本発明の実施形態について、第1実施形態から第10実施形態の各々を例に挙げ、図面を参照しながら以下に説明する。なお、本発明の内容はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
1.第1実施形態
[半田付け装置の全体構成]
図1は第1実施形態にかかる半田付け装置(半田処理装置の一形態)の斜視図であり、図2は図1に示す半田付け装置AのII−II線で切断した断面図であり、図3は図1に示す半田付け装置Aに設けられた駆動機構の一部の分解斜視図である。なお、図1では、筐体及び支持部1の一部を切断し、半田付け装置Aの内部を表示するようにしている。
図1に示すように半田付け装置Aは、上方から糸半田Wを供給し、下部に設けられた鏝先5を利用して、鏝先5の下方に配置される配線基板Bdと、電子部品Epとを半田付けする装置である。なお、糸半田Wは、管状の半田層の内部にフラックス層が設けられた構造となっている。従って糸半田Wを切断して生成される半田片Whも、同様に、管状の半田層の内部にフラックス層が設けられた構造となる(図4を参照)。半田付け装置Aは、支持部1、カッターユニット2、駆動機構3、ヒーターユニット4、鏝先5及び半田送り機構6を備えている。ヒーターユニット4と鏝先5とを組み合わせたものが、半田鏝部を構成している。
支持部1は、立設された平板状の壁体11を備えている。なお、以下の説明では、便宜上、図1に示すように、壁体11に沿う水平方向をX方向、壁体11と垂直な水平方向をY方向、壁体11に沿う鉛直方向をZ方向(上下方向)とする。例えば、図1に示すように、壁体11はZX平面を有している。
半田付け装置Aは、治具Gjに取り付けられた配線基板Bdと、配線基板Bdに配置された電子部品Epの端子Pとに溶融半田を供給し、接続固定を行う。半田付けを行うとき、治具GjをX方向及びY方向に移動させ配線基板BdのランドLdとの位置決めを行う。また、そして、半田付け装置AはZ方向に移動可能であり、位置決め後Z方向に移動することで、鏝先5の先端をランドLdに接触させることができる。
支持部1は、壁体11のZ方向の下端部より上方にずれた位置に設けられた保持部12と、壁体11のZ方向の辺縁部(下部)に固定された摺動ガイド13と、壁体11のZ方向の端部(下端部)に設けられたヒーターユニット固定部14とを備えている。
カッターユニット2は、半田送り機構6によって送られた糸半田Wを所定長さの半田片Whに切断するものである。カッターユニット2は、摺動ガイド13に固定されたカッター下刃22(固定刃部)と、カッター下刃22の上部に配置され、X方向に摺動可能に配置されたカッター上刃21(可動刃部)と、カッター上刃21に設けられ、カッター上刃21の摺動方向と交差する方向(Z方向)に摺動するプッシャーピン23(半田押部)とを備えている。図1に示すように、カッター上刃21は、摺動ガイド13によって、Z方向の移動が規制されているとともに、X方向に摺動可能となっている。
ここで、摺動ガイド13について、詳しく説明する。摺動ガイド13は、カッター下刃22のY方向の両端と接触する一対の壁部131、131を備えており、一対の壁部131は他方に向かって突出した抜け止め部132、132を備えている。抜止部132、132は先端が接触しないように、換言すると、摺動ガイド13の上部に開口を有している。この抜止部132、132がカッター上刃21のZ方向への移動を規制する。
図2に示すように、カッター上刃21は、半田送り機構6にて送られた糸半田Wが挿入される貫通孔である上刃孔211と、プッシャーピン23のロッド部231が挿入された貫通孔であるピン孔212とを備えている。上刃孔211の下端の辺縁部は切刃状に形成されている。カッター下刃22は、上刃孔211を貫通した糸半田Wが挿入される貫通孔である下刃孔221と、気体が通過する気体流入孔222とを備えている。下刃孔221の上端の辺縁部は切刃状に形成されている。上刃孔211と下刃孔221とは、糸半田Wが挿入されている状態で、糸半田Wと交差する方向にずれることで、互いの切刃によって糸半田Wが切断される。また、気体流入孔222は下刃孔221の上下方向中間部に接続し、加圧ポンプ91から送り出される窒素などの加圧気体を下刃孔221へ供給する。下刃孔221へ送られた加圧気体は、半田供給孔422を通って最終的に半田孔51へ供給される。加圧ポンプ91から下刃孔221及び半田供給孔422を介して半田孔51へ供給される加圧気体の圧力は、制御部8によって制御される圧力調整器92で調整される。なお、気体供給部9は加圧ポンプ91と圧力調整器92とで構成される。
