JP6770899B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Description
(i)正孔および電子が電極から注入される。
(ii)注入された正孔および電子が輸送される。
(iii)発光層内で正孔と電子が再結合する。
(iv)発光材料が電子的励起状態を形成する。
(v)発光材料が電子的励起状態から光を放射する。
発光材料として蛍光材料を用いた場合、S1からのエネルギーしか光に変換されない。これに対し、リン光材料を用いた場合、S1からのエネルギーだけでなく、T1からのエネルギーも光に変換される。このため、発光材料として、蛍光材料を用いた有機EL素子よりも、リン光材料を用いた有機EL素子の方が、高効率化が期待できる(例えば、非特許文献1および非特許文献2参照)。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、発光効率が高く、駆動電圧の低い有機EL素子を提供することを課題とする。
〔1〕2つの電極間に、発光層を含む積層構造が形成され、前記積層構造が、下記一般式(1)で示される化合物を含む層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明者は、上記課題を解決し、発光効率が高く、駆動電圧の低い有機EL素子を実現するために、発光層のホスト材料に着目し、鋭意検討を重ねた。
従来の有機EL素子においては、発光層のホスト材料として、カルバゾール系化合物である一般式(10)で示されるCBPが一般に用いられていた。CBPは、正孔輸送性のみを示し、S1(一重項励起状態)エネルギーとT1(三重項励起状態)エネルギーとの差が大きい材料であり、エネルギーギャップが大きい。このため、CBPを用いた発光層を有する有機EL素子では、電極から発光層への正孔および電子の移動におけるエネルギー障壁が大きく、駆動電圧が高かった。
図1は、本実施形態の有機EL素子の一例を説明するための断面模式図である。図1に示す本実施形態の有機EL素子1は、陽極9(電極)と陰極3(電極)との間に、発光層6を含む積層構造が形成されているものである。
本実施形態の有機EL素子1における積層構造は、正孔注入層8と、正孔輸送層7と、発光層6と、電子輸送層5と、電子注入層4とがこの順に形成されたものである。
基板2の材料としては、樹脂材料、ガラス材料等が挙げられる。基板2の材料は、1種のみを用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
基板2に用いられる樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等が挙げられる。基板2の材料として、樹脂材料を用いた場合、柔軟性に優れた有機EL素子1が得られるため好ましい。
基板2に用いられるガラス材料としては、石英ガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)等が挙げられる。
有機EL素子1がトップエミッション型のものである場合には、基板2の材料として、透明基板だけでなく、不透明基板を用いてもよい。不透明基板としては、例えば、アルミナのようなセラミックス材料からなる基板、ステンレス鋼のような金属板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成した基板、樹脂材料で構成された基板等が挙げられる。
陽極9は、正孔注入層8または正孔輸送層7に正孔を注入する。このため、陽極9の材料としては、仕事関数が比較的大きい各種金属材料や、各種合金等が用いられる。陽極9の材料としては、例えば、金、ヨウ化銅、酸化スズ、アルミニウムドープの酸化亜鉛(ZnO:Al)、インジウム酸化スズ(ITO)、インジウム酸化亜鉛(IZO)、フッ素酸化スズ(FTO)等が挙げられる。これらの中でも、透明性や仕事関数の観点から、陽極9の材料として、ITO、IZO、FTOが好ましい。
有機EL素子1がトップエミッション型のものである場合、陽極9の材料として、透明導電材料だけでなく、不透明材料を用いてもよく、反射性の材料を用いてもよい。
正孔注入層8に用いられる材料は、陽極の仕事関数と正孔輸送層7のイオン化ポテンシャル(IP)との関係、電荷輸送特性等の観点に応じて選ばれる。正孔注入層8の材料は、適切なIPと電荷輸送特性を有する化合物であればよく、低分子、高分子問わず、各種の有機化合物、無機化合物を選択して用いることができる。正孔注入層8の材料は、1種のみであってもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
