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JP6834871B2 - 回転台 - Google Patents
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JP6834871B2 - 回転台 - Google Patents

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本明細書によって開示される技術は、長手状の車両用部品を回転させるための回転台に関する。
特許文献1には、振動枠の下面に配設されると共に回転軸に偏心ウエイトを取り付けた電動モータによる加振機構を備え、該加振機構により振動枠を介して被検査体を加振する加振装置が開示されている。そして、被検査体として、自動車のインストルメントパネルが例示されている。
特開平10−170389号公報
ところで、検査作業等の作業時において、車両用部品の取り扱いの便宜のために、車両用部品を回転させて作業するための回転台が用いられる場合がある。しかしながら、長手状の車両用部品を回転させる場合には、車両用部品が短手方向を前後方向に沿わせた姿勢において回転台の前方に立つ作業員は、車両用部品が回転して長手方向を前後方向に沿わせた姿勢になる過程で、車両用部品を避けて一歩下がり、再度、車両用部品が回転して短手方向を前後方向に沿わせた姿勢になる過程で、元の位置に戻る必要がある。つまり、車両用部品を一回転させる過程で、作業員には2回の後退及び前進動作が必要とされ、このような動作を削減して定位置での作業を可能とするための技術が求められている。
また、そのような回転台において、電子制御等の煩雑な制御を必要とせず、機械的な構成のみで動作可能な構成とすることへの要求がある。
本明細書によって開示される技術は、機械的な構成のみで動作可能とされ、作業員が定位置で作業することができる回転台を提供することを目的とする。
本明細書によって開示される回転台は、長手状の車両用部品を回転させるための回転台であって、基台と、前記基台に対して前後方向にスライド自在に設けられ、軸受部を有するスライド盤と、前記軸受部に支持される軸と、前記車両用部品が所定の向きで載置される載置部とを有し、前記軸を中心として回転することにより前記載置部に載置された前記車両用部品を回転可能に支持する回転盤と、前記回転盤の下面に形成された溝状をなし、前記載置部に載置された前記車両用部品の長手方向を長軸方向とする楕円の円周に沿って延びる楕円軌道部を有する環状のレール部と、前記基台から上方に向けて突出するとともに前記スライド盤の前方において前記レール部と嵌合する嵌合突部と、を備え、前記回転盤に前記軸を中心として回転するような動力を入力することにより、前記回転盤の回転に伴って前記嵌合突部に対して前記レール部が摺動し、前記レール部における前記嵌合突部が嵌合する位置と前記軸との間の距離に応じて前記スライド盤が前記基台に対して前後方向にスライドし、前記回転盤が前記スライド盤と連動して前後方向にスライドしつつ回転するように構成されている。
このような回転台によれば、回転盤に軸を中心として回転するような動力を入力することにより、機械的な構成のみを用いて、回転盤をスライドしつつ回転させることができる。そして、レール部の長軸を前後方向とする場合には、短軸を前後方向とする場合に比べて回転盤が後方にスライドすることにより、基台の前方に立つ作業員に対して車両用部品を後退させ、レール部の短軸を前後方向とする場合には、長軸を前後方向とする場合に比べて回転盤が前方にスライドすることにより、基台の前方に立つ作業員に対して車両用部品を近付けることができる。このため、車両用部品に対して作業を行う作業員が、長手状の車両用部品の姿勢によって後退及び前進動作をする必要がなく、定位置で作業を行うことができる。
