JP6804236B2 - 茶殻によるガレート型カテキン類の低減方法 - Google Patents
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Description
特許文献13に記載のタンナーゼ処理では、没食子酸含量が増加して酸味が強くなるという欠点がある。特許文献14に記載の活性炭処理では、渋味成分以外にも多様な成分を吸着し、緑茶としての風味が損なわれるという欠点がある。特許文献15に記載の方法は、合成樹脂であるポリビニルピロリドン(PVPP)を使用することから、より安全に緑茶抽出液の渋味を低減する改善の余地があった。
本発明の緑茶抽出物の製造方法は、原料緑茶抽出物と茶殻を接触させる工程を含むことを特徴とする。
原料緑茶抽出物と茶殻を接触させることにより、茶殻を接触させる前と比較して、緑茶抽出物中のガレート型カテキン類が低減される。このため渋味が低減された緑茶抽出物を得ることができる。ガレート型カテキン類が低減される理由としては、上述したように茶殻にガレート型カテキン類が吸着されるためと推測される。本発明の製造方法によれば、人体や環境への安全性が高い茶殻を用いて、簡便な操作で緑茶抽出物の渋味を低減させることができる。また本発明は、廃棄物である茶殻を有効利用することができるという利点も有する。
本発明の緑茶抽出物の製造方法は、ガレート型カテキン類が低減された緑茶抽出物の製造方法ともいえる。本発明により得られる緑茶抽出物は、茶殻処理緑茶抽出物ということもできる。なお、原料緑茶抽出物と茶殻を接触させても、緑茶抽出物中のカフェインはあまり低減されない。
本発明における茶殻として、上記の茶殻が好ましい。このような茶殻を使用すると、緑茶抽出物中のガレート型カテキン類がより低減され、緑茶抽出物の渋味をより低減させることができる。
上記比率(A)/(B)が上記範囲であると、茶殻により緑茶抽出物中のガレート型カテキン類をより充分に低減させることができる。
本発明の製造方法で使用される茶殻は、緑茶の茶殻であることが好ましい。緑茶の茶殻を使用すると、緑茶本来の香味を損なわずに渋味を低減させることができる。このため得られる緑茶抽出物の香味が良好となる。
本発明の製造方法は、緑茶抽出物から茶殻を除去する工程を含むことが好ましい。
本発明の製造方法により製造される緑茶抽出物は、ガレート型カテキン類が低減されていることにより、渋味が少なく飲みやすいものである。
本発明の方法によれば、人体や環境に対して安全性が高い茶殻を用いて、簡便な操作で緑茶抽出物中のガレート型カテキン類量を低減することができる。また、緑茶抽出物の渋味を低減させることができる。
非ガレート型カテキン類とは、(−)−エピガロカテキン、(−)−ガロカテキン、(−)−エピカテキン及び(+)−カテキンの4種の非ガレート型カテキンの総称である。非ガレート型カテキン類の含量をいうときは、上記4種の合計量を指す。
さらに、カテキン類とは、ガレート型カテキン類及び非ガレート型カテキン類の8種を併せての総称である。カテキン類の含量は、ガレート型カテキン類及び非ガレート型カテキン類の8種の合計量である。
ガレート型カテキン類及び非ガレート型カテキン類の含量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、実施例に記載の方法によって測定される。
本発明の緑茶抽出物の製造方法は、原料緑茶抽出物と茶殻を接触させる工程を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法では、原料緑茶抽出物と茶殻を接触させることにより、該緑茶抽出物中のガレート型カテキン類が低減される。このため、簡便な操作で渋味が低減された緑茶抽出物を得ることができる。また茶殻は人体や環境に対して安全性が高いため、飲食品の製造に好適に使用される。後述するようにポリビニルピロリドンもガレート型カテキン類を吸着するが、茶殻の使用は、合成樹脂を使用するよりも安全性に優れることから好ましい。さらに、廃棄物である茶殻の使用は、資源の有効利用にもつながるため好ましい。
