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JP6987844B2 - 6価クロム処理用の粉末状組成物、錠剤および革の製造方法 - Google Patents
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JP6987844B2 - 6価クロム処理用の粉末状組成物、錠剤および革の製造方法 - Google Patents

6価クロム処理用の粉末状組成物、錠剤および革の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、6価クロム処理用の粉末状組成物、錠剤および革の製造方法に関する。
クロムなめし工程を経て得られた革または革製品には、有害な6価クロムが含まれていることがある。このような場合に、革または革製品に対して6価クロム処理剤による処理を施すと、この6価クロムを無害な3価クロムに還元できる。6価クロム処理剤としては、6価クロムと作用して3価に還元する性能を有する有機化合物(具体的には特定の構造およびヒドロキシフェニル基を有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない有機化合物)と溶媒とを含む6価クロム処理液が知られている(特許文献1)。
国際公開第2016/021461号
しかしながら、特許文献1に記載された6価クロム処理液は溶媒を含むため、輸送などの際に取り扱いにくい。
そこで、本発明は、輸送などの際にも取り扱いやすい6価クロム処理剤を提供することを目的とする。
本発明に係る6価クロム処理用の粉末状組成物は、6価クロムを3価クロムに還元し得る6価クロム還元化合物成分と、空気中の水分をトラップできるとともに、水に溶解できる成分とを含み、上記6価クロム還元化合物が、6価クロムと作用して3価に還元性を有する化学式(1)に示される構造およびヒドロキシフェニル基を有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない、有機化合物(A)を含む。
Figure 0006987844
(R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、C、H、Oで構成される置換基である。R1またはR2と、R3、R4またはR5のいずれかとは、互いに結合して環を形成していてもよい。)
本発明の6価クロム処理用の粉末状組成物は、輸送などの際にも取り扱いやすい。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
<6価クロム処理用の粉末状組成物>
実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物は、6価クロムを3価クロムに還元し得る6価クロム還元化合物成分(本明細書において成分(I)ともいう。)と、空気中の水分をトラップできるとともに、水に溶解できる成分(本明細書において成分(II)ともいう。)とを含む。上記6価クロム処理用の粉末状組成物は、輸送などの際にも取り扱いやすい。なお、上記6価クロム処理用の粉末状組成物は、通常溶媒を含まない。
クロムなめし工程を経て得られた革または革製品には、有害な6価クロム(Cr(VI)を含む化合物)が含まれていることがある。このような場合に、革または革製品に対して6価クロム処理剤による処理を施すと、この6価クロムを無害な3価クロム(Cr(III)を含む化合物)に還元できる。6価クロム処理剤としては、6価クロムと作用して3価に還元する性能を有する有機化合物(具体的には特定の構造およびヒドロキシフェニル基を有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない有機化合物)と溶媒とを含む6価クロム処理液が知られている(特許文献1)。6価クロム処理液には、溶媒として、たとえば50質量%以下の量のアルコールと水との混合溶媒が使用されている。このように、上記有機化合物の他に溶媒を含むため重量が大きく、アルコールも含むため引火性を有している。したがって、上記6価クロム処理液は、輸送、容器などの点で取扱いにくい場合がある。一方、吸湿などにより性能が保ちにくいため、溶媒を用いずに有機化合物のみで6価クロム処理剤を構成することは難しい。
これに対して、実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物では、成分(I)と成分(II)とを組み合わせて用いているため、6価クロムを無害な3価クロムに還元する性能を有するとともに、輸送などの際にも取り扱いやすい。製造コストも抑えられる。また、6価クロムを還元する性能を長期間維持できる。これは、実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物中の成分(II)が、空気中の水分をトラップし、成分(I)の変質を抑制するためと考えられる。
実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物を用いて、革または革製品中の6価クロムを還元する場合は、まず、上記6価クロム処理用の粉末状組成物に溶媒を添加して6価クロム処理液を調製する。上記6価クロム処理用の粉末状組成物は、成分(II)を含むため、該組成物は溶解しやすくなっている。得られた6価クロム処理液によれば、革または革製品中の6価クロムを無害な3価クロムに還元できる。なお、溶媒にとけにくいため、成分(I)のみで6価クロム処理剤を構成することは難しい。
なお、実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物を用いて6価クロム処理工程を行うと、6価クロム還元化合物成分が革または革製品中の6価クロムを3価クロムに還元する。そして、革または革製品には、3価クロムとともに、上記還元に使われなかった残りの6価クロム還元化合物成分が含まれた状態となる。上記処理で、革または革製品は、ISO17075:2008−02に準拠して測定された6価クロムの含有量が通常3ppm未満、好ましくは2ppm以下となる。3価クロム含有量は、革または革製品によって異なるため特に限定されないが、通常4000ppm以上であり、4500ppm以上、さらに5000ppm以上含まれる場合もある。また、6価クロム処理剤による処理の前後で全クロム含有量は変化しない。
〔6価クロムを3価クロムに還元し得る6価クロム還元化合物成分(成分(I))〕
成分(I)としては、6価クロムを3価クロムに還元し得る化合物であり、たとえば、少なくとも、6価クロムと作用して3価に還元性を有する(3価に還元する性能を有する)C原子、O原子、H原子とからなり、3つの炭素間に1重結合と、2重結合を有し、中心の炭素に水酸基を有する下記式(1)に示される有機化合物(A)が挙げられる。式(1)に示される構造は、6価クロムと作用して3価に還元性を有する。
Figure 0006987844
式(1)中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、C、H、Oで構成される置換基(C、Hおよび必要に応じてOで構成される置換基)で、不飽和結合のカルボニル基を含むことが好ましいが、アルデヒド基、カルボキシル基といった反応性の官能基は有しない。また、アミン基、イソシアネート基などの窒素含有基、硫酸基などの硫黄含有基などの官能基も有しないことが好ましい。R1またはR2と、R3、R4またはR5のいずれかとは、互いに結合して環を形成していてもよい。
式(1)に示される構造を有する化合物は、環式炭化水素であってもよく、さらに単環または縮合環で構成される芳香族炭化水素であってもよい。なお、芳香族炭化水素である場合、π結合は実際は式(1)の炭素1、炭素2の間の二重結合の部分にとどまらず、非局在化している。また、環式炭化水素または芳香族炭化水素は、置換基を有していてもよい。
有機化合物(A)は、式(1)に示される構造およびヒドロキシル基を有し、かつ、その構造中に、アルデヒド基およびカルボキシル基といった反応性の官能基を有しないことが好ましい。
また、成分(I)として、有機化合物(A)に加えて、6価クロムと作用して3価に還元性を有する式(1)に示される構造を有し、かつ、ヒドロキシフェニル基、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない有機化合物(B)を含むことが好ましい。また、アミン基、イソシアネート基などの窒素含有基、硫酸基などの硫黄含有基などの官能基も有しないことが好ましい。
有機化合物(A)または有機化合物(B)としては、たとえば、下記化合物(式(2)〜(13))およびその誘導体が挙げられる。本実施形態では、これらの混合物を用いることも好ましい。
Figure 0006987844
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なお、上記式(2)〜(12)における炭素2が、たとえば上記式(1)の炭素2に対応している。
成分(I)は、有害な6価クロムに作用して、無害な化合物に化学変化をさせる有機化合物である。この化合物はたとえば6価のクロムを還元して3価のクロムとして無害化ができる。
一般に還元剤としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、水素化ジブチルアルミニウム、シュウ酸、ギ酸などが知られている。これらの代表的還元剤を用いた場合、種々の問題がある。水素化アルミニウムリチウムを用いた場合、薬剤は粉末状の強い還元剤であるが、水と激しく反応し水素を発生するため引火性を伴い危険である。革または革製品は、通常、皮膚(汗)に触れることや、雨などに晒されることが多いため、このような引火性物質は使用に耐えない。水素化ホウ素ナトリウムを用いた場合、薬剤はやや吸湿性があり水分により分解しやすいので、密栓して保存しなければならない。汗や雨等の水分により生成した水溶液は、薬剤が分解生成物のため、強い塩基性を示す。そのため、皮膚(肌)や粘膜などに悪影響を及ぼす。酸性および中性条件で分解して水素を発生するため、アルカリ溶液中で保存しなければならないため、革または革製品中に含有させることができない。水で分解し水素を発生するため、取り扱いも困難である。ヒドラジンは、アンモニアに似た刺激臭を持つ無色の液体であり、空気に触れると白煙を生じるので使用に耐えない。水に易溶で、強い還元性を持ち、分解しやすく引火性があるので取り扱いも困難である。水素化ジブチルアルミニウムを用いた場合、薬剤は無色の液体だが、湿気に弱いため、不活性ガス雰囲気下で保存・使用することになるので一般の大気中で活用することは困難である。シュウ酸を用いた場合には、薬剤は体内で血液中のカルシウムイオンと強く結合するため毒性があり、毒物および劇物取締法により医薬用外劇物に指定されている。このような毒物を革または革製品に使用することは目的に合わず使用に耐えない。ギ酸を用いた場合には、液体のギ酸溶液や蒸気は皮膚や目に対して有害であり、特に目に対して回復不能な障害を与えてしまう場合もある。また、吸入すると肺水腫などの障害を与えることがあるため使用には耐えない。この他、慢性的な曝露により肝臓や腎臓に悪影響を及ぼすと考えられていること、アレルギー源としての可能性も考えられていることから本発明の目的に合わず使用に耐えない。
