本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の有機EL表示装置は、マトリックス上に形成された複数の画素を有するアクティブマトリックス型の有機EL表示装置である。アクティブマトリックス型の表示装置は、ガラスなどの基板上にTFT(薄膜トランジスタ)とTFTの側方部に位置しTFTと接続された配線とを有し、その上に凹凸を覆うようにして平坦化層を有し、さらに平坦化層上に表示素子が設けられている。表示素子と配線とは、平坦化層に形成されたコンタクトホールを介して接続される。
図1に平坦化層と絶縁層を形成したTFT基板の断面図を示す。基板6上に、ボトムゲート型またはトップゲート型のTFT1が行列状に設けられており、このTFT1を覆う状態でTFT絶縁層3が形成されている。また、このTFT絶縁層3の下にTFT1に接続された配線2が設けられている。さらにTFT絶縁層3上には、配線2を開口するコンタクトホール7とこれらを埋め込む状態で平坦化層4が設けられている。平坦化層4には、配線2のコンタクトホール7に達するように開口部が設けられている。そして、このコンタクトホール7を介して、配線2に接続された状態で、平坦化層4上にITO5(透明電極)が形成されている。ここで、ITO5は、有機EL素子の第一電極となる。そしてITO5の周縁を覆うように絶縁層8が形成される。この有機EL素子は、基板6の反対側から発光光を放出するトップエミッション型でもよいし、基板6側から光を取り出すボトムエミッション型でもよい。
また、この基板に赤、緑、青色領域にそれぞれ発光ピーク波長を有する有機EL素子が配列したもの、もしくは全面に白色の有機EL素子を作製して別途カラーフィルタと組み合わせて使用するようなものをカラーディスプレイと呼び、通常、表示される赤色領域の光のピーク波長は560〜700nm、緑色領域は500〜560nm、青色領域は420〜500nmの範囲である。
発光画素と呼ばれる範囲は、対向配置された第一電極と第二電極とが交差し重なる部分、さらに、第一電極上に絶縁層が形成される場合にはそれにより規制される範囲である。アクティブマトリックス型ディスプレイにおいては、スイッチング手段が形成される部分が発光画素の一部を占有するように配置されることがあり、発光画素の形状は矩形状ではなく、一部分が欠落したような形でもよい。しかしながら、発光画素の形状はこれらに限定されるものではなく、例えば円形でもよく、絶縁層の形状によっても容易に変化させることができる。また、ここでは単位面積に対する絶縁層開口部の面積率を絶縁層開口率と呼ぶ。本発明は高精細な表示特性を目指した絶縁層開口率の低い有機EL表示装置で、より大きな効果を発揮する。これは、画素シュリンクという課題が画素の端部から拡がる現象に基づいているためである。具体的には有機EL装置において、表示エリアにおける絶縁層開口率が20%以下であることが、本発明の効果が大きい点で好ましい。
本発明における有機EL素子の作製について、まずマスク蒸着法やインクジェット法によって有機EL層が形成される。代表的なマスク蒸着法として、蒸着マスクを用いて有機化合物を蒸着してパターニングする方法で、所望のパターンを開口部とした蒸着マスクを基板の蒸着源側に配置して蒸着を行う方法が挙げられる。高精度の蒸着パターンを得るためには、平坦性の高い蒸着マスクを基板に密着させることが重要であり、一般的に、蒸着マスクに張力をかける技術や、基板背面に配置した磁石によって蒸着マスクを基板に密着させる技術などが用いられる。蒸着マスクの製造方法としては、エッチング法や機械的研磨、サンドブラスト法、焼結法、レーザー加工法、感光性樹脂の利用などが挙げられるが、微細なパターンが必要な場合は、加工精度に優れるエッチング法や電鋳法を用いることが多い。
本発明における有機EL素子に含まれる有機EL層の構成は特に限定されず、例えば、(1)正孔輸送層/発光層、(2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、(3)発光層/電子輸送層のいずれであってもよい。
続いて第二電極を形成する。アクティブマトリックス型では、発光領域全体に渡って第二電極がベタで形成されることが多い。第二電極には、電子を効率よく注入できる陰極としての機能が求められるので、電極の安定性を考慮して金属材料が多く用いられる。なお、第一電極を陰極に、第二電極を陽極にすることも可能である。
第二電極を形成後、封止をおこない有機EL表示装置が得られる。一般的に、有機EL素子は酸素や水分に弱いとされ、信頼性の高い表示装置を得るためには出来るだけ酸素と水分の少ない雰囲気下で封止をおこなうことが好ましい。封止に使用する部材についても、ガスバリア性の高いものを選定することが好ましい。
本発明の有機EL表示装置の一態様は、第一電極上に形成された絶縁層が、感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜である有機EL表示装置であって、該硬化膜に含まれる芳香環の存在量を基準1として、同じく該硬化膜に含まれる酸無水物の存在量が、0.003以上0.04以下である。なお、本発明において、硬化膜を単に膜という場合がある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、絶縁層中に含有する酸無水物の量を特定量以下とすることにより、有機EL装置の長期信頼性が向上することを突き止めるに至った。より具体的には、絶縁層中に含有している酸無水物が経時的に劣化してカルボン酸を形成する。さらに、このカルボン酸の分解物が有機EL素子の電極と化学反応を起こすことで、画素の端部から発光輝度が低下する、もしくは不点灯となる、画素シュリンクと呼ばれる現象を引き起こすことを特定した。よってこの課題を解決するためには、該硬化膜中の酸無水物の量を定量的に管理することが必要であり、FT−IRによる測定が適していることも併せて見出した。一方、感光性樹脂組成物であれば、優れた感度で加工する目的から絶縁層中に含有する酸無水物の量をゼロにすることは好ましくなく、該硬化膜に含まれる芳香環の存在量を基準1として、同じく該硬化膜に含まれる酸無水物の存在量が、0.003以上0.04以下であることが好ましい。
本発明の有機EL表示装置の別の一態様は、第一電極上に形成された絶縁層が、感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜である有機EL表示装置であって、該硬化膜に含まれる酸無水物の存在量を示す下記指標(a)が0.003以上0.04以下である。
指標(a)=(1853cm−1の強度)/(1436cm−1の強度)
但し、上記強度は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)により測定される吸収の強度である。
長期信頼性に優れた画素シュリンクの小さい絶縁層を得るためには、該硬化膜中の酸無水物の濃度が小さい、すなわち該硬化膜のFT−IRにより測定される酸無水物の吸収の強度を小さくすることが重要である。具体的には、芳香環に対応する波数1436cm−1における強度と酸無水物に対応する波数1853cm−1における強度を用いた下記式で表される指標(a)が、0.04以下、より好ましくは0.03以下とすることが好ましい。ただし、優れた感度で加工する目的から指標(a)がゼロとなることは好ましくなく、指標(a)が0.003以上であることが好ましい。
指標(a)=(1853cm−1の強度)/(1436cm−1の強度)
但し、上記強度は、FT−IRにより測定される吸収の強度である。
ここで用いるフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)とは、赤外線を吸収して励起した化学結合や格子振動を検出する手法であり、官能基の定性分析や化学構造の情報を得ることに適している。測定箇所や試料の形態により、透過法やATR法(全反射法)などの測定モードを選ぶことが出来るが、特に限定されない。
本発明に用いられる感光性樹脂組成物より得られる硬化膜中の酸無水物濃度Cxは、0.0052mmol/g以上0.07mmol/g以下であることが好ましい。
本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂、(B)感光剤、および(C)有機溶剤、を含むことが好ましい。
<(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂>
本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。本発明において、カルボン酸構造を有するとはカルボキシル基を有することを表す。カルボン酸構造を有することにより、感度向上の効果が得られやすくなる。本発明におけるアルカリ可溶性とは、樹脂をγ−ブチロラクトンに溶解した溶液をシリコンウェハー上に塗布し、120℃で4分間プリベークを行って膜厚10μm±0.5μmのプリベーク膜を形成し、該プリベーク膜を23±1℃の2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に1分間浸漬した後、純水でリンス処理したときの膜厚減少から求められる溶解速度が50nm/分以上であることをいう。前記(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂は、耐熱性向上の点から、芳香族カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂であることがより好ましい。なお、本発明において、芳香族カルボン酸構造とは、芳香環と直接、共有結合したカルボン酸構造をいう。
(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂の主鎖を構成する樹脂としては、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリアミノアミド、ポリアミド、カルド系樹脂、ラジカル重合性モノマーから得られる重合体、フェノール樹脂が挙げられるが、これに限定されない。なお、本発明において、酸性基とは、ブレンステッドの定義において酸性を示す置換基を表す。酸性基の具体例として、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基などが挙げられる。(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂の樹脂として、前記樹脂を2種以上含有してもよい。これらの樹脂の中でも、耐熱性に優れ、高温下におけるアウトガス量が少ないものが好ましい。具体的には、ポリイミド前駆体が好ましく、アルカリ可溶性向上の点からアミド酸構造を有するポリイミド前駆体がより好ましい。
本発明において、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂は、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂の主鎖を構成する樹脂として用いるポリイミド、ポリイミド前駆体、またはポリベンゾオキサゾール前駆体の中から選ばれる樹脂またはそれらの共重合体に、さらにアルカリ可溶性を向上させるため、カルボン酸構造、すなわち、カルボキシル基以外に、樹脂の構造単位中および/またはその主鎖末端に酸性基を有することが好ましい。酸性基としては、例えば、フェノール性水酸基、スルホン酸基などが挙げられ、これらの中で、フェノール性水酸基が、硫黄原子を含まない点で好ましい。また、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂は、フッ素原子を有することが好ましく、アルカリ水溶液で現像する際に、膜と基材との界面に撥水性を付与し、界面へのアルカリ水溶液のしみこみを抑制しやすくすることができる。(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂中のフッ素原子含有量は、界面へのアルカリ水溶液のしみこみ防止効果の観点から5重量%以上が好ましく、アルカリ水溶液に対する溶解性の点から20重量%以下が好ましい。
本発明において、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂は、下記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。
一般式(1)中、R1は芳香環を含有する4価の有機基、R2は芳香環を含有する2価の有機基である。Xは芳香環と共有結合したカルボン酸、Yは芳香環と共有結合したカルボン酸エステルである。lは1〜2、mは0〜1の整数を示し、l+mが2である。
また、より好ましくは(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂が、一般式(1)で表される構造を主な繰り返し単位として有することである。具体的には、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂に含まれる全繰り返し単位のうち50モル%以上が一般式(1)で表される構造であることが好ましい。また、上記一般式(1)中、複数の繰り返し単位においてR1とR2はそれぞれ異なる基が混在していてもよい。
本発明に用いられる感光性樹脂組成物に用いられる、上記一般式(1)で表される構造を主な繰り返し単位として有する樹脂は、分子鎖の少なくとも一方の末端がモノアミンまたは酸無水物により封止されていることが好ましい。末端封止剤を使用することにより、得られる樹脂を用いた感光性樹脂組成物を適正な粘度に調整し易くなる。また、酸末端により樹脂が加水分解するのを抑制し、ポジ型の感光性樹脂組成物にしたときに感光剤であるキノンジアジド化合物がアミン末端により劣化することを抑制する効果がある。
末端封止剤に用いられるモノアミンは特に制限されないが、下記一般式(2)で表される基を有する化合物が好ましい。
上記一般式(2)中、R5は炭素数1〜6の飽和炭化水素基を示し、rは0または1を示す。AおよびBはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水酸基、カルボキシル基またはスルホン酸基を示す。sおよびtはそれぞれ0または1を示し、得られる樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性の観点から、s+t≧1である。
上記一般式(2)で表される基を有するモノアミンの好ましい例として、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、2−アミノ−m−クレゾール、2−アミノ−p−クレゾール、3−アミノ−o−クレゾール、4−アミノ−o−クレゾール、4−アミノ−m−クレゾール、5−アミノ−o−クレゾール、6−アミノ−m−クレゾール、4−アミノ−2,3−キシレノール、4−アミノ−3,5−キシレノール、6−アミノ−2,4−キシレノール、2−アミノ−4−エチルフェノール、3−アミノ−4−エチルフェノール、2−アミノ−4−tert−ブチルフェノール、2−アミノ−4−フェニルフェノール、4−アミノ−2,6−ジフェニルフェノール、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、2−アミノ−m−トルエン酸、3−アミノ−o−トルエン酸、3−アミノ−p−トルエン酸、4−アミノ−m−トルエン酸、6−アミノ−o−トルエン酸、6−アミノ−m−トルエン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノトルエン−3−スルホン酸などを挙げることができる。これらを2種以上用いてもよく、それ以外の末端封止剤を併用しても良い。
末端封止剤として用いられるモノアミンの導入割合は、樹脂のモノマー成分であるテトラカルボン酸誘導体100モルに対して10〜100モルが好ましく、40〜80モルがより好ましい。10モル以上、好ましくは40モル以上にすることで、得られる樹脂の有機溶剤に対する溶解性が向上するとともに、得られる樹脂を用いて感光性樹脂組成物としたときの粘度を適正に調整することができる。また、得られる樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性および硬化膜の機械強度の観点から、樹脂のモノマー成分であるテトラカルボン酸誘導体100モルに対して100モル以下が好ましく、80モル以下がより好ましく、70モル以下がさらに好ましい。
末端封止剤に用いられる酸無水物は特に制限されないが、得られる樹脂の耐熱性の観点から、環状構造を有する酸無水物または架橋性基を有する酸無水物が好ましい。例として、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ナジック酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物などが挙げられる。
末端封止剤として用いられる酸無水物の導入割合は、樹脂のモノマー成分であるジアミン100モルに対して10〜100モルが好ましく、50〜100モルがより好ましい。10モル以上、好ましくは50モル以上にすることで、得られる樹脂の有機溶剤に対する溶解性が向上するとともに、得られる樹脂を用いて感光性樹脂組成物としたときの粘度を適正に調整することができる。また、得られる樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性および硬化膜の機械強度の観点から、樹脂のモノマー成分であるジアミン100モルに対して100モル以下が好ましく、90モル以下がより好ましい。
樹脂中に導入された末端封止剤は、以下の方法で容易に検出できる。例えば、末端封止剤が導入された樹脂を、酸性溶液に溶解し、樹脂の構成単位であるアミン成分と酸成分に分解し、これをガスクロマトグラフィー(GC)や、NMR測定することにより、末端封止剤を容易に検出できる。これとは別に、末端封止剤が導入された樹脂を直接、熱分解ガスクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトルおよび13CNMRスペクトル測定で検出することが可能である。
一般式(1)で表される構造を主な繰り返し単位として有する樹脂における一般式(1)で表される構造の繰り返し数をnとすると、nは5〜100であることが好ましく、特に好ましくは10〜70である。nが5より小さいと得られる樹脂の硬化膜の強度が低下する場合がある。一方、nが100を超えると得られる樹脂の有機溶剤への溶解性が低下したり、樹脂組成物とした時の粘度が高くなりすぎる場合がある。本発明における繰り返し数nは、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により重量平均分子量(Mw)を測定することで容易に算出できる。繰り返し単位の分子量をM、樹脂の重量平均分子量をMwとすると、n=Mw/Mである。前記一般式(1)で表される構造を主な繰り返し単位として有する樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000〜100,000の範囲が好ましく、10,000〜50,000の範囲がより好ましい。
前記一般式(1)で表される構造を主な繰り返し単位として有する樹脂は、公知のポリアミド酸またはポリアミド酸エステルの製造方法に準じて製造することができ、その方法は特に限定されない。例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後ジアミン化合物と縮合剤の存在下で反応させる方法などが挙げられる。末端封止剤はジアミン化合物および酸二無水物の一部と置き換えて使用することができ、末端封止剤をジアミン化合物やテトラカルボン酸二無水物と同時に添加する方法、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物を反応させてから末端封止剤を添加する方法、末端封止剤とテトラカルボン酸二無水物あるいはジアミン化合物を反応させてからジアミン化合物あるいはテトラカルボン酸二無水物を添加する方法がある。末端封止剤と反応させるジアミン化合物またはテトラカルボン酸二無水物100モルに対する末端封止剤の導入割合が50モルを超える場合には、末端封止剤とテトラカルボン酸二無水物あるいはジアミン化合物を反応させてからジアミン化合物あるいはテトラカルボン酸二無水物を添加することで、2量体や3量体などのオリゴマーの生成が抑制されるため好ましい。さらに、上記の方法で得られたポリマーを、多量の水やメタノール/水の混合液などに投入し、沈殿させてろ別乾燥し、単離することが望ましい。この沈殿操作によって、未反応のモノマーや、2量体や3量体などのオリゴマー成分が除去され、熱硬化後の膜特性が向上する。
