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JP6786320B2 - 薬剤揮散具 - Google Patents
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本発明は、芳香剤や消臭剤などの薬剤を揮散させるための薬剤揮散具に関する。
従来、例えば自動車用芳香剤として、車体に対して揺動可能に取り付けた容器内に芳香剤の粒体を収容したものが知られている。この種の芳香剤は、自動車の揺れを利用して芳香剤の粒体を容器内で撹拌し、芳香剤の粒体を空気と接触させて芳香成分を揮散させる。
実開昭61−36638号公報 実開平6−447号公報
上述した従来の芳香剤によると、自動車の移動中に芳香成分が比較的多く揮散されるが、自動車が停止した後も芳香成分が揮散され続ける。このため、駐車場に停めている間など、自動車を使用していないときでも芳香成分が消費され、その分、芳香剤の使用寿命が短くなる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、薬剤を効果的に揮散させることができ使用寿命を延長できる薬剤揮散具を提供することを目的とする。
本発明の薬剤揮散具の一態様は、揮発性を有する薬剤を封入したマイクロカプセルを含む被接触層を内面に有するとともに揮散孔を有し、内部に接触体を移動可能に収容配置した第1の容器と、揮発性を有する薬剤を封入したマイクロカプセルを含む被接触層を内面に有するとともに揮散孔を有し、内部に接触体を移動可能に収容配置した第2の容器と、第1及び第2の容器をつないだ紐状部材と、を有し、紐状部材を振動源に結び付けて使用する。
本発明の一態様によれば、薬剤を効果的に揮散させることができ使用寿命を延長できる薬剤揮散具を提供することができる。
図1は、実施形態に係る薬剤揮散具を示す斜視図である。 図2は、図1の薬剤揮散具の要部の構造を示す概略図である。 図3は、図1の薬剤揮散具の使用例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、実施形態に係る薬剤揮散具10は、内部が空洞の略球形の2つの容器2、4を環状のゴム紐6(紐状部材)でつないだ構造を有する。ゴム紐6は、必ずしも環状である必要はなく1本の紐状部材であってもよく、必ずしも伸縮可能な材料により形成しなくてもよい。
図2に示すように、一方の容器2の中には、少なくとも1個の接触体1が収容配置されている。接触体1の個数は任意に設定可能であり、形状や大きさも任意に設定可能であり、材質や種類なども任意に設定可能である。いずれにしても、容器2に振動を与えたときに容器2内で接触体1が移動して容器2の内面に衝突可能であればよい。本実施形態では、比較的凸凹の多い星型の樹脂製の複数個の接触体1を1種類だけ容器2内に収容配置した。
一方、容器2の内面には、揮発性を有する薬剤を封入したマイクロカプセル(図示せず)を含むスラリーを塗布して形成した被接触層3が設けられている。被接触層3は、接触体1の衝突によって接触される層であり、この接触によってマイクロカプセルが破袋して薬剤が放出するようになっている。被接触層3は、容器2の内面全体に設けてもよく、容器2の内面の一部に設けてもよく、被接触層3を設ける位置も任意に設定可能である。また、被接触層3の厚みは、均一であってもよく、不均一であってもよい。本実施形態では、被接触層3を容器2の内面全体に均一な層厚で設けた。
また、容器2の内面には、その表面積を大きくするため、凸凹を設けてもよい。この場合、凸凹の形状、高さ、凸凹を設ける領域などは任意に設定可能である。容器2の内面の表面積を大きくすることで、被接触層3のスラリーの塗布量を多くすることができ、より多くのマイクロカプセルを容器2の内面に保持せしめることができる。また、容器2の内面から内側に突出する突起や壁などを設けて、その表面に被接触層3を設けてもよい。
もう一方の容器4(別の容器)は、容器2と同じように接触体1を収容してもよく、接触体1を収容しなくてもよい。また、容器4の内面には、容器2と同じように被接触層3を設けてもよく、被接触層3を設けなくてもよい。2つの容器2、4の大きさや形状も同じである必要はない。容器4は、内部を空洞にする必要もない。しかし、本実施形態では、容器4を容器2と同じ構造に形成した。
