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JP6694782B2 - 走行車両 - Google Patents
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Description

本発明は、人為操作される変速操作具の操作位置をポテンショメータにて検出して、ポテンショメータの検出値に基づいて走行駆動手段を制御するようにした走行車両に関する。
上記走行車両は、走行駆動手段として、例えば、電動モータやエンジン及びエンジンの動力を変速する変速装置等を備えている。そして、変速操作具の操作に基づいて、電動モータの作動を制御したり、変速装置を操作するアクチュエータの作動を制御する構成となっている。
この種の走行車両において、例えば、長期の使用に伴ってポテンショメータが故障して、修理交換等が行われた場合等において、ポテンショメータの個体差や組付け誤差等に起因して、変速操作具の操作位置に対するポテンショメータの検出値が初期設定された値と異なる場合がある。このような場合には、変速操作具の操作位置が従来と同じであっても走行速度が異なる場合があり、変速操作が良好に行えないおそれがある。
そこで、このような不利を解消するために、ポテンショメータの検出値の更新処理を行うようにしたものがある。更新処理を行うにあたり、従来では、通常の使用者が操作できないような箇所にモード切換スイッチが設けられ、メンテナンス作業員によりモード切換スイッチが操作されると、制御手段が更新用の制御モードに切り換わるように構成されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−269608号公報
上記従来構成では、ポテンショメータの検出値の更新処理を行う場合には、メンテナンス作業員によって行う必要があるので、メンテナンス作業を行うための専用の作業箇所まで走行車両を移送させたり、あるいは、走行車両がある箇所までメンテナンス作業員が出向いて行く必要がある等、煩わしい手間が掛かっていた。その結果、作業を再開するまでの間に時間がかかり、作業能率が低下するおそれがある。
そこで、ポテンショメータの検出値の更新処理を手間の少ない状態で簡単に行えるようにすることが望まれていた。
本発明に係る走行車両の特徴構成は、
変速操作具と、
車体を走行駆動する走行駆動手段と、
前記変速操作具の操作位置に対応する検出値を出力するポテンショメータと、
前記ポテンショメータの検出値に基づいて前記走行駆動手段を制御する走行制御手段と、
前記変速操作具が基準操作位置にあるときの前記ポテンショメータの値を基準値として更新記憶する更新記憶処理を実行する基準値更新手段とが備えられ、
前記基準値更新手段が、車体走行停止状態において、運転者による前記変速操作具に対する所定の操作に伴って、前記更新記憶処理を行う更新処理モードに移行し、
前記変速操作具が、中立位置と最大速度位置との間で移動操作自在に設けられ、
前記基準値更新手段は、前記基準操作位置として、前記中立位置及び前記最大速度位置の夫々において、前記ポテンショメータの値を更新記憶する点にある。
本発明によれば、車体走行停止状態において、運転者による変速操作具に対する所定の操作が行われると、その操作に伴って、基準値更新手段は、更新処理モードに移行して、更新記憶処理を実行する。すなわち、基準値更新手段は、変速操作具が基準操作位置にあるときのポテンショメータの値を基準値として更新記憶させるのである。
このように運転者が作業時に通常操作している変速操作具に対して所定の操作を行うだけで、ポテンショメータの基準値を更新して記憶させることができるので、更新記憶処理を短時間で能率よく済ませることができる。その結果、メンテナンス作業を行うための専用の作業箇所まで走行車両を移送させたり、走行車両がある箇所までメンテナンス作業員が出向いて行く等の煩わしさがない。
従って、ポテンショメータの検出値の更新処理を手間の少ない状態で簡単に行うことが可能となった。