上記構成において、前記車両用部品は、長手状の主面部と、前記主面部の長手方向両端部に立設された一対の側面部とを備え、前記回転盤は、前記レール部における前記楕円の長軸方向を前記主面部の長手方向に沿わせるようにして前記一対の側面部の間に配され、前記主面部を下方から支持するように構成され、前記レール部は、前記楕円の短軸部分において、前記楕円軌道部から迂回して前記楕円の円周より内側を通る迂回軌道部を更に有していてもよい。このような構成によれば、レール部が迂回軌道部を備えることにより、楕円軌道部のみを備える回転台に比べて、短軸部分で楕円の内側に変位した分だけ回転盤の前後方向への変位量を大きくすることができる。このため、回転盤が一対の側面部の間に配されることにより、車両用部品の長手寸法よりレール部の長軸寸法が小さくなる構成であっても、回転盤を十分に後方にスライドさせることができる。
上記構成において、前記回転盤の回転を規制するように構成された回転規制部を更に備え、前記回転規制部は、前記軸の軸周りに設けられたギヤと、前記ギヤとかみ合う歯を有し、前記スライド盤とともにスライドする歯止め部と、前記歯止め部を前後方向にスライド可能に支持する支持部と、前記支持部を前記ギヤに対して進退させることで前記歯止め部を操作して、前記歯が前記ギヤにかみ合う回転停止位置と、前記歯が前記ギヤから離脱した回転許容位置とに変更可能に構成されたレバー部と、を備えていてもよい。このような構成によれば、機械的な構成のみで、回転盤の回転を規制することができる。
上記構成において、前記レール部の内側に位置して前記回転盤の下面に形成された溝状をなし、前記楕円の長軸寸法より長軸寸法が短い楕円の円周に沿って延びる内側楕円軌道部を有する環状の内側レール部と、前記基台から上方に向けて突出するとともに前記スライド盤の前方において前記内側レール部と嵌合する内側嵌合突部と、を更に備え、前記嵌合突部は、前記基台に対して上下方向に変位可能とされ、上方に変位した位置で前記レール部と嵌合するように構成され、前記内側嵌合突部は、前記基台に対して上下方向に変位可能とされ、上方に変位した位置で前記内側レール部と嵌合するように構成され、前記嵌合突部と前記内側嵌合突部は、双方に対してそれぞれ回動可能に取り付けられた連結部材により互いに連結され、前記連結部材は、前記嵌合突部と前記内側嵌合突部の間に位置して前記基台に支持される支点を有しており、前記連結部材に対して前記支点を中心として上下に回動するような動力を入力することにより、前記嵌合突部と前記内側嵌合突部のいずれか一方を上方に変位させるとともに、他方を下方に変位させるように構成されていてもよい。このような構成によれば、機械的な構成のみで、嵌合突部をレール部に嵌合させる使用態様と、内側嵌合突部を内側レール部に嵌合させる使用態様とを変更することができる。この結果、いずれかの使用態様とするかを選択することにより、検査すべき車両用部品の長手寸法に応じて、回転盤の前後方向への変位量を設定することができる。
本明細書によって開示される技術によれば、機械的な構成のみで動作可能とされ、作業員が定位置で作業することができる回転台を提供することができる。
一実施形態に係る回転台を前方から視た正面図 回転台を右側方から視た側面図 回転盤の初期位置において、回転盤を上方から視た上面図 回転盤を90°回転させた位置において、回転盤を上方から視た上面図 基台とスライド盤と回転盤を示す断面図(図4のV―V線で切断した図) 回転規制部を示す模式図 レール部及び内側レール部を示す回転盤の下面図 (A)嵌合突部が上方に変位した状態を示す側面図(B)内側嵌合突部が上方に変位した状態を示す側面図 回転盤の変位量を説明する説明図
本発明の一実施形態を図1ないし図9によって説明する。本実施形態では、長手状の車両用部品を回転させるための回転台20として、バンパー11の外観検査作業をするための検査台を例示する。なお、各図において、回転台20の左右方向をX軸方向で表し、回転台20の前後方向をY軸方向で表し、鉛直方向をZ軸方向で表す。
バンパー11は、図1及び図2に示されるように、車幅方向に長い板状部材で構成されている。バンパー11は、長手状の主面部12と、主面部12の長手方向両端部に立設された一対の側面部13,14とを備えている。バンパー11は、全体としてはU字状の外観をなし、外周面が塗装面或いは未塗装の素地面とされ意匠面11Aを構成する。
回転台20は、図1及び図2に示されるように、基台30と、スライド盤40と、回転盤50と、環状のレール部60と、レール部60と嵌合する嵌合突部80と、を備える。また、本実施形態では、回転台20は、回転盤50の回転を規制するように構成された回転規制部90と、レール部60の内側に位置する環状の内側レール部70と、レール部60と嵌合する内側嵌合突部85と、を更に備える。なお、図1においては嵌合突部80及び内側嵌合突部85を省略し、図2においては回転規制部90を省略して描いている。