つまり、2つの容器2、4を同じ形状にし、揮発性を有する薬剤を封入したマイクロカプセル(図示せず)を含むスラリーを塗布して形成した被接触層3を容器4の内面にも設け、容器4の中にも接触体1を収容配置した。よって、以下の説明では、一方の容器2の構造について詳細に説明し、他方の容器4の構造については、容器2と同様に機能する構成要素に同一符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、容器4は、接触体1を収容してもしなくても、容器2に衝突することで容器2に外部から振動を与える衝突部材(振動付与手段)として機能する。
上記の構造を有する薬剤揮散具10は、例えば、図3に示すように、車のヘッドレスト12に結び付けたり、バックミラーに括り付けたり、エアコンの吹き出し口にあるルーバーに引っ掛けて取り付けたり、後部座席の上方にあるアシストグリップに結び付けたりして使用することができる。薬剤揮散具10を例えばヘッドレスト12に結び付ける場合、ゴム紐6をヘッドレスト12の一方の支柱12aに結び付ける。本実施形態の薬剤揮散具10は、容器2に振動を与えることで、被接触層3に含まれるマイクロカプセルが破袋して薬剤が揮散するものであるため、車などの移動体に取り付けて使用するのに適している。
以下、薬剤揮散具10の構造についてより詳細に説明する。
図2に示すように、容器2は、略半球状の2つの透明な樹脂ケース2a、2bの開口部を互いに嵌め合わせた構造を有する。一方の樹脂ケース2aには、複数個の円形の揮散孔2cが樹脂ケース2a(および被接触層3)を貫通して設けられている。これに対し、他方の樹脂ケース2bには、揮散孔2cが設けられていない。揮散孔2cの大きさは、接触体1が通過できない大きさに設計されている。揮散孔2cの個数や形状は任意に設定可能である。樹脂ケース2a、2bは、透明である必要はなく例えば樹脂ケース2a、2bの表面に絵柄を描いてもよい。
容器2内に接触体1を収容する場合、まず、揮散孔2cの無い樹脂ケース2b内に接触体1を収容し、樹脂ケース2bの開口部にシール部材(図示せず)を貼り付けて密閉する。樹脂ケース2bの開口部には、もう一方の樹脂ケース2aを嵌合する段部が設けられており、開口部の縁にシール部材が貼り付けられる。この状態で、樹脂ケース2bに振動が与えられて接触体1が被接触層3に衝突してマイクロカプセルが破袋しても、薬剤が外部に揮散することを防止できる。
そして、この後、開口部を密閉したシール部材を覆うようにもう一方の樹脂ケース2aを樹脂ケース2bと嵌合する。このとき、樹脂ケース2a内には接触体1を収容しない。2つの樹脂ケース2a、2bを嵌合させる際には、一方の樹脂ケース2aの開口部の縁を他方の樹脂ケース2bの開口部の縁にある段部に重ねて圧入させてもよく、或いは段部にネジを設けて両者を螺合してもよい。
この状態で、揮散孔2cを有していない樹脂ケース2bとシール部材との間の密閉空間内に全ての接触体1が収容配置されているため、シール部材を取り除かない限り、もう一方の樹脂ケース2aの内面に接触体1が衝突する心配が無い。このため、樹脂ケース2aが揮散孔2cを有しているにもかかわらず、シール部材を取り除く前の状態では、樹脂ケース2aの内面にある被接触層3のマイクロカプセルが破袋して薬剤が揮散する心配はない。
シール部材は、薬剤揮散具10の使用時に取り除かれる。この場合、例えば、一方の樹脂ケース2a(2b)の開口部近くにシール部材を取り除くためのスリット(図示せず)を設けておき、このスリットを介してシール部材を引き抜くようにしてもよい。或いは、一旦、2つの樹脂ケース2a、2bを分離してシール部材を剥がしてから2つの樹脂ケース2a、2bを再び嵌合させるようにしてもよい。いずれにしても、シール部材を容器2から取り除くと、容器2内で接触体1が移動自在となり、複数の揮散孔2cを介して薬剤の揮散が可能となる。
或いは、2つの樹脂ケース2a、2bの間にシール部材を設ける代わりに、揮散孔2cを有する樹脂ケース2aの外表面を覆うシール部材(図示せず)を貼り付けてもよい。この場合、もう一方の樹脂ケース2bにも揮散孔2cを設けて容器2の外表面全体をシール部材で覆うようにしてもよい。いずれにしても、シール部材は、容器2の外表面から剥離可能であり、使用時に容器2から取り除かれる。また、或いは、シール部材を容器2の表面に貼り付けるのではなく、容器2全体を覆う外側ケース(図示せず)をさらに設けて容器2全体を密閉するようにしてもよい。
