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JP6824322B2 - 部材取付位置の確認方法 - Google Patents
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本発明は、溶接構造物における部材取付位置の確認方法に関する。
従来より、特に大型の溶接構造物の所定位置に設計通りに部材が取り付けられたかを確認するには、メジャーなどの測定器で実寸を測って確認を行っていた。
一方、例えば、特許文献1のように、評価対象物の三次元形状・位置品質の評価を行う三次元形状・位置品質評価方法が知られている。この方法では、データ入力工程と、特徴抽出工程と、品質評価工程とを有し、位置合わせが行われた座標変換後の計測データ及び評価対象物のCADデータから評価対象物に対して品質評価を行うようにしている。
特開2009−264956号公報
特許文献1のような方法は、小型の製品に対する品質評価について行われており、橋桁などの大型の溶接構造物の品質評価については評価対象とはしていない。
一方、大型溶接構造物についてメジャー等で測定する場合には、一人での測定は難しく、複数人で測定する必要がある上に、非常に時間が多くかかる。このため、工程内の限られた時間内で全てを照査することは現実的ではなく、もれが生じる可能性がある。
取付部材の取付位置がずれたまま本溶接されて製品が完成した後、現場で組み立てたときに取付部材が干渉するなどの不具合が発生すると、作業を止めて取付部材を取り付け直さないといけないという問題が発生する。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、少ない人数で簡単且つ確実に部品が正しい位置に取り付けられているかを確認できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、第1の発明では、溶接構造物における取付部材の取付位置を確認する部材取付位置の確認方法を対象とする。
そして、上記確認方法は、
溶接構造物の三次元設計形状を予め記憶装置に記憶させる設計形状記憶工程と、
上記取付部材が取り付けられた本溶接前の上記溶接構造物を載置する溶接構造物載置工程と、
上記溶接構造物の形状を撮像可能な位置に三次元形状計測器を配置する計測器配置工程と、
上記三次元形状計測器を用いて上記溶接構造物の形状を計測して送信する三次元形状計測工程と、
コンピュータによって上記三次元形状計測器で計測された三次元計測形状と、予め記憶された三次元設計形状とを比較し、上記取付部材の板厚方向における取付位置の相違の有無を抽出する相違点抽出工程と、
上記コンピュータによって相違点が抽出された取付部材を表示部に視覚的に明示する相違点明示工程と、
表示部に明示された相違点のうち、取付部材の取付位置を変更する必要があるか否かを判定する取付位置修正有無判断工程と、
取付位置の変更が必要と判断された取付部材を上記三次元設計形状と同一の正しい位置に取り付け直す取付位置修正実行工程とを含む構成とする。
上記の構成によると、大型の溶接構造物でも計測可能な三次元形状計測器を用いることで、一人でも溶接構造物の外形形状を容易に測定できる。そして、予め記憶した三次元設計形状と実測した三次元計測形状とを比較して明示することで、従来行われていた複数人でのメジャーで測定した測定の場合に比べ、少ない人数でより正確に迅速に取付位置を確認することができる。そして、取付位置が違っているときに取付位置を修正することで、そのまま後工程に進むのを防止することができる。なお、「本溶接」とは、取付部材の取付のための溶接(仮付け溶接、仮溶接、組立溶接ともいう)に対し、溶接強度など製品として必要な条件を満たすために行う溶接のことをいう。
第2の発明では、第1の発明において、
上記三次元設計形状は、上記取付部材の本溶接の前の自重による撓み及び溶接による縮み代を考慮した形状である。
最終的な完成後の製品形状は、溶接後の完成形状であり、取付部材の取付位置を確認するのは、本溶接する前の仮固定された状態であって、実際には、取付部材の自重や溶接時の縮みを考慮した形状にしないと、多くの部位で取付位置の相違点を検出してしまうことになる。しかし、上記の構成によると、三次元設計形状を取付部材の本溶接の前の自重による撓み及び溶接による縮み代を考慮した形状としているので、三次元計測形状と比較することで、より正確且つ確実に取付部材の取付位置の間違いを抽出することができる。