本発明において、原料緑茶抽出物とは、茶殻と接触させる緑茶抽出物をいう。
本発明で使用される原料緑茶抽出物としては、緑茶の茶葉の抽出物が挙げられる。例えば、緑茶の茶葉を水系溶媒で抽出することにより得られる緑茶抽出液をそのまま原料緑茶抽出物として使用することができる。抽出に使用される水系溶媒としては、水、アルコール水溶液(例えば、エタノール水溶液)等が挙げられ、好ましくは水である。抽出の際の温度は特に限定されず、適宜設定すればよい。また、緑茶抽出液を濃縮した濃縮物も原料緑茶抽出物として使用できる。緑茶抽出液の濃縮物とは、緑茶抽出液から溶媒の一部を除去し、カテキン類等の濃度を高めたものである。茶葉から抽出する代わりに、緑茶抽出液の濃縮物又は乾燥物を水に溶解又は希釈して原料緑茶抽出物として用いてもよい。さらに、茶葉からの抽出液と緑茶抽出液の濃縮物又は乾燥物とを併用してもよい。原料緑茶抽出物の形態としては、液体又はスラリー状が好ましく、より好ましくは液体である。
緑茶の茶葉としては、ツバキ科に属するチャノキ(学名:Camellia sinensis)の葉を原料として、収穫後に速やかに酵素失活させた後に乾燥させる工程によって製造される荒茶、仕上茶等の製茶された茶葉が好適に使用される。緑茶の茶葉として、より好ましくは仕上茶を使用する。本発明に用いることのできる茶葉は緑茶であればその品種、産地、栽培方法、茶期などは特に限定されない。
緑茶の茶葉は、煎茶の他、深蒸し茶、釜炒り茶、玉緑茶、手揉み茶、かぶせ茶、玉露、碾茶等のいずれでもよい。好ましくは煎茶及び碾茶である。
このようにして得られた緑茶抽出液は、そのままでも、濃縮等しても本発明における原料緑茶抽出物として使用できる。所望により、緑茶抽出液を冷却する工程、緑茶抽出液から細かな固形分を取り除く工程(例えば、濾過、遠心分離等)、緑茶抽出液に水や緑茶抽出物、酸化防止剤、pH調整剤等を添加する工程、緑茶抽出液を濃縮する工程、緑茶抽出液を殺菌する工程等の1又は2以上の工程を行ってもよい。ただし、これらの工程はあくまで一例であり、これに限定するものではなく、例えば、工程の順序も特に限定されない。また、さらに別工程を行ってもよい。
本発明で使用される茶殻は、チャノキの葉や茎又はそれらを加工して得られたものを原料(茶殻原料)とし、この茶殻原料を水系溶媒で抽出した後の固形分(抽出残渣)を意味する。好ましくは、茶葉を水系溶媒で抽出した抽出残渣(茶葉抽出残渣)である。茶殻原料としては、緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶の茶葉;茎茶が挙げられ、1種又は2種以上を使用することができ、好ましくは緑茶の茶葉である。緑茶の茶葉は特に限定されず、上述した緑茶の茶葉を使用することができ、好ましくは煎茶、碾茶の茶葉である。本発明の茶殻として、緑茶の茶葉を原料とする緑茶の茶殻が好ましい。緑茶の茶殻を使用すると、緑茶本来の香味を損なわずに緑茶抽出物の渋味を低減させることができる。
茶殻原料の形態は特に限定されず、リーフでもよく、ティーパックや粉末等であってもよい。
抽出後、茶抽出液から回収した茶殻は、そのまま本発明の製造方法で使用できる。所望により、茶殻を乾燥させて使用することもできる。茶殻を乾燥させる場合、茶殻の乾燥条件は特に限定されないが、圧搾した後40〜100℃で乾燥させることが好ましい。乾燥時間は、60〜300分が好ましい。
茶殻の水分量は、例えば、3〜6重量%が好ましい。水分量は、赤外線水分計により測定される。茶殻の形状は特に限定されず、所望により粉砕して使用してもよい。
本発明における抽出率は、茶殻の調製において、抽出した茶殻原料(茶殻の調製に使用した茶殻原料)の重量、該茶殻原料を抽出して得た茶抽出液の重量及び該茶抽出液のBrixから、以下の方法で算出される値である。
