Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP6739048B2 - 金属表面の電位分布可視化用デバイス - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP6739048B2 - 金属表面の電位分布可視化用デバイス - Google Patents

金属表面の電位分布可視化用デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP6739048B2
JP6739048B2 JP2018095665A JP2018095665A JP6739048B2 JP 6739048 B2 JP6739048 B2 JP 6739048B2 JP 2018095665 A JP2018095665 A JP 2018095665A JP 2018095665 A JP2018095665 A JP 2018095665A JP 6739048 B2 JP6739048 B2 JP 6739048B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
potential
metal surface
indicator
potential distribution
visualizing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018095665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019200165A (ja
Inventor
夏実 高谷
夏実 高谷
武藤 泉
泉 武藤
優 菅原
優 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Original Assignee
Tohoku University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2018095665A priority Critical patent/JP6739048B2/ja
Publication of JP2019200165A publication Critical patent/JP2019200165A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6739048B2 publication Critical patent/JP6739048B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Description

本発明は、金属表面の電位分布可視化用デバイスに関する。
水溶液中における金属材料表面の電位分布は、電気化学の分野において反応を支配する重要なパラメータである。例えば、代表的な電気化学反応である金属の孔食やすき間腐食は、比較的高い電位を示す不働態状態にある金属表面において、一部領域の電位が低下し、局部的に腐食速度が増大することで生じる。また、すき間腐食が発生する際にも、すき間内の一部で金属表面の電位が急激に低下し、すき間内の金属表面には電位勾配が生じると考えられている。
従来の水溶液中の金属材料表面の電位分布計測は、試験片の表面を照合電極で操作するものであった。しかし、通常、プローブの走査には時間がかかるため、不働態−活性態遷移などの、おおむね1秒以内に生じる金属材料の電位分布やその経時変化を抑えることは困難であった。そのため、電気化学現象を解析するためには、水溶液中における金属材料表面の電位分布と腐食現象の計測を同時に、しかもリアルタイムで行う方法を開発する必要がある。
ところで、電解液を有する物質中の電位分布を観察する手法として、電子線フォログラフィ技術がある(例えば、特許文献1参照)。これは、試料を透過させた電子波と、試料のないところを透過させた電子波を干渉させて生じたホログラフから、電位を解析するものである。この手法では、フォログラフィ―電子顕微鏡の内部に試料を設置するため、金属材料表面の電位分布と腐食現象の計測を同時に行うことはできない。さらに、電子線は金属内部を透過することができないため、この手法で計測している電位は金属近傍の電解液の電位であり、金属表面の電位そのものではないという技術課題も存在している。
ところで、蛍光物質により細胞の膜電位を可視化する手法が生物学の分野で用いられている。例えば、電圧の印加によって蛍光強度が大きく変化する色素として、シリコンローダミンを母骨格に持つ電位感受性蛍光色素を細胞膜に局在化させ、光を照射した際に生じる蛍光光度の変化から、電位分布を可視化する方法(例えば、非特許文献1参照)や、電位測定対象を遺伝子操作することにより、電位センサータンパク質に蛍光タンパク質を繋ぎ合わせたタンパク質性の膜電位プローブを、特定の細胞に発現させ、その色調変化から膜電位を可視化する方法がある(例えば、非特許文献2参照)。しかし、これらの方法は、電位測定対象に指示薬を含有させるか、測定対象自体を変質させる必要があるため、金属表面の電位分布可視化には適さない。また、一般的に、金属材料の腐食現象は弱酸性から強酸性のpH3以下の水溶液で生じるが、生物学分野で対象とされている水溶液はpH7付近の中性域である。上述した蛍光試薬は、酸液中では消光し、蛍光試薬としては機能しないという問題点がある。
