しかしながら、上記従来の三次元積層装置においては、積層ヘッドによる成形層の形成が終了した後に基台部を移動させて機械加工部による機械加工を行う構成であるため、処理効率が高くなかった。また、積層ヘッドによる処理又は機械加工部による処理に応じて不活性ガスを導入すべきところ、上記従来の三次元積層装置では三次元積層室内の全体に不活性ガスが充填されてしまう。そのため、不活性ガスの使用量が増加し、コスト的に不利であった。
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、低コストで処理を行うことができ、そして処理効率を向上することができる三次元形状物製造装置を提供することを目的とする。
本発明に係る三次元形状物製造装置は、成形物を形成し、前記成形物を加工することにより所望の三次元形状物を製造する三次元形状物製造装置であって、
付加加工室と、
前記付加加工室内において粉末を用いて成形物を形成する成形物形成部と、
前記成形物形成部を保持しつつ移動させる駆動機構と、
前記付加加工室の側方に設けられた除去加工室と、
工具を保持し、前記形成された前記成形物に対して前記除去加工室内で除去加工を行う除去加工部と、
少なくとも2つのパレットを保持する保持機構を有し、一方の前記パレットを前記付加加工室内に位置させ且つ他方の前記パレットを前記除去加工室内に位置させるように前記保持機構を旋回軸回りに旋回させるパレット交換装置と、を備え、
前記付加加工室と前記除去加工室との間には第1開口部が設けられており、
前記保持機構の旋回に連動して前記第1開口部を開閉する仕切り部材をさらに備えるものである。
本発明においては、付加加工室において、成形物形成部により成形物が形成される。この成形物は複数の成形層が積層されることにより形成される。成形物形成部は、駆動機構により保持されつつ移動される。除去加工室は、上記付加加工室の側方に設けられる。除去加工室において、工具を保持する除去加工部により、上記成形物に対して切削加工等の除去加工が行われる。また、少なくとも2つのパレットを保持する保持機構を有し、付加加工室と除去加工室との間でパレットを交換するパレット交換装置が設けられる。このパレット交換装置は、一方のパレットを付加加工室内に位置させ且つ他方のパレットを除去加工室内に位置させるように上記保持機構を旋回軸回りに旋回させるように構成されている。
付加加工室と除去加工室との間には第1開口部が設けられている。そして、仕切り部材が上記保持機構の旋回に連動して第1開口部を開閉するように設けられている。例えば、付加加工室と除去加工室とを区画する鉛直壁に第1開口部を設け、保持機構において鉛直方向に沿って仕切り部材を設けるようにして当該保持機構の旋回に伴って仕切り部材を旋回させる。これにより、旋回角度によって第1開口部を仕切り部材で閉じた状態(つまり、付加加工室と除去加工室とが連通しない状態)と、第1開口部を開いた状態(つまり、付加加工室と除去加工室とが連通する状態)とを切り替えることができる。
このような構成において、本発明によれば、仕切り部材により第1開口部を閉じた状態にすることができるので、付加加工室において付加加工を行い、当該付加加工と並行して除去加工室において除去加工を行うことが可能となる。これにより、成形層の形成後に基台部を移動させて機械加工を行う上記従来の構成に比べて、処理効率が著しく向上する。また、仕切り部材により第1開口部を閉じた状態にすることができるので、付加加工時に付加加工室内にのみ必要な不活性ガス又は雰囲気ガスを供給することができる。そのため、必要性に欠けるにも関わらず機械加工の領域に供給されていた不活性ガス又は雰囲気ガスを削減することができる。以上の通り、本発明によれば、低コストで加工処理を行うことができると共に、処理効率を向上することができる。さらに、本発明によれば、付加加工後の成形物に対して除去加工を行う際には、パレット交換装置により保持機構を旋回させることで上記成形物を除去加工室内に迅速に配置することができ、また、除去加工後の三次元形状物について再度付加加工を行う場合や付加加工室を介して搬出する場合等には、パレット交換装置により保持機構を旋回させることで三次元形状物を付加加工室内に迅速に配置することができる。以下、上記付加加工後の成形物及び上記除去加工後の三次元形状物をワークと総称する。
本発明に係る三次元形状物製造装置は、前記付加加工室内に配置された前記パレットを回転軸回りに回転させる回転機構をさらに備えてもよい。