本構成によれば、変速操作具が中立位置に操作された状態と、最大速度位置に操作された状態との2状態におけるポテンショメータの検出値を求め、その検出値を基準値として更新記憶させることで対応できる。ポテンショメータは、回動操作に伴う操作位置の変化に対する出力値の変化は直線状に変化するので、上記した2状態における2つの出力値の中間の値は、直線補間によって演算にて求めることができる。
従って、ポテンショメータの検出値を求める作業が少ない回数で済むので、更新記憶処理を容易に能率よく行うことができる。
本発明においては、前記基準値更新手段は、前記所定の操作として、前記変速操作具が夫々異なる複数の基準操作位置に所定の順序で切り換え操作されると、前記複数の基準操作位置の夫々に対応する前記ポテンショメータの値を基準値として更新記憶すると好適である。
本構成によれば、基準値更新手段が更新処理モードに移行する条件が、変速操作具を複数の基準操作位置に所定の順序で切り換え操作することであり、この操作を実行することにより、運転者が更新記憶処理を実行する意思が明確になるとともに、誤操作等のおそれの少ない状態で適正に更新記憶処理を実行することが可能となる。
本発明においては、前記基準値更新手段は、前記所定の操作が行われている途中で、前記所定の操作と異なる操作が行われると、前記更新記憶処理を実行せず、前記更新処理モードを終了すると好適である。
本構成によれば、所定の操作が行われている場合であっても、その途中で所定の操作と異なる操作が行われる状態というのは、例えば、運転者が更新処理モードへの切り換えを停止したい場合、あるいは、操作を誤っている場合等が考えられる。そこで、このような場合には、更新記憶処理を実行せず、前記更新処理モードを終了することにより、適正ではない検出値が更新記憶されることを未然に防止することができる。
本発明においては、前記基準値更新手段は、
前記変速操作具が前記複数の基準操作位置に操作される毎に、設定時間が経過する間に前記ポテンショメータの検出値が所定範囲に収まっていれば、その検出値を予備計測値として保持し、且つ、
前記変速操作具が前記所定の順序で切り換え操作され、複数の基準操作位置の夫々について前記予備計測値が保持されると、その複数の前記予備計測値の夫々を前記基準値として更新記憶すると好適である。
本構成によれば、変速操作具が複数の基準操作位置に操作されたときに、設定時間が経過するまで検出値が所定範囲に収まっているという状態というのは、変速操作具がその位置にて保持されていることを意味する。つまり、運転者が変速操作具を一時的に位置保持させる操作が行われるので、運転者による意思が働いていることが明らかである。そこで、そのときのポテンショメータの検出値を予備計測値として一時保持する。そして、複数の基準操作位置の夫々について予備計測値が保持されると、複数の予備計測値は運転者の意思に基づいて適正に検出されたものであるから、それらを基準値として更新記憶するのである。
従って、複数の基準操作位置における夫々の検出値が適正に検出されたことを確認したのちに、適正な基準値を更新記憶することができる。
本発明においては、前記基準値更新手段は、前記ポテンショメータの検出値が適正作動範囲を超えていると、前記更新記憶処理を実行しないようにすると好適である。
本構成によれば、ポテンショメータの検出値が操作位置に対応する適正作動範囲を超えているときは、誤検出あるいは一部破損していること等が考えられるので、このような不適正な値は更新記憶しない。ところで、複数の基準操作位置に操作される場合に、そのうちの一部の検出値が適正作動範囲を超えている不適正な値であるときは、複数の検出値の全てを更新記憶しないようにしてもよく、あるいは、不適正な値だけを更新記憶しないようにしてもよい。
本発明においては、報知作動を実行する報知手段が備えられ、
前記基準値更新手段により前記更新記憶処理が適正に行われると、前記報知手段がそのことを報知すると好適である。
本構成によれば、報知手段が報知作動することによって、運転者は更新記憶処理が適正に行われたことを認識できるので、更新記憶処理が適正に行われていない状態で処理を終了したり、更新記憶処理が適正に行われているにもかかわらず、再度、処理を実行する等の無駄な作業を行うことを回避できる。
