JP6682283B2 - 6価クロム処理剤およびこれを用いた革または革製品 - Google Patents
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Description
本発明の6価クロム処理剤(本明細書において6価クロム処理液、単に処理液、処理剤ともいう。)は、6価クロムを3価クロムに還元し得る6価クロム還元化合物、蛍光物質および溶媒を含む。このように、6価クロム還元化合物とともに蛍光物質を含むことから、上記6価クロム処理剤により処理された革を判別できる。詳細には、上記6価クロム処理剤によって処理された革は外観上の変化はない(なお、該処理剤によって外観上変化しないことが好ましい。)が、上記革に紫外線(通常290〜400nm)をあてると、蛍光物質がこれを吸収し、この吸収エネルギーを可視部で蛍光発色する。これにより、本発明の6価クロム処理剤により処理された革であることが判別できる。
6価クロム還元化合物として、特許文献1に記載されたアスコルビン酸の他、本発明者が提案した化合物(国際出願PCT/JP2015/71509(国際出願日:平成27年7月29日))が挙げられる。以下に、本発明者が提案した6価クロム還元化合物について説明する。
6価クロム還元化合物は、有害な6価クロムに作用して、無害な化合物に化学変化をさせる有機化合物である。この化合物はたとえば6価のクロムを還元して3価のクロムとして無害化ができる。
6価クロム還元化合物として含まれる有機化合物(A)および(B)は、6価クロムの処理機能がありこれを無害化する基本性能はもとより、これで処理した革または革製品が皮膚に触れた状態で、肌荒れ等の影響を及ぼさないことと、有毒性を有しないものである。また、(A)および(B)は、それぞれの還元性によっても互いに分解を引き起こさず、また、反応せず互いに干渉し得ない化合物であることが、好ましい。該有機化合物としては、上記化学式(1)に示される基本骨格を有する化合物が好ましく、C、H、Oの原子からなる安定なものが好ましい。
有機化合物(A)は、上記化学式(1)に示される構造およびたとえば下記化学式(15)に示すヒドロキシフェニル基を有する。該官能基を有することで、革または革製品中において、即効性もあり、長く安定して滞留し、長期にわたり還元作用を有し、耐熱性に優れる。それゆえ、長期にわたり、6価クロムの生成が抑制される。また、革または革製品に含まれることで、汗や雨などの水分によっても分解されにくい。このような優れた効果を有する理由については定かではないが、なめしによって、通常、皮の主成分であるコラーゲンは化学的に架橋され安定化されている。有機化合物(A)が有するヒドロキシフェニル基が、特に、該コラーゲンとの相互作用が高いため長く保持される一方で、該コラーゲンに完全に取り込まれず、海島構造の島部分のようになり、還元性を有するほどの自由度をもって取り込まれているためと推測している。有機化合物(A)としては、革または革製品に用いるため、安全性が高く、環境への負荷が少ない化合物が好ましい。
有機化合物(A)としては、たとえば、上記化学式(2)〜(12)および(14)、
フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、3−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、2−フェニルフェノール、3−フェニルフェノール、4−フェニルフェノール、3,5−ジフェニルフェノール、2−ナフチルフェノール、3−ナフチルフェノール、4−ナフチルフェノール、4−トリチルフェノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、4−tert−ブチルカテコール、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、2−プロピルフェノール、3−プロピルフェノール、4−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2−メトキシ−5−メチルフェノール、2−tert−ブチル−5−メチルフェノール、チモール、イソチモール、1−ナフトール、2−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、4−メトキシ−1−ナフトール、7−メトキシ−2−ナフトール、
1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン、
1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン等のテトラヒドロキシナフタレン、