以下、前記一般式(1)で表される構造を主な繰り返し単位として有する樹脂を製造する方法の好ましい具体例として、ポリイミド前駆体を製造する方法について述べる。
まずR1基を有するテトラカルボン酸二無水物を重合溶媒中に溶解し、この溶液にモノアミンを添加してメカニカルスターラーで撹拌する。所定時間経過後、R2基を有するジアミン化合物を添加し、さらに所定時間撹拌する。反応温度は好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜50℃で、反応時間は好ましくは0.5〜50時間、より好ましくは2〜24時間である。
重合反応に用いられる溶媒は、原料モノマーである酸成分とジアミン成分を溶解できればよく、その種類は特に限定されないが、プロトン性溶媒が好ましい。具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンのアミド類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールなどのグリコール類、m−クレゾール、p−クレゾールなどのフェノール類、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。重合溶媒量は、得られる樹脂100重量部に対して、
100〜1900重量部使用することが好ましく、150〜950重量部がより好ましい。
<(B)感光剤>
本発明で用いられる感光性樹脂組成物における(B)感光剤の一態様として、(B)感光剤が、(b1)o−キノンジアジド化合物であって、ポジ型の感光性を有することが好ましい。
(b1)o−キノンジアジド化合物は、フェノール性水酸基を有した化合物にナフトキノンジアジドスルホン酸のスルホン酸がエステルで結合した化合物が好ましい。ここで用いられるフェノール性水酸基を有する化合物としては、Bis−Z、BisP−EZ、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、TrisP−SA、TrisOCR−PA、BisOCHP−Z、BisP−MZ、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisOCP−IPZ、BisP−CP、BisRS−2P、BisRS−3P、BisP−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PCHP、DML−PC、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP,DML−POP、ジメチロール−BisOC−P、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MTrisPC、TriML−P、TriML−35XL、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP(商品名、本州化学工業(株)製)、BIR−OC、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、BIP−BIOC−F、4PC、BIR−BIPC−F、TEP−BIP−A、46DMOC、46DMOEP、TM−BIP−A(商品名、旭有機材工業(株)製)、2,6−ジメトキシメチル−4−tert−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール、ナフトール、テトラヒドロキシベンゾフェノン、没食子酸メチルエステル、ビスフェノールA、ビスフェノールE、メチレンビスフェノール、BisP−AP(商品名、本州化学工業(株)製)などの化合物に4−ナフトキノンジアジドスルホン酸あるいは5−ナフトキノンジアジドスルホン酸をエステル結合で導入したものが好ましいものとして例示することが出来るが、これ以外の化合物を使用することもできる。
4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は水銀灯のi線領域に吸収を持っており、i線露光に適している。5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は水銀灯のg線領域まで吸収を持っており、g線露光に適している。本発明は、4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物、5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物のどちらも好ましく使用することが出来るが、露光する波長によって4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物、または5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を選択することが好ましい。また、同一分子中に4−ナフトキノンジアジドスルホニル基、5−ナフトキノンジアジドスルホニル基を併用した、ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を使用することもできるし、4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物と5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を混合して使用することもできる。
上記ナフトキノンジアジド化合物は、フェノール性水酸基を有する化合物と、キノンジアジドスルホン酸化合物とのエステル化反応によって、合成することが可能であり、公知の方法により合成することができる。これらのナフトキノンジアジド化合物を使用することで解像度、感度、残膜率がより向上する。
(b1)成分の添加量は、(C)有機溶剤を除くポジ型感光性樹脂組成物全量に対して好ましくは4重量%以上、より好ましくは6重量%以上で、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。4重量%以上30重量%以下とすることで優れた感度でパターン形成しやすくなる。
本発明で用いられる感光性樹脂組成物における(B)感光剤の別の態様として、(B)感光剤が、(b2)光重合開始剤であって、ネガ型の感光性を有し、さらに前記感光性樹脂組成物に(E)ラジカル重合性モノマーを含有することが好ましい。
(b2)光重合開始剤とは、露光によって結合開裂及び/又は反応してラジカルを発生する化合物をいう。(b2)光重合開始剤を含有させることで、後述する(E)ラジカル重合性モノマーのラジカル重合が進行し、樹脂組成物の膜の露光部がアルカリ現像液に対して不溶化することで、ネガ型のパターンを形成することができる。また、露光時のUV硬化が促進されて、感度を向上させることができる。
(b2)光重合開始剤としては、ベンジルケタール系光重合開始剤、α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤、α−アミノケトン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、アクリジン系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、芳香族ケトエステル系光重合開始剤又は安息香酸エステル系光重合開始剤が好ましく、露光時の感度向上の観点から、α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤、α−アミノケトン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、アクリジン系光重合開始剤又はベンゾフェノン系光重合開始剤がより好ましく、α−アミノケトン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤がさらに好ましい。
ベンジルケタール系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンが挙げられる。
α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤としては、例えば、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン又は2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンが挙げられる。
α−アミノケトン系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン又は3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−オクチル−9H−カルバゾールが挙げられる。
アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド又はビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドが挙げられる。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニルプロパン−1,2−ジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルブタン−1,2−ジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパン−1,2,3−トリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]オクタン−1,2−ジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1−[4−[4−(カルボキシフェニル)チオ]フェニル]プロパン−1,2−ジオン−2−(O−アセチル)オキシム、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(O−アセチル)オキシム、1−[9−エチル−6−[2−メチル−4−[1−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルオキシ]ベンゾイル]−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(O−アセチル)オキシム又は”アデカアークルズ”(登録商標)NCI−831((株)ADEKA製)が挙げられる。
アクリジン系光重合開始剤としては、例えば、1,7−ビス(アクリジン−9−イル)−n−ヘプタンが挙げられる。
チタノセン系光重合開始剤としては、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス[2,6−ジフルオロ)−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル]チタン(IV)又はビス(η5−3−メチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)チタン(IV)が挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、アルキル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、ジベンジルケトン又はフルオレノンが挙げられる。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、4−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンザルアセトフェノン又は4−アジドベンザルアセトフェノンが挙げられる。
芳香族ケトエステル系光重合開始剤としては、例えば、2−フェニル−2−オキシ酢酸メチルが挙げられる。
安息香酸エステル系光重合開始剤としては、例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(2−エチル)ヘキシル、4−ジエチルアミノ安息香酸エチル又は2−ベンゾイル安息香酸メチルが挙げられる。
本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物に占める(b2)光重合開始剤の含有量は、(A)カルボン酸構造を有する可溶性樹脂組成物及び後述する(E)ラジカル重合性モノマーの重量の合計を100重量部とした場合において、0.1重量部以上が好ましく、0.5重量部以上がより好ましく、0.7重量部以上がさらに好ましく、1重量部以上が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。一方、前記(b2)光重合開始剤の含有量は、25重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましく、17重量部以下がさらに好ましく、15重量部以下が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、現像後の解像度を向上させることができるとともに、低テーパーのパターン形状を得ることができる。
<(E)ラジカル重合性モノマー>
本発明において、(E)ラジカル重合性モノマーとは、分子中に二つ以上のエチレン性不飽和二重結合基を有する化合物をいう。露光時、(b2)光重合開始剤から発生するラジカルによって、(E)ラジカル重合性モノマーのラジカル重合が進行し、樹脂組成物の膜の露光部がアルカリ現像液に対して不溶化することで、ネガ型のパターンを形成することができる。また、(E)ラジカル重合性モノマーを含有させることで、露光時のUV硬化が促進されて、露光時の感度を向上させることができる。加えて、熱硬化後の架橋密度が向上し、硬化膜の硬度を向上させることができる。
(E)ラジカル重合性モノマーとしては、ラジカル重合の進行しやすい、(メタ)アクリル基を有する化合物が好ましい。露光時の感度向上及び硬化膜の硬度向上の観点から、(メタ)アクリル基を分子内に二つ以上有する化合物がより好ましい。(E)ラジカル重合性モノマーの二重結合当量としては、露光時の感度向上及び硬化膜の硬度向上の観点から、80〜400g/molが好ましい。
(E)ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカ(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールドデカ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、1,3,5−トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌル酸、1,3−ビス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌル酸、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−(メタ)アクリロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン若しくは9,9−ビス(4−(メタ)アクリロキシフェニル)フルオレン又はそれらの酸変性体、エチレンオキシド変性体若しくはプロピレンオキシド変性体が挙げられる。露光時の感度向上及び硬化膜の硬度向上の観点から、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、1,3,5−トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌル酸、1,3−ビス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌル酸、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−(メタ)アクリロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン若しくは9,9−ビス(4−(メタ)アクリロキシフェニル)フルオレン又はそれらの酸変性体、エチレンオキシド変性体若しくはプロピレンオキシド変性体が好ましく、現像後の解像度向上の観点から、それらの酸変性体又はエチレンオキシド変性体がより好ましい。また、現像後の解像度向上の観点から、分子内に二つ以上のグリシドキシ基を有する化合物とエチレン性不飽和二重結合基を有する不飽和カルボン酸と、を開環付加反応させて得られる化合物に、多塩基酸カルボン酸又は多塩基カルボン酸無水物を反応させて得られる化合物も好ましい。
本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物に占める(E)ラジカル重合性モノマーの含有量は、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂及び(E)ラジカル重合性モノマーの重量の合計を100重量部とした場合において、15重量部以上が好ましく、20重量部以上がより好ましく、25重量部以上がさらに好ましく、30重量部以上が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができるとともに、低テーパーのパターン形状を得ることができる。一方、前記(E)ラジカル重合性モノマーの含有量は、65重量部以下が好ましく、60重量部以下がより好ましく、55重量部以下がさらに好ましく、50重量部以下が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、硬化膜の耐熱性を向上させることができるとともに、低テーパーのパターン形状を得ることができる。
<(C)有機溶剤>
本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、(C)有機溶剤を含有することが好ましい。これによりワニスの状態にすることができ、塗布性を向上させることができる場合がある。
前記(C)有機溶剤は、γ−ブチロラクトンなどの極性の非プロトン性溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチルなどのエステル類、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、などの溶剤を単独、または混合して使用することができる。
前記(C)有機溶剤の使用量は塗布方法などに応じて適宜調整可能であり、特に限定されない。例えばポジ型であれば、(C)有機溶剤を除く感光性樹脂組成物全量に対して、100〜3000重量部が好ましく、150〜2000重量部がさらに好ましい。ネガ型をスピンコーティングにより塗膜を形成する場合であれば、感光性樹脂組成物全体の、50〜95重量%の範囲内とすることが一般的である。
<(D)熱架橋剤>
本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、(D)熱架橋剤を含有することができる。熱架橋剤とは、アルコキシメチル基、メチロール基、エポキシ基、オキセタニル基をはじめとする熱反応性の官能基を分子内に少なくとも2つ有する化合物を指す。熱架橋剤は(A)成分の樹脂またはその他添加成分を架橋し、熱硬化後の膜の耐熱性、耐薬品性および硬度を高めることができ、さらには硬化膜からのアウトガス量を低減し、有機EL表示装置の長期信頼性を高めることができることから、含有することが好ましい。
アルコキシメチル基またはメチロール基を少なくとも2つ有する化合物の好ましい例としては、DML−PC、DML−PEP、DML−OC、DML−OEP、DML−34X、DML−PTBP、DML−PCHP、DML−OCHP、DML−PFP、DML−PSBP、DML−POP、DML−MBOC、DML−MBPC、DML−MTrisPC、DML−BisOC−Z、DML−BisOCHP−Z、DML−BPC、DML−BisOC−P、DMOM−PC、DMOM−PTBP、DMOM−MBPC、TriML−P、TriML−35XL、TML−HQ、TML−BP、TML−pp−BPF、TML−BPE、TML−BPA、TML−BPAF、TML−BPAP、TMOM−BP、TMOM−BPE、TMOM−BPA、TMOM−BPAF、TMOM−BPAP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP、HMOM−TPPHBA、HMOM−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、NIKALAC(登録商標) MX−290、NIKALAC MX−280、NIKALAC MX−270、NIKALAC MX−279、NIKALAC MW−100LM、NIKALAC MX−750LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)が挙げられる。