抽出率(%)=(茶抽出液の重量(g))×(茶抽出液のBrix(%))/(抽出した茶殻原料の重量(g))
茶抽出液のBrixは濃度計にて測定することができる。Brixは、20℃で測定した値を使用する。
茶殻原料を複数回抽出して得られた茶殻の抽出率は、抽出1回ごとに抽出率を算出し、それらの抽出率の合計として求める。
緑茶抽出物中のガレート型カテキン類を選択的に低減させる場合には、抽出率が20〜37%の茶殻が好ましく、抽出率が30〜36%の茶殻がより好ましく、抽出率31〜36%がさらに好ましい。
また、例えば緑茶抽出物中のガレート型カテキン類を選択的に低減させる場合には、茶殻のタンニン含量は乾燥重量中に4〜10重量%が好ましく、4〜7重量%がより好ましく、4〜6重量%がさらに好ましい。
例えば、緑茶抽出物中のガレート型カテキン類を低減させ、かつ非ガレート型カテキン類を増加させる場合は、茶殻のガレート型/非ガレート型の重量比は1.65〜3が好ましく、1.65〜2.5がより好ましい。
原料緑茶抽出物と茶殻を接触させる方法は特に限定されず、例えば、容器中で原料緑茶抽出物に茶殻を浸漬させる方法、茶殻をカラム等に充填して原料緑茶抽出物を通液させる方法等が挙げられる。中でも、容器中で原料緑茶抽出物に茶殻を浸漬させる方法が好ましい。原料緑茶抽出物と茶殻を接触させる工程は、1回行えばよいが、2回以上行ってもよい。
得られる緑茶抽出物には、所望によりL−アスコルビン酸又はその塩等の酸化防止剤、炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤を添加してもよい。また、緑茶抽出物から溶媒の一部を除去して濃縮することもできる。濃縮方法は特に限定されず、常圧濃縮、減圧濃縮、膜濃縮等を挙げることができる。緑茶抽出物又はこれを濃縮した濃縮物を水等で希釈することにより、緑茶飲料とすることができる。さらに、緑茶抽出物を乾燥させて乾燥物(粉末)として用いることもできる。
本発明の製造方法により得られる緑茶抽出物も、本発明に包含される。
本発明の製造方法により製造される緑茶抽出物を含む緑茶飲料(以下、本発明の緑茶飲料ともいう)も本発明に包含される。本発明の緑茶飲料の形態は特に限定されないが、容器詰めの緑茶飲料とすることが好ましい。
本発明の製造方法により製造される緑茶抽出物を含む容器詰め緑茶飲料も、本発明の1つである。
本発明の緑茶飲料は、上記製造方法により得られる緑茶抽出物を含むことにより、渋味が少なく飲みやすいものである。
緑茶飲料のBrixは、0.05〜2%が好ましい。
本発明は、原料緑茶抽出物と茶殻を接触させる工程を含む、緑茶抽出物中のガレート型カテキン類の低減方法も包含する。本発明は、原料緑茶抽出物と茶殻を接触させる工程を含む、緑茶抽出物の渋味の低減方法も包含する。
原料緑茶抽出物と茶殻を接触させる工程及びその好ましい態様等は、上述した緑茶抽出物の製造方法と同じである。原料緑茶抽出物及び茶殻についても、上述したものと同じである。本発明の緑茶抽出物中のガレート型カテキン類の低減方法及び緑茶抽出物の渋味の低減方法は、原料緑茶抽出物を調製する工程、茶殻を調製する工程、緑茶抽出物から茶殻を除去する工程等の1又は2以上の工程を有していてもよい。
Brixの測定には、デジタル示差濃度計(型式DD−7、ATAGO社製)を使用した。Brixは、20℃で測定した値を用いた。
茶殻及び茶葉の水分量の測定には、赤外線水分計(型式FD−800、kett社製)を使用した。
茶殻、茶葉及び緑茶抽出液に含まれるカテキン類及びカフェインの分析は、HPLC(高速液体クロマトグラフ)法により、以下の方法で行った。ガレート型カテキン類、非ガレート型カテキン類及びカフェインは、検量線法で測定した。
1.1 茶殻及び茶葉