上記態様によれば、回転機構によりパレットを回転させることで当該パレット上の成形物の配置角度を変えることができる。これにより、駆動機構による成形物形成部の移動が付加加工室内の一部の領域において困難な場合でも、成形物形成部が付加加工を行い易くなるように上記配置角度を調整することができる。
本発明において、前記駆動機構は、前記付加加工室内の上部に基端部が設けられたロボットであることが好ましい。
上記態様によれば、駆動機構がロボットであることにより成形物形成部の付加加工領域の幅が広がる。また、ロボットの基端部を付加加工室内の上部、つまり付加加工室内の空いたスペースに配置することにより、付加加工室内の下部にスペースを設けてロボットを配置する場合よりも、付加加工室全体をコンパクト化することができる。
本発明において、前記除去加工室は前記付加加工室の側方に位置する待機部と除去加工を行う除去加工部とを備え、本発明に係る三次元形状物製造装置は、前記待機部と前記除去加工部との間で前記パレットを搬送する搬送機構を備え、前記待機部と前記除去加工部との間には第2開口部が設けられており、前記搬送機構による前記搬送に連動して前記第2開口部を開閉する仕切り扉をさらに備え、前記パレット交換装置は、前記付加加工室内に前記パレットを位置させると共に前記待機部内に前記パレットを位置させるように前記保持機構を旋回軸回りに旋回させるように構成されてもよい。
上記態様によれば、付加加工室における付加加工が終了しておらず、付加加工室内にワークを搬入して当該付加加工室を介して当該ワークを搬出する等の段取り作業を行うのに待ち時間が生じる場合に、除去加工が終了したワークを搬送機構により第2開口部を介して待機部に移動させることが可能となる。これにより、除去加工室内で段取り作業を行うことができる。したがって、上記待ち時間を有効活用することができるので、処理効率がさらに向上する。
本発明において、前記待機部は2つ以上設けられ、前記2つ以上の待機部及び前記付加加工室は円周状に連なって配置され、前記パレット交換装置は、3つ以上のパレットを保持する保持機構を有し、前記付加加工室内に前記パレットを位置させると共に前記待機部内に当該待機部ごとに前記パレットを位置させるように前記保持機構を旋回軸回りに旋回させるように構成されてもよい。
上記態様によれば、付加加工に要する時間が除去加工に要する時間よりも相当長い場合に、2つ以上の待機部内に当該待機部ごとにワークを待機させることができる。これにより、除去加工室内で段取り作業を行うことができる。したがって、上記待ち時間を有効活用することができるので、処理効率がさらに向上する。
本発明に係る三次元形状物製造装置は、前記駆動機構及び前記成形物形成部を収容し、前記旋回軸と同軸かつ独立に旋回可能に構成された収容部をさらに備え、前記収容部は、前記旋回軸に垂直な面内に形成され且つ下方に通ずる開口が部分的に形成された底部を有すると共に、前記旋回により前記付加加工室と連通して当該付加加工室の一部を形成し且つ前記底部により全ての前記待機部を閉じる第1状態、又は、前記旋回により一の前記待機部と連通して当該待機部の一部を形成し且つ前記底部により前記付加加工室若しくは前記付加加工室と他の前記待機部とを閉じる第2状態を形成するように構成され、前記駆動機構は、前記収容部の前記旋回に連動して前記旋回軸と同軸に旋回可能に構成されたロボットであって、前記開口を介して前記成形物形成部を前記パレットに対し接近及び離間させるように構成されてもよい。
上記態様によれば、駆動機構及び成形物形成部を収容する収容部の底部には部分的に開口が形成されている。この収容部は、上記旋回軸と同軸かつ独立に旋回可能に構成されており、上記仕切り部材の上方に設けることができる。このような構成において、収容部が旋回されると、上記開口を介して付加加工室と連通して当該付加加工室の一部を形成し且つ底部により全ての待機部(但し、待機部が1つの場合あり)を閉じることができ(上記第1状態)、又は、旋回により上記開口を介して一の待機部と連通して当該待機部の一部を形成し且つ底部により付加加工室若しくは付加加工室と他の待機部(但し、待機部を2つ以上設けた場合における上記一の待機部以外の他の待機部)とを閉じることができる(上記第2状態)。
