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JP6727564B2 - 真空容器用の撮像装置 - Google Patents
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JP6727564B2 - 真空容器用の撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は真空容器用の撮像装置に関し,より詳細には,高真空,超高真空に減圧された真空容器の内部で撮影を行うことができるように構成した撮像装置に関する。
半導体製造に際し行われる基板に対する成膜等のように,不純物の混入や不純物との反応(例えば酸化)等を排除した状態で行うことが要求される作業や処理は,通常,内部を真空とした真空容器内において行われる。
このような真空容器には,大気側から真空容器内部を観察できるようにするための覗き窓を設けるのが一般的であり,この覗き窓を介して,真空容器内で処理対象物に対して行われている処理の様子や変化の状態を観察し,あるいは撮影等することができるようになっている。
しかし,このような覗き窓を介して行われる観察や撮影では,窓枠によって視界が制限されるために真空容器内を広範囲に観察することができず,また,処理対象物を真空容器外より観察することとなるために,処理対象物に近付いて接写等することができない等の,多くの制約を伴うものとなっている。
そのため,真空容器内部の,より接近した位置で処理対象物を観察することができるようにするために,真空容器内に配置した撮像装置によって処理対象物を撮影することも提案もされている。
このような撮像装置として,後掲の特許文献1には,CCDカメラ等の光学系の構成部品から成る撮像機構110を密閉容器104内に封入した状態で真空容器103中に配置すると共に,撮像機構110によって撮影された画像を表示する表示装置116や記録回路部115を,真空容器103外に設けた撮像装置100が記載されている。
特開平9−93474号公報
以上のように構成された特許文献1に記載の撮像装置100では,CCDカメラ等の撮像機構110を密閉容器104内に封入した状態で真空容器103内に導入すると共に,表示装置116や記録回路部115を真空容器103外に設ける構成としたことで,真空容器103内に外部から大気が入り込むことを防止しつつ,CCDカメラ等の撮像機構110を真空容器103内に配置して,処理対象物102を,より接近した位置から撮影できるようにしている。
しかし,特許文献1に記載の撮像装置100は,比較的低真空度の真空容器103内においては使用できたとしても,高真空,あるいは超高真空の真空容器103内において使用できるものとはなっていない。
すなわち,真空容器内の真空度は,より不純物の少ない,清浄な空間が必要とされる程,真空度を高めてより高真空度の空間が生成され,従って,真空容器内に対する汚染源の導入はより厳格に規制されることとなる一方,真空容器内の真空度が高くなるに従い,大気圧下,あるいは低真空度の空間では汚染源とはならなかったものが,汚染源となる。
ここで,特許文献1に記載の撮像装置100を見ると,真空容器103内に配置された密閉容器104内に収容された撮像機構110やセンサ類と,真空容器103外に設けた表示装置116や記録回路部115を繋ぐリード線125は,その一部が真空容器103内に直接配置されているが,リード線125の表面を被覆するビニール等の樹脂系材料は,その表面及び内部に水分やガス源となる高分子を含んでおり,これを高真空あるいは超高真空の空間内に配置すると,これらの水分や分子が真空空間内に放出されて空間を汚染する。
また,CCDカメラ等の撮像機構110を収容している密閉容器104についても,それ自体が樹脂製である場合,又は,塗装等の樹脂コーティングがされている場合にはリード線125と同様の問題があり,また,密閉容器104を金属製とした場合であっても,高真空,超高真空の空間内に配置した場合には,表面の残留ガス等が真空空間内に放出されて汚染源となり得る。
そのため,このような撮像装置100を,高真空あるいは超高真空とされる真空容器内部の撮影にも適用可能とするためには,撮像機構110を収容する密閉容器104が気密に構成されているというだけでは駄目で,密閉容器104自体が,汚染源とならない表面構造を備えている必要がある。
また,前述した特許文献1に記載の撮像装置100では,真空容器103内で密閉容器104を進退移動させることができるように構成されており,これにより,処理対象物102に対する接近及び離間を行うことができるように構成されているが,この構成によっては処理対象物102の一方向しか撮影することができず,撮影する方向を変更することができるようにはなっていないために撮影条件が制約される。
このような問題を解消するためには,密閉容器104を,進退移動の他にも上下左右方向に移動可能とするための構成,及び,移動前後のいずれの位置においても密閉容器104をその位置で動かないように保持する構成が必要となるが,前掲の特許文献1には,このような構成は開示も示唆もされていない。
更に,前掲の特許文献1に記載の撮像装置100では,真空容器103内で行われる処理が成膜等の処理である場合,CCDカメラ等に設けられているレンズ111に蒸着物が付着して汚染されると撮影を行うことができなくなるという問題があると共に,耐熱性等の点でも十分なものとはなっていない。
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するためになされたもので,本発明の第1の目的は,真空容器内に外部の大気が導入されることを防止しつつ撮像装置の少なくとも一部を挿入することができるようにして真空容器内の撮影を可能と成すと共に,高真空,又は超高真空の真空容器内に配置した場合であっても,不純物ガスの発生源とならず,従って,真空容器内の清浄性を維持することのできる,真空容器用の撮像装置を提供することを目的とする。
また,本発明の別の目的は,上記の目的と共に,処理対象物に対する観察方向を可変とすること,観察方向を変更した状態で姿勢を維持できるようにすること,前記観察方向の変更を真空容器外からの操作で行うことができるようにすること,レンズなどの汚染によって撮影不能となることを防止できるようにすること,耐熱性を向上させること,の何れか1つ以上,好ましくは全てを実現し得る,真空容器用の撮像装置を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするために記載したものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明の真空装置用の撮像装置10は,
