JP6802682B2 - 再剥離性シートの製造方法 - Google Patents
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Description
再剥離性シートは、感圧接着剤層を介して重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着することにより作製できる。
前記感圧接着剤層を形成するための感圧接着剤組成物を前記基材シートの表面に塗工して前記感圧接着剤層を形成する工程と、
前記感圧接着剤層が形成された前記基材シートを、前記重ね合わせ面同士が対向するように重ね合わせる工程と、
前記重ね合わせた基材シートを一対の加圧体によって挟み込んで加圧して、前記重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着する工程と、を有し、
前記感圧接着剤組成物は、天然ゴム系材料を含む接着剤基剤と、シリカを含む接着力調節剤と、水溶性高分子とを含有し、
前記感圧接着剤層を形成する工程において、前記感圧接着剤組成物の塗工量を1〜8g/m2とし、
前記重ね合わせた基材シートを接着する工程において、前記一対の加圧体の加圧面の間隔を、前記重ね合わせた基材シートの厚さの66〜90%とする、再剥離性シートの製造方法、再剥離性シートの製造方法を提供する。
本発明の一実施形態の再剥離性シートの製造方法は、基材シートの表面に感圧接着剤層を備え、前記感圧接着剤層を介して前記基材シートの重ね合わせ面同士が再剥離可能に接着できる再剥離性シートの製造方法であって、前記感圧接着剤層を形成するための感圧接着剤組成物を前記基材シートの表面に塗工して前記感圧接着剤層を形成する工程と、 前記感圧接着剤層が形成された前記基材シートを、前記重ね合わせ面同士が対向するように重ね合わせる工程と、前記重ね合わせた基材シートを一対の加圧体によって挟み込んで加圧して、前記重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着する工程と、を有し、前記感圧接着剤組成物は、天然ゴム系材料を含む接着剤基剤と、シリカを含む接着力調節剤と、水溶性高分子とを含有し、前記感圧接着剤層を形成する工程において、前記感圧接着剤組成物の塗工量を1〜8g/m2とし、前記重ね合わせた基材シートを接着する工程において、前記一対の加圧体の加圧面の間隔を、前記重ね合わせた基材シートの厚さの66〜90%とする。
以下、本発明の実施形態により得られる再剥離性シートについて説明する。
実施形態の製造方法により得られる再剥離性シートは、重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着できる再剥離性シートであって、基材シートと、前記基材シートの少なくとも一方の面に設けられた感圧接着剤層とを有し、前記感圧接着剤組成物は、天然ゴム系材料を含む接着剤基剤と、シリカを含む接着力調節剤と、水溶性高分子とを含有し、前記感圧接着剤組成物の塗工量は1〜8g/m2である。
ここに示す再剥離性シート1は、基材シート11と、基材シート11の一方および他方の面である表面11a,11bに設けられた感圧接着剤層12,12とを備える。
再剥離性シート1は、感圧接着剤層12を介して、基材シート11の重ね合わせ面(表面11a,11b)同士を、再剥離可能に接着できるようになっている。
感圧接着剤層12の表面12aは、基材シート11の重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着するときの接着面となる。
例えば、図7に示す再剥離性シート1Aのように、感圧接着剤層12は、基材シート11の表面11aだけに設けられていてよい。
前記再剥離性シートは、一の再剥離性シートが折り畳まれて、基材シートの重ね合わせ面同士が接着されてもよいし、別々の再剥離性シート同士が、これらの基材シートの重ね合わせ面で、感圧接着剤層により接着されてもよい。
前記基材シートは、例えば紙を含む材質からなる。基材シートとしては、例えば、上質紙、原紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、レジンコート紙、合成紙等が挙げられ、特に、上質紙が好適である。上質紙であることによって、水性エマルジョンタイプの接着剤を塗布して感圧接着剤層を形成する際、当該接着剤の形成が良好であるとともに、インクジェット印刷を行なう際のインク吸収性が良好である。
基材シートの材質は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、その組み合わせおよび比率は、目的に応じて任意に選択できる。基材シートは、少なくとも感圧接着剤組成物の塗工面の材質が紙であるものが好ましい。
基材シートが複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材シートの厚さとなるようにするとよい。
前記感圧接着剤層は、前記基材シートの表面に、感圧接着剤層を構成する成分が配合された感圧接着剤組成物を塗工し、乾燥させることで形成できる。