このように、収容部の旋回(つまり旋回角度)に応じて、付加加工室を開放しつつ待機部を閉じたり、又は付加加工室を閉じつつ待機部を開放することができる。このような構成により、次のようなことが実現できる。すなわち、付加加工の進行中に除去加工が終了した場合に、まず除去加工後のワークを待機部に移動させ、そして、パレット交換装置により、付加加工室内のワークを待機部内に移動させると共に待機部内の上記ワークを付加加工室内に移動させる。これに加えて、収容部を例えば180°旋回させる。このことによって、収容部と待機部とが連通した状態となり、付加加工室が収容部の底部により閉じられた状態となる。この状態で、ロボットは上記開口を介して待機部内のワークに対し成形物形成部を近接させ、上記付加加工を待機部内で再開することができる。また、付加加工室内に移動されたワークについては搬出する等の作業を行うことが可能となり、除去加工室内では除去加工を行うことも可能となる。以上により、付加加工の進行に基づく待ち時間を発生させることなく、上記作業や除去加工を行うことができるため、処理効率が向上する。
本発明において、前記ロボットは、前記成形物形成部が着脱可能に取り付けられる取り付け部を有し、前記取り付け部は、前記成形物又は前記三次元形状物を保持する保持部、エアーを供給するエアーガン、及びクーラントを供給するクーラントガンをそれぞれ取り付け可能に構成されてもよい。
上記態様によれば、ロボットに設けられた取り付け部に対して保持部、エアーガンやクーラントガンを取り付けることができる。これにより、保持部を取り付けた場合には、ロボットにワークの搬出入機能を持たせることができ、エアーガン又はクーラントガンを取り付けた場合には、ロボットに清掃機能を持たせることができる。
本発明によれば、低コストで処理を行うことができ、そして処理効率を向上することができる三次元形状物製造装置を提供することが可能となる。
(参考的形態)
まず、本発明の参考的形態に係る三次元形状物製造装置について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本形態の三次元形状物製造装置1は、閉じられた付加加工室2と、付加加工室2の側方に設けられ閉じられた除去加工室3とを備える。付加加工室2では、粉末を用いて成形層が形成され、当該成形層が積層されることにより成形物が形成される。また、除去加工室3では、成形物に対して切削加工等が行われることにより三次元形状物が製造される。なお図1では、三次元形状物製造装置1の内部構成を見易くするため、付加加工室2の外壁や除去加工室3の外壁等を二点鎖線により示している。
付加加工室2と除去加工室3との間には側壁4(図2(a)参照)が設けられており、この側壁4に開口部5が設けられている。また、付加加工室2にはパレット交換装置7が設けられている。パレット交換装置7は、ベース部8と、ベース部8に旋回可能に設けられた旋回軸部9と、旋回軸部9の上端に設けられた板状の保持機構10とを備える。保持機構10は、一方のパレット11を保持する保持部10aと当該保持部10aの逆側に設けられ他方のパレット11を保持する保持部10bとを備える。なお、図1では、保持部10bには、パレット11が未だ保持されていない状態が示されている。保持部10a及び保持部10bを併せた平面視形状はH型となっている。パレット交換装置7は、一方のパレット11を付加加工室2内に位置させ且つ他方のパレット11を除去加工室3内に位置させるように保持機構10を旋回軸部9回りに旋回させるように構成される。
付加加工室2には、粉末材料を射出して成形物を形成するノズル13と、当該ノズル13を保持しつつ付加加工室2内で移動させるロボット14とが設けられる。ノズル13には、粉末材料を当該ノズル13に供給する供給管15が接続される。ノズル13には、当該ノズル13から射出された粉末材料にレーザ光を照射することにより当該粉末材料を溶融させる図示しないレーザ光出射部が設けられる。溶融された粉末材料が固化することにより成形層が形成される。付加加工時には、上記粉末材料の種に応じて付加加工室2内に窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスが供給される。また、付加加工室2には、パレット11を回転軸回りに回転させる回転機構12が設けられる。