プッシャーピン23は半田押部であり、カッター上刃21とカッター下刃22で切断されて下刃孔221に残った半田片Whを下方に押すものである。プッシャーピン23は、ピン孔212に摺動可能に支持されたロッド部231と、ロッド部231の端部に設けられたヘッド部232と、ロッド部231に巻き回されてヘッド部232とカッター上刃21との間に配置されたばね233とを備えている。さらに、プッシャーピン23には、ロッド部231のヘッド部232と反対側の端部に、ロッド部231のピン孔212からの抜けを抑制する抜け止めが設けられている。そして、プッシャーピン23は、ばね233の弾性力によって、常に上方に、すなわち、カッター下刃22と反対側に持ち上げられている。
図1、図2に示すように、駆動機構3は、保持部12に保持されたエアーシリンダー31と、保持部12に設けられた貫通孔を貫通し、エアーシリンダー31によってZ方向に摺動駆動されるピストンロッド32と、保持部12とカッター下刃22との両方に支持され、Z方向に延びる円柱状のガイド軸35を備えている。そして、駆動機構3は、ガイド軸35にZ方向に摺動可能に支持されたカム部材33と、カム部材33に設けられた後述のピン332が係合するカム溝340を有するスライダー部34とを備えている。
エアーシリンダー31は、外部から供給される空気の圧力でピストンロッド32を摺動駆動(伸縮)させるものであり、エアーシリンダー31とピストンロッド32とが駆動機構3のアクチュエーターを構成している。ピストンロッド32は、ガイド軸35と平行に設けられており、ガイド軸35に沿って直線的に往復動する。ピストンロッド32の先端部は、カム部材33に固定されており、ピストンロッド32の伸縮によって、Z方向に摺動する。カム部材33の摺動は、ガイド軸35によってガイドされている。
図2に示すように、ガイド軸35は、下端部がカッター下刃22に設けられた凹穴に嵌合されており、カッター下刃22にねじ351でねじ止め固定されている。また、ガイド軸35の上部は、保持部12に設けられた孔を貫通しており、ピン352によって移動が規制されている。つまり、ガイド軸35はねじ351によってカッター下刃22と、ピン352によって保持部12と固定されている。
図2、図3に示すように、カム部材33は、矩形状の部材であり、長辺の一部を矩形状に切り欠いた凹部330と、カム部材33に連結し、ガイド軸35が貫通する貫通孔を備えた円筒形状の支持部331とを備えている。凹部330には、スライダー部34が(X方向及びZ方向に)摺動可能に配置される。また、支持部331はピン35と平行する方向に延びる形状を有しており、カム部材33のがたつきを抑制するために設けられている。つまり、カム部材33がある程度厚みを有し、がたつきが発生しにくい構成の場合、円筒形状の部分を省略し、貫通孔だけで支持部331を構成してもよい。
そして、カム部材33は、凹部330の中間部分に設けられて中心軸がガイド軸35と直交する円柱状のピン332と、凹部330と隣接してプッシャーピン23を押すピン押し部333と、支持孔331内部に配置された軸受334とを備えている。ピン332は、スライダー部34に設けられた後述するカム溝340に挿入される。また、軸受334は、ガイド軸35に外嵌し、カム部材33ががたつかないように、円滑に摺動させる部材である。
図2、図3に示すように、スライダー部34は、長方形状の板状の部材であり、カッター上刃21と一体的に形成されている。スライダー部34は、板厚方向に貫通するとともに長手方向に延びるカム溝340を備えている。カム溝340は、ガイド軸35と平行に延びる第1溝部341を上側に、同じくガイド軸35と平行に延びる第2溝部342を下側に設けている。そして、第1溝部341と第2溝部342とは、X方向にずれて設けられており、カム溝340は第1溝部341と第2溝部342とを接続する接続溝部343を備えている。
カム溝340には、カム部材33のピン332が挿入されており、カム部材33がガイド軸35に沿って移動することで、ピン332がカム溝340の内面を摺動する。ピン332がカム溝340の接続溝部343に位置するとき、接続溝部343の内面を押す。これにより、スライダー部34及びスライダー部34に一体的に形成されたカッター上刃21がカム部材33の摺動方向(Z方向)と交差する方向(X方向)に移動(カッター下刃22に対して摺動)する。
図2に示すように、ヒーターユニット4は、半田片Whを加熱し、溶融させるための加熱装置であり、壁体22の下端部に設けられたヒーターユニット固定部14に固定されている。ヒーターユニット4は、電気を通すことで発熱するヒーター41と、ヒーター41を取り付けるためのヒーターブロック42とを備えている。ヒーター41は円筒形状のヒーターブロック42の外周面に巻き回されている。
