(基本実施形態の概要)
本発明に係る内装材の一実施形態について、図1〜図3を参照しつつ説明する。
なお、図1は、本発明に係る内装材の一実施形態であるインパネ1を備えた車両100を示す斜視概略図である。また、図2は、図1の内装材1のみを示す斜視概略図である。図3は、図2に示した内装材1の断面I−Iにおける断面概略図である。
図1に示すように、車両100の車室前部には、フロントサイドフレーム101、フロントピラー102、及びサイドシル103が車体の骨格部材として左右両側にそれぞれ配置されている。フロントサイドフレーム101は、車両100の前室から車室前端部まで延在している。フロントピラー102は、フロントサイドフレーム101より上側で斜め後方に延在すると共に、フロントサイドフレーム101より下側で上下に延在している。フロントピラー102の上下に延在している領域においては、車両100の前室と車室とを仕切るために、板状部材であるトーボード104が一対のフロントピラー102の間に左右に渡されて設けられている。フロントサイドフレーム101の後端部と、フロントピラー102の前端部とが接続されている。また、サイドシル103は、フロントピラー102の下端部から略水平方向に沿って後方に延在している。
インパネ1は、トーボード104の後側において左右一対のフロントピラー102の間に渡されるように、固定的に配置される。なお、インパネ1の固定態様としては、例えばフロントピラー102への固定、及び、トーボード104への固定等が挙げられる。接合又は溶接されて組み上がった状態の上記骨格部材及びトーボード104に対して、インパネ1等の内装材が係止部材、係合部材、リベット又はボルト等により固定されることとなる。
インパネ1は、内部に空間を有し、機器類、配線類、及びエアバッグ等が内部に配置可能となっている。インパネ1の表面には、複数の吹出口2、表示部材3、及びメータパネル4等が設けられている。吹出口2は、インパネ1内に配置される暖房換気空調(以下、「HVAC」と称する)装置5から供給される空調気流が吹き出す部位である。表示部材3は、ナビ情報及び車両の駆動情報等を表示可能な部材であり、本実施形態では接触操作でナビ操作だけでなく空調操作等も可能な液晶パネルを採用している。メータパネル4は、車両の速度情報等を示す表示用の部材である。なお、HVAC装置5については、インパネ1の構造と共に図2及び図3を参照しつつ後述する。
インパネ1の左右両端部には内部の機器類等を隠すための蓋部材6が取付けられ、本実施形態では蓋部材6の前側部分と車両100の骨格部材とが接続されている。また、インパネ1には開口部7が形成されている。開口部7については、図2及び図3を参照しつつ後述する。
ここで、図2及び図3を参照してインパネ1の構造について詳述する。なお、図2及び図3では、インパネ1の内部構造を示すために蓋部材6を取外した状態で図示している。
図2は、図1に示したインパネ1の斜視概略図である。図3は、図2に示した断面I−Iにおけるインパネ1の断面概略図である。
図2に示すように、インパネ1は、本体部8とHVAC装置5を支持する剛性部としての高剛性部9を備える。
本体部8は、車両幅方向に延在する筒状部材である。本体部8は、インパネ1の外面を構成する部材であり、基本的に板状である。本体部8の車両幅方向に直交する断面での断面形状は、図3に示すように略円形状の一部を変形させた形状を有している。
なお、本発明における本体部の断面形状としては、車室内の内装材の意匠に応じて様々な形状が採用可能であり、例えば円形状、楕円形状、及び多角形状等を挙げることができる。
図2に示すように、本体部8には複数の開口部7が形成されている。開口部7として具体的には、吹出口用開口部71、表示部材用開口部72、メータパネル用開口部73、運転席側開口部74、及び助手席側開口部75等が設けられている。
吹出口用開口部71は、車室側からは上記吹出口2の風向及び風量の調整のためのルーバーが取付けられると共に、インパネ1の内側からは空調気流を吹出口2まで案内する後述の高剛性部9が取付けられる。表示部材用開口部72は、上記表示部材3を嵌め込むように固定的に支持するための支持部材と、表示部材3に電力を供給し、適宜の電気信号の入出力を行うためのハーネスとが付設される。メータパネル用開口部73は、上記メータパネル4を固定的に支持するための支持部材と、メータパネル4に電力を供給し、適宜の電気信号の入出力を行うためのハーネスとが付設される。
運転席側開口部74は、ステアリングコラム等のステアリング装置の一部が挿入配置される。また、助手席側開口部75は、適宜の物を収容可能なグローブボックスが装荷される。図2に示す開口部の配置はいわゆる右ハンドル車用の配置となっているが、本発明を左ハンドル車に適用する場合は車両幅方向の中央部を対称軸として逆配置となる。