感圧接着剤組成物は、疑似接着剤であれば特に限定されず、公知のものを使用できる。
感圧接着剤組成物は、接着剤基剤と、接着力調節剤と、水溶性高分子とが配合されている。
接着力調節剤は、接着剤基剤による接着力の発現を阻害して、感圧接着剤層の接着力を調節したり、接着力の高進性の抑制や耐ブロッキング性を向上させるための成分である。接着剤基剤および接着力調節剤は、感圧接着性を発現するための成分である。
前記接着剤基剤は、天然ゴム系材料を含む。前記天然ゴム系材料としては、例えば、天然ゴム、天然ゴムを変性させた変性ゴム等が挙げられる。
前記接着剤基剤は、有機溶媒を用いる有機溶媒系のもの、水を媒体とする水系のもの、紫外線等の放射線の照射で硬化する放射線硬化系のもの、加熱で硬化する加熱硬化系のもの等が挙げられる。
なお、本明細書において「接着剤基剤」とは、特に断りのない限り、前記天然ゴム等の固形のものを意味し、前記有機溶媒、水等の液状の媒体を含まないものとする。
前記接着剤基剤は、水系のものが好ましく、天然ゴム系水性エマルジョンタイプのものがより好ましい。水系の接着剤基剤を用いたエマルジョン等の組成物は、揮発性が低いため、塗布量の調節が容易であり、基材シートへの塗工適性がより高い。また、このような組成物は、媒体が水なので人体に無害であり、さらに引火性もなく、塗工工程や乾燥工程において、防爆設備等の特殊設備が不要である。
天然ゴムにメタクリル酸メチルをグラフト重合させて得られた変性ゴムで好ましいものとしては、例えば、天然ゴム100質量部に対して、メタクリル酸メチルを10〜40質量部グラフト重合させたものが挙げられる。
接着剤基剤(天然ゴム系材料)としては、天然ゴムとメタアクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを混合した天然ゴム系ラテックス、天然ゴムと保護コロイド系アクリル共重合エマルジョンとを混合した天然ゴム系ラテックスも使用可能である。
天然ゴム系材料の配合量の割合が前記範囲下限値以上であることで、シートを加圧して接着させる際の圧力が低くても十分な接着力が得られるため、接着力が大きくなり過ぎるのを防ぎ、再剥離性シートの再剥離性を良好にできる。また、感圧接着剤層に必要な接着力を確保することができるため、例えば再剥離性シートの搬送、仕分けなどの段階で重ね合わせ面が剥離するのを防ぐことができる。
ジエン系ゴム材料の配合量の割合が前記範囲下限値以上であることで、感圧接着剤層の強度を高め、耐摩耗性を向上させることができる。そのため、感圧接着剤層の一部がシール装置のロール等に付着するのを防ぐことができる。
なお、接着剤基剤における天然ゴム系材料の配合量の割合は100質量%でもよい。
前記接着力調節剤は、例えば、充填材、ワックス等であり、前記接着剤基剤との親和性が低いものが挙げられる。これらはいずれも、感圧接着剤層の接着力(感圧接着性)を調節したり、接着力の高進性の抑制や耐ブロッキング性を向上させる。
前記接着力調節剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせおよび比率は、目的に応じて適宜選択すればよい。
また、前記充填材は、粒子状(微粒子)であるものが好ましい。
シリカは非晶質シリカであることが好ましい。非晶質シリカは、粒子状(微粒子)であるものが好ましい。
乾式シリカは、例えば、四塩化ケイ素を酸素・水素炎中で燃焼させる燃焼法で得られる。湿式シリカは、例えば、ケイ酸ナトリウムを無機酸で中和する沈殿法若しくはゲル法、またはアルコキシシランを加水分解するゾルゲル法等で得られる。
前記非晶質シリカは湿式シリカであることが好ましい。
なお、本明細書において、「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、コールターカウンターを用いる方法で測定された、体積累積分布の中央値D50を意味する。
好ましい前記極性溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の鎖状または環状ケトン;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の鎖状または環状エーテル等が挙げられる。
前記溶媒(分散媒)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すればよい。
溶媒(分散媒)は、水または水を含む極性溶媒であることが好ましく、水であることがより好ましい。
このようにすることで、前記感圧接着剤層の構造を強化でき、また、多孔質性を有するシリカの表面には前記接着剤基剤が付着し易いため、感圧接着剤層の接着力(感圧接着性)および再剥離性を容易に調節できる。
シリカの前記配合量の割合が前記下限値以上であることで、感圧接着剤層でのインクの印刷濃度をより良好な範囲に調節でき、シリカの前記配合量の割合が前記上限値以下であることで、感圧接着剤層をより安定して形成できる。
接着力調節剤におけるシリカの配合量の割合は100質量%でもよい。