ヒーターブロック42は円筒形状を有しており、軸方向の端部に鏝先5をとりつけるための断面円形状の凹部421と、凹部421の底部の中心部から反対側に貫通した半田供給孔422とを備えている。ヒーターブロック42は、半田供給孔422と下刃孔221とが連通するように、カッター下刃22に接触して設けられている。ヒーターブロック42をこのように設けることで、半田片Whは、下刃孔221から半田供給孔422に移動する。
鏝先5は、上下方向に伸びた円筒形状の加熱可能な部材であり、中央部分に軸方向に延びる半田孔51を備えている。鏝先5は、ヒーターブロック42の凹部421に挿入され、図示を省略した部材によって抜け止めがなされている。また、鏝先5の半田孔51は、ヒーターブロック42の半田供給孔422と連通しており、半田供給孔422から半田片Whが送られる。
鏝先5は、ヒーター41からの熱が伝達されており、その熱で半田片Whを溶融させる。そのため、鏝先5は、高い熱伝導率を有する材料、例えば、炭化ケイ素、窒化アルミ等のセラミックやタングステン等の金属で形成されている。半田付け装置Aにおいて、鏝先5は円筒形状のものとしているが、これに限定されるものではなく、断面多角形又は楕円形の筒形状のものを用いてもよい。半田付けを行う配線基板Bd及び(又は)電子部品Epの端子Pの形状に合わせて異なる形状のものを用意するようにしてもよい。
図1、図2に示すように、半田送り機構6は、糸半田Wを供給するものであり、糸半田Wを送る送りローラ対61と、送られた糸半田Wをカッター上刃21の上刃孔211にガイドするガイド管62とを備えている。送りローラ対61は、支持部1に取り付けられており、糸半田Wを挟むとともに、回転することで糸半田Wを下方に送る。ガイド管62は、弾性変形可能な管体であり、上端は、送りローラ対61の糸半田Wが送り出される部分に近接して配置されている。
また、ガイド管62の下端は、カッター上刃21の上刃孔211と連通するように設けられている。なお、ガイド管62の下端はカッター上刃21の摺動に追従して移動するものであり、ガイド管62はカッター上刃21が摺動する範囲で過剰に引っ張られたり、突っ張ったりしないように設けられている。送りローラ対61は回転角度(回転数)によって、送り出した糸半田の長さを決定している。
半田付け装置Aで半田付けを行う場合、鏝先5の先端を半田付けを行う配線基板BdのランドLdに接触させ、鏝先5で、ランドLd及び電子部品Epの端子Pを囲む。このとき、鏝先5には、ヒーター41からの熱が伝達されており、鏝先5が接触することでランドLd及び電子部品Epの端子Pは、半田付けに適した温度に加温(プレヒート)される。
[半田付け装置の動作]
次に、半田付け装置Aの動作について説明する。図2に示すように、半田付け装置Aは、半田付けを行う直前、ピストンロッド32がエアーシリンダー31の内部に収納された状態になっており、カム部材33がZ方向の上部(摺動範囲の最上部)にある。このとき、ピン332がカム溝340の第1溝部341内に位置しており、カッター上刃21がガイド軸35に最も接近した位置にある。この位置を初期位置とする。また、半田付け装置Aでは初期位置にあるとき、上刃孔211が下刃孔221とZ方向に重なるようにカッター上刃21及びカッター下刃22が形成されている。
そして、送りローラ対61を回転駆動し糸半田Wを送り出す。上刃孔211と下刃孔221とが連通状態になっているので、糸半田Wの先端は下刃孔221の内部に移動する。送りローラ対61の回転角度を調整し、下刃孔221内に進入する糸半田Wの長さが半田片Whの長さとなるようにする。半田片Whの長さは、半田付けを行うランドLdや電子部品Epの端子Pの大きさ等に応じて決められる。
そして、ピストンロッド32をエアーシリンダー31から突出させ、カム部材33をガイド軸35に沿って下方に移動させる。ピン332がカム溝340内に配置されているため、ピン332はカム軸340内を摺動する。ピン332が第1溝部341にあるとき、第1溝部341がピン332の移動方向(ガイド軸35の軸方向)と一致するため、スライダー34はカム部材33から力を受けず、カム部材34は静止している。そして、ピン332が第1溝部341から接続溝部343に到達すると、ピン332が接続溝部343の内面を押す。これにより、スライダー部34にX方向の力が加わり、スライダー部34及びスライダー部34と一体に形成されたカッター上刃21がX方向に移動(摺動)する。
カッター上刃21が摺動することで、上刃孔211と下刃孔221とがX方向にずれ、これらの孔のずれによって、上刃孔211の端部の縁に形成された切刃と下刃孔221の端部の縁に形成された切刃が交差する。その結果、糸半田Wが切断されて半田片Whが生成される。