ロボット14は、ノズル13が着脱可能に取り付けられる取り付け部16と、この取り付け部16が設けられたハンド17と、アーム18,19と、ベース部20と、駆動モータが内蔵された関節部21,22,23と、を備える。取り付け部16は、成形物や三次元形状物を保持する保持部(爪部により把持するものや、流体圧式吸着又は磁気式吸着によって保持するものを含む)、エアーを供給するエアーガン、及びクーラントを供給するクーラントガンをそれぞれ取り付け可能に構成されている。ベース部20は、支持部材24に支持されると共に鉛直軸回りに回転可能に構成される。また、ハンド17は関節部21により所望の角度に傾斜され、アーム18は関節部22により所望の角度に傾斜され、アーム19は関節部23により所望の角度に傾斜されるように構成されている。このように、駆動機構としてロボットを採用することにより、ノズル13をパレット11に対し容易に接近及び離間させることができる。
除去加工室3には、付加加工により形成された成形物に対して除去加工を行う除去加工部27が設けられている。除去加工部27は、除去加工用の工具28aが取り付けられる主軸28と、主軸28を回転可能に支持するコラム29と、コラム29を支持するベッド30とを備える。また、除去加工室3には、パレット11を保持しつつ除去加工部27と保持機構10の保持部10bとの間でパレット11を搬送すると共に当該パレット11を鉛直軸回りに回転させることが可能な送り台25と、この送り台25を所定方向に移動可能に支持するベッド26とが設けられる。
ここで、保持機構10上には板状の仕切り部材6が固設されている。仕切り部材6は、保持機構10の長さ方向に対する垂直方向の中心において上下方向に沿って立設されている。このような構成において、仕切り部材6は保持機構10の旋回に連動して上記開口部5を開閉する。本実施形態では、付加加工室2内で付加加工を行い、これに並行して除去加工室3内で除去加工を行う際には、図1に示すように、仕切り部材6により開口部5が閉じられた状態となる。したがって、付加加工及び除去加工を並行して行う際には、付加加工室2及び除去加工室3はそれぞれ閉じられた状態となる。付加加工室2内のパレット11にはノズル13により形成された成形物Wが載置され、除去加工室3内のパレット11には工具28aにより加工された三次元形状物Wが載置される。以下、上記成形物W及び上記三次元形状物WをワークWと総称する。なお、付加加工室2においては、パレット11上に原ワークをセットして当該原ワークに対して付加加工を行ってもよいし、付加加工によりパレット11上に最初から成形物を形成するようにしてもよい。
付加加工が終了すると、パレット交換装置7により、付加加工室2内のパレット11が除去加工室3内に位置され且つ除去加工室3内のパレット11が付加加工室2内に位置されるように保持機構10が旋回される。この場合、保持機構10の旋回に伴って、仕切り部材6も旋回するため、開口部5は一時的に開放された状態となる。これにより、付加加工室2内と除去加工室3内とが連通した状態となり、付加加工室2内のパレット11を除去加工室3内に移動させることができると共に除去加工室3内のパレット11を付加加工室2内に移動させることができる。そして、除去加工室3内に移動されたパレット11は、送り台25に受け渡され、当該送り台25により除去加工部27による除去加工が可能な位置まで搬送される。一方、付加加工室2内に移動されたパレット11は、三次元形状物製造装置1に接続された図示しないパレットプールとの間で新しいパレットと交換されてもよいし、パレット11上のワークWに対して付加加工室2内で再度付加加工を行ってもよい。
次に、三次元形状物製造装置1における付加加工及び除去加工の流れを説明する。図2(a)に示すように、パレット交換装置7による保持機構10の旋回によって開口部5(図1参照)が仕切り部材6により閉じられる。これにより、付加加工室2及び除去加工室3が互いに連通しない閉じられた状態となる。そして、除去加工室3内において、除去加工部27による除去加工が可能な位置までパレット11が送り台25により搬送された後、当該パレット11上のワークW2(以下、付加加工室2内のワークと区別するためにワークW2とする)に対して除去加工が行われる。一方、除去加工室3内で除去加工が行われている間に、付加加工室2内においてパレット11上にワークW1(以下、除去加工室3内のワークと区別するためにワークW1とする)がセットされる。なお、一つのワークに対する付加加工時間は除去加工時間よりも長いものとする。
次に、図2(b)に示すように、除去加工室3内で除去加工が継続される状態で付加加工室2内で付加加工が開始される。そして、図2(c)に示すように、付加加工室2における付加加工及び除去加工室3における除去加工が終了する。なお、ロボット14は付加加工終了後に原位置に戻る。