このようなことから本出願人は、革または革製品に使用できる6価クロム還元化合物を種々鋭意調査実験し、目的に見合った化合物を見出した。
成分(I)として含まれる有機化合物(A)および有機化合物(B)は、6価クロムの処理機能がありこれを無害化する基本性能はもとより、これで処理した革または革製品が皮膚に触れた状態で、肌荒れ等の影響を及ぼさず、有毒性を有しない。また、有機化合物(A)および有機化合物(B)は、それぞれの還元性によっても互いに分解を引き起こさず、また、反応せず互いに干渉し得ない化合物であることが好ましい。有機化合物(A)および有機化合物(B)としては、上記化学式(1)に示される基本骨格を有する化合物が好ましく、C、H、Oの原子からなる安定なものが好ましい。
上記化学式(1)に示される構造を有する有機化合物(A)および有機化合物(B)は、アルデヒド基、カルボキシル基といった官能基を有しない。また、アミン基、イソシアネート基等の窒素含有基、硫酸基等の硫黄含有基などの官能基も有しないことが好ましい。このような官能基は反応性があるので革または革製品の使用中に予期しない反応をする恐れがあるため、成分(I)には適さない。有機化合物(A)および有機化合物(B)は、6価クロムに作用して6価として検出されない化合物を生成し、6価クロムを無害化することができる。
(有機化合物(A))
有機化合物(A)は、上記化学式(1)に示される構造およびたとえば下記化学式(15)に示すヒドロキシフェニル基を有する。該官能基を有することで、革または革製品中において、即効性もあり、長く安定して滞留し、長期にわたり還元作用を有し、耐熱性に優れる。それゆえ、長期にわたり、6価クロムの生成が抑制される。また、革または革製品に含まれることで、汗や雨などの水分によっても分解されにくい。このような優れた効果を有する理由については定かではないが、なめしによって、通常、皮の主成分であるコラーゲンは化学的に架橋され安定化されている。有機化合物(A)が有するヒドロキシフェニル基が、特に、該コラーゲンとの相互作用が高いため長く保持される一方で、該コラーゲンに完全に取り込まれず、海島構造の島部分のようになり、還元性を有するほどの自由度をもって取り込まれているためと推測している。有機化合物(A)としては、革または革製品に用いるため、安全性が高く、環境への負荷が少ない化合物が好ましい。
Figure 0006987844
化学式(15)中、Raは、一価の基または二価の基である。一価の基としては、水素原子、炭化水素基または酸素含有基が挙げられる。二価の基としては、二価の炭化水素基または二価の酸素含有基が挙げられる。この中でも、水素原子、一価の炭化水素基、二価の炭化水素基またはヒドロキシル基であることが、革または革製品中に対してより相溶性を得ることができるため好ましい。Raは、それぞれ独立であり、互いに同一でも異なっていてもよいが、Raは、隣接する基が互いに結合して芳香環や脂肪族環を形成していてもよい。また、Raが、他のヒドロキシフェニル基のRaと結合していてもよい。Raの全てが同時に水素原子ではないことが好ましく、革または革製品中にて、より即効性があり、安定して長期にわたってより良好な還元性を示すことから、化学式(15)で表される基は、ジヒドロキシフェニル基またはトリヒドロキシフェニル基がより好ましく、3,4,5−トリヒドロキシフェニル基がより好ましい。
炭化水素基としては、炭素数1〜20の炭化水素基が好ましく、具体的には、炭素数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール(aryl)基あるいは置換アリール(aryl)基などが挙げられる。たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル(allyl)基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−ジプロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、イソプロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ベンジル基、クミル基を挙げることができ、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基などの酸素含有基を含むものも炭化水素基(たとえば、アルコキシル基)として挙げられる。また、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、(5−ノルボルネン−2−イル)エステルなどの不飽和カルボン酸エステル類(該不飽和カルボン酸がジカルボン酸である場合にはモノエステルであってもジエステルであってもよい)を含むものも炭化水素基として挙げられる。
酸素含有基としては、ヒドロキシル基が挙げられる。
有機化合物(A)としては、たとえば、上記化学式(2)〜(12)、
フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、3−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、2−フェニルフェノール、3−フェニルフェノール、4−フェニルフェノール、3,5−ジフェニルフェノール、2−ナフチルフェノール、3−ナフチルフェノール、4−ナフチルフェノール、4−トリチルフェノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、4−tert−ブチルカテコール、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、2−プロピルフェノール、3−プロピルフェノール、4−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2−メトキシ−5−メチルフェノール、2−tert−ブチル−5−メチルフェノール、チモール、イソチモール、1−ナフトール、2−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、4−メトキシ−1−ナフトール、7−メトキシ−2−ナフトール、
1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン、
1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン等のテトラヒドロキシナフタレン、
3−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボン酸メチル、9−ヒドロキシアントラセン、1−ヒドロキシピレン、1−ヒドロキシフェナントレン、9−ヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールフルオレン、フェノールフタレイン、
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',3,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、
カテコール系タンニン、ピロガロール系タンニン、五倍子タンニン、没食子酸タンニン、フロロタンニンなどのタンニン類、
アントシアニン、ルチン、クエルセチン、フィセチン、ダイゼイン、ヘスペレチン、ヘスピリジン、クリシン、フラボノー、ヘスペレチンなどのフラボノイド類、
カテキン、ガロカテキン、カテキンガラート、エピカテキン、エピカロカテキン、エピカテキンガレート、エピカロカテキンガレート、プロシアニジン、テアフラビンなどのカテキン類、
クルクミン、リグナン、
ロドデンドロール[4−(p−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノール]、
アセチルロドデンドロール、ヘキサノイルロドデンドロール、オクタノイルロドデンドロール、ドデカノイルロドデンドロール、テトラデカノイルロドデンドロール、ヘキサデカノイルロドデンドロール、オクタデカノイルロドデンドロール、4−(3−アセトキシブチル)フェニルアセテート、4−(3−プロパノイルオキシブチル)フェニルプロパノエート、4−(3−オクタノイルオキシブチル)フェニルオクタノエート、4−(3−パルミトイルオキシブチル)フェニルパルミテート等のアシル化ロドデンドロール、
4−(3−メトキシブチル)フェノール、4−(3−エトキシブチル)フェノール、4−(3−オクチルオキシブチル)フェノール等のロドデンドロールアルキルエーテル体、
ロドデンドロール−D−グルコシド(αまたはβ体)、ロドデンドロール−D−ガラクトシド(αまたはβ体)、ロドデンドロール−D−キシロシド(αまたはβ体)、ロドデンドロール−D−マルトシド(αまたはβ体)等のロドデンドロール配糖体等、
αトコフェロール、βトコフェロール、γトコフェロール、δトコフェロールなどを挙げることができる。
また、これらの誘導体、たとえば、アルコキシル基を有する化合物、エステル化物なども挙げられる。具体的には、たとえば、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル、ピロガロール−1,3−ジエチルエーテル、5−プロピルピロガロール−1−メチルエーテルなどが挙げられる。
有機化合物(A)としては、たとえば、上記化学式(2)に示した構造(1,2,3−Trihydoroxybenzene骨格)の化合物やその誘導体がある。このような化合物は6価クロムの除去機能を有する。