正孔輸送層7に用いられる材料としては、例えば、下記一般式(7−1)〜(7−36)で示される化合物が挙げられる。一般式(7−1)〜(7−36)で示される化合物の中でも特に、一般式(7−1)で示されるα−NPDと、バンドギャップが大きく、電気的安定性・熱的安定性に優れる一般式(7−36)で示される化合物とを組み合わせて用いることが好ましい。
正孔輸送層7の材料は、1種のみであってもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、正孔輸送層7は、1層のみで形成されていてもよいし、2層以上積層して形成されたものであってもよい。例えば、正孔輸送層7は、発光層6側に配置した一般式(7−36)で示される化合物からなる層と、正孔注入層8側に配置した一般式(7−1)で示されるα−NPDからなる層とを積層したものとすることができる。
本実施形態の有機EL素子1に含まれる発光層6は、電荷輸送および電荷再結合を行うホスト材料と、発光材料であるゲスト材料とを含む。
「ホスト材料」
本実施形態では、ホスト材料として、一般式(1)で表わされる化合物を用いる。
具体的には、一般式(1)中の3つのR1のうち、2つがシアノ基であることが好ましい。この場合、3つのR1のうちシアノ基でないR1は、水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキルアミノ基からなる群から選択される置換基であることが好ましく、水素であることが最も好ましい。
一般式(1)で表わされる化合物は、核磁気共鳴(NMR)測定の結果を用いて同定できる。NMR測定を行うと、化合物固有のスペクトルが得られる。このスペクトルから、化合物中の原子の結合状態、化学シフト、カップリングの情報を知ることにより、化合物を同定できる。NMR測定は、少量の試料を各種重溶媒に溶かして行う。
化合物の蛍光スペクトルを測定することで、化合物のS1(一重項励起状態)エネルギーを求めることができる。また、化合物のリン光スペクトルを測定することで、化合物のT1(三重項励起状態)エネルギーを求めることができる。
ゲスト材料としては、蛍光材料および/またはリン光材料を用いる。ゲスト材料は、ホスト材料からのエネルギー移動を有効に行うために、ホスト材料の発光波長と重なる吸収波長を有することが好ましい。
ゲスト材料がリン光材料である場合、ゲスト材料のT1エネルギーは、ホスト材料のT1エネルギーよりも小さいことが好ましい。
ゲスト材料として用いられるリン光材料としては、例えば、下記一般式(6−1)〜(6−29)で示される化合物が挙げられる。本実施形態では、ホスト材料として、一般式(1)で表わされる化合物を用いるため、一般式(6−1)〜(6−29)で示されるリン光材料の中でも特に、一般式(6−2)で示されるIr(mppy)3などの緑色発光が好ましい。
ゲスト材料として用いられる蛍光材料としては、例えば、下記一般式(6−30)〜(6−51)で示される化合物が挙げられる。
適切な最低未占有分子軌道(LUMO)レベルを有する電子輸送層5を、陰極3または電子注入層4と発光層6との間に設けると、陰極3または電子注入層4から電子輸送層5への電子注入障壁が緩和され、電子輸送層5から発光層6への電子注入障壁が緩和される。また、電子輸送層5に用いられる材料が適切な最高被占有分子軌道(HOMO)レベルを有する場合、発光層6で再結合せずに対極へ流出する正孔が阻止される。その結果、発光層6内に正孔が閉じ込められて、発光層6内での再結合効率が高められる。
電子輸送層5は、電子注入障壁が問題とならず、発光層6の電子輸送能が十分に高い場合には、省略される場合がある。
電子注入層4に用いられる材料は、陰極3の仕事関数と電子輸送層5のLUMOレベル等の観点から選ばれる。電子注入層4に用いられる材料は、電子輸送層5を設けない場合には、発光層6のゲスト材料およびホスト材料のLUMOレベルを考慮して選ばれる。
電子注入層4に用いられる材料は、有機化合物でもよいし、無機化合物でもよい。電子注入層4が、無機化合物からなるものである場合には、例えば、アルカリ金属や、アルカリ土類金属の他、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸セシウム等を用いることができ、フッ化リチウムを用いることが好ましい。
陰極3は、電子注入層4または電子輸送層5に電子を注入する。このため、陰極3の材料としては、仕事関数の比較的小さな各種金属材料、各種合金等が用いられる。陰極3の材料としては、例えば、アルミニウム、銀、マグネシウム、カルシウム、金、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、マグネシウムインジウム合金(MgIn)、銀合金等が挙げられる。