または、上述したシール部材や外側ケースを使用せずに、より確実に薬剤の不所望な揮散を防止することもできる。つまり、容器2内に初めから接触体1を収容するのではなく、薬剤揮散具10の使用を開始する時点で樹脂ケース2a、2bを分離して容器2内に接触体1を収容するようにしてもよい。接触体1を容器2内に収容配置しない状態では、容器2に外部から振動が加えられても、容器2の内面に設けた被接触層3に衝突する部材がないため、被接触層3に含まれるマイクロカプセルが破袋することがなく、薬剤の揮散が開始されることはない。これに対し、容器2内に接触体1を収容配置した状態で外部から振動が加えられると、接触体1が容器2の内面にある被接触層3に衝突し、マイクロカプセルが破袋して薬剤の揮散が開始される。
図2に示すように、一方の樹脂ケース2aの開口部の縁には、ゴム紐6をつなげるための取付孔7aを有する突起7が設けられている。突起7は、容器2の外表面の任意の位置から突設すればよい。或いは、複数個の揮散孔2cを有する一方の樹脂ケース2aに孔を開けてゴム紐6を挿通してつなぐようにしてもよい。この場合、ゴム紐6を通す孔が揮散孔としても機能する。容器2の樹脂ケース2aに孔を開けてゴム紐6をつなげた一例を図1に示す。
以下、上述した構造の薬剤揮散具10の作用について説明する。
薬剤揮散具10は、ゴム紐6を取付対象物に結び付けることで取り付けが可能であるため、設置場所の選択の自由度が高い。例えば、車のヘッドレスト12やバックミラーなど、車内の比較的高い位置に取り付けることもできる。薬剤揮散具10は、車などの移動体に取り付けるのに適しているが、取り付け場所は車などの移動体に限らず、人間や動物の身体に身に着けたり、マッサージチェアや掃除機など振動を発生する振動源に直接取り付けることも有効である。この場合、取付対象物である振動源に結び付けるゴム紐6は容器2(容器4)に振動を与える振動付与手段として機能する。なお、この場合、2つの容器2、4が互いに衝突する場合も考えられることから、容器2に対して容器4も振動付与手段として機能し、容器4に対して容器2も振動付与手段として機能する。
薬剤揮散具10を車などの移動体に取り付けた場合、車の走行時に車体に発生する振動が薬剤揮散具10に伝えられ、容器2(容器4)内に収容した接触体1が容器2(容器4)の内面に設けた被接触層3に衝突して接触する。これにより、被接触層3に含まれるマイクロカプセルが破袋し、中の薬剤が放出されて空気中に揮散する。つまり、本実施形態の薬剤揮散具10は、外部から振動が与えられて接触体1が被接触層3に接触することで薬剤の揮散を開始するものであり、言い換えると外部からの振動が与えられない静止した状態では薬剤を揮散しない。このため、例えば薬剤揮散具10を車に取り付けた場合、走行時には薬剤を積極的に揮散する一方、駐車場に停めた後はしばらくして薬剤の揮散をしなくなる。
以上のように、本実施形態によると、薬剤の揮散が必要なときに効果的に薬剤を揮散させることができ、薬剤の揮散が不要なときには自然に揮散が止まる薬剤揮散具10を提供することができ、薬剤の不所望な揮散を抑制でき、薬剤揮散具10の使用寿命を延長することができる。例えば、薬剤揮散具10を車に取り付けた場合、車の走行時に限らず、ドアを開け閉めする際の振動や窓から入る風によっても薬剤揮散具10が動いて薬剤の揮散が始まる。一方、薬剤揮散具10を未使用の状態で保管して例えば数か月後に使用を開始した場合、保管時に薬剤が揮散することがないため、シール部材を剥がす前の保管期間が長くても、通常通りの使用寿命で使用できる。
また、本実施形態の薬剤揮散具10は、薬剤を封入したマイクロカプセルを担持した被接触層3を内面に有する容器2(容器4)をゴム紐6でつないだ構造を有するため、ヘッドレストやバックミラーなど車内のあらゆる場所に取り付けることができ、設置場所を自由に選ぶことができ、利便性を向上させることができる。また、容器2、4の形状や大きさを自由に設計できるため、デザイン性を向上させることができる。