また、電位変化によって色調が変化するデバイスとして、エレクトロクロミズムモジュールがある(例えば、特許文献2参照)。これは、酸化還元反応により色調が変化する指示薬を含むエレクトロクロミズム層が、透明導電素子が設けられた2枚の透明基板に挟まれており、2枚の透明基板上の透明導電素子の間の電位変化によってエレクトロクロミズム層の色調が変化するというものである。この方法では、電位に感応するエレクトロクロミズム層が透明基板に挟まれているため、そのままでは金属表面の電位分布可視化には適さない。すなわち、金属表面の電位に応じて色調が変化する物質を、透明あるいは半透明のマトリックスとして作製し、金属表面に近接させる具体的な方法は未だ開示されていない。
ところで、水溶液中における金属材料表面の電位分布を計測する方法として、導電性高分子であるポリアニリンなどを用いた方法が開示されているが(例えば、特許文献3参照)、この方法は、電位変化に対する色調の変化が緩やかであり、測定精度が低いという欠点が存在する。導電性高分子を電位計測素子として用いる際の電位計測精度向上に関しても、未だ具体的な方法は開示されていない。
ところで、水溶液中の電気化学反応に及ぼす金属表面の電位の影響を把握するためには、電位分布と同時に、光学顕微鏡観察を行えることも必要である。そのためには、固体状マトリックスが可視光に対して透明もしくは半透明であることが好適であるが、高い精度で電位を計測しつつ、明瞭に金属表面の反応状況を観察できる具体的な方法は明らかにされていない。
特開2016−080604号公報 特開2012−037859号公報 特開2018−009834号公報
Y. L. Huang, A. S. Walker, and E. W. Miller, "A Photostable Silicon Rhodamine Platform for Optical Voltage Sensing"、 J. Am. Chem. Soc., 2015, 137, 33, p.10767-10776 H. Tsutsui, S. Higashijima, A. Miyawaki, and Y. Okamura, "Visualizing voltage dynamics in zebrafish heart", J. Physiol., 2010, 588, 12, p.2017-2021
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、酸性環境で生じる金属の孔食やすき間腐食などにおける金属表面の局部腐食現象を解析するために、水溶液中の金属表面の電位分布やその経時変化を、画像や動画として高い電位計測精度および高い時間分解能で計測するための、金属表面の電位分布可視化用デバイスの提供にある。
本発明者は、このような従来技術の限界を克服し、未解決の課題を解決するため種々の試験研究を行い、本発明を完成させた。本発明の主旨は、以下の通りである。
本発明に係る金属表面の電位分布可視化用デバイスは、導電性を有する有機系高分子から成る固体マトリックスに、酸化還元反応により変色あるいは発色する指示薬を含有して成り、水溶液中において、測定対象である金属表面の電位に呼応した色調変化が生じるよう構成されており、前記指示薬の構成成分として、硫黄と窒素とを含む、または、フェノチアジン系化合物を含む、または、メチレンブルーあるいはインジゴカルミンの一方もしくは両方を含むことを特徴とする。
本発明に係る金属表面の電位分布可視化用デバイスは、前記有機系高分子が、π電子共役系が分子鎖に沿って連なる構造を有することが好ましい。また、前記有機系高分子が、六員環の間にイミン窒素原子とアミン窒素原子を含んでいてもよく、導電性ポリアニリンであってもよい。
本発明に係る金属表面の電位分布可視化用デバイスは、前記固体マトリックスが、絶縁基板上の表層面であってもよい。
本発明は、酸性環境で生じる金属の孔食やすき間腐食などにおける金属表面の局部腐食現象を解析するために、水溶液中の金属表面の電位分布やその経時変化を、静止画像や動画として高い電位計測精度および高い時間分解能で記録・計測するための、金属表面の電位分布可視化用デバイスの提供にある。本発明によれば、酸性水溶液中において、金属表面の電位分布や、その経時変化を画像として計測することが可能である。また、電位分布と共に、材料表面の外観変化も通常の可視光を光源とするカメラや実態顕微鏡、光学顕微鏡などで撮影することが可能である。
本発明の実施の形態の金属表面の電位分布可視化用デバイスにより、金属表面の電位変化に伴う固体マトリックスの色調変化を計測する装置を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
金属表面の電位(電極電位)を計測する手法の代表例は、標準水素電極などの照合電極を用いるものである。照合電極と金属表面(試験片)を共に水溶液中に浸漬し、電位差計を介して両極を導線でつなぐと、照合電極の電極電位を基準として金属表面の電極電位を計測できる。なお、本明細書中での「電位」とは、このように水溶液中に浸漬された金属が、照合電極に対して示す電極電位のことである。照合電極を細線化して、その先端のみが電位に感応するように工夫し、金属表面を走査することで、金属表面の電位分布を計測することが可能である。しかし、照合電極の走査に非常に長い時間を必要とする。そこで、短時間で金属表面の電位分布を計測するために、酸化還元反応により変色あるいは発色する指示薬を電位感応物質として使用した。これにより、電位分布を色調分布からリアルタイムで計測することができる。
この際、金属表面の電位を正確に計測するためには、指示薬は水溶液を介して、金属表面に密着もしくは近接していることが望ましい。このため、指示薬を水溶液中に分散させるのではなく、固体マトリックスに含有させた。なお、可視光などを光源として、色調変化を観察・解析する際に、これを高い精度で達成するためには、固体状マトリックスは透明もしくは半透明であることが望ましい。
