JP6838508B2 - 真空浸炭用鋼及び浸炭部品 - Google Patents
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fn1=Si−Cr (1)
fn2=Si−0.8×Mn (2)
ここで、式(1)及び式(2)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
fn1=Si−Cr (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
低サイクル疲労強度を高めるには、上述のとおり、浸炭部品の芯部の硬さも高める必要がある。具体的には、浸炭部品において、芯部のビッカース硬さがHV260以上であれば、低サイクル疲労強度が高くなる。そこで、本発明者らは、芯部の硬さについて検討した。その結果、上記化学組成を有する真空浸炭用鋼において、式(2)で定義されるfn2が0.50以下であれば、真空浸炭処理後の浸炭部品において、芯部硬さをHV260以上にできることを見出した。
fn2=Si−0.8×Mn (2)
ここで、式(2)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
fn1=Si−Cr (1)
fn2=Si−0.8×Mn (2)
ここで、式(1)及び式(2)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本実施形態による真空浸炭用鋼は、真空浸炭処理に適した鋼である。真空浸炭用鋼の化学組成は次の元素を含有する。以下、元素の含有量に関する「%」は、質量%を意味する。
炭素(C)は、浸炭部品の芯部硬度を高め、低サイクル曲げ疲労強度を高める。C含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、C含有量が高すぎれば、芯部硬度が高くなりすぎる。この場合、靭性が低下するだけでなく、焼割れが発生しやすくなる。焼割れが発生すると、低サイクル曲げ疲労強度が低くなる。したがって、C含有量は0.10〜0.30%である。C含有量の好ましい下限は0.13%であり、さらに好ましくは0.16%である。C含有量の好ましい上限は0.26%であり、さらに好ましくは0.24%である。
シリコン(Si)は、本実施形態の化学組成において、浸炭部品のエッジ部の過剰浸炭を抑制する。Si含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Si含有量が高すぎれば、芯部に軟質なフェライトが生成し、低サイクル曲げ疲労強度が低下する。したがって、Si含有量は、1.41〜2.50%である。Si含有量の好ましい下限は1.50%であり、さらに好ましくは1.60%である。Si含有量の好ましい上限は2.10%であり、さらに好ましくは2.00%である。
マンガン(Mn)は、鋼の焼入れ性を高める。Mnはさらに、オーステナイトを安定化し、軟質なフェライトの生成を抑制する。その結果、低サイクル曲げ疲労強度が高まる。Mn含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、熱間加工(熱間圧延、熱間鍛造等)後の強度が高くなりすぎて、熱間加工後の切削加工性が低下する。したがって、Mn含有量は1.40〜3.00%である。Mn含有量の好ましい下限は1.60%であり、さらに好ましくは1.70%である。Mn含有量の好ましい上限は2.70%であり、さらに好ましくは2.50%である。
りん(P)は、不純物である。Pは粒界に偏析して粒界を脆化する。その結果、Pは低サイクル曲げ疲労強度を低下する。したがって、P含有量は0.030%以下である。P含有量の好ましい上限は0.020%である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、P含有量を極限まで低減しようとすれば、製造コストが高くなる。したがって、製造コストの観点では、P含有量の好ましい下限は0.003%であり、さらに好ましくは0.006%である。
硫黄(S)は不純物である。Sは低サイクル曲げ疲労強度を低下する。したがって、S含有量は0.060%以下である。S含有量の好ましい上限は0.030%である。S含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、S含有量を極限まで低減しようとすれば、製造コストが高くなる。したがって、S含有量の好ましい下限は0.003%である。
