従来の光プリンタヘッドの1例を図5(a),(b)に示す。図5(a)は光プリンタヘッドの全体の平面図、図5(b)は(a)のA部及びIC,LSI等から成る駆動素子34を拡大して示す回路図である。この光プリンタヘッドは、有機LEDプリンタヘッド(OLEDPH)と呼ばれるものであり、ガラス基板等から成る長板状の基板31の一面に、複数の発光素子33の発光(点灯)をそれぞれ駆動する複数の駆動回路ブロック32と、基板31の長手方向に沿って2列(2行または2段)に並べられて配置された複数の発光素子33と、駆動回路ブロック32を構成する配線及び駆動回路ブロック32と発光素子33を接続する配線とが、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等の薄膜形成法によって形成されている。複数の駆動回路ブロック32は、複数の発光素子33の列に沿って列状に並べられており、例えば1つの駆動回路ブロック32が400個の発光素子33を駆動するものであり、その駆動回路ブロック32が20個並べられている。従って、発光素子33は合計で8000個ある。また、基板31の一面の一端部には駆動回路ブロック32及び発光素子33を駆動し発光素子33の発光を制御する駆動素子34が、チップオングラス(Chip On Glass:COG)方式等の実装方法によって、設置されている。また、基板31の一面における駆動素子34設置部の近傍の縁部に、フレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit:FPC)35が設置されている。このFPC35は、駆動素子34との間で駆動信号、制御信号等を入出力する。なお、図5において、符号37で示す部位は、駆動素子34と駆動回路ブロック32を接続するデータ配線等の配線である。
図5(b)に示すように、2列を成す2個の発光素子33a,33bに対して1組の駆動回路が形成されており、1組の駆動回路は、シフトレジスタ40、論理和否定(NOR)回路41、インバータ42、CMOSトランスファゲート素子43a,43b、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)44a,44bを有している。TFT44a,44bの各ドレイン電極部に有機LED素子等から成る発光素子33a,33bがそれぞれ接続されている。
1組の駆動回路は、以下のように順次動作する。シフトレジスタ40は、クロック端子(CLK)にハイ(「1」)のクロック信号(CLK)が入力されるとともに入力端子(in)にハイの同期信号(Vsync)が入力されたときに、出力端子(Q)からハイの信号が出力されるとともに反転出力端子(XQ)からロー(「0」)の信号が出力される。次に、NOR回路41は、反転出力端子(XQ)からローの信号が入力されるとともに反転イネーブル信号(XENB)であるローの信号が入力されて、ハイの信号を出力する。次に、インバータ42はローの信号を出力する。次に、CMOSトランスファゲート素子43aは、n型MOSトランジスタのゲート電極部にNOR回路41からのハイの信号が入力されるとともにp型MOSトランジスタのゲート電極部にインバータ42からローの信号が入力されてオン状態となり、データ信号(DATA11)を出力する。次に、データ信号(DATA11)がTFT44aのゲート電極部に入力されてTFT44aがオン状態となり、データ信号(DATA11)に応じた電源電圧(VDD)による電源電流が発光素子33aに供給される。同時に、CMOSトランスファゲート素子43bは、n型MOSトランジスタのゲート電極部にNOR回路41からのハイの信号が入力されるとともにp型MOSトランジスタのゲート電極部にインバータ42からローの信号が入力されてオン状態となり、データ信号(DATA12)を出力する。次に、データ信号(DATA12)がTFT44bのゲート電極部に入力されてTFT44bがオン状態となり、データ信号(DATA12)に応じた電源電圧(VDD)による電源電流が発光素子33bに供給される。以上の一連の動作が、次段の駆動回路によって順次実行されていき、すべての発光素子33が順次発光していく。