茶殻及び茶葉に含まれるガレート型カテキン類、非ガレート型カテキン類及びカフェインは、10gの乾燥試料からエタノール100gで抽出したものを分析用試料とした。タンニンについては、10gの乾燥試料に熱水50〜60mLを加え、80℃以上恒温水槽中で30分加熱抽出したものを、100mLに定容し、分析用試料とした。
なお、乾燥試料は、後述する調製例で調製した乾燥茶葉及び乾燥茶殻である。
1.2 緑茶抽出液
緑茶抽出液を希釈することなくそのまま試料とした。
分析には、高速液体クロマトグラフ分析装置(システムコントローラ(CBM−20A)、PDA検出器(SPD−M20Avp)、ポンプ(LC−30AD)、デガッサー(DGU−20A5R)、カラムオーブン(CTO−20AC)、オートサンプラー(SIL−30AC)、すべて(株)島津製作所製)を使用した。
・カラム温度:40℃
・移動相:
A液:0.1%ギ酸水溶液
B液:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液
・グラジエント条件(体積%)
0min B液5%、19min B液20%、20min B液63%、25min B液63%、26min B液5%、36min B液5%
・流量:1.0mL/min
・試料注入量:10μL
・測定波長:280nm
・標準物質:(−)−エピガロカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、(−)−カテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、(−)−ガロカテキン、(−)−エピカテキン及び(+)−カテキン、カフェイン(いずれもナカライテスク社製)
ガレート型カテキン類の量は、(−)−エピガロカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート及び(−)−カテキンガレートの合計とした。
非ガレート型カテキン類の量は、(−)−エピガロカテキン、(−)−ガロカテキン、(−)−エピカテキン及び(+)−カテキンの合計とした。
タンニンの分析には、阿南ら 茶業研究報告 71(1990)43-74に記載の方法(酒石酸鉄比色定量法)を用いた。
分光光度計は、UV-1700((株)島津製作所製)を使用した。
(1)試薬
酒石酸鉄試薬:硫酸第一鉄(七水塩)100mgと酒石酸カリウム・ナトリウム500mgを水に溶かして100mLとした。
緩衝液:pH7.5のセーレンゼンの緩衝液:0.066Mリン酸水素二ナトリウム溶液と0.066Mリン酸二水素カリウム溶液を混合して、pH7.5に調整した。
標準溶液:100mL中に没食子酸エチルを5mg、10mg、15mg、20mg、25mg含む水溶液を調製した。
(2)操作
分析用試料5mLと酒石酸鉄試薬5mLを25mLのメスフラスコにとり、セーレンゼンのリン酸緩衝液で25mLに定容し、よく混合して発色させた。この発色液を対照液(分析用試料を水に置き換えて同様に処理したもの)に対して波長540nmの吸光度を測定した。
(3)計算
(2)の方法により、各標準溶液を5mLとり、発色させ吸光度を求めて検量線を作成した(検量線はその都度作成した)。この検量線を基に、測定した試料の吸光度から先ず没食子酸エチル相当量(Gmg/100mL)を求め、次の計算式でタンニン含量(重量%)を求めた。
タンニン(重量%)=G×1.5×100/W
W:100mL中の乾燥試料重量(mg)
乾燥茶葉を調製した。煎茶茶葉(日本茶販売株式会社製)50gに90℃のイオン交換水1500gを加え、ガラス棒で1分間撹拌して抽出した後、抽出液から茶葉を取り出した。取り出した茶葉を70℃にて180分間乾燥させ、乾燥茶葉を得た。この乾燥茶葉を、茶葉1とした。
<調製例1>
煎茶茶葉(日本茶販売株式会社製社製)50gに90℃のイオン交換水1500gを加え、ガラス棒で2分間撹拌して抽出した後、抽出液から茶殻を取り出した。取り出した茶殻を70℃にて180分間乾燥させ、乾燥茶殻を得た。この茶殻を、茶殻1とした。
