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JP6701971B2 - 液体を吐出する装置、液体を吐出するシステム、駆動波形生成方法、及び駆動波形生成プログラム - Google Patents
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JP6701971B2 - 液体を吐出する装置、液体を吐出するシステム、駆動波形生成方法、及び駆動波形生成プログラム - Google Patents

液体を吐出する装置、液体を吐出するシステム、駆動波形生成方法、及び駆動波形生成プログラム Download PDF

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Description

本発明は、液体を吐出する装置、液体を吐出するシステム、駆動波形生成方法、及び駆動波形生成プログラムに関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置として、インクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、インク液滴を吐出するノズルと、インク液滴を吐出するためにインクを加圧する加圧手段と、インクを加圧する圧力室等によって構成されるインクジェット記録ヘッド(記録ヘッド)を主構成体とし、記録媒体に所望の文字や図形等を形成する。インクジェット記録装置としては加圧手段としてピエゾ素子を採用するピエゾ方式や、温度上昇による気泡発生を利用するサーマル方式の記録装置が知られている。
一般的な記録ヘッドにはノズル、加圧手段、及び圧力室が複数個配置され、一度の吐出タイミングで数十〜数百のノズルからインク液滴が吐出される。このとき、理想的吐出挙動によって得られるインク液滴の出力特性として、液滴が全体で1つの粒子であり、飛翔方向はノズルの吐出面の法線方向と一致することが求められる。
しかしながら、実際の出力特性は理想と乖離することが一般的である。吐出されたインク液滴は法線方向に対して傾きを持つことが多く、またインク液滴も大小のある複数滴で構成されることが多い。他にも微小インク液滴であるミストの発生量、出力特性の経時安定性などが出力特性として取り扱われるが、出力特性によっては時間的・技術的に計測が困難なこともある。
出力特性が理想と乖離する要因は大きく環境要因と非環境要因にわけられる。環境要因は例えば温度や湿度といった事象であり、インクの物性に大きく影響を与えることがわかっている。また、非環境要因として、設計値に対するヘッドやインクのばらつきがあげられる。これらの要因に対してロバストな駆動条件を選択し、全ての出力特性に対して規定値を満足させなければならない。
しかし、実際の調整では、記録媒体上での印字品質に大きく寄与する液滴量と副滴の有無、複数ノズルの液滴速度のばらつきの有無等、限定された項目に対して最適な駆動条件を選択することが多い。
特許文献1には、加圧手段に加える駆動波形を作成する波形生成手段を備え、波形生成手段はインク液滴の出力特性に関する評価関数の線形和を最適化することが記載されている。特許文献1においてはオンラインまたはオフラインで測定した液滴速度および液滴量を、駆動条件へフィードバックしてインクジェット記録装置の駆動条件を修正する。フィードバック手法を用いることにより、非環境要因による定常的な乖離を打ち消して、環境要因による非定常的な乖離の影響を小さくできる。
特許文献1においては、評価関数の線形和を最適化するため、評価関数に含まれる出力特性の全てを同時に最も望ましい値にすることは困難である。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、温湿度等の環境要因及び製品ばらつき等の非環境要因によらず、画像品質を向上させることを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、駆動波形を生成する駆動波形生成手段と、前記駆動波形を前記液体吐出ヘッドに印加して液体を吐出させる駆動波形印加手段と、前記液体吐出ヘッドが吐出した液体の特性を含む出力特性を検出する特性検出手段と、前記特性検出手段が検出した前記出力特性を前記駆動波形と関連づけて記憶手段に記憶させる駆動波形記録手段と、前記駆動波形を、該駆動波形と関連付けられた前記出力特性によって選別する駆動波形選別手段と、を備えた液体を吐出する装置であって、前記特性検出手段によって検出される前記出力特性の種類は2つ以上あり、前記駆動波形選別手段は、第一の駆動波形に関連づけられた第一の各出力特性の少なくとも一部が、前記記憶手段から取得された第二の駆動波形に関連づけられた第二の各出力特性に対して優越するか同一の場合に、前記第一の各出力特性を前記第一の駆動波形に関連付けて前記記憶手段に記憶させ、前記第二の各出力特性の全部が前記第一の各出力特性に優越されている場合に、前記第二の駆動波形を前記記憶手段から削除し、前記駆動波形生成手段は、前記記憶手段に記憶された前記第一の駆動波形に基づいて新たな駆動波形を生成することを特徴とする。

本発明によれば、画像品質を向上させることができる。
本発明に係る画像形成装置の一例の機構部を説明する側面図である。 同機構部の要部平面図である。 同画像形成装置の記録ヘッドを構成する液体吐出ヘッドの一例を示す液室長手方向の断面図である。 同じく滴吐出動作の説明に供する断面図である。 同画像形成装置の制御部の概要を示すブロック図である。 印刷制御部及びヘッドドライバの一例を示すブロック図である。 圧電素子に与えられる駆動信号の一例を示す図である。 複数のノズルを有する液体吐出ヘッドの概略構成を示した断面図である。 図8に示す飛翔領域の拡大図である。 駆動条件の調整手順を示すフローチャートである。 駆動条件の複数の要素を調整する手順を示すフローチャートである。 パレート効率性の判定手順を示すフローチャートである。 駆動条件の作成方法を説明する図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す図であり、(b)はディスプレイに表示される画面例を示す図である。 画像形成装置の機能構成図である。 本発明の第二の実施形態に係る画像形成装置を示す図である。
本発明においては、複数の出力特性の夫々の評価関数の集合体である関数群がパレート効率的になる駆動条件を採用する。夫々の評価関数による値は同一の評価関数の値と比較可能であり、優劣が決められるものとする。
ここで、パレート効率的とは、ある駆動条件Aの評価結果(群)と、ある駆動条件Bの評価結果(群)が夫々RA(ra1,ra2…)とRB(rb1,rb2…)であるとき、RAの評価結果が対応するRBの評価結果に、またRBの評価結果が対応するRAの評価結果に一つでも優越していない状態(評価結果の少なくとも1つが優越しているが、全部が優越しているわけではない状態)を指す。たとえば、条件Aの液滴量ra1が条件Bの液滴量rb1よりも望ましく、逆に条件Bの液滴速度rb2が条件Aの液滴速度ra2よりも望ましい状態のとき、条件AとBはパレート効率的であるという。
すなわちパレート効率的な条件とは、トレードオフ関係が生じる条件の組であるといえる。このような条件の中からはどの条件が選ばれても問題がないため、選ばれた条件からそれぞれの追評価を行ってさらに絞り込んだり、印刷の対象物や印刷条件に合わせて駆動条件を選んだりすることができる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
〔画像形成装置〕
まず、本発明に係る画像形成装置の一例(液体を吐出する装置の一例)について図1及び図2を参照して説明する。図1は同画像形成装置の機構部の側面図、図2は同装置の要部平面図である。
この画像形成装置は、シリアル型インクジェット記録装置である。装置本体1の対向する2つの側板21A、21Bの間に架け渡したガイド部材である主従のガイドロッド31、32によって、キャリッジ33は主走査方向に往復移動可能に保持されている。キャリッジ33は、図2の矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査するように、主走査モータによってタイミングベルトを介して駆動される。
このキャリッジ33には、液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド34a、34b(区別しないときは「記録ヘッド34」という。)が搭載されている。2つの記録ヘッド34によって、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク液滴を吐出する。また、記録ヘッド34には、複数のノズルからなるノズル列が主走査方向と直交する副走査方向に配列されている。記録ヘッド34は、インク液滴の吐出方向を下方に向けてキャリッジ33に装着されている。