固体マトリックスは、導電性を有する有機系高分子から構成されている必要がある。これは、固体マトリックスの内部に含有された指示薬が、金属表面の電位に感応して変色あるいは発色する必要があるためである。導電性の程度としては、0.01 mS/cm以上であれば、問題なく金属表面の電位分布可視化用デバイスとして機能するが、電位変化に対する応答速度などの観点からは1 mS/cm以上が望ましい。
導電性を有する有機系高分子は、一般的に、それ自体が水溶液中において、わずかではあるが電位に感応し、色調が変化する性質を有している。そして、導電性を有する有機系高分子から固体状マトリックスに、酸化還元反応により変色あるいは発色する指示薬を含有させることで、単純な合算効果以上に大きな変色・発色現象が現れ、極めて高い感度で金属表面の電位を可視化できるようになる。導電性を有する有機系高分子の中でも、二重結合と単結合とが交互に連なっている共役系高分子は、π軌道を有し、分子間相互作用が高いため、水溶液中や紫外可視光に対して長時間高い耐久性を示すものが多く、しかも指示薬が電位に感応する効果を増感する作用が高い。さらに、導電性を有する有機系高分子が、六員環の間にイミン窒素原子とアミン窒素原子とを含む場合には、指示薬がより顕著に電位に感応する効果を増感するようになる。なかでも、固体マトリックスが、導電性ポリアニリンである場合には、非常に優れた増感作用が現れる。
導電性ポリアニリンの作製方法は、特に限定されないが、高い精度での電位可視化を行う場合には、アニリンを原料として化学重合法により作製する方法が好適である。導電性を有する高分子は、一般に、電解重合法や化学重合法によって作製することができるが、電解重合法によって作製される高分子は、電流を人為的に流して重合するため、化学重合法によって作製される高分子に比べ、多くの電荷が残留したり帯電したりしていると考えられる。このため、電解重合法によって作製されたものは、水溶液中での反応性に影響を与え、電位を正確に測定することができない。したがって、水溶液中の金属材料表面の電位分布を、おおむね0.01 V以上の分解能で正確に計測する際には、化学重合法を用いて重合した導電性を有する有機系高分子を使用することが望ましい。
また、金属表面の電位分布を計測するためには、電位分布可視化用デバイスを金属表面に接触させなければいけない。そのため、固体状マトリックスは、形状の設計性や柔軟性を有し、かつ金属表面に押し付けた際の荷重に対して耐久性を示す必要がある。硫酸酸性アニリン水溶液とペルオキソ二硫酸アンモニウムとを用いる酸化重合法によって作製される高分子は、その幾何学的形状の自由度や力学的強度が高いだけでなく、金属表面の電位変化を鮮明かつ高精度でイメージングするため、金属腐食などの電気化学反応に伴う電位分布やその経時変化を、高精度で、かつ腐食現象の観察と同時に測定する必要がある場合に好適である。
ところで、変色・発色指示薬を含有させた状態で使用する、一般によく知られた固体マトリックスとしては、寒天、ゼラチン、ゾル−ゲル法で作製したゲル状の含水二酸化ケイ素、ゲル状のポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール含水ゲルなどがある。しかし、これらは、それ自体は非導電性であり、導電性を有する有機系高分子から構成される本発明の固体マトリックスには該当しない。たとえば、KCl水溶液を含む寒天は、ゲル状の物質全体としては導電性を有するが、寒天という物質自体は非導電性であり、本発明の固体マトリックスとは異なる。本発明の特徴の一つは、導電性を有する有機系高分子を使用して固体マトリックスを作製し、そこに酸化還元反応により変色あるいは発色する指示薬を含有させることで、指示薬単独あるいは導電性を有する有機系高分子単独では得られない、極めて高い電位感応性を発現することにある。
次に、酸化還元反応により変色あるいは発色する指示薬について述べる。指示薬は、特に限定されないが、導電性を有する有機系高分子から構成される固体マトリックスにおいては、複素環式化合物を含む酸化還元指示薬が高い変色・発色作用を示す。さらに高い電位可視化を求める際には、硫黄と窒素とを含む指示薬を使用することが好ましく、フェノチアジン系化合物であることがより好ましい。特に、メチレンブルーあるいはインジゴカルミンの一方もしくは両方を含む際に、特に高い精度で電位を可視化することができる。
さらに、金属電極表面のすき間に伴う液性変化を解析する場合など、電位を計測する金属材料が平板状などの単純な形態の場合には、電位感応物質が、絶縁性基板上の表層面であることが必要である。基盤を絶縁物とすることで、高い精度で電位を計測することができるうえ、電位感応物質を金属表面に密着させたり、近接させたりすることが容易になる。なお、本明細書中における近接とは、固体マトリックスの表面を、金属材料に15 μm以内に近づけることを意味する。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
図1は、金属表面の電位変化に伴う固体マトリックスの色調変化を計測する装置の側面図である。固体マトリックスは、後述する方法で、ガラス(非電気伝導性)の片面に膜として作製した。この膜状の固体マトリックスが存在する面が下側になるように、ガラス板を電気化学セルに配置し、固体マトリックスを電解液である0.01 M 塩化ナトリウム溶液(pH 3.0)に浸漬した。さらに、固体マトリックスから約5 μmの間隔を離して、白金ブロックを電気化学セル内に配置した。白金ブロックの上面の寸法は、5 mm×5 mmとした。この白金ブロックと固体マトリックスは、約5 μmの間隔のすき間を介して対面している配置とした。さらに、このすき間内には、0.01 M 塩化ナトリウム溶液(pH 3.0)を導入した。