クロム(Cr)は、鋼の焼入れ性及び焼戻し軟化抵抗を高め、低サイクル曲げ疲労強度を高める。Cr含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Cr含有量が高すぎれば、浸炭部品のエッジ部において過剰浸炭が発生しやすくなる。したがって、Cr含有量は0.01〜0.59%である。Cr含有量の好ましい下限は0.05%であり、さらに好ましくは0.10%である。Cr含有量の好ましい上限は0.29%であり、さらに好ましくは0.20%である。
アルミニウム(Al)は、鋼を脱酸する。Alはさらに、鋼の焼入れ性及び焼戻し軟化抵抗を高め、低サイクル曲げ疲労強度を高める。Alはさらに、Nと結合してAlNを形成し、結晶粒を微細化することにより低サイクル曲げ疲労強度を高める。Al含有量が低すぎれば上記効果が得られない。一方、Al含有量が高すぎれば、粗大なAl系介在物が生成し、低サイクル曲げ疲労強度が低下する。したがって、Al含有量は0.010〜0.100%である。Al含有量の好ましい下限は0.015%であり、さらに好ましくは0.020%である。Al含有量の好ましい上限は0.060%であり、さらに好ましくは0.050%である。
窒素(N)は、Alと結合してAlNを形成する。AlNは結晶粒を微細化し、低サイクル曲げ疲労強度を高める。N含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、N含有量が高すぎれば、上記効果が飽和する。したがって、N含有量は0.003〜0.030%である。N含有量の好ましい下限は0.007%であり、さらに好ましくは0.011%である。N含有量の好ましい上限は0.020%であり、さらに好ましくは0.018%である。
本実施形態における真空浸炭用鋼の化学組成はさらに、Feの一部に替えて、Mo、Cu及びNiからなる群から選択される1種以上を含有してもよい。これらの元素は任意に含有される元素である。これらの元素はいずれも、鋼の靱性を高める。
モリブデン(Mo)は、鋼の焼入れ性を高め、低サイクル曲げ疲労強度を高める。Moが少しでも含まれていれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Mo含有量が高すぎれば、効果が飽和し、製造コストが高くなる。したがって、Mo含有量は0.20%以下である。上記効果をさらに有効に得るためのMo含有量の好ましい下限は0.03%であり、さらに好ましくは0.06%である。Mo含有量の好ましい上限は0.20%未満であり、さらの好ましくは0.16%である。
銅(Cu)は、鋼の過剰浸炭を抑制する。Cuはさらに、鋼の靱性を高め、低サイクル曲げ疲労強度を高める。Cuが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Cu含有量が高すぎれば、上記効果が飽和する。したがって、Cu含有量は0.20%以下である。上記効果をさらに有効に得るためのCu含有量の好ましい下限は0.05%であり、さらに好ましくは0.10%である。Cu含有量の好ましい上限は0.17%であり、さらに好ましくは0.15%である。
ニッケル(Ni)は、鋼の過剰浸炭を抑制する。Niはさらに、鋼の靱性を高め、低サイクル曲げ疲労強度を高める。Niが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Ni含有量が高すぎれば、上記効果が飽和し、製造コストが高くなる。したがって、Ni含有量は、0.40%以下である。上記効果をさらに有効に得るためのNi含有量の好ましい下限は0.05%であり、さらに好ましくは0.10%であり、さらに好ましくは0.15%である。Ni含有量の好ましい上限は0.30%であり、さらに好ましくは0.15%である。
ニオブ(Nb)は、鋼中のN及び/又はCと結合して、微細な炭化物、窒化物、又は炭窒化物(以下、炭窒化物等という)を生成する。微細な炭窒化物等は、真空浸炭処理(表面硬化熱処理)において、結晶粒の成長を抑制し、低サイクル曲げ疲労強度を高める。Nbが少しでも含有されていれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Nb含有量が高すぎれば、上記効果は飽和する。したがって、Nb含有量は0.10%以下である。上記効果をさらに有効に得るためのNb含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.02%である。Nb含有量の好ましい上限は0.08%であり、さらに好ましくは0.04%である。