本発明においては、前記変速操作具及び前記走行駆動手段が夫々左右一対備えられ、左右の前記変速操作具の操作にて各別に左右の前記走行駆動手段が変速操作され、
前記変速操作具が、中立位置と前側に位置する前進側最大速度位置との間、及び、前記中立位置と後側に位置する後進側最大速度位置との間の夫々にて移動操作自在に構成され、
前記走行制御手段は、前記変速操作具が前記中立位置から前側に操作されるのに伴って、前進走行速度を増大させ、前記変速操作具が前記中立位置から後側に操作されるのに伴って、後進走行速度を増大させるように、前記変速操作具に対応する前記走行駆動手段を制御するように構成されていると好適である。
本構成によれば、左右の変速操作具にて左右各別に走行駆動手段を前後進夫々に変速操作することができ、左右の変速操作具を操作するだけで、前進走行、後進走行、旋回走行、スピンターンなど種々の走行形態を容易に実行することができる。
芝刈機の全体側面図である。 芝刈機の全体平面図である。 制御ブロック図である。 走行駆動制御のフローチャートである。 操作位置と操作位置対応速度との変化特性を示す図である。 更新記憶制御のフローチャートである。 更新記憶制御のフローチャートである。
以下、図面に基づいて、本発明に係る走行車両の一例としての乗用型の芝刈機について説明する。
〔全体構成〕
図1及び図2に示すように、芝刈機は、キャスタ輪に構成された左右一対の前輪1,1及び回転駆動される走行装置としての左右一対の後輪2,2を備えた走行機体3と、走行機体3の走行に伴って芝を刈り取るモーア4とを備えて構成されている。モーア4は、走行機体3における前後輪間の下腹部に四連リンク構造のリンク機構5を介して吊り下げ支持された構造となっており、接地輪6にて接地追従して水平姿勢を維持しながら昇降することができるよう構成されている。
前記モーア4は、下向き開放状の刈刃ハウジング7と、その刈刃ハウジング7の内部に位置して、縦軸心周りに回転駆動される3枚の回転刈刃8a,8b,8cと、各回転刈刃8a,8b,8cの上部側に位置して、夫々の回転刈刃8a,8b,8cを回転駆動する刈刃用電動モータ9a,9b,9cとが備えられている。各回転刈刃8a,8b,8cは夫々独立に各刈刃用電動モータ9a,9b,9cにより回転駆動される構成となっている。
図1及び図2に示すように、走行機体3の前後中央部に運転座席10が設けられ、この運転座席10の下方には、左右一対の後輪2,2を夫々独立で駆動するための走行駆動手段としての左右一対の走行用電動モータ11R,11Lが左右に並ぶ状態で設けられている。又、夫々独立で手動操作自在でかつ左右の後輪2,2に対する変速操作を行う左右一対の変速操作具としての変速レバー12R,12Lが、運転座席10の左右両脇に前後揺動可能に配備されている。左右一対の走行用電動モータ11R,11Lが変速レバー12R,12Lによって各別に変速操作されることで、左右の後輪2,2を独立的に前後進夫々に変速することができる。
左右一対の走行用電動モータ11R,11Lにより駆動される左右の後輪2,2の近傍には、左右の後輪2を夫々制動するブレーキBRが装備されており、このブレーキBRは、運転部ステップに設けられたブレーキ操作具13を操作することにより左右後輪2を制動するように、ブレーキBRとブレーキ操作具13とが機械的に連動連係されている。
左右の後輪2,2を共に同じ速度で前進方向に駆動して直進前進を行うことができ、左右の後輪2,2を共に同じ速度で後進方向に駆動して直進後進を行うことができる。左右の後輪2,2の速度を互いに異ならせることで、走行機体3を任意の方向に旋回移動させることができる。例えば、左右の後輪2,2のいずれか一方を零速に近い低速にさせ、他方の後輪2を高速で前進側あるいは後進側に操作することで小回り旋回させることができる。さらに、左右の後輪2,2を互いに逆方向に駆動することで、走行機体3を左右の後輪2,2のほぼ中央部を旋回中心としてスピンターンさせることもできる。
左右一対の前輪1,1は、キャスタ輪に構成されて縦軸芯周りで向きを自由に変更することができるから、左右の後輪2,2の駆動による走行方向に応じて向きが修正されることになる。
