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Description

本開示は電池システムに関し、より特定的には、各々がニッケル水素電池である複数のセルを含む電池システムに関する。
ニッケル水素電池を適切に保護するためには、ニッケル水素電池の正極電位および負極電位を推定し、これらの電位がいずれも適切な範囲内となるように使用することが望ましい。ニッケル水素電池の正極電位はSOC(State Of Charge)およびメモリ効果によって変化し得るので、ニッケル水素電池の正極電位を高精度に推定するための技術が求められている。たとえば特開2016−091978号公報(特許文献1)は、負極の開放電位、負極抵抗および電流値に基づいて負極電位を推定し、負極電位から正極電位を推定する技術を開示する。
特開2016−091978号公報
特許文献1によれば、負極抵抗に温度依存性が存在することに基づき、負極抵抗と温度との対応関係(マップまたは演算式)を予め求めておくことによって、温度から負極抵抗が推定される。
一般に、ニッケル水素電池の製造時には、負極表面(水素吸蔵合金の表面)に種々のガスが吸着されているとともに負極表面が酸化被膜により覆われているため、負極に水素を吸蔵可能にするための活性化処理(いわゆる初期活性化処理)が実施される。この負極活性化は、ニッケル水素電池の使用期間が経過するに従ってさらに進行し得る。
負極活性化が進行すると、水素が吸蔵されやすくなることで負極抵抗が低下し、それにより充放電時の負極への過電圧が低下し得る。このように、負極活性化の進行により負極抵抗が次第に低下し、その結果、負極電位(ひいては正極電位)の推定精度が低下し得る。特許文献1では負極活性化の進行について特に考慮されていないので、負極電位の推定精度に改善の余地が存在する。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ニッケル水素電池の複数のセルを含む電池システムにおいて、負極電位の推定精度を向上させることが可能な技術を提供することである。
本開示のある局面に従う電池システムは、各々がニッケル水素電池である第1および第2のセルと、負極電位を推定する推定装置とを備える。負極推定装置は、第1および第2のセルについて、温度をパラメータとして負極抵抗を規定するデータを記憶したメモリを含み、上記データを用いて負極電位を推定する。推定装置は、第1のセルの電圧および電流から第1のセルの抵抗を推定するとともに、第2のセルの電圧および電流から第2のセルの抵抗を推定し、第1のセルの抵抗と第2のセルの抵抗との第1の抵抗差を算出する。推定装置は、第1のセルの温度に対応する第1のセルの負極抵抗をデータを用いて推定するとともに、第2のセルの温度に対応する第2のセルの負極抵抗をデータを用いて推定し、第1のセルの負極抵抗と第2のセルの負極抵抗との第2の抵抗差を算出する。推定装置は、第1および第2の抵抗差の比から第1および第2のセルの負極活性化の進行度合いを示す活性化係数を算出し、算出された活性化係数を用いてデータを補正する。
本発明者は、第1のセルと第2のセルとの間で温度バラつきが生じた場合であっても正極抵抗の差は極めて小さいことに着目した。この知見に基づき、上記構成によれば、第1の抵抗差を算出することによって負極抵抗の差を求めることができる(後述する式(3)参照)。この負極抵抗の差には負極活性化の経時変化の影響が反映されているため、活性化係数の算出に用いることができる。そして、活性化係数を用いて上記データを補正することによって、負極活性化が進行した場合であっても負極抵抗を高精度に推定することが可能になる。したがって、負極電位の推定精度を向上させることができる。
本発明によれば、ニッケル水素電池の複数のセルを含む電池システムにおいて、負極電位の推定精度を向上させることができる。
本実施の形態に係る電池システムが搭載されたハイブリッド車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。 組電池に含まれる各セルの構成を示す図である。 本実施の形態におけるマップの補正手法を説明するための図である。 本実施の形態に係るマップ補正処理を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る組電池の放電制御を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下では、本実施の形態に係る電池システムがハイブリッド車両に搭載される構成を例に説明する。しかし、本実施の形態に係る電池システムは、電気自動車または燃料電池車等の他の電動車両に搭載されてもよい。なお、電池システムの用途は車両用に限定されるものではなく、たとえば定置用であってもよい。
