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JP6749037B2 - 蓄電デバイス用負極活物質 - Google Patents
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JP6749037B2 - 蓄電デバイス用負極活物質 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、ハイブリッドキャパシタ等の蓄電デバイスに用いられる負極活物質に関する。
近年、携帯型電子機器や電気自動車等の普及に伴い、リチウムイオン二次電池等の蓄電デバイスの開発が進められている。蓄電デバイスに用いられる負極活物質として、理論容量の高いSiまたはSnを含有する材料が研究されている。また、同じく理論容量が高く、しかも資源的に豊富で低廉な鉄酸化物(α−Fe)の使用も提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2012−28248号公報
上記の負極活物質を負極に使用した場合、リチウムイオンやナトリウムイオンの挿入脱離反応の際に生じる負極活物質の膨張収縮による体積変化が大きいため、繰り返し充放電に伴う負極活物質の崩壊が激しく、サイクル特性が低下しすいという問題がある。
従って、本発明は、良好なサイクル特性を有する蓄電デバイス用負極活物質を提供することを目的とする。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、酸化物表記のモル%で、Fe 10〜80%、SiO 5〜85%、P 0〜55%、SiO+B+P 10〜85%、LiO+NaO 1〜50%を含有し、モル比で、Fe/(SiO+B+P)が0.13〜5であることを特徴とする。
Feイオンは、本発明の負極活物質中において、リチウムイオンやナトリウムイオン等のアルカリイオンを吸蔵する前は3価で存在し、充電に伴いアルカリイオンを吸蔵した後は2価に変化する。さらに、アルカリイオンを再び放出するとFeイオンは3価に戻る。このように、Feイオンは充放電に伴うアルカリイオンの吸蔵及び放出により価数が変化するが、この際体積の膨張及び収縮を伴う。本発明の負極活物質においては、少なくともSiO 含有するマトリクス中に、活物質成分であるFeイオンが分散した構造が形成される。当該マトリクスは、充放電に伴うFeイオンの体積変化を緩和する役割を果たすため、サイクル特性に優れた負極活物質となる。
お、本発明において「○+○+・・・」は各成分の含有量の合量を意味する。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、酸化物表記のモル%で、NaO 1〜50%を含有することが好ましい。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、非晶質相を含有することが好ましい。非晶質相は、充放電に伴うFeイオンの体積変化を緩和する作用を有するため、サイクル特性を向上させることが可能となる。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、ナトリウムイオン二次電池用として好適である。
本発明によれば、良好なサイクル特性を有する蓄電デバイス用負極活物質を提供することが可能となる。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、酸化物表記の組成として、SiO、B及びPの群から選択される少なくとも一種、並びに、Feを含有することを特徴とする。具体的には、本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、酸化物表記のモル%で、Fe 10〜90%、SiO+B+P 5〜85%を含有することが好ましい。各成分の含有量をこのように限定した理由を以下に説明する。なお、以下の各成分の含有量の説明において、特に断りのない限り「%」は「モル%」を意味する。
Feはアルカリイオンを吸蔵及び放出するサイトとなる活物質成分である。Feの含有量は10〜90%であることが好ましく、さらに15〜85%、20〜80%、特に25〜75%であることが好ましい。Feの含有量が少なすぎると、負極活物質の単位質量当たりの放電容量が小さくなり、かつ、初回充放電時の充放電効率が低下する傾向がある。一方、Feの含有量が多すぎると、充放電時のアルカリイオンの吸蔵及び放出に伴う体積変化を緩和できずに、サイクル特性が低下する傾向がある。