また図5は、他の従来例を示す図であり、基板31の長手方向に沿って4列(4行または4段)に並べられて配置された複数の発光素子33を有する構成を示す。この場合、上側2列の発光素子33群に電源電流を供給する上側の駆動回路ブロック32群と、下側2列の発光素子33群に電源電流を供給する下側の駆動回路ブロック32群と、を有している。
また、図5、図6に示すように、基板31の発光素子搭載面の周縁部と、封止基板36の基板31に対向する面の周縁部とが、シール部材38によって接着され封止されている。
図7(a)は、図6のB部を拡大して示す部分拡大平面図、図7(b)は、(a)のC1−C2線における断面図である。これらの図に示すように、光プリンタヘッドは、ガラス基板等の透光性を有する基板51上に形成されたTFT62と、TFT62上にアクリル樹脂、窒化シリコン(SiNx)等から成る絶縁層57を挟んで積層された有機発光体部71、及び有機発光体部71とTFT62のドレイン電極56bとを導電接続するコンタクトホール72を有している。有機発光体部71は、TFT62の側からコンタクトホール72に電気的に接続された第1の電極層58、有機発光層60、第2の電極層61が積層されており、絶縁層57及び第1の電極層58上に有機発光層60を囲むようにアクリル樹脂等から成る他の絶縁層59が形成されている。
また、図7(b)において、符号70で示す部位は第1の電極層58及び第2の電極層61によって有機発光層60に直接的に電界が印加されて発光する発光部である。発光素子33は、平面視で、発光部70、その周囲の第1の電極層58及び有機発光層60を含む部位である。また、第1の電極層58が陽極であってインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide :ITO)等の透明電極から成り、第2の電極層61が陰極であってAl,Al−Li合金,Mg−Ag合金(Agを5〜10重量%程度含む),Mg−Cu合金(Cuを5〜10重量%程度含む)等の仕事関数が約4.0V以下と低く遮光性、光反射性を有する金属、合金から成る場合、有機発光層60で発光した光は基板51側から出射される。即ち、発光方向(図7(b)の白抜き矢印で示す方向)が下方(底部方向)であるボトムエミッション型の光プリンタヘッドとなる。一方、第1の電極層58が陰極であって上記の遮光性、光反射性を有する金属またはそれらの合金から成り、第2の電極層61が陽極であって透明電極から成る場合、発光方向が上方(頂部方向)であるトップエミッション型の光プリンタヘッドとなる。
TFT62は、基板51側から、ゲート電極52、ゲート絶縁膜53、チャネル部としてのポリシリコン膜54及びポリシリコンに不純物をチャネル部よりも高濃度に含有させた高濃度不純物領域54aから成る半導体膜、窒化シリコン(SiNx),酸化シリコン(SiO2)等から成る絶縁膜55、ソース電極56a及びドレイン電極56bが、順次積層された構成を有している。なお、図7(b)において、符号54acで示す部位はソース電極56a側の半導体膜54aとソース電極56aとを接続するコンタクトホール、符号54bcで示す部位はドレイン電極56b側の半導体膜54aとドレイン電極56aとを接続するコンタクトホールである。図7(a)において、符号56aLで示す部位はソース電極56aにソース信号(電源電流あるいは駆動電流ともいう)を伝送するソース信号線(電源電流伝送線あるいは駆動電流伝送線ともいう)、符号52Lで示す部位はゲート電極52にゲート信号を伝達するゲート信号線である。各ゲート信号線52Lに入力するゲート信号の電圧を制御することにより、各有機発光層60の発光強度を制御することができる。すなわち、ソース信号線56aLは電源電流伝送あるいは駆動電流伝送線として機能する。