記録ヘッド34は、それぞれ2つのノズル列を有している。記録ヘッド34aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を吐出する。また、記録ヘッド34bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を吐出する。なお、記録ヘッド34としては、1つのノズル面に複数のノズルを並べた各色のノズル列を備えるものなどを用いることもできる。
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのインク供給部としてのヘッドタンク35a、35b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)が搭載されている。このヘッドタンク35には、カートリッジ装填部4に着脱自在に装着される各色のインクカートリッジ(メインタンク)10からインクが供給される。供給ポンプユニット24は、インクカートリッジ10の各色のインクを、供給チューブ36を介してヘッドタンク35に送液する。
給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上には、用紙42が積載される。用紙42は、半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44によって、1枚ずつ分離されて給紙される。分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
給紙された用紙42は、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47とを介して、搬送手段である搬送ベルト51と加圧コロ49との間に送り込まれる。搬送ベルト51は、用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置に搬送する。
搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成されている。また、装置本体1は、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。
また、搬送ベルト51は、副走査モータによってタイミングベルトを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図2のベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、装置本体1は、記録ヘッド34から吐出されたインク液滴によって画像が記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロである拍車63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72となっている。
さらに、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構81が配置されている。
維持回復機構81は、記録ヘッド34の各ノズル面をキャッピングするためのキャップ82a、82b(区別しないときは「キャップ82」という。)を備えている。
また、維持回復機構81は、ノズル面をワイピングするためのワイパ部材(ワイパブレード)83を備えている。さらに、維持回復機構81は、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84と、キャリッジ33をロックするキャリッジロック87などを備えている。
また、この維持回復機構81の下方側には、維持回復動作によって生じる廃液を収容するための廃液タンク99が装置本体1に対して交換可能に装着される。
また、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88が配置されている。この空吐出受け88は記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口部89などを備えている。
<動作>
上記画像形成装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離され、略鉛直方向上方に給紙された用紙42はガイド部材45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送される。そして、用紙42は、先端を搬送ガイドで案内されて加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターンで帯電される。この帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
装置本体1は、キャリッジ33を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、搬送が一旦停止している用紙42にインク液滴を吐出して1行分の画像を記録する。また、装置本体1は、用紙42を所定量搬送後、用紙42の搬送を一旦停止して次の行の記録を行う。装置本体1は、記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
また、記録ヘッド34のノズルの維持回復を行うときには、キャリッジ33はホーム位置である維持回復機構81に対向する位置に移動する。そして、装置本体1は、キャップ82によるキャッピングを行ってノズルからの吸引を行うノズル吸引、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出動作などの維持回復動作を行う。維持回復動作を行うことにより、装置本体1は安定した液滴吐出による画像形成を行うことができる。
<液体吐出ヘッド>
次に、記録ヘッド34を構成している液体吐出ヘッドの一例について図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4は同ヘッドの液室長手方向(ノズル配列方向と直交する方向)に沿う断面図である。
この液体吐出ヘッドは、流路板101と、振動板部材102と、ノズル板103とが接合された構成を有している。これにより、液滴を吐出するノズル104が貫通孔105を介して通じる個別液室である圧力室106、圧力室106に液体を供給する流体抵抗部107、液体導入部108がそれぞれ形成される。そして、フレーム部材117に形成された共通液室110から振動板部材102に形成されたフィルタ部109を介して液体(インク)が液体導入部108に導入され、液体導入部108から流体抵抗部107を介して圧力室106にインクが供給される。
流路板101は、SUSなどの金属板を積層することにより形成されている。流路板101には、貫通孔105、圧力室106、流体抵抗部107、液体導入部108などの開口部や溝部が形成されている。振動板部材102は各圧力室106、流体抵抗部107、液体導入部108などの壁面を形成する壁面部材であるとともに、フィルタ部109を形成する部材である。なお、流路板101は、SUSなどの金属板に限らず、シリコン基板を異方性エッチングして形成することもできる。
そして、振動板部材102の圧力室106とは反対側の面には、圧力室106を加圧する圧力を発生する圧力発生手段としての柱状の積層型の圧電部材112の一端が接合されている。この圧電部材112の他端はベース部材113に接合され、また、圧電部材112には駆動波形を伝達するFPC115が接続されている。これらによって、圧力室106のインクを加圧してノズル104から液滴を吐出させる圧力を発生する圧力発生手段としての圧電アクチュエータ111を構成している。
なお、この例では、圧電部材112は積層方向(図中上下方向)に伸縮するd33モードで使用されているが、積層方向と直交する方向に伸縮するd31モードで使用されてもよい。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば、図3に示すように、圧電部材112に印加する電圧を基準電位Veから下げる。これによって、圧電部材112が収縮し、振動板部材102が変形して圧力室106の容積が膨張することで、圧力室106内にインクが流入する。その後、図4に示すように、圧電部材112に印加する電圧を上げる。これにより、圧電部材112が積層方向に伸長して、振動板部材102をノズル104方向に変形させて圧力室106の容積を収縮させる。圧力室106の容積が収縮することで、圧力室106内のインクが加圧され、ノズル104から液滴120が吐出される。
