JP6987844B2 - 6価クロム処理用の粉末状組成物、錠剤および革の製造方法 - Google Patents
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Description
実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物は、6価クロムを3価クロムに還元し得る6価クロム還元化合物成分(本明細書において成分(I)ともいう。)と、空気中の水分をトラップできるとともに、水に溶解できる成分(本明細書において成分(II)ともいう。)とを含む。上記6価クロム処理用の粉末状組成物は、輸送などの際にも取り扱いやすい。なお、上記6価クロム処理用の粉末状組成物は、通常溶媒を含まない。
成分(I)としては、6価クロムを3価クロムに還元し得る化合物であり、たとえば、少なくとも、6価クロムと作用して3価に還元性を有する(3価に還元する性能を有する)C原子、O原子、H原子とからなり、3つの炭素間に1重結合と、2重結合を有し、中心の炭素に水酸基を有する下記式(1)に示される有機化合物(A)が挙げられる。式(1)に示される構造は、6価クロムと作用して3価に還元性を有する。
有機化合物(A)は、上記化学式(1)に示される構造およびたとえば下記化学式(15)に示すヒドロキシフェニル基を有する。該官能基を有することで、革または革製品中において、即効性もあり、長く安定して滞留し、長期にわたり還元作用を有し、耐熱性に優れる。それゆえ、長期にわたり、6価クロムの生成が抑制される。また、革または革製品に含まれることで、汗や雨などの水分によっても分解されにくい。このような優れた効果を有する理由については定かではないが、なめしによって、通常、皮の主成分であるコラーゲンは化学的に架橋され安定化されている。有機化合物(A)が有するヒドロキシフェニル基が、特に、該コラーゲンとの相互作用が高いため長く保持される一方で、該コラーゲンに完全に取り込まれず、海島構造の島部分のようになり、還元性を有するほどの自由度をもって取り込まれているためと推測している。有機化合物(A)としては、革または革製品に用いるため、安全性が高く、環境への負荷が少ない化合物が好ましい。
フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、3−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、2−フェニルフェノール、3−フェニルフェノール、4−フェニルフェノール、3,5−ジフェニルフェノール、2−ナフチルフェノール、3−ナフチルフェノール、4−ナフチルフェノール、4−トリチルフェノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、4−tert−ブチルカテコール、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、2−プロピルフェノール、3−プロピルフェノール、4−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2−メトキシ−5−メチルフェノール、2−tert−ブチル−5−メチルフェノール、チモール、イソチモール、1−ナフトール、2−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、4−メトキシ−1−ナフトール、7−メトキシ−2−ナフトール、
1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン、
1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン等のテトラヒドロキシナフタレン、
3−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボン酸メチル、9−ヒドロキシアントラセン、1−ヒドロキシピレン、1−ヒドロキシフェナントレン、9−ヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールフルオレン、フェノールフタレイン、
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',3,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、
カテコール系タンニン、ピロガロール系タンニン、五倍子タンニン、没食子酸タンニン、フロロタンニンなどのタンニン類、
アントシアニン、ルチン、クエルセチン、フィセチン、ダイゼイン、ヘスペレチン、ヘスピリジン、クリシン、フラボノー、ヘスペレチンなどのフラボノイド類、
カテキン、ガロカテキン、カテキンガラート、エピカテキン、エピカロカテキン、エピカテキンガレート、エピカロカテキンガレート、プロシアニジン、テアフラビンなどのカテキン類、
クルクミン、リグナン、
ロドデンドロール[4−(p−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノール]、
アセチルロドデンドロール、ヘキサノイルロドデンドロール、オクタノイルロドデンドロール、ドデカノイルロドデンドロール、テトラデカノイルロドデンドロール、ヘキサデカノイルロドデンドロール、オクタデカノイルロドデンドロール、4−(3−アセトキシブチル)フェニルアセテート、4−(3−プロパノイルオキシブチル)フェニルプロパノエート、4−(3−オクタノイルオキシブチル)フェニルオクタノエート、4−(3−パルミトイルオキシブチル)フェニルパルミテート等のアシル化ロドデンドロール、
4−(3−メトキシブチル)フェノール、4−(3−エトキシブチル)フェノール、4−(3−オクチルオキシブチル)フェノール等のロドデンドロールアルキルエーテル体、
ロドデンドロール−D−グルコシド(αまたはβ体)、ロドデンドロール−D−ガラクトシド(αまたはβ体)、ロドデンドロール−D−キシロシド(αまたはβ体)、ロドデンドロール−D−マルトシド(αまたはβ体)等のロドデンドロール配糖体等、
αトコフェロール、βトコフェロール、γトコフェロール、δトコフェロールなどを挙げることができる。
有機化合物(B)は、上記化学式(1)に示される構造を有するが、たとえば上記化学式(15)に示すヒドロキシフェニル基を有さない。該ヒドロキシフェニル基を含まないことで、革または革製品中に浸透し難くなるが、化学式(1)に示される構造を有するので、革または革製品の表面にある6価クロムを3価クロムに好適に還元させ、無毒化させることができる。そのため、有機化合物(B)を用いることで、汗や雨などの水分に溶解した6価クロムイオンの環境への溶出およびヒトへの曝露を即効性良く抑制できる。有機化合物(B)としては、たとえば、ヘテロ環を有する化合物がある。ヘテロ環としてはフラン、クロメン、イソクロメン、キサンテンなどがある。この様な誘導体としては、たとえば上記化学式(13)に示した構造の化合物やその誘導体、エリソルビン酸やその誘導体、4−ヒドロキシフラン−2(5H)−オンが有る。このような化合物は6価クロムの除去機能を有する。
