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JP6710474B2 - コルチゾール濃度推定装置、コルチゾール濃度推定方法、及びプログラム - Google Patents
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コルチゾール濃度推定装置、コルチゾール濃度推定方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、コルチゾール濃度推定装置、コルチゾール濃度推定方法、及びプログラムに関する。
従来、専門の分析装置を用いて、被験者の血液、尿、唾液等の体液からコルチゾール濃度を計測することが知られている。例えば、非特許文献1には、コルチゾール濃度を体液により、RIA(Radio Immuno Assay)法及びEIA法(Enzyme Immuno Assay)法により計測することが記載されている。また、体液からコルチゾール濃度を計測する方法として液体クロマトグラフィータンデム型質量分析法も知られている。非特許文献2には、ストレス度が高い状態での被験者の副交感神経活動量と、唾液から測定されたコルチゾール濃度とに負の相関関係があることが記載されている。
Hershel Raff、外1名、「Circadian rhythm of salivarycortisol, plasma cortisol, and plasma ACTH in end-stage renal disease」、Endocrine Connections、2012年10月、2:23−31 吉野公三、外3名、「若年男性の就寝前唾液コルチゾール濃度と自律神経系活動バランスとの相関性」、ストレス科学研究 2011、26、48−52
上述のようなRIA法、EIA法を用いた場合、コルチゾール濃度の計測に数日以上の時間を費やし、正確に計測されないことがある。また、液体クロマトグラフィータンデム型質量分析法によれば、正確にコルチゾール濃度が計測されるが、数日以上の時間を費やす。また、心拍との相関によりコルチゾール濃度を推定するには被験者を高ストレス状態という特定の状態にしたうえで心拍を計測する必要がある。非特許文献2では、高ストレス状態以外の状態や就寝前以外の時間帯において心拍とコルチゾール濃度の間に相関関係があることは確認できておらず、今後の課題とされている。したがって、上述のいずれの方法によっても任意の時間帯かつ、高ストレスではない状態において、迅速かつ簡易にコルチゾール濃度を把握することが困難であるという課題があった。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、非侵襲的かつ簡易にコルチゾール濃度を推定することができるコルチゾール濃度推定装置、コルチゾール濃度推定方法、及びプログラムを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明に係るコルチゾール濃度推定装置は、安静状態にある対象者のコルチゾール濃度を推定するコルチゾール濃度推定装置であって、前記対象者の時刻毎に計測された心拍の所定時間区間における代表値を演算する演算部と、前記代表値とコルチゾール濃度とが正の相関を有するように、前記代表値から前記対象者のコルチゾール濃度を推定する推定部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るコルチゾール濃度推定装置は、安静状態にある対象者のコルチゾール濃度を推定するコルチゾール濃度推定装置であって、前記対象者の時刻毎に計算された心拍の所定時間区間における代表値を取得する演算部と、前記心拍の代表値が第1値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度の推定値よりも、前記代表値が前記第1値よりも大きい第2値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度が大きな値となるように、前記対象者のコルチゾール濃度を推定する推定部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るコルチゾール濃度推定方法は、安静状態にある対象者のコルチゾール濃度を推定するコルチゾール濃度推定方法であって、前記対象者の時刻毎に計測された心拍の所定時間区間における代表値を算出するステップと、前記代表値とコルチゾール濃度とが正の相関を有するように、前記代表値から前記対象者のコルチゾール濃度を推定するステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るコルチゾール濃度推定方法は、安静状態にある対象者のコルチゾール濃度を推定するコルチゾール濃度推定方法であって、前記対象者の時刻毎に計算された心拍の所定時間区間における代表値を算出するステップと、前記心拍の代表値が第1値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度の推定値よりも、前記代表値が前記第1値よりも大きい第2値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度が大きな値となるように、前記対象者のコルチゾール濃度を推定するステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、上記のコルチゾール濃度推定装置としてコンピュータを機能させる。