そして、圧電部材112に印加する電圧を基準電位Veに戻すことによって振動板部材102が初期位置に復元し、圧力室106が膨張して負圧が発生する。このとき、共通液室110から圧力室106内にインクが充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
<制御部>
次に、画像形成装置の制御部の概要について図5を参照して説明する。図5は画像形成装置の制御部とその周辺のブロック図である。
画像形成装置の制御部500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、不揮発性メモリ(NVRAM504)、及びASIC505を備えている。
CPU501は画像形成装置全体の制御を司る。ROM502は、CPU501が実行するプログラム、その他の固定データを格納する。RAM503は画像データ等を一時格納する。NVRAM504は書き換え可能に、且つ装置の電源が遮断されている間もデータを保持する。ASIC505は、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御する入出力信号の処理を実行する。
さらに、制御部500は、印刷制御部508、ヘッドドライバ(駆動IC、ドライバIC)509、モータ駆動部510、ACバイアス供給部511、供給系駆動部512などを備えている。
印刷制御部508は記録ヘッド34を駆動制御するデータ転送手段と駆動信号発生手段を含む(図6参照)。ヘッドドライバ509はキャリッジ33側に設けられた記録ヘッド34を駆動する。モータ駆動部510はキャリッジ33を移動走査する主走査モータ554、搬送ベルト51を周回移動させる副走査モータ555、及び維持回復モータ556を駆動する。図2に示すように、装置本体1は、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構81を備えており、維持回復モータ556はキャップ82やワイパ部材83の移動などを行う。ACバイアス供給部511は、帯電ローラ56にACバイアスを供給する。供給系駆動部512は、供給ポンプユニット24(図2)に備えられた送液ポンプ24Aを駆動する。送液ポンプ24Aは、インクカートリッジ10の各色のインクを、供給チューブ36を介してヘッドタンク35に送液する。
また、この制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
この制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのホストI/F506を備えている。制御部500は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してホストI/F506でデータや信号を送受信する。
ここで、制御部500のCPU501は、ホストI/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像を出力するためドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバで行なうことも、制御部500で行なうこともできる。
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータでヘッドドライバ509に転送する。また、印刷制御部508は、画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する。印刷制御部508は、それ以外にも、ROM502に格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号源701(図6参照)を含む。印刷制御部508の駆動信号源が、1又は複数の駆動パルスで構成される駆動信号をヘッドドライバ509に対して出力する。
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部508から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択して吐出パルスを生成する。即ち、ヘッドドライバ509は、各ノズル104(図3、図4)に対応する圧電部材112への給電路をスイッチ素子によって開閉することで、圧電部材112に所要の駆動電圧を与える。なお、このヘッドドライバ509は、例えば、1行分の画像データを取り込むシフトレジスタ711、シフトレジスタに取り込まれたデータをラッチするラッチ回路712、ラッチ回路の出力でオン/オフ制御されるスイッチ素子などを有する。
そして、記録ヘッド34の液滴を吐出させるエネルギーを発生する圧力発生手段としての圧電素子に対して吐出パルスを印加することで記録ヘッド34を駆動する。このとき、駆動信号を構成する駆動パルスの一部又は全部、及び駆動パルスを形成する波形用要素の全部又は一部を使用することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
ここでは、印刷制御部508とヘッドドライバ509によってヘッド駆動制御手段を構成している。
I/O部513は、装置に装着されている各種のセンサ群515からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ駆動部510、ACバイアス供給部511の制御に使用する。センサ群515は、用紙の位置を検出する光学センサや、機内の温度を監視するサーミスタ、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するインターロックスイッチなどを含み、I/O部513は様々なセンサ情報を処理することができる。
<印刷制御部及びヘッドドライバ>
次に、印刷制御部及びヘッドドライバの一例について図6のブロック図を参照して説明する。図6は、印刷制御部及びヘッドドライバの一例を示すブロック図である。
印刷制御部508は、駆動信号源701とデータ転送部702とを備えている。駆動信号源701は所定の駆動電圧を出力する。データ転送部702は、印刷画像に応じた2ビットの画像データ(階調信号0、1)と、転送クロック信号、ラッチ信号、滴サイズに応じた滴制御信号を出力する。
ヘッドドライバ509は、シフトレジスタ711、ラッチ回路(レジスタ)712、波形生成回路713、ディレイ回路714、レベルシフタ715、及びインバータ716を備えている。
シフトレジスタ711には、データ転送部702からの転送クロック(シフトクロック)及びシリアル画像データ(階調データ:2ビット/1チャンネル(1ノズル)が入力される。ラッチ回路712は、シフトレジスタ711の各レジスト値をデータ転送部702からのラッチ信号によってラッチする。
波形生成回路713は、階調データとデータ転送部702からの液制御信号(M0〜M3)に応じて、1つのノズルに対して複数の駆動パルスをノズルごとに生成する。ディレイ回路714は、波形生成回路713から出力される駆動パルスを遅延させる。レベルシフタ715は、ディレイ回路714からのロジックレベル電圧信号をインバータ716が動作可能なレベルへとレベル変換する。
このインバータ716には、駆動信号源701からの駆動電圧が入力されており、波形生成回路713からの駆動パルスによってインバータ716が動作することで、圧電素子720(圧電部材112)に与えられる駆動電圧がパルス状に変化される。インバータ716は、これらのディレイ回路714及びレベルシフタ715を介して波形生成回路713から与えられるノズル毎の駆動パルスによって動作する。この構成を用い、インバータ716は、チャネルごとに駆動パルスを制御することができる。
〔駆動信号〕
図7は、圧電素子に与えられる駆動信号の一例を示す図である。
図示する駆動信号は、液滴を吐出させる第1駆動パルス(第1吐出パルス)P1と、液滴を吐出させる第2駆動パルス(第2吐出パルス)P2と、液滴を吐出させないで圧力室内の残留振動を抑制する残留振動抑制パルスPsとを含む例である。また、この駆動信号は定電圧Veを圧電部材112に与え、スイッチ素子をON/OFFさせることによりパルス状の駆動電圧を与える構成であるため、第1駆動パルスと第2駆動パルスのパルス電圧は同一である。従って、本例においてインク液滴の滴速度、滴量の制御は、駆動パルスP1、P2の各パルス幅と、パルス間隔T12によって調整する。
ここで、第1駆動パルスP1は、時刻Tf1で立ち下がり、所定のパルス幅の時間が経過した時刻Tr1で立ち上がるパルスである。この第1駆動パルスP1の立ち下がり時刻Tf1における立下りによって圧電部材112が収縮して圧力室106が膨張し、この第1駆動パルスP1の立ち上がり時刻Tr1における立ち上がりによって圧電部材112が伸張して圧力室106が収縮することで、1滴目の液滴が吐出される。