成分(I)として、下記式(A−i)で表される化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、下記式(A−i)で表される化合物(A−i)と、タンニン(A−ii)とを含むことがより好ましい。なお、革への着色を考慮した場合は、化合物(A−i)のみを含むことも、より好ましい。
成分(I)に成分(II)を組み合わせることで、実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物の保存性および溶解性が向上する。実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物が6価クロムを還元する性能を長期間維持できるようになる。いいかえると、実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物について、6価クロム処理工程に実際に使用するまでの期間が長くても、該粉末状組成物の変質が抑えられる。そして、6価クロム処理工程において6価クロムを還元する性能を十分発揮しうる。成分(II)としては、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸カルシウムなどの硫酸塩;重量平均分子量が4000以上40000以下のポリエチレングリコール、重量平均分子量が4000以上40000以下のアクリル酸系ポリマーなどのポリマー;および融点が40℃以上のノニオン系界面活性剤が好適に用いられる。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら成分(II)は、成分(I)の6価クロムを還元する性能に影響を与えず、成分(I)の該性能を長期間維持できる。
実施形態に係る6価クロム処理用の粉末状組成物は、蛍光物質などのその他の固体成分を含んでいてもよい。その他の固体成分は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。蛍光物質としては、たとえばクマリン誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル誘導体、ナフタルイミド誘導体、キサンテン誘導体、トリメチルジヒドロピリジン誘導体、コエロキセン誘導体、アントラキノン誘導体、インジゴ誘導体、アジン誘導体、アクリジン誘導体、ピラニンコンクなどが挙げられる。その他の固体成分は、たとえば成分(I)100質量部に対して0質量部を超え12質量部以下の量で用いることが好ましい。
実施形態に係る錠剤は、上述した6価クロム処理用の粉末状組成物を含む。6価クロム処理用の粉末状組成物のままよりも、錠剤とした方が、6価クロムを還元する性能をさらに高く維持できるため好ましい。
実施形態に係る革の製造方法は、皮に対してクロムなめしを行って革を得るクロムなめし工程と、上述した6価クロム処理用の粉末状組成物によって、上記革を処理する6価クロム処理工程とを含む。
[実施例1−1]
没食子酸プロピル3.3質量部、アスコルビン酸96.7質量部、無水硫酸ナトリウム13.0質量部およびポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル3.3質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次に、水道水に6価クロム処理用の粉末状組成物を溶かし、6価クロム処理液を調製した。ここで、没食子酸プロピルおよびアスコルビン酸の合計の濃度が3%になるように調製した。
クロムなめしを行ったワニの革シートおよび牛の革シートを用意した(染色工程および加脂工程ともに行っていない革シートであった。)。時計用バンドに使用するサイズに切り取った。これら革について、ISO17075:2008−02の手法で求めた6価クロムの含有量は、ワニが8ppm、牛が3ppmであった。また、それぞれのバンドの含有する全クロムの含有率を蛍光X線分析器で分析したところ、ワニは7141ppm、牛は16362ppmであった。
上記6価クロム処理液に、ワニの革シートおよび牛の革シートを浸漬した後、乾燥して、6価クロム処理工程を行った。
組成物の原料として、没食子酸プロピル20質量部、アスコルビン酸80質量部、無水硫酸ナトリウム13.0質量部およびポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル3.3質量部を用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
組成物の原料として、没食子酸プロピル1質量部、アスコルビン酸99質量部、無水硫酸ナトリウム13.0質量部およびポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル3.3質量部を用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
組成物の原料として、没食子酸プロピル3.3質量部、アスコルビン酸96.7質量部、無水硫酸ナトリウム50.0質量部およびポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル3.3質量部を用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
組成物の原料として、没食子酸プロピル3.3質量部、アスコルビン酸96.7質量部、無水硫酸ナトリウム100.0質量部およびポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル3.3質量部を用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
組成物の原料として、没食子酸プロピル3.3質量部、アスコルビン酸96.7質量部、無水硫酸ナトリウム13.0質量部およびポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル0.01質量部を用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
無水組成物の原料として、没食子酸プロピル3.3質量部、アスコルビン酸96.7質量部、無水硫酸ナトリウム13.0質量部およびポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテル8.0質量部を用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
ポリオキシエチレン(47)ラウリルエーテルの代わりにポリオキシエチレン(30)オレイルエーテルを用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