有機EL素子1がトップエミッション型のものである場合、陰極3の材料として、透明導電材料が用いられる。なお、陰極3の材料としてITOを用いた場合、ITOの仕事関数が大きいため、電子注入が困難となる。また、ITO膜は、スパッタ法やイオンビーム蒸着法を用いて成膜するため、成膜時に電子注入層4等にダメージが与えられる可能性がある。このため、陰極3の材料としてITOを用いる場合には、電子注入層4とITOとの間に、マグネシウム層や銅フタロシアニン層を設けることが好ましい。
また、電子注入層4、電子輸送層5、発光層6、正孔輸送層7、正孔注入層8の各層を形成する方法として、各層となる有機化合物を含む有機化合物溶液を塗布する塗布法、真空蒸着法、ESDUS(Evaporative Spray Deposition from Ultra−dilute Solution)法などが挙げられる。これらの形成方法の中でも特に、塗布法を用いることが好ましい。
本発明の有機EL素子は、上述した実施形態において説明した有機EL素子に限定されるものではない。
具体的には、上述した実施形態においては、一般式(1)で示される化合物を含む層が発光層6である場合を例に挙げて説明したが、一般式(1)で示される化合物を含む層は、2つの電極間に形成された積層構造に含まれていればよく、発光層6に限定されない。
例えば、一般式(1)で示される化合物を含む層は、正孔輸送層7または電子輸送層5であってもよい。
また、陰極3、電子注入層4、電子輸送層5、発光層6、正孔輸送層7、正孔注入層8、陽極9の各層は、1層で形成されているものであってもよいし、2層以上からなるものであってもよい。
「実験1」
ガラス材料からなる基板上に、真空蒸着法により、以下に示す化合物からなる厚み50nmの薄膜を形成した。
図2は、実験1で形成した薄膜に使用した化合物の1H−NMR測定の結果(スペクトル)を示すグラフである。NMR測定は、実験1で形成した薄膜に使用した化合物を、重溶媒である重クロロホルム(CDCl3)に溶解して行った。図2に示す結果から、実験1で形成した薄膜に使用した化合物を同定した。
その結果、一般式(1)で示される化合物であり、一般式(1)中の3つのR1のうち2つがシアノ基で1つが水素であり、一方のシアノ基が結合している炭素と他方のシアノ基が結合している炭素とが隣接しておらず、R2が水素である(下記一般式(11)で示される化合物)ことが確認できた。
ガラス材料からなる基板上に、真空蒸着法により、一般式(10)で示されるCBPからなる厚み50nmの薄膜を形成した。
「実験3」
ガラス材料からなる基板上に、真空蒸着法により、一般式(6−2)で示されるIr(mppy)3からなる厚み50nmの薄膜を形成した。
このようにして求めた実験3で形成した薄膜(Ir(mppy)3)の三重項励起状態(T1)のエネルギーを表1に示す。
したがって、一般式(1)で示される化合物は、発光層のホスト材料に適している。
以下に示す材料を用いて、以下に示す方法により、実施例の有機EL素子を作製した。
基板の陽極上に、真空蒸着法により、正孔注入層と、第2正孔輸送層と、第1正孔輸送層と、発光層と、電子輸送層と、電子注入層と、陰極とを、この順に形成し、実施例の有機EL素子を作製した。
(正孔注入層)PEDOT(Clevios HIL1.5)(厚み30nm)
(正孔輸送層)「第1正孔輸送層」一般式(7−36)で示される化合物(厚み10nm)「第2正孔輸送層」α−NPD(厚み20nm)
(電子輸送層)TPBi(厚み35nm)
(電子注入層)LiF膜(厚み0.8nm)
(陰極)Al膜(厚み100nm)
発光層のホスト材料に使用した化合物を、一般式(10)で示されるCBPとしたこと以外は、実施例と同様にして、比較例の有機EL素子を作製した。
表2に示すように、実施例の有機EL素子の外部量子効率は、比較例の有機EL素子の外部量子効率と同程度であった。
Claims (3)
- 前記化合物を含む層が、正孔輸送層、発光層、電子輸送層から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
Priority Applications (1)
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| JP2017003353A JP6770899B2 (ja) | 2017-01-12 | 2017-01-12 | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
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| JP2017003353A JP6770899B2 (ja) | 2017-01-12 | 2017-01-12 | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
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