起光源のうち、上記増幅用光ファイバの内周側の端部に接続された励起光源の点灯時間は、上記前方励起光源及び上記後方励起光源のうち、上記増幅用光ファイバの外周側の端部に接続された励起光源の点灯時間よりも短い、ことが好ましい。
上記の構成によれば、増幅用光ファイバが1つの渦巻を形成するように巻かれているので、増幅用光ファイバの実装に要する面積を小さく抑えることができ、その結果、ファイバレーザを小型化することができる。
また、増幅用光ファイバの単位長さあたりの発熱量の分布が対称である場合、増幅用光ファイバの内周部における単位面積あたりの発熱量(単位面積内に配置される部分からの発熱量)は、増幅用光ファイバの外周部における単位面積あたりの発熱量よりも大きくなる。したがって、放熱ブロックの単位面積あたりの吸熱量の分布が一様である場合、増幅用光ファイバの内周部における樹脂温度が増幅用光ファイバの外周部における樹脂温度よりも高くなる。
これに対して、前方励起光源と後方励起光源との点灯時間を上記のように異なれせれば、すなわち、増幅用光ファイバの単位長さあたりの発熱量の分布を非対称化すれば、増幅用光ファイバの内周部と外周部とにおける樹脂温度の差を小さくする(増幅用光ファイバの内周部における樹脂温度を下げる)ことができる。
本発明に係るファイバレーザにおいて、上記増幅用光ファイバは、一方の端部から中間点までの第1の区間が、当該一方の端部近傍を外周とする第1の渦巻を形成するように巻かれており、中間点から他方の端部までの第2の区間が、当該他方の端部近傍を外周とする第2の渦巻を形成するように巻かれている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、増幅用光ファイバが2つの渦巻を形成するように巻かれているので、増幅用光ファイバの実装に要する面積を小さく抑えることができ、その結果、ファイバレーザを小型化することができる。
上記の構成によれば、増幅用光ファイバの各端部から中間点までの区間が、当該端部近傍を外周とする渦巻を形成するように巻かれているので、当該端部近傍を内周とする渦巻を形成するように巻かれている場合と比べて、増幅用光ファイバの当該端部近傍における単位面積あたりの発熱量を小さく抑えることができる。したがって、増幅用光ファイバの端部近傍における樹脂温度の上昇を更に抑えることができる。
本発明に係るファイバレーザは、上記増幅用光ファイバの上記第1の区間と熱的に接触する第1の放熱ブロックと、上記増幅用光ファイバの上記第2の区間と熱的に接触する第2の放熱ブロックであって、上記第1の放熱ブロックから離間した第2の放熱ブロックと、を更に備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、第1の放熱ブロックと第2の放熱ブロックとが離間しているため、増幅用光ファイバの第1の区間において発生した熱が、増幅用光ファイバの第2の区間に放熱ブロックを介して伝導することを防止することができる。同様に、増幅用光ファイバの第2の区間において発生した熱が、増幅用光ファイバの第1の区間に放熱ブロックを介して伝導することを防止することができる。したがって、第1の放熱ブロックと第2の放熱ブロックとが離間していない場合と比べて、増幅用光ファイバの端部近傍における樹脂温度の上昇をより効果的に抑えることができる。
本発明によれば、励起光のパワー(前方励起光のパワーと後方励起光のパワーとの和)を上げても、増幅用光ファイバの端部近傍における樹脂温度が上昇し難いファイバレーザを実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係るファイバレーザの構成を示すブロック図である。 図1に示すファイバレーザにおける前方励起光源及び後方励起光源の制御方法の具体例を示す図である。(a)は、前方励起光源から出力される前方励起光のパワーの時間変化を表すグラフであり、(b)は、後方励起光源から出力される後方励起光のパワーの時間変化を表すグラフであり、(c)は、増幅用光ファイバの前方励起光源側の端部における樹脂温度の時間変化を表すグラフであり、(d)は、増幅用光ファイバの後方励起光源側の端部における樹脂温度の時間変化を表すグラフである。 図1に示すファイバレーザが備える増幅用光ファイバの第1の実装形態を示す平面図である。 図3に示す増幅用光ファイバの実装形態に適合した放熱ブロックの構成例を示す図である。(a)は、放熱ブロックの第1の構成例を示す平面図であり、(b)は、放熱ブロックの第2の構成例を示す平面図である。 図3に示す増幅用光ファイバの実装形態に適合した前方励起光源及び後方励起光源の制御方法の具体例を示す図である。(a)は、前方励起光源から出力される前方励起光のパワーの時間変化を表すグラフであり、(b)は、後方励起光源から出力される後方励起光のパワーの時間変化を表すグラフである。 図1に示すファイバレーザが備える増幅用光ファイバの第2の実装形態を示す上面図である。 本発明の第2の実施形態に係るファイバレーザの構成を示すブロック図である。