本発明によれば、非侵襲的かつ簡易にコルチゾール濃度を推定することができる。
心電図から算出された心拍数の時間変化の一例を示す図である。 安静時の心拍数の代表値とコルチゾール濃度との相関関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るコルチゾール濃度推定装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るコルチゾール濃度推定方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るコルチゾール濃度推定装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係るコルチゾール濃度推定方法の一例を示すフローチャートである。
本発明の実施形態を説明するにあたり、まず、発明者らが発見した、心拍数とコルチゾール濃度との相関関係ついて説明する。
発明者らが行った実験では、安静状態にある20人の被験者の心拍と関連のある心拍関連指標値を計測した。本実験では、心拍関連指標値は心拍数である。また、発明者らは、心拍関連指標値の代表値、すなわち心拍数の代表値を演算した。代表値は、例えば、平均値、中間値等の所定の時間内に計測された心拍数に対して統計的な演算を行った値である。心拍数の計測においては、公知の心電計が用いられた。なお、ここでの「安静状態」とは「課題遂行中ではない」という意味で用いている。つまり、横になって動かないといった「絶対安静」の状態ではなく、特に課題(タスク)を行っていない状態、いわば「普段通りの状態」という意味である。
心電計は、被験者に取り付けられた電極間の電圧を計測する。そして、心電計は、一のR波と、当該一のR波に隣接するR波との間隔であるRR間隔に基づいて心拍数を算出する。これにより、心電計は、図1に示すような心拍数の時間変化を計測することができる。
また、本実験では、上述のように心拍関連指標値が計測されているときに、20人の被験者それぞれから唾液を採取し、唾液中のコルチゾール濃度を測定した。
図2は、コルチゾール濃度と、心拍数の代表値との関係を示す図である。縦軸は、被験者の唾液から計測したコルチゾール濃度である。横軸は、心拍数の代表値である。図2に示すように、心拍数の代表値が高くなるほどコルチゾール濃度が高くなるという傾向が読み取れる。このようにして、発明者らは、コルチゾール濃度と心拍数の代表値との間に正の相関関係があることを見出した。なお、本実験では非特許文献2とは異なり、就寝前時間帯ではなく日中の時間帯に計測を行っている。また、被験者は高ストレス状態にはおかれていない。つまり、非特許文献2では明らかにされていなかった、日中時間帯において、任意の状態(高ストレス状態ではない状態)の被験者について、コルチゾール濃度と心拍関連指標値との間に正の相関関係が見られた。なお、この実験での心拍数の代表値は、所定時間区間における心拍数の平均値とした。
心拍関連指標値とコルチゾール濃度との間の相関関数は、実験結果から導出することができる。相関関数は、実験の環境、条件等によって異なるが、一例を式(1)に示す。式(1)において、CORTはコルチゾール濃度である。HRは心拍数の代表値である。本発明では、このようにして導出された正の相関関係若しくは相関関数を用いてコルチゾール濃度を算出する。
CORT=28.9×HR−1035 式(1)
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図3は、第1の実施形態に係るコルチゾール濃度推定装置1の構成例を示す図である。コルチゾール濃度推定装置1は、安静状態にある対象者のコルチゾール濃度を推定する装置であり、図3に示すように、入力部21と、心拍関連指標値記憶部22と、演算部23と、推定部24と、出力部25とを備える。また、コルチゾール濃度推定装置1は、計測装置4から出力された情報を入力する。また、コルチゾール濃度推定装置1は提示装置5に情報を出力する。