SiO、B及びPは網目形成酸化物であり、Feにおけるアルカリイオンの吸蔵及び放出サイトを取り囲み、サイクル特性を向上させる作用がある。SiO+B+Pの含有量は5〜85%であることが好ましく、さらに10〜80%、特に15〜75%であることが好ましい。SiO+B+Pの含有量が少なすぎると、充放電時のアルカリイオンの吸蔵及び放出に伴うFeイオンの体積変化を緩和できず構造破壊を起こすため、サイクル特性が低下しやすくなる。一方、SiO+B+Pの含有量が多すぎると、相対的にFeイオンの含有量が少なくなり、負極活物質の単位質量当たりの充放電容量が小さくなる傾向がある。
SiOはサイクル特性を向上させる効果が高い。また、アルカリイオンの伝導性に優れるため、急速充放電特性を向上させる効果もある。SiOの含有量は5〜85%であることが好ましく、さらに10〜78%、15〜60%、特に18〜50%であることが好ましい。SiOの含有量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。一方、SiOの含有量が多すぎると、SiP等の異種結晶が析出しやすくなり、サイクル特性が低下する傾向がある。
また、Pもサイクル特性を向上させる効果が高い。また、アルカリイオンの伝導性に優れるため、急速充放電特性を向上させる効果もある。Pの含有量は0〜55%であることが好ましく、さらに5〜45%、特に7〜35%であることが好ましい。Pの含有量が多すぎると、耐水性が低下しやすくなる。また、水系電極ペーストを作製した場合に望まない異種結晶が生じやすく、当該異種結晶によりPネットワークが切断されるためサイクル特性が低下しやすくなる。
なお、Bの含有量は特に限定されないが、他成分とのバランスを考慮し、0〜50%であることが好ましく、特に3〜40%であることが好ましい。
FeとSiO+B+Pの含有量のモル比(Fe/(SiO+B+P))は0.1〜5であることが好ましく、さらに0.2〜4、0.3〜3、特に0.4〜2であることが好ましい。Fe/(SiO+B+P)が小さすぎると、負極活物質の単位質量当たりの放電容量が小さくなり、かつ、初回充放電時の充放電効率が低下する傾向がある。一方、Fe/(SiO+B+P)が大きすぎると、充放電に伴うFeイオンの体積変化を緩和できなくなり、サイクル特性が低下する傾向がある。
また、本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、アルカリ金属酸化物成分としてLiOまたはNaOを含有することが好ましい。本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、充放電にともないアルカリイオンを吸蔵及び放出するが、アルカリイオンの一部は負極活物質中に吸蔵されたまま放出されない場合がある。当該アルカリイオンは不可逆容量につながり、初回放電容量の低下の原因となる。そこで、負極活物質中にLiOまたはNaOを予め含有させることにより、初回充電時に負極活物質中にアルカリイオンを吸収させにくくし(アルカリイオンが吸蔵されたまま放出されないような状態となりにくくし)、初回放電容量を向上させることが可能となる。また、負極活物質がLiOまたはNaOを含有することにより、アルカリイオン伝導性を高め、サイクル特性を改善することが可能となる。LiO+NaOの含有量は1〜50%であることが好ましく、さらに2〜45%、3〜40%、特に4〜35%であることが好ましい。LiO+NaOの含有量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。一方、LiO+NaOの含有量が多すぎると、LiPO、LiSiO、NaPO等の異種結晶が多量に形成され、サイクル特性が低下しやすくなる。なお、LiOとNaOの各成分の含有量は、それぞれ1〜50%であることが好ましく、さらに2〜45%、3〜40%、特に4〜35%であることが好ましい。
LiOとNaOは、単独で含有していても良く、両者を含有していても良い。なお、充放電に伴い吸蔵及び放出されるイオンがリチウムイオンである場合(即ちリチウムイオン二次電池用負極活物質である場合)はLiOを含有することが好ましく、充放電に伴い吸蔵及び放出されるイオンがナトリウムイオンである場合(即ちナトリウムイオン二次電池用負極活物質である場合)はNaOを含有することが好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分に加えてさらに種々の成分を添加することができる。例えば、ガラス化を容易にするため、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、CuO、Al、Bi、GeO、ZrO、V等を合量で好ましくは0〜40%、0.1〜36%、さらには0.5〜30%含有させてもよい。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質は非晶質相を含有することが好ましい。非晶質相は、充放電に伴うFeイオンの体積変化を緩和する作用を有するため、サイクル特性を向上させることが可能となる。また、非晶質相はアルカリイオン伝導性に優れるため、急速充放電特性を向上させる働きも有する。