≪第1の実施形態≫
〔ファイバレーザの構成〕
本発明の第1の実施形態に係るファイバレーザ1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るファイバレーザ1の構成を示すブロック図である。
ファイバレーザ1は、図1に示すように、増幅用光ファイバ11、ミラー素子12a、ハーフミラー素子12b、前方励起光源13a、後方励起光源13b、出力用光ファイバ14、制御部15、及び放熱ブロック16を備えている。
増幅用光ファイバ11は、コアがレーザ媒質として機能する光ファイバであり、例えば、コアに希土類元素が添加された光ファイバである。利用可能な希土類元素としては、例えば、Er(エルビウム)、Yb(イッテルビウム)、Nd(ネオジウム)などが挙げられる。増幅用光ファイバ11のコアに添加された希土類元素は、前方励起光源13a及び後方励起光源13bから供給される励起光によって反転分布状態に遷移する。そして、反転分布状態に遷移した希土類元素は、自然放出光を種光とする連鎖的な誘導放出によってレーザ光を生成する。
本実施形態においては、増幅用光ファイバ11として、ダブルクラッドファイバを用いる。ここで、ダブルクラッドファイバとは、(1)円柱状のコアと、(2)コアの側面を覆う、コアよりも屈折率の低い円筒状の第1クラッド(「インナークラッド」と呼ばれることもある)と、(3)第1クラッドの外側面を覆う、第1クラッドよりも屈折率の低い円筒状の第2クラッド(「アウタークラッド」とも呼ばれこともある)と、(4)第2クラッドの外側面を覆う円筒状の被覆と、を備えた光ファイバのことを指す。通常、コア及び第1クラッドの基材は、シリカガラスであり、第2クラッド及び被覆の基材は、樹脂である。ダブルクラッドファイバを用いることによって、前方励起光源13a及び後方励起光源13bから供給される励起光を、コアよりも断面積の広い第1クラッドに閉じ込めることが可能になる。このため、ファイバレーザ1の高出力化に有利である。
ミラー素子12aは、増幅用光ファイバ11にて生じたレーザ光を反射するための構成であり、増幅用光ファイバ11の一方の端部A(以下、「融着点A」と記載)に融着されている。また、ハーフミラー素子12bは、増幅用光ファイバ11にて生じたレーザ光の一部を反射すると共に、残りの部分を透過させるための構成であり、増幅用光ファイバ11の他方の端部B(以下、「融着点B」と記載)に融着されている。増幅用光ファイバ11にて生じたレーザ光は、ミラー素子12aとハーフミラー素子12bとにより交互に反射され、増幅用光ファイバ11を繰り返し往復する過程で再帰的に増幅される。増幅用光ファイバ11にて再帰的に増幅されたレーザ光のうち、ハーフミラー素子12bを透過したレーザ光は、出力用光ファイバ14を介して外部に出力される(例えば、加工対象物に照射される)。
本実施形態においては、ミラー素子12a及びハーフミラー素子12bとして、ファイバブラッググレーティングを用いる。ここで、ファイバブラッググレーティングとは、長手方向に沿ってコアの屈折率が周期的に変化する(高屈折率断面の集合がグレーティングを構成する)光ファイバのことを指す。ファイバブラッググレーティングは、グレーティングの周期に応じたブラッグ波長を中心波長とする波長帯域の光を選択的に反射する。
ミラー素子12aとして用いられるファイバブラッググレーティングにおいては、グレーティングの周期が、発振すべきレーザ光の波長として予め定められた波長λ(例えば、1050nm)における反射率が99%以上になるように、かつ、後述する前方励起光源13aから供給される波長λ’(例えば、900nm)の前方励起光を透過するように設定される。また、ハーフミラー素子12bとして用いられるファイバブラッググレーティングにおいては、グレーティングの周期が、上記の波長λにおける反射率が10%以上20%以下になるように、かつ、後述する後方励起光源13bから供給される波長λ’の後方励起光を透過するように設定される。
前方励起光源13aは、増幅用光ファイバ11に前方励起光を供給するための構成であり、ミラー素子12aを介して増幅用光ファイバ11の一方の端部に接続されている。また、後方励起光源13bは、増幅用光ファイバ11に後方励起光を供給するための構成であり、ハーフミラー素子12bを介して増幅用光ファイバ11の他方の端部に接続されている。前方励起光源13aから供給された前方励起光、及び、後方励起光源13bから供給された後方励起光の大部分は、増幅用光ファイバ11のクラッドモードに結合し、増幅用光ファイバ11のコアに添加された希土類元素を反転分布状態に遷移させる。なお、反転分布状態に遷移した希土類元素において生じる連鎖的な誘導放出によってレーザ光が生じることは、前述したとおりである。
