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JP6693785B2 - 食品添加剤、および食品添加剤を含む食品 - Google Patents
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本発明は、食品添加剤、およびその食品添加剤を含む食品に関する。
蒲鉾等の水産練り製品を製造する際、硬さや弾力性等を付与するために添加剤として卵白を魚肉のすり身に添加することがある。しかし、近年、卵白の価格が高騰しており、卵白に代わる食品添加剤が求められている。
例えば、特許文献1には、水晒、脱水処理した精製魚肉が、(1)アルギニン、アルギニン塩酸基、リジン、リジン塩酸基から選ばれる塩基性アミノ酸を0.05〜0.3重量%、(2)炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウムから選ばれる炭酸塩を0.05〜0.3重量%、および(3)糖類から選ばれる少なくとも1種を含有する冷凍すり身が記載されている。
特許文献2には、アルギニン、クエン酸アルカリ塩および糖類を含有する、冷凍すり身用品質改良剤が記載されている。
特許文献3には、グリシンおよびシスチンからなる、魚肉練り製品等の加工食品の弾力性増強剤が記載されている。
しかし、特許文献1〜3に記載の添加剤は、硬さや弾力性を付与するための添加剤としては不十分であり、卵白の代替となる新たな食品添加剤が求められている。
特開2004−350666号公報 特開2009−153430号公報 特開2003−070430号公報
本発明の目的は、水産練り製品等の食品に硬さや弾力性を付与する新規の食品添加剤、およびその食品添加剤を含む食品を提供することにある。
本発明は、シスチンアルギニンおよびエンドウ澱粉を含有し、前記エンドウ澱粉の含有量は、前記シスチン100重量%に対して100重量%〜800重量%の範囲である食品添加剤である。
本発明は、前記食品添加剤を含む食品である。
前記食品が、水産練り製品であることが好ましい。
本発明によれば、水産練り製品等の食品に硬さや弾力性を付与する新規の食品添加剤、およびその食品添加剤を含む食品を提供することができる。
実施例1〜3および比較例1,2,3−1,4−1で得られた水産練り製品(坐り条件:30℃、40分)の破断強度を比較するグラフである。 実施例1〜3および比較例1,2,3−1,4−1で得られた水産練り製品(坐り条件:30℃、40分)の破断距離を比較するグラフである。 実施例1〜3および比較例1,2,3−1,4−1で得られた水産練り製品(坐り条件:40℃、40分)の破断強度を比較するグラフである。 実施例1〜3および比較例1,2,3−1,4−1で得られた水産練り製品(坐り条件:40℃、40分)の破断距離を比較するグラフである。 実施例4−1,5〜7および比較例4−2で得られた水産練り製品の破断強度を比較するグラフである。 実施例4−1,5〜7および比較例4−2で得られた水産練り製品の破断距離を比較するグラフである。 実施例4−2,4−3,8および比較例3−2,4−3で得られた水産練り製品の破断強度を比較するグラフである。 実施例4−2,4−3,8および比較例3−2,4−3で得られた水産練り製品の破断距離を比較するグラフである。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る食品添加剤は、シスチンおよびアルギニンを含有する。シスチンおよびアルギニンを含有する食品添加剤により、食品に硬さや弾力性を付与することができる。シスチンのみを用いると、味への影響があるが、シスチンとアルギニンとを併用することにより、味への影響を抑制することができる。
シスチンは、アミノ酸の一種であり、3,3’−ジチオビス(2−アミノプロピオン酸)である。
アルギニンは、アミノ酸の一種であり、2−アミノ−5−グアニジノペンタン酸である。
本実施形態に係る食品添加剤において、アルギニンの含有量は、例えば、シスチン100重量%に対して、アルギニン50重量%〜150重量%の範囲であり、好ましくはシスチン100重量%に対して、アルギニン80重量%〜120重量%の範囲である。シスチン100重量%に対して、アルギニン50重量%未満では、硬さや弾力性が不足する場合があり、150重量%を超えると味に影響する場合がある。