ピストンロッド32がさらに突出すると、カム部材33がさらに下方に移動し、ピン332が接続溝部343から第2溝部342に移動する。第2溝部342もガイド軸35と平行に延びているため、カム部材33がガイド軸35に沿って下方に移動しても、ピン332がスライダー部34を押さなくなる。すなわち、カム部材33は移動するが、カッター上刃21及びスライダー部34は停止する。カッター上刃21はガイド軸35から最も離れた位置にある。この位置にあるとき、ピン孔212が下刃孔221とZ方向に重なるように、カッター上刃21及びカッター下刃22が形成されている。
ピストンロッド32がさらに突出すると、カム部材33が下方に摺動し、カム部材33のピン押し部333がプッシャーピン23のヘッド部232を押す。これにより、プッシャーピン23のロッド部231が下刃孔221に挿入される。このとき、下刃孔221に残っている半田片Whは、ロッド部231に押され、鏝先5に向かって移動する。なお、半田片Whは、切断時に自重によって下方に移動する場合もあるが、プッシャーピン23を利用することで、半田片Whを確実に鏝先5の半田孔51に供給することができる。
図4は、鏝先5内に半田片Whが供給される様子を示している。この図に示すように、鏝先5には、外側面から内側に向けて挿入された棒状部材5tが設けられている。棒状部材5tは鏝先5の内部にまで達しており、棒状部材5tの先端部分は、鏝先5の内壁から突出した棒状の突起となっている。この棒状部材5tの先端部分とこれに対向する鏝先5の内壁との距離が半田片Whの外径よりも小さくなるように、棒状部材5tは鏝先5の内壁から内側へ突出されている。なお、棒状部材5tは、電子部品Epの端子P先端よりも上側に位置しており、鏝先5内に供給された半田片Whを受止める受止部としての役割を果たす。
図4に示すように鏝先5の上方から落下してきた半田片Whは、電子部品Epの端子Pへ到達する前に棒状部材5tに引掛かる。図5に示すように、棒状部材5tに受止められた半田片Whは、棒状部材5tの突起部分とは反対側へ傾く格好で保持される。これにより、半田片Whの下端部が棒状部材5tへ接触するとともに、半田片Whの上端部が鏝先5の内壁へ接触することとなる。このように本実施形態では、半田片Whを鏝先5の内壁へ強制的に接触させることが可能となる。なお、鏝先5の半田孔51の内径は、半田片Whの外径よりもやや大きい程度の寸法に設定されているので、半田片Whは、鏝先5内で傾いても、図5に示すように鏝先5の内壁に支持されるため、鏝先5内では必ず立った状態となる。
また図5から明らかな通り、鏝先5内に供給された半田片Whの少なくとも一部は、必ず鏝先5の内壁(棒状部材5tも含まれる)に接触した状態となる。なお、仮に棒状部材5t(受止部)が設けられていなければ、半田片Whが電子部品Epの端子P上に真直ぐに立ってしまい、半田片Whが鏝先5の内壁のどこにも接触しないという事態が生じ得る。このことから棒状部材5tは、供給された半田片Whと鏝先5の内壁との非接触を回避する(換言すれば、供給された半田片Whを鏝先5の内壁へ強制的に接触させる)役割を持つと言える。
鏝先5にはヒーター41からの熱が伝達されており、この熱によって、半田片Whは加熱される。このとき棒状部材5tの上に半田片Whが保持されており、半田片Whと鏝先5の内壁は必ず接触しているので、半田片Whと鏝先5の内壁が非接触となっている場合に比べて、鏝先5の熱を半田片Whへより確実に伝えることが可能となっている。
また半田片Whは、棒状部材5tに受止められることで電子部品Epの端子Pに接触することはなく、そのため半田片Whの熱が当該端子Pに奪われる事態は防がれる。更に半田片Whがある程度加熱されると、半田片Whの内部からフラックスが流出し、このフラックスが半田片Whと鏝先5の内壁との間に介在すれば、双方の接触性がより向上する。以上の各理由から、本実施形態では半田片Whの加熱が効率良く行われ、半田片Whの加熱溶融が不十分となるような不具合は極力防止される。
通常、溶融した半田は、下方にあるランドLdと電子部品Epの端子Pとに流れる。そして、半田付け装置AをZ方向に移動することで、鏝先5がランドLdから離れる。これにより、半田は外気によって冷却され、固化することで、ランドLdと電子部品Epの端子Pとが半田付けされる。
そして、半田付けが終了すると、エアーシリンダー31はピストンロッド32を内部に収納する。これにより、カム部材33がZ方向上方に移動し、プッシャーピン23はばね233の弾性力により、上方に押し上げられる。ロッド部231が下刃孔221から抜ける。この状態でカッター上刃21が摺動しても、プッシャーピン23が破損しない。そして、カム部材33のピン332がカム溝340の接続溝部343に到達し、スライダー部34及びカッター上刃21は、ガイド軸35に接近するように摺動する。ピン332がカム溝340の第1溝部341に到達したとき、半田付け装置Aは初期位置に戻る。