なお、ステアリングコラム及びグローブボックスは、本発明における本体部の内側に配置される内側部材の一例である。
HVAC装置5は、車室内の温度調整のために冷気又は暖気を生成して送出する部材であり、本実施形態で用いるHVAC装置5は既存の車両のHVAC装置を採用することができる。HVAC装置5は、高剛性部9に固定的に支持されて、インパネ1の車両幅方向、前後方向及び上下方向で略中央部に配置される。なお、HVAC装置5は、本発明における空調装置の一例である。
高剛性部9は、車両幅方向に延在するように本体部8の内面に設けられ、外面の少なくとも一部を本体部8の内面と共有する筒体である。高剛性部9は、本体部8を車両幅方向に沿って支持する。更に具体的には、高剛性部9は、支持部91及び取付部92を有している。高剛性部9は、HVAC装置5の支持、内側部材の取付け、及び、インパネ1の剛性確保等を目的として設けられる部材であり、剛性の高い構造及び/又は材料が採用される。
支持部91はHVAC装置5を支持する。特に図3に示すように、支持部91は本体部8の断面形状略中心部に向かって複数方向から突出するように複数個設けられ、HVAC装置5を複数方向から支持する。また、支持部91はHVAC装置5に連通するように直接取付けられている。具体的には、支持部91は、HVAC装置5の空調気流が送出される送風口及びその周辺部位を支持し、支持部91におけるHVAC装置5の送風口と当接する部位に該送風口と連通する開口部Oが設けられている。これにより、HVAC装置5から送出された空調気流が筒体である支持部91内に流入可能となる。
更に、本体部8は支持部91の一部を車室側に開放する開口部7を有する。つまり、本体部8において支持部91の外面に相当する又は対応する部位に、吹出口用開口部71が形成される。これにより、支持部91内を流通するHVAC装置5からの空調気流が吹出口用開口部71を介して車室内に流入可能となる。
本実施形態では吹出口2及び吹出口用開口部71が、フロントウィンドウ沿いの気流を形成するフロントデフロスタ用、主に乗員の上体に向かう気流を形成するフロントベント用、主に乗員の下肢に向かう気流を形成する足元用の3方向に向けて3箇所に形成されている。本体部8の内側ではこれら吹出口用開口部71に対応する位置に支持部91を配設している。
取付部92は、内側部材が取付けられる部材であり、図2及び図3に示すように支持部91と略同一形状に形成されている。取付部92はHVAC装置5及び支持部91とは連通しないように形成されているので、上述の表示部材3及びメータパネル4のハーネス等を取付部92に取付けた場合でも、ハーネスが空調気流に直接曝されて結露等を生じるということは無い。なお、取付部92は、支持部91と略同形状の筒体に代えて、本発明において本体部8の内面から内側に張り出すように突設されるフランジ状の板体であっても良い。本実施形態では取付部92を1つ設けているが、本発明においては複数設けても良い。
また、取付部92は、図3に示した実施形態ではHVAC装置5に当接しないように形成されているが、HVAC装置5の支持部91による支持に加えて補強支持を行っても良い。補強支持を行う場合、取付部92は、HVAC装置5に連通しない構成を維持しつつ支持部91と同様にHVAC装置5に対して周方向から当接する形状及び大きさとすることができる。これにより、HVAC装置5のガタつき等を抑制可能となる。
図2に示すように、本実施形態において、運転席側開口部74と助手席側開口部75とが略同一高さに形成されていると共に、本体部8におけるこれらの開口部7に近接した上側部位に取付部92が設けられている。これらの開口部7を介してインパネ1に取付けられる内側部材は、開口部7近傍に配置される取付部92に対して固定的に取付けられる。
取付部92は、内側部材の支持だけでなく、本体部8内における内側部材の配置領域を分画することができる。具体的に、取付部92は、内側部材である適宜の機器類に接続されるハーネス等の引き回し通路として利用することができる。また、例えば取付部92が略水平方向に沿って設けられるフランジ状の板体である場合は、上側に内側部材を載置すると共に、下側に別の内側部材を懸架することができる。取付部92は、内側部材同士が接触しないための仕切り板、並びに、内側部材同士の摩擦、接触及び近接による電波ノイズの発生、伝達を抑制する保護壁等として用いることもできる。