しかしながら、図5〜図7に示す上記従来の光プリンタヘッドにおいては、以下の問題点があった。すなわち、有機LED素子等の経時的に輝度が低下する傾向のある発光素子33を有しているために、長期間使用すると発光素子33の輝度が低下するという問題点があった。この問題点を解消するために、発光素子33の発光特性の劣化を検出するための劣化検出用発光素子と、その発光量を検出する劣化検出用受光素子と、を備えた劣化検出回路が設けられた表示装置であって、劣化検出用受光素子は劣化検出用発光素子以外の光源から光学的に遮蔽されているものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、特許文献1に開示されている劣化検出用発光素子および劣化検出用受光素子はチップ状のものであり、それらの厚みが厚いために、このような構成のものを光プリンタヘッドに適用すると光プリンタヘッドの大型化を招くという問題点があった。
そこで、劣化検出用発光素子および劣化検出用受光素子を薄膜で構成しようとすると、劣化検出用発光素子の駆動電流を制御するための駆動用TFTを劣化検出用発光素子の近傍に配置することが多く、その場合劣化検出用発光素子から放射された光が駆動用TFTのチャネル部に入り込みリーク電流を生じさせるので、劣化検出用発光素子の輝度、発光特性を正確に検出することがむつかしくなるという問題点があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、モニター用発光部の輝度、発光特性を正確に検出することができる薄型の光プリンタヘッドとすることである。
本発明の光プリンタヘッドは、基板と、前記基板上に配置された、外周形状が円形状の有機発光層を有する発光部の複数を含む発光領域と、前記基板上の前記発光領域以外の領域に配置された、有機発光層を有するモニター用発光部と、前記モニター用発光部と平面視で離れた前記基板上の部位に配置されるとともに、前記モニター用発光部の前記有機発光層に駆動電流を供給する駆動用薄膜トランジスタと、前記モニター用発光部の近傍に配置された受光用薄膜トランジスタと、を有する光プリンタヘッドであって、前記モニター用発光部および前記受光用薄膜トランジスタを囲む遮光壁が前記基板上に配置されており、前記駆動用薄膜トランジスタは前記遮光壁の外側にあり、前記受光用薄膜トランジスタは、前記モニター用発光部に平面視で重なる位置に配置されている構成である。
本発明の光プリンタヘッドは、好ましくは、前記受光用薄膜トランジスタは、チャネル部が前記モニター用発光部の前記有機発光層の中心に平面視で重なる位置に配置されている。
また本発明の光プリンタヘッドは、好ましくは、前記遮光壁は、その平面視形状が前記モニター用発光部の前記有機発光層の外周形状と相似形状とされている。
また本発明の光プリンタヘッドは、好ましくは、前記遮光壁は、金属遮光壁である。
また本発明の光プリンタヘッドは、好ましくは、前記複数の発光部は、それらが並列接続される駆動電流伝送線に平行な方向に並んで配置されており、前記モニター用発光部と前記受光用薄膜トランジスタと前記遮光壁と前記駆動用薄膜トランジスタから構成される組が、前記平行な方向における前記発光領域の両側に、それぞれ配置されている。
また本発明の光プリンタヘッドは、好ましくは、前記受光用薄膜トランジスタは、前記駆動用薄膜トランジスタのソース電極に接続される第1駆動電流伝送線と異なる第2駆動電流伝送線から分岐した分岐線をソース信号線とし、前記第2駆動電流伝送線から分岐したもう一つの分岐線をゲート信号線としている。
本発明の光プリンタヘッドは、基板と、基板上に配置された、外周形状が円形状の有機発光層を有する発光部の複数を含む発光領域と、基板上の発光領域以外の領域に配置された、有機発光層を有するモニター用発光部と、モニター用発光部と平面視で離れた基板上の部位に配置されるとともに、モニター用発光部の有機発光層に駆動電流を供給する駆動用薄膜トランジスタと、モニター用発光部の近傍に配置された受光用薄膜トランジスタと、を有する光プリンタヘッドであって、モニター用発光部および受光用薄膜トランジスタ
を囲む遮光壁が基板上に配置されており、駆動用薄膜トランジスタは遮光壁の外側にあり、受光用薄膜トランジスタは、モニター用発光部に平面視で重なる位置に配置されている構成であることから以下の効果を奏する。すなわち、モニター用発光部から放射された光は駆動用薄膜トランジスタのチャネル部に入り込むことが効果的に抑えられるので、駆動用薄膜トランジスタにおいてモニター用発光部の光に基づくリーク電流が発生することが抑えられる。その結果、モニター用発光部の輝度(光量)、発光特性を正確に検出することができる。また、モニター用発光部、駆動用薄膜トランジスタおよび受光用薄膜トランジスタは、薄膜で構成されるので、薄型の光プリンタヘッドとすることができる。