[実施の形態]
<電池システムの構成>
図1は、本実施の形態に係る電池システムが搭載されたハイブリッド車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。車両1は、電池システム2と、モータジェネレータ(MG:Motor Generator)10,20と、動力分割機構30と、エンジン40と、駆動輪50とを備える。電池システム2は、組電池100と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)150と、電力制御ユニット(PCU:Power Control Unit)200と、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)300とを備える。
モータジェネレータ10,20の各々は、たとえば三相交流回転電機である。モータジェネレータ10は、動力分割機構30を介してエンジン40のクランク軸に連結される。モータジェネレータ10は、エンジン40を始動させる際には組電池100の電力を用いてエンジン40のクランク軸を回転させる。また、モータジェネレータ10はエンジン40の動力を用いて発電することも可能である。モータジェネレータ10によって発電された交流電力は、PCU200により直流電力に変換されて組電池100に充電される。また、モータジェネレータ10によって発電された交流電力は、モータジェネレータ20に供給される場合もある。
モータジェネレータ20は、組電池100からの電力およびモータジェネレータ10により発電された電力のうちの少なくとも一方を用いて駆動軸を回転させる。また、モータジェネレータ20は回生制動によって発電することも可能である。モータジェネレータ20によって発電された交流電力は、PCU200により直流電力に変換されて組電池100に充電される。
動力分割機構30は、たとえば遊星歯車機構であり、エンジン40のクランク軸、モータジェネレータ10の回転軸、および駆動軸の三要素を機械的に連結する。エンジン40は、ガソリンエンジン等の内燃機関であり、ECU300からの制御信号に応じて車両1が走行するための駆動力を発生する。
PCU200は、組電池100とモータジェネレータ10,20との間で電力を変換する。PCU200は、インバータおよびコンバータ(いずれも図示せず)を含む。インバータは、一般的な三相インバータである。コンバータは、昇圧動作時には組電池100から供給された電圧を昇圧してインバータに供給する。コンバータは、降圧動作時にはインバータから供給された電圧を降圧して組電池100を充電する。SMR150は、組電池100とPCU200とを結ぶ電流経路に電気的に接続される。SMR150がECU300からの制御信号に応じて閉成されている場合、組電池100とPCU200との間で電力の授受が行なわれ得る。
組電池100は、各々がニッケル水素電池である複数のセル(図1では2つのセル101,102を示す)を含む。各セルの構成については図2にて説明する。なお、セル101は本開示に係る「第1のセル」に相当し、セル102は本開示に係る「第2のセル」に相当する。
組電池100には、電圧センサ110と、電流センサ120と、温度センサ130とが設けられる。電圧センサ110は、組電池100に含まれる各セルの電圧(図1ではセル101の電圧Vb1およびセル102の電圧Vb2を示す)を検出する。電流センサ120は、組電池100に入出力される電流Ibを検出する。温度センサ130は、組電池100の温度Tb(セル101の温度Tb1およびセル102の温度Tb2を含む)を検出する。各センサは、その検出結果をECU300に出力する。ECU300は、各センサによる検出結果に基づいて組電池100(より詳細には各セル101)のSOC(State Of Charge)を算出する。
ECU300は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、入出力バッファ(図示せず)とを含んで構成される。ECU300は、各センサから受ける信号、ならびにメモリ302に記憶されたマップ(後述するマップMP0)およびプログラムに基づいて、車両1が所望の状態となるように各機器を制御する。ECU300により実行される主要な処理として、セル101の正極電位Vp1および負極電位Vn1の推定処理が挙げられる。この推定処理については後に詳細に説明する。なお、ECU300は、本開示に係る「推定装置」に相当する。