この誘導体としては上記化学式(2)に示した化合物の4,5,6位に、炭化水素基または酸素含有基などの置換基を有するものがある。好ましい置換基としては、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基および炭素数1〜20のエステル化物、より好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基および炭素数1〜10のエステル化物が挙げられる。これらの基については、上記に記載の通りである。なお、後述の化合物の誘導体についても同様である。たとえば、上記化学式(3)に示した化合物などの没食子酸のエステルや、上記化学式(2)の構造を1分子中に複数有する上記化学式(4)に示した化合物や該化合物の誘導体などがある。カテコール系タンニン、ピロガロール系タンニン、五倍子タンニン、没食子酸タンニン、フロロタンニンなどのタンニン類などが挙げられる。
このように、4,5,6位に導入する置換基は、それぞれの使用法にあった置換基を導入することができる。たとえば、エステル系の溶媒に溶かして使用する場合にはエステル基を導入し相溶性を高めることもできる。
本実施形態において、有機化合物(A)として、(i)没食子酸のエステル、ならびに(ii)タンニン酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、(i)没食子酸のエステルと、(ii)タンニン酸とを含むことがより好ましい。なお、革への着色を考慮した場合は、(i)没食子酸のエステルのみを含むことも、より好ましい。
没食子酸のエステルは、分子量が比較的小さいため、革または革製品からブリードしやすいと考えられるが、タンニン酸の部分構造を有するため、還元力を維持しながら、タンニン酸およびその誘導体と好適に相互作用し、ブリードし難くなる。革または革製品中においても還元力があり、即効性が高い。還元力はアスコルビン酸ほどではないが、タンニン酸より還元力が高いため、アスコルビン酸が分解し還元力を喪失した後においても、長期にわたり還元力を発揮する(のちに6価へ酸化されたクロムイオンを再度還元することができる)。没食子酸のエステルは、革または革製品中において、汗や雨などの水分に対しても強く、分解されにくい。
タンニン酸およびその誘導体は、嵩高く、そもそもなめし処理に用いられるように、革または革製品中のコラーゲンなどに対して親和性がよいためブリードし難く、革および革製品中において長期にわたり還元力を維持できる。それゆえ、より長期にわたり、6価クロムの生成を抑制することができる。また、タンニン酸およびその誘導体は、ヒト(皮膚)に対して、低刺激性であるため、安全性が高い。還元力は、アスコルビン酸および没食子酸のエステルに比べて遅行性であるが、革および革製品と親和性が良く、分解されにくいため、アスコルビン酸および没食子酸のエステルに比べて、革製品がその効用および目的を達するまで還元力を維持することができる。
それゆえ、これらの化合物を含むと、革または革製品への浸透性が高く、長く革または革製品中に滞留でき、長期にわたり安定して還元することができる。さらに、ポリフェノール類は、還元性が強いため、褐変や色落ちが懸念されるが、これらの化合物は、色落ちの前に、革または革製品中に取り込まれるため、退色や変色し難く、革または革製品の色味や風合いを損なうおそれが少ないため好ましい。
また、上記化学式(2)では、1位、2位、3位に水酸基を有しているが、同様に1位、2位、4位に水酸基が導入された骨格(上記化学式(5))、1位、3位、5位に水酸基が導入された骨格(上記化学式(6))の化合物についても同様の効果がある。また、誘導体についても同様の効果がある。
また、上記化学式(2)では1つの芳香族環に3つの水酸基が導入されているが、1つの水酸基を有する化合物または2つの水酸基を有する化合物についても同様に6価クロム除去機能を有する。この様な骨格としてはたとえば、フェノール、BHT、上記化学式(7)、上記化学式(8)、上記化学式(9)の化合物およびその誘導体がある。
芳香族環を複数結合した化合物に水酸基を有する化合物も同様の効果を有している。ナフタレン環に1つまたは、複数の水酸基を有するものなどが挙げられる。たとえば2つの水酸基を有する化合物としては上記化学式(10)、上記化学式(11)に示すものがある。この様な化合物の誘導体についても前述した化合物同様に6価クロム除去機能がある。
芳香族環が3つ連なったアントラセンに対して、水酸基を1つないし複数個任意の位置に導入した化合物についても同様の機能を示す。この様な化合物としては、たとえば上記化学式(12)に示す化合物がある。また、これらの誘導体についても同様に6価クロム除去機能を有している。
上記化学式(1)に示される化合物としては、たとえば、長鎖アルキル基と複合環を有する化合物がある。この様な化合物は、有機性が高くなり水溶性が低下する。しかし、一方で有機溶剤との親和性が高くなるので、炭化水素系の溶媒にも溶解できる利点がある。
上記化学式(1)に示される化合物としては、カテキン、ガロカテキン、カテキンガラート、エピカテキン、エピカロカテキン、エピカテキンガレート、エピカロカテキンガレート、プロシアニジン、テアフラビンなどのカテキン類、およびカテキン類の誘導体であることも好ましい。これらのカテキン類は、安全性に優れ、革または革製品中においても還元力が高い。
(有機化合物(B))
有機化合物(B)は、上記化学式(1)に示される構造を有するが、たとえば上記化学式(15)に示すヒドロキシフェニル基を有さない。該ヒドロキシフェニル基を含まないことで、革または革製品中に浸透し難くなるが、化学式(1)に示される構造を有するので、革または革製品の表面にある6価クロムを3価クロムに好適に還元させ、無毒化させることができる。そのため、有機化合物(B)を用いることで、汗や雨などの水分に溶解した6価クロムイオンの環境への溶出およびヒトへの曝露を即効性良く抑制できる。有機化合物(B)としては、たとえば、ヘテロ環を有する化合物がある。ヘテロ環としてはフラン、クロメン、イソクロメン、キサンテンなどがある。この様な誘導体としては、たとえば上記化学式(13)に示した構造の化合物やその誘導体、エリソルビン酸やその誘導体、4−ヒドロキシフラン−2(5H)−オンが有る。このような化合物は6価クロムの除去機能を有する。
アスコルビン酸の誘導体としては、特に限定されないが、たとえば、アスコルビン酸エステル、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸硫酸エステル、アスコルビン酸グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、アスコルビン酸グルコサミン、デヒドロアスコルビン酸等を挙げることができる。
エリソルビン酸の誘導体としては、エリソルビン酸エステル等を挙げることができる。
本実施形態において、有機化合物(B)が、アスコルビン酸およびエリソルビン酸から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましく、アスコルビン酸であることがより好ましい。該化合物は、分解し易いため長期にわたり効果を実現できず、革または革製品からブリードし易いが、ヒト(皮膚)に対して低刺激性であり安全性に優れ、還元力も高く、即効性も高い。そのため、有機化合物(B)を含む6価クロム処理剤を革または革製品に接触させることで、6価クロムイオンの環境への溶出およびヒトへの曝露を効果的かつ未然に防ぐことができる。また、特に表面を迅速に無毒化処理できるため、肌荒れやアレルギーなどの発症を好適に抑制することができる。有機化合物(B)は、有機化合物(A)とも反応せず相溶しなく、有機化合物(A)によって分解されないので、実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物に好適に用いることができる。また、還元力が強いため、該化合物を含むことで、有機化合物(A)による褐色化や色落ちを防止できる。さらに分解性が高いため、色つきがし難く、革または革製品の色味や風合いを損なうことがないため、好ましい。
このように、上記化学式(1)に示される基本骨格を分子中に含む化合物であれば6価クロムを無害化し除去することができる。
(成分(I)として好適な化合物)
成分(I)として、下記式(A−i)で表される化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、下記式(A−i)で表される化合物(A−i)と、タンニン(A−ii)とを含むことがより好ましい。なお、革への着色を考慮した場合は、化合物(A−i)のみを含むことも、より好ましい。
化合物(A−i)は下記式(A−i)で表される。
Figure 0006987844
式中、nは、0、1または2を表す。すなわち、化合物(A−i)は、ベンゼン、ナフタレンまたはアントラセン構造を有する。
11〜R18は、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、または下記式(a−i)で表される基を表す。ここで、R19は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Figure 0006987844
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。
nが0のとき、R11〜R14、R16およびR17のうち少なくとも1個はヒドロキシ基である。nが0のとき、R11〜R14、R16およびR17のうち、2個がヒドロキシ基である場合および3個がヒドロキシ基である場合は、6価クロムを還元する能力が高くなるため好ましい。
nが1または2のとき、R11〜R18のうち少なくとも1個はヒドロキシ基である。nが1または2のとき、R11〜R18のうち、2個がヒドロキシ基である場合および3個がヒドロキシ基である場合は、6価クロムを還元する能力が高くなるため好ましい。
なお、nが2のとき、複数あるR15は、同一であっても異なっていてもよく、R18についても同様である。
16とR17とは相互に一体となって5員環または6員環を形成していてもよく、該環を構成する原子としては炭素原子の他に酸素原子が含まれていてもよい。また、該環は置換基として炭素数1〜16のアルキル基を有していてもよい。炭素数1〜16のアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