エポキシ基を少なくとも2つ有する化合物の好ましい例としては、エポライト40E、エポライト100E、エポライト200E、エポライト400E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト400P、エポライト1500NP、エポライト80MF 、エポライト4000、エポライト3002(以上、共栄社化学(株)製)、デナコール(登録商標)EX−212L、デナコールEX−214L、デナコールEX−216L、デナコールEX−850L(以上、ナガセケムテックス(株)製)、GAN、GOT(以上、日本化薬(株)製)、エピコート(登録商標)828、エピコート1002 、エピコート1750、エピコート1007、YX8100−BH30、E1256、E4250、E4275(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、エピクロン(登録商標)EXA−9583、HP4032(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、VG3101(三井化学(株)製)、テピック(登録商標)S、テピックG、テピックP(以上、日産化学工業(株)製)、デナコールEX−321L(ナガセケムテックス(株)製)、NC6000(日本化薬(株)製)、エポトート(登録商標)YH−434L(東都化成(株)製)、EPPN502H、NC3000(日本化薬(株)製)、エピクロンN695、HP7200(以上、大日本インキ化学工業(株)製)などが挙げられる。
オキセタニル基を少なくとも2つ有する化合物の好ましい例としては、エタナコール(登録商標)EHO、エタナコールOXBP、エタナコールOXTP、エタナコールOXMA(以上、宇部興産(株)製)、オキセタン化フェノールノボラックなどが挙げられる。
熱架橋剤は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
熱架橋剤の含有量は特に限定されないが、ポジ型であれば、(C)有機溶剤を除く感光性樹脂組成物全量に対して1重量%以上30重量%以下が好ましい。熱架橋剤の含有量が1重量%以上30重量%以下であれば、焼成後または硬化後の膜の耐薬品性および硬度を高めることができ、さらには硬化膜からのアウトガス量を低減し、有機EL表示装置の長期信頼性を高めることができ、ポジ型感光性樹脂組成物の保存安定性にも優れる。一方、ネガ型の感光性樹脂組成物に占める熱架橋剤の含有量は、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂及び(B)ラジカル重合性化合物の合計を100重量部とした場合において、0.1重量部以上が好ましく、0.5重量部以上がより好ましく、1重量部以上がさらに好ましい。含有量が上記範囲内であると、硬化膜の硬度及び耐薬品性を向上させることができる。一方、含有量は、70重量部以下が好ましく、60重量部以下がより好ましく、50重量部以下がさらに好ましい。含有量が上記範囲内であると、硬化膜の硬度及び耐薬品性を向上させることができる。
<(F)着色材料>
本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、(F)着色材料を含有することが好ましい。(F)着色材料とは、特定波長の光を吸収する化合物であり、特に、可視光線の波長(380〜780nm)の光を吸収することで、着色する化合物をいう。(F)着色材料を含有させることで、感光性樹脂組成物から得られる膜を着色させることができ、樹脂組成物の膜を透過する光、又は、樹脂組成物の膜から反射する光を、所望の色に着色させる、着色性を付与することができる。また、樹脂組成物の膜を透過する光、又は、樹脂組成物の膜から反射する光から、(F)着色材料が吸収する波長の光を遮光する、遮光性を付与することができる。
(F)着色材料としては、可視光線の波長の光を吸収し、白、赤、橙、黄、緑、青又は紫色に着色する化合物が挙げられる。これらの着色材料を二色以上組み合わせることで、樹脂組成物の膜を透過する光、又は、樹脂組成物の膜から反射する光を、所望の色座標に調色する、調色性を向上させることができる。
本発明に用いられる感光性樹脂組成物としては、前記(F)着色材料が、後述する(F1)顔料及び/又は(F2)染料を含有することが好ましい。また、本発明に用いられる感光性樹脂組成物としては、前記(F)着色材料が、(Fa)黒色剤及び/又は(Fb)黒色以外の着色材料を含有することが好ましい。(Fa)黒色剤及び(Fb)黒色以外の着色材料を含有させることで、樹脂組成物の膜に遮光性、並びに、着色性及び/又は調色性を付与することができる。
(Fa)黒色剤とは、可視光線の波長の光を吸収することで、黒色に着色する化合物をいう。(Fa)黒色剤を含有させることで、樹脂組成物の膜が黒色化するため、樹脂組成物の膜を透過する光、又は、樹脂組成物の膜から反射する光を遮光する、遮光性を向上させることができる。このため、カラーフィルタのブラックマトリックス又は液晶ディスプレイのブラックカラムスペーサーなどの遮光膜や、外光反射の抑制によって高コントラスト化が要求される用途に好適である。(Fa)黒色剤としては、遮光性の観点から、可視光線の全波長の光を吸収し、黒色に着色する化合物が好ましい。また、白、赤、橙、黄、緑、青又は紫色の着色材料から選ばれる二色以上の(F)着色材料の混合物も好ましい。これらの(F)着色材料を二色以上組み合わせることで、擬似的に黒色に着色することができ、遮光性を向上させることができる。本発明に用いられる感光性樹脂組成物としては、前記(Fa)黒色剤が、後述する(F1a)黒色顔料、(F2a−1)黒色染料及び(F2a−2)二色以上の染料混合物から選ばれる一種類以上を含有することが好ましく、遮光性の観点から、後述する(F1a)黒色顔料を含有することがより好ましい。
(Fb)黒色以外の着色材料とは、可視光線の波長の光を吸収することで、着色する化合物をいう。すなわち、前述した、黒色を除く、白、赤、橙、黄、緑、青又は紫色に着色する着色材料である。本発明に用いられる感光性樹脂組成物としては、前記(Fb)黒色以外の着色材料が、後述する(F1b)黒色以外の顔料及び/又は(F2b)黒色以外の染料を含有することが好ましく、遮光性、及び、耐熱性又は耐候性の観点から、後述する(F1b)黒色以外の顔料を含有することがより好ましい。
本発明に用いられる感光性樹脂組成物において、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂、(F)着色材料、及び後述する分散剤の合計100重量%に占める、(F)着色材料の含有比率は、15重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましく、25重量%以上がさらに好ましく、30重量%以上が特に好ましい。含有比率が上記範囲内であると、遮光性、着色性又は調色性を向上させることができる。一方、前記(F)着色材料の含有比率は、80重量%以下が好ましく、75重量%以下がより好ましく、70重量%以下がさらに好ましく、65重量%以下が特に好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。また、(C)有機溶剤を除く、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の固形分に占める(F)着色材料の含有比率は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、遮光性、着色性又は調色性を向上させることができる。一方、含有比率は、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
<(F1)顔料>
本発明に用いられる感光性樹脂組成物としては、前記(F)着色材料が、(F1)顔料を含有することが好ましい。前記(F)着色材料が、(F1)顔料を含有する態様としては、前記(Fa)黒色剤及び/又は(Fb)黒色以外の着色材料として、(F1)顔料を含有することが好ましい。(F1)顔料とは、対象物の表面に(F1)顔料が物理吸着、又は、対象物の表面と(F1)顔料と、が相互作用などをすることで、対象物を着色させる化合物をいい、一般的に溶剤等に不溶である。また、(F1)顔料による着色は隠蔽性が高く、紫外線等による色褪せがしにくい。(F1)顔料を含有させることで、隠蔽性に優れた色に着色することでき、樹脂組成物の膜の遮光性及び耐候性を向上させることができる。
(F1)顔料の数平均粒子径は、1〜1,000nmが好ましく、5〜500nmがより好ましく、10〜200nmがさらに好ましい。(F1)顔料の数平均粒子径が上記範囲内であると、樹脂組成物の膜の遮光性及び(F1)顔料の分散安定性を向上させることができる。ここで、(F1)顔料の数平均粒子径は、サブミクロン粒度分布測定装置(N4−PLUS;べックマン・コールター(株)製)又はゼータ電位・粒子径・分子量測定装置(ゼータサイザーナノZS;シスメックス(株)製)を用いて、溶液中の(F1)顔料のブラウン運動によるレーザー散乱を測定する(動的光散乱法)ことで求めることができる。また、樹脂組成物から得られる硬化膜中の(F1)顔料の数平均粒子径は、SEM及びTEMを用いて測定することで求めることができる。拡大倍率を50,000〜200,000倍として、(F1)顔料の数平均粒子径を直接測定する。(F1)顔料が真球の場合、真球の直径を測定し、数平均粒子径とする。(F1)顔料が真球でない場合、最も長い径(以下、「長軸径」)及び長軸径と直交する方向において最も長い径(以下、「短軸径」)を測定し、長軸径と短軸径を平均した、二軸平均径を数平均粒子径とする。
(F1)顔料としては、例えば、有機顔料又は無機顔料が挙げられる。
有機顔料を含有させることで、樹脂組成物の膜に着色性又は調色性を付与することができる。加えて、有機物であるため、化学構造変化又は官能基変換により、所望の特定波長の光を透過又は遮光するなど、樹脂組成物の膜の透過スペクトル又は吸収スペクトルを調整し、調色性を向上させることができる。
有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ピランスロン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、インドリン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ベンゾフラノン系顔料、ペリレン系顔料、アニリン系顔料、アゾ系顔料、アゾメチン系顔料、縮合アゾ系顔料、カーボンブラック、金属錯体系顔料、レーキ顔料、トナー顔料又は蛍光顔料が挙げられる。耐熱性の観点から、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ピランスロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンゾフラノン系顔料、ペリレン系顔料、縮合アゾ系顔料及びカーボンブラックが好ましい。
フタロシアニン系顔料としては、例えば、銅フタロシアニン系化合物、ハロゲン化銅フタロシアニン系化合物又は無金属フタロシアニン系化合物が挙げられる。
アントラキノン系顔料としては、例えば、アミノアントラキノン系化合物、ジアミノアントラキノン系化合物、アントラピリミジン系化合物、フラバントロン系化合物、アントアントロン系化合物、インダントロン系化合物、ピラントロン系化合物又はビオラントロン系化合物が挙げられる。
アゾ系顔料としては、例えば、ジスアゾ系化合物又はポリアゾ系化合物が挙げられる。
無機顔料を含有させることで、感光性樹脂組成物の膜に着色性又は調色性を付与することができる。加えて、無機物であり、耐熱性及び耐候性により優れるため、感光性樹脂組成物の膜の耐熱性及び耐候性を向上させることができる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、炭酸バリウム、酸化ジルコニウム、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、二酸化ケイ素、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、べんがら、モリブデンレッド、モリブデンオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、グラファイト若しくは銀スズ合金、又は、チタン、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、ニッケル、亜鉛、カルシウム若しくは銀などの金属の微粒子、酸化物、複合酸化物、硫化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、窒化物、炭化物若しくは酸窒化物が挙げられる
本発明に用いられる感光性樹脂組成物としては、前記(F1)顔料が、後述する(F1a)黒色顔料、又は、(F1a)黒色顔料及び(F1b)黒色以外の顔料を含有することが好ましい。
(C)有機溶剤を除く、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の固形分に占める(F1)顔料の含有比率は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、遮光性、着色性又は調色性を向上させることができる。一方、含有比率は、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
<(F1a)黒色顔料及び(F2a)黒色以外の顔料>
本発明に用いられる感光性樹脂組成物としては、前記(F1)顔料が、(F1a)黒色顔料、又は、(F1a)黒色顔料及び(F1b)黒色以外の顔料を含有することが好ましい。(F1a)黒色顔料とは、可視光線の波長の光を吸収することで、黒色に着色する顔料をいう。(F1a)黒色顔料を含有させることで、樹脂組成物の膜が黒色化するとともに、隠蔽性に優れるため、樹脂組成物の膜の遮光性を向上させることができる。本発明に用いられる感光性樹脂組成物としては、前記(F1a)黒色顔料が、後述する(F1a−1)黒色有機顔料、(F1a−2)黒色無機顔料及び(F1a−3)二色以上の着色顔料混合物から選ばれる一種類以上であることが好ましい。
(C)有機溶剤を除く、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の固形分に占める(F1a)黒色顔料の含有比率は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、遮光性を向上させることができる。一方、含有比率は、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
(F1b)黒色以外の顔料とは、可視光線の波長の光を吸収することで、黒色を除く、紫、青、緑、黄、橙、赤又は白色に着色する顔料をいう。(F1b)黒色以外の顔料を含有させることで、樹脂組成物の膜を着色させることができ、着色性又は調色性を付与することができる。(F1b)黒色以外の顔料を二色以上組み合わせることで、樹脂組成物の膜を所望の色座標に調色することができ、調色性を向上させることができる。(F1b)黒色以外の顔料としては、後述する、黒色を除く、白、赤、橙、黄、緑、青又は紫色に着色する顔料が挙げられる。本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物としては、前記(F1b)黒色以外の顔料が、後述する(F1b−1)黒色以外の有機顔料及び/又は(F1b−2)黒色以外の無機顔料であることが好ましい。
(C)有機溶剤を除く、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の固形分に占める(F1b)黒色以外の顔料の含有比率は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、着色性又は調色性を向上させることができる。一方、含有比率は、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
<(F1a−1)黒色有機顔料、(F1a−2)黒色無機顔料及び(F1a−3)二色以上の顔料混合物>
本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物としては、前記(F1a)黒色顔料が、(F1a−1)黒色有機顔料、(F1a−2)黒色無機顔料及び(F1a−3)二色以上の着色顔料混合物から選ばれる一種類以上であることが好ましい。(F1a−1)黒色有機顔料とは、可視光線の波長の光を吸収することで、黒色に着色する有機顔料をいう。(F1a−1)黒色有機顔料を含有させることで、樹脂組成物の膜が黒色化するとともに、隠蔽性に優れるため、樹脂組成物の膜の遮光性を向上させることができる。さらに、有機物であるため、化学構造変化又は官能基変換により、所望の特定波長の光を透過又は遮光するなど、樹脂組成物の膜の透過スペクトル又は吸収スペクトルを調整し、調色性を向上させることができる。
(F1a−1)黒色有機顔料としては、例えば、アントラキノン系黒色顔料、ベンゾフラノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、アニリン系黒色顔料、アゾメチン系黒色顔料又はカーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック及びランプブラックが挙げられる。遮光性の観点から、チャンネルブラックが好ましい。
(C)有機溶剤を除く、本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物の固形分に占める(F1a−1)黒色有機顔料の含有比率は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、遮光性及び調色性を向上させることができる。一方、含有比率は、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
<表面処理がされたカーボンブラック>
カーボンブラックとしては、表面処理がされたカーボンブラックが好ましい。表面処理としては、酸性基を導入する表面処理、シランカップリング剤による表面処理又は樹脂による被覆処理が好ましい。酸性基を導入する表面処理又はシランカップリング剤による表面処理をすることで、カーボンブラックの粒子表面を酸性化、親水性化又は疎水性化するなど、粒子の表面状態を改質することができ、樹脂組成物中に含有する樹脂や後述する(G)分散剤による分散安定性を向上させることができる。
酸性基を導入する表面処理によって、カーボンブラックに導入される酸性基の具体例としては、カルボキシ基、スルホン酸基又はリン酸基などが挙げられる。カーボンブラックに導入される酸性基は、塩を形成しても構わない。酸性基と塩を形成するカチオンとしては、種々の金属イオン、含窒素化合物のカチオン、アリールアンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン又はアンモニウムイオンが挙げられる。硬化膜の絶縁性の観点から、アリールアンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン又はアンモニウムイオンが好ましい。
カーボンブラックに酸性基を導入する表面処理をする方法としては、例えば、以下の(1)〜(5)の方法が挙げられる。
(1)濃硫酸、発煙硫酸若しくはクロロスルホン酸を用いる直接置換法又は亜硫酸塩若しくは亜硫酸水素塩を用いる間接置換法により、カーボンブラックにスルホン酸基を導入する方法。(2)アミノ基と酸性基と、を有する有機化合物をアゾ化し、カーボンブラックとジアゾカップリングさせる方法。(3)ハロゲン原子と酸性基と、を有する有機化合物とヒドロキシ基を有するカーボンブラックと、をウィリアムソンのエーテル化法により反応させる方法。(4)ハロゲン化カルボニル基と保護基により保護された酸性基と、を有する有機化合物とヒドロキシ基を有するカーボンブラックと、を反応させる方法。(5)ハロゲン化カルボニル基と保護基により保護された酸性基と、を有する有機化合物とカーボンブラックと、をフリーデルクラフツ反応させた後、酸性基を脱保護させる方法。
酸性基の導入処理が、容易かつ安全である観点から、(2)の方法が好ましい。(2)の方法で用いられるアミノ基と酸性基と、を有する有機化合物としては、例えば、芳香族基にアミノ基と酸性基と、が結合した有機化合物が好ましい。芳香族基にアミノ基と酸性基と、が結合した有機化合物としては、4−アミノベンゼンスルホン酸又は4−アミノ安息香酸など、公知のものを用いることができる。