本実施形態における本体部8と支持部91及び取付部92とは、樹脂材料を用いて一体成形等によりそれぞれ一体的に形成されている。なお、支持部91と取付部92とは、一方が断熱性能、他方が電波遮断性能等、それぞれに求められる性能が異なるので、異種の樹脂材料を用いることもできる。
既存のインパネでは配風のために、前後方向及び上下方向に大きな配置領域を要するダクト部材が設けられていた。また、大きなダクト部材により他の内側部材の形状、大きさ及び配置等に制限が生じていた。なお、従来のHVAC装置は、インパネ内の吹出口から離れた位置に、例えばステアリングサポートビーム等に固定的に取付けられて支持されていた。
これに対して、本実施形態で示した支持部91を設けることで、配風のための部材とHVAC装置5の支持のための部材とを一元化することができる。また、本体部8の内面に沿った配置により、従来のダクト部材に比べて前後方向及び上下方向の配置領域を削減することができると共に、支持部91の形状が単純なので他の内側部材の取り回し性が向上する。更に、支持部91とは別体に取付部92を設けることで、配風領域と内側部材の配置領域とを分けつつ整理することが可能となる。
よって、本実施形態に係るインパネ1によると、インパネ1内の構造及び内側部材の配置の合理化、整理等が達成される。インパネ1の構成が合理化等されることで取付用のブラケット等の様々な部材の最適化も図ることができる。
既存のステアリングサポートビームは様々な内側部材が取付けられ、それらを支持している。つまり、既存のステアリングサポートビームは内側部材の支持機能を有している。
これに対して、本実施形態で示す支持部91にHVAC装置5を支持させると共に取付部92に他の内側部材を取付けることで、既存のステアリングサポートビームにおける内側部材の支持機能を、支持部91及び取付部92から成る高剛性部9が担うことができるようになる。
また、既存の車両であれば、インパネの車両幅方向の強度は、ステアリングサポートビームによって確保されている。すなわち、車両幅方向に沿った荷重、例えば側突等で生じる荷重が車室前部に生じた場合、ステアリングサポートビームによる車両幅方向の突張り作用で耐荷重性能に寄与していた。この場合、ステアリングサポートビームという一本の棒状部材のみで耐荷重性を確保するために、ステアリングサポートビームは強度の高い金属材料を用い、ある程度の径を有する棒状又は筒状部材として形成される。更に、インパネの乗員側に臨む樹脂製の表面部位、及び多数の内側部材を取付けるために、複数の固定部材、ブラケット等がステアリングサポートビームに取付けられることとなる。これにより、ステアリングサポートビームは重量物となっていた。
なお、既存のインパネの表面部位は、ステアリングサポートビームにブラケット等を介して内側部材の上側から被せるように単に係止されているに過ぎず、インパネの表面部位自体には耐荷重性を持たせるような補強がなされていないことが多かった。また、従来では強度確保のためのステアリングサポートビームと、内側部材の配置領域及び通路等を確保する部材とが別部材として設けられ、結果として衝突時にはステアリングサポートビームのみで耐荷重性能を担うこととなっていた。
これに対して、本実施形態では本体部8及び高剛性部9によってインパネ1全体の車両幅方向に沿った耐荷重性を確保することができる。つまり、本体部8の筒形状という形状由来の強度と、良好な車両幅方向に沿った剛性を有する高剛性部9による本体部8の支持とによって、インパネ1の各部材が相互に一体的に構成されるので、車両幅方向に沿った強度を確保し易くなる。これにより、車室前部の車両幅方向の耐荷重性は、ステアリングサポートビームを設けていた従来と比較して、ステアリングサポートビームを設けない本実施形態であっても低減し難い又はしない。更に、本実施形態は、ステアリングサポートビームを設けないことでインパネ1の軽量化に寄与することもできる。
更に、本実施形態においては支持部91がHVAC装置5を直接支持することでHVAC装置5からの空調気流が直接流入可能であるので、従来のダクト部材のような他の内側部材を迂回する等の配置を採る必要が無く、HVAC装置5から各吹出口2までの通風路の効率的な配置が可能である。ダクト部材を支持部91に置換することでも軽量化に寄与している。
(変形例)
以下に、本発明の変形例及び好適例等について説明する。
図4〜図7には、本発明に係る内装材の変形例を示した。
なお、図4は、他の実施形態に係る内装材であるインパネ21を示す斜視概略図である。図5は、更に他の実施形態に係る内装材であるインパネ31の断面概略図である。図6は、別の実施形態に係る内装材であるインパネ41を示す斜視概略図である。図7は、図6に示したインパネ41の断面II−IIにおける断面概略図である。図4〜図7に示すインパネと、図1〜図3に示したインパネ1とにおいて共通する部材については、共通の参照符号を付すこととし、詳細な説明を省略する。