図1に示すように、走行機体3の後部には、各刈刃用電動モータ9a,9b,9c及び走行用電動モータ11R,11Lに駆動用電力を供給するためのバッテリーBTが備えられている。図3に示すように、このバッテリーBTから左右の各走行用電動モータ11R,11Lに対する電力供給路14,15には、夫々、電圧、電流、あるいは、周波数を変更調整して走行用電動モータ11R,11Lの駆動状態を制御するモータコントローラ16,17が備えられ、各走行用電動モータ11R,11Lとそれに対応するモータコントローラ16,17との間には、夫々、電力供給路14,15を遮断するための電磁開閉器18,19が設けられている。
左右の各走行用電動モータ11R,11Lとしては、三相交流式誘導電動モータやブラシレス直流モータ等の種々のものを用いることができ、モータコントローラ16,17は、図示はしないが、インバータ装置等を備えて構成されている。
バッテリーBTから各刈刃用電動モータ9a,9b,9cに対する電力供給路20には、各刈刃用電動モータ9a,9b,9cの駆動状態を制御するモータコントローラ21が備えられている。
図3に示すように、各走行用電動モータ11R,11Lの夫々に対する目標速度を設定して、各モータコントローラ16,17に制御信号を指令して各走行用電動モータ11R,11Lの作動を制御する制御装置22が備えられている。この制御装置22に対する電力は、バッテリーBTの電圧(約48V)をDC/DCコンバータ23を介して低電圧(約12V)に変換して供給される。
バッテリーBTから機体各部に電力が供給される電源供給路24には、キースイッチ25が備えられている。キースイッチ25は、電源を遮断するオフ位置、電気機器に電力を供給するオン位置、上記したような走行用電動モータ11R,11Lや刈刃用電動モータ9a,9b,9cに対する電力系統にも電力を供給する走行位置に切り換え自在に構成されている。
戻り付勢されたブレーキ操作具13が踏み込み操作されるとオンし、踏み込み操作されなくなるとオフするブレーキスイッチ26がブレーキ操作具13の近傍に備えられ、又、モーア4の駆動開始及び停止を指令するモーア入切スイッチ27が運転座席10の横側に位置する状態で備えられており、それらの検出情報も制御装置22に入力されている。
制御装置22は、走行用電動モータ11R,11Lを作動させている場合であっても、ブレーキスイッチ26がオンすると、左右の電磁開閉器18,19を遮断状態に切り換えて走行用電動モータ11R,11Lの駆動を停止させ、ブレーキスイッチ26がオフすると、左右の電磁開閉器18,19を導通状態に切り換えて走行用電動モータ11R,11Lの駆動を再開させる。又、モーア入切スイッチ28がオンすると、回転刈刃8a,8b,8cを回転させてモーア4による芝刈り作業を行い、モーア入切スイッチ27がオフすると、回転刈刃8a,8b,8cの回転を停止させてモーア4による芝刈り作業を停止するように、各刈刃用電動モータ9a,9b,9cを制御するように構成されている。
図3に示すように、各変速レバー12R,12Lの操作位置を検出する一対のポテンショメータからなる操作位置検出器28R,28Lが設けられ、この一対の操作位置検出器28R,28Lの検出情報が制御装置22に入力されている。
各変速レバー12R,12Lの基端側箇所の夫々に、各変速レバー12R,12Lが中立位置に位置しているとき、そのことを検出する中立スイッチ29R,29Lが設けられている。各中立スイッチ29R,29Lの検出情報が制御装置22に入力されている。
左右の各走行用電動モータ11R,11Lにて駆動される左右の後輪2,2の回転速度を検出する一対の回転センサ30R,30Lが設けられ、この回転センサ30R,30Lの検出情報も制御装置22に入力される構成となっている。回転センサ30R,30Lはロータリーエンコーダにて構成されている。
図2に示すように、運転座席10には、運転者が着座しているか否かを検出する着座センサ31が設けられ、この着座センサ31の検出情報も制御装置22に入力されている。
又、運転座席10の近傍に位置する状態で、運転者に対する報知作動を実行するブザー32が設けられ、このブザー32は制御装置22によって駆動される(図3参照)。