続いて、図3(d)に示すように、パレット11は、送り台25により保持機構10の保持部10bに保持されるように移動される。したがって、図3(d)の段階において、保持部10aにはワークW1が載置されたパレット11が保持され、保持部10bにはワークW2が載置されたパレット11が保持される。
次いで、図3(e)に示すように、パレット交換装置7により、付加加工室2内のパレット11が除去加工室3内に位置され且つ除去加工室3内のパレット11が付加加工室2内に位置されるように保持機構10が180°旋回される。これにより、付加加工室2内のワークW1が除去加工室3内に移動され、除去加工室3内のワークW2が付加加工室2内に移動される。除去加工室3内に移動されたワークW1に対しては除去加工が行われ、付加加工室2内に移動されたワークW2については再度付加加工を行ってもよいし、新たなワークと交換してもよい。なお、パレット交換装置7による保持機構10の旋回の進行中は付加加工室2と除去加工室3とは連通した状態となり、旋回の終了後に開口部5(図1参照)は仕切り部材6により閉じられた状態となる。
以上のように、本形態の三次元形状物製造装置1によれば、仕切り部材6により開口部5を閉じた状態にすることができるので、付加加工室2において付加加工を行い、当該付加加工と並行して除去加工室3において除去加工を行うことが可能となる。これにより、成形層の形成後に基台部を移動させて機械加工を行う上記従来の構成に比べて、処理効率が向上する。また本例の三次元形状物製造装置1によれば、仕切り部材6を旋回させる簡易な動作のみによって付加加工室2を密閉された空間にすることができる。また、付加加工時に付加加工室2内にのみ必要な不活性ガス又は雰囲気ガスを供給することができる。そのため、必要性に欠けるにも関わらず機械加工の領域に供給されていた不活性ガス又は雰囲気ガスを削減することができる。以上の通り、本形態によれば、低コストで加工処理を行うことができると共に、処理効率を向上することができる。さらに、付加加工後のワークWに対して除去加工を行う際には、パレット交換装置7により保持機構10を旋回させることで上記ワークWを除去加工室3内に迅速に配置することができ、また、除去加工後のワークWに対して再度付加加工を行う場合や新たなワークWと交換する場合には、保持機構10の旋回によりワークWを付加加工室2内に迅速に移動させることができる。
また、本形態では、付加加工室2内にパレット11を回転軸回りに回転させる回転機構12を設けることによって、パレット11を回転させて当該パレット11上のワークWの配置角度を変えることができる。これにより、ロボット14によるノズル13の移動が付加加工室2内の一部の領域において困難な場合でも、ノズル13が付加加工を行い易くなるようにワークWの配置角度を調整することができる。
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態は上述した参考的形態を変形したものであり、以下では、上記参考的形態の三次元形状物製造装置1と同じ構成要素には同一符号を付与することとし、当該構成要素の説明については省略する。
図4は第1実施形態に係る三次元形状物製造装置1aを示す断面図である。図4に示すように、第1実施形態の三次元形状物製造装置1aの構成が上記参考的形態の三次元形状物製造装置1の構成と異なる点は、除去加工室3内に待機室35が設けられる点である。以下、詳しく説明する。
図4に示すように、待機室35は付加加工室2の一部の側方に位置する。待機室35と除去加工室3との間には側壁37が設けられており、この側壁37に開口部37aが設けられる。また、送り台25によるパレット11の搬送に連動して上記開口部37aを開閉する仕切り扉39が設けられる。この仕切り扉39は、図5に示すように、第1扉39aと第2扉39bとで構成されており、第1扉39a及び第2扉39bが互いに近接する方向に移動して接触すれば上記開口部37aが閉じられ、逆に第1扉39a及び第2扉39bが互いに離間する方向に移動すれば開口部37aが開放される。図4において、待機室35は、水平壁35sと側壁37と仕切り扉39と仕切り部材6とにより仕切られて形成される。なお、図5ではパレット11上のワークW1,W2の図示を省略している。