基本的に、結晶化度が小さいほど非晶質相の割合が大きくなるため好ましい。具体的には、本発明の蓄電デバイス用負極活物質の結晶化度は95%以下であることが好ましく、さらに80%以下、50%以下、30%以下、特に10%以下であることが好ましい。
結晶化度は、CuKα線を用いた粉末X線回折測定によって得られる、2θ値で10〜60°の回折線プロファイルを、結晶性回折線と非晶質ハローとにピーク分離することで求められる。具体的には、回折線プロファイルからバックグラウンドを差し引いて得られた全散乱曲線から、10〜45°におけるブロードな回折線(非晶質ハロー)をピーク分離して求めた積分強度をIa、10〜60°において検出される各結晶性回折線をピーク分離して求めた積分強度の総和をIcとした場合、結晶化度Xcは次式から求められる。
Xc=[Ic/(Ic+Ia)]×100(%)
本発明の蓄電デバイス用負極活物質が粉末状である場合、平均粒子径は0.1〜20μmであることが好ましく、さらに0.2〜15μm、0.3〜10μm、特に0.5〜5μmであることが好ましい。また最大粒子径は150μm以下であることが好ましく、さらに100μm以下、75μm以下、特に55μm以下であることが好ましい。負極活物質の平均粒子径や最大粒子径が大きすぎると、充放電した際にアルカリイオンの吸蔵及び放出に伴う負極活物質の体積変化を緩和できず、集電体から剥れやすくなり、サイクル特性が著しく低下する傾向がある。一方、負極活物質の平均粒子径が小さすぎると、電極形成用のペーストを製造するためにペースト化した際に粉末の分散状態が悪化し、均質な電極を製造することが困難になる傾向がある。また、比表面積が大きくなりすぎて、電極形成用のペーストを製造する際に負極活物質粉末の分散状態に劣るため、多量の結着剤や溶剤が必要となる。さらに、電極形成用ペーストの塗布性に劣り、均一な厚みを有する負極を形成しにくくなる。
ここで、平均粒子径と最大粒子径は、それぞれ一次粒子のメジアン径でD50(50%体積累積径)とD90(90%体積累積径)を示し、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定された値をいう。
また、粉末状の負極活物質のBET法による比表面積は0.1〜20m/gであることが好ましく、さらに0.15〜15m/g、特に0.2〜10m/gであることが好ましい。負極活物質の比表面積が小さすぎると、アルカリイオンの吸蔵及び放出が迅速に行えず、充放電時間が長くなる傾向がある。一方、負極活物質の比表面積が大きすぎると、電極形成用のペーストを製造する際、分散状態に劣り、多量の結着剤や溶剤が必要となる傾向がある。また、電極形成用ペーストの塗布性に劣り、均一な厚みを有する負極を形成しにくくなる。
なお、本発明の蓄電デバイス用負極活物質を用いた蓄電デバイスを充放電した後は、リチウム酸化物、ナトリウム酸化物、鉄とリチウムの複合酸化物、鉄とナトリウムの複合酸化物または金属鉄を含有する場合がある。例えば、本発明の負極活物質を用いた蓄電デバイスの放電完了時において、蓄電デバイス用負極活物質は、酸化物表記のモル%で、Fe 10〜90%、SiO+B+P 5〜85%、LiO+NaO 1〜80%を含有する。ここで「放電完了時」とは、本発明の蓄電デバイス用負極活物質を含む蓄電デバイス用負極材料を負極に用い、正極に金属ナトリウム、電解液に1M NaPF溶液/EC:DEC=1:1(EC=エチレンカーボネート、DEC=ジエチルカーボネート、容積比)を用いた試験電池において0.5Vまで0.2mAの定電流で充電し、その後2.5Vまで放電した状態を指す。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、例えば原料粉末を加熱溶融してガラス化し、その後必要に応じて粉砕、分級することにより製造することができる。粉砕及び分級には、乳鉢、ボールミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、篩、遠心分離機、空気分級機等が用いられる。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質には結着剤や導電助剤等を添加することにより、蓄電デバイス用負極材料として使用される。結着剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子;ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂;ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