撮像素子を備えた撮像機構30と,前記撮像機構30の少なくとも一部を収容する,真空容器50内に配置されるケーシング20を備えた,真空容器50内での撮影に使用する撮像装置10において,
前記ケーシング20が,一端20a側に形成された窓28と,前記窓28を封止する,ガラス,サファイヤ等の透光性材料から成る封止体29,前記窓28の内側に形成された収容空間23,及び他端20b側に設けられたフランジ24を備え,
前記ケーシング20の前記一端20a側(窓28の形成側)を真空容器50内に向けて,前記真空容器50外から該真空容器50の壁面51に形成した開口52内に挿入すると共に,前記真空容器50の外側において前記フランジ24により,該フランジ24を前記開口52に取り付けた固定用フランジ54に取り付ける等して前記開口52を密閉することにより,前記真空容器50の気密性を維持しつつ,前記ケーシング20を前記真空容器50内に配置可能に構成し,
前記撮像機構30が,受けた光を透過させて前記撮像素子に向けて出射する導光部材(実施形態においてカメラモジュール31のレンズ32,ファイバースコープ33)を備え,該導光部材32,33の受光部(レンズ32の受光面,ファイバースコープ33の先端部33a)を,前記封止体29に対向させて前記収容空間23内に収容することで,前記真空容器50内を撮影可能に構成されており,
前記ケーシング20がステンレス製であり,表面粗さがRaで0.4〜0.8μmとなる迄研磨した外面を,電解研磨処理と,300℃以上の加熱を伴う真空脱ガス処理によって,スループット法によるガス放出率測定における室温排気10時間後のガス放出率が2×10-7(Pa・m3/s m2)以下かつ,120℃の温度で6時間ベーキングした後のガス放出率が検出感度以下である1×10-9(Pa・m3/s m2)以下に形成されていることを特徴とする(請求項1)。
前記撮像機構30は,これをCCDカメラモジュールやCMOSカメラモジュールなどのカメラモジュール31によって構成することができ,この場合,該カメラモジュール31に設けられたレンズ32の受光面を,前記撮像機構30の前記導光部材の前記受光部として前記封止体29に対向させて,前記カメラモジュール31を前記収容空間23内に収容する構成を採用することができる(請求項2:図2参照)。
なお,本発明において「カメラモジュール」とは,CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の撮像素子と,この撮像素子による撮像に必要な構成要素をモジュール化したもので,撮像素子と共にモジュール化される構成要素の例としては,一例として撮像素子の前面に配置されるレンズ,撮像素子の出力信号をデジタル信号に変換するAD変換器,撮像素子がCCDイメージセンサである場合に垂直シフトレジスタを駆動するドライバ,撮像素子の駆動タイミングや各種信号処理用のタイミングパルスを発生させるパルスジェネレータ,画像処理用LSI等を挙げることができるが,カメラモジュールは,ここに挙げた構成要素の全てを備える必要はなく,また,ここに挙げていない構成要素を含むものであっても良い。
以上のように,ケーシング20内の収容空間23内に撮像機構30としてカメラモジュール31を配置した構成では,前記カメラモジュール31で生成された画像データを無線出力可能な無線機(図示せず)と,前記カメラモジュール31及び前記無線機を駆動するための駆動用バッテリー(図示せず)を前記ケーシング20の前記収容空間23内に収容するものとしても良い(請求項3)。
又は,この構成に代えて,前記カメラモジュール31で生成された画像データを出力可能であると共に,前記カメラモジュール31に駆動用電力を供給可能なUSBケーブル34の一端を前記カメラモジュール31に接続し,該USBケーブル34の他端を,前記ケーシング20の前記他端20bより前記ケーシング20外に延設する構成を採用するものとしても良い(請求項4:図2〜図4参照)。
更に,前述したようにケーシング20の収容空間23内にカメラモジュール31を収容する構成に代えて,前記撮像機構30の前記導光部材としてファイバースコープ33を設け,
このファイバースコープ33の先端部33aを前記受光部として前記封止体29に対向させて前記ケーシング20内の前記収容空間23に配置すると共に,該ファイバースコープ33の他端を,前記ケーシング20の前記他端20bよりケーシング20外に延設して,前記ケーシング20外に配置された撮像素子(図示の例では撮像素子を内蔵したカメラモジュール31)の前面に配置する構成を採用するものとしても良い(請求項5:図5参照)。
前述のケーシング20は,前記フランジ24側に形成されたネック部21と,前記ネック部21の先端側に設けられたヘッド部22を備え,
前記ヘッド部22内に前記収容空間23を形成すると共に,前記ネック部21をフレキシブルチューブによって形成するものとしても良い(請求項6:図2〜図4,図6参照)。
更に,ネック部21をフレキシブルチューブによって構成した場合には,前記真空容器50外に設けられる操作ノブ61と,一端が前記ヘッド部22に連結され,他端が前記操作ノブ61に連結された連結部材62を備え,前記操作ノブ61の操作によって前記ヘッド部22を揺動させる揺動機構60を撮像装置10の構成に含めるものとしても良い(請求項7:図6参照)。
前記揺動機構60の前記連結部材62は,これを連結杆によって構成することができるが,この構成に代えてワイヤを連結部材62としても良い(請求項8)。
更に,前述の揺動機構60を,市販等されているウォーブルスティックによって形成しても良い(請求項9)。
前記ケーシング20の前記一端20aには,着脱可能に取り付けたアタッチメント40を設け,前記アタッチメント40によって前記封止体29の前方に着脱可能に取り付けられる,ガラスやサファイヤ等の透光性材料から成る防着保護体41を設けるものとしても良い〔請求項10:図8(A)参照〕。
また,前記ケーシング20の外周には,各ケーシングを包囲するステンレスや金等の金属製のカバーを熱遮断層として設けることもできる(請求項11)。
前述の防着保護体41を設ける場合,これを鉛ガラスによって構成し,防着保護体41にX線フィルタの機能を持たせるものとしても良い。