電気化学セルには、白金対極と銀塩化銀照合電極とを配置し、ポテンショスタットを用いて、固体マトリックスと対面している白金ブロックの電位を制御した。銀塩化銀照合電極は、先端部に液絡があり、内部液と電解液とが電気的に接触している。固体マトリックスを有するガラスの背面から、対物レンズを用い、光学顕微鏡を介して可視光を照射し、固体マトリックスの色調を対物レンズと光学顕微鏡とを通して分光光度計により計測した。この際、固体マトリックスを透過した、対面する白金ブロックからの反射光も分光計測するため、固体マトリックスと対面する白金ブロックの表面は鏡面研磨した。電位設定後、分光光度計による計測が完了するまでの時間は、1秒以内とした。固体マトリックスの色調は、外周部と中心部とで若干の差異があったため、より電位に感応しやすい固体マトリックス外周部を評価の対象とした。
照射する可視光の光源にはキセノンランプを用い、固体マトリックスの色調を、JIS Z 8781-4に基づいて、L、a、b値として解析し、固体マトリックスの自然浸漬電位における色調の値と、もっとも色調変化が顕著であった電位での色調の値との間の色差ΔE ab値で評価した。そして、色差が19以上のものは「◎」、15以上19未満のものは「◎」、10以上15未満のものは「〇」、3以上10未満のものは「△」、3未満のものは「×」として、表1および表2に、各種の固体マトリックスと酸化還元反応により変色あるいは発色する指示薬との組み合わせに対する評価結果を整理した。なお、本実施例における電位表示の基準は、内部液を 3.33 M KClとする銀/塩化銀電極基準での表示とする。
さらに、電位変化の検出感度として、電位に対する色調変化(色差)が最も顕著であった電位領域において、色差が 1.0変化するために必要な電位変化の値を算出し、表1および表2に記載した。この値は小さいほど、電位変化の検出感度が高いことになる。
比較例1は、固体マトリックスとして飽和KCl水溶液を用いて作製した寒天30 mLにメチレンブルーを0.01 g添加したものを用いた例である。電位変化に伴い色差の変化が生じたが、その変化は小さなものであった。
比較例2は、指示薬を含まない固体マトリックスとしてポリチオフェンを使用したものである。撹拌子により300 rpm(1分間あたりの回転数)で撹拌した0.5 M硫酸30 mLとチオフェン1 mLの混合溶液(常温)に、耐酸テープで片面を被覆したガラス板を浸漬し、さらに0.1 Mペルオキソ二硫酸アンモニウムを50 mL加え、60分間浸漬処理を行うことで、導電性ガラス板の片面にポリチオフェン膜を作製した。耐酸テープを剥離して、純水で洗浄した後、0.01 M 塩化ナトリウム溶液(pH 3.0)に浸漬し1時間保管した後に色調を計測し、色差を評価した。導電性を有する有機系高分子であるポリチオフェン膜のみで指示薬を含まないが、電位に感応して色調が変化することが分かる。しかし、変化の程度は小さいものであり、金属表面の電位を正確に解析できるものでない。
同様に、比較例3と4は、固体マトリックスとして、それぞれポリピロールとポリアニリンを用いた例である。いずれの場合も、指示薬を含まない例である。原料試薬としてピロールおよびアニリンを、いずれの場合も1 mL使用し、比較例2と同様に、化学重合法により膜を作製した。指示薬を含まない固体マトリックスの膜であるが、電位に感応して色調が変化することが分かる。しかし、変化の程度は小さいものであり、金属表面の電位を正確に解析できるものでない。
実施例1〜42は、固体マトリックスとして、導電性を有する有機系高分子からなり、酸化還元反応により変色あるいは発色する指示薬を含有する本発明の例である。撹拌子により300 rpm(1分間あたりの回転数)で撹拌した0.5 M硫酸30 mL、導電性を有する有機系高分子の原料試薬1 mL、さらに指示薬0.01 gの混合溶液(常温)に、耐酸テープで片面を被覆したガラス板を浸漬し、さらに0.1 Mペルオキソ二硫酸アンモニウムを50 mL加え、60分間浸漬処理を行うことで、導電性ガラス板の片面に導電性を有する有機系高分子の膜を作製した。耐酸テープを剥離して、純水で洗浄した後、0.01 M 塩化ナトリウム溶液(pH 3.0)に浸漬し、1時間保管した後に色調を計測し、色差を評価した。導電性を有する有機系高分子としてポリアニリンを作製した際には、原料試薬としてアニリンを、ポリチオフェンの際にはチオフェンを、ポリピロールの際にはピロールを用いた。指示薬を複数使用した例では、合計した質量として0.01 gを添加した。指示薬を含む固体マトリックスは、いずれも半透明であり、固体マトリックスを通して金属表面を光学顕微鏡で観察することが可能であった。
表1および表2の比較例1〜4と実施例1〜42との対比から、固体マトリックスとして、導電性を有する有機系高分子からなり、酸化還元反応により変色あるいは発色する指示薬を含有する物質を用いることで、水溶液中における測定対象である金属表面の電位に呼応した色調変化が、高い感度で可視化できることが分かる。
さらに、表1および表2より、本発明に基づき作製した電位分布可視化用デバイスにおいて、高い感度で、水溶液中における測定対象である金属表面の電位を可視化できることが分かる。
本発明は、ステンレス鋼などの金属腐食の初期過程での材料表面の電位分布や、その経時変化を、画像や動画として計測するためのイメージングデバイスとして利用可能である。