ところで、図6に示すように、半田片Whが鏝先5の内壁に接触して溶融した場合であっても、表面張力によって溶融半田が球状化して鏝先5内から流れ出ないことが起こり得る。そこで、本発明では、鏝先5内に加圧気体を供給し、溶融した半田を鏝先5から押し出すこととした。
図2及び図5に示すように、鏝先5の棒状部材5tよりも上方位置に半田孔51の周壁を貫通する排気孔52が形成されている。半田片Whの溶融処理を行う際には、半田孔51内の半田の酸化抑制及びフラックスヒューム(煙)の半田孔51からの排出のため、加圧ポンプ91から半田孔51内に窒素などの不活性気体が供給される。半田孔51に供給された気体は半田片Whの周囲を満たし半田の酸化を抑制し、半田片Whに含有されるフラックスが加熱溶融し気化して生成されたフラックスヒュームを排気孔52から鏝先5から外に排出する働きを奏する。
また図6に示すように、鏝先5からの加熱によって半田片Whが溶融し、表面張力によって溶融半田が球状化して棒状部材5tに留まった状態となったときには、加圧気体による圧力で溶融した半田を鏝先5から押し出し、下方にあるランドLdと電子部品Epの端子Pとに流出させる。これにより、図7に示すように、スルーホールを介して配線基板Bdの表面及び裏面にフロントフィレット及びバックフィレットが形成されるようになる。
なお、鏝先5に供給する加圧気体の圧力は、半田の酸化防止やフラックスヒュームの排出を目的とする場合と、溶融半田の鏝先5からの押し出しを目的とする場合とで変えるのが望ましい。すなわち、前者の場合よりも後者の場合の気体圧力を高くするのが望ましい。これにより溶融半田の鏝先からの円滑な押し出しが可能となる。前述のように、鏝先5に供給する気体圧力は、制御手段8で制御される圧力調整器92によって調整可能である。勿論、鏝先5に供給する気体圧力を、当初から溶融半田の鏝先から押し出しを目的とする圧力としてもよい。また、加圧気体は、鏝先5へ半田片Whを供給する前から継続して供給していてもよいし、半田片Whが溶融して溶融半田となったときに供給するようにしてもよい。また、加圧気体の供給方式は所定圧力で連続した供給であってもよいし、短時間周期供給(パルス)であってもよい。さらには、溶融半田に対して加圧気体を供給する前に、鏝先5内を一旦負圧状態とした後、加圧気体を供給するようにしてもよい。このように溶融半田に対して負圧から正圧へと瞬間的に大きな圧力差を加えることで、溶融半田の受止部における詰まりが解消されやすくなる。
一方、鏝先5に供給する加圧気体の圧力が高すぎると、溶融半田は鏝先5から円滑に押し出されるものの、スルーホールを通って配線基板Bdの裏面側に過剰に流れてしまい正常なフィレットが形成されないおそれがあるが、このような場合には鏝先5に形成された排気孔52が気体圧力を逃す作用を奏し、溶融半田にかかる加圧気体の圧力を低減させることが可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態は、鏝先5内に供給された半田片Whを受止める受止部に関する部分を除き、基本的に第1実施形態と同様である。以下の説明では、第1実施形態と異なる部分の説明に重点をおき、共通する部分については説明を省略することがある。
第2実施形態の半田付け装置Aにおいて、図8に示すように、鏝先5には一対の棒状部材5ta,5tbが外側面から内側に向けて挿入されている。鏝先5の半田孔51内に突出した一対の棒状部材5ta,5tbの先端部は、所定の隙間を有して対向している。一対の棒状部材5ta,5tbの先端部の隙間は半田片Whの外径よりも狭く、鏝先5に供給された半田片Whは棒状部材5ta,5tbの少なくとも一方で受け止められる。すなわち、一対の棒状部材5ta,5tbは受止部として機能する。
また、一対の棒状部材5ta,5tbは導通性を有し、溶融半田の下方への落下を検知する検知手段としても機能する。すなわち、一対の棒状部材5ta,5tbの間に半田片Whが接触しているとき、溶融半田が接触しているとき、半田片Wh及び溶融半田が接触していないときとで、一対の棒状部材5ta,5tb間の導通抵抗が変わるので、一対の棒状部材5ta,5tb間の導通抵抗を測定することで溶融半田の下方への移動を検知可能となる。