付加加工室2には、上述の側壁37と逆側に側壁38が設けられており、当該側壁38に開口部38aが設けられている。また、付加加工室2内のワークWを搬出する際及び付加加工室2内に新たなワークWを搬入する際に開口部38aを開閉する搬出入用扉40が設けられる。この搬出入用扉40は、第1扉40aと第2扉40bとで構成されており、第1扉40a及び第2扉40bが互いに近接する方向に移動して接触すれば上記開口部38aが閉じられ、逆に第1扉40a及び第2扉40bが互いに離間する方向に移動すれば開口部38aが開放される。
このような構成において、除去加工室3から待機室35にパレット11を移動させる際には、送り台25によるパレット11の搬送に連動して第1扉39a及び第2扉39bが互いに離間する方向に移動する。これにより、開口部37aが開放され、パレット11を待機室35内に移動させることができる。なお、パレット11を待機室35内に移動させた後は、第1扉39a及び第2扉39bが互いに近接する方向に移動することにより、待機室35は閉じられた状態となる。
本実施形態では、付加加工室2における付加加工が終了する前に除去加工室3における除去加工が終了したときに、除去加工後のワークW2を待機室35に移動させる。付加加工室2における付加加工が終了すると、パレット交換装置7により、付加加工室2内のパレット11が待機室35内に位置され且つ待機室35内のパレット11が付加加工室2内に位置されるように保持機構10が旋回される。これにより、付加加工室2内のワークW1が待機室35内に移動され、待機室35内のワークW2が付加加工室2内に移動される。その後、付加加工室2内に移動されたワークW2については再度付加加工を行ってもよいし、新たなワークと交換してもよい。一方、待機室35内に移動されたワークW1は、仕切り扉39が開かれた後、送り台25により除去加工部27による除去加工が可能な位置まで搬送され、除去加工が施される。なお図5には、パレット交換装置7による仕切り部材6の旋回の軌跡R1が示されている。
以上のように、本実施形態の三次元形状物製造装置1aによれば、付加加工室2における付加加工が終了しておらず、付加加工室2内にワークW2を搬入して当該付加加工室2を介して当該ワークW2を搬出する等の作業を行うのに待ち時間が生じる場合に、除去加工室3において除去加工が終了したワークW2を送り台25により開口部37aを介して待機室35内に移動させることが可能となる。これにより、除去加工室3内で段取り作業を行うことができる。したがって、上記待ち時間を有効活用することができるので、処理効率がさらに向上する。
また、本実施形態では、ロボット14の基端部を付加加工室2内の上部に設けるようにした。このように、ロボット14の基端部を付加加工室2内の上部、つまり付加加工室2内の空いたスペースに配置することにより、付加加工室2内の下部にスペースを設けてロボット14を配置した参考的形態よりも、付加加工室2全体をコンパクト化することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、この第2実施形態は上述した第1実施形態を変形したものであり、以下では、上記参考的形態の三次元形状物製造装置1及び第1実施形態の三次元形状物製造装置1aと同じ構成要素には同一符号を付与することとし、当該構成要素の説明については省略する。
図6は第2実施形態に係る三次元形状物製造装置1bを示す断面図である。図6に示すように、第2実施形態の三次元形状物製造装置1bの構成が第1実施形態の三次元形状物製造装置1aの構成と異なる点は、第1実施形態の付加加工室2の一部の上方及び待機室35の上方にロボット14及びノズル13を収容する収容部36が設けられる点と、ロボット14が収容部36の旋回に連動して旋回軸部9と同軸に旋回可能に構成される点とである。以下、詳しく説明する。
図8に示すように、収容部36は中空の円柱形状に形成される。図6乃至図8に示すように、収容部36は、当該収容部36の下方に通ずる開口42が部分的に形成された半円形状の底部41を有している。なお、図8では三次元形状物製造装置1bの構成要素の一部を省略している。
収容部36は、上述の旋回軸部9と同軸かつ独立に旋回可能に構成される。詳細には、図8に示すように、ベッド26の長さ方向に垂直な方向の一方側に設けられ上下に延びる支持部材43の上端部と他方側に設けられ上下に延びる支持部材44の上端部とに保持部材45が架設されている。収容部36は、保持部材45に設けられた旋回軸46に接続されている。旋回軸46は収容部36の上部中心部に接続されている。旋回軸46が図示しない駆動源により旋回することにより、収容部36は旋回軸46回りに旋回される。このような構成において、収容部36の底部41により待機室35が閉じられた状態(つまり図6の状態(第1状態に相当))では、収容部36の開口42は付加加工室2と連通して当該収容部36は付加加工室2の一部を形成する。これに対して、収容部36が上記第1状態から旋回軸46により180°旋回すると、当該収容部36の底部41により付加加工室2が閉じられた状態(第2状態に相当)となる。この第2状態では、収容部36の開口42は待機室35と連通して当該収容部36は待機室35の一部を形成する。なお、図示は省略するが、本実施形態では、付加加工室2の外壁は、旋回する収容部36の形状に合わせて円周状に形成される。