化合物(A−i)としては、具体的には、上述した式(2)、(3)、(5)〜(12)で表される化合物や、上述した例示化合物が挙げられる。化合物(A−i)は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
タンニン(A−ii)は、加水分解性タンニンであっても、縮合型タンニンであってもよい。加水分解性タンニンとしては、タンニン酸(上記式(4)で表される化合物)等のガロタンニン、エラジタンニンなどが挙げられる。後述する6価クロム処理液を調製する観点からは、加水分解性タンニンが好適に用いられる。タンニン(A−ii)は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、化合物(A−i)、タンニン(A−ii)において、ヒドロキシ基が結合している炭素が、たとえば上記式(1)の炭素2に対応している。
成分(I)として、化合物(A−i)、タンニン(A−ii)とともに、さらに下記式(B−i)で表される化合物(B−i)および下記式(B−ii)で表される化合物(B−ii)から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
Figure 0006987844
式中、Xは、下記式(b−i)〜(b−iii)で表される基のいずれかを表す。ここで、оは、0〜3の整数を表し、pは、1〜3の整数を表し、qは、1〜17の整数を表す。
Figure 0006987844
化合物(B−i)および化合物(B−ii)としては、具体的には、上述した式(13)で表される化合物や、上述した例示化合物が挙げられる。化合物(B−i)および化合物(B−ii)は、それぞれ単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、化合物(B−i)および化合物(B−ii)を組み合わせて用いてもよい。
成分(I)として化合物(A−i)、タンニン(A−ii)、化合物(B−i)または化合物(B−ii)を用いて革の処理を行うと、すなわち化合物(A−i)、タンニン(A−ii)、化合物(B−i)または化合物(B−ii)が革または革製品に含まれるように処理を行うと、革または革製品に処理前から存在している6価クロムをたとえば無害な3価クロムとすることができる。さらに、処理後に何らかの原因で生成する6価クロムをも還元し、たとえば無害な3価クロムとすることができる。いいかえると、革または革製品がその効用および目的を達するまで、6価クロム量が規則(EU)番号3014/2014による規制値未満(通常3ppm未満)の状態を保てる。特に、即効性の高い化合物(A−i)と遅行性のタンニン(A−ii)とを組み合わせると、革または革製品がその効用および目的を達するまで、より確実に規制値未満の状態を保てる。さらに、化合物(A−i)および/またはタンニン(A−ii)とともに、還元力および即効性の高い化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)を組み合わせると、処理時に、革または革製品の特に表面付近に存在している6価クロムを効果的に還元できる。なお、革への着色を考慮した場合は、化合物(A−i)と、化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)とを組み合わせることも好ましい。
成分(I)として有機化合物(A)および有機化合物(B)を用いる場合は、有機化合物(A)および有機化合物(B)の合計を100質量部として、有機化合物(A)を1質量部以上90質量部以下の量で、有機化合物(B)を10質量部以上99質量部以下の量で用いることが好ましい。この量で用いれば、6価クロム処理工程において、6価クロムを還元する性能を十分発揮しうる。また、6価クロム処理工程において水道水を用いる場合は、有機化合物(A)および有機化合物(B)の合計を100質量部として、有機化合物(A)を1質量部以上55質量部以下の量で、有機化合物(B)を45質量部以上99質量部以下の量で用いることが好ましい。水道水には、通常有機化合物(B)を分解し得る成分(遊離残留塩素、結合残留塩素など)が含まれているため、有機化合物(B)を多めに用いることが好ましい。
また、有機化合物(A)として(i)没食子酸のエステルおよび(ii)タンニン酸を用いる場合は、(i)没食子酸のエステルおよび(ii)タンニン酸の合計を100質量部として、(i)没食子酸のエステルを11質量部以上70質量部以下の量で、(ii)タンニン酸を30質量部以上89質量部以下の量で用いることが好ましい。この量で用いれば、6価クロム処理工程において、6価クロムを還元する性能を十分発揮しうる。
成分(I)として化合物(A−i)および/またはタンニン(A−ii)と、化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)とを用いる場合は、これらの合計を100質量部として、化合物(A−i)および/またはタンニン(A−ii)を合計で1質量部以上90質量部以下の量で、化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)を合計で10質量部以上99質量部以下の量で用いることが好ましい。この量で用いれば、6価クロム処理工程において、6価クロムを還元する性能を十分発揮しうる。また、6価クロム処理工程において水道水を用いる場合は、化合物(A−i)および/またはタンニン(A−ii)と、化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)との合計を100質量部として、化合物(A−i)および/またはタンニン(A−ii)を合計で1質量部以上55質量部以下の量で、化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)を合計で45質量部以上99質量部以下の量で用いることが好ましい。水道水には、化合物(B−i)および化合物(B−ii)を分解し得る成分(遊離残留塩素、結合残留塩素など)が含まれているため、化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)を多めに用いることが好ましい。
また、成分(I)として化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)を用いる場合は、化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)の合計を100質量部として、化合物(A−i)を11質量部以上70質量部以下の量で、タンニン(A−ii)を30質量部以上89質量部以下の量で用いることが好ましい。この量で用いれば、6価クロム処理工程において、6価クロムを還元する性能を十分発揮しうる。
成分(I)の粒度は、100メッシュ以下であることが好ましい。粒度が上記範囲にあると、後述する6価クロム処理工程において、6価クロム処理液を調製する際に溶解しやすくなる。
〔空気中の水分をトラップできるとともに、水に溶解できる成分(成分(II))〕
成分(I)に成分(II)を組み合わせることで、実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物の保存性および溶解性が向上する。実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物が6価クロムを還元する性能を長期間維持できるようになる。いいかえると、実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物について、6価クロム処理工程に実際に使用するまでの期間が長くても、該粉末状組成物の変質が抑えられる。そして、6価クロム処理工程において6価クロムを還元する性能を十分発揮しうる。成分(II)としては、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸カルシウムなどの硫酸塩;重量平均分子量が4000以上40000以下のポリエチレングリコール、重量平均分子量が4000以上40000以下のアクリル酸系ポリマーなどのポリマー;および融点が40℃以上のノニオン系界面活性剤が好適に用いられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら成分(II)は、成分(I)の6価クロムを還元する性能に影響を与えず、成分(I)の該性能を長期間維持できる。
上記硫酸塩は、乾燥剤として用いられる化合物である。空気中の水分をトラップする性能に優れ、水への溶解性も高いため、実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物に好適に用いられる。特に、無水硫酸ナトリウムは、安全性が高いため好適に用いられる。
また、上記硫酸塩は、化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)と、化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)とを用いる場合に好適である。上記硫酸塩は、このような6価クロム処理用の粉末状組成物の溶解性を特に向上できるためである。
上記ポリマーは、重量平均分子量が上記範囲にあると、上記6価クロム処理用の粉末状組成物を細かい粉末状の組成物とできるため好ましい。
上記ポリマーは、後述する染色工程および加脂工程後の革に対して6価クロム処理を行う場合も、革への浸透性に優れるため好適に用いられる。なお、上記ポリマーは、化合物(A−i)と化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)とを組み合わせることがより好ましい。この場合に、6価クロム処理用の粉末状組成物の溶解性を特に向上できるためである。
上記ノニオン系界面活性剤は、融点が上記範囲にあると、粉末状の組成物が好適に得られるため好ましい。上記ノニオン系界面活性剤としては、たとえばポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(30)オレイルエーテルが挙げられる。なお、ポリオキシエチレンの後ろの数値は、オキシエチレン単位の繰り返し数を表す。