計測装置4は、所定時間区間、安静状態にある対象者の心拍関連指標値を計測して、コルチゾール濃度推定装置1に出力する。心拍関連指標値は、心拍と関連のある指標値である。所定時間区間は、演算部23によって演算される心拍関連指標値の代表値が、対象者の状態を有効に示すとみなされる時間(例えば、60秒間)である。代表値は、平均値、中間値等の所定時間区間、計測された心拍関連指標値に対して統計的な演算を行った値である。本実施形態では、心拍関連指標値が心拍数である例について説明する。この場合、計測装置4は、心拍数を計測し、計測した心拍数を順次、コルチゾール濃度推定装置1に出力する。
コルチゾール濃度推定装置1が備える各構成について詳細に説明する。
入力部21は、計測装置4によって所定時間区間計測されて、順次、出力された時刻毎の心拍関連指標値を入力する。具体的には、入力部21は、心拍関連指標値の時系列データを入力する。さらに具体的には、入力部21は、心拍数の時系列データを入力する。
心拍関連指標値記憶部22は、半導体記憶デバイス及び磁気記憶デバイス等の任意の記憶デバイスを含んでもよいし、複数の種類の記憶デバイスを含んでもよい。心拍関連指標値記憶部22は、計測装置4によって所定時間区間、計測され、入力部21によって入力された心拍関連指標値の時系列データを記憶する。具体的には、心拍関連指標値記憶部22は、所定時間区間に継続的に計測された心拍関連指標値と、当該心拍関連指標値が計測された時刻とを関連付けて記憶する。当該時刻は、開始時点からの経過時間であってもよい。
演算部23は、心拍関連指標値記憶部22に記憶されている所定時間区間の心拍関連指標値の時系列データに基づいて、心拍関連指標値の代表値を算出する。
推定部24は、予め定められた、心拍関連指標値の代表値とコルチゾール濃度とがの正の相関関係を有するように、心拍関連指標値の代表値からコルチゾール濃度を推定する。具体的には、推定部24は、演算部23によって代表値が算出されると、当該代表値に対してコルチゾール濃度の推定値が正の相関となるように、つまり、代表値が大きいほどコルチゾール濃度の推定値が大きいことを示すようにコルチゾール濃度を推定する。あるいは、推定部24は、代表値が第1値であるときのコルチゾール濃度の推定値よりも、代表値が第1値よりも大きい第2値のときのコルチゾール濃度の推定値のほうが大きな値となるように、コルチゾール濃度を推定する。例えば、推定部24は、予め定めた心拍関連指標値の代表値に関する正の相関関数に基づいてコルチゾール濃度を推定する。正の相関関数の一例は、上述の式(1)によって表される正の相関関数を用いてコルチゾール濃度を推定する。
出力部25は、推定部24によって推定されたコルチゾール濃度を提示装置5に出力する。
提示装置5は、推定部24によって推定され、出力部25によって出力されたコルチゾール濃度を示す情報を提示する。例えば、提示装置5は、コルチゾール濃度をディスプレイに表示してもよいし、コルチゾール濃度に対応する任意の指標をディスプレイに表示してもよい。また、提示装置5は、コルチゾール濃度を示す音声を出力してもよい。
次に、コルチゾール濃度推定装置1によるコルチゾール濃度推定方法について、図4を参照して説明する。図4は、コルチゾール濃度推定方法の一例を示すフローチャートである。
まず、入力部21により、計測装置4によって所定時間区間、計測された時刻毎の心拍関連指標値を入力する(ステップS41)。
次に、心拍関連指標値記憶部22により、ステップS41で入力された時刻毎の心拍関連指標値を記憶する(ステップS42)。
次に、演算部23により、心拍関連指標値記憶部22に記憶されている時刻毎の心拍関連指標値から、所定時間区間における心拍関連指標値の代表値を算出する(ステップS43)。代表値の一例は、所定時間区間内の心拍関連指標値の平均値であるが、これに限らず、所定時間区間内の心拍関連指標値を代表する値であれば何でもよい。
次に、推定部24により、ステップS43で算出された代表値に基づいて、当該代表値と正の相関を有するようにコルチゾール濃度を推定する(ステップS44)。例えば、予め定められた代表値に関する正の相関関係若しくは代表値に関する正の相関関数を用いてコルチゾール濃度を推定する。代表値が第1値であるときに推定部24が推定するコルチゾール濃度を第1コルチゾール濃度とすると、代表値が第1値よりも大きな第2値であるときは、推定部が推定するコルチゾール濃度は第1コルチゾール濃度よりも大きな第2値となるように、推定部24の推定処理が行われる。
次に、出力部25により、ステップS44で推定されたコルチゾール濃度を提示装置5に出力する(ステップS45)。なお、提示装置5は、出力部25から出力されたコルチゾール濃度を提示することができる。
なお、上述したコルチゾール濃度推定装置1として機能させるためにコンピュータを好適に用いることができ、そのようなコンピュータは、コルチゾール濃度推定装置1の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを該コンピュータのデータベースに格納しておき、該コンピュータのCPUによってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。