本実施形態においては、前方励起光源13aとして、N個のLD(Laser Diode)13a1、及び、1個のコンバイナ13a2により構成された高出力光源を用いる。ここで、Nは、2以上の任意の自然数である。図1においては、N=6の場合を示している。各LD13a1は、レーザ光を出力する光源である。コンバイナ13a2は、N+1個の入力ポート(うち1個は未使用)と1個の出力ポートとを有するコンバイナであり、N個のLD13aの各々から出力されたレーザ光を合波する。コンバイナ13a2から出力されたレーザ光は、前方励起光として増幅用光ファイバ11に供給される。
各LD13a1に供給される駆動電流Iaの電流路13a4上には、電流量可変な定電流源13a5が設けられている。定電流源13a5の電流量、すなわち、各LD13a1に供給される駆動電流Iaの大きさは、後述する制御部15により制御されている。
同様に、本実施形態においては、後方励起光源13bとして、N個のLD(Laser Diode)13b1、及び、1個のコンバイナ13b2により構成された高出力光源を用いる。ここで、Nは、2以上の任意の自然数である。図1においては、N=6の場合を示している。各LD13b1は、レーザ光を出力する光源である。コンバイナ13b2は、N+1個の入力ポート(うち1個は出力用光ファイバ14に接続される)と1個の出力ポートとを有するコンバイナであり、N個のLD13bの各々から出力されたレーザ光を合波する。コンバイナ13b2から出力されたレーザ光は、後方励起光として増幅用光ファイバ11に供給される。
各LD13b1に供給される駆動電流Ibの電流路13b4上には、電流量可変な定電流源13b5が設けられている。定電流源13b5の電流量、すなわち、各LD13b1に供給される駆動電流Ibの大きさは、後述する制御部15により制御されている。
前方励起光源13aから供給された前方励起光は、主に融着点Aの近傍において増幅用光ファイバ11に吸収され、当該部分を発熱させる。このため、融着点Aの近傍における増幅用光ファイバ11の樹脂部分の温度(以下、「樹脂温度」と記載)Taが上昇する。同様に、後方励起光源13bから出力された後方励起光は、主に融着点Bの近傍において増幅用光ファイバ11に吸収され、当該部分を発熱させる。このため、融着点Bの近傍における増幅用光ファイバ11の樹脂温度Tbが上昇する。
ただし、前方励起光に起因する増幅用光ファイバ11の樹脂部分の発熱は、融着点Aの近傍において局所的に生じる。すなわち、前方励起光が融着点Bの近傍における樹脂温度Tbの上昇に与える影響は小さく、無視することができる。同様に、後方励起光に起因する増幅用光ファイバ11の樹脂部分の発熱は、融着点Bの近傍において局所的に生じる。すなわち、後方励起光が融着点Aの近傍における樹脂温度Taの上昇に与える影響は小さく、無視することができる。
このような発熱により、融着点A,Bの近傍における増幅用光ファイバ11の樹脂部分の温度Ta,Tbが当該樹脂部分を構成する樹脂材料の耐熱上限温度T0を超えることを防ぐために、ファイバレーザ1においては、以下の対策が講じられている。
対策1:前方励起光のパワーPaと後方励起光のパワーPbとが相補的な増減を繰り返す(例えば、前方励起光のパワーPaが周期的に変化し、後方励起光のパワーPbが、前方励起光のパワーPaとの和Pa+Pbが一定になるように、周期的に変化する)ように、前方励起光源13a及び後方励起光源13bを制御する制御部15を設ける。
対策2:増幅用光ファイバ11と熱的に接触する放熱ブロック16を設ける。
対策1により、前方励起光のパワーPaが増減を繰り返すため、前方励起光のパワーPaが増加したときに上昇した樹脂温度Taを、前方励起光のパワーPaが減少したときに低下させることができ、その結果、樹脂温度Taの上昇を抑えることができる。また、後方励起光のパワーPbが増減を繰り返すため、後方励起光のパワーPbが増加したときに上昇した樹脂温度Tbを、後方励起光のパワーPbが減少したときに低下させることができ、その結果、樹脂温度Tbの上昇を抑えることができる。さらに、前方励起光のパワーPaの増減と後方励起光のパワーPbの増減が相補的であるため、増幅用光ファイバ11に供給される全励起光のパワー(前方励起光のパワーPaと後方励起光のパワーPbとの和Pa+Pb)を一定又は略一定に保つことができる。したがって、増幅用光ファイバ11に供給される全励起光のパワーを一定又は略一定に保ったまま、樹脂温度Ta,Tbの上昇を抑えることができる。
対策2により、増幅用光ファイバ11の樹脂部分で発生した熱を放熱ブロック16に逃がすことができる。その結果、樹脂温度Ta,Tbの上昇を更に抑えることができる。