3−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボン酸メチル、9−ヒドロキシアントラセン、1−ヒドロキシピレン、1−ヒドロキシフェナントレン、9−ヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールフルオレン、フェノールフタレイン、
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',3,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、
カテコール系タンニン、ピロガロール系タンニン、五倍子タンニン、没食子酸タンニン、フロロタンニンなどのタンニン類、
アントシアニン、ルチン、クエルセチン、フィセチン、ダイゼイン、ヘスペレチン、ヘスピリジン、クリシン、フラボノー、ヘスペレチンなどのフラボノイド類、
カテキン、ガロカテキン、カテキンガラート、エピカテキン、エピカロカテキン、エピカテキンガレート、エピカロカテキンガレート、プロシアニジン、テアフラビンなどのカテキン類、
クルクミン、リグナン、
ロドデンドロール[4−(p−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノール]、
アセチルロドデンドロール、ヘキサノイルロドデンドロール、オクタノイルロドデンドロール、ドデカノイルロドデンドロール、テトラデカノイルロドデンドロール、ヘキサデカノイルロドデンドロール、オクタデカノイルロドデンドロール、4−(3−アセトキシブチル)フェニルアセテート、4−(3−プロパノイルオキシブチル)フェニルプロパノエート、4−(3−オクタノイルオキシブチル)フェニルオクタノエート、4−(3−パルミトイルオキシブチル)フェニルパルミテート等のアシル化ロドデンドロール、
4−(3−メトキシブチル)フェノール、4−(3−エトキシブチル)フェノール、4−(3−オクチルオキシブチル)フェノール等のロドデンドロールアルキルエーテル体、
ロドデンドロール−D−グルコシド(αまたはβ体)、ロドデンドロール−D−ガラクトシド(αまたはβ体)、ロドデンドロール−D−キシロシド(αまたはβ体)、ロドデンドロール−D−マルトシド(αまたはβ体)等のロドデンドロール配糖体等、
αトコフェロール、βトコフェロール、γトコフェロール、δトコフェロールなどを挙げることができる。
有機化合物(B)は、上記化学式(1)に示される構造を有するが、たとえば上記化学式(15)に示すヒドロキシフェニル基を有さない。該ヒドロキシフェニル基を含まないことで、革または革製品中に浸透し難くなるが、化学式(1)に示される構造を有するので、革または革製品の表面にある6価クロムを3価クロムに好適に還元させ、無毒化させることができる。そのため、該化合物(B)を用いることで、汗や雨などの水分に溶解した6価クロムイオンの環境への溶出およびヒトへの曝露を即効性良く抑制できる。該有機化合物(B)としては、たとえば、ヘテロ環を有する化合物がある。ヘテロ環としてはフラン、クロメン、イソクロメン、キサンテンなどがある。この様な誘導体としては、たとえば上記化学式(13)に示した構造の化合物やその誘導体、エリソルビン酸やその誘導体、4−ヒドロキシフラン−2(5H)−オンが有る。このような化合物は6価クロムの除去機能を有する。
本発明において、上記有機化合物(B)が、アスコルビン酸およびエリソルビン酸から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましく、アスコルビン酸であることがより好ましい。該化合物は、分解し易いため長期にわたり効果を実現できず、革または革製品からブリードし易いが、ヒト(皮膚)に対して低刺激性であり安全性に優れ、還元力も高く、即効性も高い。そのため、該化合物(B)を含む処理剤を革または革製品に接触させることで、6価クロムイオンの環境への溶出およびヒトへの曝露を効果的かつ未然に防ぐことができる。また、特に表面を迅速に無毒化処理できるため、肌荒れやアレルギーなどの発症を好適に抑制することができる。該化合物(B)は、有機化合物(A)とも反応せず相溶しなく、該化合物(A)によって分解されないので、該処理液に好適に混合することができる。また、還元力が強いため、該化合物を含むことで、有機化合物(A)による褐色化や色落ちを防止できる。さらに分解性が高いため、色つきがし難く、革または革製品の色味や風合いを損なうことがないため、好ましい。
6価クロム還元化合物として、下記式(A−i)で表される化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)から選ばれる少なくとも1種が好ましく、下記式(A−i)で表される化合物(A−i)と、タンニン(A−ii)とを組み合わせて用いることがより好ましい。
R11〜R18は、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、または下記式(a−i)で表される基を表す。ここで、R19は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