本実施形態に係る食品添加剤は、さらに、エンドウ澱粉、加工澱粉等の澱粉を含有することが好ましく、エンドウ澱粉を含有することがより好ましい。エンドウ澱粉を含有することにより、食品に硬さや弾力性をより付与することができる。本明細書における「エンドウ澱粉」とは、エンドウの子実中に約50%程度含まれている澱粉を意味する。なお、エンドウ(Pisum sativum L.)とは、マメ科の1〜2年草で、広く食用に供されている植物であり、その種類は特に問わない。エンドウ澱粉は、エンドウを原料とし常法に従って製造したものであれば、その製造方法は特に限定されないが、一般的には、原料となる完熟したエンドウの子実を洗浄、乾燥し、外殻を取り除いた後、主に水を使用して蛋白質、塩類、食物繊維等を除去することで得られる。本実施形態において用いされるエンドウ澱粉としては、さらに乾燥して粉末状としたものが好ましい。
本実施形態に係る食品添加剤において、エンドウ澱粉の含有量は、例えば、シスチン100重量%に対して、エンドウ澱粉100重量%〜800重量%の範囲であり、好ましくはシスチン100重量%に対して、エンドウ澱粉200重量%〜600重量%の範囲である。シスチン100重量%に対して、エンドウ澱粉100重量%未満では、硬さや弾力性が不足する場合があり、800重量%を超えると硬さや弾力性が減少する場合がある。
本実施形態に係る食品添加剤には、シスチン、アルギニン、およびエンドウ澱粉の他に、賦形剤として、デキストリン等の糖類、乳糖、トレハロース、馬鈴薯等の澱粉、各種加工デンプン、食物繊維等を含んでもよい。その他に、大豆由来等の植物性たん白や乳たん白、コラーゲン、ゼラチン等の添加物から選択される少なくとも1つを含有してもよい。
本実施形態に係る食品添加剤は、シスチンおよびアルギニン、必要に応じて、エンドウ澱粉、賦形剤、さらには他の添加物を混合することにより得られる。混合する方法としては、特に制限はなく、例えば、撹拌機による混合、乳鉢やすり鉢による混合等が挙げられる。
本実施形態に係る食品添加剤は、粉末の形態であってもよいし、粒状に造粒した顆粒の形態であってもよい。その他、上記食品添加剤等を水に溶解させた液体の形態であってもよい。
本実施形態に係る食品添加剤を添加する食品としては、魚肉練り製品等の水産練り製品等が挙げられ、魚肉練り製品等の水産練り製品に好適に適用することができる。本実施形態に係る食品添加剤を食品に添加することにより、食品に硬さや弾力性等を付与することができる。
水産練り製品としては、蒲鉾類、つみれ、竹輪、薩摩揚、はんぺん、鳴門巻き、魚肉ソーセージ、かに風味かまぼこ、魚肉団子等が挙げられる。
本実施形態に係る食品添加剤の食品中の添加量は、食品全体の重量に対して、例えば、0.1重量%〜2.0重量%の範囲であり、好ましくは0.3重量%〜1.0重量%の範囲である。食品添加剤の食品中の添加量が、食品全体の重量に対して0.1重量%未満であると、硬さや弾力性が不足する場合があり、2.0重量%を超えると、味に影響する場合がある。
水産練り製品は、魚肉に、本実施形態に係る食品添加剤を添加することにより得られる。本実施形態に係る食品添加剤の他に、植物性たん白、動物性たん白、リン酸塩、酵母エキス、焼成カルシウム、未焼成カルシウム等を添加してもよい。
本実施形態に係る食品添加剤を添加することにより、蒲鉾類等の水産練り製品の硬さの指標である破断強度および破断距離を例えば卵白を使用した場合と同等またはそれ以上にすることができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例2、参考例3および比較例1,2,3−1,4−1>
シスチン、アルギニン、およびエンドウ澱粉を添加することによる、水産練り製品として蒲鉾の硬さおよび弾力性に対する改良効果を検証した。
[食品添加剤の調製]
表1に示す割合(重量%)で、各成分を粉末混合の方法で混合して、実施例2、参考例3、比較例1,2の食品添加剤を調製した。加工澱粉は馬鈴薯由来のリン酸架橋澱粉を使用した。
[水産練り製品の作製]
表2に示す割合(重量%)で各材料を使用して、蒲鉾を作製した。魚肉のすり身として助宗だらをカッティングし、その他の原料(馬鈴薯澱粉、食塩、グルタミン酸ソーダ、砂糖)と、上記各食品添加剤(実施例2、参考例3、比較例1,2:各食品添加剤を0.4重量%と、デキストリン0.9重量%とを添加)と、氷半量とを添加し、混合した。また、比較例3−1として、無添加区(上記各食品添加剤の代わりにデキストリンのみを1.3重量%添加)、比較例4−1として、ブランク(上記各食品添加剤に代わりに卵白粉末を0.8重量%(なお、デキストリンは0.5重量%)添加)の試験を実施した。混合後、カッティングし、残りの氷半量を添加し、またカッティングした。さらに、みりんを混合し、カッティングした。カッティング終了時の温度は10℃であった。得られたすり身の混合物を、30℃で40分間、または、40℃で40分間、インキュベータ中で放置した(坐り工程)。48mmのケーシングに充填し、90℃で40分間、恒温水槽中で加熱した。水冷後、一晩(約16時間)、5℃で冷蔵して、サンプルを得た。