なお、前方励起光源13a及び後方励起光源13bの制御方法の具体例については、参照する図面を代えて後述する。
〔前方励起光源及び後方励起光源の制御方法の具体例〕
次に、前方励起光源13a及び後方励起光源13bの制御方法の具体例について、図2を参照して説明する。図2において、(a)は、前方励起光源13aから出力される前方励起光のパワーPaの時間変化を表すグラフであり、(b)は、後方励起光源13bから出力される後方励起光のパワーPbの時間変化を表すグラフであり、(c)は、融着点Aの近傍における増幅用光ファイバ11の樹脂温度Taの時間変化を表すグラフであり、(d)は、融着点Bの近傍における増幅用光ファイバ11の樹脂温度Tbの時間変化を表すグラフである。
本具体例に係る制御方法は、前方励起光源13aと後方励起光源13bとが相補的に点滅する(一方が点灯したとき他方が消灯するという関係を満たしながら、それぞれが点灯と消灯とを繰り返す)ように、前方励起光源13aと後方励起光源13bとをON/OFF制御する制御方法である。
すなわち、時刻t1からΔt秒間(予め定められた時間)、制御部15は、(a)LD13a1に供給される駆動電流IaがI0(予め定められた電流値)になるように定電流源13a5を制御して前方励起光源13aを点灯すると共に、(b)LD13b1に供給される駆動電流Ibが閾値電流以下になるように定電流源13b5を制御して後方励起光源13bを消灯する。これにより、時刻t1からΔt秒間、(a)前方励起光のパワーPaは、図2の(a)に示すようにP0(予め定められたパワー)になり、(b)後方励起光のパワーPbは、図2の(b)に示すように0[W]になる。
次に、時刻t2=t1+ΔtからΔt秒間、制御部15は、(a)LD13a1に供給される駆動電流Iaが閾値電流以下になるように定電流源13a5を制御して前方励起光源13aを消灯すると共に、(b)LD13b1に供給される駆動電流IbがI0になるように定電流源13b5を制御して後方励起光源13bを点灯する。これにより、時刻t2からΔt秒間、(a)前方励起光のパワーPaは、図2の(a)に示すように0[W]になり、(b)後方励起光のパワーPbは、図2の(b)に示すようにP0になる。
以後、制御部15は、上記のON/OFF制御を繰り返す。これにより、増幅用光ファイバ11に供給される全励起光のパワー(前方励起光のパワーPaと後方励起光のパワーPbとの和Pa+Pb)をP0に保ったまま、前方励起光源13a及び後方励起光源13bの点灯時間をそれぞれΔtに抑えることができる。
前方励起光源13aを上記のように制御することによって、融着点Aの近傍における増幅用光ファイバ11の樹脂温度Taは、図2の(c)の示すように変化する。すなわち、各周期(点灯期間+消灯期間)について、樹脂温度Taは、前方励起光源13aの点灯期間(t1〜t2、t3〜t4、t5〜t6,t7〜t8,t9〜t10)において、その周期の始温度からその周期の最高温度にまで上昇した後、前方励起光源13aの消灯期間(t2〜t3、t4〜t5、t6〜t7、t8〜t9)において、その周期の最高温度からその周期の終温度にまで低下する。この際、各周期における最高温度は、図2(c)に点線で示すように、周期を重ねるに従って次第に上昇するが、その上昇の仕方は、前方励起光源13aを連続点灯させた場合の樹脂温度Taの上昇の仕方よりもゆっくりしたものとなる。
ここで、点灯期間における温度上昇量(最高温度−始温度)は、周期を重ねるに従って次第に小さくなり、消灯期間における温度低下量(最高温度−終温度)は、周期を重ねるに従って次第に大きくなる。これは、樹脂温度Taが高くなるに従って、樹脂温度Taと環境温度Te(例えば、放熱ブロック16の温度)との温度差が大きくなり、その結果、放熱効率が高くなるためである。このため、各周期の最高温度は、図2(c)に点線で示すように、点灯期間における温度上昇量と消灯期間における温度低下量とがバランスするまでは、次第に上昇するが、点灯期間における温度上昇量と消灯期間における温度低下量とがバランスしてからは、定常温度T1に保たれる。
前方励起光源13aを連続点灯させた場合、樹脂温度Taは、図2の(c)に鎖線で示すように、前方励起光源13aを点滅させた場合の定常温度T1よりも高い定常温度T2に達する。このため、図2(c)に示すように、上限耐熱温度T0が、前方励起光源13aを点滅させた場合の定常温度T1よりも高く、前方励起光源13aを連続点灯させた場合の定常温度T2よりも低い場合、前方励起光源13aを連続点灯させれば、増幅用光ファイバ11の樹脂部分が劣化したり分解したりするところ、前方励起光源13aを点滅させれば、増幅用光ファイバ11の樹脂部分が劣化することも分解することもない。