R16とR17とは相互に一体となって5員環または6員環を形成していてもよく、該環を構成する原子としては炭素原子の他に酸素原子が含まれていてもよい。また、該環は置換基として炭素数1〜16のアルキル基を有していてもよい。炭素数1〜16のアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
6価クロム還元化合物として、化合物(A−i)、タンニン(A−ii)とともに、さらに下記式(B−i)で表される化合物(B−i)および下記式(B−ii)で表される化合物(B−ii)から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
蛍光物質としては、発光強度および皮膚への安全性を考慮して、クマリン誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル誘導体、ナフタルイミド誘導体、キサンテン誘導体、トリメチルジヒドロピリジン誘導体、コエロキセン誘導体、アントラキノン誘導体、インジゴ誘導体、アジン誘導体、アクリジン誘導体、ピラニンコンクなどが好適に用いられる。
キサンテン誘導体としては、法定色素、赤色104号の(1)、106号、213号、214号、215号、218号、223号、230号の(1)および(2)、231号、232号;だいだい色201号、206号、207号;黄色201号、202号の(1)および(2)が挙げられる。
これらのなかでも、高い発光強度および高い安全性を有するため、クマリン誘導体、キサンテン誘導体およびピラニンコンク(法定色素、緑色204号)が好適に用いられる。また、これらのなかでも、6価クロム処理剤に用いる溶媒への溶解性が高い蛍光物質がより好適に用いられる。しかしながら、上記溶媒に溶解しない蛍光物質であっても、革表面に蛍光物質が付着した状態が得られれば用いることができる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
6価クロム還元化合物を含む処理剤は、たとえば、6価クロム還元化合物を、水、炭素原子数1〜3のアルコール(プロパノール、イソプロパノール(IPA)、メタノールおよびエタノール)、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサン、ヘプタンなどの単独有機溶媒、水と該有機溶媒との混合溶媒あるいは有機溶媒を複数種混合した揮発性有機溶媒に溶解させ処理液とすることが好ましい。溶媒としては、水、炭素原子数1〜3のアルコール、ヘキサンおよびヘプタンから選ばれる少なくとも1種以上の溶媒を用いることが好ましく、2種以上の溶媒を用いると好適な処理液を得ることができるため、より好ましい。トルエンなどの炭化水素系溶媒は、革または革製品に対して浸透性に優れるが、ヒトに対して有害であることが多いので、出来れば、使用を避けた方がよい。
6価クロム処理剤は、6価クロム還元化合物をたとえば0.01〜10.0質量%の量で含む。
6価クロム処理剤は、本発明の効果が得られる限り特に限定されないが、革または革製品に対して迅速に浸透させ、無害化させる観点から、25℃における動粘度が、0.001(cSt)以上5(cSt)未満であることが好ましく、0.01(cSt)以上4.5(cSt)以下であることがより好ましく、0.05(cSt)以上4.3(cSt)以下であることがさらに好ましく、0.1(cSt)以上4.0(cSt)以下であることがさらにより好ましい。なお、動粘度は上記成分をたとえば上記の量で用いることで調整できる。特開2008−272552号公報には、アスコルビン酸を含み、粘度が5cP以上となる増粘剤によって増粘されている6価クロム汚染土壌用処理剤(水溶液)についての記載がある。該公報に記載の通り、処理剤の粘度が5cP未満であると、土壌への浸透性が高すぎて土壌中に万遍なく浸透しないため、5cP未満の処理剤は、土壌中の6価クロムの処理目的に使用することができない。革または革製品中の主成分であるコラーゲンは、化学的に架橋され安定化させているため、粘度が5cP以上となる処理剤では、革または革製品に対して、浸透しないおそれがある。
本発明の革または革製品は、上述した6価クロム処理剤における6価クロム還元化合物および蛍光物質を含む。上記革または革製品は、上述した6価クロム処理剤によって革または革製品を処理することで製造できる。