導電助剤としては、アセチレンブラックやケッチェンブラック等の高導電性カーボンブラック、グラファイト等のカーボン粉末、炭素繊維等が挙げられる。
蓄電デバイス用負極材料を、集電体としての役割を果たす金属箔等の表面に塗布することで蓄電デバイス用負極として用いることができる。
水系電解質は、水に電解質塩を溶解してなるものである。電解質塩としては、正極から供給されるアルカリイオンがリチウムである場合、LiNO、LiOH、LiF、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiSO、CHCOOLi、LiBF、LiPF等が挙げられ、ナトリウムである場合、NaNO、NaSO、NaOH、NaCl、CHCOONa等が挙げられ、カリウムイオンである場合、KNO、KOH、KF、KCl、KBr、KI、KClO、KSO、CHCOOK、KBF、KPF等が挙げられる。これらの電解質塩は単独で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。電解質塩濃度は、一般的には0.1M以上飽和濃度以下の範囲内で適宜調整される。
非水電解質は、非水溶媒である有機溶媒及び/またはイオン液体と、当該非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む。以下に、有機溶媒、イオン液体、電解質塩の具体例を列挙する。なお、下記の化合物名の後の[ ]内は略称を示す。
有機溶媒としては、プロピレンカーボネート[PC]、エチレンカーボネート[EC]、1,2−ジメトキシエタン[DME]、γ−ブチロラクトン[GBL]、テトラヒドロフラン[THF]、2−メチルテトラヒドロフラン[2−MeHF]、1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル[AN]、ジエチルカーボネート[DEC]、ジメチルカーボネート[DMC]、メチルエチルカーボネート[MEC]、ジプロピルカーボネート[DPC]等が挙げられる。これらの有機溶媒は単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。なかでも、低温特性に優れるプロピレンカーボネートが好ましい。
イオン液体としては、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[TMPA−TFSI]、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[PP13−TFSI]、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[P13−TFSI]、N−メチル−N−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[P14−TFSI]等の脂肪族4級アンモニウム塩;1−メチル−3−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート[EMIBF4]、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[EMITFSI]、1−アリル−3−エチルイミダゾリウムブロマイド[AEImBr]、1−アリル−3−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート[AEImBF4]、1−アリル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[AEImTFSI]、1,3−ジアリルイミダゾリウムブロマイド[AAImBr]、1,3−ジアリルイミダゾリウムテトラフルオロボラート[AAImBF4]、1,3−ジアリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[AAImTFSI]等のアルキルイミダゾリウム4級塩等が挙げられる。
電解質塩としては、PF 、BF 、(CFSO[TFSI]、CFSO [TFS]、(CSO[BETI]、ClO 、AsF 、SbF 、B(C [BOB]、BFOCOOC(CF [B(HHIB)]等のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。これらの電解質塩は単独で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。特に、安価であるPF 、BF のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。電解質塩濃度は、一般的には0.5〜3M以下の範囲内で適宜調整される。