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記溶接構造物は、橋桁の一部を構成する鈑桁ブロックであり、
上記取付部材は、上記鈑桁ブロックに位置決めされた本溶接前の鋼板である。
鈑桁ブロックは、一般的に大型の溶接構造物であり、メジャー等による実測で取付部材の取付位置を確認するのは非常に困難且つ時間がかかるが、上記の構成によると、簡単且つ確実に取付部材の取付位置の間違いを抽出することができる。
第4の発明では、第3の発明において、
上記溶接構造物は、長さ10m以上の大型溶接構造物である。
特に10m以上の大型溶接構造物であると、溶接工程が終了した最終製品で現場に運ばれ、現場で組み立てられるので、取付位置の間違いがあると、作業を中断して取付位置の修正を行わなければならず、全体の作業工程に対する影響が大きいが、上記の構成によると、簡単且つ確実に取付部材の取付位置の間違いを抽出することができるので、現場での取付位置の修正が確実に防止される。
以上説明したように、本発明によれば、少ない人数で簡単且つ確実に部品が正しい位置に取り付けられているかを確認できるようにする。
本発明の実施形態に係る部材取付位置の確認方法を説明するための斜視図である。 鈑桁ブロックの一部を拡大して示す斜視図である。 (a)は、NC罫書き指示姿を示し、(b)は、正しい取付位置を示し、(c)は、間違った取付位置を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態の部材取付位置の確認方法を示し、この確認方法は、例えば、溶接構造物としての鈑桁ブロック1における取付部材としての鋼板(例えば垂直補剛材3と水平補剛材4)の取付位置を確認する方法である。
この鈑桁ブロック1は、長さ10m以上の大型溶接構造物であり、図2にも拡大して示すように、I型の鈑桁本体2に垂直補剛材3と水平補剛材4とが所定位置に溶接されている。以下の説明では、このうち垂直補剛材3又は水平補剛材4の取付位置の確認について説明するが、これに限定されない。
鈑桁ブロック1の製造工程は、(1)鈑桁本体2の組立、(2)鈑桁本体2の溶接、(3)垂直補剛材3と水平補剛材4の組立、(4)垂直補剛材3と水平補剛材4の溶接、(5)歪み矯正といった手順で行われる。
この確認方法は、(3)の垂直補剛材3と水平補剛材4の組立工程の後に行われる。(3)の垂直補剛材3と水平補剛材4の組立工程では、仮付け溶接のみが行われており、いわゆる本溶接は行われていない。
この取付位置の確認は、従来、複数人でメジャー等を用いて測定する必要がある上に、非常に時間が多くかかっていた。このため、工程内の限られた時間内で全てを照査することは現実的ではなく、実質的には取り付けの有無程度の確認は可能であったが、板厚程度の取付位置のズレを全ての取付部材について行うのは困難であった。
図3(a)に示すように、鈑桁本体2には、NCによって罫書き指示5が書き込まれている。本来は、図3(b)に示すように、山の頂点6側に垂直補剛材3や水平補剛材4が来るようにして、その外面が罫書き指示5に沿うように取り付けられる。取付は、点溶接などの仮付け溶接で行われる。しかし、取付は作業者が罫書き指示5を見ながら行うので、図3(b)に示すように、垂直補剛材3や水平補剛材4が取り付けられるべき側(山の頂点6側)と反対側に取り付けられることがある。
この状態をメジャー等による実測で見落とした場合、(4)の本溶接で垂直補剛材3や水平補剛材4を溶接し、そのままで出荷すると、現場で鈑桁ブロック1を組み立てるときに、垂直補剛材3や水平補剛材4の取付位置がその板厚分だけずれていると、組立できないことがある。
その場合、垂直補剛材3や水平補剛材4の溶接を全て取り除いて正しい位置につけ直さなければならない。
その間、現場での作業が中断され、工程が大幅に遅れてしまうという問題がある。