前述したように,収容空間23内にカメラモジュール31を設けた構成では,カメラモジュール31を冷却する冷却構造70を設けることが好ましい(請求項12:図3及び図4参照)。
このような冷却構造70は,前記収容空間23内で前記カメラモジュール31を覆う冷却ブロック71と,前記冷却ブロック71に設けられた冷媒流路の入口に連通された冷媒導入管72と,前記冷媒流路の出口に連通された冷媒排出管73により構成し,前記冷媒導入管72と前記冷媒排出管73を,前記ケーシング20の前記他端20bより前記真空容器50外に延設した構成とすることができる(請求項13:図3参照)。
また,上記構成に代え,前記冷却構造70として,前記収容空間23内で前記カメラモジュール31に向かって一端を開口し,他端を前記ケーシング20の前記他端20bより前記真空容器50外に延設した冷媒ガス導入管75と,前記ケーシング20の前記他端20bに設けられ,該ケーシング20内の気体を前記真空容器50外に放気する放気孔76を設けるものとしても良い(請求項14:図4参照)。
以上で説明した本発明の構成により,本発明の真空容器用の撮像装置10によれば,以下の顕著な効果を得ることができた。
撮像装置10のケーシング20をステンレス,銅,アルミ等の金属製とし,且つ,電解研磨処理によってケーシングの表面を平滑にして表面積を減少させ,且つ,汚れや酸化膜等を除去して地肌を露出させたことにより,また,真空脱ガス処理によって吸着ガス分子や材料内のガス(ヘリウム,水素等)を放出させたことにより,スループット法によるガス放出率測定における室温排気10時間後のガス放出率が2×10-7(Pa・m3/s m2)以下,又は,120℃の温度で6時間ベーキングした後のガス放出率が1×10-9(Pa・m3/s m2)以下という極めて低いガス放出率となるよう処理したことで,真空度の低い真空容器内での撮影は勿論のこと,高真空,超高真空の空間内に配置して撮影を行った場合であっても,真空空間中に不純物ガスを放出することがなく,従来使用できなかった高真空,超高真空の真空容器内においても使用可能な撮像装置10を提供することができた。
この撮像装置10において,CCDカメラモジュールやCMOSカメラモジュール等のカメラモジュール31に設けたレンズ32を撮像素子に対する導光部材とし,このレンズ32の受光面を封止体29に対向させた状態でカメラモジュール31を収容空間23内に収容した構成では,カメラモジュール31によって真空容器50内を直接撮影することができ,高解像度で撮影を行うことができると共に,デジタルズームやオートフォーカス等の画像処理が容易である。
一方,撮像素子に対する導光部材として,ファイバースコープ33を設けた構成では,このファイバースコープ33の先端部33aを封止体29に対向させてケーシング20内の収容空間23に配置すると共に,ケーシング20外に延設したファイバースコープ33の他端を,撮像素子(カメラモジュール31)に対向配置した構成では,ファイバースコープ33を介して観察された画像を撮影することとなるために,画像の解像度が低下する場合があるものの,使用温度域の制約があるカメラモジュール31を真空容器50外に配置できることから,カメラモジュール31をケーシング20内,従って真空容器50内に配置する場合に比較して,より高温又は低温の真空容器50内であっても撮影することが可能となった。
また,前述したようにケーシング20内に,CCDカメラモジュールやCMOSカメラモジュール等のカメラモジュール31を収容した構成では,前記カメラモジュール31が生成した画像データを無線出力する無線機(図示せず)と,前記カメラモジュール31と前記無線機の駆動用バッテリー(図示せず)を前記ケーシング20の収容空間23内に収容することで,ケーシング20の内外に延設する配線を設ける必要がなくなると共に,カメラモジュール31や近距離通信(例えば「Bluetooth」(登録商標)等)用の無線機は,バッテリー駆動によっても比較的長時間運転することができるため,真空容器50内を長時間に亘って観察することも可能である。
また,カメラモジュール31によって生成された画像データの出力と,カメラモジュール31に対する電力供給をケーブルによって行う場合,このケーブルとしてUSBケーブル34を採用する場合には,ケーシング20の他端から真空容器50外に延設されたUSBケーブル34を図示せざるパーソナルコンピュータに接続することで,パーソナルコンピュータをカメラモジュール31によって撮影された画像の表示手段や記録手段として使用することができると共に,別途電源を設けることなく,パーソナルコンピュータをカメラモジュール31の電源として利用可能である。
前述のケーシング20を,フランジ24側に設けられたネック部21と,ネック部21の先端側に設けられたヘッド部22を備えた構成とし,前記ヘッド部22内に前記収容空間23を形成すると共に,前記ネック部21をフレキシブルチューブによって形成した構成では,フレキシブルチューブによって構成されたネック部21を変形させることでヘッド部22の位置及び向きを自在に変更可能であると共に,フレキシブルチューブ製のネック部21は保形性を有することから,変更前後の位置において,ヘッド部22の姿勢を保持可能である。
この場合,真空容器50外に設けられる操作ノブ61と,この操作ノブ61と前記ヘッド部22とを連結する連結部材62を備えた揺動機構60を設けることにより,前記操作ノブ61の操作によって,真空容器50外から前記ヘッド部22の向きや位置を変更することが可能となった。
このような揺動機構60の連結部材62は,これをワイヤや連結杆等を設けることによって構成するものとしても良いが,市販のウォーブルスティックを揺動機構60とすることで,揺動機構60を比較的簡単に設けることができた。
前記ケーシング20の前記一端20aに着脱可能に取り付けたアタッチメント40を設け,前記アタッチメント40によって前記封止体29の前方に防着保護体41を着脱可能に取り付けた構成では,防着保護体に蒸着物を付着させることで封止体29の防汚を図ることができる一方,防着保護体41が汚染された場合にはアタッチメント40の着脱によって容易に交換可能である。
更に,前記ケーシング20に熱遮断層を設けた構成では,真空容器50内の温度が高温又は低温となっている場合であっても,ケーシング20内に収容されている機器を熱から保護することができた。
前記収容空間23内に収容されたカメラモジュール31を冷却する冷却構造70を備えた撮像装置では,ベーキングの際等に受ける熱からカメラモジュールを好適に保護することができ,本発明の撮像装置をより高温の環境下で使用することができた。