図2は、組電池100に含まれる各セルの構成を示す図である。各セルの構成は共通であるため、図2ではセル101の構成を代表的に示す。セル101は、たとえば角形密閉式のセルであり、ケース101Aと、ケース101Aに設けられた安全弁101Bと、ケース101A内に収容された電極体101Cおよび電解液(図示せず)とを含む。なお、図2ではケース101Aの一部を透視して電極体101Cを示している。
ケース101Aは、いずれも金属からなるケース本体および蓋体を含み、蓋体がケース本の開口部上で全周溶接されることにより密閉される。安全弁101Bは、ケース101A内部の圧力が所定値を超えると、ケース101A内部のガス(水素ガス等)の一部を外部に排出する。電極体101Cは、正極板と、負極板と、セパレータとを含む。正極板は袋状のセパレータ内に挿入されており、セパレータ内に挿入された正極板と、負極板とが交互に積層されている。正極板および負極板は、図示しない正極端子および負極端子にそれぞれ電気的に接続される。
電極体101Cおよび電解液の材料としては従来公知の各種材料を用いることができる。本実施の形態においては、一例として、正極板には、水酸化ニッケル(Ni(OH)またはNiOOH)を含む正極活物質層と、発泡ニッケルなどの活物質支持体とを含む電極板が用いられる。負極板には、水素吸蔵合金(たとえばLaNiまたはReNi)を負極活物質として含む電極板が用いられる。セパレータには、親水化処理された合成繊維からなる不織布が用いられる。電解液には、水酸化カリウム(KOH)または水酸化ナトリウム(NaOH)などを含むアルカリ水溶液が用いられる。
<負極電位の推定>
以上のように構成された電池システム2において、組電池100の放電制御を以下のように実行することが考えられる。すなわち、ニッケル水素電池の負極抵抗には温度依存性(対応関係)が存在するため、この温度依存性をマップMP0(図3にて後述)として予め求めておき、温度Tb1から負極抵抗を推定する。さらに、負極抵抗からセル101の負極電位Vn1を推定し、負極電位Vn1からセル101の正極電位Vp1を推定する。そして、正極電位Vp1に基づいて、組電池100の放電を制御する(たとえば特許文献1参照)。
一般に、ニッケル水素電池の製造時には、負極表面(水素吸蔵合金の表面)に種々のガスが吸着されているとともに負極表面が酸化被膜により覆われているため、負極に水素を吸蔵可能にするための活性化処理(いわゆる初期活性化処理)が実施される。本発明者は、ニッケル水素電池の使用期間の経過とともに負極活性化がさらに進行し得る点に着目した。
セル101の負極活性化が進行すると、水素が吸蔵されやすくなることで負極抵抗Rnが低下し、それにより、たとえば放電時の負極電位Vnが真値よりも高く算出されることになる。その結果、セルの電圧Vb1(電圧センサ110の検出値)と負極電位Vnの合計から算出された正極電位Vpが高くなり得る。このような負極活性化の進行について特に考慮せず、予め求められたマップMPを使用し続けると、負極抵抗Rnが次第に低下し、その結果、負極電位Vnおよび正極電位Vpの推定精度が低下し得る。
そこで、本実施の形態においては、負極抵抗Rnの経時変化を反映させるべく、マップMPを適宜補正(あるいは更新)する手法を採用する。本実施の形態では、2つのセル101,102の温度(Tb1,Tb2)と負極抵抗とから負極活性化の進行度合いを示す活性化係数kが算出され、活性化係数kを用いてマップMP0が補正される。以下、本実施の形態におけるマップMP0の補正手法について詳細に説明する。
図3は、本実施の形態におけるマップMP0の補正手法を説明するための図である。図3(A)には補正前のマップMP0(初期マップ)を示し、図3(B)には補正後のマップMPを示す。各マップの横軸はセル(セル101またはセル102)の温度Tbを表し、縦軸はセルの負極抵抗Rnを表す。
以下では、セル101の正極抵抗および負極抵抗をRp1,Rn1とそれぞれ表し、セル102の正極抵抗および負極抵抗をRp2,Rn2とそれぞれ表す。また、セル101全体としての抵抗(セル抵抗)をR1と表し、セル102全体としての抵抗(セル抵抗)をR2と表す。セル101,102の各々について、セル抵抗と正極抵抗と負極抵抗との間には、それぞれ下記式(1),(2)の関係が成立する。
R1=Rp1+Rn1 ・・・(1)
R2=Rp2+Rn2 ・・・(2)
本実施の形態においては、まず、セル101の電圧Vb1、電流Ibおよび温度Tb1が取得されるとともに、セル102の電圧Vb2、電流Ibおよび温度Tb2が取得される。そして、セル101の電圧Vb1および電流Ibからセル抵抗R1が算出される(R1=Vb1/Ib)。セル102についても同様に、電圧Vb2および電流Ibからセル抵抗R1が算出される(R2=Vb2/Ib)。さらに、セル抵抗R1とセル抵抗R2との差分ΔR(第1の抵抗差)の絶対値(|R1−R2|)が算出される。
