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JP6762282B2 - 位相差顕微鏡 - Google Patents
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JP6762282B2 - 位相差顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、凹形状の液面を有する液体と観察対象とが収容された容器に対して、リング状の照明光を照射して観察対象の位相差像を結像する位相差顕微鏡に関するものである。
近年、幹細胞などの培養された透明な細胞を非染色に観察する方法として位相差計測が広く使われ始めている。そして、このような位相差計測を行うものとして位相差顕微鏡が使用されている。
一般的な位相差顕微鏡においては、リング状の照明光が観察対象に照射され、観察対象を通過した直接成分の光と回折成分の光が位相板に入射される。そして、直接成分の光は位相板のリング部分によって減光され、回折成分の光は位相板の透明な部分を通過し、この直接成分の光と回折成分の光とが結像されることによって明暗のコントラストのついた像を撮像することができる。
ここで、位相差顕微鏡によって培養液中の細胞などを観察する場合、培養液の表面張力の影響によって培養液の液面にメニスカスが形成される。そして、このメニスカスのレンズ作用によってリング状の照明光の光路がずれてしまい、位相板に入射される直接成分の光と回折成分の光とに影響を及ぼして明瞭な位相差画像が得られない問題がある。
そこで、たとえば特許文献1には、メニスカスが形成された液面に対向させて平凸レンズを設け、この平凸レンズによって照明光の光路を補正することが提案されている。
特開2000−4871号公報 特開平8−5929号公報 特開2006−91506号公報
しかしながら、後で詳述するが、発明者の検討結果によれば、平凸レンズを設けただけでは、視野中心近傍の位相差画像を補正することは可能であるが、周辺部については、コントラストが低く、位相差観察を行うことが難しいことがわかった。
また、特許文献2および特許文献3にも、光路中に補正レンズを設け、その補正レンズの焦点距離を調整することによってメニスカスの影響を抑制することが開示されているが、このような焦点距離の調整だけでは、特許文献1に記載の方法と同様に、補正できる範囲が限定的であり、特に視野周辺部分の位相差画像のコントラストを向上させることは難しい。
本発明は、上記の問題に鑑み、容器内の液体の液面に形成されたメニスカスの影響を抑制し、位相差画像のコントラストを向上させることができる位相差顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明の位相差顕微鏡は、容器内に満たされた凹形状の液面を有する液体内の観察対象に対して、リング状の照明光を出射する照明光出射部と、照明光を観察対象に向かって収束させるコンデンサレンズと、液体の液面とコンデンサレンズとの間に配置された光路補正レンズと、観察対象に対向して設けられた対物レンズと、観察対象を通過した照明光の位相を変化させる位相リングが形成された位相板とを備え、光路補正レンズが、観察対象側に凸面を有し、光軸から離れるほど屈折力が増大するメニスカスレンズであって、かつ観察対象を通過した照明光の非点収差を発生させることによって、観察対象を通過した照明光の直接成分を、位相板の位置において位相リングの周方向に延びた分布とする。
また、上記本発明の位相差顕微鏡において、光路補正レンズの上記凸面は、非球面であることが好ましい。
また、上記本発明の位相差顕微鏡において、光路補正レンズの上記凸面と照明光出射部側の面とは、非球面であることが好ましい。
また、上記本発明の位相差顕微鏡において、照明光出射部は、リング状の照明光を形成するスリットを有し、光路補正レンズは、光路補正レンズへの光線の入射角θiと、上記光線の光路補正レンズからの出射角θoとが、下式を満たす光学特性を有することが好ましい。
1.03<θo/θi<1.25
ただし、上記光線は、スリットの幅方向の中心位置から出射され、観察対象の設置面と光路補正レンズの光軸との交点位置に至る光線である