Claims (7)

  1. 導電性を有する有機系高分子から成る固体マトリックスに、酸化還元反応により変色あるいは発色する指示薬を含有して成り、水溶液中において、測定対象である金属表面の電位に呼応した色調変化が生じるよう構成されており、前記指示薬の構成成分として、硫黄と窒素とを含むことを特徴とする金属表面の電位分布可視化用デバイス。
  2. 導電性を有する有機系高分子から成る固体マトリックスに、酸化還元反応により変色あるいは発色する指示薬を含有して成り、水溶液中において、測定対象である金属表面の電位に呼応した色調変化が生じるよう構成されており、前記指示薬の構成成分として、フェノチアジン系化合物を含むことを特徴とする金属表面の電位分布可視化用デバイス。
  3. 導電性を有する有機系高分子から成る固体マトリックスに、酸化還元反応により変色あるいは発色する指示薬を含有して成り、水溶液中において、測定対象である金属表面の電位に呼応した色調変化が生じるよう構成されており、前記指示薬の構成成分として、メチレンブルーあるいはインジゴカルミンの一方もしくは両方を含むことを特徴とする金属表面の電位分布可視化用デバイス。
  4. 前記有機系高分子が、π電子共役系が分子鎖に沿って連なる構造を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の金属表面の電位分布可視化用デバイス。
  5. 前記有機系高分子が、六員環の間にイミン窒素原子とアミン窒素原子とを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の金属表面の電位分布可視化用デバイス。
  6. 前記有機系高分子が、導電性ポリアニリンであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の金属表面の電位分布可視化用デバイス。
  7. 前記固体マトリックスが、絶縁基板上の表層面であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の金属表面の電位分布可視化用デバイス。
JP2018095665A 2018-05-17 2018-05-17 金属表面の電位分布可視化用デバイス Active JP6739048B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018095665A JP6739048B2 (ja) 2018-05-17 2018-05-17 金属表面の電位分布可視化用デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018095665A JP6739048B2 (ja) 2018-05-17 2018-05-17 金属表面の電位分布可視化用デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019200165A JP2019200165A (ja) 2019-11-21
JP6739048B2 true JP6739048B2 (ja) 2020-08-12