以下、上述のように収容部36を付加加工室2に連通させ、或いは当該収容部36を待機室35に連通させる構成を採用した付加加工及び除去加工について図面を参照しつつ説明する。
まず、図9(a)に示すように、パレット交換装置7による保持機構10の旋回によって付加加工室2と待機室35とが仕切り部材6により仕切られた状態にされると共に、旋回軸46による収容部36の旋回によって待機室35が当該収容部36の底部41により閉じられた状態にされる。これにより、収容部36は開口42を介して付加加工室2にのみ連通された状態となる。
次に、図9(b)に示すように、ロボット14が開口42を介して付加加工室2内に進入され、ワークW1に対してノズル13による付加加工が行われる。これに伴って、除去加工室3内において、除去加工部27による除去加工が可能な位置までパレット11が送り台25により搬送された後、ワークW2に対して除去加工が行われる。
上記でも述べたように、付加加工の時間は除去加工の時間よりも通常長くなる。そのため、図9(b)において付加加工の進行中に除去加工が終了する。この場合、付加加工が一旦止められ、図10(c)に示すように、ロボット14が収容部36内の原位置(図9(a)と同じ位置)に戻される。
そして、図10(d)に示すように、除去加工後のワークW2を保持するパレット11が送り台25により待機室35に搬送され、当該待機室35内の保持部10bに保持される。この場合、送り台25によるパレット11の搬送に連動して仕切り扉39が開放され、当該パレット11が保持部10bに保持された後、送り台25が待機室35外に出ると上記仕切り扉39は閉じられる。
次に、図11(e)に示すように、収容部36が旋回軸46(図8参照)により180°旋回されると共に、パレット交換装置7により、付加加工室2内のパレット11が待機室35内に位置され且つ待機室35内のパレット11が付加加工室2内に位置されるように保持機構10が旋回される。これにより、収容部36が開口42を介して待機室35と連通した状態になると共に、付加加工室2が収容部36の底部41に閉じられた状態になる。この後、ロボット14は旋回後に待機室35内に進入され、待機室35内に移動されたワークW1に対してノズル13による付加加工が再開される。一方、付加加工室2内に移動されたワーク(除去加工が既に終了しているワーク)W2については、新たなワークW3との交換等が行われる。
以上のように、本実施形態の三次元形状物製造装置1bによれば、収容部36の旋回(つまり旋回角度)に応じて、付加加工室2を開放しつつ待機室35を閉じた状態にしたり、或いは付加加工室2を閉じた状態にしつつ待機室35を開放することができる。このような構成により、付加加工の進行中に除去加工が終了した場合に、除去加工後のワークW2を待機室35に移動させ、そして、パレット交換装置7により付加加工室2内のワークW1を待機室35内に移動させると共に待機室35内のワークW2を付加加工室2内に移動させる。これに加えて、収容部36を180°旋回させる。このことによって、収容部36が待機室35と連通した状態となり、付加加工室2が収容部36の底部41により閉じられた状態となる。この状態で、ロボット14は開口42を介して待機室35内のワークW1に対しノズル13を近接させ、付加加工を待機室35内で再開することができる。また、付加加工室2内に移動されたワークW2については搬出する等の作業を行うことが可能となり、除去加工室3内では除去加工を行うことも可能となる。以上により、付加加工の進行に基づく待ち時間を発生させることなく、段取り作業や除去加工を行うことができるため、処理効率を向上することができる。