制御装置22は、操作位置検出器28R,28Lにて検出される変速レバー12R,12Lの操作位置の検出情報に基づいて、各走行用電動モータ11R,11Lの夫々に対する目標速度を設定して、回転センサ30R,30Lにて検出される左右の後輪2,2の速度が目標速度になるように、各モータコントローラ16,17に制御信号を指令して各走行用電動モータ11R,11Lの作動を制御するように構成されている。従って、制御装置22を利用して走行制御手段が構成されている。
すなわち、左右の変速レバー12R,12Lを共に前方に同量だけ揺動操作することで、左右の後輪2,2を共に同じ速度で前進方向に駆動して直進前進を行うことができ、左右の変速レバー12R,12Lを共に後方に同量だけ揺動操作することで、左右の後輪2,2を共に同じ速度で後進方向に駆動して直進後進を行うことができる。
左右の変速レバー12R,12Lの操作位置を異ならせて左右の後輪2,2の速度を互いに異ならせることで、走行機体3を任意の方向に旋回移動させることができ、左右の後輪2,2のいずれか一方を零速に近い低速にさせ、他方の後輪2を高速で前進側あるいは後進側に操作することで小回り旋回させることができる。
左右の変速レバー12R,12Lを中立位置から互いに逆方向に操作して、左右の後輪2,2を互いに逆向きの回転方向に駆動することで、走行機体3を左右の後輪2,2のほぼ中央部を旋回中心としてスピンターンさせることもできる。左右一対の前輪1,1は、キャスタ輪に構成されて縦軸芯周りで向きを自由に変更することができるから、左右の後輪2,2の駆動による走行方向の変更に追従しながら向きが変更することになる。
〔走行駆動制御〕
次に、制御装置22による走行駆動制御について、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。この走行駆動制御では、図4に示すような制御動作を単位時間毎に繰り返し実行するように構成されている。
制御装置22は、先ず、左右の変速レバー12R,12Lによる指令情報に基づいて各走行用電動モータ11R,11Lの夫々について目標速度を求める目標速度算出処理を実行する(ステップ1)。この目標速度算出処理は、左右の操作位置検出器28R,28Lの検出値から変速レバー12R,12Lの操作位置を読み込み、各操作位置検出器28R,28Lの検出値に基づいて操作位置に対応する各走行用電動モータ11R,11Lの夫々に対する目標速度を算出する。
この目標速度算出処理において、制御装置22は、操作位置検出器28R,28Lにて検出された操作位置と、図5に示すような変化特性とに基づいて、各操作位置検出器28R,28Lにて検出された操作位置に対応する目標速度を夫々求める。
図5に示す変化特性は、操作位置とレール位置対応速度との相関関係を示すものであり、変速レバー12R,12Lの操作位置が、中立位置Nから機体前側に操作するほど前進方向の速度が増大し、中立位置Nから機体後側へ操作するほど後進方向の速度が増大する特性が予め定められている。
説明を加えると、図5の横軸は操作位置検出器28R,28Lにて検出された操作位置を示し、縦軸はレバー位置対応速度を示す。操作位置は後端位置から前端位置まで変化するが、レバー位置対応速度は、正転方向の領域(前進走行域F)と逆転方向の領域(後進走行域R)とに振り分けられ、後端位置から前端位置までの間のうちの中立位置Nから前端位置までの間の領域が正転方向の領域(前進走行域F)であり、後端位置から中立位置Nまでの間の領域が逆転方向の領域(後進走行域R)として設定されている。
変化特性は、正転方向の領域(前進走行域F)と逆転方向の領域(後進走行域R)の夫々において、直線状に変化するものであり、言い換えると、変速レバー12R,12Lの操作位置の変化に対するレバー位置対応速度の変化率が一定となる変化特性である。制御装置22は、変速レバー12R,12Lが操作されると、操作位置検出器28R,28Lの検出値から求めた操作位置と図5の変化特性とに基づいて操作位置に対応するレバー位置対応速度を求める。そして、そのレバー位置対応速度に応じて各走行用電動モータ11R,11Lの夫々に対する目標速度を算出する。目標速度を算出するにあたっては、詳述はしないが、例えば、中立位置の付近に所定の不感帯を設定するようにしている。つまり、機体の振動等に起因して変速レバー12R,12Lが中立位置付近で少し揺れ動いても、走行用電動モータ11R,11Lが作動しないように目標速度を設定する。