[破断強度、破断距離の測定]
分析装置(サン科学株式会社製、レオメーターCR−200D型)を用い、直径5mmの球状プランジャで押し、サンプルが破断したときの、硬さの指標として破断強度(g)および弾力性の指標として破断距離(mm)を測定した。結果を表3,4、図1〜4に示す。
本試験結果より、シスチンのみを使用した比較例1(T1)は無添加区の比較例3よりも破断強度は向上し、アルギニンのみを使用した比較例2(T2)ではシスチン(比較例1)ほどの改良効果が得られなかった。一方、シスチンとアルギニンとを併用した参考例1(T3)はシスチンまたはアルギニン単体で使用した比較例1(T1)や比較例2(T2)よりも破断強度、破断距離ともに向上していることがわかるが、卵白粉末と比較するとやや改良効果が低かった。また、シスチンとアルギニンとエンドウ澱粉とを併用した実施例2(T4)では卵白粉末と同等またはそれ以上の破断強度、破断距離となり、シスチンとアルギニンにエンドウ澱粉を併用することによって優れた改良効果が得られることがわかった。エンドウ澱粉以外の卵白代替として加工澱粉を用いた参考例3(T5)では、エンドウ澱粉ほどの改良効果が得られておらず、エンドウ澱粉に特異的な改良効果があると推測される。
<実施例4−1,5、参考例6,7および比較例4−2>
シスチン、アルギニン、およびエンドウ澱粉を添加することによる、水産練り製品として蒲鉾の硬さおよび弾力性に対する改良効果をさらに検証した。
[食品添加剤の調製]
表5に示す割合(重量%)で、各成分を参考例1と同様にして混合して、実施例4,5、参考例6,7の食品添加剤を調製した。加工澱粉として馬鈴薯由来のリン酸架橋澱粉を使用した。
[水産練り製品の作製]
表6に示す割合(重量%)で各材料を使用して、参考例1と同様にして蒲鉾を作製した。添加剤として、水産練り製品用の物性改良製剤を使用した。坐り工程は、坐り工程なし(直後加熱)、30℃で20分間、40分間、または、40℃で20分間、40分間とした。
[破断強度、破断距離の測定]
実施例1と同様にして、破断強度(g)および破断距離(mm)を測定した。結果を表7、図5、図6に示す。
表7および図5、図6の試験結果より、卵白粉末を用いた比較例4−2(ブランク)よりも、シスチンとアルギニンとエンドウ澱粉とを併用した実施例4−1は、破断強度、破断距離ともに向上していることがわかる。エンドウ澱粉の添加量が実施例4−1よりも多い実施例5では、実施例4−1よりも破断強度、破断距離ともにやや低かった。エンドウ澱粉を含む実施例4−1は、エンドウ澱粉を含まない参考例6,7に比べて、破断強度、破断距離ともに向上しており、ここでもシスチンとアルギニンにエンドウ澱粉を併用することによって優れた改良効果が得られた。
<実施例4−2,4−3,8および比較例3−2,4−3>
[食品添加剤の調製]
表5に示す割合(重量%)で、各成分を実施例1と同様にして混合して、実施例8の食品添加剤を調製した。
[水産練り製品の作製]
表6に示す割合(重量%)で各材料を使用して、実施例1と同様にして蒲鉾を作製した。坐り工程は、坐り工程なし(直後加熱)、30℃で20分間、40分間、または、40℃で20分間、40分間とした。
[破断強度、破断距離の測定]
実施例1と同様にして、破断強度(g)および破断距離(mm)を測定した。結果を表8、図7、図8に示す。
表8および図7、図8の試験結果からも、比較例3−2(無添加区)、卵白粉末を用いた比較例4−3(ブランク)よりも、シスチンとアルギニンとエンドウ澱粉とを併用した実施例4−2は、破断強度、破断距離ともに向上していることがわかる。エンドウ澱粉の添加量を多くした実施例8は、実施例4−2、実施例4−3よりも破断強度、破断距離ともにやや低かった。

Claims (3)

  1. シスチンアルギニンおよびエンドウ澱粉を含有し、前記エンドウ澱粉の含有量は、前記シスチン100重量%に対して100重量%〜800重量%の範囲であることを特徴とする食品添加剤。
  2. 請求項1に記載の食品添加剤を含むことを特徴とする食品。
  3. 請求項に記載の食品であって、
    前記食品が、水産練り製品であることを特徴とする食品。
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