基台30は、図1及び図2に示されるように、水平な床面に設置された状態で、水平方向に沿って延在する天板31を有している。天板31の上面には、スライド盤40を基台30に対してスライド可能に保持する一対のリニアガイド33が設けられている。
リニアガイド33は、図5に示されるように、前後方向に平行して延びる直線状のガイド部34と、ガイド部34に沿ってスライド可能に取り付けられたブロック部35と、を備えて構成されている。ガイド部34は、天板31の上面に取り付けられるとともに、ブロック部35はスライド盤40の下面40Bに取り付けられている。リニアガイド33は、ブロック部35がガイド部34に沿ってスライドすることで、スライド盤40を前後方向に案内可能な構成となっている。
基台30は、図5に示されるように、天板31の高さを変更可能に構成されている。本実施形態では、基台30は、天板31の高さを変える機構として、脚部37を伸縮させる油圧シリンダからなる昇降機構37Aが設けられている。このような構成より、検査するバンパー11の側面部13,14の長さ寸法や作業者の身長等に応じて、天板31高さを適宜調節可能とされている。
スライド盤40は、図1及び図2に示されるように、基台30に対して前後方向にスライド自在に設けられ、軸受部41を有している。スライド盤40は、水平方向に沿って延在する方形状のボード状部材からなる。スライド盤40は、ブロック部35がガイド部34に沿って移動することで、天板31の上面に沿って前後にスライドする構成とされている(図5参照)。
軸受部41は、図5に示されるように、スライド盤40の中央部に配されている。軸受部41は、後述する軸51を回転可能に支持する構成とされている。軸受部41は、軸51との間にボール状の転動体41Aが介在するボール軸受とされる。
回転盤50は、図3及び図4に示されるように、軸受部41に支持される軸51と、バンパー11が所定の向きで載置される載置部53とを有している。そして、回転盤50は、軸51を中心として回転することにより載置部53に載置されたバンパー11を回転可能に支持する構成とされている。具体的には、回転盤50は、後述するレール部60の楕円軌道部64より一回り大きい形状を有するボード状部材からなる。軸51は、レール部60の中心において、回転盤50の下面50Bから突出するようにして設けられている(図5参照)。載置部53は、回転盤50の上面50Aに取り付けられた棒状部材により構成されている。載置部53の四隅には、棒状部材の端部が上方に向けて屈曲する形で、把持部54A,54B,54C,54Dが設けられている。このような構成により、作業者は、載置部53の四隅に位置する把持部54A〜54Dを順次に把持して、回転角度90°毎に回転盤50を回転操作することができる。
回転盤50は、図1に示されるように、長手方向(レール部60における楕円60Aの長軸方向)を主面部12の長手方向に沿わせるようにして一対の側面部13,14の間に配され、主面部12を下方から支持するように構成されている。言い換えれば、回転盤50は、バンパー11の主面部12の長手寸法より小さい長手寸法を有し、U字状のバンパー11の内面側からバンパー11を支持するようになっている。回転盤50は、載置部53の間に主面部12が架け渡されるとともに、載置部53から一対の側面部13,14が下方に延びる所定の向きでバンパー11を保持可能とされている。
回転規制部90は、図6に示されるように、軸51の軸周りに設けられたギヤ91と、ギヤ91とかみ合う歯93Aを有し、スライド盤40とともにスライドする歯止め部93と、歯止め部93を前後方向にスライド可能に支持する支持部95と、支持部95をギヤ91に対して進退させることで歯止め部93を操作して、歯93Aがギヤ91にかみ合う回転停止位置と、歯93Aがギヤ91から離脱した回転許容位置とに変更可能に構成されたレバー部97と、を備えている。支持部95は、前後方向に沿って延びる棒状をなし、歯止め部93を前後に貫通する貫通孔93Bに挿通され、基台30に対して左右方向に揺動可能となっている。支持部95は、コイルばねからなる付勢部材93Cによりギヤ91に向けて、つまり回転規制位置に向けて付勢されている。レバー部97は、支持部95の前端部に設けられ、支持部95を左右に揺動させる操作を行うように構成され、回転許容位置においてロック可能となっている。