本発明の位相差顕微鏡によれば、容器内に満たされた液体の液面とコンデンサレンズとの間に光路補正レンズを設け、その光路補正レンズを、観察対象側に凸面を有し、光軸から離れるほど屈折力が増大するメニスカスレンズとし、かつ観察対象を通過した照明光の非点収差を発生させることによって、観察対象を通過した照明光の直接成分を、位相板の位置において位相リングの周方向に延びた分布とするものとしたので、容器内の液体の液面に形成されたメニスカスの影響を抑制し、位相差画像のコントラストを向上させることができる。なお、光路補正レンズの作用効果については、後で詳述する。
本発明の位相差顕微鏡の一実施形態の概略構成を示す図 スリット板の概略構成を示す図 位相板の概略構成を示す図 培養容器内に培養液が満たされていない場合における照明光の光路をシミュレーションした結果を示す図 培養容器内に培養液が満たされ、培養液の液面にメニスカスが形成されている場合における照明光の光路をシミュレーションした結果を示す図 平凸レンズを用いた場合における照明光の光束の位相板の位置での分布を示す図 光路補正レンズを用いた場合における照明光の光束の位相板の位置での分布を示す図 光路補正レンズを用いた場合における照明光の直接成分の光路をシミュレーションした結果を示す図 光路補正レンズへの光線の入射角θiとその光線の光路補正レンズからの出射角θoとを示す図 位相差顕微鏡の一実施例を示す図 光路補正レンズの一実施例を示す図 光路補正レンズのその他の実施例を示す図 図12に示す光路補正レンズを用いた場合における照明光の光束の位相板の位置での分布を示す図
以下、本発明の位相差顕微鏡の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の位相差顕微鏡1の概略構成を示す模式図である。
本実施形態の位相差顕微鏡1は、観察対象として、たとえば培養された細胞の位相差画像を撮像するものである。具体的には、位相差顕微鏡1は、図1に示すように、白色光を出射する白色光源11と、スリット板12と、コンデンサレンズ13と、光路補正レンズ14と、結像光学系30と、撮像部40とを備えている。
そして、光路補正レンズ14と結像光学系30との間に、ステージ61が設けられている。ステージ61上には、細胞などの観察対象Sおよび培養液Cが収容された培養容器60が設置される。ステージ61の中央には、矩形の開口が形成されている。この開口を形成する部材の上に培養容器60が設置され、培養容器60内の観察対象Sの位相差画像が開口を通過するように構成されている。
培養容器60としては、たとえば複数のウェル(本発明の容器に相当する)を有するウェルプレートが用いられるが、これに限らず、シャーレまたはディッシュなどを用いるようにしてもよい。また、培養容器60に収容される観察対象Sとしては、iPS細胞およびES細胞といった多能性幹細胞、幹細胞から分化誘導された神経、皮膚、心筋および肝臓の細胞、並びに人体から取り出された皮膚、網膜、心筋、血球、神経および臓器の細胞などがある。
ステージ61上に設置された培養容器60は、その底面が観察対象の設置面Pであり、設置面Pに観察対象Sが配置される。培養容器60内には培養液Cが満たされており、この培養液Cの液面には、凹形状のメニスカスが形成される。なお、本実施形態においては、培養液中で培養される細胞を観察対象Sとしたが、観察対象Sとしてはこのような培養液中のものに限らず、水、ホルマリン、エタノール、およびメタノールなどの液体中において固定された細胞を観察対象Sとしてもよい。この場合も、容器内のこれらの液体の液面にメニスカスが形成される。
図2は、スリット板12の具体的な構成を示す図である。スリット板12は、図2に示すように、白色光源11から出射された白色光を遮光する遮光板12bに対して白色光を透過するリング形状のスリット12aが設けられたものであり、白色光がスリット12aを通過することによってリング状照明光が形成される。なお、本実施形態においては、白色光源11とスリット板12とから、本発明の照明光出射部が構成されている。
コンデンサレンズ13は、スリット板12から出射されたリング状照明光を観察対象Sに向かって収束させるものである。