また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体であってもよい。
上述したように、第1の実施形態によれば、コルチゾール濃度推定装置1は、心拍関連指標値の代表値とコルチゾール濃度との間に正の相関関係が成り立つという自然法則の発見に基づいて、演算部23によって算出された代表値から対象者のコルチゾール濃度を推定する。そのため、従来のように体液を用いて計測する場合に比べて、コルチゾール濃度推定装置1は、迅速にコルチゾール濃度を推定することができる。また、心拍関連指標値は非侵襲的に計測されるため、コルチゾール濃度推定装置1は、簡易にコルチゾール濃度を推定することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、第1の実施形態と同様の方法で推定した「コルチゾール濃度」に基づいて対象者に瞑想を提案するか否かを判定する。
人間のコルチゾール濃度は1日の中で変化することが知られている。また、1日の中でのコルチゾール濃度の変化量が少ない場合、うつ状態にある可能性があることが知られている(参考文献1)。さらに、瞑想の種類によって人間にもたらされる効果が異なるということが、発明者らの研究によって見出されている。具体的には、集中瞑想により副交感神経活動が活発化され、洞察瞑想により交感神経活動が活発化される傾向が見られる。なお、当該研究は第40回日本神経科学学会大会における「マインドフルネス研究:集中瞑想と洞察瞑想が自律神経系・内分泌系にもたらす効果」にて発表されている。
(参考文献1)Ma-Li Wong et al.: Pronounced and sustained central hypernoradrenergic function in major depression with melancholic features: Relation to hypercortisolism and corticotropin-releasing hormone, Medical Sciences Vol. 97, No.1, pp.325-330 (2000).
これらの知見を組み合わせると、コルチゾール濃度の日内変動が少ない場合にはうつ状態の可能性があり、この場合に、交感神経を活発化させる効果のある洞察瞑想を行うことで、うつ状態の改善が期待される。本実施形態では、このような知見に基づいて、対象者の心的状態に適した瞑想を提案するか否かを判定する。
図5は、第2の実施形態に係るコルチゾール濃度推定装置2の構成例を示す。図5に示すように、コルチゾール濃度推定装置2は、コルチゾール濃度推定部20と、出力部25と、コルチゾール濃度記憶部26と、判定部27と、を備える。コルチゾール濃度推定部20は、第1の実施形態のコルチゾール濃度推定装置1と同様に、入力部21と、心拍関連指標値記憶部22と、演算部23と、推定部24とを備える。なお、第1の実施形態と同様の構成ブロックについては同一の参照符号を付して、適宜、説明を省略する。
計測装置4は、1日のうちの異なる時刻毎に心拍関連指標値を計測する。
コルチゾール濃度推定部20は、異なる時刻毎に計測装置4によって計測された心拍関連指標値毎に、対象者のコルチゾール濃度を推定する。コルチゾール濃度推定部20による推定の詳細な方法は、第1の実施形態のコルチゾール濃度推定装置1による推定の方法と同様である。
コルチゾール濃度記憶部26は、コルチゾール濃度推定部20によって推定されたコルチゾール濃度を記憶する。具体的には、コルチゾール濃度記憶部26は、コルチゾール濃度を、当該コルチゾール濃度の推定に用いられた心拍関連指標値が計測された時刻に関連付けて記憶する。時刻は、心拍関連指標値の代表値を計算した時間区間内を特定することができる時刻であればなんでもよい。時刻は、例えば、心拍関連指標値の代表値を求めた時間区間中で計測が開始された時刻であってもよいし、心拍関連指標値の代表値を求めた時間区間中で計測が終了した時刻であってもよい。本実施形態では、コルチゾール濃度推定部10は、複数の異なる時間区間について、当該時間区間内に計測された心拍関連指標値からコルチゾール濃度を推定する。そして、コルチゾール濃度記憶部26は、それぞれ推定された複数のコルチゾール濃度を記憶する。
判定部27は、推定部24によって推定された複数の異なる時刻(時間区間)についてのコルチゾール濃度の変化量に基づいて瞑想を提案するか否かを判定する。一般に、瞑想には、集中瞑想と、洞察瞑想とが含まれる。集中瞑想は、身体の一部(例えば、鼻の入口)に意識を集中することで行う瞑想であり、洞察瞑想は、身体のありとあらゆるところに注意を向ける瞑想である。