水溶性高分子は、前記感圧接着剤層の強度を向上させるものであり、バインダーとして機能する。水溶性高分子としては、完全ケン化型ポリビニルアルコール、部分ケン化型ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール;カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール;酸化デンプン;リン酸エステル化デンプン;ローコンス;カゼイン;カルボキシメチルセルロース(CMC)等が例示できる。
これらの中でも、印刷濃度の低下が少なく、耐オフセット性も良好である点から、ポリビニルアルコールが好ましい。以下、ポリビニルアルコールを「PVA」と略記することがある。
水溶性高分子の前記配合量の割合が前記下限値以上であることで、感圧接着剤層の強度を高めるとともに、シール装置のロール等に感圧接着剤層中の成分(例えばシリカ)が移行するのを抑制できる。水溶性高分子の前記配合量の割合が前記上限値以下であることで、感圧接着剤層の接着力の高進を抑制できる。
前記感圧接着剤組成物は、接着剤基剤、接着力調節剤および水溶性高分子以外に、これらに該当しないその他の成分が配合されていてもよい。
前記その他の成分は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、感圧接着剤分野で公知のものが挙げられ、好ましいものとしては、例えば、多価金属塩、界面活性剤、密着剤、アンチブロッキング剤、安定剤、溶媒、カチオンポリマー、酸化防止剤、消泡剤、防腐剤等が挙げられる。
前記その他の成分は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせおよび比率は、目的に応じて適宜選択すればよい。
好ましい多価金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化亜鉛、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム等が挙げられる。
これらの中でも、感圧接着剤層において、インクジェット印刷適性を向上させることができ、水への溶解度と安全性が高い点から、より好ましい前記多価金属塩としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウムが挙げられる。
アンチブロッキング剤は、これらの中でも、天然ゴムとの親和性がより小さく、より高いアンチブロッキング効果を実現できることから、デンプンであることが好ましい。
感圧接着剤組成物の調製時には、上記の接着剤基剤等の固形状の各配合成分は、水や有機溶媒等の液状媒体に溶解または分散させた状態で配合することがある。本発明においては、このような固形状の各配合成分を溶解または分散させるのに用いる液状媒体も溶媒に含める。
ただし、本発明の効果がより顕著に得られる点から、前記感圧接着剤組成物は、液状媒体以外の配合成分の総量(固形状の配合成分の総量)に対する、前記接着剤基剤および接着力調節剤の総配合量の割合が、60質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが特に好ましい。一方、前記総配合量の割合の上限値は、特に限定されず、100質量%であってもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子または撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサー、三本ロール、ニーダーまたはビーズミル等を使用して混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。そして、溶解していない成分が存在する場合には、この成分が均一に分散するまで撹拌することが好ましい。
また、配合時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、1分〜24時間であることが好ましい。
前記印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、ノズル式(インクジェット式)印刷法、スプレー式印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が挙げられる。
前記塗布法としては、例えば、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法等が挙げられる。
感圧接着剤組成物の固形分の塗工量が前記下限値以上であることで、感圧接着剤層に必要な接着力を確保することができる。そのため、例えば再剥離性シートの搬送、仕分けなどの段階で重ね合わせ面が剥離するのを防ぐことができる。
感圧接着剤組成物の固形分の塗工量が前記上限値以下であることで、感圧接着剤層の接着力の高進を抑制できる。
前記印刷層は、形状、色等を目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。例えば、印刷層は、文字のみで構成されていてもよいし、文字以外のパターンのみで構成されていてもよく、文字と文字以外のパターンとの組み合わせで構成されていてもよい。
印刷層が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい印刷層の厚さとなるようにするとよい。