光路補正レンズ14は、上述したメニスカスの影響を抑制するために設けられた光学素子である。光路補正レンズ14は、具体的には、観察対象S側に凸面14aを有し、その光軸から離れるほど屈折力が増大するメニスカスレンズである。さらに光路補正レンズ14は、観察対象Sを通過した照明光の非点収差を発生させるものである。そして、光路補正レンズ14は、上述したように非点収差を発生させることによって、観察対象Sを通過した照明光の直接成分を、後述する位相板32の位置において、位相リング32aの周方向に延びた分布とする光学特性を有するものである。なお、照明光の直接成分とは、観察対象Sを通過した光の成分うち、観察対象Sによって回折されずに直進する成分のことである。
本実施形態の光路補正レンズ14は、観察対象S側の凸面14aおよび白色光源11側の凹面14bが、非球面に形成されている。なお、光路補正レンズ14の作用効果については、後で詳述する。
結像光学系30は、観察対象Sに対向して設けられた対物レンズ31、位相板32、および結像レンズ33を備えている。位相板32は、観察対象Sを通過した照明光の位相差を変化させるものである。図3は、位相板32の具体的な構成を示す平面図である。位相板32は、図3に示すように、照明光の波長に対して透明な透明板32bに対して位相リング32aを形成したものである。なお、上述したスリット12aの大きさは、この位相リング32aと共役な関係にある。
位相リング32aは、入射された光の位相を1/4波長ずらす位相膜と、入射された光を減光する減光フィルタとがリング状に形成されたものである。位相板32に入射された照明光の直接成分の光は、位相リング32aを通過することによって位相が1/4波長ずれるとともに、その明るさが弱められる。一方、観察対象Sによって回折された回折成分の光は大部分が位相板32の透明板32bを通過し、その位相および明るさは変化しない。
位相差観察において、回折成分の光は直接成分の光に比べて位相が、1/4波長だけ遅れることが知られている。そして、上述した位相板32により直接成分の光にだけ位相変化を与え、回折成分の光との間にトータルで1/2波長の位相差を生じさせることによって(あるいは回折成分の光との間の位相差を無くすことによって)、通常は観察できない位相差を、明暗差として目に見えるようにすることができる。これにより、無色透明で視認性が悪くても位相変化を持つ物体であれば、その構造を観察することが可能となる。直接成分の光と回折成分の光に1/2波長の位相差がある場合には物体光の振幅が打ち消され背景に対して暗くなり(ダークコントラスト)、位相差がない場合には物体光の振幅が足し合わされ背景に対して明るくなる(ブライトコントラスト)。直接成分の光と回折成分の光とでは光量差があるため、位相板32は直接成分の光と回折成分の光の明るさが概ね一致するように、直接成分の光を減光するように構成されている。
結像レンズ33は、位相板32を通過した直接成分の光および回折成分の光が入射され、これらの光を撮像部40に結像するものである。
撮像部40は、結像レンズ33によって結像された観察対象Sの位相差画像を撮像する撮像素子を備えたものである。撮像素子としては、CCD(charge-coupled device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを用いることができる。
ここで、上述した位相差観察におけるメニスカスの影響について、詳細に説明する。図4は、培養容器60内に培養液Cが満たされていない場合における照明光の光路をシミュレーションした結果を示す図である。また、図5は、培養容器60内に培養液Cが満たされ、培養液Cの液面にメニスカスが形成されている場合における照明光の光路をシミュレーションした結果を示す図である。
位相差観察においては、直接成分の光にだけ位相差を与えることが好ましく、直接成分の光だけが通る光路中に、位相板32を配置することが好ましい。ここで、図4に示すシミュレーション結果の光路を見ると、対物レンズ31を通過した後に照明光が集まっているポイントがある。この位置に位相板32を配置すれば、直接成分の光にだけ位相を付加することが可能である。
