JP6720969B2 - 光学フィルタおよび撮像装置 - Google Patents
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Description
とくに近赤外域で高い吸収性を有し、可視域で高い透過性を有する色素を用いた光学フィルタは、近赤外線に対する急峻な遮断性が得られ、かつ可視光による画像の良好な色再現性が得られることから多用されている。
また、近赤外線カットフィルタは、近赤外光の高遮断性と可視光の高透過性の両特性を得ようとしても、例えば、可視光の全領域で100%の透過率を示すことはなく、可視域の中でも相対的に透過率の低い領域が存在することがある。
Xは、独立して、1つ以上の水素原子が炭素数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基で置換されていてもよい式(1)または式(2)で示される2価の有機基である。
−(CH2)n1− …(1)
式(1)中、n1は2または3である。
−(CH2)n2−O−(CH2)n3− …(2)
式(2)中、n2とn3はそれぞれ独立して0〜2の整数であり、n2+n3は1または2である。
R1は、独立して、飽和環構造を含んでもよく、分岐を有してもよい炭素数1〜12の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素数3〜12の飽和環状炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数7〜13のアルアリール基を示す。
R2は、独立して、1つ以上の水素原子がハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、またはシアノ基で置換されていてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい炭素数1〜25の炭化水素基である。
R3およびR4は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
また、本発明の他の態様に係る撮像装置は、上記光学フィルタを備えたことを特徴とする。
本発明の一実施形態のNIRフィルタ(以下、「本フィルタ」という)は、第1の層と、この第1の層に接し、第1の層と異なる第2の層とを有する。
第1の層は、近赤外線吸収色素(A)と透明樹脂(B)とを含有する吸収層である。第2の層は、無機または有機材料からなる層で、例えば、ガラス基板や透明樹脂基板等を含む透明基材、特定の波長領域の光を遮蔽する誘電体多層膜からなる選択波長遮蔽層、可視域の透過率損失を抑制する誘電体多層膜からなる反射防止層等である。
第1の層および第2の層はそれぞれ本フィルタの中に1層有してもよく、2層以上有してもよい。2層以上有する場合、各層は同じ構成であっても異なってもよい。また、第1の層は、それそのものが基板(樹脂基板)として機能するものでもよい。
図1Aは、吸収層(第1の層)11の両主面に第2の層として誘電体多層膜からなる選択波長遮蔽層12を備えた構成例である。
図1Bは、吸収層(第1の層)11の両主面にそれぞれ第2の層として誘電体多層膜からなる選択波長遮蔽層12および誘電体多層膜からなる反射防止層13を備えた構成例である。
図1Cは、吸収層(第1の層)11の両主面にそれぞれ第2の層として透明基材14および誘電体多層膜からなる選択波長遮蔽層12を備えた構成例である。この例では、透明基材14の吸収層(第1の層)11とは反対側の主面に、さらに第3の層として誘電体多層膜からなる反射防止層13を備えている。
図1Dは、吸収層(第1の層)11の両主面にそれぞれ第2の層として透明基材14および誘電体多層膜からなる反射防止層13を備えた構成例である。この例では、透明基材14の吸収層(第1の層)11側とは反対側の主面に、さらに第3の層として誘電体多層膜からなる選択波長遮蔽層12を備えている。
(iv−2)入射角0°の分光透過率曲線において、波長600〜700nmの光の平均透過率が25%以上である。
(iv−3)入射角0°の分光透過率曲線において、波長350〜395nmの光の平均透過率が2%以下である。
(iv−4)入射角0°の分光透過率曲線において、波長710〜1100nmの光の平均透過率が2%以下である。
(iv−5)入射角0°の分光透過率曲線の波長385〜430nmの光の透過率と、入射角30°の分光透過率曲線における波長385〜430nmの光の透過率との差分の絶対値の平均値(以下、「波長385〜430nmの透過率平均シフト量」という)が7%/nm以下である。
(iv−6)入射角0°の分光透過率曲線の波長600〜700nmの光の透過率と、入射角30°の分光透過率曲線における波長600〜700nmの光の透過率との差分の絶対値の平均値(以下、「波長600〜700nmの透過率平均シフト量」という)が7%/nm以下である。
(iv−2)を満たすことで、固体撮像素子に不要な波長700nm以上の光を遮断しつつ、人間の視感度に関与する波長600〜700nmの光の透過率を比較的高く維持できる。
(iv−3)を満たすことで、395nm以下の波長領域の光を遮蔽でき、固体撮像素子の分光感度を人間の視感度に近づけることができる。
(iv−4)を満たすことで、波長710〜1100nmの光を遮蔽でき、固体撮像素子の分光感度を人間の視感度に近づけることができる。
(iv−5)を満たすことで、波長385〜430nmにおける光の入射角依存性を小さくできる。その結果、この波長領域における固体撮像素子の分光感度の入射角依存性を小さくできる。
(iv−6)を満たすことで、波長600〜700nmにおける光の入射角依存性を小さくできる。その結果、この波長領域における固体撮像素子の分光感度の入射角依存性を小さくできる。
本フィルタは、入射角0°の分光透過率曲線において、波長430〜550nmの光の最小透過率は、77%以上がより好ましく、80%以上がより一層好ましい。光学フィルタの波長430〜550nmの光の最小透過率が高いほど、可視光を多く取り込むことができる。
本フィルタは、入射角0°の分光透過率曲線において、波長600〜700nmの光の平均透過率は30%以上がより好ましい。光学フィルタの波長600〜700nmの光の平均透過率が高いほど、視感度に不必要な波長700nm以上の光をより遮断しつつ、人間の視感度に関与する波長600〜700nmの光の透過率をより高く維持できる。