しかしながら本実施形態の確認方法では、まず、設計形状記憶工程において、鈑桁ブロック1の三次元設計形状を予めサーバ13に記憶しておく。このとき記憶される三次元設計形状は、垂直補剛材3や水平補剛材4等の本溶接の前で、且つ橋桁として組み立てる前の、鈑桁ブロック1の自重による撓み(キャンバー値)及び溶接による縮み代などの補正値を考慮した形状である。要するに鈑桁ブロック1は、最終的に橋桁として組み立てたときに鈑桁ブロック1と他の部品とが設計通りに組み立てられるように寸法が決められるが、鈑桁ブロック1の製作途中では、自重や後工程における溶接変形などによる変形が考えられる。このため、パソコン12等において、予めインストールしたソフトウエアを用い、最終製品形状の三次元CADデータに対し、上記補正値を考慮して予め演算して作成しておき、記憶装置としてのサーバ13やパソコン12に記憶しておく。
次いで、図1に示すように、鈑桁ブロック載置工程において、垂直補剛材3や水平補剛材4が取り付けられた鈑桁ブロック1を載置する。このとき、垂直補剛材3や水平補剛材4の取付位置がよく見える状態にして載置する。
次いで、計測器配置工程において、鈑桁ブロック1の形状を撮像可能な位置に三次元形状計測器を配置する。三次元形状計測器としては、例えば、全天球カメラ搭載の3Dレーザースキャナーが使用される。この3Dスキャナー10は、例えば水平360°、垂直300°で0.6m〜60m程度の範囲の三次元形状をレーザーを用いて計測できる。三次元形状計測器は、これに限定されないが、本実施形態のような大型の溶接構造物の計測が可能なように計測範囲の広いものを使用する。
次いで、三次元形状計測工程において、3Dスキャナー10を用いて鈑桁ブロック1の形状を計測する。場合によっては、複数の3Dスキャナー10で計測したり、別の位置に3Dスキャナーを置き直して計測してもよい。3Dスキャナー10で計測されたデータは、無線LANルーター11等を介してコンピュータとしてのパソコン12やタブレットに送信される。また、サーバ13に記憶してもよい。
次いで、相違点抽出工程において、3Dスキャナー10で計測された三次元計測形状と、予め記憶された三次元設計形状とを比較し、垂直補剛材3や水平補剛材4の板厚方向における取付位置の相違の有無を抽出する。具体的には、図3(b)に示したような板厚方向への取付位置のズレがないかを判定する。この判定には、パソコン12に予めインストールされたソフトウエア等を用いればよい。例えば、ソフトウエアによって誤差が所定値よりも大きい部分を抽出する。三次元設計形状における垂直補剛材3や水平補剛材4の板厚方向における取付位置と、計測された垂直補剛材3や水平補剛材4の板厚方向における取付位置とを比較する。
次いで、相違点明示工程において、パソコン12は、ソフトウエアによって、取付位置の誤差が所定値よりも大きい部位を赤色で視覚的に明示する。表示はパソコン12の表示部14で行ってもよいし、タブレットの画面で行ってもよい。
次いで、取付位置修正有無判断工程において、作業者は、表示部に明示された相違点のうち、垂直補剛材3や水平補剛材4の取付位置を変更する必要があるか否かを判定する。表示部14に表示された色分けされた部分を確認し、例えば、板厚方向の取り付け間違いが発生していると判断すれば、取付位置を変更する必要があると判断する。
場合によっては、ヘッドセットを含むVR装置で相違点を確認するようにしてもよい。そうすれば、取付位置が間違っている部位をVR装置を用いた仮想空間で容易に確認することができる。作業者は、この明示された相違点を確認し、取付位置が誤っていることを視覚的に把握する。例えば、取付位置が板厚分だけずれていると、垂直補剛材3や水平補剛材4の大部分が赤色等で明示され、取付位置の間違いを容易に見つけて修正が必要か否かを判断することができる。
次いで、取付位置修正実行工程において、取付位置の修正が必要と判断した垂直補剛材3や水平補剛材4の仮溶接を取り除き、三次元設計形状と同一の正しい位置に配置して仮溶接等によって取り付け直す。
次いで、後工程の(4)垂直補剛材3と水平補剛材4の溶接に進む。
このように、本実施形態では、大型の鈑桁ブロック1でも計測可能な3Dスキャナー10を用いることで、一人でも鈑桁ブロック1の外形形状を測定できる。そして、予め記憶した三次元設計形状と実測した三次元計測形状とを比較して明示することで、従来行われていた複数人でのメジャーで測定した測定の場合に比べ、少ない人数でより正確に迅速に取付位置を確認することができる。これにより、取付位置が違っているときに取付位置を修正することで、そのまま後工程に進むのを防止することができる。