レール部60は、図7及び図8に示されるように、回転盤50の下面50Bに形成された溝状をなす。レール部60は、嵌合突部80に対して摺動可能なクリアランスを有する幅寸法とされ、嵌合突部80と嵌合する位置において、底面の前端から側壁61が立ち上がるとともに後端から側壁62が立ち上がる構成となっている。レール部60は、側壁61又は側壁62が嵌合突部80に対して摺動することで、回転盤50に嵌合突部80に対して前方又は後方に向かう力を作用させる構成とされる。
レール部60は、図7に示されるように、載置部53に載置されたバンパー11の長手方向を長軸方向とする楕円60Aの円周に沿って延びる楕円軌道部64を有する。なお、本願において、「楕円」とは、平面上で二定点からの距離の和が一定であるような点の軌跡や、そのような軌跡に類似した形状(例えば、同じ径の半円同士を直線で接続したような長円(小判形)、角丸長方形状等)をなし、長軸と短軸を有するものをいう。図7においては、長円からなる楕円60Aの円周を一点鎖線で示している。本実施形態では、レール部60は、楕円60Aの短軸部分において、楕円軌道部64から迂回して、楕円60Aの円周より内側を通る迂回軌道部66を更に有する。迂回軌道部66は、楕円軌道部64から緩やかに湾曲して、短軸部分が楕円60Aの内側に張り出した形状をなす。このようなレール部60の軌道は、回転盤50の回転角度と、回転盤50のスライド変位量と、回転盤50のスライド速度とを適宜設定することで決定することができる。本実施形態では、楕円軌道部64は半円の円弧と、その円弧から回転盤50の長手方向に沿って延びる直線で構成され、迂回軌道部66は楕円軌道部64から回転盤50の中心に向かって張り出す山型の曲線で構成されている。
内側レール部70は、図7に示されるように、回転盤50の下面50Bに形成された溝状をなし、楕円60Aの長軸寸法より長軸寸法が短い楕円70Aの円周に沿って延びる内側楕円軌道部74を有する。内側レール部70は、レール部60を縮小するとともに、楕円軌道部64の直線状部分を更に短くしたような形状をなしている。つまり、内側レール部70は直線状部分の長さ寸法を適宜設定することで、スライド盤40のスライド寸法を適宜設定可能とされている。また、内側レール部70は、レール部60の迂回軌道部66沿って延びる内側迂回軌道部76を更に有している。内側レール部70のその他の構成はレール部60と同様であり、その説明を省略する。
嵌合突部80は、図2及び図8(A)に示されるように、基台30から上方に向けて突出するとともにスライド盤40の前方においてレール部60と嵌合するように構成されている。本実施形態では、嵌合突部80は、基台30に対して上下方向に変位可能とされ、上方に変位した位置でレール部60と嵌合するように構成されている。嵌合突部80は、鉛直方向に沿って延びる円柱状部材で構成され、天板31に貫通形成された貫通孔に挿通されるとともに、天板31に取り付けられた支柱32に対して取り付けられている。
内側嵌合突部85は、図2及び図8(B)に示されるように、基台30から上方に向けて突出するとともにスライド盤40の前方において内側レール部70と嵌合するように構成されている。本実施形態では、内側嵌合突部85は、基台30に対して上下方向に変位可能とされ、上方に変位した位置で内側レール部70と嵌合するように構成されている。内側嵌合突部85の構成は、嵌合突部80と同様であり、その説明を省略する。