本発明の光プリンタヘッドは、受光用薄膜トランジスタは、チャネル部がモニター用発光部の有機発光層の中心に平面視で重なる位置に配置されている場合、受光用薄膜トランジスタは、モニター用発光部から放射された光をより効率的に受光することができる。
また本発明の光プリンタヘッドは、遮光壁は、その平面視形状がモニター用発光部の有機発光層の外周形状と相似形状とされている場合、モニター用発光部の有機発光層から放射された光を受光用薄膜トランジスタにあらゆる方向から均一に入射させることができる。その結果、モニター用発光部の輝度、発光特性をより正確に検出することができる。
また本発明の光プリンタヘッドは、遮光壁は、金属遮光壁である場合、遮光性に優れているので、モニター用発光部から放射される光が駆動用薄膜トランジスタのチャネル部に入り込むことをさらに効果的に抑えることができる。また、金属遮光壁は、その表面が光反射性を有するものである場合、モニター用発光部の有機発光層から放射された光を受光用薄膜トランジスタに効率的に入射させることができる。その結果、モニター用発光部の輝度、発光特性をより正確に検出することができる。また、金属遮光壁は、非透湿性に優れているので、モニター用発光部の有機発光層の水分による経時劣化を抑えることができるという効果も奏する。
また本発明の光プリンタヘッドは、複数の発光部は、それらが並列接続される駆動電流伝送線に平行な方向に並んで配置されており、モニター用発光部と受光用薄膜トランジスタと遮光壁と駆動用薄膜トランジスタから構成される組が、前記平行な方向における発光領域の両側に、それぞれ配置されている場合、駆動電流伝送線の入力端側のモニター用発光部の輝度と比較して、駆動電流伝送線の入力端から最も遠い側のモニター用発光部の輝度は、同じ駆動電流値を入力しても駆動電流伝送線の電圧降下の影響によって低下する傾向にある。そこで、駆動電流伝送線の入力端側のモニター用発光部の輝度と、駆動電流伝送線の入力端から最も遠い側のモニター用発光部の輝度との平均値を、モニター用発光部の輝度として採用すれば、モニター用発光部の発光特性を発光領域にある発光部の発光特性により近似したものとすることができる。
また本発明の光プリンタヘッドは、受光用薄膜トランジスタは、駆動用薄膜トランジスタのソース電極に接続される第1駆動電流伝送線と異なる第2駆動電流伝送線から分岐した分岐線をソース信号線とし、第2駆動電流伝送線から分岐したもう一つの分岐線をゲート信号線としている場合、モニター用発光部の輝度、発光特性をより正確に検出することができる。
以下、本発明の光プリンタヘッドの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、本発明の光プリンタヘッドの実施の形態における構成部材のうち、本発明の光プリンタヘッドを説明するための主要部を示している。従って、本発明に係る光プリンタヘッドは、図に示されていない回路基板、配線導体、制御IC,LSI等の周知の構成部材を備えていてもよい。
図1(a),(b)は、本発明の光プリンタヘッドについて実施の形態の1例を示すものであり、(a)は光プリンタヘッドの平面図、(b)は(a)のD部および駆動素子を拡大して示す回路図である。これらの図に示すように、本発明の光プリンタヘッドは、ガラス基板、プラスチック基板等の基板31と、基板31上に配置された、有機発光層を有する発光部の複数を含む発光領域45と、基板31上の発光領域45以外の領域に配置された、有機発光層を有するモニター用発光部101と、モニター用発光部101と平面視で離れた基板31上の部位に配置されるとともに、モニター用発光部101の有機発光層に駆動電流を供給する駆動用TFT102と、モニター用発光部101の近傍に配置された受光用TFT103と、を有する光プリンタヘッドであって、モニター用発光部101および受光用TFT103を囲む遮光壁104が基板31上に配置されており、駆動用TFT102は遮光壁104の外側にある構成である。この構成により以下の効果を奏する。すなわち、モニター用発光部101から放射された光は駆動用TFT102のチャネル部に入り込むことが効果的に抑えられるので、駆動用TFT102においてモニター用発光部101の光に基づくリーク電流が発生することが抑えられる。その結果、モニター用発光部101の輝度、発光特性を正確に検出することができる。また、モニター用発光部101、駆動用TFT102および受光用TFT103は、薄膜で構成されるので、薄型の光プリンタヘッドとすることができる。