具体的には、判定部27は、コルチゾール濃度記憶部26に記憶されている1日のうちの複数の異なる時間区間について推定されたコルチゾール濃度に基づいて、当該指標に基づいて瞑想を提案するか否かを判定する。例えば、隣接する時間区間についてのコルチゾール濃度の差分(変化量)を算出して変化量の系列を求め、当該変化量の系列の各値が全て所定の閾値未満であれば洞察瞑想を提案すると判定し、そうでない場合には、瞑想を提案しないと判定する。コルチゾール濃度の変化量の系列の各値が全て所定の閾値未満であるということは、1日の中でのコルチゾール濃度の変動量が少ない、すなわちコルチゾール濃度の日内変動が少ないことを示す。既述の通り、コルチゾール濃度の日内変動が少ない場合はうつ状態の可能性があるため、洞察瞑想によりその改善が期待されるから、判定部27で洞察瞑想を提案するものである。
出力部25は、判定部27によって洞察瞑想を提案すると判定されると、対象者に対して瞑想を提案する瞑想提案情報を提示装置5に出力する。瞑想提案情報は、例えば、「洞察瞑想を行ってください」という情報や、洞察瞑想を促すインストラクション音声や映像等である。あるいは、出力部25は、判定部27によって洞察瞑想を提案すると判定された場合は、瞑想提案情報に加えてコルチゾール濃度推定部20で推定されたコルチゾール濃度を提示装置5へ出力し、洞察瞑想を提案しないと判定された場合はコルチゾール濃度推定部20で推定されたコルチゾール濃度のみを提示装置5へ出力してもよい。
提示装置5は、出力部25によって瞑想提案情報が出力されると、対象者に対して瞑想提案情報を提示する。例えば、提示装置5は、瞑想提案情報を音声の出力によって提示することができる。また、例えば、提示装置5は、瞑想提案情報をディスプレイの表示によって提示することができる。あるいは、出力部25から出力されたコルチゾール濃度を時系列的にディスプレイに表示していき、瞑想提案情報に対応するコルチゾール濃度を表示する際に注意を促す視覚効果とともにディスプレイに表示してもよい。例えば表示画面の背景色の色を変えたり、点滅させたりする視覚効果でもよいし、「洞察瞑想を行ってください」等のテキストメッセージを表示する視覚効果でもよい。
続いて、コルチゾール濃度推定装置2によるコルチゾール濃度推定方法の一例について、図6を参照して説明する。図6はコルチゾール濃度推定方法の一例を示すフローチャートである。
まず、コルチゾール濃度推定部20により、対象者のコルチゾール濃度を推定する(ステップS51)。ステップS51におけるコルチゾール濃度推定部20による処理の詳細は、第1の実施形態におけるコルチゾール濃度推定装置1の処理と同様である。
次に、ステップS51で推定したコルチゾール濃度をコルチゾール濃度記憶部26に記憶する(ステップS52)。
次に、判定部27により、所定時間分の対象者についてのコルチゾール濃度が既にコルチゾール濃度記憶部26に記憶されているか否かを判定する(ステップS53)。
ステップS53において、対象者についてのコルチゾール濃度がコルチゾール濃度記憶部26に記憶されていないと判定された場合には、ステップS51に戻り新たな時刻についてのコルチゾール濃度を推定する。
一方、ステップS53において、所定時間分の対象者についてのコルチゾール濃度がコルチゾール濃度記憶部26に記憶されていると判定された場合には、判定部27により、隣接する時刻についてのコルチゾール濃度の差分(変化量)を算出して変化量の系列を算出する(ステップS54)。
次に、判定部27により、ステップS54で算出された変化量の各々が閾値未満であるか否かを判定する(ステップS55)。
ステップS55において、各変化量のうち閾値以上の変化量がある場合には、コルチゾール濃度推定装置2は処理を終了する。
一方、ステップS55において、全ての変化量が閾値未満であると判定された場合には、出力部25により、提示装置5に瞑想提案情報を出力する(ステップS56)。なお、提示装置5は、出力部25から出力された瞑想提案情報を提示することができる。
なお、上述したコルチゾール濃度推定装置2として機能させるためにコンピュータを好適に用いることができ、そのようなコンピュータは、コルチゾール濃度推定装置2の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを該コンピュータのデータベースに格納しておき、該コンピュータのCPUによってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。
また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体であってもよい。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、コルチゾール濃度推定装置1は、コルチゾール濃度に基づいて、対象者に瞑想を提案するか否かを判定し、提示装置5が瞑想提案情報を提示する。そのため、従来のように体液を用いて計測されたコルチゾール濃度に基づいて対象者のうつ状態を判定し、瞑想を提案する場合に比べて、コルチゾール濃度推定装置1は、迅速に瞑想を提案することができる。これに伴い、対象者は、うつ状態の改善を図るべく瞑想を早期に行うことができる。また、心拍関連指標値は非侵襲的に計測されるため、コルチゾール濃度推定装置2は、簡易にコルチゾール濃度を推定し、これに伴い簡易に瞑想を提案することができる。