しかしながら、図5に示すシミュレーション結果の光路を見ると、結像位置が後方(結像レンズ33側)にずれていて,かつ像の大きさも異なっている。そのため、直接光への位相付加や光量の調整が不十分となり、適切な位相差観察ができなくなる。このように、位相差観察をする場合にはウェルの液面による光路の変化が無視できない。
この問題を解消するためには、光路を補正するレンズやそれを駆動する機構などを設けることが考えられる。
発明者の実験によれば、光路を補正するレンズを設置しない場合には、照明光の直接成分の光は、メニスカスによって光路が変わり、位相板32が設置された位置において、その光束が位相リング32aの環の内側(中心側)に入り込むことがわかった。そこで、光路を補正するレンズとして、平凸レンズを本実施形態の光路補正レンズ14の代わりに設置すると、直接成分の光の光路を補正でき、リング状の照明光の径を位相リング32aの径と一致させることができた。なお、ここではスリット板12側に球面の凸面を有する平凸レンズを用いた。
しかしながら、平凸レンズを設置したとしても、直接成分の光の集光位置は、位相リング32aの位置からずれたままであり、全ての光を位相リング32aに入射させることができなった。発明者は、平凸レンズを設置した場合の直接成分の光の光路をさらに詳細に検討した。観察対象Sの設置面Pの中心(光軸が通過する位置)から0.2mm、0.4mm、0.6mm、および0.8mmの位置を通過した照明光の、位相板32の位置での分布をシミュレーションによって確認した。図6は、そのシミュレーション結果を示すものである。図6に示すL1は、スリット12aの径方向について内側の位置から出射された光束の分布を示しており、L2は、中間の位置から出射された光束の分布を示しており、L3は、外側の位置から出射された光束の分布を示している。図6に示されるとおり、観察対象Sの設置面Pの中心付近、すなわち中心から0.2mmまでの領域を通過した光は、多少ぼけて拡散するものの、ほとんどが位相リング32aを通過する。これに対し、さらの外側を通過した光は、大きくボケて位相リング32aからはみ出すことがわかった。そして、このために、視野中心から0.2mm程度までは良好な位相差観察ができるのに対して、それよりも外側では、位相差画像のコントラストが低下することがわかった。
そこで、本実施形態の位相差顕微鏡においては、上述したような実験結果などを踏まえて、上述した光路補正レンズ14を用いて、照明光の光路を補正するようにした。本実施形態の光路補正レンズ14は、上述したように、観察対象S側に非球面の凸面14aを有し、その光軸から離れるほど屈折力が増大するメニスカスレンズであり、観察対象Sを通過した照明光の非点収差を発生させる。そして、光路補正レンズ14は、非点収差を発生させることによって、観察対象Sを通過した照明光の直接成分を、位相板32の位置において、位相リング32aの周方向に延びた分布とする光学特性を有するものである。
図7は、本実施形態の光路補正レンズ14を設置した場合において、観察対象Sの設置面Pの中心(光軸が通過する位置)から0.2mm、0.4mm、0.6mm、および0.8mmの位置を通過した光の、位相板32の位置での分布を確認した結果である。図7に示すL1は、スリット12aの径方向について内側の位置から出射された光束の分布を示しており、L2は、中間の位置から出射された光束の分布を示しており、L3は、外側の位置から出射された光束の分布を示している。図7に示すように、光路補正レンズ14によって非点収差を発生させることによって、照明光の直接成分が、位相リング32aの周方向に延びた分布となっている。そして、これにより、少なくとも、観察対象Sの設置面Pの中心から0.6mmの範囲までは、照明光の直接成分のほとんどを位相リング32a内に入射させることが可能となっている。これによりメニスカスによる光路変化に起因するボケを抑制することができ、位相差画像のコントラストを向上させることができる。
図8は、本実施形態の光路補正レンズ14を用いた場合における照明光の直接成分の光路をシミュレーションした結果を示す図である。図8に示すように、本実施形態の光路補正レンズ14を用いることによって、照明光の直接成分を、位相板32の位置において、位相リング32a内に集光させることができる。