本フィルタは、入射角0°の分光透過率曲線において、波長710〜1100nmの光の平均透過率は1%以下がより好ましく、0.5%以下がより一層好ましく、0.3%以下がさらに好ましい。光学フィルタの波長710〜1100nmの光の平均透過率が低いほど、固体撮像素子として不必要な波長の光を遮断できる。
本フィルタは、波長385〜430nmの透過率平均シフト量が6%/nm以下がより好ましく、5%/nm以下がより一層好ましい。波長385〜430nmの透過率平均シフト量は、波長385〜430nmにおける本フィルタの光の入射角依存性を示す指標である。この値が小さいほど入射角依存性が低いことを示している。
本フィルタは、波長600〜700nmの透過率平均シフト量が3%/nm以下がより好ましく、2%/nm以下がより一層好ましい。波長600〜700nmの透過率平均シフト量は、波長600〜700nmにおける本フィルタの光の入射角依存性を示す指標である。この値が小さいほど入射角依存性が低いことを示している。
吸収層は、近赤外線吸収色素(A)と、透明樹脂(B)とを含有する層であり、典型的には、透明樹脂(B)中に近赤外線吸収色素(A)が均一に溶解または分散した層または(樹脂)基板である。吸収層は、さらに紫外線吸収色素(U)を含有してもよい。
本フィルタにおいて、吸収層は、前述のとおり、場合により複数設けてもよい。
本フィルタの吸収層に含有させる近赤外線吸収色素(A)(以下、NIR色素(A)ともいう)は、式(AI)で示されるNIR色素から選択される少なくとも1種を含む。
Xは、独立して、1つ以上の水素原子が炭素数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基で置換されていてもよい式(1)または式(2)で示される2価の有機基である。
−(CH2)n1− …(1)
式(1)中、n1は2または3である。
−(CH2)n2−O−(CH2)n3− …(2)
式(2)中、n2とn3はそれぞれ独立して0〜2の整数であり、n2+n3は1または2である。
R1は、独立して、飽和環構造を含んでもよく、分岐を有してもよい炭素数1〜12の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素数3〜12の飽和環状炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数7〜13のアルアリール基を示す。
R2は、独立して、1つ以上の水素原子がハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、またはシアノ基で置換されていてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい炭素数1〜25の炭化水素基である。
R3およびR4は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
また、アリール基は芳香族化合物が有する芳香環、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル、フラン環、チオフェン環、ピロール環等を構成する炭素原子を介して結合する基をいう。アルアリール基は、1以上のアリール基で置換された、飽和環構造を含んでもよい直鎖状もしくは分枝状の飽和もしくは不飽和炭化水素基または飽和環状炭化水素基をいう。
照射装置:キセノンランプ(波長300〜2450nm)
温度:40℃
湿度:50%RT
積算光量:87.2kw・時間/m2
なお、有機溶媒に対する溶解性、透明樹脂への相溶性の観点から、置換基R1は、分岐構造を有する基が好ましく、分岐構造を有するアルキル基またはアルコキシ基がより好ましい。
−CR5 2−(CR6 2)n4− …(3)
ただし、式(3)は、左側がベンゼン環に結合し右側がNに結合する2価の基を示し、n4は1または2である。n4は1が好ましい。また、R5は、それぞれ独立して、分岐を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基であり、炭素数1〜6の分岐を有してもよいアルキル基またはアルコキシ基が好ましい。さらに、R6はそれぞれ独立して、水素原子、または分岐を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基もしくはアルコキシ基であり、水素原子、または分岐を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基が好ましい。
−C(CH3)2−CH(CH3)− …(11−1)
−C(CH3)2−CH2− …(11−2)
−C(CH3)2−CH(C2H5)− …(11−3)
−C(CH3)2−CH2−CH2− …(12−1)
−C(CH3)2−CH2−CH(CH3)− …(12−2)
−C(CH3)2−CH(CH3)−CH2− …(12−3)
以下に、Xが左右ともに基(11−1)であるNIR色素(Ai)の構造式を示す。なお、NIR色素(Ai)中、R1〜R4はNIR色素(AI)におけるR1〜R4と同じ意味である。
(i−1)波長400〜800nmの吸収スペクトルにおいて、670〜730nm、好ましくは680〜720nm、より好ましくは690〜710nmの波長領域に最大吸収波長λmaxを有する。
(i−2)波長430〜550nmの光の最大吸光係数εAと、波長670〜730nmの光の最大吸光係数εBとの間に、次の関係式が成り立つ。
εB/εA≧50
この関係式は、好ましくはεB/εA≧60であり、より好ましくはεB/εA≧70である。
(i−3)分光透過率曲線において、前記最大吸収波長λmaxにおける透過率を10%としたときの前記最大吸収波長λmaxより短波長側で透過率が80%となる波長λ80と、前記最大吸収波長λmaxとの差λmax−λ80が60nm以下である。λmax−λ80は、好ましくは55nm以下、より好ましくは50nm以下である。
具体的には、(i−1)を満たすことで、近赤外光を十分に遮蔽できる。また、(i−2)を満たすことで、可視光を十分に透過できる。さらに、(i−3)を満たすことで、分光透過率曲線において、可視域と近赤外域の境界付近(透過率遷移領域)の変化を急峻にできる。