また、第2駆動パルスP2は、第1駆動パルスP1の立ち上がり時刻Tr1から所定のパルス間隔が経過した時刻Tf2で立ち下がり、所定のパルス幅の時間が経過した時刻Tr2で立ち上がるパルスである。この第2駆動パルスP2の立ち下がり時刻Tf2における立下りによって圧電部材112が収縮して圧力室106が膨張し、この第2駆動パルスP2の立ち上がり時刻Tr2における立ち上がりによって圧電部材112が伸張して圧力室106が収縮することで、2滴目の液滴が吐出される。
なお、インク液滴の滴速度、滴量、液滴形状は一般に、圧電部材112に与える駆動パルスの電圧振幅、電圧パルスの持続時間(パルス幅)、波形の勾配、パルス数、及びその他の可調節パラメータのような波形パラメータを調節することで変えられる。即ち、これらの複数のパラメータを適宜組み合わせることにより、各種の駆動条件が生成される。
〔インク液滴の飛翔〕
図8は、複数のノズルを有する液体吐出ヘッドの概略構成を示した断面図である。本図は、液室の短手方向(ノズルの配列方向)に沿った方向における断面である。以下では、圧力室を加圧する圧力を発生する圧力発生手段として、圧電素子を用いた例により説明する。圧電素子は加えた電圧に応じて変位を生じる素子であり、圧電素子を圧力室に密着させることで圧力室を変形させて内部のインクを吐出させる。
記録ヘッド201(液体吐出ヘッド)は、図3及び図4にて説明したように、共通液室202、圧力室203、圧電素子(圧力発生手段)204、及びノズル205を備える。
共通液室202には、インクが、インクカートリッジ10(図2)からチューブ206(図2の供給チューブ36に相当)を介して注入される。
圧電素子204に印加する電圧を基準電位から下げると、圧電素子204の変形により圧力室203の容積が膨張して、共通液室202に注入されたインクがオリフィス208(フィルタ部109に相当)を介して圧力室203に供給される。
圧力室203がインクによって満たされた状態で圧電素子204に基準電位よりも高い電圧を印加すると、圧電素子204が変形して圧力室203を加圧する。圧電素子204の変形に伴って圧力室203がわずかに変形して容積が収縮し、圧力室203内のインクがノズル205から外部に押し出される。
ノズル205から押し出されたインクはインク液滴209となって空気中(飛翔領域211内)を飛翔し、記録媒体210に付着する。
以下、説明の便宜上、ノズル205の配列された方向をX方向(図中左右方向)、インク液滴230の飛翔方向をY方向(図中上下方向)、紙面の奥行き方向をZ方向とする。
インク液滴230のY方向速度成分は、どのような条件でも一定値であることが望ましく、X方向速度成分とZ方向速度成分は小さいほど、できれば0であることが望ましい。X方向速度成分とZ方向速度成分が0でない場合、インク液滴230の飛翔方向は、吐出方向(Y方向)に対して「曲がっている」と言える。この曲がりは記録媒体210上でのインク液滴付着位置がずれる現象の原因と考えられている。
インク液滴230は、ノズル205と記録媒体210の間の空間である飛翔領域211を飛翔する。飛翔領域211のY方向長が短すぎると記録媒体210の搬送によって生じる気流の乱れがインク液滴230に影響しやすくなる。逆にY方向長が長すぎるとインク液滴230の間での速度成分のばらつきの影響が大きくなる。結果として、何れの場合もインク液滴230が受ける空気抵抗の総和が大きくなるために、インク液滴230間のばらつき自体も大きくなる。
よって、飛翔領域211のY方向長は設計によって望ましい範囲に定める必要がある。オフィス用途でのインクジェット記録装置の場合、飛翔領域211のY方向長は1ミリ程度が最適といわれている。
<インク液滴の出力特性の評価>
飛翔領域211を何らかの手段で観測することにより、粒子状のインク液滴の出力特性を定量評価した評価値を求められる。例えば、インク液滴の速度成分や形状、体積、曲がりなどを評価値と呼ぶ。評価値はカメラ(撮像手段)やフォトダイオード(光学センサ)などにより計測できる完全に定量的な値の他、場合によっては人間の官能評価によって得る半定量的な値でもよい。
図9は、図8に示す飛翔領域の拡大図である。記録ヘッド201のうち、ノズル205が形成された面をノズル面221とする。また、記録媒体210の近傍(インク液滴が記録媒体210に付着する直前の位置)で記録媒体210と平行な平面226を飛翔領域211内に仮定する。
図9には、インク液滴231と同じタイミングでノズル205から打ち出されたインク液滴232、233を示している。なお、図中、インク液滴231a、232a、233aは打ち出し直後の状態を示し、インク液滴231b、232b、233bは記録媒体210への付着直前の状態を示す。インク液滴231、232、233は、ノズル205から打ち出された最も大きな液滴(主滴)である。なお、インク液滴233bにはインク液滴233bから分離した小さな液滴(副滴)であるインク液滴234が発生している。
インク液滴231b、232b、233bは、打ち出されてからの時間経過によって、インク液滴231a、232a、233aとは位置や形状が変化している。
以下、インク液滴の速度・体積・曲がりについての計測方法について説明する。
インク液滴の速度の計測方法について説明する。
インク液滴の速度は、インク液滴が第一の基準面(基準位置)から第二の基準面(基準位置)に到達するまでの時間と、両基準面間の距離から算出できる。
ノズル205から吐出されたインク液滴231は記録媒体210の方向へ飛翔する。時間経過により、インク液滴231はノズル面221から、記録媒体210の近傍平面である平面226に到達する(インク液滴231b)。このとき、ノズル面221(第一の基準面)から平面226(第二の基準面)までの距離Lと、圧電素子204(図8)に加えた電圧の印加開始から平面226にインク液滴231が到達するまでに要した時間tとを測定し、距離Lを時間tで除することによりインクの飛翔速度を算出できる。
なお、基準面は任意に決定することができる。例えば、第一の基準面を図中、インク液滴230aの先端を含み、ノズル面221及び記録媒体210に平行な平面とし、第二の基準面を平面226としてもよい。
インク液滴の体積の計測方法について説明する。
インク液滴の体積は、飛翔領域211を飛翔するインク液滴の形状から算出できる。即ち、飛翔領域211の状態をカメラ(撮像装置)にて撮像し、撮像された画像に捉えられたインク液滴の形状から、インク液滴の体積を近似により算出することができる。ここで、インク液滴の多くは球体形状で飛翔領域211を飛翔するため、通常、インク液滴は球体の平面投射像である円形状に撮像される。従って、撮像された画像から任意の円近似手法によりインク液滴の直径Dを求め、「1/6πD」を計算することにより、インク液滴の体積Vを算出することができる。
なお、図9のインク液滴233aのように、球体で近似できないインク液滴の取り扱いや、インク液滴233bに副滴であるインク液滴224を含めるか否か、といった点については、観測環境等に応じて任意に決定すればよいので、特にここでは言及しない。
インクの曲がりの計測方法について説明する。
インクの曲がりは、Y方向とそれに垂直な方向(X方向、Z方向)の速度比によって定義される。速度比の逆正接を計算することによりノズル205からのインク液滴の吐出角度を求められる。
このとき、速度の定義を上記のように「基準面間の距離÷移動にかかった時間」にするか「瞬間の速度成分」にするかによって曲がりの計測値が変化する。仮に、インク液滴の軌跡が曲線を描くときには前者の計算方法を用いると曲がりの値が小さくなる。特に飛翔領域211のY方向長さが長いときには空気抵抗の影響が大きくなるので、両者の計測値の違いが顕著になる。ゆえに、どちらの定義や計測方法を用いるかは予め定めておく必要がある。
上述の方法により計測されるインク液滴の速度・体積・曲がり、及びこれ以外の吐出されたインク液滴の特性については、記録ヘッド201の駆動条件を変えることによって調整できる。ここで、「駆動条件」とは圧電素子204に印加する電圧の他、インクの温度、外気温や外気湿度、その他、人間が調整可能なあらゆるものを指す。たとえばノズル205の口径も、設計のごく上流段階では調整が可能なものとして扱える。
<駆動条件の調整手順>
さて、望ましい出力特性を得るためには、計測した出力特性と目標とする出力特性との差を調べ、駆動条件を実験やシミュレーションにより調整することが行われる。
図10は、駆動条件の調整手順を示すフローチャートである。
ステップS1において、初期駆動条件を決定する。
ステップS3において、初期駆動条件の下でインク液滴を吐出させたときの出力特性を計測する。