カーボンブラックに導入される酸性基のモル数は、カーボンブラック100gに対して、1mmol以上が好ましく、5mmol以上がより好ましい。モル数が上記範囲内であると、カーボンブラックの分散安定性を向上させることができる。一方、モル数は、200mmol以下が好ましく、150mmol以下がより好ましい。モル数が上記範囲内であると、カーボンブラックの分散安定性を向上させることができる。
カーボンブラックの粒子の表面状態を改質するシランカップリング剤(以下、「表面処理オルガノシラン」)による表面処理によって、カーボンブラックに導入される置換基としては、例えば、酸性基、塩基性基、親水性基又は疎水性基が挙げられる。酸性基、塩基性基、親水性基又は疎水性基としては、例えば、アルキルシリル基、アリールシリル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、又はアミノ基を有するアルキルシリル基若しくはアリールシリル基が挙げられる。
表面処理オルガノシランによる表面処理をする方法としては、例えば、表面処理オルガノシランとカーボンブラックと、を混合処理する方法が挙げられる。さらに、必要に応じて、反応溶媒、水又は触媒を添加しても構わない。
表面処理オルガノシランによる表面処理に用いる反応溶媒としては、例えば、後述する溶剤と同様のものが挙げられる。反応溶媒の添加量は、カーボンブラック及び表面処理オルガノシランの合計を100重量部とした場合において、10〜1,000重量部が好ましい。水の添加量は、加水分解性基1molに対して0.5〜2molが好ましい。
表面処理オルガノシランによる表面処理に用いる触媒としては、酸触媒又は塩基触媒が好ましい。酸触媒としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸若しくは多価カルボン酸又はこれらの無水物あるいはイオン交換樹脂が挙げられる。塩基触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミノ基を有するアルコキシシラン又はイオン交換樹脂が挙げられる。触媒の添加量は、カーボンブラック及び表面処理オルガノシランを100重量部とした場合において、0.01〜10重量部が好ましい。
表面処理オルガノシランによる表面処理温度としては、20〜250℃が好ましく、40〜200℃が好ましく、60〜180℃がさらに好ましい。
表面処理オルガノシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリn−ブトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、4−アミノフェニルトリメトキシシラン又は3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物など、公知のものを用いることができる。
表面処理オルガノシランの含有量は、カーボンブラック及び表面処理オルガノシランの合計を100重量%とした場合において、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましい。含有量が上記範囲内であると、カーボンブラックの分散安定性を向上させることができる。一方、前記含有量は、20重量%以下が好ましく、15重量%以下より好ましい。含有量が上記範囲内であると、カーボンブラックの分散安定性を向上させることができる。
カーボンブラックとしては、樹脂による被覆処理がされたカーボンブラックも好ましい。カーボンブラックを被覆する樹脂(以下、「被覆樹脂」)による被覆処理をすることで、カーボンブラックの粒子表面が導電性の低い絶縁性の被覆樹脂で被覆され、粒子の表面状態を改質することができ、硬化膜の遮光性及び絶縁性を向上させることができる。また、リーク電流の低減などにより、ディスプレイの信頼性などを向上させることができる。このため、硬化膜に絶縁性が要求される用途に用いる場合などに好適である。
被覆樹脂としては、ポリアミド、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、ジアリルフタレート樹脂、アルキルベンゼン樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート又は変性ポリフェニレンオキサイドが挙げられる。
被覆樹脂の含有量は、カーボンブラック及び被覆樹脂の合計を100重量%とした場合において、0.1重量%以上が好ましく、0.5重量%以上がより好ましい。含有量が上記範囲内であると、硬化膜の遮光性及び絶縁性を向上させることができる。一方、含有量は、40重量%以下が好ましく、30重量%以下より好ましい。含有量が上記範囲内であると、硬化膜の遮光性及び絶縁性を向上させることができる。
(C)有機溶剤を除く、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の固形分に占める表面処理がされたカーボンブラックの含有比率は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、遮光性及び調色性を向上させることができる。一方、含有比率は、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
(F1a−2)黒色無機顔料とは、可視光線の波長の光を吸収することで、黒色に着色する無機顔料をいう。(F1a−2)黒色無機顔料を含有させることで、樹脂組成物の膜が黒色化するとともに、隠蔽性に優れるため、樹脂組成物の膜の遮光性を向上させることができる。さらに、無機物であり、耐熱性及び耐候性により優れるため、樹脂組成物の膜の耐熱性及び耐候性を向上させることができる。
(F1a−2)黒色無機顔料としては、例えば、グラファイト若しくは銀スズ合金、又は、チタン、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、ニッケル、亜鉛、カルシウム若しくは銀などの金属の微粒子、酸化物、複合酸化物、硫化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、窒化物、炭化物若しくは酸窒化物が挙げられる。遮光性向上の観点から、チタン若しくは銀の微粒子、酸化物、複合酸化物、硫化物、窒化物、炭化物若しくは酸窒化物が好ましく、チタンの窒化物若しくは酸窒化物がより好ましい。黒色有機顔料又は黒色無機顔料としては、例えば、ピグメントブラック1、6、7、12、20、31又は32が挙げられる。(数値は何れもカラーインデックス(以下、「C.I.」)ナンバー)
(C)有機溶剤を除く、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の固形分に占める(F1a−2)黒色無機顔料の含有比率は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、遮光性、耐熱性及び耐候性を向上させることができる。一方、含有比率は、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
(F1a−3)二色以上の顔料混合物とは、白、赤、橙、黄、緑、青又は紫色の顔料から選ばれる二色以上の顔料を組み合わせることで、擬似的に黒色に着色する、顔料混合物をいう。(F1a−3)二色以上の顔料混合物を含有させることで、樹脂組成物の膜が黒色化するとともに、隠蔽性に優れるため、樹脂組成物の膜の遮光性を向上させることができる。さらに、二色以上の顔料を混合するため、所望の特定波長の光を透過又は遮光するなど、樹脂組成物の膜の透過スペクトル又は吸収スペクトルを調整し、調色性を向上させることができる。
赤色に着色する顔料としては、例えば、ピグメントレッド9、48、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240又は250が挙げられる(数値は何れもC.I.ナンバー)。
橙色に着色する顔料としては、例えば、ピグメントオレンジ12、36、38、43、51、55、59、61、64、65又は71が挙げられる(数値は何れもC.I.ナンバー)。
黄色に着色する顔料としては、例えば、ピグメントイエロー12、13、17、20、24、83、86、93、95、109、110、117、125、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168又は185が挙げられる(数値は何れもC.I.ナンバー)。
緑色に着色する顔料としては、例えば、ピグメントグリーン7、10、36又は58が挙げられる(数値は何れもC.I.ナンバー)。
青色に着色する顔料としては、例えば、ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、22、60又は64が挙げられる(数値は何れもC.I.ナンバー)。
紫色に着色する顔料としては、例えば、ピグメントバイオレット19、23、29、30、32、37、40又は50が挙げられる(数値は何れもC.I.ナンバー)。
白色に着色する顔料としては、例えば、酸化チタン、炭酸バリウム、酸化ジルコニウム、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、二酸化ケイ素、カオリンクレー、タルク又はベントナイトが挙げられる。
(C)有機溶剤を除く、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の固形分に占める(F1a−3)二色以上の顔料混合物の含有比率は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、遮光性及び調色性を向上させることができる。一方、含有比率は、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
<(F1b−1)黒色以外の有機顔料、(F1b−2)黒色以外の無機顔料>
本発明に用いられる感光性樹脂組成物としては、前記(F1b)黒色以外の顔料が、(F1b−1)黒色以外の有機顔料及び/又は(F1b−2)黒色以外の無機顔料であることが好ましい。(F1b−1)黒色以外の有機顔料とは、可視光線の波長の光を吸収することで、黒色を除く、白、赤、橙、黄、緑、青又は紫色に着色する有機顔料をいう。(F1b−1)黒色以外の有機顔料を含有させることで、樹脂組成物の膜を着色させることができ、着色性又は調色性を付与することができる。さらに、有機物であるため、化学構造変化又は官能基変換により、所望の特定波長の光を透過又は遮光するなど、樹脂組成物の膜の透過スペクトル又は吸収スペクトルを調整し、調色性を向上させることができる。(F1b−1)黒色以外の有機顔料を二色以上組み合わせることで、樹脂組成物の膜を所望の色座標に調色することができ、調色性を向上させることができる。
(F1b−1)黒色以外の有機顔料としては、黒色を除く、白、赤、橙、黄、緑、青又は紫色に着色する有機顔料が挙げられる。(F1b−1)黒色以外の有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ピランスロン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、インドリン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ベンゾフラノン系顔料、ペリレン系顔料、アニリン系顔料、アゾ系顔料、アゾメチン系顔料、金属錯体系顔料、レーキ顔料、トナー顔料又は蛍光顔料が挙げられる。
(C)有機溶剤を除く、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の固形分に占める(F1b−1)黒色以外の有機顔料の含有比率は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、着色性及び調色性を向上させることができる。一方、含有比率は、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
(F1b−2)黒色以外の無機顔料とは、可視光線の波長の光を吸収することで、黒色を除く、白、赤、橙、黄、緑、青又は紫色に着色する無機顔料をいう。(F1b−2)黒色以外の無機顔料を含有させることで、樹脂組成物の膜を着色させることができ、着色性又は調色性を付与することができる。さらに、無機物であり、耐熱性及び耐候性により優れるため、樹脂組成物の膜の耐熱性及び耐候性を向上させることができる。(F1b−2)黒色以外の無機顔料を二色以上組み合わせることで、樹脂組成物の膜を所望の色座標に調色することができ、調色性を向上させることができる。(F1b−2)黒色以外の無機顔料を二色以上組み合わせることで、樹脂組成物の膜を所望の色座標に調色することができ、調色性を向上させることができる。
(F1b−2)黒色以外の無機顔料としては、黒色を除く、白、赤、橙、黄、緑、青又は紫色に着色する無機顔料が挙げられる。
(F1b−2)黒色以外の無機顔料としては、例えば、酸化チタン、炭酸バリウム、酸化ジルコニウム、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、二酸化ケイ素、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、べんがら、モリブデンレッド、モリブデンオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット又はコバルトバイオレットが挙げられる。
(C)有機溶剤を除く、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の固形分に占める(F1b−2)黒色以外の無機顔料の含有比率は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、着色性若しくは調色性、耐熱性及び耐候性を向上させることができる。一方、含有比率は、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
<(F1a−1a)ベンゾフラノン系黒色顔料及び(F1a−1b)ペリレン系黒色顔料>
本発明に用いられる感光性樹脂組成物において、前記(F1a−1)黒色有機顔料が、(F1a−1a)ベンゾフラノン系黒色顔料及び/又は(F1a−1b)ペリレン系黒色顔料であることが好ましい。(F1a−1a)ベンゾフラノン系黒色顔料とは、分子内にベンゾフラン−2(3H)−オン構造又はベンゾフラン−3(2H)−オン構造を有する、可視光線の波長の光を吸収することで黒色に着色する化合物をいう。(F1a−1a)ベンゾフラノン系黒色顔料を含有させることで、樹脂組成物の膜が黒色化するとともに、隠蔽性に優れるため、樹脂組成物の膜の遮光性を向上させることができる。さらに、有機物であるため、化学構造変化又は官能基変換により、所望の特定波長の光を透過又は遮光するなど、樹脂組成物の膜の透過スペクトル又は吸収スペクトルを調整し、調色性を向上させることができる。特に、近赤外領域の波長(例えば、700nm以上)の透過率を向上させることができるため、遮光性を有し、近赤外領域の波長の光を利用する用途に好適である。
(F1a−1a)ベンゾフラノン系黒色顔料としては、一般式(63)〜(65)のいずれかで表されるベンゾフラノン化合物が好ましい。
一般式(63)〜(65)において、R206、R207、R212、R213、R218及びR219は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基又はフッ素原子を1〜20個有する、炭素数1〜10のアルキル基を表し、R208、R209、R214、R215、R220及びR221は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、カルボキシ基、スルホン酸基、アミノ基又はニトロ基を表し、R210、R211、R216、R217、R222及びR223は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜15のアリール基を表す。一般式(63)〜(65)において、R206、R207、R212、R213、R218及びR219は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフッ素原子を1〜12個有する、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。また、R208、R209、R214、R215、R220及びR221は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシ基又はスルホン酸基が好ましい。また、R210、R211、R216、R217、R222及びR223は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基が好ましい。上記のアルキル基、アリール基及びアミノ基は、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
(F1a−1a)ベンゾフラノン系黒色顔料としては、例えば、“IRGAPHOR”(登録商標) BLACK S0100CF(BASF製)、国際公開第2010−081624号記載の黒色顔料又は国際公開第2010−081756号記載の黒色顔料が挙げられる。
(C)有機溶剤を除く、本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物の固形分に占める(F1a−1a)ベンゾフラノン系黒色顔料の含有比率は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、遮光性及び調色性を向上させることができる。一方、含有比率は、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
(F1a−1b)ペリレン系顔黒色料とは、分子内にペリレン構造を有する、可視光線の波長の光を吸収することで黒色に着色する化合物をいう。
(F1a−1b)ペリレン系黒色顔料を含有させることで、樹脂組成物の膜が黒色化するとともに、隠蔽性に優れるため、樹脂組成物の膜の遮光性を向上させることができる。さらに、有機物であるため、化学構造変化又は官能基変換により、所望の特定波長の光を透過又は遮光するなど、樹脂組成物の膜の透過スペクトル又は吸収スペクトルを調整し、調色性を向上させることができる。特に、近赤外領域の波長(例えば、700nm以上)の透過率を向上させることができるため、遮光性を有し近赤外領域の波長の光を利用する用途に好適である。
(F1a−1b)ペリレン系黒色顔料としては、一般式(66)又は(67)で表されるペリレン化合物が好ましい。
一般式(66)及び(67)において、X92、X93、X94及びX95は、それぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキレン鎖を表す。R224及びR225は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数2〜6のアシル基を表す。一般式(66)及び(67)において、X92、X93、X94及びX95は、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキレン鎖が好ましい。また、R224及びR225は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数2〜4のアシル基が好ましい。上記のアルキレン鎖、アルコキシ基及びアシル基は、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
(F1a−1b)ペリレン系黒色顔料としては、例えば、ピグメントブラック21、30、31、32、33若しくは34が挙げられる(数値は何れもC.I.ナンバー)。
上記以外に、“PALIOGEN”(登録商標) BLACK S0084、同 K0084、同 L0086、同 K0086、同 EH0788又は同 FK4281(以上、何れもBASF製)が挙げられる。
(C)有機溶剤を除く、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の固形分に占める(F1a−1b)ペリレン系黒色顔料の含有比率は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、遮光性及び調色性を向上させることができる。一方、含有比率は、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
<(F2)染料>
本発明に用いられる感光性樹脂組成物としては、前記(F)着色材料が、(F2)染料を含有することが好ましい。前記(F)着色材料が、(F2)染料を含有する態様としては、前記(Fa)黒色剤及び/又は(Fb)黒色以外の着色材料として、(F2)染料を含有することが好ましい。