調製例1において、撹拌時間を5分間とした以外は、同じ方法で乾燥茶殻を得た。この乾燥茶殻を、茶殻2とした。
煎茶茶葉(日本茶販売株式会社製社製)50gに90℃のイオン交換水1500gを加え、ガラス棒で5分間撹拌して抽出した後、抽出液から茶殻を取り出した。取り出した茶殻に、再び90℃のイオン交換水1500gを加え、同様の操作を行った(計2回抽出)。取り出した茶殻を70℃にて180分間乾燥させ、乾燥茶殻を得た。この乾燥茶殻を、茶殻3とした。
煎茶茶葉(日本茶販売株式会社製)50gに90℃のイオン交換水1500gを加え、ガラス棒で5分間撹拌して抽出した後、茶殻を取り出した。取り出した茶殻に、再び90℃のイオン交換水1500gを加え、同様の操作を2回繰り返し、計3回抽出を行った。取り出した茶殻を70℃にて180分間乾燥させ、乾燥茶殻を得た。この乾燥茶殻を、茶殻4とした。
煎茶茶葉(日本茶販売株式会社製)50gに90℃のイオン交換水1500gを加え、ガラス棒で5分間撹拌して抽出した後、抽出液から茶殻を取り出した。取り出した茶殻に、再び90℃のイオン交換水1500gを加え、同様の操作を4回繰り返し、計5回抽出を行った。取り出した茶殻を70℃にて180分間乾燥させ、乾燥茶殻を得た。この乾燥茶殻を、茶殻5とした。
抽出率は、茶殻の調製において、抽出した茶殻原料(煎茶茶葉)の重量、該茶殻原料を抽出して得た茶抽出液の重量及び該茶抽出液のBrixから、以下の方法で算出した。
抽出率(%)=(茶抽出液の重量(g))×(茶抽出液のBrix(%))/(抽出した茶殻原料の重量(g))
煎茶茶葉(日本茶販売株式会社製)10gに90℃に熱したイオン交換水1000gを加え、5分間温度を一定に保った後、500メッシュのふるいを通過させ、その抽出液を回収した。この液を室温まで冷却した後、清澄液を100mLずつ取り分け、試験用の緑茶抽出液(原料緑茶抽出液)とした。
試験用の緑茶抽出液に対し、茶殻1〜5をそれぞれ0.6重量%加え、30分後の緑茶抽出液の上澄みを採取し、抽出液1−1〜1−5(茶殻処理緑茶抽出液)とした。
なお、茶殻を添加した緑茶抽出液の温度は、25℃に保持した。
茶殻の代わりに、茶殻の調製に使用した茶葉(元茶葉)又は茶葉1を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較抽出液1−1〜1−2(元茶葉処理緑茶抽出液及び茶葉処理緑茶抽出液)を得た。
実施例1及び比較例1で得られた各抽出液中について、HPLCにて各成分(ガレート型カテキン類、非ガレート型カテキン類及びカフェイン)を定量した。
変化率(%)=100×(A1−A0)/A0
表3中の添加前とは、茶殻又は茶葉を添加する前の緑茶抽出液(試験用の緑茶抽出液)である。
図1は、茶殻又は茶葉添加による緑茶抽出液中の各成分の変化率(%)を示すグラフである。図1中の比較1−1〜1−2は、比較抽出液1−1〜1−2である。
試験用の緑茶抽出液に対し、茶殻5を0.075重量%、0.15重量%、0.3重量%、0.6重量%、1.2重量%、2.4重量%又は4.8重量%加え、30分後の緑茶抽出物の上澄みを採取し、茶殻処理緑茶抽出液とした。なお、茶殻を添加した緑茶抽出液の温度は、25℃に保持した。
各茶殻処理緑茶抽出液について、HPLCにて各成分(ガレート型カテキン類、非ガレート型カテキン類及びカフェイン)を定量した。結果を表4に示す。茶殻添加量が0は、茶殻添加前の緑茶抽出液(試験用の緑茶抽出液)である。図2は、茶殻の添加量(重量%)に対する緑茶抽出液中の各成分の変化率(%)を示すグラフである。
訓練された3名のパネルによって、実施例2の各茶殻処理緑茶抽出液について、渋味及び濃度感を、茶殻未処理抽出液(試験用の緑茶抽出液)と比較して次の基準で官能評価した。
7点:大変強く感じられる
6点:強く感じられる
5点:やや強く感じられる
4点:同程度