吸収層は、NIR色素(A)と、透明樹脂に加え、UV色素(U)を含有できる。UV色素(U)(以下、色素(U)ともいう。)としては、(ii−1)を満たすものが好ましい。
UV色素(U)の吸収スペクトルにおいて、UV色素(U)の最大吸収波長は370〜415nmの波長領域にあるとより好ましく、390〜410nmの波長領域にあるとより一層好ましい。
また、式(N)中、R13は、それぞれ独立に、シアノ基、または式(n)で示される基である。
−COOR30 …(n)
式(n)中、R30は、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでもよく、分岐を有してもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示す。具体的には、直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、アルケニル基、飽和環状炭化水素基、アリール基、アルアリール基等が挙げられる。
UV色素(U1)としては、とくに、式(M)で示されるメロシアニン系色素が好ましい。
Q1が無置換のアルキル基である場合、そのアルキル基は直鎖状であっても、分岐状であってもよく、その炭素数は1〜6がより好ましい。
置換基を有する炭化水素基としては、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基または塩素原子を1個以上有する炭化水素基が好ましい。これらアルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基およびジアルキルアミノ基の炭素数は1〜6が好ましい。
とくに好ましいQ1は炭素数1〜6のアルキル基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
Q2およびQ3は、少なくとも一方がアルキル基であることが好ましく、いずれもアルキル基であることがより好ましい。Q2またはQ3がアルキル基でない場合は、水素原子であることがより好ましい。Q2およびQ3は、いずれも炭素数1〜6のアルキル基であることがとくに好ましい。
Q4およびQ5は、少なくとも一方が水素原子であることが好ましく、いずれも水素原子であることがより好ましい。Q4またはQ5が水素原子でない場合は、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。
水素原子の一部が脂肪族環、芳香族環もしくはアルケニル基で置換された炭素数1〜12のアルキル基としては、炭素数3〜6のシクロアルキル基を有する炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基で置換された炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、フェニル基で置換された炭素数1または2のアルキル基がとくに好ましい。なお、アルケニル基で置換されたアルキル基とは、全体としてアルケニル基であるが1、2位間に不飽和結合を有しないものを意味し、例えばアリル基や3−ブテニル基等をいう。
とくに好ましいQ8およびQ9は、いずれも、炭素数1〜6のアルキル基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
Q12、Q15は、いずれも水素原子であるか、置換基を有しない炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。同じ炭素原子に結合した2つの基(Q13とQ14、Q16とQ17、Q18とQ19)は、いずれも水素原子であるか、いずれも炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。
Yが酸素原子である場合のZとしては、Q1が炭素数1〜6のアルキル基、Q2とQ3がいずれも水素原子であるかいずれも炭素数炭素数1〜6のアルキル基、Q4、Q5がいずれも水素原子ある、基(Z1)または基(Z2)がより好ましい。とくに、Q1が炭素数1〜6のアルキル基、Q2とQ3がいずれも炭素数1〜6のアルキル基、Q4、Q5がいずれも水素原子ある、基(Z1)または基(Z2)が好ましい。
式(M)で表される化合物としては、Yが酸素原子であり、Zが基(Z1)または基(Z2)である化合物が好ましく、Yが酸素原子であり、Zが基(Z1)である化合物がとくに好ましい。
吸収層には、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、この種の吸収層が通常含有する各種任意成分を含有してもよい。任意成分としては、例えば、密着性付与剤、色調補正色素、レベリング剤、帯電防止剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤、可塑剤等が挙げられる。
選択波長遮蔽層としては、可視光を透過し、前記吸収層の遮光域以外の波長の光を遮蔽する波長選択特性を有することが好ましい。この場合、選択波長遮蔽層の遮光領域は、吸収層の近赤外域における遮光領域を含んでもよい。
高屈折率膜は、好ましくは、屈折率が1.6以上であり、より好ましくは2.2〜2.5であり、例えばTa2O5、TiO2、Nb2O5が挙げられる。これらのうち、成膜性、屈折率等における再現性、安定性等の点から、TiO2が好ましい。
一方、低屈折率膜は、好ましくは、屈折率1.6未満であり、より好ましくは1.45以上1.55未満であり、より一層好ましくは1.45〜1.47であり、例えばSiO2、SiOxNy等が挙げられる。成膜性における再現性、安定性、経済性等の点から、SiO2が好ましい。
(iii−1)入射角0°および30°の各分光透過率曲線において、波長420〜695nmの光の透過率が90%以上である。波長420〜695nmの光の透過率は高いほど好ましく、93%以上がより好ましく、95%以上がより一層好ましく、97%以上がさらに好ましい。
(iii−2)入射角0°および30°の各分光透過率曲線において、波長λbnm〜1100nmの光の透過率が1%以下である(ここで、λbは、前記吸収層の波長650〜800nmの光の透過率が1%となる最大波長である)。波長λbnm〜1100nmの光の透過率は低いほど好ましく、0.5%以下がより好ましい。