(F2)染料とは、対象物の表面構造に、(F2)染料中のイオン性基若しくはヒドロキシ基などの置換基が、化学吸着又は強く相互作用などをすることで、対象物を着色させる化合物をいい、一般的に溶剤等に可溶である。また、(F2)染料による着色は、分子一つ一つが対象物と吸着するため、着色力が高く、発色効率が高い。
(F2)染料を含有させることで、感光性樹脂組成物の硬化膜の着色性及び調色性を向上させることができる。
(F2)染料としては、例えば、直接染料、反応性染料、硫化染料、バット染料、硫化染料、酸性染料、含金属染料、含金属酸性染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、分散染料、カチオン染料又は蛍光増白染料などが挙げられる。
また、(F2)染料としては、アントラキノン系染料、アゾ系染料、アジン系染料、フタロシアニン系染料、メチン系染料、オキサジン系染料、キノリン系染料、インジゴ系染料、インジゴイド系染料、カルボニウム系染料、スレン系染料、ペリノン系染料、ペリレン系染料、トリアリールメタン系染料又はキサンテン系染料などが挙げられる。(C)有機溶剤への溶解性及び耐熱性の観点から、アントラキノン系染料、アゾ系染料、アジン系染料、メチン系染料、トリアリールメタン系染料、キサンテン系染料が好ましい。
本発明に用いられる感光性樹脂組成物において、前記(F2)染料が、後述する(F2a−1)黒色染料、(F2a−2)二色以上の染料混合物及び(F2b)黒色以外の染料の何れかを含有することが好ましい。
(C)有機溶剤を除く、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の固形分に占める(F2)染料の含有比率は、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、着色性又は調色性を向上させることができる。一方、含有比率は、50重量%以下が好ましく、45重量%以下がより好ましく、40重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、硬化膜の耐熱性を向上させることができる。
<(F2a−1)黒色染料、(F2a−2)二色以上の染料混合物及び(F2b)黒色以外の染料>
本発明に用いられる感光性樹脂組成物としては、前記(F2)染料が、(F2a−1)黒色染料、(F2a−2)二色以上の染料混合物及び(F2b)黒色以外の染料の何れかを含有することが好ましい。
(F2a−1)黒色染料とは、可視光線の波長の光を吸収することで、黒色に着色する染料をいう。
(F2a−1)黒色染料を含有させることで、樹脂組成物の膜が黒色化するとともに、着色性に優れるため、樹脂組成物の膜の遮光性を向上させることができる。
(F2a−1)黒色染料としては、例えば、ソルベントブラック3、5、7、22、27、29若しくは34、モーダントブラック1、11若しくは17、アシッドブラック2若しくは52、又は、ダイレクトブラック19若しくは154などが挙げられる(数値は何れもC.I.ナンバー)。
上記以外に、“NUBIAN”(登録商標) BLACK TH−807、同 TH−827、同 TH−827K、同 TN−870、同 PC−0855、同 PC−5856、同 PC−5857、同 PC−5877、同 PC−8550、同 TN−873、同 TN−877若しくは同 AH−807、OIL BLACK HBB若しくは同 860、“VALIFAST”(登録商標) BLACK 1807、同 3904、同 3810、同 3820、同 3830、同 3840、同 3866若しくは同 3870又はWATER BLACK 100−L、同 191−L、同 256−L、同 R−510若しくは同 187−LM(以上、何れもオリエント化学工業(株)製)などが挙げられる。
(C)有機溶剤を除く、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の固形分に占める(F2a−1)黒色染料の含有比率は、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、遮光性を向上させることができる。一方、含有比率は、50重量%以下が好ましく、45重量%以下がより好ましく、40重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
(F2a−2)二色以上の染料混合物とは、白、赤、橙、黄、緑、青又は紫色の染料から選ばれる二色以上の染料を組み合わせることで、擬似的に黒色に着色する、染料混合物をいう。
(F2a−2)二色以上の染料混合物を含有させることで、樹脂組成物の膜が黒色化するとともに、着色性に優れるため、樹脂組成物の膜の遮光性を向上させることができる。さらに、二色以上の染料を混合するため、所望の特定波長の光を透過又は遮光するなど、樹脂組成物の膜の透過スペクトル又は吸収スペクトルを調整し、調色性を向上させることができる。
赤色に着色する染料としては、例えば、ダイレクトレッド2、4、9、23、26、28、31、39、62、63、72、75、76、79、80、81、83、84、89、92、95、111、173、184、207、211、212、214、218、221、223、224、225、226、227、232、233、240、241、242、243若しくは247、アシッドレッド35、42、51、52、57、62、80、82、111、114、118、119、127、128、131、143、145、151、154、157、158、211、249、254、257、261、263、266、289、299、301、305、319、336、337、361、396若しくは397、リアクティブレッド3、13、17、19、21、22、23、24、29、35、37、40、41、43、45、49若しくは55、又は、ベーシックレッド12、13、14、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、39、45若しくは46が挙げられる(数値は何れもC.I.ナンバー)。
橙色に着色する染料としては、例えば、ベーシックオレンジ21又は23が挙げられる(数値は何れもC.I.ナンバー)。
黄色に着色する染料としては、例えば、ダイレクトイエロー8、9、11、12、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、87、93、95、96、98、100、106、108、109、110、130、142、144、161若しくは163、アシッドイエロー17、19、23、25、39、40、42、44、49、50、61、64、76、79、110、127、135、143、151、159、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222若しくは227、リアクティブイエロー2、3、13、14、15、17、18、23、24、25、26、27、29、35、37、41若しくは42、又は、ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39若しくは40が挙げられる(数値は何れもC.I.ナンバー)。
緑色に着色する染料としては、例えば、アシッドグリーン16が挙げられる(数値は何れもC.I.ナンバー)。
青色に着色する染料としては、例えば、アシッドブルー9、45、80、83、90若しくは185が挙げられる(数値は何れもC.I.ナンバー)。
紫色に着色する染料としては、例えば、ダイレクトバイオレット7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、100若しくは101、アシッドバイオレット5、9、11、34、43、47、48、51、75、90、103若しくは126、リアクティブバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、24、26、27、33若しくは34、又は、ベーシックバイオレット1、2、3、7、10、15、16、20、21、25、27、28、35、37、39、40若しくは48が挙げられる(数値は何れもC.I.ナンバー)。
上記以外に、“SUMILAN”(登録商標)染料、“LANYL染料”(登録商標)(以上、何れも住友化学工業(株)製)、“ORASOL”(登録商標)染料、“ORACET”(登録商標)染料、“FILAMID”(登録商標)染料、“IRGASPERSE”(登録商標)染料(以上、何れもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、“ZAPON”(登録商標)染料、“NEOZAPON”(登録商標)染料、“NEPTUNE”(登録商標)染料、“ACIDOL”(登録商標)染料(以上、何れもBASF製)、“KAYASET”(登録商標)染料、“KAYAKALAN”(登録商標)染料(以上、何れも日本化薬(株)製)、“VALIFAST”(登録商標) COLORS染料、“NUBIAN”(登録商標) COLORS染料(オリエント化学工業(株)製)、“SAVINYL”(登録商標)染料、“SANDOPLAST”(登録商標)染料、“POLYSYNTHREN”(登録商標)染料、“LANASYN”(登録商標)染料(以上、何れもクラリアントジャパン(株)製)、“AIZEN”(登録商標) “SPILON”(登録商標)染料(保土谷化学工業(株)製)、機能性色素(山田化学工業(株)製)又はPLAST COLOR染料、OIL COLOR染料(以上、何れも有本化学工業(株)製)などが挙げられる。
(C)有機溶剤を除く、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の固形分に占める(F2a−2)二色以上の染料混合物の含有比率は、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、遮光性及び調色性を向上させることができる。一方、含有比率は、50重量%以下が好ましく、45重量%以下がより好ましく、40重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
(F2b)黒色以外の染料とは、可視光線の波長の光を吸収することで、黒色を除く、白、赤、橙、黄、緑、青又は紫色に着色する染料をいう。
(F2b)黒色以外の染料を含有させることで、樹脂組成物の膜を着色させることができ、着色性又は調色性を付与することができる。(F2b)黒色以外の染料を二色以上組み合わせることで、樹脂組成物の膜を所望の色座標に調色することができ、調色性を向上させることができる。
(F2b)黒色以外の染料としては、前述した、黒色を除く、白、赤、橙、黄、緑、青又は紫色に着色する染料が挙げられる。
(C)有機溶剤を除く、本発明に用いられる感光性樹脂組成物の固形分に占める(F2b)黒色以外の染料の含有比率は、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、着色性又は調色性を向上させることができる。一方、含有比率は、50重量%以下が好ましく、45重量%以下がより好ましく、40重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、硬化膜の耐熱性を向上させることができる。
<(G)分散剤>
本発明に用いられる感光性樹脂組成物は、さらに、(G)分散剤を含有することが好ましい。
(G)分散剤とは、前述した(F1)顔料又は(F2)染料としての分散染料などの表面と相互作用する表面親和性基、及び、(F1)顔料又は分散染料の分散安定性を向上させる分散安定化構造を有する化合物をいう。(G)分散剤の分散安定化構造としては、ポリマー鎖及び/又は静電荷を有する置換基などが挙げられ、立体障害や静電反発の発現による分散効果を期待できる。
(G)分散剤を含有させることで、感光性樹脂組成物が、(F1)顔料又は分散染料を含有する場合、それらの分散安定性を向上させることができ、現像後の解像度を向上させることができる。特に、(F1)顔料が1μm以下の数平均粒子径に解砕された粒子の場合、(F1)顔料の粒子の表面積が増大するため、(F1)顔料の粒子の凝集が発生しやすくなる。一方、(F1)顔料を含有する場合、解砕された(F1)顔料の表面と(G)分散剤の表面親和性基と、が相互作用するとともに、(G)分散剤の分散安定化構造による立体障害及び/又は静電反発により、(F1)顔料の粒子の凝集を阻害し、分散安定性を向上させることができる。
表面親和性基を有する(G)分散剤としては、例えば、アミン価のみを有する分散剤、アミン価及び酸価を有する分散剤、酸価のみを有する分散剤、又は、アミン価及び酸価のいずれも有しない分散剤が挙げられる。(F1)顔料の粒子の分散安定性向上を観点から、アミン価のみを有する分散剤、並びに、アミン価及び酸価を有する分散剤が好ましい。
表面親和性基を有する(G)分散剤としては、表面親和性基であるアミノ基及び/又は酸性基が、酸及び/又は塩基と塩形成した構造を有することも好ましい。
アミン価のみを有する分散剤としては、例えば、“DISPERBYK”(登録商標)−108、同−109、同−160、同−161、同−162、同−163、同−164、同−166、同−167、同−168、同−182、同−184、同−185、同−2000、同−2008、同−2009、同−2022、同−2050、同−2055、同−2150、同−2155、同−2163、同−2164、若しくは同−2061、
“BYK”(登録商標)−9075、同−9077、同−LP−N6919、同−LP−N21116若しくは同−LP−N21324(以上、何れもビックケミー・ジャパン(株)製)、“EFKA”(登録商標) 4015、同 4020、同 4046、同 4047、同 4050、同 4055、同 4060、同 4080、同 4300、同 4330、同 4340、同 4400、同 4401、同 4402、同 4403若しくは同 4800(以上、何れもBASF製)、“アジスパー”(登録商標) PB711(味の素ファインテクノ(株)製)又は“SOLSPERSE”(登録商標) 13240、同 13940、同 20000、同 71000若しくは同 76500(以上、何れもLubrizol製)が挙げられる。
アミン価及び酸価を有する分散剤としては、例えば、“ANTI−TERRA”(登録商標)−U100若しくは同−204、“DISPERBYK”(登録商標)−106、同−140、同−142、同−145、同−180、同−2001、同−2013、同−2020、同−2025、同−187若しくは同−191、“BYK”(登録商標)−9076(ビックケミー・ジャパン(株)製、“アジスパー”(登録商標) PB821、同 PB880若しくは同 PB881(以上、何れも味の素ファインテクノ(株)製)又は“SOLSPERSE”(登録商標) 9000、同 11200、同 13650、同 24000、同 32000、同 32500、同 32500、同 32600、同 33000、同 34750、同 35100、同35200、同 37500、同 39000、同 56000、若しくは同 76500(以上、何れもLubrizol製)が挙げられる。
酸価のみを有する分散剤としては、例えば、“DISPERBYK”(登録商標)−102、同−110、同−111、同−118、同−170、同−171、同−174、同−2060若しくは同−2096、“BYK”(登録商標)−P104、同−P105若しくは同−220S(以上、何れもビックケミー・ジャパン(株)製)又は“SOLSPERSE”(登録商標) 3000、同 16000、同 17000、同 18000、同 21000、同 26000、同 28000、同 36000、同 36600、同 38500、同 41000、同 41090、同 53095若しくは同 55000(以上、何れもLubrizol製)が挙げられる。
アミン価及び酸価のいずれも有しない分散剤としては、例えば、“DISPERBYK”(登録商標)−103、同−2152、同−2200若しくは同−192(以上、何れもビックケミー・ジャパン(株)製)又は“SOLSPERSE”(登録商標) 27000、同 54000若しくは同 X300(以上、何れもLubrizol製)が挙げられる。
(G)分散剤のアミン価としては、5mgKOH/g以上が好ましく、8mgKOH/g以上がより好ましく、10mgKOH以上がさらに好ましい。アミン価が上記範囲内であると、(F1)顔料の分散安定性を向上させることができる。一方、アミン価としては、150mgKOH/g以下が好ましく、120mgKOH/g以下がより好ましく、100mgKOH/g以下がさらに好ましい。アミン価が上記範囲内であると、樹脂組成物の保管安定性を向上させることができる。
ここでいうアミン価とは、(G)分散剤1g当たりと反応する酸と当量の水酸化カリウムの重量をいい、単位はmgKOH/gである。(G)分散剤1gを酸で中和させた後、水酸化カリウム水溶液で滴定することで求めることができる。アミン価の値から、アミノ基1mol当たりの樹脂重量であるアミン当量(単位はg/mol)を算出することができ、(G)分散剤中のアミノ基の数を求めることができる。
(G)分散剤の酸価としては、5mgKOH/g以上が好ましく、8mgKOH/g以上がより好ましく、10mgKOH以上がさらに好ましい。酸価が上記範囲内であると、(F1)顔料の分散安定性を向上させることができる。一方、酸価としては、200mgKOH/g以下が好ましく、170mgKOH/g以下がより好ましく、150mgKOH/g以下がさらに好ましい。酸価が上記範囲内であると、樹脂組成物の保管安定性を向上させることができる。
ここでいう酸価とは、(G)分散剤1g当たりと反応する水酸化カリウムの重量をいい、単位はmgKOH/gである。(G)分散剤1gを水酸化カリウム水溶液で滴定することで求めることができる。酸価の値から、酸性基1mol当たりの樹脂重量である酸当量(単位はg/mol)を算出することができ、(G)分散剤中の酸性基の数を求めることができる。
前記(G)分散剤は、ポリマー鎖を有する分散剤であってもよい。前記ポリマー鎖を有する分散剤としては、アクリル樹脂系分散剤、ポリオキシアルキレンエーテル系分散剤、ポリエステル系分散剤、ポリウレタン系分散剤、ポリオール系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤又はポリアリルアミン系分散剤が挙げられる。アルカリ現像液でのパターン加工性の観点から、アクリル樹脂系分散剤、ポリオキシアルキレンエーテル系分散剤、ポリエステル系分散剤、ポリウレタン系分散剤又はポリオール系分散剤が好ましい。
本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物が(F1)顔料及び/又は(F2)染料として分散染料を含有する場合、本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物に占める(G)分散剤の含有比率は、(F1)顔料及び/又は分散染料、及び、(G)分散剤の合計を100重量%とした場合において、1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましく、10重量%以上がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、(F1)顔料及び/又は分散染料の分散安定性を向上させることができ、現像後の解像度を向上させることができる。一方、含有比率は、60重量%以下が好ましく、55重量%以下がより好ましく、50重量%以下がさらに好ましい。含有比率が上記範囲内であると、硬化膜の耐熱性を向上させることができる。
<その他成分−密着改良剤>
本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、密着改良剤を含有してもよい。密着改良剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、チタンキレート剤、アルミキレート剤、芳香族アミン化合物とアルコキシ基含有ケイ素化合物を反応させて得られる化合物などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの密着改良剤を含有することにより、感光性樹脂膜を現像する場合などに、シリコンウェハー、ITO、SiO2、窒化ケイ素などの下地基材との密着性を高めることができる。また、洗浄などに用いられる酸素プラズマ、UVオゾン処理に対する耐性を高めることができる。密着改良剤の含有量は、(C)有機溶剤を除く樹脂組成物全量に対して、0.1〜10重量%が好ましい。
<その他成分−界面活性剤>