上記ノニオン系界面活性剤は、後述する染色工程および加脂工程後の革に対して6価クロム処理を行う場合も、革への浸透性に優れるため好適に用いられる。また、上記ノニオン系界面活性剤は、溶媒として水のみを用いて6価クロム処理液を調製し、これを使用する場合も、革への浸透性に優れる。この6価クロム処理液は、染色工程後または仕上げ工程後の革を処理する場合、あるいは革製品への加工後の革製品を処理する場合も、革または革製品の外観に影響を与えにくく好ましい。なお、上記ノニオン系界面活性剤は、化合物(A−i)と化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)とを組み合わせることがより好ましい。この場合に、6価クロム処理用の粉末状組成物の溶解性を特に向上できるためである。
成分(II)は、保存性および溶解性の観点から、成分(I)の合計100質量部に対して0.001質量部以上350質量部以下の量で用いることが好ましい。上記硫酸塩の場合は、この上限量よりも多すぎると析出して革の外観を損ねる場合がある。
成分(I)および成分(II)について、特に好ましい組み合わせを以下に示す。成分(I)として、化合物(A−i)と化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)とを用い、成分(II)として、硫酸塩とノニオン系界面活性剤とを用いることが望ましい。この場合は、成分(I)の合計100質量部に対して、化合物(A−i)を1質量部以上20質量部以下の量で、化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)を合計で80質量部以上99質量部以下の量で用いることが好ましい。また、成分(I)の合計100質量部に対して、硫酸塩を10質量部以上300質量部以下の量で、ノニオン系界面活性剤を0.001質量部以上10質量部以下の量で用いることが好ましい。このように硫酸塩およびノニオン系界面活性剤を含む場合は、保存性および溶解性に優れるため、後述する6価クロム処理工程で幅広く好適に用いられる。
また、成分(I)として、化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)と、化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)とを用い、成分(II)として、多めの量の硫酸塩を用いることが望ましい。この場合は、成分(I)の合計100質量部に対して、化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)を合計で10質量部以上90質量部以下の量で、化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)を合計で10質量部以上90質量部以下の量で用いることが好ましい。化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)の合計を100質量部として、化合物(A−i)を11質量部以上70質量部以下の量で、タンニン(A−ii)を30質量部以上89質量部以下の量で用いることが好ましい。また、成分(I)の合計100質量部に対して、硫酸塩を10質量部を超えて300質量部以下の量で用いることが好ましい。このように硫酸塩を多めに含む場合は、保存性および溶解性に優れる。後述するように、染色工程および加脂工程の両工程が完了するよりも前に6価クロム処理工程を行う際により好適に用いられる。
さらに、成分(I)として、化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)と、化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)とを用い、成分(II)として、少なめの量の硫酸塩を用いることも望ましい。この場合は、成分(I)の合計100質量部に対して、化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)を合計で10質量部以上90質量部以下の量で、化合物(B−i)および/または化合物(B−ii)を合計で10質量部以上90質量部以下の量で用いることが好ましい。化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)の合計を100質量部として、化合物(A−i)を11質量部以上70質量部以下の量で、タンニン(A−ii)を30質量部以上89質量部以下の量で用いることが好ましい。また、成分(I)の合計100質量部に対して、硫酸塩を0.05質量部以上10質量部以下の量で用いることが好ましい。このように硫酸塩を少なめに含む場合も、保存性および溶解性に優れる。後述するように、染色工程および加脂工程の両工程が完了した後に6価クロム処理工程を行う際により好適に用いられる。なお、この場合は、溶媒として、水と炭素原子数1〜3のアルコール(特にIPA)との混合溶媒が好適に用いられる。
〔その他の固体成分〕
実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物は、蛍光物質などのその他の固体成分を含んでいてもよい。その他の固体成分は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。蛍光物質としては、たとえばクマリン誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル誘導体、ナフタルイミド誘導体、キサンテン誘導体、トリメチルジヒドロピリジン誘導体、コエロキセン誘導体、アントラキノン誘導体、インジゴ誘導体、アジン誘導体、アクリジン誘導体、ピラニンコンクなどが挙げられる。その他の固体成分は、たとえば成分(I)100質量部に対して0質量部を超え12質量部以下の量で用いることが好ましい。
実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物は、成分(I)および成分(II)を混合し、細かい粉末状として得られる。具体的にはメノウ乳鉢および乳棒、製粉機を用いて調製できる。
<錠剤>
実施形態に係る錠剤は、上述した6価クロム処理用の粉末状組成物を含む。6価クロム処理用の粉末状組成物のままよりも、錠剤とした方が、6価クロムを還元する性能をさらに高く維持できるため好ましい。
実施形態に係る錠剤は、6価クロム処理用の粉末状組成物を通常の方法で打錠して得られる。
<革の製造方法>
実施形態に係る革の製造方法は、皮に対してクロムなめしを行って革を得るクロムなめし工程と、上述した6価クロム処理用の粉末状組成物によって、上記革を処理する6価クロム処理工程とを含む。
クロムなめし工程では、通常の準備工程(水漬け、石灰脱毛、再石灰漬け、脱灰・酵解など)を経た皮を用いる。上記皮としては、特に限定されず、牛皮、羊皮、やぎ皮、豚皮、馬皮、シカ皮、カンガルー皮、ダチョウ皮、トリ皮、魚の皮などが挙げられる。さらに、カメ目ウミガメ科に属するウミガメ、トカゲ亜目オオトカゲ科に属するオオトカゲ、トカゲ亜目テーイッド科に属するデグー、ヘビ亜目ボア科に属するアミメニシキヘビ、インドニシキヘビ、ヘビ亜目ウミヘビ科に属するウミヘビ、エラブウミヘビ、ヘビ亜目ヘビ科に属するミズヘビ、ワニ目クロコダイル科に属するニューニギアワニ、ワニ目アリゲーター科に属するミシシッピーワニ、カイマンなどの爬虫類の皮が挙げられる。また、クロムなめしは、通常の方法により行うことができる。
6価クロム処理工程は、クロムなめし工程後、染色工程および加脂工程前に行う。まず、上記6価クロム処理用の粉末状組成物を溶媒に溶解して6価クロム処理液を調製する。上記6価クロム処理用の粉末状組成物は、成分(II)を含むため、溶解性に優れる。加温すると、さらに速やかに溶解できる。
上記溶媒としては、水、炭素原子数1〜3のアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA))、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサン、ヘプタンなどが挙げられる。上記溶媒は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちで、革の外観を損ねにくく、また取り扱いやすいため、水のみ、水と炭素原子数1〜3のアルコールとの混合溶媒が好ましく用いられ、水のみ、水とIPAとの混合溶媒がより好ましく用いられる。
上記混合溶媒において、アルコールは通常50質量%以下の量で、好ましくは35質量%以下の量で用いることが望ましい。
また、上記6価クロム処理液中において、成分(I)の濃度が0.1質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。溶媒として純水または純水を含む混合溶媒を用いる場合は、成分(I)の濃度が0.1質量%以上5.0質量%以下であることがより好ましい。成分(I)が上記濃度で含まれると、革に対する退色や変色が抑えられる。また、長期にわたり6価クロムが低減された状態を維持できる。一方、水として水道水または水道水を含む混合溶媒を用いる場合は、成分(I)の濃度が0.2質量%以上20.0質量%以下であることがより好ましい。水道水中には、通常成分(I)(特に有機化合物(B)、化合物(B−i)または化合物(B−ii))を分解し得る成分(遊離残留塩素、結合残留塩素など)が含まれている。このため、成分(I)が多く含まれるように上記6価クロム処理液を調製することが好ましい。
上記6価クロム処理液は、革に迅速に浸透させ、無害化させる観点から、25℃における動粘度が、0.001(cSt)以上5(cSt)未満であることが好ましく、0.01(cSt)以上4.5(cSt)以下であることがより好ましい。なお、動粘度はたとえば上記成分を上記の量で用いることで調製できる。
次に、得られた上記6価クロム処理液によって、上記革を処理する。具体的には、上記6価クロム処理液を上記革に噴霧、散布または塗布して処理してもよく、上記6価クロム処理液に上記革をディップまたは浸漬して処理してもよい。また、上記6価クロム処理液を布に含ませて上記革の表面を擦って処理してもよい。このようにして、上記革に上記6価クロム処理液中の成分(I)を含ませることができ、6価クロムは無害化される。
6価クロム処理工程を経た革については、通常染色工程、加脂工程、仕上げ工程などが適宜行われる。このようにして得られた革製品の原料となる革は、さらに、通常加工工程を経て革製品となる。革製品としては、靴、衣料、帽子、手袋、ベルト、財布、名刺入れ、時計バンド、かばん、ソファー、クッションカバー、ブックカバー、筆入れ、携帯電話ケース、システム手帳、キーケース、自動車内装、眼鏡ケース、工具入れなどが挙げられる。