選択波長遮蔽層が、(iii−1)および(iii−2)を満たせば、本フィルタは、(iv−1)〜(iv−6)を満たす分光透過率特性を容易に得られる。
反射防止層としては、誘電体多層膜や中間屈折率媒体、屈折率が漸次的に変化するモスアイ構造などが挙げられる。中でも光学的効率、生産性の観点から誘電体多層膜の使用が好ましい。反射防止層に用いられる誘電体多層膜は選択波長遮蔽層に使用される誘電体多層膜と同様に低屈折率膜と高屈折率膜を交互に積層して得られる。
[透明基材]
透明基材の形状はブロック状であっても、板状であっても、フィルム状であってもよく、厚さは、構成する材料にも依存するが、0.03〜5mmが好ましく、薄型化の点から、0.05〜1mmがより好ましい。
また、透明基材に使用できる結晶材料としては、水晶、ニオブ酸リチウム、サファイヤ等の複屈折性結晶が挙げられる。
(1)質量%表示で、P2O5 46〜70%、AlF3 0.2〜20%、LiF+NaF+KF0〜25%、MgF2+CaF2+SrF2+BaF2+PbF2 1〜50%、ただし、F 0.5〜32%、O 26〜54%を含む基礎ガラス100質量部に対し、外割でCuO:0.5〜7質量部を含むガラス。
実施例で使用するNIR色素(A1−1)〜(A1−13)(実施例用色素と記す)、および比較のためのNIR色素(A2)〜(A8)(比較用色素と記す)を合成した。NIR色素(A1−1)〜(A1−13)は、表1に記載の色素であり、NIR色素(A2)〜(A8)は、式(A2)〜(A8)で表されるNIR色素である。
以下、反応式(F1)を用いてNIR色素(A1−6)の製造例を具体的に説明する。なお、以下の説明において、原料成分((a)、(g))や中間生成物((b)〜(h))におけるR1〜R4について記載しないが、R1はイソプロピル基、R2はn−プロピル基、R3およびR4は水素原子である。
1Lナスフラスコに化合物(a)を31.50g(0.197mol)、ヨウ化イソプロピルを134.06g(0.79mol)加え、110℃で48時間反応させた。赤い沈殿物が析出し、反応容器中はヨウ化イソプロピルの液体が消失してほぼ固体になった。室温に戻して、ヘキサンを加え、沈殿物をろ過した。ろ過物をヘキサンで再び洗浄しろ過した。その結果、化合物(b)(63.9g、0.19mol、収率:98.0%)が得られた。
1Lナスフラスコに化合物(b)63.9g(0.19mol)、水200mlを加え、その後、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH40g(1.0mol)+水200ml)を滴下した。添加後、室温で4時間反応させた後、ジクロロメタンと水で抽出し、ジクロロメタン層を、エバポレーターを用いて溶媒を除去した。濃縮した有機層をカラムクロマトグラフィー法にて精製した。その結果、液状の化合物(c)(33.6g、0.17mol、収率:86.7%)が得られた。
1Lのナスフラスコに化合物(c)33.6g(0.17mol)、メタノール700mlを加えた。0℃に冷却して水素化ホウ素ナトリウム(14.76g、0.39mol)を加えた。添加後、室温に戻し、4時間反応させた。反応終了後、水を加え、その後、酢酸エチルと水で抽出を行った、抽出後、得られた有機層を、エバポレーターを用いて溶媒を除去した。濃縮した有機層をカラムクロマトグラフィー法にて精製した。その結果、液状の化合物(d)(26.68g、0.13mol、収率:79.0%)が得られた。
1Lのナスフラスコに化合物(d)26.68g(0.13mol)を加え、0℃の氷浴下で濃硫酸80g(0.81mol)を滴下した。濃硫酸滴下後、30分間攪拌した。その後、60%の濃硝酸19.19gと濃硫酸60gの混合溶液を氷浴下で滴下した。滴下終了後、反応温度を徐々に室温に戻し、同温度で15時間反応させた。反応終了後、再び0℃に冷却して、水300mlを加えた。さらに反応液が中性になるまで40質量%水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。その後、ジクロロメタンで抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレーターを用いて溶媒を除去した。濃縮した有機層をカラムクロマトグラフィー法にて精製した。その結果、液状の化合物(e)(26.0g、0.10mol、収率:80.0%)が得られた。
2Lのナスフラスコに、化合物(e)を26.0g(0.10mol)およびTHFを400ml投入し、次いで、氷浴下で、パラジウム炭素8gおよびエタノール400mlを順に加え、さらに、ギ酸アンモニウム93g(1.48mol)を添加した。その後、反応系を開放して大気雰囲気下室温で12時間撹拌した。反応終了後、水を加えた。反応液をろ過して、ろ液をジクロロメタン−水で分液した後、有機層を、エバポレーターを用いて濃縮した。濃縮した有機層をカラムクロマトグラフィーにて精製した。その結果、油状の化合物(f)(16.5g、0.075mol、収率:72.0%)が得られた。
2Lのナスフラスコに、化合物(f)4.0g(0.018mol)、ジクロロメタン90mlおよびジイソプロピルエチルアミン2.84g(0.022mol)を加え、次いで、置換基R2を有するクロロギ酸エステル2.68g(0.022mol)を滴下した。滴下終了後、室温に戻して2時間反応させた。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出を行った。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、エバポレーターを用いて溶媒を除去した後、濃縮した有機層をカラムクロマトグラフィー法にて精製した。その結果、固体の化合物(h)(3.2g、0.011mol、収率:57%)が得られた。
1LのナスフラスコにDean−Stark管を取り付け、化合物(h)2.5g(0.008mol)、スクアリン酸0.47g(0.0041mol)、オルトギ酸エチル4.68g(0.032mol)、エタノール100mlを加え、90℃で8時間加熱撹拌した。反応終了後、エバポレーターを用いて溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィー法にて精製した。その結果、NIR色素(A1−6)(2.3g、0.0033mol、収率:81%)が得られた。