嵌合突部80と内側嵌合突部85は、図8(A)及び図8(B)に示されるように、双方に対してそれぞれ回動可能に取り付けられた連結部材87により互いに連結されている。連結部材87は、嵌合突部80と内側嵌合突部85の間に位置して基台30に支持される支点87Aを有している。具体的には、連結部材87は、前後方向に沿って延びる姿勢で配される棒状部材とされる。そして、連結部材87は、中央部に位置する支点87Aおいて支柱32に支持されるとともに、支点87Aより前方において嵌合突部80と係合し、支点87Aより後方において内側嵌合突部85と係合する。連結部材87の前端部には、連結部材87を回動操作するための取っ手89が設けられている。そして、連結部材87に対して支点87Aを中心として上下に回動するような動力を入力することにより、嵌合突部80と内側嵌合突部85のいずれか一方を上方に変位させるとともに、他方を下方に変位させるように構成されている。上方に変位した嵌合突部80又は内側嵌合突部85は、支柱32と連結部材87との間に介在して、両者を近付けるような弾性力を生じている弾性部材87Aによりその上方に向けて付勢される。
回転台20は、図9に示されるように、回転盤50に軸51を中心として回転するような動力を入力することにより、回転盤50の回転に伴って嵌合突部80に対してレール部60が摺動し、レール部60における嵌合突部80が嵌合する位置と軸51との間の距離に応じてスライド盤40が基台30に対して前後方向にスライドし、回転盤50がスライド盤40と連動して前後方向にスライドしつつ回転するように構成されている。また、回転台20は、回転盤50に軸51を中心として回転するような動力を入力することにより、回転盤50の回転に伴って内側嵌合突部85に対して内側レール部70が摺動し、内側レール部70における内側嵌合突部85が嵌合する位置と軸51との間の距離に応じてスライド盤40が基台30に対して前後方向にスライドし、回転盤50がスライド盤40と連動して前後方向にスライドしつつ回転するように構成されている。なお、内側嵌合突部85が内側レール部70に嵌合する回転盤50の回転態様は、嵌合突部80がレール部60に嵌合する場合に比べて、回転盤50の変位量が小さいもののその他の態様は同様であり、その説明を省略する。
回転盤50のスライド変位量について図9を用いて説明する。図9(A)に示されるように、回転盤50の短手方向(レール部60の短軸方向)を前後方向に沿わせた姿勢を回転盤50の回転角度0°とし、この姿勢でレール部60の短軸部分に嵌合突部80が嵌合した状態の回転盤50の位置を初期位置とする。そして、回転盤50の回転角度0°及び180°において、嵌合突部80が嵌合する短軸部分と軸51との間の距離をLminとし、回転盤50の回転角度90°及び270°において、嵌合突部80が嵌合する長軸部分と軸との間の距離をLmaxとする(Lmax>Lmin)。また、図9(B)に示されるように、回転盤50の回転角度θ(0°≦θ≦360°)において、レール部60における嵌合突部80が嵌合する位置と軸51との間の距離をLθとする。すると、回転盤50の回転角度θにおいて、回転盤50の初期位置からの変位量Dθは距離Lθと距離Lminとの差分として表現することができ(Dθ=Lθ−Lmin)、回転盤50は回転に伴って初期位置からDθだけ後方に移動した位置に変位する。また、図9(C)に示されるように、回転盤50は回転角度90°及び270°において、初期位置から最も後方に後退し、その変位量DmaxはLmaxとLminとの差分として表現することができる(Dmax=Lmax−Lmin)。本実施形態では、変位量Dmaxは、概ねバンパー11の長手寸法と短手寸法の差分の1/2よりやや小さい程度に設定されており、回転盤50の回転角度90°及び270°におけるバンパー11の長手方向における端部の位置が、仮に回転盤50が後方にスライド移動しない場合に比べて、変位量Dmaxだけ後方に後退することにより、バンパー11が基台30の前方に立つ作業者と干渉しないようになっている。
続いて、回転台20を用いて、バンパー11の検査をする態様について、図3及び図4を参照しつつ説明する。まず、作業者は、回転盤50の回転角度を0°とし、嵌合突部80をレール部60の短軸部分に嵌合させる。この際、リニアガイド33は、ブロック部35がガイド部34の前端部に配され、回転盤50は初期位置に位置する。そして、作業者は、回転規制部90のレバー部97を操作して、歯止め部93を回転規制位置とし、回転盤50の回転移動を規制する。すると、回転盤50のスライド移動も規制され、バンパー11を安全に回転盤50に載置することができる。バンパー11は、正面を上方に向け、左側面13を基台30の右側に向けるとともに右側面14を基台30の左側に向け、下面を前方に向けるとともに上面を後方に向けた所定の向き(前向き姿勢と呼ぶ)で、回転盤50の載置部53に載置される。その後、作業者は、基台30の前方に立ち、回転規制部90のレバー部97を操作して、歯止め部93を回転許容位置に変更し、レバー部97をロックする。