具体的処理例を説明する。図8に示すように、圧力P0に設定された気体(窒素などの不活性気体)を鏝先5内へ供給すると共に、半田片Whを鏝先5内に供給する。半田片Whが一対の棒状部材5ta,5tbに接触すると、一対の棒状部材5ta,5tbの間に導通が生じ、半田片Whの鏝先5内への到達が検知される。次いで、図9に示すように、鏝先5から加熱によって半田片Whが溶融すると、一対の棒状部材5ta,5tbの間の導通抵抗が低下する。これにより半田片Whの溶融が検知される。半田片Whの溶融が検知されると、鏝先5へ供給する気体の圧力を圧力P0よりも高い圧力P1とする。気体圧力をP0からP1に高めることによって、溶融半田を鏝先5内から円滑に押し出すことが可能となる。そして、溶融半田が一対の棒状部材5ta,5tbからすべて落下すると、一対の棒状部材5ta,5tbの間の導通がなくなる。溶融半田の一対の棒状部材5ta,5tbからの落下が検知されると、鏝先5へ供給する気体の圧力を圧力P1よりも低い圧力P2とする。気体圧力をP1からP2に低くすることによって、溶融半田がスルーホールを通って配線基板Bdの裏面側に過剰に流れることが防止可能となり、図10に示すように、正常なフィレットが形成される。なお、圧力P2はゼロを含むものとする。
図11に制御ブロック図を示す。制御部8は、MPUやCPU等の論理回路を含む構成となっている。制御部8は、駆動部3のエアーシリンダー31、ヒーターユニット4のヒーター41、半田送り部6の送りローラ61、気体供給部9の加圧ポンプ91、圧力調整器92を制御するようになっており、各部と接続され、信号の送受信ができるようになっている。また、制御部8は、温度センサー(不図示)と接続しており、温度センサーで測定したヒーターブロック42の温度を取得しヒーター41を温度制御する。さらに、制御部8は、鏝先5の供給孔51に供給された半田片Whの溶融を検知する検知手段(チェック端子としての一対の棒状部材5ta,5tb)とも接続しており、検知手段からの信号によって半田片Whの溶融状態及び検知手段からの落下を判断し、鏝先5内に供給する気体の圧力を制御する。そしてまた、記憶部81と接続しており、記憶部81との間で情報をやり取りできるようになっている。記憶部81は、情報の呼び出しが可能なROM、呼び出し及び書き込みが可能なRAM、着脱が可能なフラッシュメモリー等の半導体メモリーやハードディスク等を有している。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態は、加圧気体の鏝先5内への供給制御に関する部分を除き、基本的に第1実施形態と同様である。以下の説明では、第1実施形態と異なる、加圧気体の鏝先5内への供給制御に関する部分の説明に重点をおき、共通する部分については説明を省略することがある。
図12に、加圧気体の鏝先5への供給制御例を示すフローチャートを示す。まず、設定圧力P0の気体(窒素などの不活性気体)が鏝先5内へ供給される(ステップS1)。そして、糸半田Wが切断されて半田片Whとされ鏝先5へ供給される(ステップS2)。このとき、タイマーTはゼロとされた後(ステップS3)、スタートされる(ステップS4)。そして、タイマーTがT1時間に達すると(ステップS5)、半田片Whが溶融したと判断し、鏝先5へ供給する気体の圧力が圧力P0からそれよりも高い圧力P1とされる(ステップS6)。これにより溶融半田が鏝先5内から押し出される。次いで、タイマーTがT2時間に達すると(ステップS7)、溶融した半田はすべて受止部から下方に落下したと判断し、鏝先5へ供給する気体の圧力を圧力P1よりも低い圧力P2とする(ステップS8)。これにより、溶融半田がスルーホールを通って配線基板Bdの裏面側に過剰に流れることが防止可能となって正常なフィレットが形成可能となる。次に、半田付け処理を終了するかどうかが判断され(ステップS9)、半田付け処理を続ける場合にはステップS1に戻って一連の半田付け処理がなされる。一方、半田付け処理を終了する場合は(ステップS9)、気体供給が停止され気体圧力はゼロとされて制御は終了する。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態は、受止部から落下した溶融半田に加わる気体圧力を低減する機構に関する部分を除き、基本的に第1実施形態と同様である。以下の説明では、第1実施形態と異なる部分の説明に重点をおき、共通する部分については説明を省略することがある。
図13に第4実施形態に係る鏝先の斜視図を示し、図14に垂直断面図を示す。第4実施形態の半田付け装置Aにおいて、図13及び図14に示すように、鏝先5には棒状部材5tが外側面から内側に向けて挿入され、鏝先5の半田孔51内に突出した棒状部材5tの先端部とこれに対向する半田孔51の内壁との隙間は半田片Whの外径よりも小さくなるように設定されている。これにより、鏝先5に供給された半田片Whは棒状部材5tで受け止められる。すなわち、棒状部材5tは受止部として機能する。そして、鏝先5の棒状部材5tの取付位置よりも下方位置に鏝先の周壁を貫通する気体開放孔53が形成されている。