図4に示す内装材であるインパネ21と上記インパネ1との相違点は、吹出口用開口部71に代えて、形状及び配置領域を変更した吹出口用開口部701と吹出口201とを設けたことである。
上記インパネ1における吹出口2と吹出口用開口部71とは略同一の大きさ及び形状を有していたのに対して、インパネ21における吹出口201と吹出口用開口部701とは特に車両幅方向の大きさ及び形状が異なるように形成されている。
具体的には、吹出口用開口部701は、本体部8の車両幅方向に沿って略左右両端部に亘る範囲に設けられた、長尺状の開口部である。本体部8における吹出口用開口部701の内側には高剛性部9の支持部91が設けられ、支持部91を車室側に開放可能となっている。
また、上記吹出口2は風量及び風向を調整可能なルーバーが位置を固定されて吹出口用開口部71に嵌め込まれていたのに対して、吹出口201はこのルーバーが車両幅方向に沿って吹出口用開口部701に対して摺動可能なように設けられている。更に、吹出口201に設けられる摺動ルーバーは、この摺動ルーバーのみから空調気流が送出可能にするために、吹出口用開口部701が摺動ルーバー部分のみ開放され、かつ残りの部分は閉鎖される開閉機構を有する。この開閉機構としては、例えば線ファスナー状部材を挙げることができる。線ファスナー状部材を採用する場合、吹出口用開口部701の上側及び下側に務歯状の相互に歯合可能部位を設けると共に、摺動ルーバーの車両幅方向両側にスライダー状部材として務歯の開閉規制部位を設けることができる。なお、摺動ルーバーを有する吹出口201は、2つ設けることで、運転席側及び助手席側の乗員それぞれ別の空調気流を割り当てることができるようになっている。もっとも、吹出口201は1つであっても良く、3つ以上であっても良い。
摺動ルーバーを取付けた吹出口201は、乗員が吹出口用開口部701が形成された一定の範囲内であれば車両幅方向の適宜の位置に移動させて空調気流を任意の位置から送出させることができる。このとき、残りの吹出口用開口部701は閉鎖されて空調気流が漏出しない。
既存の車両であればダクト部材の端部が本体部8に局所的に取付けられることで、図1〜図3に示したような局所的な吹出口2の配置しか実現し得なかった。これに対して、本変形例では空調気流を案内する支持部91が本体部8の内面に設けられると共に、吹出口用開口部701が支持部91に沿って車両幅方向に長手方向を有するように形成されるので、吹出口201の位置の固定化という制限を外すことができるようになる。例えば乗員が運転席に一人着座しているだけという場合、又は、運転者は空調が不要であるが助手席側の乗員のみが空調を利用したい場合等は、空調を必要とする位置まで2つの吹出口201を共に移動させて空調気流を集中させることができる。このように、乗員は既存の空調環境よりも更に大きく変化に富んだ所望の空調環境を実現可能となる。
なお、図4に示す変形例の更なる変形形態としては、吹出口201のみから空調気流を送出可能に限定していた形態に代えて、スライダー状部材を複数設けて該スライダー状部材間を吹出口とすることで空調気流の送出範囲を任意の車両幅方向の大きさに設定可能な形態を挙げることができる。これにより、既存の車両では実現が困難であった車両幅方向に沿ったスリット状の吹出口が形成可能となり、空調気流も幅広の帯状気流が実現可能となる。
続いて図5に示すインパネ31における上記インパネ1との相違点は、高剛性部9に代えて、高剛性部90を採用した点である。具体的には、図5に示すように高剛性部90は、本体部8の断面である略円形状の周方向に沿って隙間無く配置された支持部901及び取付部902を有する。
本変形例では、支持部901及び取付部902は、一の支持部901又は取付部902と隣接する別の支持部901又は取付部902とが側壁面を共有して形成され、周方向に沿って隙間が生じないように並列されている。支持部901は、上記支持部91と同様に、HVAC装置5を本体部8の略中央部分において支持している。これにより、本体部8及び高剛性部90は、ハニカム構造と略同様の構造を有している。
隙間無く高剛性部90が設けられたインパネ31は、一の支持部901又は取付部902と隣接する別の支持部901又は取付部902とが相互に支持し合うのでインパネ1に比べて高剛性部90の車両幅方向に沿った強度の向上を図ることができて好ましい。また、高剛性部90は、ハニカム構造状に形成されていることで、本体部8の断面形状が変形する方向、例えば車両前後方向又は車両上下方向等に沿った耐荷重性も向上させることができる。