上述した実施形態に係る革の製造方法において、6価クロム処理工程は、クロムなめし工程後に行われる洗浄工程と同時に行ってもよい。この場合は、洗浄工程に用いる洗浄液中に上記6価クロム処理用の粉末状組成物を溶解させる。ここでは、上記洗浄液が上記6価クロム処理液を兼ねる。
上述した実施形態に係る革の製造方法において、6価クロム処理工程は、クロムなめし工程後、染色工程および加脂工程前に行ったが、6価クロム処理工程は、クロムなめし工程後、染色工程および/または加脂工程と同時に行ってもよい。この場合は、染色工程および/または加脂工程に用いる溶液中に上記6価クロム処理用の粉末状組成物を溶解させる。ここでは、上記溶液が上記6価クロム処理液を兼ねる。
また、上述した実施形態に係る革の製造方法において、6価クロム処理工程は、クロムなめし工程後、染色工程および加脂工程前に行ったが、6価クロム処理工程は、染色工程後、加脂工程後または仕上げ工程後に行ってもよい。
さらに、6価クロム処理工程は、加工工程後、革製品に対して行ってもよい。すでに製造された革製品中に6価クロムが含有されている場合も想定できる。このような革製品を処理する場合は、時計であれば革製品部分を取り外し、革製品部分に対して処理を行う。このようにして革製品部分に成分(I)を含ませることができる。この場合、革の表側(銀面)ではなく裏側を処理することが好ましい。革の表側は元々密度が高く、また、仕上げ工程により革の表側が塗装等されている場合もあり、上記6価クロム処理液が浸み込みにくいためである。
上記実施形態に係る革の製造方法では、上記6価クロム処理用の粉末状組成物を用いたが、該粉末状組成物の代わりに錠剤を用いてもよい。
このように、上記6価クロム処理用の粉末状組成物または錠剤による6価クロム処理工程は、革の製造においてクロムなめし後のいずれの段階でも行うことができる。具体的には、上記6価クロム処理用の粉末状組成物または錠剤の成分(II)に硫酸塩を多め(たとえば上述した量比)に含む場合は、染色工程および加脂工程の両工程が完了するよりも前に6価クロム処理工程を行うことが好ましい。過剰な硫酸塩が含まれている場合であっても、染色工程または加脂工程での洗浄工程で過剰分が抜けるため、革表面への析出が抑えられる。上記成分(II)に硫酸塩を少なめ(たとえば上述した量比)に含む場合は、染色工程および加脂工程の両工程が完了した後に(たとえば乾燥した革に対して)6価クロム処理工程を行うことが好ましい。硫酸塩の革表面への析出が抑えられる。
また、上記成分(II)にポリマーを含む場合は、染色工程および加脂工程の両工程が完了した後に6価クロム処理工程を行うことも好ましい。過剰なポリマーが含まれている場合であっても、革表面への影響は小さいためである。上記成分(II)にノニオン系界面活性剤を含む場合、特に硫酸塩およびノニオン系界面活性剤を含む場合は、染色工程および加脂工程の両工程が完了した後に(たとえば乾燥した革に対して)6価クロム処理工程を行うことも好ましい。ノニオン系界面活性剤によって、両工程が完了した後の革にも浸み込みやすいためである。また、溶媒として水のみを用いても両工程が完了した後の革にも浸み込みやすいため、革の外観に影響を与えにくい利点もある。
以上より、本発明は以下に関する。
〔1〕6価クロムを3価クロムに還元し得る6価クロム還元化合物成分と、空気中の水分をトラップできるとともに、水に溶解できる成分とを含み、上記6価クロム還元化合物成分が、6価クロムと作用して3価に還元性を有する化学式(1)に示される構造およびヒドロキシフェニル基を有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない、有機化合物(A)を含むことを特徴とする6価クロム処理用の粉末状組成物。
Figure 0006987844
(R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、C、H、Oで構成される置換基である。R1またはR2と、R3、R4またはR5のいずれかとは、互いに結合して環を形成していてもよい。)
上記〔1〕に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物は、輸送などの際にも取り扱いやすい。
〔2〕上記有機化合物(A)が、6価クロムと作用して3価に還元性を有する化学式(1)に示される構造と、ジヒドロキシフェニル基またはトリヒドロキシフェニル基とを有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない化合物であることを特徴とする〔1〕に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
〔3〕上記有機化合物(A)が、6価クロムと作用して3価に還元性を有する化学式(1)に示される構造と、3,4,5−トリヒドロキシフェニル基を有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない化合物であることを特徴とする〔2〕に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
〔4〕上記有機化合物(A)が、(i)没食子酸のエステルと、(ii)タンニン酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物とであることを特徴とする〔3〕に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
〔5〕上記化合物(ii)がタンニン酸であることを特徴とする〔4〕に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
〔6〕上記6価クロム還元化合物成分が、さらに、6価クロムと作用して3価に還元性を有する上記化学式(1)に示される構造を有し、かつ、ヒドロキシフェニル基、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない、有機化合物(B)を含むことを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
〔7〕上記有機化合物(B)が、アスコルビン酸、アスコルビン酸の誘導体、エリソルビン酸およびエリソルビン酸の誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする〔6〕に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
上記〔2〕〜〔7〕に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物を用いれば、革または革製品がその効用および目的を達するまで、6価クロム量が規則(EU)番号3014/2014による規制値未満(通常3ppm未満)の状態を保てる。
〔8〕6価クロムを3価クロムに還元し得る6価クロム還元化合物成分と、空気中の水分をトラップできるとともに、水に溶解できる成分とを含み、上記6価クロム還元化合物成分が、下記式(A−i)で表される化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする6価クロム処理用の粉末状組成物。
Figure 0006987844
(nは、0、1または2を表す。R11〜R18は、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、または下記式(a−i)で表される基(R19は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を表す。nが0のとき、R11〜R14、R16およびR17のうち少なくとも1個はヒドロキシ基であり、nが1または2のとき、R11〜R18のうち少なくとも1個はヒドロキシ基である。nが2のとき、複数あるR15は、同一であっても異なっていてもよく、R18についても同様である。R16とR17とは相互に一体となって5員環または6員環を形成していてもよく、該環は置換基として炭素数1〜16のアルキル基を有していてもよい。)
上記〔8〕に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物は、輸送などの際にも取り扱いやすい。
Figure 0006987844
〔9〕上記6価クロム還元化合物成分が、さらに下記式(B−i)で表される化合物(B−i)および下記式(B−ii)で表される化合物(B−ii)から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする〔8〕に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
Figure 0006987844
(Xは、下記式(b−i)〜(b−iii)で表される基(оは、0〜3の整数を表し、pは、1〜3の整数を表し、qは、1〜17の整数を表す。)のいずれかを表す。)
Figure 0006987844
上記〔9〕に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物を用いれば、革または革製品がその効用および目的を達するまで、6価クロム量が規則(EU)番号3014/2014による規制値未満(通常3ppm未満)の状態を保てる。
〔10〕上記空気中の水分をトラップできるとともに、水に溶解できる成分が、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸カルシウム、重量平均分子量が4000以上40000以下のポリエチレングリコール、重量平均分子量が4000以上40000以下のアクリル酸系ポリマー、および融点が40℃以上のノニオン系界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
上記〔10〕に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物は、保存性および溶解性に優れる。
〔11〕〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の6価クロム処理用の粉末状組成物を含む錠剤。
上記〔11〕に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物は、保存性および溶解性により優れる。