NIR色素(A1−6)の製造において、ヨウ化イソプロピルに代えてヨードメタンを用い、かつ置換基R2を有するクロロギ酸エステル(g)のR2を、それぞれ表1に示すR2とした以外は同様にして、NIR色素(A1−1)、(A1−3)〜(A1−5)を製造した。
NIR色素(A1−6)の製造において、ヨウ化イソプロピルに代えてヨードメタンを用いた以外は同様にして、NIR色素(A1−2)を製造した。
NIR色素(A1−6)の製造において、置換基R2を有するクロロギ酸エステル(g)のR2を、それぞれ表1に示すR2とした以外は同様にして、NIR色素(A1−7)〜(A1−9)を製造した。
NIR色素(A1−12)の製造では、反応式(F1)中の化合物(a)(ただし、R3、R4は水素原子)を出発原料とした。そして、反応式(F2−1)に示す経路を経て、反応式(F1)中の化合物(f)(ただし、R1は1,1−ジメチルプロピル基、R3、R4は水素原子)を製造し、この化合物(f)から、NIR色素(A1−6)の場合と同様にして、化合物(h)(ただし、R1は−(CH3)2CC2H5、R2は−CH2CH2CH3(n−C3H7)、R3、R4は水素原子)を経てNIR色素(A1−10)を製造した。なお、反応式(F2−1)中、TSOHはp−トルエンスルホン酸を示す。以下、本明細書中、TSOHは前記と同じ意味で用いられる。
1Lのナスフラスコに化合物(a)を50.0g(0.31mol)、p−トルエンスルホン酸を60.0g(0.35mol)を加え、次いで、水素化ホウ素ナトリウムを114.0g(0.37mol)0℃で加えた。メカニカルスターラーで撹拌しながら2時間反応させた後、再度0℃に冷却し、水を滴下して反応を終了させた。反応終了後、ジクロロメタンと水で抽出し、ジクロロメタン層を、エバポレーターを用いて溶媒を除去した後、濃縮した有機層をカラムクロマトグラフィー法にて精製した。その結果、固体の化合物(i)(46.0g、0.29mol、収率:91.0%)が得られた。
1Lのナスフラスコに化合物(i)を45.7g(0.28mol)、ジイソプロピルエチルアミンを54.9g(0.43mol)、化合物(j)を40.0g(0.29mol)、ヨウ化銅を5.0g(0.026mol)、THFを600ml加えた。50℃で13時間反応させ、さらにヨウ化銅を5.0g(0.026mol)追加して、5時間反応させた。反応終了後、ジクロロメタンと水で抽出し、ジクロロメタン層を、エバポレーターを用いて溶媒を除去した後、濃縮した有機層をカラムクロマトグラフィー法にて精製した。その結果、化合物(k)(31.0g、0.13mol、収率:45.0%)が得られた。
なお、化合物(j)は、化合物(l)から、反応式(F2−2)に示す反応経路を経て生成したものである。すなわち、1Lのナスフラスコに化合物(l)を75.0g(0.76mol)、無水酢酸を90.0g(0.88mol)、トリエチルアミンを100.0g(0.99mol)、ジクロロメタンを1L加え、40℃で24時間反応させた。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液と水で分液し、エバポレーターを用いて溶媒を除去した後、蒸留により精製した。その結果、固体の化合物(i)(46.0g、0.29mol、収率:91.0%)が得られた。
1Lのナスフラスコに、化合物(k)を30.0g(0.12mol)、パラジウム炭素を5gおよびTHFを500ml投入し、常圧で水素を添加して8時間反応させた。反応終了後、反応液をろ過してパラジウム炭素を取り除き、さらに、エバポレーターを用いて溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにて精製した。その結果、化合物(f)(25.0g、0.10mol、収率:82.0%)が得られた。
このようにして得られた化合物(f)を用い、置換基R2を有するクロロギ酸エステル(g)のR2を、表1に示すR2とした以外はNIR色素(A1−6)の場合と同様にして、NIR色素(A1−12)を製造した。
NIR色素(A1−12)の製造において、置換基R2を有するクロロギ酸エステル(g)のR2を表1に示すR2とした以外は同様にして、NIR色素(A1−13)を製造した。
NIR色素(A1−12)の製造において、化合物(j)に代えて、下記に示す化合物(j’)を用いた以外は同様にして、色素(A1−10)を製造した。
なお、化合物(j’)は、化合物(j)の製造において、出発物質として化合物(l)に代えて、化合物(l’)を用いた以外は同様にして製造したものである。
NIR色素(A1−10)の製造において、置換基R2を有するクロロギ酸エステル(g)のR2を表1に示すR2とした以外は同様にして、NIR色素(A1−11)を製造した。
(1)ジクロロメタン中におけるNIR色素の吸収特性
得られたNIR色素をジクロロメタン中に溶解し、紫外可視分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ社製、U−4100形)を用いて分光透過率曲線を測定し、最大吸収波長λmax、最大吸収波長における透過率を10%としたときの前記最大吸収波長より短波長側で透過率が80%となる波長λ80、最大吸収波長λmaxと波長λ80との差(λmax−λ80)、波長430〜550nmの光における最大吸光係数εA、波長670〜730nmの光における最大吸光係数εB、およびそれらの比(εB/εA)を算出した。結果を表3に示す。なお、以降の例における分光透過率曲線の測定には、いずれもU−4100形を用いた。
(例1−1〜例1−12)
得られたNIR色素のうち表4に示すNIR色素をそれぞれポリイミド樹脂(ネオプリム(登録商標)C3450)のシクロヘキサノン溶液と混合し、室温にて撹拌・溶解することで塗工液を得た。なお、例1−11では、用いたNIR色素(A2)が樹脂溶液に溶解せず、塗工液を調製できなかった。