実施例1−1で得られた6価クロム処理用の粉末状組成物を打錠して、錠剤を得た。
次いで、上記錠剤を用いた他は実施例1−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
没食子酸プロピル10質量部、タンニン酸40質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム100質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次に、水道水に6価クロム処理用の粉末状組成物を溶かし、6価クロム処理液を調製した。ここで、没食子酸プロピルおよびアスコルビン酸の合計の濃度が2%になるように調製した。
クロムなめしを行ったワニの革シートおよび牛の革シートを用意した(染色工程および加脂工程ともに行っていない革シートであった。)。時計用バンドに使用するサイズに切り取った。これら革について、ISO17075:2008−02の手法で求めた6価クロムの含有量は、ワニが8ppm、牛が3ppmであった。また、それぞれのバンドの含有する全クロムの含有率を蛍光X線分析器で分析したところ、ワニは7141ppm、牛は16362ppmであった。
上記6価クロム処理液に、ワニの革シートおよび牛の革シートを浸漬した後、乾燥して、6価クロム処理工程を行った。
組成物の原料として、没食子酸プロピル25質量部、タンニン酸25質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム100質量部を用いた他は実施例2−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例2−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
組成物の原料として、没食子酸プロピル30質量部、タンニン酸20質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム100質量部を用いた他は実施例2−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例2−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
組成物の原料として、没食子酸プロピル4質量部、タンニン酸16質量部、アスコルビン酸80質量部および無水硫酸ナトリウム100質量部を用いた他は実施例2−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例2−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
組成物の原料として、没食子酸プロピル10質量部、タンニン酸40質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム11質量部を用いた他は実施例2−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例2−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
組成物の原料として、没食子酸プロピル10質量部、タンニン酸40質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム250質量部を用いた他は実施例2−1と同様にして、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例2−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
実施例2−1で得られた6価クロム処理用の粉末状組成物を打錠して、錠剤を得た。
次いで、上記錠剤を用いた他は実施例2−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
没食子酸プロピル10質量部、タンニン酸40質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム10質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次に、水道水50質量%およびIPA50質量%を混合して混合溶媒を得た。上記混合溶媒に6価クロム処理用の粉末状組成物を溶かし、6価クロム処理液を調製した。ここで、没食子酸プロピルおよびアスコルビン酸の合計の濃度が1%になるように調製した。
クロムなめしを行ったワニの革シートおよび牛の革シートを用意した(染色工程および加脂工程ともに行っていない革シートであった。)。時計用バンドに使用するサイズに切り取った。これら革について、ISO17075:2008−02の手法で求めた6価クロムの含有量は、ワニが8ppm、牛が3ppmであった。また、それぞれのバンドの含有する全クロムの含有率を蛍光X線分析器で分析したところ、ワニは7141ppm、牛は16362ppmであった。
上記6価クロム処理液に、ワニの革シートおよび牛の革シートを浸漬した後、乾燥して、6価クロム処理工程を行った。
没食子酸プロピル25質量部、タンニン酸25質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム10質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例3−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
没食子酸プロピル30質量部、タンニン酸20質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム10質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例3−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
没食子酸プロピル4質量部、タンニン酸16質量部、アスコルビン酸80質量部および無水硫酸ナトリウム10質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例3−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
没食子酸プロピル10質量部、タンニン酸40質量部、アスコルビン酸50質量部および無水硫酸ナトリウム0.1質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次いで、実施例3−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
実施例3−1で得られた6価クロム処理用の粉末状組成物を打錠して、錠剤を得た。
次いで、上記錠剤を用いた他は実施例3−1と同様にして、6価クロム処理液を調製し、これを用いて6価クロム処理工程を行った。