上述のように、本発明の6価クロム処理剤によって革または革製品を処理すると、革または革製品には、6価クロム還元化合物とともに蛍光物質が含まれた状態となる。上記6価クロム処理剤によって革を処理したかどうかは、処理前後において外観からは判らない。しかしながら、6価クロム処理剤によって処理された革または革製品に対して紫外線(通常290〜400nm)をあてると、蛍光物質がこれを吸収し、この吸収エネルギーを可視部で蛍光発色する。これにより、本発明の6価クロム処理剤により処理された革であることが判別できる。具体的には、たとえば、工業的に革製品を製造する工程において、上記処理が行われたかや処理漏れがないかを確認したり、6価クロム還元化合物による処理がされた革を購入した際に、該処理が行われているか確認したりできる。
以上より、本発明は以下に関する。
6価クロムを3価クロムに還元し得る6価クロム還元化合物、蛍光物質および溶媒を含むことを特徴とする6価クロム処理剤。
上記6価クロム還元化合物が、6価クロムと作用して3価に還元性を有する化学式(1)に示される構造およびヒドロキシフェニル基を有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない、有機化合物(A)であることを特徴とする〔1〕に記載の6価クロム処理剤。
上記有機化合物(A)が、6価クロムと作用して3価に還元性を有する化学式(1)に示される構造と、ジヒドロキシフェニル基またはトリヒドロキシフェニル基とを有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない化合物であることを特徴とする〔2〕に記載の6価クロム処理剤。
上記有機化合物(A)が、6価クロムと作用して3価に還元性を有する化学式(1)に示される構造と、3,4,5−トリヒドロキシフェニル基を有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない化合物であることを特徴とする〔3〕に記載の6価クロム処理剤。
上記有機化合物(A)が、
(i)没食子酸のエステルと、
(ii)タンニン酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物と
であることを特徴とする〔4〕に記載の6価クロム処理剤。
上記化合物(ii)がタンニン酸であることを特徴とする〔5〕に記載の6価クロム処理剤。
上記6価クロム還元化合物が、さらに、6価クロムと作用して3価に還元性を有する上記化学式(1)に示される構造を有し、かつ、ヒドロキシフェニル基、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない、有機化合物(B)を含むことを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の6価クロム処理剤。
上記有機化合物(B)が、アスコルビン酸、アスコルビン酸の誘導体、エリソルビン酸およびエリソルビン酸の誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする〔7〕に記載の6価クロム処理剤。
上記6価クロム還元化合物が、下記式(A−i)で表される化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする〔1〕に記載の6価クロム処理剤。
上記6価クロム還元化合物が、さらに下記式(B−i)で表される化合物(B−i)および下記式(B−ii)で表される化合物(B−ii)から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする〔9〕に記載の6価クロム処理剤。
上記蛍光物質が、クマリン誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル誘導体、ナフタルイミド誘導体、キサンテン誘導体、トリメチルジヒドロピリジン誘導体、コエロキセン誘導体、アントラキノン誘導体、インジゴ誘導体、アジン誘導体、アクリジン誘導体およびピラニンコンクから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の6価クロム処理剤。
〔12〕
上記6価クロム処理剤中、上記6価クロム還元化合物が0.01〜10.0質量%の量で含まれており、上記蛍光物質が0.01〜10.0質量%の量で含まれていることを特徴とする〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の6価クロム処理剤。
〔13〕
〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の6価クロム処理剤における上記6価クロム還元化合物および上記蛍光物質を含む革または革製品。
〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の6価クロム処理剤によって革または革製品を処理することを特徴とする革または革製品の製造方法。
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。