ステップS5において、計測した出力特性と目標とする出力特性とを比較する。比較の結果、計測した出力特性が満足できる特性である場合(ステップS5にてYes)、例えば目標とする出力特性との差が閾値の範囲内に収まっている場合には、駆動条件の調整を終了し、当該駆動条件を採用する。
ステップS5において、計測した出力特性が満足できない特性である場合(ステップS5にてNo)、ステップS7に進み、駆動条件を修正して、ステップS5以下の処理を繰り返し実行する。
調整可能な駆動条件の要素(以下「パラメータ」と呼ぶ)は複数ある一方で、上記駆動条件の調整手順により調整しうるパラメータは通常1つ程度に限定される。そこで、以下に説明する本発明の実施形態では、この駆動条件の調整に関し、複数のパラメータを同時に調整する手法を提案する。
<駆動条件の調整手順〜複数パラメータの調整>
図11は、駆動条件の複数の要素を調整する手順を示すフローチャートである。
本調整手順においては、パレート効率性という観点から、駆動条件の複数の要素を調整する。その概要は、以下の通りである。まず複数の駆動条件を用意して、各駆動条件下の出力特性をそれぞれ計測する。計測した出力特性の「望ましさ」に応じて新たな駆動条件を再度作り出す。ここでは計測で得られた出力特性の評価値がパレート効率的であるときに「望ましい」と評価する。駆動条件の複数の要素の調整にパレート効率性という観点を導入することにより、複数の出力特性を判定基準とする吐出現象の評価を行えるようになる。
ステップS11において、初期駆動条件として複数の駆動条件を用意する(初期駆動条件群の決定)。この駆動条件はそれぞれパラメータが異なっていることが望ましく、出力特性の調整初期段階では大きなランダム性を持つことが望ましい。しかし、パラメータが完全にランダムだと吐出に適さない駆動条件になりやすいので、適宜変更する必要がある。
ステップS12において、初期駆動条件群に含まれる夫々の駆動条件の下でインク液滴を吐出させる。
ステップS13において、初期駆動条件群に含まれる夫々の駆動条件の下でインク液滴を吐出させたときの出力特性を計測する。この処理を実行することにより、駆動条件と出力特性のペアが、駆動条件と同数だけ得られる。
ステップS14において、ステップS13にて得られた駆動条件と出力特性のペアを記憶させる。
ステップS15において、出力特性の評価値に基づいて駆動条件のパレート効率性を判定する。ここで、ステップS13にて得られる出力特性は、速度・体積・曲がり・副滴の数など複数の評価値の軸を持つため、一般には出力特性間での優劣は決定しない。しかし例えば、ある駆動条件Aの全ての評価値が、別の駆動条件Bの全ての評価値に対して優れている(又は劣っている)場合、両駆動条件間では明らかに優劣が決定する。これはパレート効率性の定義そのものである。パレート効率性の判定により劣っていると評価された駆動条件を採用しないことにする。このとき、採用された条件は採用されなかった条件に優越すると言う。
ステップS17において、計測した出力特性と目標とする出力特性とを比較する。比較の結果、計測した出力特性が満足できる特性である場合(ステップS17にてYes)、例えば目標とする出力特性との差が閾値の範囲内に収まっている場合には、ステップS21にて、当該駆動条件を提示して処理を終了する。
ステップS17において、計測した出力特性が満足できない特性である場合(ステップS17にてNo)、ステップS19に進み、新規な駆動条件群を作成して、ステップS11以下の処理を繰り返し実行する。
図12は、パレート効率性の判定手順を示すフローチャートである。本図は、サブルーチンであるステップS15の具体的な処理内容を示す。
ステップS31において、パラメータ「k=1」(kは整数)を設定する。
ステップS33において、駆動条件群の中からk番目の駆動条件を選択する。
ステップS35において、k番目の駆動条件(第一の駆動波形)における出力特性の評価値(第一の各出力特性)が、駆動条件の採用候補に残っている他の駆動条件(第二の駆動波形)における出力特性の評価値(第二の各出力特性)に優越されているか否かを判定する。優越されている場合(ステップS35にてYes)は、ステップS43の処理を実行する。優越されていない場合(ステップS35にてNo)は、現時点でパレート効率的なのでk番目の駆動条件を採用候補に追加(採用候補として記憶)する(ステップS37)。
ステップS39において、k番目の駆動条件における出力特性の評価値が、駆動条件の採用候補に残っている他の駆動条件を優越しているか否かを判定する。パレート効率性の判定において、k番目の駆動条件が追加された場合、「k−1」番目までの駆動条件の判定においてパレート効率的として駆動条件の採用候補に残った駆動条件が、パレート効率的ではなくなる可能性がある。このため、「k−1」番目までの判定で採用候補に残っている駆動条件をk番目の駆動条件と比較することにより、再度パレート効率的かどうかを調べる。
ステップS41において、ステップS39の判定によりパレート効率的ではないと判定された採用候補を削除する。この手順により、1つ〜元と同じ数のパレート効率的な駆動条件が残る。
ステップS43において、パラメータkが最大値であるか否か、即ちすべての駆動条件についてパレート効率性を確認したか否かを判定する。すべての駆動条件について確認が終了している場合(ステップS43にてYes)は、処理を終了する。
パラメータkが最大値でない場合、即ちパレート効率性を確認するべき駆動条件が残っている場合は、ステップS45においてパラメータ「k=k+1」(kは整数)を設定し、ステップS31〜ステップS43を実行する。
表1は、ある駆動条件群に含む各駆動条件の出力特性がパレート効率的か否かを判定する判定表の一例である。
Figure 0006701971
括弧内の数字が判定基準値(評価値)である。表1において評価値は、出力特性と目標値との差の絶対値としており、評価値が0に近いほど好ましい。
図12に示したパレート効率性の判定手順に従うと、条件2は条件1に対して、速度と体積の評価値は劣っているが曲がりの評価値は優れているため、条件1と条件2では優劣が決定せず、何れもパレート効率的とされて採用候補に残る。
条件3は、条件2に対して何れの評価値も優越されている(劣っている)ため、パレート効率的ではないとされる。
条件4は、条件1に対しては曲がりの評価値のみが優越し、条件2に対しては曲がりの評価値のみが同一であるため何れに対しても優越が決定しない。従って、条件4はパレート効率的とされて一旦は採用候補に追加される(ステップS37)。
条件5は、条件1に対しては曲がりの評価値のみが優越し、条件2に対しては曲がりの評価値が優越するが速度の評価値が劣っているため、両者間では優劣が決定せず、パレート効率的とされて採用候補に残る。ここで、条件4の評価値は条件5との関係では何れも劣るため、採用候補から削除される(ステップS41)。
以上の処理により、条件1、2、5がパレート効率的と判定され、最終的な駆動条件、又は新たな駆動条件の作成元として採用され得る。
図11のステップS19の処理について説明する。ステップS15のパレート効率性の判定により候補として残った駆動条件を元に、調整先となる駆動条件を新たに作成する。ここで、作成する駆動条件の個数は任意である。1つの駆動条件を作成する場合は、作成した駆動条件と採用候補として残っている駆動条件との間でパレート効率性を判定する操作を繰り返し行う。
駆動条件の作成には、任意の手法を用いることができる。図13は、駆動条件の作成方法を説明する図である。図は、パラメータの交叉による選定を示している。交叉とは2つの駆動条件に含まれるパラメータのどちらかを採用する方式である。
2つの駆動条件a、bには夫々N個のパラメータ(a1,a2,…,aN)、(b1,b2,…,bN)が含まれている。一方の駆動条件aからは、1からkまでのパラメータ(a1,a2,…,ak)を採用し、他方の駆動条件bからは、k+1からNまでのパラメータ(bk+1,…,bN−1,bN)を採用して、新たな駆動条件を作成する。これが交叉である。
表2及び表3に、パラメータの交叉による選定の具体例を示す。
Figure 0006701971
Figure 0006701971
表2及び表3の駆動条件においては、4つのパラメータ(2つのパルス電圧、2つのパルス幅)を想定した。表2の場合、元となる駆動条件1と2から駆動条件3′を交叉によって作成し、表3の場合、元となる駆動条件1と2から駆動条件4′を交叉によって作成した。
このようにして新たに得られた駆動条件に対しても初期条件と同様に出力特性を計測し(ステップS13)、出力特性のパレート効率性を判定する。このとき、以前行った出力特性の計測結果を全て含めて効率性を判定することにより、反復によって必ず駆動条件がパレート効率的な意味で改良されることを保証できる。