インクジェットプリンタを用いて、再剥離性シートの表面に、黒色顔料インクを2cm×2cmのサイズでベタ印刷(単色印刷)し、0.1秒後に印刷部の表面でロールを転動させたときに、ロールに転写されるインクの濃度を転写汚れΔEとする。転写汚れΔEは、小さいほどインク吸収性が高くなる。転写汚れΔEは、例えば3.2以下が好ましい。
次に、前記再剥離性シートの製造方法について説明する。
前記再剥離性シートは、感圧接着剤層形成工程と、印刷層形成工程と、重ね合わせ工程と、接着工程とを有する製造方法で製造できる。
感圧接着剤層形成工程は、前記感圧接着剤層を形成するための感圧接着剤組成物を前記基材シートの表面に塗工して前記感圧接着剤層を形成する工程である。
印刷層形成工程は、感圧接着剤層の表面に印刷層を形成する工程である。
重ね合わせ工程は、前記感圧接着剤層が形成された前記基材シートを、前記重ね合わせ面同士が対向するように重ね合わせる工程である。
接着工程は、前記重ね合わせた基材シートを一対の加圧体によって挟み込んで加圧して、前記重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着する工程である。
感圧接着剤層形成工程は、先に説明したように、感圧接着剤組成物を基材シートの表面に塗工し、乾燥させることで、感圧接着剤層を形成する方法により行えばよい。
印刷層形成工程は、先に説明したように、印刷法を適用して印刷層を形成する方法により行えばよい。
再剥離性シートを、基材シートの重ね合わせ面同士が前記感圧接着剤層で接着された状態とするためには、例えば、再剥離性シートを所定の箇所で折り、感圧接着剤層同士を対向させる。
図6に示すように、このように構成された三つ折りハガキ21は、折り線3a、3bにおいてZ型に折り込んで、各区画の重ね合わせ面の感圧接着剤層6同士を対接させ、重ね合わせる。
図1は、本発明の一実施形態に係る再剥離性シートの製造方法を実施できる製造装置であるシール装置(ドライシーラー)を模式的に示す構成図である。図2は、シール装置の一部を拡大して示す構成図である。
ここに示すシール装置は、対向する一対の加圧ロール7,8(加圧体)を、ロール面7a,8a(加圧面)同士が非接触となるようにして備えている。加圧ロール7,8は、例えば金属製であり、回転軸が平行となるように並列配置されている。シール装置としては、例えば「プレッスルマルチ」(商品名、トッパンフォームズ社製)を好適に使用できる。
厚さT1に対する間隔C1の割合が前記下限値以上であることで、感圧接着剤層の接着力を適正範囲に抑制できる。厚さT1に対する間隔C1の割合が前記上限値以下であることで、感圧接着剤層に必要な接着力を確保することができ、例えば再剥離性シートの搬送、仕分けなどの段階で重ね合わせ面が剥離するのを防ぐことができる。
なお、シート10の厚さT1は、JIS P8118−1998に準拠して測定することができる。
これにより、シート10は、重ね合わせ面同士が、感圧接着剤層を介して再剥離可能に接着される。
その場合、前述のシートの厚さに対する加圧ロール間隔の割合に関する数値限定規定は、間隔が最も小さい加圧ロール(例えば搬送方向の最下流に位置する加圧ロール)に適用される。
シール装置は、加圧ロール間の間隔を調整できることが好ましい。これによって、再剥離性シートの厚さに応じて加圧ロール間の間隔を前記範囲に設定することができるため、多種の再剥離性シートに対応可能となる。
感圧接着剤層において水溶性高分子等のバインダーの配合量を多くすることによってシリカの定着性を高めればシリカの移行は軽減できるが、その場合、特に高温・高湿環境下において感圧接着剤層の接着力が高進し、重ね合わせ面が再剥離しにくくなることがあった。
接着力の高進は、水溶性高分子等のバインダーが基材シートに時間経過とともに徐々に浸み込むことによって、感圧接着剤層の表面において接着剤基剤(天然ゴム等)が表出しやすくなることが原因となっていると推測できる。
再剥離性シートを折り畳んで試験片とし、この試験片を、シール装置を用いて厚さ方向に加圧し、重ね合わせ面同士を接着する。
試験片を高温・高湿環境(温度40℃、湿度90%)で保管し、所定時間経過後に前記環境から取り出し、例えばJIS K6854(接着剤の剥離接着強さ試験方法)に準じて、剥離試験機(島津製作所社製「オートグラフAGSH」)を用いてT型剥離を行い、このときの接着力を測定する。
高進率は、初日の接着力に対する接着力の比として算出できる。例えば、翌日の高進率は、「翌日の接着力/初日の接着力」*100として算出できる。初日の接着力は、接着後、高温・高湿環境に置かずに測定した接着力である。
試験開始から24時間(1日)後の高進率は、200%以下(例えば100〜200%)が好ましい。
高進率が前記上限値以下であることで、再剥離性シートを高温・高湿環境下に長時間置いた場合でも、重ね合わせ面の再剥離が容易となる。
<再剥離性シートの製造>
(感圧接着剤組成物の製造)