本発明の撮像装置の(A)は左側面図,(B)は正面図,(C)は右側面図。 図1(B)のII−II線断面図。 冷却構造を備えた本発明の別の撮像装置の(A)は左側面図,(B)は一端側の正面断面図,(C)は冷却構造を除去した状態の正面断面図,(D)は右側面図。 別の冷却構造を備えた本発明の撮像装置の(A)は左側面図,(B)は正面断面図,(C)は右側面図。 本発明の別の撮像装置の部分断面正面図。 揺動機構を備えた本発明の撮像装置の正面図。 窓の形成位置の変更例を示す本発明の撮像装置の正面図。 ケーシング(ヘッド部)先端の拡大断面図であり(A)はOリングを使用した封止例,(B)はメタルシールを使用した封止例を示す。 ガス放出率の測定に使用する測定装置の説明図。 ガス放出率の測定結果のグラフ。 従来の撮像装置の説明図(特許文献1の図1に対応)。
図1及び図2に,本発明の撮像装置10の一実施形態を示す。
この撮像装置10は,CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子(図示せず)を備え,この撮像素子の光電変換作用によって,光(像)を電気信号である画像データに変換して出力する撮像機構30と,この撮像機構30に設けられた導光部材(受けた光を透過させて前記撮像素子に出射する部材)のうち,少なくとも光を受ける部分である受光部を,真空容器50内を真空に維持しつつ,真空容器50内に挿入配置するためのケーシング20を備えている。
このケーシング20は,一端20a側にガラスやサファイヤ等の透光性材料(本実施形態ではガラス)によって形成された封止体29で封止された窓28を備え,この窓28の内側に収容空間23が形成されていると共に,他端20b側には長手方向に対し直交方向に突設されたフランジ24を備えている。
そして,ケーシング20の一端20a側(窓28の形成側)を内向きにして,真空容器50外から,真空容器50内に,真空容器50の壁面51に形成した開口52(図2参照)を介してケーシング20を挿入すると共に,前記開口52に取り付けた固定用フランジ54にフランジ24を取り付けて前記開口52を密閉することにより,真空容器50の気密性を維持したまま,ケーシング20を真空容器50内に配置することができるように構成されている。
図1及び図2に示す実施形態では,前述の撮像機構30を,CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子と,この撮像素子による撮像に必要な構成要素,一例として撮像素子の前面に配置されるレンズ,撮像素子の出力信号をデジタル信号に変換するAD変換器等をモジュール化したカメラモジュール31によって構成し,このカメラモジュール31に設けられているレンズ32を,窓28を封止する封止体29に対向させた状態で,カメラモジュール31を収容空間23内に収容することで,真空容器50内の撮影を可能としている。
従って,図1及び図2に示す構成では,カメラモジュール31に設けたレンズ32が,受けた光を透過させて撮像素子に出射する,撮像機構30の導光部材を成すと共に,このレンズ32の受光面が前述した導光部材の受光部となる。
この撮像機構30は,図1及び図2に示す構成に代えて,図5に示すように,カメラモジュール31の他に,カメラモジュール31の前方に導光部材としてファイバースコープ33を備えるものとして構成しても良く,このファイバースコープ33の先端部33aを前述した導光部材の受光部としてケーシング20内に形成された収容空間23内に,封止体29に対向して配置すると共に,ケーシング20の他端20b側(フランジ24の形成側)よりファイバースコープ33の他端をケーシング20外に延設し,このファイバースコープ33の他端に対向してカメラモジュール31を配置するものとしても良い。
図1及び図2を参照して説明したように,ケーシング20内にカメラモジュール31を収容した構成では,高解像度の撮影が可能なカメラモジュール31をケーシング20内に収容することで,真空容器50内を鮮明に撮影することができると共に,デジタルズームやオートフォーカス等の機能を付加することが容易である一方,カメラモジュール31の使用可能温度は一例として−5℃〜50℃程度であることから,この構成では高温又は低温の真空容器内の撮影には限界がある。
一方,図5に示すように,撮像機構30としてカメラモジュール31の他に導光部材としてのファイバースコープ33を設けた構成では,カメラモジュール31によって撮影される画像はファイバースコープ33を通して観察された画像となるために,撮影される画像の解像度等が低下する場合があるが,この構成では,使用温度域に制限があるカメラモジュール31を真空容器50外に配置することが可能となることで,より高温あるいは低温の真空容器50内であってもカメラモジュール31を破損させることなく撮影することが可能となる。
なお,前述したように使用温度域に制限があるカメラモジュール31をケーシング20の収容空間23内に収容した構成では,後述するベーキングの際等に加えられる熱からカメラモジュール31を保護するために,撮像装置10にカメラモジュール31を冷却するための冷却構造70を設けるものとしても良い。
このような冷却構造70を備えた撮像装置10の構成例を図3及び図4に示す。
図3に示す撮像装置10は,前述した冷却構造70として,銅やアルミ等の伝熱性の良い金属で形成され,内部に冷媒の流路が形成された冷却ブロック71と,この冷却ブロック71に設けた冷媒の入口に連通する冷媒導入管72と,冷却ブロック71に設けた冷媒の出口に連通する冷媒排出管73を備えている。
そして,前述した冷却ブロック71を,ケーシング20の収容空間23内に収容し,この冷却ブロック71で収容空間23内に収容されているカメラモジュール31や撮影用ライト36の先端部外周を覆うと共に,冷却ブロック71に対する冷媒の導入・排出を行う前述の冷媒導入管72及び冷媒排出管73を,ケーシング20の他端20bよりケーシング20外,従って,真空容器50外に延設させている。
このように構成された冷却構造70を備えることで,図3に示した撮像装置10では,真空容器50外より前記冷媒導入管72を介して冷却ブロック71に冷却水等の冷媒を導入すると共に,冷却ブロック71内を通過した冷媒を,冷媒排出管73を介して排出することで,ベーキング時における熱からカメラモジュール31や撮影用ライト36を保護することができ,熱による故障の発生等を好適に防止することができる。