最後に、パレート効率的かつ任意の判定基準を満たす駆動条件を得られた段階で(または規定の回数を反復した段階で)、駆動条件の作成及びパレート効率性の判定を終了し(ステップS17)、得られた駆動条件を選択肢としてユーザに提示する。提示される駆動条件は全てパレート効率的であるので互いに優劣はなく、その意味でユーザはどの駆動条件を選んでもよい。
更に、ここで別の評価軸、例えば出力特性の各評価値の線形和や、パレート効率的と判定された駆動条件の下で実際に画像形成された印刷物を人間の官能評価によって判定する半定量的な評価値等を導入し、最終的に採用する駆動条件を決定する。
注意しなければならないのは、ステップS15の判定においてパレート効率的とされなかった駆動条件も、他の評価軸に基づいて評価するとパレート効率的になり得ることである。そのため、必ず最後に選択された駆動条件下で記録ヘッドを駆動し、ステップS15では評価しなかった評価軸に基づく最終的な評価及び確認を行わなければならない。もし最終的な確認で不都合がある場合、他の駆動条件を採用するか、不具合のある出力特性を評価値に加えて、パレート効率性の判定手順を再度実行する必要がある。
〔第一の実施形態〕
上記、複数パラメータの駆動条件を調整する手順を実行する画像形成装置について説明する。図14(a)は本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す図であり、(b)はディスプレイに表示される画面例を示す図である。
画像形成装置300は、インクジェット記録部310と、制御装置320と、特性検出部340とを備える。
インクジェット記録部310は、インク液滴を吐出するヘッド部311と、ヘッド部311を駆動する電力(電圧)を供給するヘッドアンプ316とを備える。ヘッド部311とヘッドアンプ316は通常、インクジェット記録装置を構成する手段である。
制御装置320は、PC(Personal Computer)やワークステーション等のコンピュータ321と、検出された出力特性や演算結果等を表示するディスプレイ322と、検出された出力特性や演算結果等を記憶する記憶装置323とを備える。また、キーボードやマウス等の入力装置324を備えてもよい。
特性検出部340は、インク液滴の吐出・飛翔状況を観測し、インク液滴の出力特性を検出する部位である。図示する画像形成装置は、インク液滴の出力特性を検出する手段として、飛翔領域を飛翔するインク液滴350を撮像する撮像部(カメラ)343を備えている。
図15は、画像形成装置の機能構成図である。
インクジェット記録部310は、ヘッド部311とヘッドアンプ316とを備える。ヘッド部311は、インク液滴を吐出する記録ヘッド312と、制御装置320にて生成された駆動波形を記録ヘッド312に印加するヘッドドライバ(駆動波形印加手段)313とを備える。ヘッドアンプ316は、記録ヘッド312を駆動する電力を供給する駆動電力供給手段として機能する。
制御装置320は、記録ヘッド312を駆動する電力の電圧パターンである駆動波形を生成する駆動波形生成部326を備える。また、制御装置320は、特性検出部340が検出した記録ヘッド312によるインク液滴の出力特性を駆動波形と関連づけて記憶装置323に記憶させる駆動波形記録部327と、駆動波形を記録波形と関連付けられた出力特性に基づいて選別する駆動波形選別部328と、を備える。
ここで、制御装置320は、図5に示す画像形成装置においては制御部500に対応する。即ち、制御装置320が実行する駆動波形を生成する処理、駆動波形によって得られるインクの出力特性の記録処理、及び、パレート効率性に基づく駆動波形の選別処理は、制御部500が備えるCPU501がROM502に記憶されたプログラムを読み出してRAM503に展開することにより実行される。
上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供されるか、又は、サーバからネットワークを介してダウンロードされることによって配布される。
本実施形態においては、駆動波形生成部326を制御装置320(制御部)内に配置しているため、ヘッドアンプ316にて駆動波形の電流を増幅してヘッド部311に供給する構成である。
図5、図6に示す画像形成装置においては、駆動信号源701が駆動電力供給手段として機能し、波形生成回路713が駆動波形生成手段として機能し、インバータ716が駆動波形印加手段として機能する。即ち、ヘッドドライバ509が駆動波形の電流を増幅して記録ヘッド34に供給する。
このように、駆動波形生成部326は、制御装置320とヘッドドライ313の何れに配置してもよい。
特性検出部340は、記録ヘッド312から吐出されるインク液滴の出力特性を検出する手段である。特性検出部340は、記録ヘッド312が吐出したインク液滴の特性および任意の外部環境の特性のうちいずれか又は両方を合わせた複数種類の出力特性を検出可能な手段であり、特性計測部341と特性計測部341が計測した計測値からインク液滴の出力特性を算出する特性算出部342とを含む。本例に示す特性計測部341は、飛翔領域を飛翔するインク液滴を撮像する撮像部(カメラ)343を含む(図14、図15)。特性算出部342は、例えば撮像部343によって撮像された撮像画像(図14(b))からインク液滴の飛翔速度及び体積を算出し、出力特性の判定に必要な評価値を得る。なお、特性検出部340のうち特性算出部342は、本例では制御装置320に含む構成としており、制御装置320に備えるCPUがプログラムに従って特性を算出する処理を実行する。
撮像部343は図14(b)に示すように少なくとも記録ヘッド312の下部、より詳しくはノズル面311aのy方向位置を特定できる画像と、飛翔領域を飛翔するインク液滴350を撮像するように、その位置及び画角を調整されることが望ましい。例えば、撮像部343がz−x平面(記録媒体351に平行な面)を線状に撮像するようにその位置を調整する。
なお、撮像部343が撮像する画像に基づいてインクと記録媒体との関係を調べる必要はないため、撮像部343が撮像する撮像画像には記録媒体351を含む必要はない。インクと記録媒体との関係を調べるには、別途の検出手段を設ける。
<駆動条件の調整フロー>
図15に示した画像形成装置の各部の動作について、図11、及び図12のフローチャートを参照して説明する。
ステップS11において、初期駆動条件として複数の駆動条件が用意される(初期駆動条件群の決定)。初期駆動条件群は、オペレータが入力装置324(図14)から制御装置320に入力してもよいし、フラッシュメモリ等の外部記憶装置から、ネットワークを介して、又は、記憶装置323から取得する等の方法により、制御装置320に入力されてもよい。
ステップS12において、駆動波形生成部326は、初期駆動条件群に含まれる夫々の駆動条件に従って駆動波形を生成してヘッドアンプに出力する。ヘッドアンプ316は、駆動波形の電流を増幅してヘッド部311に供給し、ヘッド部311のヘッドドライ313は駆動波形を記録ヘッド312に印加する。これにより、記録ヘッド312からインク液滴350が吐出する。
ステップS13において、特性検出部340がインク液滴350の出力特性を検出する。即ち、特性計測部341が飛翔するインク液滴350の状態を計測し、特性算出部342が計測値に基づいて出力特性を算出する。本例においては、特性計測部341の撮像部343がインク液滴350の飛翔する様子を静止画像又は動画像にて撮像し、特性算出部342は、撮像された画像から、インク液滴の飛翔速度、及び体積を算出する。また、特性算出部342は、目標とする飛翔速度、及び体積との差異を計算し、多次元の評価値(出力特性)とする。ここで、慣例的に評価値は望小特性であることが望まれるため、差異の絶対値を評価値として採用する。これを駆動波形の候補ごとに繰り返し、駆動波形と評価値のペアを作る。
ステップS14において、駆動波形記録部327は、得られた駆動波形と評価値のペアを対応づけて記憶装置323に記憶させる。
ステップS15において、駆動波形選別部328は、出力特性の評価値に基づいて駆動条件のパレート効率性を判定する。駆動波形選別部328は、パレート効率的ではないと判定された駆動条件を記憶装置323から削除する。本処理により、パレート効率的な駆動条件のみが、その駆動波形と評価値とが対応づけられた状態にて記憶装置323に記憶される。
ステップS17において、駆動波形選別部328は、計測した出力特性と目標とする出力特性とを比較する。
計測した出力特性が満足できる特性である場合(ステップS17にてYes)、駆動波形選別部328は、ステップS21にて、当該駆動条件をディスプレイ322(図14)に表示させて処理を終了する。なお、目標とする出力特性を満足する吐出条件の個数が一定数以上得られることを条件として、処理を終了させるようにしてもよい。