表1に示すように、天然ゴムラテックス(39.5質量%)、スチレンブタジエンラテックス(SBR)(3.6質量%)、非晶質シリカ(東ソー・シリカ社製「E200」)(36.0質量%)、シラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA25−98R)(9.1質量%)、スターチ(デンプン)(5.6質量%)、安定剤(ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム)(1.5質量%)、多価金属塩(塩化カルシウム)(3.6質量%)、酸化防止剤(0.5質量%)、消泡剤(0.4質量%)、防腐剤(0.2質量%)を含む感圧接着剤組成物を製造した。
この感圧接着剤組成物において、天然ゴムラテックスとスチレンブタジエンラテックスとの配合量の割合は11:1である。
基材シート(日本製紙社製の耐水紙(坪量約110g/m2))の表面に、感圧接着剤組成物をエアナイフコーターで固形分の塗工量6.0g/mとなるように塗工し、150℃で乾燥させ、感圧接着剤層を形成し、図3に示すものと同様の再剥離性シートを得た。
再剥離性シートを、23℃、相対湿度50%の環境下に置いて12時間調湿した後、感圧接着剤層の表面同士が接触するようにこの再剥離性シートをZ字状に三つ折りして試験片とした。
再剥離性シートの折り畳む前の厚さは158.9μmであり、三つ折りした試験片の厚さは476.7μmであった。厚さ測定はJIS P8118−1998に準拠する方法によって行った。
この試験片を、図1および図2に示すロールシーラー(シール装置)で加圧し、シートの重ね合わせ面同士を接着した。ロールシーラーのロールギャップ(加圧ロール間の間隔)は、330μmとした。試験片の厚さに対するロールギャップの割合(以下、圧縮率という)は、69%である。
結果を表2および図8に示す。
インクジェットプリンタを用いて、再剥離性シートの表面に、黒色顔料インクを2cm×2cmのサイズでベタ印刷(単色印刷)し、0.1秒後に印刷部の表面でロールを転動させたときに、ロールに転写されるインクの濃度を転写汚れΔEとして算出した。転写汚れΔEは、数値が小さいほどインク吸収性が高いことを意味する。結果を図9に示す。
表1に示すように、感圧接着剤組成物の天然ゴムラテックスの配合量を36.0質量%とし、スチレンブタジエンラテックスの配合量を7.2質量%とすること以外は実施例1と同様にして再剥離性シートを製造した。
この感圧接着剤組成物において、天然ゴムラテックスとスチレンブタジエンラテックスとの配合量の割合は10:2である。
得られた再剥離性シートについて、実施例1に準じて評価を行った。ロールシーラーのロールギャップは350μmとした。圧縮率は73%である。結果を表2、図8および図9に示す。
表1に示すように、感圧接着剤組成物の天然ゴムラテックスの配合量を32.3質量%とし、スチレンブタジエンラテックスの配合量を10.8質量%とすること以外は実施例1と同様にして再剥離性シートを製造した。
この感圧接着剤組成物において、天然ゴムラテックスとスチレンブタジエンラテックスとの配合量の割合は9:3である。
得られた再剥離性シートについて、実施例1に準じて評価を行った。ロールシーラーのロールギャップは300μmとした。圧縮率は63%である。結果を表2、図8および図9に示す。
実施例1,2の再剥離性シートでは、初期接着力も十分に高かった。
また、図9に示すように、実施例1,2では、インク吸収性が比較例1と同程度に良好であることが確認された。
実施例1と同様に再剥離性シートを製造し、圧縮率95%で加圧し接着した場合には、重ね合わせ面同士の接着ができなかった。
Claims (2)
- 基材シートの表面に感圧接着剤層を備え、前記感圧接着剤層を介して前記基材シートの重ね合わせ面同士が再剥離可能に接着できる再剥離性シートの製造方法であって、
前記感圧接着剤層を形成するための感圧接着剤組成物を前記基材シートの表面に塗工して前記感圧接着剤層を形成する工程と、
前記感圧接着剤層が形成された前記基材シートを、前記重ね合わせ面同士が対向するように重ね合わせる工程と、
前記重ね合わせた基材シートを一対の加圧体によって挟み込んで加圧して、前記重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着する工程と、を有し、
前記感圧接着剤組成物は、天然ゴム系材料およびジエン系ゴム材料を含む接着剤基剤と、シリカを含む接着力調節剤と、水溶性高分子とを含有し、
前記天然ゴム系材料と前記ジエン系ゴム材料との配合量の割合(質量基準)は、11:1〜5:1であり、
前記水溶性高分子は、ポリビニルアルコールを含み、
前記感圧接着剤層を形成する工程において、前記感圧接着剤組成物の塗工量を1〜8g/m2とし、かつ、基材シートを重ね合わせた状態における前記基材シートの両面に相当する領域にそれぞれ前記感圧接着剤層を形成し、
前記重ね合わせた基材シートを接着する工程において、前記一対の加圧体の加圧面の間隔を、前記重ね合わせた基材シートの厚さの66〜90%とする、再剥離性シートの製造方法。 - 前記ポリビニルアルコールは、シラノール変性ポリビニルアルコールである、請求項1記載の再剥離性シートの製造方法。
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