図6及び図7に示すインパネ41における上記インパネ1との相違点は、本体部80が分割されていることである。具体的には、図6及び図7に示すように、本体部80は、車両幅方向に沿って上側本体部801と下側本体部802とに分割されている。
本変形例では、車両前方側の分割部位が取付部92の下側に設定されると共に、車両後方側の分割部位が支持部91の下側でかつ開口部7の上端部に設定される。なお、該分割部位は本変形例のように必ずしも開口部7の上端部でなくとも良い。
インパネ41を車両本体に組付ける場合は、例えば下側本体部802を先ず車両本体に取付ける。次に、下側本体部802の内面に設けられている支持部91にHVAC装置5を載置すると共に、取付部92に適宜の内側部材を取付ける。このとき、上側本体部801の内面にも取付部92が設けられている場合はその取付部92にも適宜の内側部材を配置しておく。更に、上側本体部801を下側本体部802の上から被せるようにして車両本体に取付ける。上側本体部801と下側本体部802とは、インパネ41として使用する際にガタつき無く使用することができるように、相互に固定状態とすることが好ましい。この場合、係止又は係合する部位を上側本体部801及び下側本体部802にそれぞれ設けて係止又は係合させる形態、本体部80の分割部位に接着剤を用いて接着する形態、又は溶着する形態等、様々な固定形態を採ることができる。
本体部80が分割されて成るインパネ41は、上記インパネ1に比べてHVAC装置5及び内側部材の配置が容易となることで、組付け性が向上するので好ましい。また、本体部80は車両幅方向に沿って分割されることで、高剛性部9による車両幅方向に沿った本体部80の支持性能の低下、及び、インパネ41全体の車両幅方向の耐荷重性の低下を防止可能となる。
以上のように図示した実施形態以外にも、本発明の目的を達成可能な範囲で様々な形態を採用することができる。
上述した実施形態では、本体部8と高剛性部9とが一体成形で形成されているが、一体成形に代えて別体で形成し、内装材の組付け作業時に各部材同士の固定的な取付作業を行うようにしても良い。この場合、車両幅方向のインパネ1の強度を一体成形時と同等にするために、車両幅方向に沿った線状、面状又は複数箇所の点状の固定点によって、本体部8と高剛性部9とを固定するようにするのが好ましい。インパネの各部材を別体に作製して後で組付けることで、一体成形に比べて複雑な形状の部材が成形可能となるので、本発明を様々な構造を有する内装材に適用し易くなる。
本発明において本体部と高剛性部とは材料を変えて形成しても良い。具体的には例えば、ハーネス等が挿通される取付部を電波遮断効果を有する材料で形成する形態、及び、温度コントロールが必要な内側部材が配置される取付部を断熱性を有する材料で形成する形態等が挙げられる。異種材料であっても一体的に成形可能であれば一体成形を採用しても良く、一体成形が困難であれば別体成形した上で締結部材、取付治具又はブラケット等で固定しても良い。
本発明における高剛性部は、図2及び図3に示した高剛性部9のように、車両幅方向に沿って車両左右両端に亘る範囲で直線的かつ連続的に形成されることにより、車両の全幅に亘る連続した耐荷重性能が得られることとなり、好ましい。
もっとも、本発明においては高剛性部の一部を湾曲又は屈曲させても良い。例えば図2に示したステアリングコラムが挿入される運転席側開口部74が図2に示したよりも上側、つまりメータパネル4側により近接して設けられる場合、運転席側の取付部92を上側に湾曲させて運転席側開口部74を上方に迂回する形態を採ることができる。
また、既存の車両ではインパネが運転席部分とセンターコンソール部分と助手席部分とで大きく3分割された構成及び意匠となっていることがある。この場合、本発明において例えば本体部のみを3分割して形成すると共に、高剛性部は分割せずに車両左右両端に亘る長尺部材として形成するのが良い。3つの本体部を車両幅方向に並べて接合した上で内側に高剛性部を取付けることで、高剛性部による本体部の車両幅方向に沿った支持形態を実現することができる。
なお、本体部及び高剛性部を共に3分割しても良い。このとき、それぞれ3つの本体部及び高剛性部を車両幅方向に並べて接合する際に高剛性部が車両幅方向に亘って固定的に接続されることで、車両幅方向に沿った荷重の入力が生じたときに高剛性部全体での荷重の伝達が可能となり、耐荷重性能の低下が抑制される。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。