前記目標速度算出処理を実行したのち、制御装置22は、各走行用電動モータ11R,11Lについて求めた目標速度と、左右の回転センサ30R,30Lにて検出される各走行用電動モータ11R,11Lの回転速度とに基づいて、各走行用電動モータ11R,11Lに指令するための制御指令用速度、及び、制御指令用速度にするのに必要となる制御指令用駆動トルクを求める速度トルク算出処理を実行する(ステップ2)。
制御装置22は、回転センサ30R,30Lにて検出される左右一対の走行用電動モータ11R,11Lの回転速度が制御指令用速度になるように、且つ、制御指令用駆動トルクを出力するように、各モータコントローラ16,17に制御信号を指令して各走行用電動モータ11R,11Lの作動を制御するモータ駆動処理を実行する(ステップ3)。
上述したような走行駆動制御を実行中に、ブレーキ操作具13が踏み操作されたことがブレーキスイッチ26にて検知されると、制御装置22は、それに伴って電磁開閉器18,19を遮断させ、走行用電動モータ11R,11Lに無理な力が掛からないようにしている。
〔更新記憶制御〕
制御装置22は、変速レバー12R,12Lが基準操作位置にあるときの操作位置検出器28R,28Lの値を基準値として更新記憶する更新記憶処理を実行するように構成されている。又、制御装置22は、車体走行停止状態において、運転者による変速レバー12R,12Lに対する所定の操作に伴って更新記憶処理を行う更新処理モードに移行するように構成されている。従って、制御装置22を利用して基準値更新手段が構成されている。
次に、制御装置22による更新記憶制御について、図6,7に示すフローチャートに基づいて説明する。
先ず、車体走行停止状態であるか否かを判断する。車体走行停止状態とは、キースイッチ25がオン位置に操作されていること(制御装置22に電力が供給されているが、各モータコントローラ16,17,21には電力が供給されていない状態であること)、着座センサ31が運転者の着座状態を検出していること、ブレーキBRが作動していること、左右両側の変速レバー12R,12Lが共に中立位置にあること、の各条件が満たされている状態である。
すなわち、キースイッチ25がオン位置に操作されており、着座センサ31にて運転者の着座状態が検出され、ブレーキスイッチ36がオン状態であり、左右両側の変速レバー12R,12Lが共に中立位置にあることが検出されると、以下の更新記憶処理を行う更新処理モードに移行する(ステップ1,2,3,4)。
左右両側の変速レバー12R,12Lが共に中立位置(図5の符号N参照)にある状態が設定時間(例えば、5秒間)以上継続すると、そのときの操作位置検出器28R,28Lの検出値を予備計測値として図示しないメモリに記憶保持する(ステップ5,6)。記憶保持が行われると、ブザー32を作動させて記憶保持が適正に行われたことを運転者に報知する(ステップ7)。
次に、右前位置検出処理を実行する。右側の変速レバー12Rが前端位置、すなわち、中立位置から機体前部側に揺動操作して操作限界に達した位置(前進側最大速度位置に対応)に操作され、且つ、変速レバー12Rがその位置で保持されている状態が設定時間(例えば、5秒間)以上継続すると(ステップ8,9)、右側の操作位置検出器28Rの検出値(図5の符号FM参照)が予め設定されている適正作動範囲内にあれば、予備計測値として図示しないメモリに記憶保持する(ステップ10,11)。このとき、検出値が適正作動範囲を超えていれば、操作位置検出器28Rが故障していることも考えられるので、更新記憶処理を実行せず、処理を終了する(ステップ10)。記憶保持が行われると、ブザー32を作動させて記憶保持が適正に行われたことを運転者に報知する(ステップ12)。