〔12〕皮に対してクロムなめしを行って革を得るクロムなめし工程と、〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の6価クロム処理用の粉末状組成物によって、上記革を処理する6価クロム処理工程を含むことを特徴とする革の製造方法。
〔13〕皮に対してクロムなめしを行って革を得るクロムなめし工程と、〔11〕に記載の錠剤によって、上記革を処理する6価クロム処理工程を含むことを特徴とする革の製造方法。
上記〔12〕および〔13〕に記載の革の製造方法によれば、得られた革は、その効用および目的を達するまで、6価クロム量が規則(EU)番号3014/2014による規制値未満(通常3ppm未満)の状態を保てる。
[実施例]
[実施例1−1]
没食子酸プロピル3.3質量部、アスコルビン酸96.7質量部、無水硫酸ナトリウム13.0質量部およびポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル3.3質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次に、水道水に6価クロム処理用の粉末状組成物を溶かし、6価クロム処理液を調製した。ここで、没食子酸プロピルおよびアスコルビン酸の合計の濃度が3%になるように調製した。
クロムなめしを行ったワニの革シートおよび牛の革シートを用意した(染色工程および加脂工程ともに行っていない革シートであった。)。時計用バンドに使用するサイズに切り取った。これら革について、ISO17075:2008−02の手法で求めた6価クロムの含有量は、ワニが8ppm、牛が3ppmであった。また、それぞれのバンドの含有する全クロムの含有率を蛍光X線分析器で分析したところ、ワニは7141ppm、牛は16362ppmであった。
上記6価クロム処理液に、ワニの革シートおよび牛の革シートを浸漬した後、乾燥して、6価クロム処理工程を行った。
[実施例1−2]
組成物の原料として、没食子酸プロピル20質量部、アスコルビン酸80質量部、無水硫酸ナトリウム13.0質量部およびポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル3.3質量部を用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例1−3]
組成物の原料として、没食子酸プロピル1質量部、アスコルビン酸99質量部、無水硫酸ナトリウム13.0質量部およびポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル3.3質量部を用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例1−4]
組成物の原料として、没食子酸プロピル3.3質量部、アスコルビン酸96.7質量部、無水硫酸ナトリウム50.0質量部およびポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル3.3質量部を用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例1−5]
組成物の原料として、没食子酸プロピル3.3質量部、アスコルビン酸96.7質量部、無水硫酸ナトリウム100.0質量部およびポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル3.3質量部を用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例1−6]
組成物の原料として、没食子酸プロピル3.3質量部、アスコルビン酸96.7質量部、無水硫酸ナトリウム13.0質量部およびポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル0.01質量部を用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例1−7]
無水組成物の原料として、没食子酸プロピル3.3質量部、アスコルビン酸96.7質量部、無水硫酸ナトリウム13.0質量部およびポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル8.0質量部を用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例1−8]
ポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテルの代わりにポリオキシエチレン(30)オレイルエーテルを用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例1−9]
実施例1−1で得られた6価クロム処理用の粉末状組成物を打錠して、錠剤を得た。
次いで、上記錠剤を用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例2−1]
没食子酸プロピル10質量部、タンニン酸40質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム100質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次に、水道水に6価クロム処理用の粉末状組成物を溶かし、6価クロム処理液を調製した。ここで、没食子酸プロピルおよびアスコルビン酸の合計の濃度が2%になるように調製した。
クロムなめしを行ったワニの革シートおよび牛の革シートを用意した(染色工程および加脂工程ともに行っていない革シートであった。)。時計用バンドに使用するサイズに切り取った。これら革について、ISO17075:2008−02の手法で求めた6価クロムの含有量は、ワニが8ppm、牛が3ppmであった。また、それぞれのバンドの含有する全クロムの含有率を蛍光X線分析器で分析したところ、ワニは7141ppm、牛は16362ppmであった。
上記6価クロム処理液に、ワニの革シートおよび牛の革シートを浸漬した後、乾燥して、6価クロム処理工程を行った。
[実施例2−2]
組成物の原料として、没食子酸プロピル25質量部、タンニン酸25質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム100質量部を用いた他は実施例2−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例2−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例2−3]
組成物の原料として、没食子酸プロピル30質量部、タンニン酸20質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム100質量部を用いた他は実施例2−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例2−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例2−4]
組成物の原料として、没食子酸プロピル4質量部、タンニン酸16質量部、アスコルビン酸80質量部および無水硫酸ナトリウム100質量部を用いた他は実施例2−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例2−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例2−5]
組成物の原料として、没食子酸プロピル10質量部、タンニン酸40質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム11質量部を用いた他は実施例2−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例2−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例2−6]
組成物の原料として、没食子酸プロピル10質量部、タンニン酸40質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム250質量部を用いた他は実施例2−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例2−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例2−7]
実施例2−1で得られた6価クロム処理用の粉末状組成物を打錠して、錠剤を得た。
次いで、上記錠剤を用いた他は実施例2−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例3−1]
没食子酸プロピル10質量部、タンニン酸40質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム10質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次に、水道水50質量%およびIPA50質量%を混合して混合溶媒を得た。上記混合溶媒に6価クロム処理用の粉末状組成物を溶かし、6価クロム処理液を調製した。ここで、没食子酸プロピルおよびアスコルビン酸の合計の濃度が1%になるように調製した。
クロムなめしを行ったワニの革シートおよび牛の革シートを用意した(染色工程および加脂工程ともに行っていない革シートであった。)。時計用バンドに使用するサイズに切り取った。これら革について、ISO17075:2008−02の手法で求めた6価クロムの含有量は、ワニが8ppm、牛が3ppmであった。また、それぞれのバンドの含有する全クロムの含有率を蛍光X線分析器で分析したところ、ワニは7141ppm、牛は16362ppmであった。
上記6価クロム処理液に、ワニの革シートおよび牛の革シートを浸漬した後、乾燥して、6価クロム処理工程を行った。
[実施例3−2]
没食子酸プロピル25質量部、タンニン酸25質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム10質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例3−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例3−3]