なお、第1の実施形態において、コルチゾール濃度推定装置1は、計測装置4を計測部として備えてもよい。この場合、コルチゾール濃度推定装置1の計測部が対象者の心拍数を計測する。同様にして、第2の実施形態において、コルチゾール濃度推定部20は、計測装置4を計測部として備えてもよい。
また、第1の実施形態において、コルチゾール濃度推定装置1は、提示装置5を提示部として備えてもよい。この場合、提示部がコルチゾール濃度を提示する。同様にして、第2の実施形態において、コルチゾール濃度推定装置1は、提示装置5を提示部として備えてもよい。この場合、提示部が瞑想提案情報を提示する。
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
1,2 コルチゾール濃度推定装置
4 計測装置
5 提示装置
20 コルチゾール濃度推定部
21 入力部
22 心拍関連指標値記憶部
23 演算部
24 推定部
25 出力部
26 コルチゾール濃度記憶部
27 判定部

Claims (8)

  1. 対象者のコルチゾール濃度を推定するコルチゾール濃度推定装置であって、
    前記対象者の時刻毎に計測された心拍の所定時間区間における代表値を算出する演算部と、
    前記代表値とコルチゾール濃度とが正の相関を有するように、前記代表値から前記対象者のコルチゾール濃度を推定する推定部と、
    を備えることを特徴とする、コルチゾール濃度推定装置。
  2. 対象者のコルチゾール濃度を推定するコルチゾール濃度推定装置であって、
    前記対象者の時刻毎に計算された心拍の所定時間区間における代表値を算出する演算部と、
    前記心拍の代表値が第1値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度の推定値よりも、前記代表値が前記第1値よりも大きい第2値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度が大きな値となるように、前記対象者のコルチゾール濃度を推定する推定部と、
    を備えることを特徴とする、コルチゾール濃度推定装置。
  3. 前記推定部によって推定された複数の異なる所定時間区間についての前記コルチゾール濃度に基づいて、前記対象者に瞑想を提案するか否かを判定する判定部と、
    をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコルチゾール濃度推定装置。
  4. 前記判定部は、前記複数の異なる所定時間区間毎に推定された前記コルチゾール濃度の当該複数の異なる時間区間全体での変化量が閾値未満である場合に前記瞑想を提案すると判定することを特徴とする、請求項3に記載のコルチゾール濃度推定装置。
  5. 前記判定部は、前記複数の異なる所定時間区間毎に推定された前記コルチゾール濃度の、各隣接する時間区間での変化量の各々が所定の閾値未満である場合に前記瞑想を提案すると判定することを特徴とする、請求項3に記載のコルチゾール濃度推定装置。
  6. 対象者のコルチゾール濃度を推定するコルチゾール濃度推定方法であって、
    前記対象者の時刻毎に計測された心拍の所定時間区間における代表値を算出するステップと、
    前記代表値とコルチゾール濃度とが正の相関を有するように、前記代表値から前記対象者のコルチゾール濃度を推定するステップと、
    を含むことを特徴とする、コルチゾール濃度推定方法。
  7. 対象者のコルチゾール濃度を推定するコルチゾール濃度推定方法であって、
    前記対象者の時刻毎に計算された心拍の所定時間区間における代表値を算出するステップと、
    前記心拍の代表値が第1値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度の推定値よりも、前記代表値が前記第1値よりも大きい第2値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度が大きな値となるように、前記対象者のコルチゾール濃度を推定するステップと、を含むことを特徴とする、コルチゾール濃度推定方法。
  8. 請求項1から5のいずれか一項に記載のコルチゾール濃度推定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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