クロムなめしを行ったワニの革シートおよび牛の革シートを用意した。なお、時計用バンドに使用するサイズに切り取った。これら革について、ISO17075:2008−02の手法で求めた6価クロムの含有量は、ワニが8ppm、牛が3ppmであった。また、それぞれのバンドの含有する全クロムの含有率を蛍光X線分析器(エネルギー分散型蛍光X線分析装置、日本電子株式会社製JSX−3202EV ELEMENT ANALYZER)で分析したところ、ワニは7141ppm、牛は16362ppmであった。なお、基準試料として、日本電子株式会社製 JSX3000シリーズ 基準試料1、JSX3000シリーズ 基準試料2およびJSX3000シリーズ エネルギー校正基準試料を用いた。測定は、日本電子株式会社資料QuickManual(番号EY07007−J00、J00 EY07007G、2007年8月版)に基づき、JSX starterにつづき PlasticD3により実施した。
化学式(3)で示される化合物0.5g、化学式(4)で示される化合物2.5g、化学式(13)で示される化合物2.0gおよび7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン15gを混合溶媒と混合し均質化させ、6価クロム処理剤を得た。ここで、混合溶媒は6価クロム処理剤の全量が500gとなるように用いた。該処理剤の25℃における動粘度は3.7(cSt)であった。なお、動粘度は、ウベローデ粘度計を用いて、溶媒として、IPAと水(1vol:1vol)の混合溶媒を用い、温度25.0℃で測定した。
7−ヒドロキシ−4−メチルクマリンの量をそれぞれ0.05g、50gに変更したほかは実施例1−1と同様にして6価クロム処理剤および6価クロム処理剤による処理を行った革(ワニおよび牛)を得た。
化学式(3)で示される化合物0.5g、化学式(4)で示される化合物2.5g、化学式(13)で示される化合物2.0gの代わりに、化学式(3)で示される化合物1.5gおよび化学式(4)で示される化合物3.5gを用いたほかは、実施例1−1と同様にして6価クロム処理剤および6価クロム処理剤による処理を行った革(ワニおよび牛)を得た。
上記混合溶媒の代わりに、エタノールを用い、化学式(3)で示される化合物0.5g、化学式(4)で示される化合物2.5g、化学式(13)で示される化合物2.0gの代わりに、化学式(4)で示される化合物15gを用いたほかは、実施例1−1と同様にして6価クロム処理剤および6価クロム処理剤による処理を行った革(ワニおよび牛)を得た。
7−ヒドロキシ−4−メチルクマリンを法定色素、赤色106号に変更したほかは実施例1−1と同様にして6価クロム処理剤および6価クロム処理剤による処理を行った革(ワニおよび牛)を得た。
法定色素、赤色106号の量をそれぞれ0.05g、50gに変更したほかは実施例2−1と同様にして6価クロム処理剤および6価クロム処理剤による処理を行った革(ワニおよび牛)を得た。
化学式(3)で示される化合物0.5g、化学式(4)で示される化合物2.5g、化学式(13)で示される化合物2.0gの代わりに、化学式(3)で示される化合物1.5gおよび化学式(4)で示される化合物3.5gを用いたほかは、実施例2−1と同様にして6価クロム処理剤および6価クロム処理剤による処理を行った革(ワニおよび牛)を得た。
上記混合溶媒の代わりに、エタノールを用い、化学式(3)で示される化合物0.5g、化学式(4)で示される化合物2.5g、化学式(13)で示される化合物2.0gの代わりに、化学式(4)で示される化合物15gを用いたほかは、実施例2−1と同様にして6価クロム処理剤および6価クロム処理剤による処理を行った革(ワニおよび牛)を得た。
7−ヒドロキシ−4−メチルクマリンをピラニンコンク(法定色素、緑色204号)に変更したほかは実施例1−1と同様にして6価クロム処理剤および6価クロム処理剤による処理を行った革(ワニおよび牛)を得た。
ピラニンコンクの量をそれぞれ0.05g、50gに変更したほかは実施例3−1と同様にして6価クロム処理剤および6価クロム処理剤による処理を行った革(ワニおよび牛)を得た。
化学式(3)で示される化合物0.5g、化学式(4)で示される化合物2.5g、化学式(13)で示される化合物2.0gの代わりに、化学式(3)で示される化合物1.5gおよび化学式(4)で示される化合物3.5gを用いたほかは、実施例3−1と同様にして6価クロム処理剤および6価クロム処理剤による処理を行った革(ワニおよび牛)を得た。
上記混合溶媒の代わりに、エタノールを用い、化学式(3)で示される化合物0.5g、化学式(4)で示される化合物2.5g、化学式(13)で示される化合物2.0gの代わりに、化学式(4)で示される化合物15gを用いたほかは、実施例3−1と同様にして6価クロム処理剤および6価クロム処理剤による処理を行った革(ワニおよび牛)を得た。
クロムなめしで得られたワニの革シートおよび牛の革シートを用意した。なお、時計用バンドに使用するサイズに切り取った。