得られた塗工液を、厚さ0.3mmのガラス(無アルカリガラス;旭硝子(株)製、商品名:AN100)基板上にスピンコート法により塗布し、加熱乾燥させ、厚さ0.9μm〜1.1μmの吸収層を形成し、透明基板と吸収層からなるNIRフィルタ(例1−1〜例1−10、例1−12)を得た。
得られたNIR色素のうち表5に示す色素をそれぞれ、ポリイミド樹脂(C3630)を混合溶媒(シクロヘキサノン+NMP)に溶解して調製したシクロヘキサノン溶液とNMP溶液と混合し、室温にて撹拌・溶解することで塗工液を得た。なお、例2−6では、用いたNIR色素(A2)が樹脂溶液に溶解せず、塗工液を調製できなかった。
得られた塗工液を、厚さ0.3mmのガラス(AN100)基板上にスピンコート法により塗布し、加熱乾燥させ、厚さ0.9〜1.2μmの吸収層を形成し、NIRフィルタ(例2−1〜例2−5、例2−7)を得た。
得られた色素のうち表6に示すNIR色素をそれぞれポリエーテルスルホン樹脂(スミカエクセル(登録商標)PES4800)のシクロヘキサノン溶液と混合し、室温にて撹拌・溶解することで塗工液を得た。なお、例3−9では、用いたNIR色素(A2)が樹脂溶液に溶解せず、塗工液を調製できなかった。
得られた塗工液を、厚さ0.3mmのガラス(AN100)基板上にスピンコート法により塗布し、加熱乾燥させ、厚さ0.9〜1.0μmの吸収層を形成し、NIRフィルタ(例3−1〜例3−8)を得た。
(例4−1〜例4−11)
得られたNIR色素のうち表7に示す色素をそれぞれポリエステル樹脂(OKP850)のシクロヘキサノン溶液と混合し、室温にて撹拌・溶解することで塗工液を得た。なお、例4−11では、用いたNIR色素(A2)が樹脂溶液に溶解せず、塗工液を調製できなかった。
得られた塗工液を、厚さ0.3mmのガラス(AN100)基板上にスピンコート法により塗布し、加熱乾燥させ、厚さ0.9〜1.0μmの吸収層を形成し、NIRフィルタ(例4−1〜例4−10)を得た。
なお、表4〜7に示した値は、NIRフィルタの分光透過率曲線から、ガラス基板の透過率等を減算した値である。具体的にはガラス基板の吸収、ガラス基板と吸収層界面、ガラス基板と空気界面の反射の影響を差し引いて、吸収層と空気界面での反射を計算した値となっている。
得られたNIR色素のうち実施例用色素について、樹脂溶液に対する溶解性を評価した。
溶解性試験では樹脂溶液として、ポリイミド樹脂(C3450)、ポリエーテルスルホン樹脂(スミカエクセル(登録商標)PES4800)およびポリエステル樹脂(OKP850)をそれぞれ混合溶媒(シクロヘキサノン:NMP=1:1)に溶解して調製した樹脂濃度12.5質量%の3種の溶液を用いた。結果を、用いた色素の種類とともに表8に示す。なお、溶解性試験における樹脂溶液の温度は50℃とし、その中にNIR色素を投入し、2時間攪拌して、溶解の有無を目視にて観察した。溶解性の評価基準は下記のとおりである。
A:溶解度9質量%以上
B:溶解度7質量%以上9質量%未満
C:溶解度5質量%以上7質量%未満
D:溶解度3質量%以上5質量%未満
E:溶解度1質量%以上3質量%未満
F:溶解度1質量%未満
(例5−1)
ポリイミド樹脂(C3450)を混合溶媒(シクロヘキサノン+NMP)に溶解して調製した溶液に、上記NIR吸収色素(A1−2)をポリイミド樹脂の質量に対して11質量%となる割合で添加し溶解させて、吸収層を形成するための塗工液を調製した。
この塗工液を、厚さ0.3mmのガラス(AN100)基板上にスピンコート法により塗布し、大気圧下、加熱して、厚さ約1.0μmの吸収層を形成した。
この後、吸収層の表面に、蒸着法により、TiO2膜とSiO2膜を交互に積層して反射防止層を形成し、光学フィルタを得た。
例5−2〜例5−10は、吸収層を形成するための塗工液に添加するNIR吸収色素類および/または樹脂の種類を表9に示すように変えた以外は、例5−1と同様にして光学フィルタを製造した。
作製した光学フィルタについて、(1)〜(3)の条件で、100マス(10mm×10mm)碁盤目テープ剥離試験を行い、100マス中、剥離が生じたマスの数を計数し、密着性を評価した(例5−6〜例5−10については、(1)および(2)の条件でのみ実施)。
条件(1):3.9N/cmのテープで剥離
条件(2):6.0N/cmのテープで剥離
条件(3):光学フィルタを30℃の水に10分間浸漬後、6.0N/cmのテープで剥離
結果を、表9に併せ示す。密着性の評価基準は下記のとおりである。
A:0個(剥がれなし)
B:1〜9個
C:10〜30個
D:31〜50個
E:51〜100個
(例6−1)
厚さ0.3mmのガラス(AN100)基板に蒸着法により、TiO2膜とSiO2膜を交互に積層して、誘電体多層膜52層からなる選択波長遮蔽層を形成した。選択波長遮蔽層の構成は、誘電体多層膜の積層数、TiO2膜の膜厚およびSiO2膜の膜厚をパラメータとしてシミュレーションし、入射角0°および30°の各分光透過率曲線において、(iii−1)および(iii−2)を満たすように、具体的には、本例では、波長420〜695nmの光の透過率が90%以上、波長704nm(後述する吸収層の波長650〜800nmの光における透過率が1%となる最大波長)〜1100nmの光における透過率が1%以下となるように求めたものである。図2に、上記設計をもとに作製した選択波長遮蔽層の分光透過率曲線(入射角0°および30°)を示す。
この後、吸収層の表面に、選択波長遮蔽層と同様、蒸着法により、TiO2膜とSiO2膜を交互に積層して反射防止層を形成し、光学フィルタを得た。
なお、反射防止層の構成もまた、誘電体多層膜の積層数、TiO2膜の膜厚およびSiO2膜の膜厚をパラメータとして、所望の光学特性を有するようにシミュレーションして決定した。
ポリイミド樹脂(C3450)に代えて、ポリイミド樹脂(C3630)を用いるとともに、該ポリイミド樹脂の質量に対してNIR色素(A1−6)を12.8%となる割合で添加した以外は、例6−1と同様にして、光学フィルタを製造した。
NIR吸収色素(A1−6)に代えてNIR色素(A3)を用いるとともに、該NIR色素(A3)をポリイミド樹脂の質量に対して10.1%となる割合で添加した以外は、例6−1と同様にして、光学フィルタを製造した。
ポリイミド樹脂(C3450)に代えて、ポリイミド樹脂(C3630)を用いるとともに、該ポリイミド樹脂の質量に対してNIR色素(A3)を8.8%となる割合で添加した以外は、例6−3と同様にして、光学フィルタを製造した。