このようにして冷却されるカメラモジュール31には,このカメラモジュール31の温度を検知する,例えばK型熱電対等の温度検知手段74を該カメラモジュール31に接触させて配置しておき,この温度検知手段74の検知信号を真空容器50外で受信できるようにすることで,カメラモジュール31の温度をモニタリングできるようにしている。
なお,図3を参照して説明した撮像装置10では,水冷式の冷却機構によってカメラモジュール31の冷却を行う構成について説明したが,カメラモジュール31の冷却は,水冷による冷却に限定されず,その他の冷媒によって冷却するものであっても良い。
図4に,カメラモジュール31に対しエアーを吹き付けることにより冷却する,空冷式の冷却構造70を備えた撮像装置10の構成例を示す。
図4に示す撮像装置10は,ケーシング20の収容空間23内に収容されたカメラモジュール31に向かって開口する冷媒ガス導入管75を備え,この冷媒ガス導入管75を,ケーシング20の他端20bを介してケーシング20外,従って,真空容器50外に延設させている。
また,ケーシング20の他端20bには放気孔76が設けられており,前述した冷媒ガス導入管75によってケーシング20内に導入された冷媒ガスが,ケーシング20内部を冷却した後,この放気孔76を介して大気放出されるように構成されている。
このように構成することで,図4に記載の撮像装置10では,冷媒ガス導入管75を介して比較的低温の冷媒ガス,例えば乾燥エアーをケーシング20内に導入してカメラモジュール31に吹き付けると共に,ケーシング20内に導入された冷媒ガスを,ケーシング20の他端20bに設けた放気孔76を介してケーシング20外(真空容器50外)に大気放出させることで,収容空間23内に収容されたカメラモジュール31や撮影用ライト(図示せず)等を冷却して,熱から保護することができる。
また,図4に示す構成においても,カメラモジュール31の温度を測定する熱電対等の温度検知手段74を設け,カメラモジュール31の温度を真空容器外よりモニタリングできるように構成するものとしても良い。
なお,前述した冷却構造70は,本発明の撮像装置10を低温環境で使用する場合,カメラユニット31や撮影用ライト36を,これらの機器の作動温度域まで加温するために使用することもできる。
なお,図1〜4に示したように,ケーシング20内に形成した収容空間23内にカメラモジュール31を収容した構成では,図2〜図4に示すように,このカメラモジュール31に対する電力の供給や,カメラモジュール31の撮像素子による光電変換によって電気信号に変換された画像データの出力等を行うためのケーブル34を,収容空間23に連続してケーシング20内に形成された中空空間25を介してケーシング20の他端20b側より外部に延設するものとしても良い。
図示の実施形態にあっては,このようなケーブル34としてUSBケーブルを採用しており,ケーシング20外に延設されたUSBケーブル34の端部を,予め所定のソフトウェアをインストールしておいたパーソナルコンピュータ(図示せず)に接続することで,このパーソナルコンピュータを,本発明の撮像装置10によって撮影した画像の表示装置や記録装置として使用することができると共に,パーソナルコンピュータをカメラモジュール31に対する電源とすることができ,別途電源を確保する必要がない。
なお,図1〜図4に示したように,USBケーブル34を使用した有線接続に代え,図示は省略するが,ケーシング20内に形成した収容空間23内に,カメラモジュール31と共に,例えば「Bluetooth」等の無線通信ユニット(図示せず)と,カメラモジュール31や前記無線通信ユニット(図示せず)の駆動するためのバッテリー(図示せず)を収容して,前述したUSBケーブル34を設けない構成としても良い。
このように,ケーシング20内に形成した収容空間23内に収容したバッテリーによりカメラモジュール31や無線通信ユニットを駆動する構成とした場合であっても,カメラモジュール31として例えば携帯電話機等で使用されているCMOSカメラモジュール等を採用すると共に,前述した「Bluetooth」等の近距離通信用の無線通信ユニットを採用することで,バッテリーによる駆動を行った場合であっても比較的長時間に亘って駆動することが可能であり,真空容器50内を長時間モニターすることが可能である。
前述のケーシング20は,撮影する向きを可変とすることを要しない用途では,図5に示すように,フランジ24の形成部分を除き,全体を略一定径とした円筒状の構成を採用するものとしても良いが,好ましくは図1〜図4に示すように,撮影方向を可変とした構成とすることが好ましい。
図1〜図4に示す実施形態では,撮影方向を可変とするために,ケーシング20を,フランジ24の形成側に形成したネック部21と,このネック部21の先端側に形成されたヘッド部22に分け,このうちのネック部21を,ステンレス製のフレキシブルチューブによって形成している。
この構成により,ネック部21を適宜任意に変形させることでヘッド部22の向きを変更させることができると共に,金属製のフレキシブルチューブが有する保形性によって,変形後の姿勢を維持させることで,ヘッド部22に,変更後の向きを維持させることが可能となる。
なお,図1及び図2に示す構成では,前述のネック部21を,ヘッド部22に比較して細径に形成した構成としているが,ヘッド部22の重量が重い等,細径のフレキシブルチューブでネック部21を形成した場合にはヘッド部22の重みによって経時と共に姿勢が変化してしまう等,姿勢の保持が困難な場合には,図3及び図6に示すように,ネック部21に使用するフレキシブルチューブの径をヘッド部22と同程度に拡大しても良く,更には,ネック部21を,大径のフレキシブルチューブ内に細径のフレキシブルチューブを挿入した二重管構造として,保形力を増大させる等しても良い。
なお,図1〜図4に示した実施形態にあっては,ケーシング20の一端20aに,ケーシング20の長手方向に向かって開口する窓28を設ける構成を採用しているが,この窓28は,例えば図7に示すように,ケーシング20の長手方向と直交方向に開口させても良く,用途等に応じて窓28の形成位置は適宜変更可能である。
この窓28を封止する封止体29は,ケーシング20内に形成された収容空間23と真空容器50内の空間を連通させることなく,真空容器50の密閉性を維持することができる方法で取り付ける。