なお、非水電解質には、ビニレンカーボネート[VC]、ビニレンアセテート[VA]、ビニレンブチレート、ビニレンヘキサネート、ビニレンクロトネート、カテコールカーボネート等の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤は、負極活物質表面に保護膜(LiCOx等)を形成する役割を有する。添加剤の量は、非水電解質100質量部に対して0.1〜3質量部であることが好ましく、特に0.5〜1質量部であることが好ましい。添加剤の量が少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。一方、添加剤の量が多すぎても、さらなる効果が得られにくい。
固体電解質としては、正極から負極に供給されるアルカリイオンがリチウムイオンである場合、リチウムβ−アルミナ、リチウムβ”−アルミナ、LiS−Pガラスまたは結晶化ガラス、Li1+xAlGe2−x(PO結晶または結晶化ガラス、Li14Al0.4(Ge2−xTi1.6(PO結晶または結晶化ガラス、Li3xLa2/3−xTiO結晶または結晶化ガラス、Li0.8La0.6Zr(PO結晶または結晶化ガラス、Li1+xTi2−xAl(PO結晶または結晶化ガラス、Li1+x+yTi2−xAlSi(PO3−y結晶または結晶化ガラス、LiTiZr2−x(PO結晶または結晶化ガラス等が挙げられ、ナトリウムイオンである場合、ナトリウムβ−アルミナ、ナトリウムβ”−アルミナ、Na1+xZrSi3−x12結晶または結晶化ガラス、Na3.12SiZr1.880.12PO12結晶または結晶化ガラス、Na5.9Sm0.6Al0.10.3Si3.6結晶化ガラス等が挙げられ、カリウムイオンである場合、カリウムβ−アルミナ、カリウムβ”−アルミナ等が挙げられる。
上記電解質のうち、非水系電解質及び固体電解質は電位窓が広いため好ましい。特に、アルカリイオン伝導性を有する固体電解質は電位窓が広いため、充放電時における電解質の分解に伴うガスの発生がほとんど生じることがなく、安全性に優れた蓄電デバイスとなる。
以上、主に蓄電デバイスがリチウムイオン二次電池またはナトリウムイオン二次電池の場合について説明してきたが、本発明の蓄電デバイス用負極活物質はこれに限定されるものではなく、他の非水系二次電池や、水系電解液を用いた水系二次電池、固体電解質を用いた全固体電池、さらには、リチウムイオン二次電池またはナトリウムイオン二次電池に用いられる負極活物質と非水系電気二重層キャパシタ用の正極材料とを組み合わせたハイブリットキャパシタ等にも適用できる。
ハイブリットキャパシタであるリチウムイオンキャパシタ及びナトリウムイオンキャパシタは、正極と負極の充放電原理が異なる非対称キャパシタの一種である。リチウムイオンキャパシタは、リチウムイオン二次電池用の負極と電気二重層キャパシタ用の正極を組み合わせた構造を有している。ナトリウムイオンキャパシタは、ナトリウムイオン二次電池用の負極と電気二重層キャパシタ用の正極を組み合わせた構造を有している。リチウムイオンキャパシタ及びナトリウムイオンキャパシタの正極には、活性炭、ポリアセン、メソフェーズカーボン等の高比表面積の炭素質粉末等からなる正極活物質が用いられる。一方、負極には、本発明の蓄電デバイス用負極活物質を含む負極材料を用いることができる。ここで、正極は表面に電気二重層を形成し、物理的な作用(静電気作用)を利用して充放電するのに対し、負極はリチウムイオン二次電池またはナトリウムイオン二次電池と同様に、リチウムイオンまたはナトリウムイオンの化学反応(吸蔵及び放出)により充放電する。
なお、リチウムイオンキャパシタまたはナトリウムイオンキャパシタに本発明の負極活物質を使用する場合、負極活物質には予めリチウムイオンまたはナトリウムイオンと電子を吸蔵する必要がある。その手段は特に限定されず、例えば、リチウムイオンやナトリウムイオンと電子の供給源である金属リチウム極や金属ナトリウム極をキャパシタセル内に配置し、本発明の負極活物質を含む負極と直接または導電体を通じて接触させてもよいし、別のセルで本発明の負極活物質に予めリチウムイオンやナトリウムイオンと電子を吸蔵させたうえで、キャパシタセルに組み込んでもよい。
以下、本発明の蓄電デバイス用負極活物質の一例として、ナトリウムイオン二次電池に適用した実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1及び2は、実施例1〜10及び比較例を示す。
Figure 0006749037