また、本実施形態では、ロボット14の基端部を付加加工室2の上方に設けられた収容部36内に配置したことにより、付加加工室2内の下部にスペースを設けてロボット14を配置した上記参考的形態よりも、付加加工室2全体をコンパクト化することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施形態に係る三次元形状物製造装置1a,1bについて説明したが、三次元形状物製造装置1a,1bが採り得る態様はこれまで説明してきた態様に限定されるものではなく、以下の変形例を適用してもよい。
上記実施形態における図4及び図5では、1つの待機室35を設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図12(a)に示すように2つの待機室35a,35bを設けてもよいし、図12(b)に示すように3つの待機室35a,35b,35cを設けてもよい。
図12(a)に示す態様によれば、2つの待機室35a,35b及び付加加工室2は、平面視で円周状に連なって配置される。保持機構10は3つの保持部10a,10b,10cを備える。また、保持機構10上に、3つの板状の仕切り部材6a,6b,6cが放射状かつ等角度間隔に設けられる。さらに、付加加工室2にはワークWの搬出入を行う際に開く開閉扉47が設けられ、待機室35bにもワークWの搬出入を行う際に開く開閉扉48が設けられる。このような構成において、パレット交換装置7(図4参照)により、付加加工室2内にパレット11が位置されると共に待機室35a,35b内の各々にパレット11が位置されるように保持機構10が旋回される。この場合、図12(a)に示すように、付加加工室2は仕切り部材6b,6cにより仕切られ、待機室35aは仕切り部材6a,6bにより仕切られ、待機室35bは仕切り部材6a,6cにより仕切られる。このような本態様によれば、2つの待機室35a,35b内にワークWをそれぞれ待機させることができる。これにより、除去加工室3内における除去加工や段取り作業の処理効率が向上する。なお図12(a)には、パレット交換装置7による仕切り部材6a,6b,6cの旋回の軌跡R2が示されている。
また、図12(b)に示す態様によれば、3つの待機室35a,35b,35c及び付加加工室2は、平面視で円周状に連なって配置される。保持機構10は4つの保持部10a,10b,10c,10dを備える。また、保持機構10上に、4つの板状の仕切り部材6a,6b,6c,6dが放射状かつ等角度間隔に設けられる。さらに、付加加工室2にはワークWの搬出入を行う際に開く開閉扉49が設けられ、待機室35bにもワークWの搬出入を行う際に開く開閉扉50が設けられ、待機室35cには図5のものと同じ構成の搬出入用扉40が設けられる。このような構成において、パレット交換装置7(図4参照)により、付加加工室2内にパレット11が位置されると共に待機室35a,35b,35c内の各々にパレット11が位置されるように保持機構10が旋回される。この場合、図12(b)に示すように、付加加工室2は仕切り部材6b,6cにより仕切られ、待機室35aは仕切り部材6a,6bにより仕切られ、待機室35bは仕切り部材6a,6dにより仕切られ、待機室35cは仕切り部材6c,6dにより仕切られる。このような本態様によれば、3つの待機室35a,35b,35c内にワークWをそれぞれ待機させることができる。これにより、除去加工室3内における除去加工や段取り作業の処理効率がさらに向上する。なお図12(b)には、パレット交換装置7による仕切り部材6a,6b,6c,6dの旋回の軌跡R3が示されている。
また、上記実施形態の図6において1つの待機室35を設けるようにしたことに起因して、当該待機室35及び付加加工室2の何れか一方を閉じた状態にするために、収容部36の底部41の形状を半円形状(図7参照)としたが、これに限定されるものではない。待機室を2つ設ける場合には、図13(a)に示す収容部36aにおいて、付加加工室2及び2つの待機室のうち何れか一つ以外のものを閉じた状態にするために、図7よりも底部41の面積を増加させる(換言すれば開口42の面積を減少させる)ようにする。また、待機室を3つ設ける場合には、図13(b)に示す収容部36bにおいて、付加加工室2及び3つの待機室のうち何れか一つ以外のものを閉じた状態にするために、図12(a)よりも底部41の面積をさらに増加させる(換言すれば開口42の面積をさらに減少させる)ようにする。
さらに、上記実施形態では、ノズル13を保持しつつ移動させる駆動機構としてロボット14を採用することとしたが、これに限定されるものではなく、互いに直交する3軸方向に移動自在に構成された移動機構にノズル13を保持させる構成を採用してもよい。