また、駆動用TFT102は、光学的には発光領域45の発光部の駆動用TFTと同様の環境下にあるので、モニター用発光部101の発光特性を発光領域45の発光部の発光特性と同等のものあるいは近似したものとすることができる。
なお、図1〜図4に示す本発明の光プリンタヘッドは、例えば有機LEDプリンタヘッド(OLEDPH)と呼ばれるものであり、その全体構成、駆動制御、発光素子等の構成は、図5〜図7に示す従来例と基本的に同様であるので、従来例と共通する部位には同じ符号を付してそれらの詳細な説明は省略する。
図1(b)に示すように、発光モニター部(発光モニター回路)100は、モニター用発光部101、駆動用TFT102、受光用TFT103、遮光壁104を備えている。そして、モニター用発光部101は、例えば、それが最大輝度または最大輝度に近い輝度となるように駆動用TFT102から駆動電流が供給されることがよい。モニター用発光部101が最大輝度となるように駆動制御される場合、モニター用発光部101の発光特性、すなわち光量の経時低下の特性を捉えることが容易である。逆に、モニター用発光部101が最小輝度またはそれに近い輝度となるように駆動制御される場合、時間が経つとモニター用発光部101が点灯しなくなるおそれがある。
また、受光用TFT103は、そのチャネル部においてモニター用発光部101から放射された光を受光し電流値に変換する光電素子として機能する。受光用TFT103は電流計に接続されており、その検出した電流値をメモリ等に保存してある発光部の有機発光層の発光特性のデータと比較する。そして、必要に応じて所定の輝度を得るための駆動電流値を制御する。すなわち、所定の輝度を得るための駆動電流値を、有機発光層の経時劣化によって大きくする必要がある場合、有機発光層の発光特性のデータに基づいて所定量大きくする。
本発明の光プリンタヘッドは、図1(a)、図2に示すように、発光領域45にある複数の発光部70は、それらが並列接続される駆動電流伝送線56aLに平行な方向に並んで配置されており、モニター用発光部101と受光用TFT103と遮光壁104と駆動用TFT102から構成される組が、前記平行な方向における発光領域45の両側に、それぞれ配置されていることが好ましい。この場合、駆動電流伝送線56aLの入力端側の発光モニター部100aにおけるモニター用発光部101の輝度と比較して、駆動電流伝送線56aLの入力端から最も遠い側の発光モニター部100bにおけるモニター用発光部101の輝度は、同じ駆動電流値を入力しても駆動電流伝送線56aLの電圧降下の影響によって低下する傾向にある。そこで、駆動電流伝送線56aLの入力端側のモニター用発光部101の輝度と、駆動電流伝送線56aLの入力端から最も遠い側のモニター用発光部101の輝度との平均値を、モニター用発光部101の輝度として採用すれば、モニター用発光部101の発光特性を発光領域45にある発光部70の発光特性により近似したものとすることができる。
さらには、駆動電流伝送線56aLの入力端側のモニター用発光部100と、駆動電流伝送線56aLの入力端から最も遠い側のモニター用発光部100とに加えて、前記平行な方向においてそれらのモニター用発光部100の中間の位置にモニター用発光部を配置してもよい。この場合、これら3つのモニター用発光部100の輝度の平均値を、モニター用発光部100の輝度として採用すれば、モニター用発光部100の発光特性を発光領域45にある発光部70の発光特性により近似したものとすることができる。