このような方法として,図1及び図2に示す実施形態にあっては,図8(A)に示すように,窓28を封止する封止体29と,この封止体29の前面に配置して前記封止体29が蒸着等によって汚れることを防止するための,ガラスやサファイヤ等の透光性材料(本実施形態ではガラス)によって形成された防着保護体41を,ケーシング20の一端部に取り付けたアタッチメント40とその内部に収容された封止体固定リング43によって着脱可能に取り付ける構成を採用し,封止体29によって窓28を封止するだけでなく,防着保護体41によって封止体29の保護及び防汚を図ることができるようにしている。
なお,封止体29と防着保護体41のいずれか一方,又は双方は,これを鉛ガラスによって構成するものとしても良く,このように構成することで,真空容器内で行われるX線検査等の様子を撮影した場合であっても,鉛ガラスがX線フィルタの役目をすることで,X線が固体撮像素子に入射することにより生じ得るノイズの発生や撮像素子の損傷を防止することができる。
封止体29による窓28の封止を可能とするために,図8(A)に示す実施形態では,窓28の開孔縁28a外周より前方に突出する円筒部28bを設け,この円筒部28b内にOリング42及び封止体29を挿入した後,円筒部28bの内周に形成された雌ネジに,封止体固定リング43の外周に形成された雄ネジを螺合させて封止体固定リング43を円筒部28b内に固定することで,窓28を封止体29によって封止できるように構成している。
また,前述のアタッチメント40を,図8(A)に示すように全体として円筒状に形成すると共に,一端側において内周側に突出したフランジ40aに防着保護体41が取り付けられており,このアタッチメント40内にケーシング20のヘッド部22を挿入すると共に,ヘッド部22の外周に形成された雄ネジ26と,アタッチメント40内周に形成された雌ネジと螺合させることで,ヘッド部22の一端側にアタッチメント40を着脱可能に取り付けることができるように構成されていると共に,アタッチメント40の装着によって,封止体29の前方が防着保護体41によって覆うことができるように構成されている。
このように構成することで,窓28を封止する封止体29に対する蒸着を防着保護体41によって抑制することができる一方,蒸着等によって汚染された防着保護体41はアタッチメント40の着脱によって容易に交換可能となっているため,蒸着に伴って真空容器50内の撮影ができなくなることを好適に防止することができる。
なお,封止体29と窓28の開口縁28a間に挟持される前述のOリング42は,高真空,超高真空の空間に配置された場合であっても不純物ガスの発生源とならないよう,予め脱ガス処理を施したものを使用することができる。
封止体29による窓28の封止は,前述したOリングを介した封止に比較して不純物ガスの発生源となり難い,金属によるロウ付けや低融点ガラス(融点約400〜500℃)の溶着による封止を行うものとしても良い。
また,図3に示す実施形態では,窓28を封止する方法として,図8(B)に示す構成を採用する。
この図8(B)に示す構成では,ビューイングポート付きフランジ(ICFフランジ)45のビューイングポートを前述の窓28とし,このビューイングポート28に,予め金属によるロウ付けや低融点ガラス等の溶着,または真空中で接合部分の表面を活性化させた後に重ね合わせることにより行う表面活性化接合や,接合面部の表面になどの微結晶構造を有する軟質金属(例としてAuやAl)の薄膜を成膜後,重ね合わせることにより行う原子拡散接合などの常温接合によって,ガラスやサファイア等から成る封止体29を封止している。
このようにして封止体29が取り付けられたビューイングポート付のフランジ45は,メタルガスケットやヘリコフレックス等のメタルシール48を介して,ケーシング20のヘッド部22に真空用ボルト46,真空用ワッシャ47を使用して取り付けることで,図8(A)を参照して説明したOリング42による封止に比較して,気密性を高めることができると共に,シール部分からの不純物ガスの発生を低減することができ,より高真空の空間での使用に耐え得るものとすることができる。
図1〜図4を参照して説明した撮像装置10のように,ケーシング20のネック部21をフレキシブルチューブによって形成してヘッド部22の向きを可変とした構成では,真空容器50外よりこのヘッド部22を揺動させてその向きを変更することができる揺動機構60を更に設けるものとしても良い(図6参照)。
この揺動機構60は,真空容器50外に設けた操作ノブ61と,この操作ノブ61と前記ヘッド部22間を連結するワイヤや連結杆等の連結部材62によって構成されており,真空容器50外で操作ノブ61を操作することで,この操作ノブ61の操作に応じてケーシング20のヘッド部22の姿勢を変化させることができるように構成されている。
なお,このような揺動機構60は,図6に示すように市販のウォーブルスティックを使用して構成するものとしても良い。
図6に示す構成では,フランジ63と,前記フランジ63を貫通すると共にフランジ63の貫通部分を支点として擺動する操作ノブ61と,この操作ノブに連続して形成された連結杆62を備えたウォーブルスティックを前述の揺動機構60として設け,前述の連結杆62の先端を,ケーシング20のヘッド部22に取り付けたステー64に取り付けることで,操作ノブ61を揺動させると,これに対応してケーシング20のヘッド部22の向きを変更させることができるように構成されている。
なお,前述したように,収容空間23内には窓28の内側に撮影用ライト36を設けるものとしても良く,図7に示す本実施形態にあってはこの撮影用ライト36としてLEDライトを使用している。
この撮影用ライト36は,図3に示したように,封止体29に一端を対向配置し,他端をケーシング20の他端20bより外部に延設させた光ファイバによって構成するものとしても良く,この光ファイバを介してケーシング20外(真空容器50外)に設けた光源の光を,光ファイバの先端部より照射できるようにしても良い。
撮像装置10が高温又は低温とされた真空容器50内の撮影に使用されるものである場合,図3及び図4を参照して説明した冷却構造70の他,より簡単な構成としてケーシング20の他端20bに,ケーシング20内の温度を調整するための冷却風(又は温風)の導・排出口を設けると共に,冷却風(又は温風)の導・排出を行うことで,ケーシング20内の温度が例えばカメラモジュール31の使用温度域の温度に維持できるように構成するものとしても良い。