没食子酸プロピル10質量部、タンニン酸40質量部、アスコルビン酸50質量部および重量平均分子量8000のポリエチレングリコール100質量部を乳鉢に入れ、乳棒で細かくすり潰すように混合し、6価クロム処理用の粉末状組成物を得た。
次に、水道水50質量%およびIPA50質量%を混合して混合溶媒を得た。上記混合溶媒に6価クロム処理用の粉末状組成物を溶かし、6価クロム処理液を調製した。ここで、没食子酸プロピルおよびアスコルビン酸の合計の濃度が1%になるように調製した。
クロムなめしを行ったワニの革シートおよび牛の革シートを用意した(染色工程および加脂工程ともに行っていない革シートであった。)。時計用バンドに使用するサイズに切り取った。これら革について、ISO17075:2008−02の手法で求めた6価クロムの含有量は、ワニが8ppm、牛が3ppmであった。また、それぞれのバンドの含有する全クロムの含有率を蛍光X線分析器で分析したところ、ワニは7141ppm、牛は16362ppmであった。
上記6価クロム処理液に、ワニの革シートおよび牛の革シートを浸漬した後、乾燥して、6価クロム処理工程を行った。
(溶解性)
実施例で調製した6価クロム処理用の粉末状組成物および錠剤は、いずれも水道水または混合溶媒に溶解できた。
実施例で調製した6価クロム処理液を用いた6価クロム処理工程によって、いずれも6価クロムを還元できた。すなわち、6価クロム処理工程後の革は、いずれも6価クロム量は検出限界(2ppm)であった。また、6価クロム処理工程後の革について、80℃で24時間および80℃で100時間の環境下に置いた後、6価クロム量を測定したところ、いずれも検出限界(2ppm)であった。なお、6価クロム処理工程前後で、いずれも革の全クロムの含有量は変化していなかった。
さらに、6価クロム処理工程前後で、いずれも革の外観は変化していなかった。
実施例1−1で得られた6価クロム処理用の粉末状組成物および実施例1−9で得られた錠剤について、それぞれ別の袋に20kgずつ入れて現場雰囲気に3か月間置いた。3か月後に重量を測定したところ、上記6価クロム処理用の粉末状組成物は5質量%重量が大きくなっており、上記錠剤は2質量%重量が大きくなっていた。重量の増加は、空気中の水分を吸収したことによると考えられる。錠剤の方が、6価クロムを還元する性能をさらに高く維持できると考えられる。
Claims (13)
- 前記有機化合物(A)が、6価クロムと作用して3価に還元性を有する化学式(1)に示される構造と、ジヒドロキシフェニル基またはトリヒドロキシフェニル基とを有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない化合物であることを特徴とする請求項1に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
- 前記有機化合物(A)が、6価クロムと作用して3価に還元性を有する化学式(1)に示される構造と、3,4,5−トリヒドロキシフェニル基を有し、かつ、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない化合物であることを特徴とする請求項2に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
- 前記有機化合物(A)が、
(i)没食子酸のエステルと、
(ii)タンニン酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物と
であることを特徴とする請求項3に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。 - 前記化合物(ii)がタンニン酸であることを特徴とする請求項4に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
- 前記6価クロム還元化合物成分が、さらに、6価クロムと作用して3価に還元性を有する前記化学式(1)に示される構造を有し、かつ、ヒドロキシフェニル基、アルデヒド基およびカルボキシル基を有さない、有機化合物(B)を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
- 前記有機化合物(B)が、アスコルビン酸、アスコルビン酸の誘導体、エリソルビン酸およびエリソルビン酸の誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項6に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
- 6価クロムを3価クロムに還元し得る6価クロム還元化合物成分と、空気中の水分をトラップできるとともに、水に溶解できる成分とを含み、
前記6価クロム還元化合物成分が、下記式(A−i)で表される化合物(A−i)およびタンニン(A−ii)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする6価クロム処理用の粉末状組成物。
(nは、0、1または2を表す。R11〜R18は、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、または下記式(a−i)で表される基(R19は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を表す。nが0のとき、R11〜R14、R16およびR17のうち少なくとも1個はヒドロキシ基であり、nが1または2のとき、R11〜R18のうち少なくとも1個はヒドロキシ基である。nが2のとき、複数あるR15は、同一であっても異なっていてもよく、R18についても同様である。R16とR17とは相互に一体となって5員環または6員環を形成していてもよく、該環は置換基として炭素数1〜16のアルキル基を有していてもよい。)
- 前記空気中の水分をトラップできるとともに、水に溶解できる成分が、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸カルシウム、重量平均分子量が4000以上40000以下のポリエチレングリコール、重量平均分子量が4000以上40000以下のアクリル酸系ポリマー、および融点が40℃以上のノニオン系界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物を含む錠剤。
- 皮に対してクロムなめしを行って革を得るクロムなめし工程と、請求項1〜10のいずれか1項に記載の6価クロム処理用の粉末状組成物によって、前記革を処理する6価クロム処理工程を含むことを特徴とする革の製造方法。
- 皮に対してクロムなめしを行って革を得るクロムなめし工程と、請求項11に記載の錠剤によって、前記革を処理する6価クロム処理工程を含むことを特徴とする革の製造方法。
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