また本発明の光プリンタヘッドは、図1(a)に示すように、基板31は、発光領域45を内側空間に封止するための封止基板36を接合するシール部材38を有しており、モニター用発光部101と受光用TFT103と遮光壁104と駆動用TFT102は、内側空間にあることが好ましい。この場合、モニター用発光部101の有機発光層の水分による経時劣化を抑えることができる。また、モニター用発光部101は発光領域45にある発光部70と同じ環境下にあるので、モニター用発光部101の発光特性は発光領域45にある発光部70の発光特性により近似したものとなる。シール部材38は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、合成ゴム等の樹脂材料から成るが、接着力に優れていること、液状(ペースト状)から硬化した後に十分な硬度が得られること等から、エポキシ樹脂から成ることが好ましい。またシール部材38は、幅が0.5mm〜2mm程度、好ましくは1mm〜2mm程度であり、基板31と封止基板36との間の隙間(ギャップ)に相当する厚みが5μm〜15μm程度である。
図2に示すように、発光モニター部100の駆動用TFT102は、発光領域45の発光部70を駆動する駆動用TFTと同様の構成である。また図4に示すように、受光用TFT103
は、モニター用発光部101の発光方向側、すなわち基板31の下面(封止基板36と反対
側の面)に向かう側において、モニター用発光部101に平面視で重なる位置に配置されて
いる。すなわち、受光用TFT103は、基板31とモニター用発光部101との間に配置されている。これにより、受光用TFT103は、モニター用発光部101から放射された光を効率的に受光することができる。モニター用発光部101と受光用TFT103との間の間隔は、1μm〜2μm程度である。
この受光用TFT103は、駆動電流伝送線56aLと異なる駆動電流伝送線156から分岐した分岐線156aをソース信号線とし、駆動電流伝送線156から分岐したもう一つの分岐線156cをゲート信号線としている。また、受光用TFT103のドレイン信号線156bは、接地線でもあり、駆動素子34の接地端子(VSS)に接続される。また、図1(b)、図2、図3に示すように、駆動用TFT102のソース電極が接続される駆動電流伝送線56aLと、受光用TFT103のソース電極が接続される駆動電流伝送線156とは、異なっていることがよい。この場合、受光用TFT103のリーク電流に基づくモニター用発光部101から放射された光の輝度の検出値が、正確になる。すなわち、駆動用TFT102のチャネル部を流れる電流値よりも、受光用TFT103のリーク電流値の方が小さいからである。
図3は、本発明の光プリンタヘッドについて実施の形態の他例を示すものであり、図2において遮光壁104を他の構成とした部分拡大平面図である。図3に示すように、遮光壁104は、その平面視形状がモニター用発光部101の有機発光層の外周形状と相似形状、すな
わち円形状、とされている。これにより、モニター用発光部101の有機発光層から放射さ
れた光を受光用TFT103にあらゆる方向から均一に入射させることができる。その結果
、モニター用発光部101の輝度、発光特性をより正確に検出することができる。
図4は、本発明の光プリンタヘッドについて実施の形態の他例を示すものであり、図2のE1−E2線における断面図である。受光用TFT103は、基板51側から、ゲート信号線156c、ゲート絶縁膜53、チャネル部としてのポリシリコン膜154及びポリシリコンに不純物をチャネル部よりも高濃度に含有させた高濃度不純物領域154aから成る半導体膜、窒化シリコン(SiNx),酸化シリコン(SiO2)等から成る絶縁膜55、ソース信号線156a、ドレイン信号線156bが、順次積層された構成を有している。受光用TFT103を構成する半導体は低温ポリシリコン(Low-Temperature Poly Silicon:LTPS)、アモルファスシリコン、インジウムガリウム亜鉛酸化物(Indium Gallium Zinc Oxide:IGZO)等の酸化物半導体などから成っていてもよい。また受光用TFT103は、ゲート信号線156cがチャネル部の下方にあるボトムゲート型のTFTであるか、またはゲート信号線156cがチャネル部の上方にあるトップゲート型のTFTであってもよく、さらにゲート信号線156cがチャネル部の下方及び上方の双方にあるダブルゲート型のTFTであってもよい。モニター用発光部101の発光部70から放射された光を効率よく受光するためには、受光用TFT103はボトムゲート型のTFTであることが好ましい。なお、図4において、符号133の部位は発光素子を示す。