本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、必要に応じて基板との濡れ性を向上させる目的で界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は市販の化合物を用いることができ、具体的にはシリコーン系界面活性剤としては、東レダウコーニングシリコーン社のSHシリーズ、SDシリーズ、STシリーズ、ビックケミー・ジャパン社のBYKシリーズ、信越シリコーン社のKPシリーズ、日本油脂社のディスフォームシリーズ、東芝シリコーン社のTSFシリーズなどが挙げられ、フッ素系界面活性剤としては、大日本インキ工業社の“メガファック(登録商標)”シリーズ、住友スリーエム社のフロラードシリーズ、旭硝子社の“サーフロン(登録商標)”シリーズ、“アサヒガード(登録商標)”シリーズ、新秋田化成社のEFシリーズ、オムノヴァ・ソルーション社のポリフォックスシリーズなどが挙げられ、アクリル系および/またはメタクリル系の重合物からなる界面活性剤としては、共栄社化学社のポリフローシリーズ、楠本化成社の“ディスパロン(登録商標)”シリーズなどが挙げられるが、これらに限定されない。
界面活性剤の含有量は(C)有機溶剤を除く感光性樹脂組成物全量に対して好ましくは0.001〜1重量%である。
<その他成分−フェノール性水酸基>
本発明で用いられるポジ型の感光性樹脂組成物は、必要に応じて感光性樹脂組成物のアルカリ現像性を補う目的で、フェノール性水酸基を有する化合物を含有してもよい。フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、Bis−Z、BisOC−Z、BisOPP−Z、BisP−CP、Bis26X−Z、BisOTBP−Z、BisOCHP−Z、BisOCR−CP、BisP−MZ、BisP−EZ、Bis26X−CP、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisCRIPZ、BisOCP−IPZ、BisOIPP−CP、Bis26X−IPZ、BisOTBP−CP、TekP−4HBPA(テトラキスP−DO−BPA)、TrisPHAP、TrisP−PA、TrisP−PHBA、TrisP−SA、TrisOCR−PA、BisOFP−Z、BisRS−2P、BisPG−26X、BisRS−3P、BisOC−OCHP、BisPC−OCHP、Bis25X−OCHP、Bis26X−OCHP、BisOCHP−OC、Bis236T−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、BisRS−OCHP、(商品名、本州化学工業(株)製)、BIR−OC、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、BIP−BIOC−F、4PC、BIR−BIPC−F、TEP−BIP−A(商品名、旭有機材工業(株)製)、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,4−ジヒドロキシキノリン、2,6−ジヒドロキシキノリン、2,3−ジヒドロキシキノキサリン、アントラセン−1,2,10−トリオール、アントラセン−1,8,9−トリオール、8−キノリノールなどが挙げられる。これらのフェノール性水酸基を有する化合物を含有することで、得られる感光性樹脂組成物は、露光前はアルカリ現像液にほとんど溶解せず、露光すると容易にアルカリ現像液に溶解するために、現像による膜減りが少なく、かつ短時間で現像が容易になる。そのため、感度が向上しやすくなる。
このようなフェノール性水酸基を有する化合物の含有量は、(C)有機溶剤を除くポジ型の感光性樹脂組成物全量に対して、好ましくは1重量%以上20重量%以下である。
<その他成分−増感剤>
本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物は、必要に応じて増感剤を含有してもよい。
増感剤とは、露光によるエネルギーを吸収し、内部転換及び項間交差によって励起三重項の電子を生じ、前述した(b2)光重合開始剤などへのエネルギー移動を介することが可能な化合物をいう。
増感剤を含有させることで、露光時の感度を向上させることができる。これは、(b2)光重合開始剤などが吸収を持たない、長波長の光を増感剤が吸収し、そのエネルギーを増感剤から(b2)光重合開始剤などへエネルギー移動をすることで、光反応効率を向上させることができるためであると推測される。
増感剤としては、チオキサントン系増感剤が好ましい。チオキサントン系増感剤としては、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン又は2,4−ジクロロチオキサントンが挙げられる。
本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物に占める増感剤の含有量は、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂及び(E)ラジカル重合性モノマーの合計を100重量部とした場合において、0.01重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましく、0.5重量部以上がさらに好ましく、1重量部以上が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。一方、含有量は、15重量部以下が好ましく、13重量部以下がより好ましく、10重量部以下がさらに好ましく、8重量部以下が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、現像後の解像度を向上させることができるとともに、低テーパーのパターン形状を得ることができる。
<その他成分−連鎖移動剤>
本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物は、必要に応じて連鎖移動剤を含有してもよい。
連鎖移動剤とは、露光時のラジカル重合により得られるポリマー鎖の、ポリマー成長末端からラジカルを受け取り、他のポリマー鎖へのラジカル移動を介することが可能な化合物をいう。
連鎖移動剤を含有させることで、露光時の感度を向上させることができる。これは、露光によって発生したラジカルが、連鎖移動剤によって他のポリマー鎖へラジカル移動することで、膜の深部にまでラジカル架橋をするためであると推測される。特に、感光性樹脂組成物が前述した(F)着色剤として、(Fa)黒色剤を含有する場合、露光による光が(Fa)黒色剤によって吸収されるため、膜の深部まで光が到達しない場合がある。一方、連鎖移動剤を含有する場合、連鎖移動剤によるラジカル移動によって、膜の深部にまでラジカル架橋をするため、露光時の感度を向上させることができる。
また、連鎖移動剤を含有させることで、低テーパーのパターン形状を得ることができる。これは、連鎖移動剤によるラジカル移動によって、露光時のラジカル重合により得られるポリマー鎖の、分子量制御をすることができるためであると推測される。すなわち、連鎖移動剤を含有することで、露光時の過剰なラジカル重合による、顕著な高分子量のポリマー鎖の生成が阻害され、得られる膜の軟化点の上昇が抑制される。そのため、熱硬化時のパターンのリフロー性が向上し、低テーパーのパターン形状が得られると考えられる。
連鎖移動剤としては、チオール系連鎖移動剤が好ましい。チオール系連鎖移動剤としては、例えば、β−メルカプトプロピオン酸、β−メルカプトプロピオン酸メチル、β−メルカプトプロピオン酸エチル、β−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、β−メルカプトプロピオン酸n−オクチル、β−メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、β−メルカプトプロピオン酸ステアリル、β−メルカプトプロピオン酸イソノニル、β−メルカプトブタン酸、β−メルカプトブタン酸メチル、β−メルカプトブタン酸エチル、β−メルカプトブタン酸2−エチルヘキシル、β−メルカプトブタン酸n−オクチル、β−メルカプトブタン酸メトキシブチル、β−メルカプトブタン酸ステアリル、β−メルカプトブタン酸イソノニル、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸n−オクチル、チオグリコール酸メトキシブチル、1,4−ビス(3−メルカプトブタノイルオキシ)ブタン、1,4−ビス(3−メルカプトプロピオニルオキシ)ブタン、1,4−ビス(チオグリコロイルオキシ)ブタン、エチレングリコールビス(チオグリコレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、1,3,5−トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌル酸、1,3,5−トリス[(3−メルカプトブタノイルオキシ)エチル]イソシアヌル酸、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)又はジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)などが挙げられる。露光時の感度向上及び低テーパーのパターン形状の観点から、1,4−ビス(3−メルカプトブタノイルオキシ)ブタン、1,4−ビス(3−メルカプトプロピオニルオキシ)ブタン、1,4−ビス(チオグリコロイルオキシ)ブタン、エチレングリコールビス(チオグリコレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、1,3,5−トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌル酸、1,3,5−トリス[(3−メルカプトブタノイルオキシ)エチル]イソシアヌル酸、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)又はジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)が好ましい。
本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物に占める連鎖移動剤の含有量は、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂及び(E)ラジカル重合性モノマーの合計を100重量部とした場合において、0.01重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましく、0.5重量部以上がさらに好ましく、1重量部以上が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができるとともに、低テーパーのパターン形状を得ることができる。一方、含有量は、15重量部以下が好ましく、13重量部以下がより好ましく、10重量部以下がさらに好ましく、8重量部以下が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、現像後の解像度及び硬化膜の耐熱性を向上させることができる。
<その他成分−重合禁止剤>
本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物は、必要に応じて重合禁止剤を含有してもよい。
重合禁止剤とは、露光時に発生したラジカル、又は、露光時のラジカル重合により得られるポリマー鎖の、ポリマー成長末端のラジカルを捕捉し、安定ラジカルとして保持することで、ラジカル重合を停止することが可能な化合物をいう。
重合禁止剤を適量含有させることで、現像後の残渣発生を抑制し、現像後の解像度を向上させることができる。これは、露光時に発生した過剰量のラジカル、又は、高分子量のポリマー鎖の成長末端のラジカルを重合禁止剤が捕捉することで、過剰なラジカル重合の進行を抑制するためと推測される。
重合禁止剤としては、フェノール系重合禁止剤が好ましい。フェノール系重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、1,4−ヒドロキノン、1,4−ベンゾキノン、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、3−t−ブチル−4−メトキシフェノール、4−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチル−1,4−ヒドロキノン若しくは2,5−ジ−t−アミル−1,4−ヒドロキノン又は“IRGANOX”(登録商標) 1010、同 1035、同 1076、同 1098、同 1135、同 1330、同 1726、同 1425、同 1520、同 245、同 259、同 3114、同 565若しくは同 295(以上、何れもBASF製)などが挙げられる。
本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物に占める重合禁止剤の含有量は、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂及び(E)ラジカル重合性モノマーの合計を100重量部とした場合において、0.01重量部以上が好ましく、0.03重量部以上がより好ましく、0.05重量部以上がさらに好ましく、0.1重量部以上が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、現像後の解像度及び硬化膜の耐熱性を向上させることができる。一方、含有量は、10重量部以下が好ましく、8重量部以下がより好ましく、5重量部以下がさらに好ましく、3重量部以下が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、露光時の感度を向上させることができる。
<その他成分−シランカップリング剤>
本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物は、必要に応じてシランカップリング剤を含有してもよい。
シランカップリング剤とは、加水分解性のシリル基又はシラノール基を有する化合物をいう。
シランカップリング剤を含有することで、感光性樹脂組成物の硬化膜と下地の基板界面における相互作用が増大し、下地の基板との密着性及び硬化膜の耐薬品性を向上させることができる。
シランカップリング剤としては、三官能オルガノシラン、四官能オルガノシラン又はシリケート化合物が好ましい。
三官能オルガノシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、4−トリルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、4−メトキシフェニルトリメトキシシラン、4−t−ブチルフェニルトリメトキシシラン、1−ナフチルトリメトキシシラン、2−ナフチルトリメトキシシラン、4−スチリルトリメトキシシラン、2−フェニルエチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシベンジルトリメトキシシラン、1−(4−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシ−5−(4−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4−(N−t−ブチル)アミノ−4−オキソブタン酸、3−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4−(N−t−ブチル)アミノ−4−オキソブタン酸、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸、3−トリメトキシシリルプロピオン酸、4−トリメトキシシリル酪酸、5−トリメトキシシリル吉草酸、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、4−(3−トリメトキシシリルプロピル)シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(3−トリメトキシシリルプロピル)フタル酸無水物、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピルトリメトキシシラン、3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−(4−アミノフェニル)プロピルトリメトキシシラン、1−[4−(3−トリメトキシシリルプロピル)フェニル]尿素、1−(3−トリメトキシシリルプロピル)尿素、1−(3−トリエトキシシリルプロピル)尿素、3−トリメトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌル酸、N−t−ブチル−2−(3−トリメトキシシリルプロピル)コハク酸イミド又はN−t−ブチル−2−(3−トリエトキシシリルプロピル)コハク酸イミドが挙げられる。
四官能オルガノシラン又はシリケート化合物としては、例えば、一般式(68)で表されるオルガノシランが挙げられる。
一般式(68)において、R226〜R229は、それぞれ独立して、水素、アルキル基、アシル基又はアリール基を表し、xは1〜15の整数を表す。一般式(68)において、R226〜R229は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアシル基又は炭素数6〜15のアリール基が好ましく、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアシル基又は炭素数6〜10のアリール基がより好ましい。上記のアルキル基、アシル基及びアリール基は、無置換体又は置換体のいずれであっても構わない。
一般式(68)で表されるオルガノシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン若しくはテトラアセトキシシランなどの四官能オルガノシラン、メチルシリケート51(扶桑化学工業(株)製)、Mシリケート51、シリケート40、シリケート45(以上、何れも多摩化学工業(株)製)、メチルシリケート51、メチルシリケート53A、エチルシリケート40、エチルシリケート48(以上、何れもコルコート(株)製)などのシリケート化合物が挙げられる。
これらのシランカップリング剤のうち、下地の基板との密着性及び硬化膜の耐薬品性向上の観点から好ましいのは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、1−ナフチルトリメトキシシラン、2−ナフチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピルトリメトキシシラン、3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(4−アミノフェニル)プロピルトリメトキシシラン、1−[4−(3−トリメトキシシリルプロピル)フェニル]尿素、1−(3−トリメトキシシリルプロピル)尿素、1−(3−トリエトキシシリルプロピル)尿素、3−トリメトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌル酸、N−t−ブチル−2−(3−トリメトキシシリルプロピル)コハク酸イミド若しくはN−t−ブチル−2−(3−トリエトキシシリルプロピル)コハク酸イミドなどの三官能オルガノシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン若しくはテトラアセトキシシランなどの四官能オルガノシラン又はメチルシリケート51(扶桑化学工業(株)製)、Mシリケート51、シリケート40若しくはシリケート45(以上、何れも多摩化学工業(株)製)、メチルシリケート51、メチルシリケート53A、エチルシリケート40若しくはエチルシリケート48(以上、何れもコルコート(株)製)などのシリケート化合物である。
本発明で用いられるネガ型の感光性樹脂組成物に占めるシランカップリング剤の含有量は、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂及び(E)ラジカル重合性モノマーの合計を100重量部とした場合において、0.01重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましく、0.5重量部以上がさらに好ましく、1重量部以上が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、下地の基板との密着性及び硬化膜の耐薬品性を向上させることができる。一方、含有量は、15重量部以下が好ましく、13重量部以下がより好ましく、10重量部以下がさらに好ましく、8重量部以下が特に好ましい。含有量が上記範囲内であると、現像後の解像度を向上させることができる。
<その他の添加剤>