続いて、作業者は、自身の左手前側に位置する載置部53の把持部54Aを把持して、これを右手前側に移動する。すると、回転盤50が90°回転し、バンパー11が前向き姿勢から下面を右側に向けた右向き姿勢となる(0°≦θ≦90°)。この過程で、作業者は、バンパー11の右下部分の外観を検査する。回転盤50が0°〜90°回転する過程において、回転角度0°〜45°付近までは、嵌合突部80がレール部60の迂回軌道部66に沿って摺動し、回転角度45°〜90°までは楕円軌道部64に沿って摺動する。この過程で、レール部60の後方に位置する側壁62の位置が嵌合突部80の後面の位置に規定されることで、嵌合突部80から回転盤50に対して後方に向かう力が作用する。回転盤50に作用する力は軸51及び軸受部41を介してスライド盤40に伝達され、スライド盤40がリニアガイド33の案内する方向に沿って後方に向けてスライドする。回転盤50が回転角度90°に至ると、リニアガイド33は、ブロック部35がガイド部34の後端部に配され、スライド盤40はスライド方向における最も後方に後退した位置に至る。回転盤50はスライド盤40と連動して後方に向けてスライドし、初期位置から最も後方に後退する(図4参照)。この際、作業者は、バンパー11を避けて自身の背面側(基台30の前方)に一歩下がる必要がなく、同じ立ち位置で検査を継続することができる。
作業者は、バンパー11の右向き姿勢または左向き姿勢(図4に示す回転盤50の回転角度90°又は270°とされる姿勢)において、透かし見検査を行う。透かし見検査では、例えば、バンパー11の手前側を載置部53から持ち上げて、検査室に設置された光源に対する意匠面11Aの角度を適宜変更しつつ、意匠面11Aの不具合をスキャニングする。
続いて、作業者は、自身の左手前側の載置部53の把持部54Bを把持して、これを右手前側に移動する。すると、回転盤50はさらに90°回転し、バンパー11が右向き姿勢から下面を後方に向けた後向き姿勢となる(90°≦θ≦180°)。この過程で、作業者は、バンパー11の右上部分の外観を検査する。回転盤50が回転する過程において、回転角度90°〜135°付近までは、嵌合突部80がレール部60の楕円軌道部64に沿って摺動し、回転角度135°〜180°までは迂回軌道部66に沿って摺動する。この過程で、レール部60の前方に位置する側壁61の位置が嵌合突部80の前面の位置に規定されることで、嵌合突部80から回転盤50に対して前方に向かう力が作用する。回転盤50に作用する力は軸51及び軸受部41を介してスライド盤40に伝達され、スライド盤40がリニアガイド33の案内する方向に沿って前方に向けてスライドする。回転盤50が回転角度180°に至ると、リニアガイド33は、ブロック部35が再度ガイド部34の前端部に配され、スライド盤40はスライド方向における最も前方に進行した位置に至る。回転盤50はスライド盤40と連動して前方に向けてスライドし、初期位置に復帰する。この過程で、作業者は、バンパー11に近づくように自身の正面側(基台30の後方)に一歩進む必要がなく、引き続き同じ立ち位置で検査を継続することができる。
続いて、作業者は、自身の左手前側の載置部53の把持部54Cを把持して、これを右手前側に移動し、バンパー11の左上部分の外観を検査する(180°≦θ≦270°)。さらに、自身の左手前側の載置部53の把持部54Dを把持して、これを右手前側に移動し、バンパー11の左下部分の外観を検査する(270°≦θ≦360°)。この際、回転盤50の回転角度180°から270°における回転台20の動作態様は、回転盤50の回転角度0°から90°における回転台20の動作態様と同様であり、また、回転盤50の回転角度270°から360°における回転台20の動作態様は、回転盤50の回転角度90°から180°における回転台20の動作態様と同様であり、これらの説明を省略する。以上の態様により、バンパー11の全域に亘る外観検査が完了する。