また、後方励起光源13bを上記のように制御することによって、融着点Bの近傍における増幅用光ファイバ11の樹脂温度Tbは、図2の(d)の示すように変化する。すなわち、各周期について、樹脂温度Tbは、後方励起光源13bの点灯期間(t2〜t3、t4〜t5、t6〜t7、t8〜t9)において、その周期の始温度からその周期の最高温度にまで上昇した後、後方励起光源13bの消灯期間(t3〜t4、t5〜t6,t7〜t8,t9〜t10)において、その周期の最高温度からその周期の終温度にまで低下する。この際、各周期における最高温度は、図2(d)に点線で示すように、周期を重ねるに従って次第に上昇するが、その上昇の仕方は、前方励起光源13bを連続点灯させた場合の樹脂温度Taの上昇の仕方よりもゆっくりしたものとなる。
ここで、点灯期間における温度上昇量(最高温度−始温度)は、周期を重ねるに従って次第に小さくなり、消灯期間における温度低下量(最高温度−終温度)は、周期を重ねるに従って次第に大きくなる。これは、樹脂温度Tbが高くなるに従って、樹脂温度Tbと環境温度Te(例えば、放熱ブロック16の温度)との温度差が大きくなり、その結果、放熱効率が高くなるためである。このため、各周期の最高温度は、図2(d)に点線で示すように、点灯期間における温度上昇量と消灯期間における温度低下量とがバランスするまでは、次第に上昇するが、点灯期間における温度上昇量と消灯期間における温度低下量とがバランスしてからは、定常温度T1に保たれる。
後方励起光源13bを連続点灯させた場合、樹脂温度Tbは、図2の(c)に鎖線で示すように、後方励起光源13bを点滅させた場合の定常温度T1よりも高い定常温度T2に達する。このため、図2(c)に示すように、上限耐熱温度T0が、後方励起光源13bを点滅させた場合の定常温度T1よりも高く、後方励起光源13bを連続点灯させた場合の定常温度T2よりも低い場合、後方励起光源13bを連続点灯させれば、増幅用光ファイバ11の樹脂部分が劣化したり分解したりするところ、後方励起光源13bを点滅させれば、増幅用光ファイバ11の樹脂部分が劣化することも分解することもない。
〔増幅用光ファイバの第1の実装形態〕
次に、増幅用光ファイバ11の第1の実装形態について、図3を参照して説明する。図3は、増幅用光ファイバ11の第1の実装形態を示す上面図である。
本実装形態において、増幅用光ファイバ11は、図3に示すように、1つの渦巻を形成するように巻かれて放熱ブロック16上に載置される。このような実装形態を採用することによって、増幅用光ファイバ11の実装に要する面積を小さく抑えることができる。
なお、増幅用光ファイバ11は、融着点Aの近傍が渦巻の外周を構成する(融着点Bの近傍が渦巻の内周を構成する)ように巻かれていても、融着点Aの近傍が渦巻の内周を構成する(融着点Bの近傍が渦巻の外周を構成する)ように巻かれていてもよいが、図3及び以下の説明では、前者を仮定する。
図3に示す実装形態を採用すると、増幅用光ファイバ11の単位長さあたり発熱量の分布が対称である場合、増幅用光ファイバ11の内周部における単位面積あたりの発熱量は、増幅用光ファイバ11の外周部における単位面積あたりの発熱量よりも大きくなる。このため、放熱ブロック16の単位面積あたりの吸熱量が一様である場合、増幅用光ファイバ11の内周部における樹脂温度Tbは、増幅用光ファイバ11の外周部における樹脂温度Taよりも高くなる。なお、増幅用光ファイバ11の単位長さあたりの発熱量の分布が対称であるとは、融着点Aからの距離の関数としてみた単位長さあたりの発熱量の分布と融着点Bからの距離の関数としてみた単位長さあたりの発熱量の分布とが一致又は略一致することを指す。
このように内周部と外周部とで増幅用光ファイバ11の樹脂温度Ta,Tbが異なると、例えば、以下のような問題を生じる。すなわち、増幅用光ファイバ11の外周部における樹脂温度Taが耐熱上限温度T0を超えないように前方励起光源13a及び後方励起光源13bの点灯時間Δtを設定すると、増幅用光ファイバ11の内周部における樹脂温度Tbが耐熱上限温度T0を超えるといった問題を生じる。
このような問題を回避する方法としては、(1)放熱ブロック16の単位面積あたりの吸熱量を非一様にする方法と、(2)増幅用光ファイバ11の単位長さあたりの発熱量の分布を非対称にする方法とが考えられる。
(1)放熱ブロック16の単位面積あたりの吸熱量を非一様にする方法
増幅用光ファイバ11の内周部(融着点Bの近傍)と接触する領域における放熱ブロック16の単位面積あたりの吸熱量を、増幅用光ファイバ11の外周部(融着点Aの近傍)と接触する領域における放熱ブロック16の単位面積あたりの吸熱量よりも大きくする。これにより、増幅用光ファイバ11の内周部における樹脂温度Tbが上限耐熱温度T0を超え難くなる。