Family

ID=68612502

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018095665A Active JP6739048B2 (ja) 2018-05-17 2018-05-17 金属表面の電位分布可視化用デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6739048B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB202101623D0 (en) * 2021-02-05 2021-03-24 Univ Oxford Innovation Ltd Method and apparatus for measuring a surface charge distribution, method and apparatus for measuring an electrical property of entities in a liquid

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8118987B2 (en) * 2007-08-29 2012-02-21 Corning Incorporated Two-dimensional control of electrochemical surface potentials
TW201207536A (en) * 2010-08-10 2012-02-16 J Touch Corp Electrochromic module and display device integrated with the same
EP3023783A4 (en) * 2013-07-16 2017-03-29 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Oxygen detection agent composition, oxygen detection sheet, oxygen absorber packaging material, and oxygen absorber packet
US9274093B2 (en) * 2013-08-22 2016-03-01 Savannah River Nuclear Solutions, Llc Method for characterization of the rate of movement of an oxidation front in cementitious materials
JP5924372B2 (ja) * 2014-05-30 2016-05-25 国立大学法人東北大学 材料表面の液性解析用蛍光イメージングデバイス
JP6502646B2 (ja) * 2014-10-21 2019-04-17 一般財団法人ファインセラミックスセンター 電極/電解液界面試料の作製方法および電位分布のその場観察方法
JP2018009834A (ja) * 2016-07-12 2018-01-18 国立大学法人東北大学 金属材料の電位解析用イメージングデバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019200165A (ja) 2019-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rudd et al. Fluorescence confocal laser scanning microscopy as a probe of pH gradients in electrode reactions and surface activity
Chovin et al. Development of an ordered array of optoelectrochemical individually readable sensors with submicrometer dimensions: application to remote electrochemiluminescence imaging
Izquierdo et al. Development of Mg2+ ion-selective microelectrodes for potentiometric scanning electrochemical microscopy monitoring of galvanic corrosion processes
Hasheminejad et al. Plasmonic imaging of the interfacial potential distribution on bipolar electrodes
Rius-Ruiz et al. Solid-state reference electrodes based on carbon nanotubes and polyacrylate membranes
Abramova et al. Solid contact ion sensor with conducting polymer layer copolymerized with the ion-selective membrane for determination of calcium in blood serum
Tavares et al. Photovoltaics, plasmonics, plastic antibodies and electrochromism combined for a novel generation of self-powered and self-signalled electrochemical biomimetic sensors
Zhang et al. High-sensitivity flexible electrochemical sensor for real-time multi-analyte sweat analysis
Blaz et al. Multielectrode potentiometry in a one-drop sample
Gómez-Caballero et al. Molecularly imprinted poly [tetra (o-aminophenyl) porphyrin] as a stable and selective coating for the development of voltammetric sensors
Zine et al. Hydrogen-selective microelectrodes based on silicon needles
Li et al. A novel pH potentiometric sensor based on electrochemically synthesized polybisphenol A films at an ITO electrode
Wachta et al. Electroanalytical strategies for local pH sensing at solid–liquid interfaces and biointerfaces
JP6739048B2 (ja) 金属表面の電位分布可視化用デバイス
Kaden et al. Study of the glass/polypyrrole interface in an all-solid-state pH sensor
Salinas et al. Light-emitting bipolar electrochemistry: a straightforward way to illustrate thermodynamic aspects to students
Xiao et al. Iridium oxide and cobalt hydroxide microfluidic-based potentiometric pH sensor
Purushothama et al. Pencil graphite electrode based electrochemical system for the investigation of antihypertensive drug hydrochlorothiazide: An electrochemical study
Dauphin et al. High-Resolution Imaging of the Electrochemical Interface by Operando Fluorescence Confocal Laser Scanning Microscopy
Thomaz et al. Development of an affordable, portable and reliable voltametric platform for general purpose electroanalysis
Nagy et al. Electrochemical sensors developed for gathering microscale chemical information
Munteanu et al. Water electrolysis carried out on microelectrodes to obtain new insights into the regulation of cytosolic pH
JP2018009834A (ja) 金属材料の電位解析用イメージングデバイス
WO2012039076A1 (en) A method for quantifying a chemical substance with substitutional stripping voltammetry and a sensor chip used therefor
Shahdost-Fard et al. A scalable electrochromic aptasensing interface as a highly selective Apta-Chip for visual detection of methamphetamine

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180518

A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20180525

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20181228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20191209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200702

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6739048

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250