また、最終的な完成後の製品形状は、溶接後の完成形状であり、垂直補剛材3や水平補剛材4の取付位置を確認するのは、本溶接する前の仮固定された状態であって、実際には、垂直補剛材3や水平補剛材4の自重や溶接時の縮みを考慮した形状にしないと、多くの部位で取付位置の相違点を検出することになる。しかし、本実施形態では、三次元設計形状を垂直補剛材3や水平補剛材4の本溶接の前の自重による撓み及び溶接による縮み代を考慮した形状としているので、三次元計測形状と比較することで、より正確且つ確実に垂直補剛材3や水平補剛材4の取付位置の間違いを抽出することができる。
本実施形態のように、溶接構造物が10m以上の大型鈑桁ブロック1であると、溶接工程が終了した最終製品で現場に運ばれ、現場で組み立てられるので、取付位置の間違いがあると、作業を中断して取付位置の修正を行わなければならず、全体の作業工程に対する影響が大きいが、本実施形態によると、簡単且つ確実に垂直補剛材3や水平補剛材4の取付位置の間違いを抽出することができるので、現場での取付位置の修正が確実に防止される。
したがって、本実施形態に係る部材取付位置の確認方法によると、少ない人数で簡単且つ確実に部品が正しい位置に取り付けられているかを確認できる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、溶接構造物として大型の鈑桁ブロック1について説明したが、これに限定されず、橋梁箱桁等の他の大型溶接構造物にも適用できる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
1 鈑桁ブロック
2 鈑桁本体
3 垂直補剛材(取付部材)
4 水平補剛材
5 罫書き指示
6 山の頂点
10 3Dスキャナー(三次元形状計測器)
11 無線LANルーター
12 パソコン(コンピュータ/記憶装置)
13 サーバ(記憶装置)
14 表示部

Claims (4)

  1. 溶接構造物における取付部材の取付位置を確認する部材取付位置の確認方法において、
    溶接構造物の三次元設計形状を予め記憶装置に記憶させる設計形状記憶工程と、
    上記取付部材が取り付けられた本溶接前の上記溶接構造物を載置する溶接構造物載置工程と、
    上記溶接構造物の形状を撮像可能な位置に三次元形状計測器を配置する計測器配置工程と、
    上記三次元形状計測器を用いて上記溶接構造物の形状を計測して送信する三次元形状計測工程と、
    コンピュータによって上記三次元形状計測器で計測された三次元計測形状と、予め記憶された三次元設計形状とを比較し、上記取付部材の板厚方向における取付位置の相違の有無を抽出する相違点抽出工程と、
    上記コンピュータによって相違点が抽出された取付部材を表示部に視覚的に明示する相違点明示工程と、
    表示部に明示された相違点のうち、取付部材の取付位置を変更する必要があるか否かを判定する取付位置修正有無判断工程と、
    取付位置の変更が必要と判断された取付部材を上記三次元設計形状と同一の正しい位置に取り付け直す取付位置修正実行工程とを含む
    ことを特徴とする部材取付位置の確認方法。
  2. 請求項1に記載の部材取付位置の確認方法において、
    上記三次元設計形状は、上記取付部材の本溶接の前の自重による撓み及び溶接による縮み代を考慮した形状である
    ことを特徴とする部材取付位置の確認方法。
  3. 請求項1又は2に記載の部材取付位置の確認方法において、
    上記溶接構造物は、橋桁の一部を構成する鈑桁ブロックであり、
    上記取付部材は、上記鈑桁ブロックに位置決めされた本溶接前の鋼板である
    ことを特徴とする部材取付位置の確認方法。
  4. 請求項3に記載の部材取付位置の確認方法において、
    上記溶接構造物は、長さ10m以上の大型溶接構造物である
    ことを特徴とする部材取付位置の確認方法。
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