単位面積あたりの吸熱量の分布を上記のように非一様化した放熱ブロック16の構成例を、図4の(a)及び図4の(b)に示す。図4の(a)は、放熱ブロック16の第1の構成例を示す平面図であり、図4の(b)は、放熱ブロック16の第2の構成例を示す平面図である。
図4の(a)に示す放熱ブロック16の裏面には、渦巻状流路16aが設けられており、この渦巻状流路16aには、内周側が上流(外周側が下流)となるように冷却液が流されている。増幅用光ファイバ11は、その内周部が渦巻状流路16aの内周側と重なり、その外周部が渦巻状流路16aの外周側と重なるように配置される。
上記の構成によれば、増幅用光ファイバ11の内周部と接触する領域における放熱ブロック16の単位面積あたりの吸熱量を、増幅用光ファイバ11の外周部と接触する領域における放熱ブロック16の単位面積あたりの吸熱量よりも大きくすることができる。これにより、増幅用光ファイバ11の内周部における樹脂温度Tbが上限耐熱温度T0を超え難くなる。
図4の(b)に示す放熱ブロック16の裏面には、同心円状に配置された2つの環状流路16a1,16a2が設けられており、小径の環状流路16a1を流れる冷却液の温度Tlowは、大径の環状流路16a2を流れる冷却液の温度Thighよりも低い。増幅用光ファイバ11は、その内周側が小径の環状流路16a1と重なり、その外周側が大径の環状流路16a2と重なるように放熱ブロック16の表面に配置される。
上記の構成によれば、増幅用光ファイバ11の内周部と接触する領域における放熱ブロック16の単位面積あたりの吸熱量を、増幅用光ファイバ11の外周部と接触する領域における放熱ブロック16の単位面積あたりの吸熱量よりも大きくすることができる。これにより、増幅用光ファイバ11の内周部における樹脂温度Tbが上限耐熱温度T0を超え難くなる。
(2)増幅用光ファイバ11の単位長さあたりの発熱量の分布を非対称にする方法
増幅用光ファイバ11の内周部(融着点Bの近傍)における単位長さあたりの発熱量を、増幅用光ファイバ11の外周部(融着点Aの近傍)における単位長さあたりの発熱量よりも小さくする。これにより、増幅用光ファイバ11の内周部における樹脂温度Tbが上限耐熱温度T0を超え難くなる。
増幅用光ファイバ11の単位長さあたりの発熱量の分布を上記の非一様化する前方励起光源13a及び後方励起光源13bの制御例を、図5に示す。図5において、(a)は、前方励起光源13aから出力される前方励起光のパワーPaの時間変化を表すグラフであり、(b)は、後方励起光源13bから出力される後方励起光のパワーPbの時間変化を表すグラフである。
図5に示す制御例においては、増幅用光ファイバ11の内周側の端点(融着点B)に接続される後方励起光源13bの点灯時間Δtbを、増幅用光ファイバ11の外周側の端面(融着点A)に接続される前方励起光源13aの点灯時間Δtaよりも長くしている。
上記の構成によれば、増幅用光ファイバ11の内周部における単位長さあたりの発熱量を、増幅用光ファイバ11の外周部における単位長さあたりの発熱量よりも小さくすることができる。これにより、増幅用光ファイバ11の内周部における樹脂温度Tbが上限耐熱温度T0を超え難くなる。
〔増幅用光ファイバの第2の実装形態〕
次に、増幅用光ファイバ11の第2の実装形態について、図6を参照して説明する。図6は、増幅用光ファイバ11の第2の実装形態を示す上面図である。
本実施形態において、増幅用光ファイバ11は、図6に示すように、2つの渦巻を形成するように巻かれて放熱ブロック161,162上に載置される。このような実装形態を採用することによっても、増幅用光ファイバ11の実装に要する面積を小さく抑えることができる。
なお、増幅用光ファイバ11の融着点Aから中間点M(融着点Aと融着点Bとの間の点であれば、増幅用光ファイバ11を2等分する点であることを要さない)までの区間により形成される第1の渦巻は、融着点Aの近傍が外周を構成する(中間点Mの近傍が渦巻の内周を構成する)ように巻かれていることが好ましい。また、増幅用光ファイバ11の中間点Mから融着点Bまでの第2の区間により形成される第2の渦巻は、融着点Bの近傍が渦巻の外周を構成する(中間点Mの近傍が渦巻の内周を構成する)ように巻かれていることが好ましい。融着点A,Bの近傍が内周を構成するように巻かれている場合と比べて、融着点A,Bの近傍における単位面積あたりの発熱量を小さく抑えることができるからである。
図6に示す実装形態を採用すると、増幅用光ファイバ11の単位長さあたり発熱量の分布が対称である場合、融着点Aの近傍における増幅用光ファイバ11の単位面積あたりの発熱量と融着点Bの近傍における増幅用光ファイバ11の単位面積あたりの発熱量とが等しくなる。したがって、図3に示す実装形態を採用したときのように、放熱ブロック16の単位面積あたりの吸熱量を非一様にしたり、増幅用光ファイバ11の単位長さあたりの発熱量の分布を非対称にしたりする必要はない。