没食子酸プロピル30質量部、タンニン酸20質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム10質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例3−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例3−4]
没食子酸プロピル4質量部、タンニン酸16質量部、アスコルビン酸80質量部および無水硫酸ナトリウム10質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例3−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例3−5]
没食子酸プロピル10質量部、タンニン酸40質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム0.1質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例3−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例3−6]
実施例3−1で得られた6価クロム処理用の粉末状組成物を打錠して、錠剤を得た。
次いで、上記錠剤を用いた他は実施例3−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
[実施例4−1]
没食子酸プロピル10質量部、タンニン酸40質量部、アスコルビン酸50質量部および重量平均分子量8000のポリエチレングリコール100質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次に、水道水50質量%およびIPA50質量%を混合して混合溶媒を得た。上記混合溶媒に6価クロム処理用の粉末状組成物を溶かし、6価クロム処理液を調製した。ここで、没食子酸プロピルおよびアスコルビン酸の合計の濃度が1%になるように調製した。
クロムなめしを行ったワニの革シートおよび牛の革シートを用意した(染色工程および加脂工程ともに行っていない革シートであった。)。時計用バンドに使用するサイズに切り取った。これら革について、ISO17075:2008−02の手法で求めた6価クロムの含有量は、ワニが8ppm、牛が3ppmであった。また、それぞれのバンドの含有する全クロムの含有率を蛍光X線分析器で分析したところ、ワニは7141ppm、牛は16362ppmであった。
上記6価クロム処理液に、ワニの革シートおよび牛の革シートを浸漬した後、乾燥して、6価クロム処理工程を行った。
[評価方法および結果]
(溶解性)
実施例で調製した6価クロム処理用の粉末状組成物および錠剤は、いずれも水道水または混合溶媒に溶解できた。
なお、実施例で用いた成分(I)の粒度は、100メッシュ以下であったため、速やかに溶解できた。
(6価クロム量)
実施例で調製した6価クロム処理液を用いた6価クロム処理工程によって、いずれも6価クロムを還元できた。すなわち、6価クロム処理工程後の革は、いずれも6価クロム量は検出限界(2ppm)であった。また、6価クロム処理工程後の革について、80℃で24時間および80℃で100時間の環境下に置いた後、6価クロム量を測定したところ、いずれも検出限界(2ppm)であった。なお、6価クロム処理工程前後で、いずれも革の全クロムの含有量は変化していなかった。
(外観)
さらに、6価クロム処理工程前後で、いずれも革の外観は変化していなかった。
(経時変化)
実施例1−1で得られた6価クロム処理用の粉末状組成物および実施例1−9で得られた錠剤について、それぞれ別の袋に20kgずつ入れて現場雰囲気に3か月間置いた。3か月後に重量を測定したところ、上記6価クロム処理用の粉末状組成物は5質量%重量が大きくなっており、上記錠剤は2質量%重量が大きくなっていた。重量の増加は、空気中の水分を吸収したことによると考えられる。錠剤の方が、6価クロムを還元する性能をさらに高く維持できると考えられる。

Claims (13)

  1. 6価クロムを3価クロムに還元し得る6価クロム還元化合物成分と、空気中の水分をトラップできるとともに、水に溶解できる成分とを含み、
    前記6価クロム還元化合物成分が、6価クロムと作用して3価に還元性を有する化学式(1)に示される構造およびヒドロキシフェニル基を有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない、有機化合物(A)を含むことを特徴とする6価クロム処理用の粉末状組成物。
    Figure 0006987844
    (R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、C、H、Oで構成される置換基である。R1またはR2と、R3、R4またはR5のいずれかとは、互いに結合して環を形成していてもよい。)
  2. 前記有機化合物(A)が、6価クロムと作用して3価に還元性を有する化学式(1)に示される構造と、ジヒドロキシフェニル基またはトリヒドロキシフェニル基とを有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない化合物であることを特徴とする請求項1に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
  3. 前記有機化合物(A)が、6価クロムと作用して3価に還元性を有する化学式(1)に示される構造と、3,4,5−トリヒドロキシフェニル基を有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない化合物であることを特徴とする請求項2に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
  4. 前記有機化合物(A)が、
    (i)没食子酸のエステルと、
    (ii)タンニン酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物と
    であることを特徴とする請求項3に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
  5. 前記化合物(ii)がタンニン酸であることを特徴とする請求項4に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
  6. 前記6価クロム還元化合物成分が、さらに、6価クロムと作用して3価に還元性を有する前記化学式(1)に示される構造を有し、かつ、ヒドロキシフェニル基、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない、有機化合物(B)を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
  7. 前記有機化合物(B)が、アスコルビン酸、アスコルビン酸の誘導体、エリソルビン酸およびエリソルビン酸の誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項6に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
  8. 6価クロムを3価クロムに還元し得る6価クロム還元化合物成分と、空気中の水分をトラップできるとともに、水に溶解できる成分とを含み、
    前記6価クロム還元化合物成分が、下記式(A−i)で表される化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする6価クロム処理用の粉末状組成物。
    Figure 0006987844
    (nは、0、1または2を表す。R11〜R18は、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、または下記式(a−i)で表される基(R19は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を表す。nが0のとき、R11〜R14、R16およびR17のうち少なくとも1個はヒドロキシ基であり、nが1または2のとき、R11〜R18のうち少なくとも1個はヒドロキシ基である。nが2のとき、複数あるR15は、同一であっても異なっていてもよく、R18についても同様である。R16とR17とは相互に一体となって5員環または6員環を形成していてもよく、該環は置換基として炭素数1〜16のアルキル基を有していてもよい。)
    Figure 0006987844
  9. 前記6価クロム還元化合物成分が、さらに下記式(B−i)で表される化合物(B−i)および下記式(B−ii)で表される化合物(B−ii)から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項8に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
    Figure 0006987844
    (Xは、下記式(b−i)〜(b−iii)で表される基(оは、0〜3の整数を表し、pは、1〜3の整数を表し、qは、1〜17の整数を表す。)のいずれかを表す。)
    Figure 0006987844
  10. 前記空気中の水分をトラップできるとともに、水に溶解できる成分が、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸カルシウム、重量平均分子量が4000以上40000以下のポリエチレングリコール、重量平均分子量が4000以上40000以下のアクリル酸系ポリマー、および融点が40℃以上のノニオン系界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物を含む錠剤。
  12. 皮に対してクロムなめしを行って革を得るクロムなめし工程と、請求項1〜10のいずれか1項に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物によって、前記革を処理する6価クロム処理工程を含むことを特徴とする革の製造方法。
  13. 皮に対してクロムなめしを行って革を得るクロムなめし工程と、請求項11に記載の錠剤によって、前記革を処理する6価クロム処理工程を含むことを特徴とする革の製造方法。
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