また,この構成に代え,又はこの構成と共に,ケーシング20を,ステンレスや金などの金属製のカバーから成る熱遮断層で包囲して,ケーシング20内に収容した機器を熱から保護するものとしても良い。
以上のように構成された本発明の撮像装置10において,前述のケーシング20外表面は高真空,あるいは超高真空の空間内に配置した場合であっても,不純物ガスの発生源とならないよう,電解研磨によって表面を平滑化すると共に,真空脱ガス処理によって残留ガスを除去することで,スループット法によるガス放出率測定における室温排気10時間後のガス放出率が2×10-7(Pa・m3/s m2)以下,又は,120℃の温度で6時間ベーキングした後のガス放出率が1×10-9(Pa・m3/s m2)以下となるように構成されている。
本実施形態にあっては,前述したケーシング20を,オーステナイト系ステンレスであるSUS304によって形成し,電解研磨と真空脱ガス処理を以下に記載した条件で行うことにより,前述したとおりの低いガス放出率を実現している。
電解研磨
電解研磨は,電解液にケーシング20と対極とを浸漬し,ケーシング20をプラス,対極をマイナスとして電解液を介して直流電流を流すことで,ケーシング20の表面を溶解させて行う化学的な研磨方法であり,これにより,バフ研磨などの物理的な研磨方法によってケーシングの表面に形成された裂け目やピンホール,その他の微細な凹凸が除去されて平滑な面に形成されることで,表面積が減少して不純物の付着し難い表面が形成される。なお,ケーシング20の表面に粗い凹凸が形成されている場合,電解研磨に先立ち,♯300〜1000程度の砥粒を使用したバフ研磨等の物理的な研磨によって表面を事前に研磨,調整するものとしても良い。
本実施形態にあっては,リン酸ベースの電解液を使用した電解研磨を,以下の条件で行い,ケーシングの表面を,表面粗さがRaで0.4〜0.8μmとなる迄,研磨した。
電解研磨前のケーシング表面の状態:バフ研磨♯400,表面粗さRa0.4〜0.8μm
電解液の温度40〜85℃
電圧3〜10V
通電時間3〜10分
以上のようにして電解研磨を行った後のケーシングは,洗浄水を使用した洗浄を行い残留する電解液等の除去を行った後,後述の真空脱ガス処理を行った。
真空脱ガス処理
真空脱ガス処理は,前述したケーシングを真空中に置くことにより,ケーシングの表面等に残留する付着ガスを放出(脱離)させる処理である。
さらに300℃以上の高温環境下で処理をすることでSUS304やSUS316L等のステンレス,好ましくはSUS316Lを使用する場合,加熱によってCrとNiが析出して,酸化クロムの不動態膜が形成されることによってもガスの放出を減らすことができる。
本実施形態にあっては,以下の条件で真空脱ガス処理を行った。
真空容器内の圧力10-4Pa以下(加熱時),10-7以下(常温時)
加熱温度 300℃
加熱時間24〜72h
ガス放出率とその測定方法
以上のようにして,電解研磨処理と真空脱ガス処理を行うことで,ケーシング20のガス放出率を,スループット法によるガス放出率測定における室温排気10時間後のガス放出率で2×10-7(Pa・m3/s m2)以下,又は,120℃の温度で6時間ベーキング処理した後のガス放出率で1×10-9(Pa・m3/s m2)以下にすることができた。
ここで,スループット法によるガス放出率の測定は,図9に示すようにサンプル側チャンバーとポンプ側チャンバーとがオリフィスを介して連通された真空容器を使用して行われ,ポンプ側チャンバーに設けたポンプを介してポンプ側チャンバーとサンプルチャンバー内を排気した際の2つのチャンバーにおける真空度の差圧を,サンプルチャンバー内に測定試料(本件ではケーシング)が配置されている場合と,測定試料が配置されていない場合とでそれぞれ求め,測定試料が配置されていない場合の圧力変化と,試料がある場合の圧力変化の差を,測定試料から放出されたガス流量として測定する。
このスループット法によって測定したケーシング20のガス放出率の測定結果のグラフを,図10に示す。
なお,図10のグラフ中,「(1)」が前述した条件で電解研磨と真空脱ガス処理を行った本発明の撮像装置のケーシングのガス放出率,「(2)」が同一条件で電解研磨のみを行ったケーシングのガス放出率,「(3)」が脱脂洗浄のみを行ったケーシングのガス放出率であり,「(4)」は測定試料(撮像装置のケーシング)の温度変化を示す。
図10のグラフより,電解研磨のみ行ったケーシング〔グラフ(2)〕,及び脱脂洗浄のみを行ったケーシング〔グラフ(3)〕では,室温排気10時間後(10h)のガス放出率がいずれも約1×10-6(Pa・m3/s m2)であり,電解研磨と真空脱ガス処理を共に行った本発明のケーシング〔グラフ(1)〕のガス放出率である2×10-7(Pa・m3/s m2)を大幅に上回っており,本発明のケーシングではガス放出量が大幅に低減していることが確認された。
このように,本発明の撮像装置では,ガス放出の抑制が行われており,高真空,あるいは超高真空に対応し得るものとなっている。
また,電解研磨と真空脱ガスを行った本発明のケーシング〔グラフ(1)〕では,ベーキングの開始後,120℃の温度に達してから6時間経過した時点(30h)で既にガス放出率は検出感度以下(1×10-9Pa・m3/s m2以下)まで低下しているのに対し,脱脂洗浄のみ行ったケーシング〔グラフ(3)〕では,120℃,24時間のベーキングが完了(44h)した後も,測定期間中,終始ガスの放出が検出され,ベーキングによって不純物ガスの放出を無くす(検出感度以下とする)ことはできなかった。
また,電解研磨のみの行ったケーシング〔グラフ(2)〕では,ベーキングによってガス放出率を検出感度以下(1×10-9Pa・m3/s m2以下)に低下させることはできたものの,120℃,24時間のベーキングが完了(44h)してから,更に時間程度経過(50h)した後にやっと検出感度以下(1×10-9Pa・m3/s m2以下)のガス放出率が得られるものとなっており,本発明のケーシング〔グラフ(1)〕に比較して,不純物ガスの放出率を低減させるまでに長時間を要することが確認された。
このように,本発明の撮像装置10では,必要に応じてカメラモジュール等を破壊しない120℃程度の比較的低い温度で,かつ,6時間程度の比較的短い時間でベーキングを行うことで不純物ガスの発生を検出感度以下(1×10-9Pa・m3/s m2以下)の極めて低い範囲に抑制することができるものとなっている。
10 撮像装置
20 ケーシング
20a 一端(ケーシングの)
20b 他端(ケーシングの)
21 ネック部
22 ヘッド部