なお、図6に示す実装形態においては、増幅用光ファイバ11の第1の区間と熱的に接触する第1の放熱ブロック161を用いて、増幅用光ファイバ11の第1の区間において発生した熱を逃がし、増幅用光ファイバ11の第2の区間と熱的に接触する第2の放熱ブロック162を用いて、増幅用光ファイバ11の第2の区間において発生した熱を逃がす構成を採用している。ここで、第1の放熱ブロック161と第2の放熱ブロック162とは、互いに離間しており、熱的に接触していない。
このような構成を採用することによって、増幅用光ファイバ11の第1の区間において発生した熱が、増幅用光ファイバ11の第2の区間に放熱ブロックを介して伝導する(すなわち、増幅用光ファイバ11の樹脂温度Tbを上昇させる)ことを防止することができる。同様に、増幅用光ファイバ11の第2の区間において発生した熱が、増幅用光ファイバ11の第1の区間に放熱ブロックを介して伝導する(すなわち、増幅用光ファイバ11の樹脂温度Taを上昇させる)ことを防止することができる。
〔実施例〕
発明者らは、以下のように構成された出力パワー2kWのファイバレーザ1において、前方励起光源13a及び後方励起光源13bの点灯時間Δtを1msecとしたときに、増幅用光ファイバ11の樹脂温度Ta,Tbが耐熱上限温度T0よりも低く抑えられることを確かめた。
前方励起光源13a及び後方励起光源13b:それぞれ、18個のLDと、各LDから出力されたレーザ光を合波する1個のポンプコンバイナとにより構成した。各LDの出力は140Wとした。ポンプコンバイナとしては、18個の励起ポート(コア径105μm、クラッド径125μm、NA0.22)と、1個の出力ポート(コア径25μm、クラッド径400μm、コアNA0.06、クラッドNA0.46)とを有する18入力のコンバイナを用いた。
増幅用光ファイバ11:コア径25μm、クラッド径400μm、コアNA0.06、クラッドNA0.46のダブルクラッドファイバを用いた。
ミラー素子12a:反射率99%のファイバブラッググレーティングを用いた。
ハーフミラー素子12b:反射率10%のファイバブラッググレーティングを用いた。
≪第2の実施形態≫
本発明の第2の実施形態に係るファイバレーザ1’の構成について、図7を参照して説明する。図7は、本実施形態に係るファイバレーザ1’の構成を示すブロック図である。
ファイバレーザ1’は、図7に示すように、増幅用光ファイバ11、ミラー素子12a、ハーフミラー素子13b、前方励起光源13a、後方励起光源13b、出力用光ファイバ14、制御部15、及び放熱ブロック16を備えている。これらのブロックは、制御部15を除き、ファイバレーザ1の対応するブロック(同一の参照符号が付されたブロック)と同等の機能を有しているので、ここでは、その説明を省略する。
ファイバレーザ1’は、更に、2つの温度計17a,17bを備えている。第1の温度計17aは、融着点Aの近傍における増幅用光ファイバ11の樹脂温度Taを測定するための手段であり、第2の温度計17bは、融着点Bの近傍における増幅用光ファイバ11の樹脂温度Tbを測定するためのものである。
制御部15は、2つの温度計17a,17bにて測定された樹脂温度Ta,Tbに基づき、励起光源13a,13bに供給する駆動電流Ia,Ibの大きさを制御する。具体的には、増幅用光ファイバ11の樹脂部分を構成する樹脂材料の耐熱上限温度T0よりも低い、予め定められた閾温度Tthを用いた以下の制御を行う。
すなわち、制御部15は、樹脂温度Taが閾温度Tthに達するまでの間、前方励起光源13aに供給される駆動電流IaをI0(予め定められた電流値)に制御して前方励起光源13aを点灯する。この間、後方励起光源13bは、消灯状態に保たれる。そして、制御部15は、樹脂温度Taが閾温度Thに達すると、前方励起光源13aに供給される駆動電流Iaを閾値電流以下に制御して前方励起光源13aを消灯する。
次に、制御部15は、樹脂温度Tbが閾温度Tthに達するまでの間、後方励起光源13bに供給される駆動電流IbをI0に制御して後方励起光源13bを点灯する。この間、前方励起光源13aは、消灯状態に保たれる。そして、制御部15は、樹脂温度Tbが閾温度Thに達すると、後方励起光源13bに供給される駆動電流Ibを閾値電流以下に制御して後方励起光源13bを消灯する。
以後、制御部15は、上記のON/OFF制御を繰り返す。これにより、増幅用光ファイバ11に供給される全励起光のパワー(前方励起光のパワーPaと後方励起光のパワーPbとの和Pa+Pb)をP0に保ったまま、樹脂温度Ta,Tbをそれぞれ耐熱上限温度T0よりも低い閾温度Tth以下に抑えることができる。
≪付記事項≫