ここで、本発明者の実験の結果、ニッケル水素電池の正極材料においては正極抵抗(Rp1,Rp2)の温度依存性が極めて小さく、セル間に温度バラつきが生じている場合であっても正極抵抗は互いにほぼ等しいことが明らかとなった。すなわち、Rp1≒Rp2である。よって、セル抵抗R1とセル抵抗R2との差分ΔRの絶対値は、下記式(3)に示すように、負極抵抗Rn1と負極抵抗Rn2との差を表すことになる。
ΔR=|Rn1−Rn2| ・・・(3)
続いて、本実施の形態では、メモリ302に予め記憶された補正前のマップMP0(図3(A参照)を用いて、セル101の温度Tb1から負極抵抗Rn10が推定されるとともに、セル102の温度Tb2から負極抵抗Rn20が推定される。より詳細には、補正前のマップMPにおいて、負極抵抗Rn0の温度依存性は、曲線C0:Rn0=f(Tb)と表される。この曲線C0を用いることによって、Rn10=f(Tb1)と推定され、Rn20=f(Tb2)と推定される。
さらに、負極抵抗Rn10と負極抵抗Rn20との差分ΔRn0(第2の抵抗差)の絶対値が算出される(下記式(4)参照)。
ΔRn0=|Rn10−Rn20| ・・・(4)
差分ΔRn0が負極活性化の影響(経時変化)が反映されていない初期パラメータであるのに対し、差分ΔRは、負極活性化の影響が反映されたパラメータである。したがって、差分ΔRn0と差分ΔRとを比較することによって、負極活性化の進行度合いを推定することができる。より具体的には、下記式(5)に示すように、差分ΔRn0に対する差分ΔRの比が活性化係数kとして算出される。
k=ΔR/ΔRn0 ・・・(5)
さらに、図3(B)に示すように、活性化係数kを用いてマップMP0が補正される。補正後のマップMPにおいて、曲線Cは、Rn=k×Rn0と表される。
図4は、本実施の形態に係るマップ補正処理を示すフローチャートである。図4および後述する図5に示すフローチャートは、所定条件成立時または所定周期毎にメインルーチンから呼び出されて実行される。また、これらのフローチャートに含まれる各ステップ(以下「S」と略す)は、基本的にはECU300によるソフトウェア処理によって実現されるが、ECU300内に作製された専用のハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。
S101において、ECU300は、セル101に設けられた電圧センサ110および温度センサ130からセル101の電圧Vb1および温度Tb1をそれぞれ取得する。また、ECU300は、電流センサ120から組電池100を流れる電流Ibを取得する。
S102において、ECU300は、S101と同様に、セル102の電圧Vb2、電流Ib、温度Tb2を取得する。なお、S101とS102との処理の順序を入れ替えてもよいし、これらの処理を同時に実行してもよい。
S103において、ECU300は、電圧Vb1および電流Ibからセル抵抗R1を推定するとともに、電圧Vb2および電流Ibからセル抵抗R2を推定する。さらに、ECU300は、セル抵抗R1とセル抵抗R2との差分により、抵抗差ΔR(の絶対値|R1−R2|)を算出する(S104)。
S105において、ECU300は、マップMP(図3(A)参照)を参照し、セル101の温度Tb1から負極抵抗Rn10を推定するとともに、セル102の温度Tb2から負極抵抗Rn20を推定する。さらに、ECU300は、負極抵抗Rn10と負極抵抗Rn20との差分により、抵抗差ΔRn0(の絶対値|Rn10−Rn20|)を算出する(S106)。なお、S103,S104とS105,S106との処理の順序を入れ替えてもよい。
S107において、ECU300は、S104にて算出した抵抗差ΔRと、S106にて算出した抵抗差ΔRn0とを用いて、活性化係数k(=ΔR/Rn0)を算出する。
S108において、ECU300は、活性化係数kを用いてマップMP0を補正する。より具体的には、曲線C0により表される関係式(Rn0=f(Tb))の右辺に活性化係数kを乗算することにより、関係式(Rn=k×Rn0=k×f(Tb))(曲線C)を求める。この曲線Cにより表される関係がマップMPとしてメモリ302に記憶される。
図5は、本実施の形態に係る組電池100の放電制御を示すフローチャートである。以下ではセル101の負極電位Vn1および正極電位Vp1を推定する構成を例に説明するが、他のセル(セル102等)の負極電位および正極電位を推定してもよい。