23 収容空間
24 フランジ
25 中空空間
26 雄ネジ
28 窓(又はビューイングポート)
28a 開口縁(窓の)
28b 円筒部
29 封止体
30 撮像機構
31 カメラモジュール
32 レンズ
33 ファイバースコープ
33a 先端部(ファイバースコープの)
34 ケーブル(USBケーブル)
36 撮影用ライト
40 アタッチメント
40a フランジ(アタッチメントの)
41 防着保護体
42 Oリング
43 封止体固定リング
44 雌ネジ
45 ビューイングポート付きフランジ
46 真空用ボルト
47 真空用ワッシャ
48 メタルシール
50 真空容器
51 壁面(真空容器の)
52 開口
54 固定用フランジ
60 揺動機構
61 操作ノブ
62 連結部材(連結杆)
63 フランジ
64 ステー
70 冷却構造
71 冷却ブロック
72 冷媒導入管
73 冷媒排出管
74 温度検知手段
75 冷媒ガス導入管
76 放気孔
100 撮像装置
102 処理対象物
103 真空容器
104 密閉容器
110 撮像機構
111 レンズ
115 記録回路部
116 表示装置
125 リード線


Claims (14)

  1. 撮像素子を備えた撮像機構と,前記撮像機構の少なくとも一部を収容する,真空容器内に配置されるケーシングを備えた,真空容器内での撮影に使用する撮像装置において,
    前記ケーシングが,一端側に形成された窓と,前記窓を封止する透光性材料から成る封止体,前記窓の内側に形成された収容空間,及び他端側に設けられたフランジを備え,
    前記ケーシングの前記一端側を真空容器内に向けて,前記真空容器外から該真空容器の壁面に形成した開口内に挿入すると共に,前記真空容器の外側より前記フランジで前記開口を密閉することにより,前記真空容器の気密性を維持しつつ,前記ケーシングを前記真空容器内に配置可能に構成し,
    前記撮像機構が,受けた光を透過させて前記撮像素子に向けて出射する導光部材を備え,該導光部材の受光部を,前記封止体に対向させて前記収容空間内に収容することで,前記真空容器内を撮影可能に構成されており,
    前記ケーシングがステンレス製であり,表面粗さがRaで0.4〜0.8μmとなる迄研磨した外面を,電解研磨処理と,300℃以上の加熱を伴う真空脱ガス処理によって,スループット法によるガス放出率測定における室温排気10時間後のガス放出率が2×10-7(Pa・m3/s m2)以下かつ,120℃の温度で6時間ベーキングした後のガス放出率が検出感度以下である1×10-9(Pa・m3/s m2)以下に形成されていることを特徴とする真空容器用の撮像装置。
  2. 前記撮像機構をカメラモジュールによって構成し,
    該カメラモジュールに設けられたレンズの受光面を,前記撮像機構の前記導光部材の前記受光部として前記封止体に対向させて,前記カメラモジュールを前記収容空間内に収容したことを特徴とする請求項1記載の真空容器用の撮像装置。
  3. 前記カメラモジュールで生成された画像データを無線出力可能な無線機と,前記カメラモジュール及び前記無線機を駆動するための駆動用バッテリーを前記ケーシングの前記収容空間内に収容したことを特徴とする請求項2記載の真空容器用の撮像装置。
  4. 前記カメラモジュールで生成された画像データを出力可能であると共に,前記カメラモジュールに駆動用電力を供給可能なUSBケーブルの一端を前記カメラモジュールに接続し,該USBケーブルの他端を,前記ケーシングの前記他端より前記ケーシング外に延設したことを特徴とする請求項2記載の真空容器用の撮像装置。
  5. 前記撮像機構が,前記導光部材としてファイバースコープを備えており,
    前記ファイバースコープの先端部を前記受光部として前記封止体に対向させて前記ケーシング内の前記収容空間に配置すると共に,該ファイバースコープの他端を,前記ケーシングの前記他端よりケーシング外に延設して,前記ケーシング外に配置された撮像素子の前面に配置したことを特徴とする請求項1記載の真空容器用の撮像装置。
  6. 前記ケーシングが,前記フランジ側に形成されたネック部と,前記ネック部の先端側に設けられたヘッド部を備え,
    前記ヘッド部内に前記収容空間を形成すると共に,前記ネック部をフレキシブルチューブによって形成したことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の真空容器用の撮像装置。
  7. 前記真空容器外に設けられる操作ノブと,
    一端が前記ヘッド部に連結され,他端が前記操作ノブに連結された連結部材を備え,
    前記操作ノブの操作によって前記ヘッド部を揺動させる揺動機構を設けたことを特徴とする請求項6記載の真空容器用の撮像装置。
  8. 前記連結部材がワイヤである請求項7記載の真空容器用の撮像装置。
  9. 前記揺動機構がウォーブルスティックである請求項7記載の真空容器用の撮像装置。
  10. 前記ケーシングの前記一端に着脱可能に取り付けたアタッチメントを設け,前記アタッチメントによって前記封止体の前方に着脱可能に取り付けられる,透光性材料によって形成された防着保護体を設けたことを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載の真空容器用の撮像装置。
  11. 前記ケーシングの外周に熱遮断層を設けたことを特徴とする請求項1〜10いずれか1項記載の真空容器用の撮像装置。
  12. 前記収容空間内に収容されたカメラモジュールを冷却する冷却構造を備えることを特徴とする請求項2記載の真空容器用の撮像装置。
  13. 前記冷却構造が,前記収容空間内で前記カメラモジュールを覆う冷却ブロックと,前記冷却ブロックに設けられた冷媒流路の入口に連通された冷媒導入管と,前記冷媒流路の出口に連通された冷媒排出管を備え,前記冷媒導入管と前記冷媒排出管が,前記ケーシングの前記他端より前記真空容器外に延設されていることを特徴とする請求項12記載の真空容器用の撮像装置。
  14. 前記冷却構造が,前記収容空間内で前記カメラモジュールに向かって一端を開口し,他端を前記ケーシングの前記他端より前記真空容器外に延設した冷媒ガス導入管と,前記ケーシングの前記他端に設けられ,該ケーシング内の気体を前記真空容器外に放気する放気孔を備えることを特徴とする請求項12記載の真空容器用の撮像装置。
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