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態の回転台20によれば、回転盤50に軸51を中心として回転するような動力を入力することにより、機械的な構成のみを用いて、回転盤50をスライドしつつ回転させることができる。そして、レール部60の長軸を前後方向とする場合には、短軸を前後方向とする場合に比べて回転盤50が後方にスライドすることにより、基台30の前方に立つ作業員に対してバンパー11を後退させ、レール部60の短軸を前後方向とする場合には、長軸を前後方向とする場合に比べて回転盤50が前方にスライドすることにより、基台30の前方に立つ作業員に対してバンパー11を近付けることができる。このため、バンパー11に対して作業を行う作業員が、長手状のバンパー11の姿勢によって後退及び前進動作をする必要がなく、定位置で作業を行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、作業員が検査時に移動する必要がないため、透かし見検査を行う際に、検査開始位置や検査角度のずれが生じ難く、検査精度を向上することができる。具体的には、仮に、回転盤が前後方向にスライドしない回転台では、作業員は、基台に対して後退及び前進動作をする必要があるが、このような動作は、作業員の身長や個人差によって、作業位置のばらつきの要因となる。一方、本実施形態では、そのような作業位置のばらつきの要因となる動作をなくし、作業員の立ち位置にばらつきが生じることを抑制することができ、透かし見検査を行う際の検査開始位置や検査角度のずれを低減することができる。
また、本実施形態では、レール部60は、楕円60Aの短軸部分において迂回軌道部66を有している。このため、レール部60が迂回軌道部66を備えることにより、楕円軌道部64のみを備える回転台に比べて、短軸部分で楕円60Aの内側に変位した分だけ回転盤50の前後方向への変位量を大きくすることができる。このため、回転盤50が一対の側面部13,14の間に配されることにより、バンパー11の長手寸法よりレール部60の長軸寸法が小さくなる構成であっても、バンパー11を十分に後方にスライドさせることができる。
また、本実施形態では、回転規制部90は、ギヤ91と、スライド盤40とともにスライドする歯止め部93と、歯止め部93を前後方向にスライド可能に支持する支持部95と、支持部95をギヤ91に対して進退させることで歯止め部93を操作するレバー部97と、を備えている。このため、機械的な構成のみで、回転盤50の回転を規制することができる。
また、本実施形態では、連結部材87に対して支点87Aを中心として上下に回動するような動力を入力することにより、嵌合突部80と内側嵌合突部85のいずれか一方を上方に変位させるとともに、他方を下方に変位させるように構成されている。このため、機械的な構成のみで、嵌合突部80をレール部60に嵌合させる使用態様と、内側嵌合突部85を内側レール部70に嵌合させる使用態様とを変更することができる。この結果、いずれかの使用態様とするかを選択することにより、検査すべき車両用部品(バンパー11等)の長手寸法に応じて、回転盤50の前後方向への変位量を設定することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、回転台として、検査作業に用いられるものを例示したが、回転台はそれ以外の作業に用いられるものであってもよい。例えば、回転台は、長手状の車両用部品を回転させ、周方向に沿って部品を取り付ける取付作業に用いられるものであってもよい。
(2)上記実施形態以外にも、レール部の形状、配置、構成は適宜変更可能である。例えば、レール部は迂回軌道部を有していなくてもよい。
(3)上記実施形態では、内側レール部を備える構成を例示したが、これに限られない。例えば、回転台は、内側レール部を備えなくてもよく、また、レール部、内側レール部とは別の第3のレール部を更に備えていてもよい。
(4)上記実施形態では、検査対象の車両用部品として、バンパーを例示したが、回転台は、インストルメントパネル等の他の長手状の車両用部品の検査作業やその他の作業に用いるものであってもよい。また、検査内容も、上述のような外観検査に限られず、適宜変更可能である。