S201において、ECU300は、セル101の負極電位Vn1を推定する。より詳細には、ECU300は、電流センサ120により検出された電流Ibと、S105(図4参照)にて算出した負極抵抗Rn1との積を負極開放電位OCVn1に加算することにより、負極電位Vn1を算出する(下記式(6)参照)。なお、負極開放電位OCVn1は、所定のSOC範囲内においてはSOCにかかわらず一定であるため、実験により予め求めておくことができる。
Vn1=OCVn1+Ib×Rn1 ・・・(6)
S202において、ECU300は、セル101の正極電位Vp1を推定する。より詳細には、ECU300は、電圧センサ110により検出されたセル101の電圧Vb1を、S201にて算出した負極電位Vn1に加算することにより、正極電位Vp1を算出する(下記式(7)参照)。
Vp1=Vn1+Vb1 ・・・(7)
S203において、ECU300は、負極電位Vn1が所定の負極保護電位未満であり、かつ、正極電位Vp1が所定の正極保護電位よりも高いか否かを判定する。なお、負極保護電位は、セル101の負極の劣化が起こり得る電位を考慮して予め設定された電位である。正極保護電位も同様に、セル101の正極の劣化(たとえば正極活物質層内の導電材の溶出)が起こり得る電位を考慮して予め設定された電位である。
負極電位Vn1が負極保護電位未満であり、かつ、正極電位Vp1が正極保護電位よりも高い場合(S203においてYES)、ECU300は、以下のS204の処理をスキップして処理をメインルーチンへと戻す。これにより、図5に示す処理が繰り返し実行される。
一方、負極電位Vn1が負極保護電位以上である場合、または正極電位Vp1が正極保護電位以下である場合(両方が成立する場合も含む)、ECU300は、処理をS201に進め、通常時(S203においてNOの場合)と比べて、組電池100からの出力を抑制する。本実施の形態においては、ECU300は、組電池100からの放電電力の制御上限値である放電電力上限値Woutを通常時の基準値Wrefよりも低下させて、組電池100からの出力が抑制されやすくする。なお、基準値Wrefは、組電池100の温度およびSOCに応じて実験またはシミュレーションにより予め規定され、メモリ302に記憶されている。
以上のように、本実施の形態によれば、セル間(セル101とセル102との間)で温度バラつきが生じた場合であっても正極抵抗の変化が極めて小さいことに着目し(Rp1≒Rp2)、セル抵抗の差分(ΔR)を取ることによって負極抵抗の差(|Rn1−Rn2|)を求めることができる(上記式(3)参照)。この負極抵抗の差には負極活性化の経時変化の影響が反映されているため、活性化係数kの算出に用いることができる。そして、活性化係数kを用いてマップMP0を補正することによって、たとえ負極活性化が進行した場合であっても負極抵抗を高精度に推定することが可能になる。したがって、負極電位の推定精度を向上させることができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 電池システム、10,20 モータジェネレータ、30 動力分割機構、40 エンジン、50 駆動輪、100 組電池、101,102 セル、101A ケース、101B 安全弁、101C 電極体、110 電圧センサ、120 電流センサ、130 温度センサ、200 PCU、300 ECU、301 CPU、302 メモリ。

Claims (1)

  1. 各々がニッケル水素電池である第1および第2のセルと、
    前記第1および第2のセルについて、温度をパラメータとして負極抵抗を規定するデータを記憶したメモリを含み、前記データを用いて負極電位を推定する推定装置とを備え、
    前記推定装置は、
    前記第1のセルの電圧および電流から前記第1のセルの抵抗を推定するとともに、前記第2のセルの電圧および電流から前記第2のセルの抵抗を推定し、前記第1のセルの抵抗と前記第2のセルの抵抗との第1の抵抗差を算出し、
    前記第1のセルの温度に対応する前記第1のセルの負極抵抗を前記データを用いて推定するとともに、前記第2のセルの温度に対応する前記第2のセルの負極抵抗を前記データを用いて推定し、前記第1のセルの負極抵抗と前記第2のセルの負極抵抗との第2の抵抗差を算出し、
    前記第1および第2の抵抗差の比から前記第1および第2のセルの負極活性化の進行度合いを示す活性化係数を算出し、算出された活性化係数を用いて前記データを補正する、電池システム。
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