なお、本発明は上述した各実施形態や実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態または実施例に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上述した各実施形態においては、前方励起光源13aと後方励起光源13bとが交互に点灯するように、各励起光源13a,13bに供給される駆動電流Ia,IbのON/OFF制御する構成を採用しているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、前方励起光のパワーPaと後方励起光のパワーPaとが相補的な増減を繰り返す構成であれば、各励起光源13a,13bに供給される駆動電流Ia,Ibの制御は、必ずしもON/OFF制御であることを要さない。例えば、前方励起光のパワーPaが曲線的に立ち上がる/立ち下がる際に、後方励起光のパワーPbがPa+Pb=P0(一定)を満たすように曲線的に立ち下がる/立ち上がる構成も本発明の範疇に含まれる。また、前方励起光のパワーPaの最小値が0[W]よりも大きい(全てのLD13a1がフルパワーPa/Nよりも小さいパワーで点灯するか、又は、一部のLD13a1がフルパワーPa/Nで点灯し、残りのLD13a1が消灯する)構成や後方励起光のパワーPbの最小値が0[W]よりも大きい(全てのLD13b1がフルパワーPb/Nよりも小さいパワーで点灯するか、又は、一部のLD13b1がフルパワーPa/Nで点灯し、残りのLD13b1が消灯する)構成なども本発明の範疇に含まれる。
1,1’ ファイバレーザ
11 増幅用光ファイバ
12a ミラー素子
12b ハーフミラー素子
13a 前方励起光源
13b 後方励起光源
14 出力用光ファイバ
15 制御部
16 放熱ブロック

Claims (5)

  1. 増幅用光ファイバと、
    上記増幅用光ファイバに前方励起光を供給する前方励起光源と、
    上記増幅用光ファイバに後方励起光を供給する後方励起光源と、
    上記増幅用光ファイバの上記前方励起光源側の端部近傍の樹脂温度を測定する第1の温度計と、
    上記増幅用光ファイバの上記後方励起光源側の端部近傍の樹脂温度を測定する第2の温度計と、
    上記後方励起光源を消灯して、上記第1の温度計にて測定された樹脂温度が予め定められた閾温度に達するまで上記前方励起光源を点灯させた後、上記前方励起光源を消灯して、上記第2の温度計にて測定された樹脂温度が上記閾温度に達するまで上記後方励起光源を点灯させる制御を繰り返す制御部と、を備えている、
    ことを特徴とするファイバレーザ。
  2. 上記増幅用光ファイバは、1つの渦巻を形成するように巻かれており、
    当該ファイバレーザは、上記増幅用光ファイバと熱的に接触する放熱ブロックであって、上記増幅用光ファイバの内周部と接触する領域における単位面積あたりの吸熱量が上記増幅用光ファイバの外周部と接触する領域における単位面積あたりの吸熱量よりも大きい放熱ブロックを更に備えている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のファイバレーザ。
  3. 増幅用光ファイバと、
    上記増幅用光ファイバに前方励起光を供給する前方励起光源と、
    上記増幅用光ファイバに後方励起光を供給する後方励起光源と、
    上記後方励起光源を消灯して、上記前方励起光源を予め定められた点灯時間に亘って点灯させた後、上記前方励起光源を消灯して、上記後方励起光源を予め定められた点灯時間に亘って点灯させる制御を繰り返す制御部と、を備えており、
    上記増幅用光ファイバは、1つの渦巻を形成するように巻かれており、
    上記前方励起光源及び上記後方励起光源のうち、上記増幅用光ファイバの内周側の端部に接続された励起光源の点灯時間は、上記前方励起光源及び上記後方励起光源のうち、上記増幅用光ファイバの外周側の端部に接続された励起光源の点灯時間よりも短い、
    ことを特徴とするファイバレーザ。
  4. 上記増幅用光ファイバは、一方の端部から中間点までの第1の区間が、当該一方の端部近傍を外周とする第1の渦巻を形成するように巻かれており、中間点から他方の端部までの第2の区間が、当該他方の端部近傍を外周とする第2の渦巻を形成するように巻かれている、
    ことを特徴とする請求項に記載のファイバレーザ。
  5. 上記増幅用光ファイバの上記第1の区間と熱的に接触する第1の放熱ブロックと、
    上記増幅用光ファイバの上記第2の区間と熱的に接触する第2の放熱ブロックであって、上記第1の放熱ブロックから離間した第2の放熱ブロックと、を更に備えている、
    ことを特徴とする請求項に記載のファイバレーザ。
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