11…バンパー(車両用部品)、12…主面部、13,14…側面部、20…回転台、30…基台、40…スライド盤、41…軸受部、50…回転盤、50B…下面、51…軸、53…載置部、60…レール部、60A…楕円、64…楕円軌道部、66…迂回軌道部、70…内側レール部、70A…楕円、74…内側楕円軌道部、80…嵌合突部、85…内側嵌合突部、87…連結部材、87A…支点、90…回転規制部、91…ギヤ、93…歯止め部、93A…歯、95…支持部、97…レバー部

Claims (4)

  1. 長手状の車両用部品を回転させるための回転台であって、
    基台と、
    前記基台に対して前後方向にスライド自在に設けられ、軸受部を有するスライド盤と、
    前記軸受部に支持される軸と、前記車両用部品が所定の向きで載置される載置部とを有し、前記軸を中心として回転することにより前記載置部に載置された前記車両用部品を回転可能に支持する回転盤と、
    前記回転盤の下面に形成された溝状をなし、前記載置部に載置された前記車両用部品の長手方向を長軸方向とする楕円の円周に沿って延びる楕円軌道部を有する環状のレール部と、
    前記基台から上方に向けて突出するとともに前記スライド盤の前方において前記レール部と嵌合する嵌合突部と、を備え、
    前記回転盤に前記軸を中心として回転するような動力を入力することにより、前記回転盤の回転に伴って前記嵌合突部に対して前記レール部が摺動し、
    前記レール部における前記嵌合突部が嵌合する位置と前記軸との間の距離に応じて前記スライド盤が前記基台に対して前後方向にスライドし、
    前記回転盤が前記スライド盤と連動して前後方向にスライドしつつ回転するように構成された回転台。
  2. 前記車両用部品は、長手状の主面部と、前記主面部の長手方向両端部に立設された一対の側面部とを備え、
    前記回転盤は、前記レール部における前記楕円の長軸方向を前記主面部の長手方向に沿わせるようにして前記一対の側面部の間に配され、前記主面部を下方から支持するように構成され、
    前記レール部は、前記楕円の短軸部分において、前記楕円軌道部から迂回して前記楕円の円周より内側を通る迂回軌道部を更に有する請求項1に記載の回転台。
  3. 前記回転盤の回転を規制するように構成された回転規制部を更に備え、
    前記回転規制部は、
    前記軸の軸周りに設けられたギヤと、
    前記ギヤとかみ合う歯を有し、前記スライド盤とともにスライドする歯止め部と、
    前記歯止め部を前後方向にスライド可能に支持する支持部と、
    前記支持部を前記ギヤに対して進退させることで前記歯止め部を操作して、前記歯が前記ギヤにかみ合う回転停止位置と、前記歯が前記ギヤから離脱した回転許容位置とに変更可能に構成されたレバー部と、を備える請求項1または請求項2に記載の回転台。
  4. 前記レール部の内側に位置して前記回転盤の下面に形成された溝状をなし、前記楕円の長軸寸法より長軸寸法が短い楕円の円周に沿って延びる内側楕円軌道部を有する環状の内側レール部と、
    前記基台から上方に向けて突出するとともに前記スライド盤の前方において前記内側レール部と嵌合する内側嵌合突部と、を更に備え、
    前記嵌合突部は、前記基台に対して上下方向に変位可能とされ、上方に変位した位置で前記レール部と嵌合するように構成され、
    前記内側嵌合突部は、前記基台に対して上下方向に変位可能とされ、上方に変位した位置で前記内側レール部と嵌合するように構成され、
    前記嵌合突部と前記内側嵌合突部は、双方に対してそれぞれ回動可能に取り付けられた連結部材により互いに連結され、
    前記連結部材は、前記嵌合突部と前記内側嵌合突部の間に位置して前記基台に支持される支点を有しており、
    前記連結部材に対して前記支点を中心として上下に回動するような動力を入力することにより、前記嵌合突部と前記内側嵌合突部のいずれか一方を上方に変位させるとともに、他方を下方に変位させるように構成された請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転台。
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