作製した光学フィルタ(例6−1〜例6−4)について、分光透過率曲線(入射角0°および30°)を測定し、その測定結果から各光学特性を算出した。結果を、表10に示す。なお、表10中、平均透過率および最小透過率の値は、入射角0°の分光透過率曲線から算出した値である。
また、波長385〜430nmの透過率平均シフト量は、入射角0°の分光透過率曲線の波長385〜430nmの光の透過率と、入射角30°の分光透過率曲線の波長385〜430nmの光の透過率との差分の絶対値を平均した値である。
同様に、波長600〜700nmの透過率平均シフト量は、入射角0°の分光透過率曲線の波長600〜700nmの光の透過率と、入射角30°の分光透過率曲線の波長600〜700nmの光の透過率との差分の絶対値を平均した値である。
作製した光学フィルタ(例6−1〜例6−4)について、耐光性試験を行い、耐光性を評価した。
耐光性試験では、スーパーキセノンウエザーメータSX75(スガ試験機(株)製、製品名)を用いて、光学フィルタに対し下記の条件で光を照射した。
波長:300〜2450nm
温度:40℃
湿度:50%RT
積算光量:87.2kw・時間/m2
照射前後に、分光透過率曲線(入射角0°)を測定し、照射前後の波長500〜800nmの光における最大透過率を求め、次式よりその変動量を算出した。
最大透過率変動量[%]=(照射前の波長500〜800nmの光の最大透過率)−(照射後の波長500〜800nmの光の最大透過率)
結果を、表11に示す。
(例7−1)
ポリイミド樹脂(C3630)を混合溶媒(シクロヘキサノン+NMP)に溶解して調製した溶液に、NIR吸収色素(A1−6)、およびUV色素(M−2)を、ポリイミド樹脂の質量に対してそれぞれ4.3質量%および4.5質量%となる割合で添加し溶解させて、吸収層を形成するための塗工液を調製した。
この塗工液を、厚さ0.2mmの近赤外線吸収ガラス(NF−50TX)基板上にスピンコート法により塗布し、大気圧下、加熱して、厚さ約0.9μmの吸収層を形成した。
この後、吸収層の表面に、TiO2膜とSiO2膜を交互に積層して反射防止層を形成し、光学フィルタを得た。
例7−2〜例7−3は、それぞれ吸収層を形成するための塗工液に添加するNIR吸収色素類および/または樹脂の種類を表12に示すように変えた以外は、例7−1と同様にして光学フィルタを製造した。
作製した光学フィルタ(例7−1〜例7−3)について、分光透過率曲線(入射角0°および30°)を測定し、その測定結果から各光学特性を算出した。結果を、表12に示す。なお、表12中、平均透過率および最小透過率の値、ならびに波長385〜430nmの透過率平均シフト量および波長600〜700nmの透過率平均シフト量の定義は、表10におけるものと同様である。
条件(1):3.9N/cmのテープで剥離
条件(2):6.0N/cmのテープで剥離
条件(3):光学フィルタを30℃の水に10分間浸漬後、6.0N/cmのテープで剥離
Claims (18)
- 近赤外線吸収色素と透明樹脂とを含有する吸収層と、前記吸収層に接する無機または有機材料とを備える光学フィルタであって、
前記近赤外線吸収色素が、式(AI)で示されるスクアリリウム系色素を含むことを特徴とする光学フィルタ。
ただし、式(AI)中の記号は以下のとおりである。
Xは、独立して、1つ以上の水素原子が炭素数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基で置換されていてもよい式(1)または式(2)で示される2価の有機基である。
−(CH2)n1− …(1)
式(1)中、n1は2または3である。
−(CH2)n2−O−(CH2)n3 …(2)
式(2)中、n2とn3はそれぞれ独立して0〜2の整数であり、n2+n3は1または2である。
R1は、独立して、飽和環構造を含んでもよく、分岐を有してもよい炭素数1〜12の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素数3〜12の飽和環状炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数7〜13のアルアリール基を示す。
R2は、独立して、1つ以上の水素原子がハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、またはシアノ基で置換されていてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい炭素数1〜25の炭化水素基である。
R3およびR4は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。 - 前記式(AI)中、Xが、式(3)で示される2価の有機基である請求項1に記載の光学フィルタ。
−CR5 2−(CR6 2)n4− …(3)
ただし、式(3)は、左側がベンゼン環に結合し右側がNに結合する2価の基を示し、
n4は1または2であり、
R5は、それぞれ独立して、分岐を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基であり、
R6はそれぞれ独立して、水素原子または、分岐を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基である。 - 前記式(3)中、R5が、それぞれ独立して、分岐を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基であり、R6が、それぞれ独立して、水素原子、または分岐を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基またはアルコキシ基である請求項2に記載の光学フィルタ。
- 式(AI)中、Xが、式(11−1)〜式(12−3)で示される2価の有機基のいずれかである請求項1に記載の光学フィルタ。
−C(CH3)2−CH(CH3)− …(11−1)
−C(CH3)2−CH2− …(11−2)
−C(CH3)2−CH(C2H5)− …(11−3)
−C(CH3)2−CH2−CH2− …(12−1)
−C(CH3)2−CH2−CH(CH3)− …(12−2)