3点:やや弱く感じられる
2点:弱く感じられる
1点:大変弱く感じられる
茶殻添加量の増加にしたがって、渋味も低減した。その低減度合は濃度感の変化度合よりも大きく、味の濃さを保ちつつも渋味が抑えられ、結果として爽快な香味が際立つ茶殻処理緑茶抽出液が得られた。
試験用の緑茶抽出液に対し、茶殻5を0.6重量%加え、添加から3.45分、7.30分、15分、30分、60分、120分、240分後の緑茶抽出液の上澄みを採取して、茶殻処理緑茶抽出液とした。なお、茶殻を添加した緑茶抽出液の温度は、25℃に保持した。
各茶殻処理緑茶抽出液について、HPLCにて各成分(ガレート型カテキン類、非ガレート型カテキン類及びカフェイン)を定量した。結果を表5に示す。茶殻添加量が0は、茶殻添加前の緑茶抽出液(試験用の緑茶抽出液)である。図4は、茶殻の添加時間に対する緑茶抽出液中の各成分の変化率(%)を示すグラフである。
試験用の緑茶抽出液に対し、茶殻5を0.6重量%加え、30分後の緑茶抽出液の上澄みを採取し、抽出液4−1(茶殻処理緑茶抽出液)とした。
実施例4において、茶殻5の代わりにポリビニルポリピロリドン(PVPP)(商品名 ダイバガンF、BASF社製)を用いて試験を行った。
試験用の緑茶抽出液に対し、PVPPを0.03重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%加え、30分後の緑茶抽出液の上澄みを採取し、比較抽出液2−1〜2−5とした。
図5は、茶殻又はPVPP添加による各成分の変化率(%)を示すグラフである。図5中の比較2−1〜2−5は、比較抽出液2−1〜2−5である。
ガレート型カテキン類の変化率と非ガレート型カテキン類の変化率との比(非ガレート型カテキン類の変化率/ガレート型カテキン類の変化率)は、茶殻を添加した実施例4では0.38であるが、PVPPを添加した比較例2では、0.70〜0.80であった。PVPPを添加した比較例2では、茶殻を添加した実施例4と比較して、非ガレート型カテキン類がより低減された。
Claims (7)
- 原料緑茶抽出物と茶殻を接触させる工程を含み、前記茶殻は抽出率が22.6〜35.0%であり、タンニン含量が乾燥重量中に5.3〜9.0重量%であり、茶殻と接触させる原料緑茶抽出物の温度が0〜50℃であり、茶殻と接触させる前の原料緑茶抽出物と比較して、ガレート型カテキン類が低減された緑茶抽出物を得ることを特徴とする緑茶抽出物の製造方法。
- 原料緑茶抽出物と茶殻を接触させる工程における、茶殻の乾燥重量(A)と、原料緑茶抽出物中のガレート型カテキン類及び非ガレート型カテキン類の合計重量(B)との比率(A)/(B)が1〜100である、請求項1記載の製造方法。
- 原料緑茶抽出物と茶殻を接触させる工程の時間が1〜180分である、請求項1又は2記載の製造方法。
- 茶殻が、緑茶の茶殻である請求項1〜3のいずれか一項記載の製造方法。
- 緑茶抽出物から茶殻を除去する工程を含む請求項1〜4のいずれか一項記載の製造方法。
- 原料緑茶抽出物と茶殻を接触させる工程を含み、前記茶殻は抽出率が22.6〜35.0%であり、タンニン含量が乾燥重量中に5.3〜9.0重量%であり、茶殻と接触させる原料緑茶抽出物の温度が0〜50℃であり、茶殻と接触させる前の原料緑茶抽出物及び接触後の緑茶抽出物のガレート型カテキン類を定量することを特徴とする緑茶抽出物中のガレート型カテキン類の低減方法。
- 原料緑茶抽出物と茶殻を接触させる工程を含み、前記茶殻は抽出率が22.6〜35.0%であり、タンニン含量が乾燥重量中に5.3〜9.0重量%であり、茶殻と接触させる原料緑茶抽出物の温度が0〜50℃であり、茶殻と接触させる前の原料緑茶抽出物と比較して、ガレート型カテキン類が低減された緑茶抽出物を得ることを特徴とする緑茶抽出物の渋味低減方法。
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