図15に示すように、鏝先5からの加熱によって半田片Whが溶融すると、溶融した半田片Whが表面張力によって球状化して棒状部材5tに留まった状態とならないように加圧気体が鏝先5へ供給される。このとき、鏝先5に供給する加圧気体の圧力が高すぎると、溶融半田は鏝先から円滑に押し出されるものの、スルーホールを通って配線基板Bdの裏面側に過剰に流れてしまい正常なフィレットが形成されないおそれがあるが、この実施形態の鏝先5では棒状部材5tの下方位置に気体開放孔53が形成されているので、溶融半田が棒状部材5tから落下し気体開放孔53の半田孔51との連通部分を超えると、加圧気体の一部は気体開放孔53を通って鏝先5の外に流れる。これにより、下方にあるランドLdと電子部品Epの端子Pとに流出した溶融半田にかかる気体圧力が低下し、図16に示すように、スルーホールを介して配線基板Bdの表面及び裏面にフロントフィレット及びバックフィレットが形成されるようになる。
(第5実施形態)
図17に、第5実施形態に係る鏝先の垂直断面図を示す。第5実施形態は、鏝先5の棒状部材5tよりも上方位置に半田孔51の周壁を貫通する排気孔52が設けられている点を除き、基本的に第4実施形態と同様である。
排気孔52は、前述のように、半田片Whの溶融処理を行う際、半田片Whに含有されるフラックスが加熱溶融し気化して生成されたフラックスヒュームを鏝先5から外に排出する働きを奏すると共に、溶融した半田を鏝先5から押し出すために加圧気体を鏝先5に供給した際に、溶融半田にかかる気体圧力を低減させる働きを奏する。これによってスルーホールを介して配線基板Bdの表面及び裏面に正常なフロントフィレット及びバックフィレットが形成されるようになる。
(第6実施形態)
図18に、第6実施形態に係る鏝先の垂直断面図を示す。第6実施形態は、鏝先5の棒状部材5tよりも下方位置に半田孔51の周壁を貫通する2つの気体開放孔53a,53bが設けられている点を除き、基本的に第5実施形態と同様である。
2つの気体開放孔53a,53bが鏝先5に設けられていることによって、気体開放孔53が1つの場合に比べて加圧気体の鏝先5の外への流出が円滑となる。なお、気体開放孔53の形成個数に限定はなく3個以上であっても構わない。また、気体開放孔53を2個以上設ける場合、気体開放孔の形成位置に特に限定はなく、同じ高さ位置で周方向に異なる位置に設けてもよいし、高さ方向に異なる位置に設けてもよい。
(第7実施形態)
図19に、第7実施形態に係る鏝先の垂直断面図を示す。第7実施形態は、鏝先5の棒状部材5tの取付位置よりも下方に設けられた気体開放孔53c,53dの形状を除き、基本的に第5実施形態と同様である。
半田付け処理を行う場合、半田に含有されたフラックスが加熱によって溶融・気化し、このフラックスの気化・膨張によって微量の溶融半田がボール状(半田ボール)になって飛散することがある。本発明で使用する鏝先は略筒形状を有し、鏝先内で半田片を加熱溶融するので、前記の半田ボールの鏝先5から外部への飛散は原則的には生じない。
ところが、第5実施形態や第6実施形態に示した鏝先では、鏝先の下方に気体開放孔53を設けているので、この気体開放孔53を通って半田ボールが鏝先5の外に飛び出る可能性は確率的には低いものの起こり得る。そこで、本実施形態に係る鏝先では、鏝先5内で生成した半田ボールが気体開放孔53を通って鏝先の外へ飛び出すことを抑制する構成とした。すなわち、図19(a)に示す鏝先では、気体開放孔53cを鏝先5の内側から外側に向かって上方に傾斜した角度を有するものとした。また、図19(b)に示す鏝先5では、鏝先5に形成した気体開放孔53dの形状を断面視においてV字状とした。なお、気体開放孔53dの形状はV字状に限定されるものではなく、例えば、気体開放孔53dの途中部において屈曲を有する形状であればよい。このように気体開放孔53cを水平方向に対して傾斜させる、あるいは途中部において屈曲を有する形状とすることによって、半田孔51内で生成した半田ボールが気体開放孔53c,53dに進入したとしても、気体開放孔53c,53dの内壁に接触して失速し鏝先5から外に出ることが抑制される。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。なお、第8実施形態は、受止部から落下した溶融半田に加わる気体圧力を低減する機構に関する部分を除き、基本的に第1実施形態と同様である。以下の説明では、第1実施形態と異なる部分の説明に重点をおき、共通する部分については説明を省略することがある。