なお、本実施形態の光路補正レンズ14は、上述したように観察対象S側の凸面14aおよび白色光源11側の凹面14bの両方が、非球面で形成されているので、光路補正の能力を向上させることができる。ただし、この構成に限らず、いずれか一方の面のみを非球面としてもよい。
また、光路補正レンズ14は、図9に示すように、光路補正レンズ14への光線の入射角θiと、その光線の光路補正レンズ14からの出射角θoとが、下式を満たす光学特性を有することが好ましい。
1.03<θo/θi<1.25
ただし、上記光線は、スリット12aの幅方向の中心位置から出射され、観察対象Sの設置面Pと光路補正レンズ14の光軸との交点位置に至る光線である。
また、上記実施形態においては、結像光学系30によって結像された位相差画像を撮像部40によって撮像するようにしたが、撮像部40を設けることなく、結像光学系30によって結像された観察対象の位相差像をユーザが直接観察できるように観察光学系などを設けるようにしてもよい。
次に、本実施形態の位相差顕微鏡の具体的な実施例について説明する。ただし、本実施形態の位相差顕微鏡は、以下に説明する実施例のみに限定されるものではない。図10は、本実施例の位相差顕微鏡の構成を示す図である。なお、図10は模式図であり、各光学系の形状および大きさ並びに光学系間の距離については正確なものではない。
(実施例1)
スリット板12のスリット幅Swは0.65mm、スリット外径Sdoは10.6mm、およびスリット内径Sdiは9.95mmである。また、コンデンサレンズは、Nikon社製、ELWD PH1であり、f=50mm、NA=0.3である。
培養容器60は、培養容器60内の培養液Cの液面Csの曲率半径Rは5mmである。なお、培養液Cの液面Csの曲率半径Rは5mmに限られるものではなく、4mm〜7mmであることが好ましい。培養容器60としては、例えばCorning International,Inc.製の96ウェルマルチプルウェルプレート平底フタ付き(型番:3598)を用いることができる。
対物レンズ31は、Nikon社製、CFI Plan Flour DL 10倍であり、f=20mm、NA=0.3である。
位相リング32aの内径Pdiは4.11mmであり、外径Pdoは4.82mmであり、位相リング32aの幅Pwは0.71mmである。
結像レンズ33は、Nikon社製、MXA20696であり、f=200mmである。
そして、コンデンサレンズ13の観察対象側の先端から観察対象の設置面までの作動距離WD1は75mmであり、光路補正レンズ14の観察対象側の先端から培養容器60の上面までの作動距離WD2は11mm以上で、位相リング32aを通過する光が最も多くなるように調整した。また、培養容器60(ウェル)の深さWdpは10.67mmであり、培養容器60の底部の厚さWthは1.27mmであり、培養液Cの深さSdpは3mmであり、観察対象の設置面Pから対物レンズ31の観察対象側の先端までの距離WD3は15.2mmである。
図11は、図10に示す光路補正レンズ14の具体的な構成を示す図である。本実施例の光路補正レンズ14の材料はPMMA(Polymethyl methacrylate)であり、d線(波長587.6nm)に対する屈折率Ndは1.491756であり、d線(波長587.6nm)に対するアッベ数νdは57.44である。
また、凹面14bの直径Ld1は13mmであり、凸面14aの直径Ld2は17.4mmであり、厚さLtは15mmである。図11に示すAXは光軸であり、光軸AX上における凸面14aの曲率半径は14.9mmであり、凹面14bの曲率半径は12.8mmである。
また、下表1は、凹面14bと凸面14aの非球面係数に関するデータである。表1の非球面係数の数値の「E±n」(n:整数)は「×10±n」を意味する。非球面係数は、下記式で表される非球面式におけるASP2iの値である。


ただし、
ΔZ:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からの距離)
r:曲率半径
κ:円錐形数
ASP2i:2i次の非球面係数
図10に示す構成の位相差顕微鏡において、図11に示す光路補正レンズ14を用いてことによって、照明光の直接成分を、図7および図8に示すような分布とすることができた。