そして、右側の変速レバー12Rが前端位置に操作されるのではなく、他の別の操作が行われていることが判別されると、運転者が更新記憶処理とは異なる別の処理を行うことを意味するか、あるいは、操作誤りであることから、更新記憶処理を実行せず、処理を終了する(ステップ13)。尚、このとき、右側の変速レバー12Rが前端位置に操作されていればよく、左側の変速レバー12Lの操作位置がどのような位置にあってもよい。そこで、更新記憶処理を行うために変速レバーを手動で操作するときは、左右両側の変速レバー12R,12Lを共に前方に操作して前端位置にまで連動して操作させる。例えば、左右の変速レバー12R,12Lのいずれか一方だけを操作する場合であれば、操作の仕方によって左右の前端位置の検出値にズレが生じるおそれがある。これに対して、左右両側の変速レバー12R,12Lを共に同じ位置操作することで位置ズレを少なくすることができる。このようなレバー操作は以下の各位置での検出処理においても同様である。
次に、上述したような右前位置検出処理(ステップ8からステップ13までの処理)と同様な処理手順で左前位置検出処理を実行する(ステップ14)。すなわち、左側の変速レバー12Lが前端位置(前進側最大速度位置)にある状態が設定時間継続すると、そのときの左側の操作位置検出器28Lの検出値を予備計測値として図示しないメモリに記憶保持して報知する。
以下、同様な手順で、右後位置検出処理(ステップ15)、及び、左後位置検出処理(ステップ16)を順次実行する。これらは、左右両側の変速レバー12R,12Lが後端位置、すなわち、中立位置から機体後部側に揺動操作して操作限界に達した位置(後進側最大速度位置に対応)に操作されているときの検出値(図5の符号RM参照)を求めて保持する処理である。
そして、左右両側の変速レバー12R,12Lの中立位置に対応する一対の検出値、右側の変速レバー12Rの前端位置に対応する検出値、左側の変速レバー12Lの前端位置に対応する検出値、右側の変速レバー12Rの後端位置に対応する検出値、左側の変速レバー12Lの後端位置に対応する検出値の夫々を、複数の基準値として図示しない不揮発性メモリに書き込み更新記憶する(ステップ17)。
制御装置22は、次回の走行駆動制御を実行するときに、上記したようにして更新記憶された基準値を用いて、変速レバー12R,12Lの操作位置に対応する目標速度を演算にて求めて、各走行用電動モータ11R,11Lの作動を制御する。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、変速操作具としての変速レバー12R,12Lが、中立位置Nと前側に位置する前進側最大速度位置FMとの間、及び、中立位置Nと後側に位置する後進側最大速度位置RMとの間の夫々にて移動操作自在に構成されるものを示したが、この構成に代えて、変速レバー12R,12Lが、中立位置と操作方向他方側に位置する最大速度位置との2点間で移動操作される構成のものでもよい。この場合、基準値の検出処理は中立位置と最大速度位置の2点になる。
(2)上記実施形態では、変速レバー12R,12L及び走行用電動モータ11R,11Lが夫々左右一対備えられ、左右の変速レバー12R,12Lの操作にて各別に左右の走行用電動モータ11R,11Lが変速操作される構成としたが、この構成に代えて、1つの変速レバーと1つの走行用電動モータを備える構成でもよい。
(3)上記実施形態では、所定の操作が行われている途中で、所定の操作と異なる操作が行われると、更新記憶処理を実行せず、更新処理モードを終了するようにしたが、更新処理モードを終了せずに、例えば、設定時間が経過したのちに、再度、所定の操作が行われたか否かを判別するようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、操作位置検出器28R,28L(ポテンショメータ)の検出値が適正作動範囲を超えていると、更新記憶処理を実行せず、更新処理モードを終了するようにしたが、更新処理モードを終了せずに、例えば、設定時間が経過したのちに、再度、検出値が適正作動範囲を超えているか否かを判別し、越えていなければ、更新記憶処理を実行するようにしてもよい。又、上記実施形態のように、複数の検出値を検出する構成において、そのうちのいずれかの検出値だけが適正作動範囲を超えている場合、更新処理モードを終了せずに、適正作動範囲を超えている検出値だけを更新せず、他の適正作動範囲内にある検出値は更新させるようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、走行駆動手段として走行用電動モータ11R,11Lを備える構成としたが、この構成に代えて、走行駆動手段として、エンジン及びエンジンの動力を変速する変速装置を備え、変速操作具の操作に基づいて、変速装置を操作するアクチュエータの作動を制御する構成としてもよい。