図20に第8実施形態に係る鏝先の斜視図を示し、図21に垂直断面図を示す。図20及び図21に示すように、第8実施形態に係る鏝先では、受止部としての棒状部材5tの取付位置よりも下方位置から下端部まで鏝先の周壁に気体開放スリット54が形成されている。
図21に示すように、鏝先5からの加熱によって半田片Whが溶融すると、溶融した半田片Whが表面張力によって球状化して棒状部材5tに留まった状態とならないように加圧気体が鏝先5へ供給される。このとき、鏝先5に供給する加圧気体の圧力が高すぎると、溶融半田は鏝先から円滑に押し出されるものの、スルーホールを通って配線基板Bdの裏面側に過剰に流れてしまい正常なフィレットが形成されないおそれがあるが、この実施形態の鏝先5には棒状部材5tの下方位置から下端部に至る気体開放スリット54が形成されているので、溶融半田が棒状部材5tから落下し気体開放スリット54の領域を達すると、加圧気体の一部は気体開放スリット54を通って鏝先5の外に流れる。これにより、下方にあるランドLdと電子部品Epの端子Pとに流出した溶融半田にかかる気体圧力が低下し、スルーホールを介して配線基板Bdの表面及び裏面にフロントフィレット及びバックフィレットが正常に形成されるようになる。なお、気体開放スリット54の上下方向の長さは、気体開放スリット54の上端が受止部としての棒状部材5tの取付位置よりも下方位置であれば特に限定はなく、半田付け対象物の形状等を考慮し適宜決定すればよい。また、気体開放スリット54の開口幅は、半田ボールの鏝先から外への飛散を抑制する観点からは1.2mm以下であるのが好ましい。
(第9実施形態)
図22に、第9実施形態に係る鏝先の垂直断面図を示す。第9実施形態は、鏝先5の棒状部材5tよりも下方位置に鏝先の下端部に至る2つの気体開放スリット54a,54bが設けられている点を除き、基本的に第8実施形態と同様である。
2つの気体開放スリット54a,54bが鏝先5に設けられていることによって、気体開放スリットが1つの場合に比べて加圧気体の鏝先5の外への流出が円滑となる。なお、気体開放スリット54の形成個数に限定はなく3個以上であっても構わない。また、気体開放スリット54を2個以上設ける場合、気体開放スリットの周方向の形成位置に特に限定はないが、対向位置に設けるのが好ましい。
(第10実施形態)
図23に、第10実施形態に係る鏝先の底面図を示す。この第10実施形態は、鏝先5の棒状部材5tの取付位置よりも下方に設けられた気体開放スリット54の形状を除き、基本的に第8実施形態と同様である。以下の説明では、第8実施形態と異なる部分の説明に重点をおき、共通する部分については説明を省略することがある。
前記の第7実施形態(図19を参照)で説明したように、半田付け処理を行う際に、半田に含有されたフラックスが加熱によって溶融・気化し、このフラックスの気化・膨張によって半田ボールが鏝先5から外に飛散することがある。図23(a)に示す実施形態の鏝先では、鏝先5に設けた気体開放スリット54cを底面視においてV字状とした。気体開放スリット54cをこのような形状とすることで、半田ボールが気体開放スリット54cに進入したとしてもその内壁に接触して失速し鏝先5から外に出ることが抑制される。なお、気体開放スリットの形状は底面視においてV字状に限定されるものではなく、例えば、気体開放スリットの途中部において屈曲を有する形状であればよい。図23(b)はその一例であり、この図に示す気体開放スリット54dは、底面視において波形状を有する。
[鏝先内の受止部の形態について]
鏝先5内に設けられる受止部の形態について、上方から供給された半田片Whを確実に受止め得る限り、他の形態が採用されても構わない。以下、他の形態について具体例を挙げて説明する。
図24は、鏝先5の半田孔51の上下方向途中部に段部5sを形成した例を示している。段部5sの内径は半田片Whの外径よりやや小さくなっており、段部5sにおいて半田片Whを確実に受止めることが可能である。
総括
以上に説明した各実施形態の半田付け装置Aは、加熱可能である上下に伸びた筒形状の鏝先5と、半田片Whを上方から鏝先5内へ供給する半田片供給部(半田送り機構6やカッターユニット2が含まれる)を有しており、鏝先5の熱を用いて半田片Whを溶融させ、当該溶融した半田を下方へ供給する。そして更に半田付け装置Aは、供給された半田片Whを鏝先5の内壁へ強制的に接触させるように構成されている。そのため半田付け装置Aによれば、鏝先5の熱を用いて半田片Whをより確実に加熱溶融させることが可能である。また、気体供給部9から加圧気体を鏝先5内に供給する構成とされている。そのため、半田付け装置Aによれば、溶融した半田を鏝先5から押し出すことが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。