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
例えば、上述した実施形態では、振動付与手段が容器2につなぐゴム紐6である場合について説明したが、これに限らず、振動付与手段として容器にスプリングを接続したり、容器を揺動可能な保持具に取り付けてもよい。
また例えば、上述した実施形態では、容器2の内面にマイクロカプセルを含むスラリーを塗布することにより被接触層3を形成した場合について説明したが、これに限らず、揮発性を有する薬剤を封入したマイクロカプセルを含むインキ化したものをシールに印刷し、このシールを容器2の内面に貼り付けることにより被接触層3を形成してもよい。
また例えば、接触体1の少なくとも一部に、薬剤を封入したマイクロカプセルを含むスラリーを香料含浸体に含浸させたものを用いてもよい。この場合、接触体1は例えば、多孔性セルロース粒子であるビスコパール(商品名)、紙、多孔性ケイ酸カルシウム粒子であるフローライト、EVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)ビーズなどが用いることができる。この接触体1が容器2(容器4)の内面に設けた被接触層3に衝突して接触すると、被接触層3に加え接触体1に含まれるマイクロカプセルについても破袋し、中の薬剤が放出されて空気中に揮散させることができる。
例えば、接触体1や被接触層3に対し、経時的に色が変わる性質を付与して、薬剤揮散具10の使用寿命を外部から視認可能としてもよい。この場合、接触体1とは別に、経時的に色の変わる部材を容器2(または容器4)内に収容してもよい。或いは、接触体1の表面に色を付けて、摩擦による色落ちに基づいて使用寿命を判断するようにしてもよい。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
揮発性を有する薬剤を封入したマイクロカプセルを含む被接触層を内面に有するとともに揮散孔を有する容器と、
前記容器内に移動可能に収容配置した接触体と、
を有することを特徴とする薬剤揮散具。
[2]
振動源の振動を前記容器に与える振動付与手段をさらに有することを特徴とする[1]に記載の薬剤揮散具。
[3]
前記振動付与手段は、前記振動源と前記容器をつないだ紐状部材を含むことを特徴とする[2]に記載の薬剤揮散具。
[4]
前記紐状部材は、伸縮可能な材料により形成されていることを特徴とする[3]に記載の薬剤揮散具。
[5]
前記振動付与手段は、前記容器の外側に設けた衝突部材と、この衝突部材と前記容器をつないだ紐状部材と、を有し、前記紐状部材を前記振動源に結び付けて使用することを特徴とする[2]に記載の薬剤揮散具。
[6]
前記衝突部材は、揮発性を有する薬剤を封入したマイクロカプセルを含む被接触層を内面に有するとともに揮散孔を有する別の容器であり、この別の容器内に接触体を移動可能に収容配置したことを特徴とする[5]に記載の薬剤揮散具。
[7]
前記容器の内面に凸凹を有することを特徴とする[1]に記載の薬剤揮散具。
1…接触体、 2、4…容器、2a、2b…樹脂ケース、 2c…揮散孔、 3…被接触層、 6…ゴム紐、 10…薬剤揮散具。

Claims (3)

  1. 揮発性を有する薬剤を封入したマイクロカプセルを含む被接触層を内面に有するとともに揮散孔を有し、内部に接触体を移動可能に収容配置した第1の容器と、
    揮発性を有する薬剤を封入したマイクロカプセルを含む被接触層を内面に有するとともに揮散孔を有し、内部に接触体を移動可能に収容配置した第2の容器と、
    前記第1及び第2の容器をつないだ紐状部材と、を有し、
    前記紐状部材を振動源に結び付けて使用することを特徴とする薬剤揮散具。
  2. 前記紐状部材は、伸縮可能な材料により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の薬剤揮散具。
  3. 前記第1及び第2の容器の内面に凸凹を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薬剤揮散具。
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