(6)上記実施形態では、走行車両として乗用型芝刈機を示したが、変速操作具にて変速操作される走行駆動手段を備える走行車両であればよく、芝刈機に限定されるものではない。
本発明は、人為操作される変速操作具の操作位置をポテンショメータにて検出して、ポテンショメータの検出値に基づいて走行駆動手段を制御するようにした走行車両に適用できる。
11R,11L 走行駆動手段
12R,12L 変速操作具
28R,28L ポテンショメータ
32 報知手段
FM 前進側最大速度位置
N 中立位置
RM 後進側最大速度位置

Claims (7)

  1. 変速操作具と、
    車体を走行駆動する走行駆動手段と、
    前記変速操作具の操作位置に対応する検出値を出力するポテンショメータと、
    前記ポテンショメータの検出値に基づいて前記走行駆動手段を制御する走行制御手段と、
    前記変速操作具が基準操作位置にあるときの前記ポテンショメータの値を基準値として更新記憶する更新記憶処理を実行する基準値更新手段とが備えられ、
    前記基準値更新手段が、車体走行停止状態において、運転者による前記変速操作具に対する所定の操作に伴って、前記更新記憶処理を行う更新処理モードに移行し、
    前記変速操作具が、中立位置と最大速度位置との間で移動操作自在に設けられ、
    前記基準値更新手段は、前記基準操作位置として、前記中立位置及び前記最大速度位置の夫々において、前記ポテンショメータの値を更新記憶する走行車両。
  2. 前記基準値更新手段は、前記所定の操作として、前記変速操作具が夫々異なる複数の基準操作位置に所定の順序で切り換え操作されると、前記複数の基準操作位置の夫々に対応する前記ポテンショメータの値を基準値として更新記憶する請求項1に記載の走行車両。
  3. 前記基準値更新手段は、前記所定の操作が行われている途中で、前記所定の操作と異なる操作が行われると、前記更新記憶処理を実行せず、前記更新処理モードを終了する請求項に記載の走行車両。
  4. 前記基準値更新手段は、
    前記変速操作具が前記複数の基準操作位置に操作される毎に、設定時間が経過する間に前記ポテンショメータの検出値が所定範囲に収まっていれば、その検出値を予備計測値として保持し、且つ、
    前記変速操作具が前記所定の順序で切り換え操作され、複数の基準操作位置の夫々について予備計測値が保持されると、その複数の前記予備計測値の夫々を前記基準値として更新記憶する請求項2又は3に記載の走行車両。
  5. 前記基準値更新手段は、前記ポテンショメータの検出値が適正作動範囲を超えていると、前記更新記憶処理を実行しない請求項1からのいずれか1項に記載の走行車両。
  6. 報知作動を実行する報知手段が備えられ、
    前記基準値更新手段により前記更新記憶処理が適正に行われると、前記報知手段がそのことを報知する請求項1からのいずれか1項に記載の走行車両。
  7. 前記変速操作具及び前記走行駆動手段が夫々左右一対備えられ、左右の前記変速操作具の操作にて各別に左右の前記走行駆動手段が変速操作され、
    前記変速操作具が、中立位置と前側に位置する前進側最大速度位置との間、及び、前記中立位置と後側に位置する後進側最大速度位置との間の夫々にて移動操作自在に構成され、
    前記走行制御手段は、前記変速操作具が前記中立位置から前側に操作されるのに伴って、前進走行速度を増大させ、前記変速操作具が前記中立位置から後側に操作されるのに伴って、後進走行速度を増大させるように、前記変速操作具に対応する前記走行駆動手段を制御するように構成されている請求項1からのいずれか1項に記載の走行車両。
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