Figure 0006749037
(1)負極活物質の作製
表1及び2に示す組成となるように、各種酸化物、炭酸塩等を用いて原料粉末を調製した。原料粉末を白金ルツボに投入し、電気炉を用いて大気中にて1500℃、60分間の溶融を行い、ガラス化した。
次いで、溶融ガラスを一対の回転ローラー間に流し出し、急冷しながら成形し、厚み0.1〜2mmのフィルム状のサンプルを得た。このフィルム状サンプルをボールミルで粉砕した後、目開き20μmの篩に通過させ、平均粒子径3μmのガラス粉末を得た。
上記で得られたガラス粉末85質量部に対して、導電助剤としてアセチレンブラック(デンカブラック)15質量部を添加し、遊星ボールミルを用いて800rpmで40分間混合することにより、炭素で被覆された負極活物質粉末を得た。
得られた負極活物質粉末について、粉末X線回折測定を行うことにより構造を同定した。結果を表1及び2に示す。実施例1〜3については、表1に記載の結晶由来の結晶性回折線と非晶質ハローがそれぞれ確認された。また、実施例4〜10については、非晶質ハローが検出され、結晶性回折線は検出されなかった。一方、比較例1の粉末については、非晶質ハローが検出されず、結晶性回折線のみが検出された。
(2)ナトリウムイオン二次電池用負極の作製
上記で得られた負極活物質に対し、導電助剤として導電性カーボンブラック(SuperC65、Timcal社製)、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを、粉末:導電助剤:結着剤=80:5:15(質量比)となるように秤量し、N−メチルピロリドンに分散した後、自転・公転ミキサーで十分に撹拌してスラリー(負極材料)を得た。次に、隙間125μmのドクターブレードを用いて、得られたスラリーを負極集電体である厚さ20μmの銅箔上にコートし、70℃の乾燥機で真空乾燥後、一対の回転ローラー間に通してプレスすることにより電極シートを得た。この電極シートを電極打ち抜き機で直径11mmに打ち抜き、温度150℃にて8時間、減圧下で乾燥させて円形の負極を得た。
(3)試験電池(ナトリウムイオン二次電池)の作製
上記で得られた負極を、銅箔面を下に向けてコインセルの下蓋に載置し、その上に70℃で8時間減圧乾燥した直径16mmのポリプロピレン多孔質膜からなるセパレータ、及び、対極である金属ナトリウムを積層し、試験電池を作製した。電解液としては、1M NaPF溶液/EC:DEC=1:1(容積比)を用いた。なお試験電池の組み立ては露点温度−70℃以下の環境で行った。
(4)充放電試験
上記試験電池に対し、30℃で開回路電圧から0.5VまでCC(定電流)充電(負極活物質へのナトリウムイオン吸蔵)を行った。次に、0.5Vから2.5VまでCC放電(負極活物質からのナトリウムイオン放出)させ、単位質量当たりの負極活物質から放電された電気量(初回放電容量)を求めた。Cレートは0.1Cとした。以降、同様の条件で充放電サイクルを繰り返した。表1及び2に充放電特性の結果を示す。なお、放電容量維持率は、初回放電容量に対する50サイクル目の放電容量の割合で評価した。
表1及び2に示すように、実施例1〜10における初回放電容量は80.9mAh/g以上、放電容量維持率は92%以上と良好であった。一方、比較例では、初回放電容量は332mAh/gと高かったものの、放電容量維持率が48%と低かった。
本発明の蓄電デバイス用負極活物質は、携帯型電子機器、電気自動車、電気工具、バックアップ用非常電源等に用いられるリチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、ハイブリッドキャパシタ等の蓄電デバイスにおける負極構成材料として好適である。

Claims (4)

  1. 酸化物表記のモル%で、Fe 10〜80%、SiO 5〜85%、P 0〜55%、SiO+B+P 10〜85%、LiO+NaO 1〜50%を含有し、モル比で、Fe/(SiO+B+P)が0.13〜5であることを特徴とする蓄電デバイス用負極活物質。
  2. 酸化物表記のモル%で、NaO 1〜50%を含有することを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス用負極活物質。
  3. 非晶質相を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電デバイス用負極活物質。
  4. ナトリウムイオン二次電池用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用負極活物質。
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