得られた6価クロム処理剤に上記ワニの革を浸漬した後、これを乾燥させて、6価クロム処理剤による処理を行った革を得た。上記牛の革についても同様に処理を行った革を得た。
実施例1−1〜1−5、2−1〜2−5および3−1〜3−5で得られた6価クロム処理剤により処理を行った革(ワニおよび牛)の裏側に対して市販のブラックライトを照射したところ、発光が見られた。
Claims (14)
- 6価クロムを3価クロムに還元し得る6価クロム還元化合物、蛍光物質および溶媒を含むことを特徴とする6価クロム処理剤。
- 前記有機化合物(A)が、6価クロムと作用して3価に還元性を有する化学式(1)に示される構造と、ジヒドロキシフェニル基またはトリヒドロキシフェニル基とを有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない化合物であることを特徴とする請求項2に記載の6価クロム処理剤。
- 前記有機化合物(A)が、6価クロムと作用して3価に還元性を有する化学式(1)に示される構造と、3,4,5−トリヒドロキシフェニル基を有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない化合物であることを特徴とする請求項3に記載の6価クロム処理剤。
- 前記有機化合物(A)として、
(i)没食子酸のエステルと、
(ii)タンニン酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物と
を含むことを特徴とする請求項4に記載の6価クロム処理剤。 - 前記化合物(ii)がタンニン酸であることを特徴とする請求項5に記載の6価クロム処理剤。
- 前記6価クロム還元化合物が、さらに、6価クロムと作用して3価に還元性を有する前記化学式(1)に示される構造を有し、かつ、ヒドロキシフェニル基、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない、有機化合物(B)を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の6価クロム処理剤。
- 前記有機化合物(B)が、アスコルビン酸、アスコルビン酸の誘導体、エリソルビン酸およびエリソルビン酸の誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項7に記載の6価クロム処理剤。
- 前記6価クロム還元化合物が、下記式(A−i)で表される化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の6価クロム処理剤。
(nは、0、1または2を表す。R11〜R18は、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、または下記式(a−i)で表される基(R19は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を表す。nが0のとき、R11〜R14、R16およびR17のうち少なくとも1個はヒドロキシ基であり、nが1または2のとき、R11〜R18のうち少なくとも1個はヒドロキシ基である。nが2のとき、複数あるR15は、同一であっても異なっていてもよく、R18についても同様である。R16とR17とは相互に一体となって5員環または6員環を形成していてもよく、該環は置換基として炭素数1〜16のアルキル基を有していてもよい。)。
- 前記蛍光物質が、クマリン誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル誘導体、ナフタルイミド誘導体、キサンテン誘導体、トリメチルジヒドロピリジン誘導体、コエロキセン誘導体、アントラキノン誘導体、インジゴ誘導体、アジン誘導体、アクリジン誘導体およびピラニンコンクから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の6価クロム処理剤。
- 前記6価クロム処理剤中、前記6価クロム還元化合物が0.01〜10.0質量%の量で含まれており、前記蛍光物質が0.01〜10.0質量%の量で含まれていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の6価クロム処理剤。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の6価クロム処理剤における前記6価クロム還元化合物および前記蛍光物質を含む革または革製品。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の6価クロム処理剤によって革または革製品を処理することを特徴とする革または革製品の製造方法。
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