本発明の光プリンタヘッドは、図4に示すように、遮光壁104は、モニター用発光部101および受光用TFT103がある基板31上の部位と比較して、その最大厚みTmの1/2以上の高さHsを有していることが好ましい。この場合、モニター用発光部101から放射される光が駆動用TFT102のチャネル部に入り込むことをより効果的に抑えることができるので、駆動用TFT102においてモニター用発光部101の光に基づくリーク電流が発生することがより抑えられる。その結果、モニター用発光部101の輝度、発光特性をより正確に検出することができる。この目的のためには、遮光壁104の高さHsは、最大厚みTmの50%以上がよく、より好ましくは70%以上がよい。また、遮光壁104の高さHsは具体的には、最大厚みTmが4μm程度であるので、2μm乃至3μm程度の高さとなる。
遮光壁104は、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等に黒色等の暗色系の顔料、染料を混入させた樹脂遮光壁、あるいはアルミニウム等から成る金属遮光壁である。遮光壁104は金属遮光壁であることがよく、この場合、金属遮光壁は遮光性に優れているので、モニター用発光部101から放射される光が駆動用TFT102のチャネル部に入り込むことをさらに効果的に抑えることができる。また、金属遮光壁は、アルミニウム等から成る、その表面が光反射性を有するものである場合、モニター用発光部101の有機発光層から放射された光を受光用TFT103に効率的に入射させることができる。その結果、モニター用発光部101の輝度、発光特性をより正確に検出することができる。また、金属遮光壁は、非透湿性に優れているので、モニター用発光部101の有機発光層60の水分による経時劣化を抑えることができるという効果も奏する。
上記金属遮光壁は、例えば、ソース信号線156a、ドレイン信号線156b、ゲート信号線156cを構成する金属材料、合金材料から成る。すなわち、金属遮光壁は、アルミニウム(Al),チタン(Ti),モリブデン(Mo),タンタル(Ta),タングステン(W),クロム(Cr),銀(Ag),銅(Cu),ネオジウム(Nd)等から選ばれた元素から成る金属材料、これらの元素を主成分とする合金材料などを用いて形成される。金属遮光壁は、フォトリソグラフィ法およびスパッタリング法等の薄膜形成法によって形成され得る。例えば、金属遮光壁が形成される絶縁層57の部位にフォトリソグラフィ法によって凹部を形成し、その凹部にスパッタリング法によって金属遮光壁となる金属層、合金層を堆積させる。なお、金属遮光壁は、ソース信号線156a、ドレイン信号線156b、第2の電極層61に接しないように、それらとの間に絶縁層を介して形成される。
また、基板51上にある絶縁層57は、有機絶縁層である場合、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA樹脂)、ポリシロキサン、ポリシラザン等の樹脂材料、またこれら樹脂材料の感光性のものを用いて形成することができる。ポリシロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合によって骨格構造が形成されたものである。またポリシロキサンは、その酸素の置換基として、少なくとも水素を含む有機基、例えばアルキル基、芳香族炭化水素基を有するもの、また酸素の置換基として、少なくとも水素を含む有機基とフルオロ基を有するものであってもよい。ポリシラザンは、珪素(Si)と窒素(N)の結合を有するポリマー材料を出発原料として形成される材料である。さらに有機絶縁層は、感光性の樹脂材料から成る場合、耐久性が良いという理由等から、感光性のアクリル樹脂、感光性のポリイミド、感光性のポリシロキサンから成ることがよい。さらに有機絶縁層は、耐久性に優れること、光透過率が93%程度と高いこと、加工性が高いこと、安価であることから、アクリル樹脂、特には感光性のアクリル樹脂から成ることが好ましい。