本発明に用いられる感光性樹脂組成物は、さらに、他の樹脂又はそれらの前駆体を含有しても構わない。他の樹脂又はそれらの前駆体としては、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、ウレア樹脂若しくはポリウレタン又はそれらの前駆体が挙げられる。
また、本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、無機粒子を含んでもよい。好ましい具体例としては酸化珪素、酸化チタン、チタン酸バリウム、アルミナ、タルクなどが挙げられるがこれらに限定されない。これら無機粒子の一次粒子径は100nm以下、より好ましくは60nm以下が好ましい。
無機粒子の含有量は、(C)有機溶剤を除く感光性樹脂組成物全量に対して、好ましくは5〜90重量%である。
本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、有機EL表示装置の長期信頼性を損なわない範囲で熱酸発生剤を含有してもよい。熱酸発生剤は、加熱により酸を発生し、(D)熱架橋剤の架橋反応を促進する他、(A)カルボン酸構造を有するアルカリ可溶性樹脂に未閉環のイミド環構造、オキサゾール環構造を有している場合はこれらの環化を促進し、硬化膜の機械特性をより向上させることができる。
本発明に用いられる熱酸発生剤の熱分解開始温度は、50℃〜270℃が好ましく、250℃以下がより好ましい。また、本発明で用いられる感光性樹脂組成物を基板に塗布した後の乾燥(プリベーク:約70〜140℃)時には酸を発生せず、その後露光、現像でパターニングした後の加熱処理(キュア:約100〜400℃)時に酸を発生するものを選択すると、現像時の感度低下を抑制できるため好ましい。
本発明に用いられる熱酸発生剤から発生する酸は強酸が好ましく、例えば、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などのアリールスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸などのアルキルスルホン酸やトリフルオロメチルスルホン酸などのハロアルキルスルホン酸などが好ましい。これらはオニウム塩のような塩として、またはイミドスルホナートのような共有結合化合物として用いられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明に用いられる熱酸発生剤の含有量は、(C)有機溶剤を除く感光性樹脂組成物全量に対して、0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましい。0.01重量%以上含有することで、架橋反応および樹脂の未閉環構造の環化が促進されるため、硬化膜の機械特性および耐薬品性をより向上させることができる。また、硬化膜の電気絶縁性の観点から、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましい。
本発明の有機EL表示装置の製造方法は、本発明の有機EL表示装置を製造する方法であって、絶縁層を形成する工程にブリーチ処理を含む。
以下、本発明に用いられる感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の製造方法について詳しく説明する。本発明に用いられる感光性樹脂組成物をスピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、スプレーコート法、印刷法などで基材に塗布し、感光性樹脂組成物の塗布膜を得る。塗布に先立ち、感光性樹脂組成物を塗布する基材を予め前述した密着改良剤で前処理してもよい。例えば、密着改良剤をイソプロパノール、エタノール、メタノール、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルなどの溶媒に0.5〜20重量%溶解させた溶液を用いて、基材表面を処理する方法が挙げられる。基材表面の処理方法としては、スピンコート、スリットダイコート、バーコート、ディップコート、スプレーコート、蒸気処理などの方法が挙げられる。塗布後、必要に応じて減圧乾燥処理を施し、その後、ホットプレート、オーブン、赤外線などを用いて、50℃〜180℃の範囲で1分間〜数時間の熱処理を施すことで感光性樹脂膜を得る。
次に、得られた感光性樹脂膜からパターンを形成する方法について説明する。感光性樹脂膜上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いることが好ましい。
露光後、現像液を用いて、ポジ型の場合は露光部を、ネガ型の場合は未露光部を除去する。現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。また、必要に応じて、これらのアルカリ水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを単独あるいは数種を組み合わせたものを添加してもよい。現像方式としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
次に、現像によって形成したパターンを蒸留水にてリンス処理をすることが好ましい。また、必要に応じて、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを蒸留水に加えてリンス処理をしてもよい。
次に、パターン化された感光性樹脂膜中の酸無水物を減らす目的でブリーチ処理をすることが好ましい。一例として、ブリーチ処理によりポジ型の感光剤のキノンジアジド化合物がインデンカルボン酸に変化し、酸無水物の生成を抑制することが出来る。なお、キノンジアジド化合物を変化させるブリーチ処理については、加熱硬化工程の後に行うことも可能である。また、本発明において、ブリーチ処理とは、紫外線、可視光線、電子線、X線などの化学線を照射することを表し、水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を、10〜10000mJ/cm2で照射することが好ましい。
次に加熱処理を行う。加熱処理により残留溶剤や耐熱性の低い成分を除去できるため、耐熱性および耐薬品性を向上させることができる。特に、本発明に用いられる感光性樹脂組成物が、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体の中から選ばれるアルカリ可溶性樹脂、それらの共重合体またはそれらとポリイミドとの共重合体を含む場合は、加熱処理によりイミド環、オキサゾール環を形成できるため、耐熱性および耐薬品性を向上させることができ、また、アルコキシメチル基、メチロール基、エポキシ基、またはオキタニル基を少なくとも2つ有する化合物を含む場合は、加熱処理により熱架橋反応を進行させることができ、耐熱性および耐薬品性を向上させることができる。この加熱処理は温度を選び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分間〜5時間実施する。一例としては、150℃、250℃で各30分ずつ熱処理する。あるいは室温より300℃まで2時間かけて直線的に昇温するなどの方法が挙げられる。本発明においての加熱処理条件としては150℃から400℃が好ましく、200℃以上350℃以下がより好ましい。
以下、実施例等をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、実施例中の感光性樹脂組成物の評価は以下の方法により行った。
(1)感度の評価方法
(1−1)ポジ型
<感度評価用現像膜の作製>
塗布現像装置Mark−7(東京エレクトロン(株)製)を用いて、8インチシリコンウェハー上にワニスをスピンコート法で塗布し、120℃で3分間ホットプレートにてベークをして膜厚3.0μmのプリベーク膜を作製した。その後、露光機i線ステッパーNSR−2005i9C(ニコン社製)を用い、10μmのコンタクトホールのパターンを有するマスクを介して、100〜1200mJ/cm2の露光量にて50mJ/cm2ステップで露光した。露光後、前記Mark−7の現像装置を用いて、2.38重量%のテトラメチルアンモニウム水溶液(以下TMAH、多摩化学工業(株)製)を用いて現像時の膜減りが0.5μmになる時間で現像した後、蒸留水でリンス後、振り切り乾燥し、パターンを得た。
<膜厚の測定>
大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースSTM−602を使用し、屈折率1.63として測定した。
<感度の算出>
前記の方法で得た現像膜のパターンをFDP顕微鏡MX61(オリンパス(株)社製)を用いて倍率20倍で観察し、コンタクトホールの開口径が10μmに達した最低必要露光量を求め、これを感度とした。
(1−2)ネガ型
下記、実施例11記載の方法で、両面アライメント片面露光装置(マスクアライナー PEM−6M;ユニオン光学(株)製)を用いて、感度測定用のグレースケールマスク(MDRM MODEL 4000−5−FS;Opto−Line International製)を介して、超高圧水銀灯のi線(波長365nm)、h線(波長405nm)及びg線(波長436nm)でパターニング露光した後、フォトリソ用小型現像装置(AD−2000;滝沢産業(株)製)を用いて現像し、組成物の現像後膜を作製した。
FPD検査顕微鏡(MX−61L;オリンパス(株)製)を用いて、作製した現像後膜の解像パターンを観察し、20μmのライン・アンド・スペースパターンを1対1の幅に形成する露光量(i線照度計の値)を感度とした。
(2)FT−IRの評価方法
<FT−IR評価用硬化膜の作製>
図2に使用した基板の概略図を示す。まず、38×46mmの無アルカリガラス基板9に、スパッタ法によりITO透明導電膜100nmを基板全面に形成し、第一電極10としてエッチングした。また、同時に第二電極を取り出すため補助電極11も同時に形成した。得られた基板を“セミコクリーン56”(商品名、フルウチ化学(株)製)で10分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。次にこの基板全面に、表3の参考例のうち、各実施例に即した感光性樹脂組成物(ワニス)をスピンコート法により塗布し、120℃のホットプレート上で2分間プリベークした。この膜にフォトマスクを介してUV露光した後、2.38%TMAH水溶液で現像し、露光部分のみを溶解させた後、純水でリンスした。得られたポリイミド前駆体パターンを、窒素雰囲気下250℃のオーブン中で60分間キュアした。このようにして、幅50μm、長さ260μmの開口部が幅方向にピッチ155μm、長さ方向にピッチ465μmで配置され、それぞれの開口部が第一電極を露出せしめる形状の絶縁層12を、基板有効エリアに限定して形成した。このようにして、1辺が16mmの四角形である基板有効エリアに絶縁層開口率18%の絶縁層を設け、その絶縁層の厚さは約2.0μmであった。
<吸収スペクトルの測定と指標(a)、酸無水物の存在量の算出>
Varian製Varian7000を使用し、ATR法により吸収スペクトルを測定した。条件として、検出器はDTGS(Deuterium Tri−Glycine Sulfate)検出器、ATR結晶はGe、入射角は45°とし、測定中は窒素ガスをパージした。得られたスペクトルのうち、芳香環に対応する波数1436cm−1における強度と酸無水物に対応する波数1853cm−1における強度を用い、下記一般式により指標(a)を算出した。また、指標(a)を酸無水物の存在量として採用した。
一般式:指標(a)=(1853cm−1の強度)/(1436cm−1の強度)。
<酸無水物濃度Cxの検量線>
無水フタル酸の仕込み量によって硬化膜中の酸無水物濃度Cxを調整するために、次のようにしてアルカリ可溶性樹脂(AS)を得た。
乾燥窒素気流下、BAHF15.46g(0.04225モル)、SiDA0.62g(0.0025モル)をNMP250gに溶解した。ここにODPA15.5g(0.05モル)をNMP50gとともに加えて、30℃で2時間撹拌した。その後、MAP(東京化成(株)製)1.09g(0.01モル)を加え、40℃で2時間撹拌を続けた。さらにピリジン(東京化成(株)製)2.5gをトルエン(東京化成(株)製)15gに希釈して溶液に加え、冷却管を付けて系外に水をトルエンとともに共沸で除去しながら溶液の温度を120℃にして2時間、さらに180℃で2時間反応させた。この溶液の温度を室温まで低下させ、水2Lに溶液を投入し、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。さらに水2Lで3回洗浄を行い、集めたポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥させ、ポリイミド樹脂(AS)を得た。
キノンジアジド化合物(B−1)の合成については後述する。
このようにして得られたアルカリ可溶性樹脂(AS)、キノンジアジド化合物(B−1)、無水フタル酸をプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下PGMEと呼ぶ)32.0gとγ−ブチロラクトン(以下GBLと呼ぶ)8.0gに溶解した後、0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルター(住友電気工業(株)製)で濾過して感光性樹脂組成物(ワニス)I〜Mを得た。化合物の種類と量は表1に示す。
これらワニスを用いて上記方法で硬化膜を作製し吸収スペクトルを測定した結果を表4に示す。さらに、表2を基に得た検量線を図3に示す。この検量線により指標(a)から硬化膜中の酸無水物濃度Cxを算出した。
(3)長期信頼性の評価方法
<有機EL表示装置の作製>
(2)と同様の方法で、反射電極、第一電極、絶縁層を形成した基板を用いて有機EL表示装置の作製を行った。前処理として窒素プラズマ処理をおこなった後、真空蒸着法により発光層を含む有機EL層13を形成した。なお、蒸着時の真空度は1×10−3Pa以下であり、蒸着中は蒸着源に対して基板を回転させた。まず、正孔注入層として化合物(HT−1)を10nm、正孔輸送層として化合物(HT−2)を50nm蒸着した。次に発光層に、ホスト材料としての化合物(GH−1)とドーパント材料としての化合物(GD−1)を、ドープ濃度が10%になるようにして40nmの厚さに蒸着した。次に、電子輸送材料として化合物(ET−1)と化合物(LiQ)を体積比1:1で40nmの厚さに積層した。有機EL層で用いた化合物の構造を以下に示す。
次に、化合物(LiQ)を2nm蒸着した後、MgおよびAgを体積比10:1で60nm蒸着して第二電極14とした。最後に、低湿窒素雰囲気下でキャップ状ガラス板をエポキシ樹脂系接着剤を用いて接着することで封止をし、1枚の基板上に1辺が5mmの四角形である発光装置を4つ作製した。なお、ここで言う膜厚は水晶発振式膜厚モニターにおける表示値である。
<長期信頼性の評価>
作製した有機EL表示装置を、発光面を上にして80℃に加熱したホットプレートに乗せ、波長365nm、照度0.6mW/cm2のUV光を照射した。250時間、500時間、1000時間経過後に10mA/cm2で直流駆動にて発光させ、発光画素の面積に対する発光部の面積率(画素発光面積率)を測定した。この評価方法による1000時間経過後の画素発光面積率として、80%以上であれば長期信頼性が優れていると言え、90%以上であればより好ましい。
合成例1 ヒドロキシル基含有ジアミン化合物の合成
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(以降BAHFと呼ぶ)18.3g(0.05モル)をアセトン100mL、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに3−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mLに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
固体30gを300mLのステンレスオートクレーブに入れ、メチルセロソルブ250mLに分散させ、5%パラジウム−炭素を2g加えた。ここに水素を風船で導入して、還元反応を室温で行なった。約2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認して反応を終了させた。反応終了後、濾過して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーターで濃縮し、下記式で表されるヒドロキシル基含有ジアミン化合物を得た。
合成例2 アルカリ可溶性樹脂(A−1)の合成
乾燥窒素気流下、BAHF29.30g(0.08モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル、SiDA)、末端封止剤として、3−アミノフェノール(東京化成工業(株)製、3−APh)3.27g(0.03モル)をN−メチル−2−ピロリドン(以降NMPと呼ぶ)80gに溶解させた。ここに3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物31.2g(マナック(株)製、0.1モル、ODPA)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間反応させた。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸しながら、150℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥し、ポリイミドであるアルカリ可溶性樹脂(A−1)を得た。得られたポリマー固体を、赤外吸収スペクトルで測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。
合成例3 アルカリ可溶性樹脂(A−2)の合成
乾燥窒素気流下、ODPA 31.0g(0.10モル)をNMP500gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物45.35g(0.075モル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)をNMP50gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。次に末端封止剤として4−アミノフェノール4.36g(0.04モル)をNMP5gとともに加え、50℃で2時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール41.7g(0.35モル)をNMP50gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を室温まで冷却した後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、ポリイミド前駆体であるアルカリ可溶性樹脂(A−2)を得た。
合成例4 アルカリ可溶性樹脂(A−3)の合成
N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを23.8g(0.20モル)とした以外は合成例3と同様にして、ポリイミドであるアルカリ可溶性樹脂(A−3)を得た。
合成例5 アルカリ可溶性樹脂(A−4)の合成
N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを33.4g(0.28モル)とした以外は合成例3と同様にして、ポリイミドであるアルカリ可溶性樹脂(A−4)を得た。
合成例6 アルカリ可溶性樹脂(A−5)の合成
N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを17.9g(0.15モル)とした以外は合成例3と同様にして、ポリイミドであるアルカリ可溶性樹脂(A−5)を得た。
合成例7 アルカリ可溶性樹脂(A−6)の合成
N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを11.9g(0.10モル)とした以外は合成例3と同様にして、ポリイミドであるアルカリ可溶性樹脂(A−6)を得た。
合成例8 アルカリ可溶性樹脂(A−7)の合成
乾燥窒素気流下、ODPA 31.0g(0.10モル)、2 − ブタノール74.1g(1.0モル)、トリエチルアミン0.51g(0.05モル) を仕込み、80℃で5時間撹拌し反応させた。余剰の2−ブタノールを減圧により留去して、3,3’,4,4’− ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジsec−ブチルエステルを得た。次いで、フラスコ中に塩化チオニル21.41g、トルエン80.0gを仕込み、40℃で3時間反応させた後、減圧によりトルエンを留去した。これにNMP150gを加えて3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジsec−ブチルエステルジクロリドの溶液を得た。