−C(CH3)2−CH(CH3)−CH2− …(12−3)
ただし、式(11−1)〜式(12−3)で示される基は、いずれも左側がベンゼン環に結合し右側がNに結合する。 - 前記式(AI)中、R2が、独立して、分岐を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基もしくはアルコキシ基である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
- 前記式(AI)で示されるスクアリリウム系色素は、ジクロロメタンに溶解して測定される吸収特性が(i−1)〜(i−3)を満たす請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
(i−1)波長400〜800nmの吸収スペクトルにおいて、波長670〜730nmに最大吸収波長λmaxを有する。
(i−2)波長430〜550nmの光の最大吸光係数εAと、波長690〜730nmの光の最大吸光係数εBとの間に、次の関係式が成り立つ。
εB/εA≧50
(i−3)分光透過率曲線において、前記最大吸収波長λmaxにおける透過率を10%としたときの前記最大吸収波長より短波長側で透過率が80%となる波長λ80と、前記最大吸収波長λmaxとの差が60nm以下である。 - 前記近赤外線吸収色素が、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルフォスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂およびポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む透明樹脂に溶解または分散されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
- 前記吸収層が、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基およびイソシアネート基からなる群より選択される少なくとも1種を有するシランカップリング剤を含む請求項1〜8のいずれか
1項に記載の光学フィルタ。 - 前記吸収層が、(ii−1)を満たす紫外線吸収色素を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
(ii−1)ジクロロメタンに溶解して測定される波長350〜800nmの吸収スペクトルにおいて、360〜415nmの波長領域に最大吸収波長を有する。 - 前記紫外線吸収色素が、式(M)で示される化合物である請求項10に記載の光学フィルタ。
式(M)中の記号は以下のとおりである。
Yは、Q6およびQ7で置換されたメチレン基または酸素原子(ここで、Q6およびQ7は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基)を示し、
Q1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基を示し、
Q2〜Q5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または、炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基を示し、
Zは、式(Z1)〜式(Z5)のいずれかで表される2価の基を示す。
(ここで、Q8およびQ9は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基、Q10〜Q19は、それぞれ独立して、水素原子、または置換基を有していてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基) - 前記吸収層が、透明基材または誘電体多層膜と接する請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
- 前記透明基材は、ガラスを含む請求項12に記載の光学フィルタ。
- 前記ガラスは、近赤外線吸収ガラスである請求項13に記載の光学フィルタ。
- (iii−1)および(iii−2)を満たす選択波長遮蔽層を有する請求項1〜14のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
(iii−1)入射角0°および30°の各分光透過率曲線において、波長420〜695nmの光の透過率が90%以上である。
(iii−2)入射角0°および30°の各分光透過率曲線において、波長λbnm〜1100nmの光の透過率が1%以下である(ここで、λbは、前記吸収層の波長650〜800nmの光の透過率が1%となる最大波長である)。 - (iv−1)を満たす分光特性を有する請求項1〜14のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
(iv−1)入射角0°の分光透過率曲線において、波長430〜550nmの光の平均透過率が90%以上であり、かつ波長430〜550nmの光の最小透過率が75%以上である。 - 前記分光特性は、(iv−2)〜(iv−6)のいずれかをさらに満たす請求項16に記載の光学フィルタ。
(iv−2)入射角0°の分光透過率曲線において、波長600〜700nmの光の平均透過率が25%以上である。
(iv−3)入射角0°の分光透過率曲線において、波長350〜395nmの光の平均透過率が2%以下である。
(iv−4)入射角0°の分光透過率曲線において、波長710〜1100nmの光の平均透過率が2%以下である。
(iv−5)入射角0°の分光透過率曲線の波長385〜430nmの光の透過率と、入射角30°の分光透過率曲線における波長385〜430nmの光の透過率との差分の絶対値の平均値が7%/nm以下である。
(iv−6)入射角0°の分光透過率曲線の波長600〜700nmの光の透過率と、入射角30°の分光透過率曲線における波長600〜700nmの光の透過率との差分の絶対値の平均値が7%/nm以下である。 - 固体撮像素子と、請求項1〜17のいずれか1項に記載の光学フィルタを備えたことを特徴とする撮像装置。
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