計測した出力特性が満足できない特性である場合(ステップS17にてNo)、駆動波形選別部328は、ステップS19に進み、新規な駆動条件群を作成する。その後は、ステップS11以下の処理が繰り返し実行される。なお、目標とする出力特性を満足する吐出条件の個数が一定数未満である場合に、ステップS19以下の処理を実行するようにしてもよい。
〔第二の実施形態〕
本発明の第二の実施形態に係る画像形成装置について説明する。図16は、本発明の第二の実施形態に係る画像形成装置を示す図である。本実施形態においては、インク液滴の出力特性として、インク液滴の飛翔速度、重量及び外気温を測定する。以下、第一の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図示する画像形成装置300は特性検出部340として、インク液滴の飛翔速度を計測するための一対の光学センサ344(344a、344b)、インク液滴の体積を計測するための計量装置347を備えている。また、画像形成装置300は、インク液滴が飛翔する外部環境の特性の一例として外気温を測定する温度センサ360を備えている。
2つの光学センサ344a、344bは、インク液滴の飛翔方向(y軸方向)に沿って所定距離Lだけ離間して配置されている。各光学センサ344は、光を出射する発光素子345と、発光素子から出射された光を受光する受光素子346とを備えている。受光素子346には、フォトダイオードの他、検出対象に応じて光電子増倍管やラインCCDなどを用いてもよい。
インク液滴の先端が、発光素子345から出射した光を横切ると、受光素子346が受光する光量が変化するため、その時間間隔を計測することで、2つの受光素子346間の距離Lからインク液滴の飛翔速度を検出できる。
計量装置347は、インク液滴が着弾するインク受皿348と、インク受皿348内のインクの重量を測定する重量センサ349とを備える。計量装置347は、インク受皿348に溜まる液滴の重量を重量センサ349にて計測する。ヘッド部311から規定の滴数(たとえば10000滴)のインク液滴を吐出し、重量センサ349が規定の滴数のインク液滴の重量を計測する。特性算出部342(図15)が、計測された重量をインク液滴の数で割ることによりインク液滴の一滴当たりの重量を算出する。インク液滴の密度は既知であるため、特性算出部342は、インク液滴の重量と密度から、インク液滴の一滴当たりの体積を算出する。
温度センサ360は、インク液滴が飛翔する環境の変化を計測する。インクの飛翔状況は、温度にも左右されるため、温度センサ360が測定する温度はインクの特性としてではなく、外部環境の特性として駆動波形と共に駆動条件として取り扱う。なお、温度センサ360は、外気温ではなく、ヘッド部311の温度を直接測定する手段としてもよい。
温度の測定に時間が掛かり、その間に気温の変化が発生すると、駆動条件と測定された温度とが対応しなくなる可能性がある。そのため、温度センサ360は、コンピュータ321に接続するためのインターフェースを備え、コンピュータ321と独立した構成とすることが望ましい。
また、本実施形態に係る画像形成装置300において、記憶装置323は、外部の装置と通信可能な通信インターフェース333を備えてコンピュータ321とは独立したサーバ332に接続され、制御されている。コンピュータ321は通信インターフェース331を備えており、記憶装置323とはネットワークN及びサーバ332を介して双方向通信可能に接続されている。データの双方向の転送には任意の方法を用いることができる。
本実施形態において、図15に示す駆動波形記録部327は、得られた駆動波形と評価値のペアを対応づけてネットワークNを介して記憶装置323に記憶させる。また、駆動波形選別部328は、ネットワークNを介して記憶装置323から駆動波形と評価値を読み出して駆動波形の選別処理を実行する。上記のような処理は、例えばサーバ332にSQLサーバ機能を持たせ、記憶装置323にSQLのデータを記憶させ、コンピュータ321をSQLクライアントとすることで、実現できる。
〔液体吐出ヘッドについて〕
液体吐出ヘッドとは、ノズルから液体を吐出・噴射する機能部品である。吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、又は加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えばインクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液体を吐出するエネルギー発生源として圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
〔液体を吐出する装置について〕
「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を液中や気中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に関わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置の他にも、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の優位な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記、「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって寝付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、意図、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としは他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
〔本発明の実施態様例と作用、効果のまとめ〕
<第一の実施態様>
本態様は、液体を吐出する液体吐出ヘッド(記録ヘッド311)と、駆動波形を生成する駆動波形生成手段(駆動波形生成部326)と、駆動波形を液体吐出ヘッドに印加して液体を吐出させる駆動波形印加手段(ヘッドドライバ313)と、液体吐出ヘッドが吐出した液体の特性と外部環境の特性の一方又は双方を含む出力特性を検出する特性検出手段(特性検出部340)と、特性検出手段が検出した出力特性を駆動波形と関連づけて記憶手段(記憶装置323)に記憶させる駆動波形記録手段(駆動波形記録部327)と、駆動波形を、駆動波形と関連付けられた出力特性によって選別する駆動波形選別手段(駆動波形選別部328)と、を備えた液体を吐出する装置(画像形成装置300)に関する発明である。
本態様に係る特性検出手段によって検出される出力特性の種類は2つ以上ある。駆動波形選別手段は、第一の駆動波形に関連づけられた第一の各出力特性の少なくとも一部が、記憶手段から取得された第二の駆動波形に関連づけられた第二の各出力特性に対して優越するか同一の場合に、第一の各出力特性を第一の駆動波形に関連付けて記憶手段に記憶させ、第二の各出力特性の全部が第一の各出力特性に優越されている場合に、第二の駆動波形を記憶手段から削除し、駆動波形生成手段は、記憶手段に記憶された第一の駆動波形に基づいて新たな駆動波形を生成することを特徴とする。
即ち、本態様においては、任意の複数種類の出力特性と関連づく駆動波形をパレート効率性という観点から選別する。この処理により得られる駆動条件は、印刷対象物や印刷条件に対して、単一の評価値に基づく最適化により選別された駆動条件に比べて、より広い範囲で良好な出力特性を持つ。また、このようにして選別された駆動条件は、互いにトレードオフ関係が生じる条件の組である。このような駆動条件の中からはどの駆動条件が選ばれても問題がないため、選ばれた駆動条件からそれぞれの追加的な評価を行ってさらに駆動条件を絞り込んだり、液体の吐出対象物や吐出条件に合わせて駆動条件を選んだりすることができる。
なお、液体を吐出する装置を構成する各手段を、適宜他の手段とは異なる装置に組み込むことにより、複数の装置から構成された液体を吐出するシステムを構築してもよい。例えば、パレート効率性の判定処理を実行する部位として駆動波形選別手段は、液体吐出ヘッドが含まれる液体を吐出する装置の本体とは独立した外部の演算装置に組み込まれてもよい。これにより、液体を吐出する装置を小型化することが可能となる。また、パレート効率性の判定のために演算装置に高い能力(高速な計算能力や主記憶の容量等)が要求される場合は、パレート効率性の判定処理を高速に行うことができる。