次いで乾燥窒素気流下、NMP150g、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン29.30g(0.08モル)、3,5−ジアミノ安息香酸1.52g(0.01モル)、4−アミノフェノール2.18g(0.02モル)を仕込み、撹拌溶解させた後、ピリジン28.48gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジsec−ブチルエステルジクロリドの溶液を1時間かけて滴下し、滴下後さらに2時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、ポリイミド前駆体であるアルカリ可溶性樹脂(A−7)を得た。
合成例9 キノンジアジド化合物(B−1)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−PA(商品名、本州化学工業(株)製)21.22g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド36.27g(0.135モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン15.18gを、系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水に投入した。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記式で表されるキノンジアジド化合物(B−1)を得た。
合成例10 キノンジアジド化合物(B−2)の合成
5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリドを28.14g(0.105モル)とした以外は合成例9と同様にして、キノンジアジド化合物(B−2)を得た。
参考例1
前記合成例2で得られたアルカリ可溶性樹脂(A−1)10.0g、(B−1)1.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下PGMEと呼ぶ)32.0gとγ−ブチロラクトン(以下GBLと呼ぶ)8.0gに溶解した後、0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルター(住友電気工業(株)製)で濾過して感光性樹脂組成物(ワニス)Aを得た。
参考例2〜8
参考例1と同様の方法で、化合物の種類と量は表3記載の通りでワニスB〜Hを得た。
実施例1〜10、比較例1〜6
絶縁層に表3記載の感光性樹脂組成物(ワニス)を用い、前記<有機EL表示装置の作製>に記載の方法で有機EL表示装置を作製した。実施例9は、露光後に1000mJ/cm2のブリーチ処理を追加した以外は実施例1と同様である。実施例5〜8、比較例4〜6は、幅50μm、長さ260μmの開口部を幅70μm、長さ260μmに変更して、絶縁層開口率を25%とした。これらの有機EL表示装置を用いて前記<長期信頼性の評価>に記載の方法で有機EL表示装置の長期信頼性試験を実施した。評価結果を表4に示す。
合成例11 ナフトキノンジアジド構造を有する化合物(QD−1)の合成
乾燥窒素気流下、三口フラスコに、TrisP−PAを21.23g(0.05mol)、5−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドを37.62g(0.14mol)秤量し、1,4−ジオキサン450gに溶解させて室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gとトリエチルアミン15.58g(0.154mol)の混合溶液を、系内が35℃以上にならないように攪拌しながら滴下した。滴下終了後、混合溶液を30℃で2時間攪拌した。攪拌後、析出したトリエチルアミン塩をろ過によって除去した後、ろ液を水に投入して攪拌し、析出した固体沈殿をろ過して得た。得られた固体を減圧乾燥によって乾燥させ、下記構造のナフトキノンジアジド構造を有する化合物(QD−1)を得た。
合成例12 ポリイミド(PI−1)の合成
乾燥窒素気流下、三口フラスコに、BAHFを31.13g(0.085mol;全アミン及びその誘導体に由来する構造単位に対して77.3mol%)、SiDAを6.21g(0.0050mol;全アミン及びその誘導体に由来する構造単位に対して4.5mol%)、末端封止剤として、MAPを2.18g(0.020mol;全アミン及びその誘導体に由来する構造単位に対して9.5mol%)、NMPを150.00g秤量して溶解させた。ここに、NMP50.00gにODPAを31.02g(0.10mol;全カルボン酸及びその誘導体に由来する構造単位に対して100mol%)溶かした溶液を添加し、20℃で1時間攪拌し、次いで50℃で4時間攪拌した。その後、キシレン15gを添加し、水をキシレンとともに共沸しながら、150℃で5時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を水3Lに投入し、析出した固体沈殿をろ過して得た。得られた固体を水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、ポリイミド(PI−1)を得た。
合成例13 ポリイミド前駆体(PIP−1)の合成
乾燥窒素気流下、三口フラスコに、ODPAを31.02g(0.10mol;全カルボン酸及びその誘導体に由来する構造単位に対して100mol%)、NMPを150g秤量して溶解させた。ここに、NMP50gにBAHFを25.64g(0.070mol;全アミン及びその誘導体に由来する構造単位に対して56.0mol%)、SiDAを6.21g(0.0050mol;全アミン及びその誘導体に由来する構造単位に対して4.0mol%)溶かした溶液を添加し、20℃で1時間攪拌し、次いで50℃で2時間攪拌した。次に、末端封止剤として、NMP15gにMAPを5.46g(0.050mol;全アミン及びその誘導体に由来する構造単位に対して40.0mol%)溶かした溶液を添加し、50℃で2時間攪拌した。その後、NMP15gにDFAを23.83g(0.20mol)を溶かした溶液を10分かけて滴下した。滴下終了後、50℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を室温に冷却した後、反応溶液を水3Lに投入し、析出した固体沈殿をろ過して得た。得られた固体を水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、ポリイミド前駆体(PIP−1)を得た。
合成例14 ポリベンゾオキサゾール前駆体(PBOP−1)の合成
トルエンを満たしたディーンスターク水分離器及び冷却管を付けた500mL丸底フラスコに、BAHFを34.79g(0.095mol;全アミン及びその誘導体に由来する構造単位に対して95.0mol%)、SiDAを1.24g(0.0050mol;全アミン及びその誘導体に由来する構造単位に対して5.0mol%)、NMPを70.00g秤量して、溶解させた。ここに、NMP20.00gに、BFEを19.06g(0.080mol;全カルボン酸及びその誘導体に由来する構造単位に対し66.7mol%)溶かした溶液を添加し、20℃で1時間攪拌し、次いで50℃で2時間攪拌した。次に、末端封止剤として、NMP10gにNAを6.57g(0.040mol;全カルボン酸及びその誘導体に由来する構造単位に対し33.3mol%)溶かした溶液を添加し、50℃で2時間攪拌した。その後、窒素雰囲気下、100℃で2時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を水3Lに投入し、析出した固体沈殿をろ過して得た。得られた固体を水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、ポリベンゾオキサゾール前駆体(PBOP−1)を得た。
合成例15 ポリシロキサン溶液(PS−1)の合成
三口フラスコに、MeTMSを28.95g(42.5mol%)、PhTMSを49.57g(50mol%)、PGMEAを74.01g仕込んだ。フラスコ内に空気を0.05L/minで流し、混合溶液を攪拌しながらオイルバスで40℃に加熱した。混合溶液をさらに攪拌しながら、水27.71gにリン酸0.442gを溶かしたリン酸水溶液を10分かけて滴下した。滴下終了後、40℃で30分間攪拌して、シラン化合物を加水分解させた。加水分解終了後、PGMEA8.22gにTMSSucA9.84g(7.5mol%)を溶かした溶液を添加した。その後、バス温を70℃にして1時間攪拌した後、続いてバス温を115℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱攪拌した(内温は100〜110℃)。2時間加熱攪拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2重量%加えて12時間攪拌した。攪拌後、陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(PS−1)を得た。得られたポリシロキサンのMwは4,000であり、カルボン酸当量は910であった。
合成例16 カルド系樹脂(CD−1)の合成
三口フラスコに、BHPFを35.04g(0.10mol)、MBAを40.31g秤量して溶解させた。ここに、MBA30.00gにODPAを27.92g(0.090mol)、末端封止剤として、PHAを2.96g(0.020mol)溶かした溶液を添加し、20℃で1時間攪拌した。その後、窒素雰囲気下、150℃で5時間攪拌した。反応終了後、得られた溶液に、MBA10.00gにGMAを14.22g(0.10mol)、DBAを0.135g(0.0010mol)、4−MOPを0.037g(0.0003mol)溶かした溶液を添加し、90℃で4時間攪拌して、カルド系樹脂溶液(CD−1)を得た。得られたカルド系樹脂のMwは4,000、カルボン酸当量は800であり、二重結合当量は800であった。
合成例17 アクリル樹脂溶液(AC−1)の合成
三口フラスコに、AIBNを0.821g(1mol%)、PGMEAを29.29g仕込んだ。次に、MAAを21.52g(50mol%)、TCDMを22.03g(20mol%)、STRを15.62g(30mol%)仕込み、室温でしばらく攪拌して、フラスコ内をバブリングによって十分に窒素置換した後、70℃で5時間攪拌した。次に、得られた溶液に、PGMEAを59.47gにGMAを14.22g(20mol%)、DBAを0.676g(1mol%)、4−MOPを0.186g(0.3mol%)溶かした溶液を添加し、90℃で4時間攪拌して、アクリル樹脂溶液(AC−1)を得た。得られたアクリル樹脂のMwは15,000、カルボン酸当量は490であり、二重結合当量は730であった。
合成例12〜17の組成を、まとめて表5〜表9に示す。
調製例1 顔料分散液(Bk−1)の調製
樹脂として、合成例1で得られた、ポリイミド(PI−1)の30重量%のMBA溶液を138.0g、分散剤として、S−20000を13.8g、溶剤として、MBAを685.4g、着色剤として、Bk−S0100CF82.8gを秤量して混合し、高速分散機(ホモディスパー 2.5型;プライミクス(株)製)を用いて20分攪拌し、予備分散液を得た。顔料分散用のセラミックビーズとして、0.30mmφのジルコニア粉砕ボール(YTZ;東ソー(株)製)が75%充填された遠心分離セパレータを具備する、ウルトラアペックスミル(UAM−015;寿工業(株)製)に、得られた予備分散液を供給し、ローター周速7.0m/sで3時間処理して、固形分濃度15重量%、着色剤/樹脂/分散剤=60/30/10(重量比)の顔料分散液(Bk−1)を得た。得られた顔料分散液中の顔料の数平均粒子径は100nmであった。
調製例2〜7 顔料分散液(Bk−2)〜顔料分散液(Bk−7)の調製
表10に記載の比率にて、調製例1と同様に顔料分散をして、顔料分散液(Bk−2)〜顔料分散液(Bk−7)を得た。
調製例1〜7の組成を、まとめて表10に示す。
[実施例11]
黄色灯下、NCI−831を0.256g秤量し、MBAを10.186g添加し、攪拌して溶解させた。次に、合成例12で得られたポリイミド(PI−1)の30重量%のMBA溶液を0.300g、合成例13で得られたポリイミド前駆体(PIP−1)の30重量%のMBA溶液を2.275g、DPHAの80重量%のMBA溶液を1.422g添加して攪拌し、均一溶液として調合液を得た。次に、調製例1で得られた顔料分散液(Bk−1)を12.968g秤量し、ここに、上記で得られた調合液を12.032g添加して攪拌し、均一溶液とした。その後、得られた溶液を0.45μmφのフィルターでろ過し、感光性樹脂組成物1を調製した。絶縁層に感光性樹脂組成物1を用い、前記<有機EL表示装置の作製>に記載の方法で有機EL表示装置を作製した。作製した有機EL表示装置を用いて前記<長期信頼性の評価>に記載の方法で長期信頼性試験を実施した。評価結果を表13に示す。
[実施例12〜19及び比較例7〜11]
実施例11と同様に、感光性樹脂組成物2〜14を表11と表12に記載の組成にて調製した。絶縁層に表11と表12記載の感光性樹脂組成物(ワニス)を用い、前記<有機EL表示装置の作製>に記載の方法で有機EL表示装置を作製した。これらの有機EL表示装置を用いて前記<長期信頼性の評価>に記載の方法で有機EL表示装置の長期信頼性試験を実施した。評価結果を表13に示す。
[化合物の略名の説明]
4,4’−DAE:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
4−MOP:4−メトキシフェノール
6FDA:2,2−(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物;4,4’−ヘキサフルオロプロパン−2,2−ジイル−ビス(1,2−フタル酸無水物)
6FDAc:2,2−(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン;4,4’−ヘキサフルオロプロパン−2,2−ジイル−ビス(1,2−フタル酸)
AcrTMS:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
AIBN:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
BAHF:2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
BAPF:9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
BFE:1,2−ビス(4−ホルミルフェニル)エタン
BGEF:9,9−ビス[4−(2−グリシドキシエトキシ)フェニル]フルオレン
BGPF:9,9−ビス(4−グリシドキシフェニル)フルオレン
BHEF:9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン
BHPF:9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
Bis−A−AF:2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン
Bk−S0084:“PALIOGEN”(登録商標) BLACK S0084(BASF製;一次粒子径50〜100nmのペリレン系黒色顔料)
Bk−S0100CF:“IRGAPHOR”(登録商標) BLACK S0100CF(BASF製;一次粒子径40〜80nmのベンゾフラノン系黒色顔料)
Bk−TH−807:“NUBIAN”(登録商標) BLACK TH−807(オリエント化学工業(株)製;アジン系黒色染料)
BnMA:メタクリル酸ベンジル
BSAA:2,2’−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物
BZAc:安息香酸
cyEpoTMS:2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
DBA:ジベンジルアミン
D.BYK−167:“DISPERBYK”(登録商標)−167(ビックケミー・ジャパン(株)製;アミン価を有する分散剤)
D.Y.201:C.I.ディスパースイエロー201
DETX−S:“KAYACURE”(登録商標) DETX−S(日本化薬(株)製;2,4−ジエチルチオキサントン)
DFA:N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール
DMeDMS:ジメチルシメトキシシラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DPHA:“KAYARAD”(登録商標) DPHA(日本化薬(株)製;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
ED−900:“JEFFAMINE”(登録商標) ED−900(HUNTSMAN製;オキシアルキレン構造を有するジアミン)
GMA:メタクリル酸グリシジル
HCl:塩酸
HFHA:N,N’−ビス[5,5’−ヘキサフルオロプロパン−2,2−ジイル−ビス(2−ヒドロキシフェニル)]ビス(3−アミノ安息香酸アミド)
ICl:一塩化ヨウ素
IGZO:酸化インジウムガリウム亜鉛
ITO:酸化インジウムスズ
KOH:水酸化カリウム
KI:ヨウ化カリウム
MAA:メタクリル酸
MAP:3−アミノフェノール;メタアミノフェノール
MBA:3−メトキシ−n−ブチルアセテート
MeTMS:メチルトリメトキシシラン
MgAg:マグネシウム銀
MT−PE1:“カレンズMT”−PE1(昭和電工(株)製;ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート))
NA:5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物;ナジック酸無水物
NapTMS:1−ナフチルトリメトキシシラン
Na2S2O3:チオ硫酸ナトリウム
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
ODPA:ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物;オキシジフタル酸二無水物
ODPAc:ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル;オキシジフタル酸
P.B.15:6:C.I.ピグメントブルー15:6
P.R.254:C.I.ピグメントレッド254
P.Y.139:C.I.ピグメントイエロー139
PA−5600:“NUBIAN”(登録商標) BLUE PA−5600(オリエント化学工業(株)製;青色染料)
PET:ポリエチレンテレフタレート
PGDA:プロピレングリコールジアセテート
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PHA:フタル酸無水物
PhTMS:フェニルトリメトキシシラン
PI:ポリイミド
S−20000:“SOLSPERSE”(登録商標) 20000(Lubrizol製;ポリエーテル系分散剤)
SiDA:1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
S.B.63:C.I.ソルベントブルー63
S.R.18:C.I.ソルベントレッド18
STR:スチレン
TCDM:メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル;ジメチロール−トリシクロデカンジメタアクリレート
TFEMA:メタクリル酸(2,2,2−トリフルオロ)エチル
TFMB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル
TFPrTMS:3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン
THF:テトラヒドロフラン
TMOS:テトラメトキシシラン
TMSSucA:3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物
TPK−1227:スルホン酸基を導入する表面処理がされたカーボンブラック(CABOT製)
TrisP−PA:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エタン(本州化学工業(株)製)