(実施例2)
実施例2の位相差顕微鏡は、スリット板12および光路補正レンズ14の構成が異なる以外は、実施例1の位相差顕微鏡と同様である。
実施例2のスリット板12のスリット幅Swは0.60mm、スリット外径Sdoは10.3mm、およびスリット内径Sdiは9.7mmである。
図12は、実施例2の光路補正レンズ14の具体的な構成を示す図である。実施例2の光路補正レンズ14の材料はPMMAであり、d線(波長587.6nm)に対する屈折率Ndは1.491756であり、d線(波長587.6nm)に対するアッベ数νdは57.44である。
また、凹面14bの直径Ld1は14mmであり、凸面14aの直径Ld2は16mmであり、厚さLtは10mmである。図12に示すAXは光軸であり、光軸AX上における凸面14aの曲率半径は18.6mmであり、凹面14bの曲率半径は12mmである。
また、下表2は、実施例2の光路補正レンズ14の凹面14bと凸面14aの非球面係数に関するデータである。なお、非球面式については、14次項がないこと以外は、実施例1と同様である。
図13は、実施例2の光路補正レンズ14を用いた場合において、観察対象の設置面Pの中心から0.2mm、0.4mm、0.6mm、および0.8mmの位置を通過した光の、位相板32の位置での分布を確認した結果である。図13に示すように、実施例2の場合、スリット板12のスリット幅Swを実施例1よりも狭くすることによって、位相板32の位置での照明光の分布を狭くすることができ、設置面Pの中心から0.8mmの範囲までの光束をほぼ位相リング32a内に収めることができた。これにより、視野中心から半径0.8mmの領域で、コントラストが良好な位相差観察が可能であった。
1 位相差顕微鏡
11 白色光源
12 スリット板
12a スリット
12b 遮光板
13 コンデンサレンズ
14 光路補正レンズ
14a 凸面
14b 凹面
30 結像光学系
31 対物レンズ
32 位相板
32a 位相リング
32b 透明板
33 結像レンズ
40 撮像部
60 培養容器
61 ステージ
C 培養液
Cs 液面
Ld1 凹面の直径
Ld2 凸面の直径
P 設置面
Pdi 位相リングの内径
Pdo 位相リングの外径
Pw 位相リングの幅
S 観察対象
Sdi スリット内径
Sdo スリット外径
Sw スリット幅
WD1 作動距離
WD2 作動距離
WD3 距離
θi 入射角
θo 出射角

Claims (4)

  1. 容器内に満たされた凹形状の液面を有する液体内の観察対象に対して、リング状の照明光を出射する照明光出射部と、
    前記照明光を前記観察対象に向かって収束させるコンデンサレンズと、
    前記液体の液面と前記コンデンサレンズとの間に配置された光路補正レンズと、
    前記観察対象に対向して設けられた対物レンズと、
    前記観察対象を通過した前記照明光の位相を変化させる位相リングが形成された位相板とを備え、
    前記光路補正レンズが、前記観察対象側に凸面を有し、光軸から離れるほど屈折力が増大するメニスカスレンズであって、かつ前記観察対象を通過した照明光の非点収差を発生させることによって、前記観察対象を通過した照明光の直接成分を、前記位相板の位置において前記位相リングの周方向に延びた分布とする位相差顕微鏡。
  2. 前記光路補正レンズの前記凸面が、非球面である請求項1記載の位相差顕微鏡。
  3. 前記光路補正レンズの前記凸面と前記照明光出射部側の面とが、非球面である請求項1または2記載の位相差顕微鏡。
  4. 前記照明光出射部が、前記リング状の照明光を形成するスリットを有し、
    前記光路補正レンズが、前記光路補正レンズへの光線の入射角θiと、前記光線の前記光路補正レンズからの出射角θoとが、下式を満たす光学特性を有する請求項1から3いずれか1項記載の位相差顕微鏡。
    1.03<θo/θi<1.25
    ただし、前記光線は、前記スリットの幅方向の中心位置から出射され、前記観察対象の設置面と前記光路補正レンズの光軸との交点位置に至る光線である
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