このように、液体吐出ヘッドや駆動波形印加手段等を含む液体の吐出に関わる機能部分と、駆動波形及び出力特性の評価に関わる機能部分とを分離することにより、液体の吐出と評価の双方を夫々効率的に実施することができるようになる。
<第二の実施態様>
本態様に係る液体を吐出する装置(画像形成装置300)において、駆動波形記録手段(駆動波形記録部327)は、外部に配置された記憶手段(記憶装置323)に駆動波形及び出力特性を記憶させることを特徴とする。
本態様においては、駆動波形及び得られた出力特性を外部の記憶装置に記憶させるため、液体を吐出する装置の内部に記憶装置を配置する場合に比べて、記憶装置を大容量化することができる。
例えば記憶装置をネットワーク上に配置する場合、ネットワークに接続された装置から駆動波形及び出力特性を閲覧したり、評価することが可能となる。即ち、液体吐出ヘッド(記録ヘッド311)や駆動波形印加手段(ヘッドドライバ313)等を含む液体の吐出に関わる機能部分と、駆動波形及び出力特性の評価に関わる機能部分とを容易に分離することが可能となる。液体の吐出と評価の双方を夫々効率的に実施することができるようになる。
また、記憶装置を、液体を吐出する装置の外部に配置することにより、記憶装置を大容量化することが容易となり、特に時間経過に関する情報を長期間得られる作用を有するため、同一条件下でのばらつきや経時劣化の情報を得やすくなる効果を有する。
<第三の実施態様>
本態様に係る液体を吐出する装置(画像形成装置300)において、特性検出手段(特性検出部340)は、液体吐出ヘッド(記録ヘッド311)から吐出された液体が飛翔する領域(飛翔領域211)を撮像する撮像手段(撮像部343)と、撮像手段が撮像した画像に基づいて出力特性を算出する特性算出手段(特性算出部342)と、を備えることを特徴とする。
飛翔領域の撮像画像からは液体の吐出速度、体積、曲がり等を容易に検出できる。即ち、1つの特性検出手段で複数の特性を検出することができるので、液体を吐出する装置を小型化することができる。なお、撮像手段は、静止画像を撮像する手段でも、動画像を撮像する手段であってもよい。後者の場合は、飛翔領域の時間変化を画像として捉えることができるため、特性検出結果の高精度化を図れる。また、単一の画像のみでは液体の吐出状況をうまく捉えられない場合であっても、前後の画像を用いて特性検出に適した補正画像を得ることができ、この点においても特性検出結果の高精度化を図れる。
300…画像形成装置(液体を吐出する装置)、310…インクジェット記録部、311…ヘッド部、311a…ノズル面、312…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)、313…ヘッドドライバ(駆動波形印加手段)、316…ヘッドアンプ、320…制御装置、321…コンピュータ、322…ディスプレイ、323…記憶装置(記憶手段)、324…入力装置、326…駆動波形生成部(駆動波形生成手段)、327…駆動波形記録部(駆動波形記録手段)、328…駆動波形選別部(駆動波形選別手段)、331…通信インターフェース、332…サーバ、333…通信インターフェース、340…特性検出部(特性検出手段)、341…特性計測部、342…特性算出部(特性算出手段)、343…撮像部(撮像手段)、344…光学センサ、345…発光素子、346…受光素子、347…計量装置、348…インク受皿、349…重量センサ、350…インク液滴、351…記録媒体、360…温度センサ
特許第3627078号

Claims (6)

  1. 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    駆動波形を生成する駆動波形生成手段と、
    前記駆動波形を前記液体吐出ヘッドに印加して液体を吐出させる駆動波形印加手段と、
    前記液体吐出ヘッドが吐出した液体の特性を含む出力特性を検出する特性検出手段と、
    前記特性検出手段が検出した前記出力特性を前記駆動波形と関連づけて記憶手段に記憶させる駆動波形記録手段と、
    前記駆動波形を、該駆動波形と関連付けられた前記出力特性によって選別する駆動波形選別手段と、
    を備えた液体を吐出する装置であって、
    前記特性検出手段によって検出される前記出力特性の種類は2つ以上あり、
    前記駆動波形選別手段は、第一の駆動波形に関連づけられた第一の各出力特性の少なくとも一部が、前記記憶手段から取得された第二の駆動波形に関連づけられた第二の各出力特性に対して優越するか同一の場合に、前記第一の各出力特性を前記第一の駆動波形に関連付けて前記記憶手段に記憶させ、前記第二の各出力特性の全部が前記第一の各出力特性に優越されている場合に、前記第二の駆動波形を前記記憶手段から削除し、
    前記駆動波形生成手段は、前記記憶手段に記憶された前記第一の駆動波形に基づいて新たな駆動波形を生成することを特徴とする液体を吐出する装置。
  2. 前記駆動波形記録手段は、前記液体を吐出する装置の外部に配置された前記記憶手段に前記駆動波形及び前記出力特性を記憶させることを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置。
  3. 前記特性検出手段は、前記液体吐出ヘッドから吐出された液体が飛翔する領域を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した画像に基づいて前記出力特性を算出する特性算出手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体を吐出する装置。
  4. 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記駆動波形を生成する駆動波形生成手段と、
    前記駆動波形を前記液体吐出ヘッドに印加して液体を吐出させる駆動波形印加手段と、
    前記液体吐出ヘッドが吐出した液体の特性を含む出力特性を検出する特性検出手段と、
    前記特性検出手段が検出した前記出力特性を前記駆動波形と関連づけて記憶手段に記憶させる駆動波形記録手段と、
    前記駆動波形を、該駆動波形と関連付けられた前記出力特性によって選別する駆動波形選別手段と、
    を備えた液体を吐出するシステムであって、
    前記特性検出手段によって検出される前記出力特性の種類は2つ以上あり、
    前記駆動波形選別手段は、第一の駆動波形に関連づけられた第一の各出力特性の少なくとも一部が、前記記憶手段から取得された第二の駆動波形に関連づけられた第二の各出力特性に対して優越するか同一の場合に、前記第一の各出力特性を前記第一の駆動波形に関連付けて前記記憶手段に記憶させ、前記第二の各出力特性の全部が前記第一の各出力特性に優越されている場合に、前記第二の駆動波形を前記記憶手段から削除し、
    前記駆動波形生成手段は、前記記憶手段に記憶された前記第一の駆動波形に基づいて新たな駆動波形を生成することを特徴とする液体を吐出するシステム。
  5. 液体を吐出する液体吐出ヘッドに印加する駆動波形を生成する駆動波形生成方法であって、
    前記液体吐出ヘッドが吐出した液体の特性を含む複数種類の出力特性を検出する特性検出ステップと、
    第一の駆動波形に関連する第一の各出力特性の少なくとも一部が、記憶手段から取得された第二の駆動波形に関連づけられた第二の各出力特性に対して優越するか同一の場合に、前記第一の各出力特性を前記第一の駆動波形に関連づけて前記記憶手段に記憶させ、前記第二の各出力特性の全部が前記第一の各出力特性に優越されている場合に、前記第二の駆動波形を前記記憶手段から削除するステップと、
    前記記憶手段に記憶された前記第一の駆動波形に基づいて新たな駆動波形を生成するステップと、
    を実行することを特徴とする駆動波形生成方法。
  6. 液体を吐出する液体吐出ヘッドに印加する駆動波形を生成する駆動波形生成プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記液体吐出ヘッドが吐出した液体の特性を含む複数種類の出力特性を検出する特性検出ステップと、
    第一の駆動波形に関連する第一の各出力特性の少なくとも一部が、記憶手段から取得された第二の駆動波形に関連づけられた第二の各出力特性に対して優越するか同一の場合に、前記第一の各出力特性を前記第一の駆動波形に関連づけて前記記憶手段に記憶させ、前記第二の各出力特性の全部が前記第一の各出力特性に優越されている場合に、前記第二の駆動波形を前記記憶手段から削除するステップと、
    前記記憶手段に記憶された前記第一の駆動波形に基づいて新たな駆動波形を生成するステップと、
    を実行させることを特徴とする駆動波形生成プログラム。
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