また、絶縁層57は、例えば窒化珪素(SiNx),酸化珪素(SiO2)等の無機絶縁層であってもよい。さらに、絶縁層57は、有機絶縁層上に無機絶縁層を積層した構成であってもよい。無機絶縁層は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等の薄膜形成法によって形成される。
本発明の光プリンタヘッドは、その発光素子133の発光部70が有機発光層60を有するものであるが、発光部70は、第1の電極層58、有機発光層60、第2の電極層61が積層されて構成される。第1の電極層58または第2の電極層61が陽極である場合、その陽極に用いられる透明電極は、インジウム錫酸化物(ITO)、インイジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化珪素を添加したインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛(ZnO)、リン,ボロンを含むシリコン(Si)等の導電性材料であって透光性を有する材料から成る。第1の電極層58または第2の電極層61が陰極である場合、その陰極は、Al,Al−Li合金,Mg−Ag合金(Agを5〜10重量%程度含む),Mg−Cu合金(Cuを5〜10重量%程度含む)等の仕事関数が約4.0V以下と低く遮光性、光反射性を有する金属、合金から成る。
有機発光層60は、バックライトが不要な自発光型の有機電界発光性を有するものである。例えば有機発光層60は数100nm程度の厚みを有する積層構造体であり、陰極側から電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極を積層したものである。電極層間の各層の厚みは数nm〜数100nm程度である。電極層を含む厚みは1μm程度である。有機発光層60の発光層の発光材料としては、低分子蛍光色素材料、蛍光性の高分子材料、金属錯体材料等が採用し得る。
発光層に正孔を注入しやすくするためには発光層のイオン化エネルギーが6.0eV以下であることがよく、発光層に電子を注入しやすくするためには発光層の電子親和力が2.5eV以上であることがよい。発光層の発光材料としては、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体(BeBq)、トリ(ジベンゾイルメチル)フェナントロリンユーロピウム錯体(Eu(DBM)3(Phen))、ジトルイルビニルビフェニル(DTVBi)などがある。高分子材料としては、蛍光性のポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリアルキルチオフェン等のπ共役高分子があり、これらの高分子材料は置換基の導入によってキャリア輸送性を制御することができる。電子輸送層の材料としては、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体等が採用し得る。正孔輸送層の材料としては、1,1-ビス(4-ジ-p-アミノフェニル)シクロヘキサン、トリフェニルアミン誘導体、カルバゾール誘導体等が採用し得る。正孔輸送層に正孔を注入する正孔注入層の材料としては、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン、芳香族ジアミン等が採用し得る。
第1の電極層58、有機発光層60、第2の電極層61は、蒸着法、スパッタリング法等の薄膜形成法等によって形成され得る。例えば、第1の電極層58はスパッタリング法等によって形成でき、有機発光層60は真空蒸着法、インクジェット法、スピンコート法、印刷法等によって形成でき、第2の電極層61は電子ビーム(Electron Beam:EB)蒸着法、スパッタリング法等によって形成できる。
なお、本発明の光プリンタヘッドは、上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜の設計的な変更、改良が施されていてもよい。