チタン(Ti)は、鋼中のN及び/又はCと結合して、微細な炭化物、窒化物、又は炭窒化物(以下、炭窒化物等という)を生成する。微細な炭窒化物等は、真空浸炭処理(表面硬化熱処理)において、結晶粒の成長を抑制し、低サイクル曲げ疲労強度を高める。Tiはさらに、Bが含有された場合に、BNの生成を抑制して、固溶Bによる焼入れ性作用及び粒界強化作用を確保する。Tiが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしならが、Ti含有量が高すぎれば、粗大なTi窒化物及びTi酸化物が生成し、鋼の靱性が低下する。したがって、Ti含有量は0.100%以下である。上記効果をさらに有効に得るためのTi含有量の好ましい下限は0.005%であり、さらに好ましくは0.010%である。Ti含有量の好ましい上限は0.080%であり、さらに好ましくは0.050%である。
ボロン(B)は、鋼の焼入れ性を高め、粒界強度を高める。そのため、低サイクル曲げ疲労強度が高まる。Bが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、B含有量が高すぎれば、上記効果が飽和する。したがって、B含有量は0.0030%以下である。上記効果をさらに有効に得るためのB含有量の好ましい下限は0.0005%であり、さらに好ましくは0.0010%である。B含有量の好ましい上限は0.0025%であり、さらに好ましくは0.0020%である。
本実施形態による真空浸炭用鋼の化学組成はさらに、式(1)で定義されるfn1が0.90以上である。
fn1=Si−Cr (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本実施形態による真空浸炭用鋼の化学組成はさらに、式(2)で定義されるfn2が0.50以下である。
fn2=Si−0.8×Mn (2)
ここで、式(2)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本実施形態による真空浸炭用鋼の製造方法の一例は次のとおりである。本製造方法は、鋳造工程と、熱間加工工程とを備える。
上述の化学組成を有し、fn1が0.90以上であり、fn2が0.50以下である溶鋼を製造する。製造された溶鋼を用いて、周知の方法により鋳片(スラブ又はブルーム)又は鋼塊(インゴット)を製造する。鋳造方法はたとえば、連続鋳造法や造塊法である。
上記鋳造工程で製造された鋳片又は鋼塊に対して、熱間加工を実施して、棒鋼又は線材を製造する。熱間加工工程は周知の方法により実施される。熱間加工工程はたとえば、粗圧延工程と、仕上げ圧延工程とを含む。粗圧延工程はたとえば、分塊圧延である。仕上げ圧延工程はたとえば、連続圧延機を用いた圧延である。連続圧延機では、一対の水平ロールを有する水平スタンドと、一対の垂直ロールを有する垂直スタンドとが交互に一列に配列される。粗圧延工程及び仕上げ圧延工程での加熱温度はたとえば、1000〜1300℃である。熱間加工工程は、上述の熱間圧延に限定されない。熱間鍛造により真空浸炭用鋼材を製造してもよい。以上の工程により、真空浸炭用鋼が製造される。
本実施形態による浸炭部品は、上述の真空浸炭用鋼を用いて製造される。
本実施形態の浸炭部品は、上述のとおり、表面と、芯部とを含む。芯部は、浸炭部品の表面からの深さが2.0mm以上の領域である。図1及び図2及び上述のとおり、浸炭部品100における平坦部3とエッジ部4とが定義される。
上述の浸炭部品において、平坦部からの深さ(最短深さ。つまり、表面と垂直方向の深さ)が0.05mmまでの領域を、平坦部表層領域と定義する。さらに、エッジ部からの深さ(最短深さ。つまり、表面と垂直方向の深さ)が0.05mmまでの領域をエッジ部表層領域と定義する。本実施形態の浸炭部品では、平坦部表層領域での炭素濃度CP1が質量5で0.70〜0.89%である。また、エッジ部表層領域での炭素濃度CP2がCP1よりも高く、質量%で1.20%以下である。
平坦部表層領域の炭素濃度CP1は次の方法で測定する。浸炭部品の任意の平坦部の場所から、平坦部に垂直な断面を観察面とするサンプルを5つ採取する。各サンプルの観察面の炭素濃度を電子線マイクロアナライザ(EPMA)により分析し、表面(平坦部)から深さ0.05mm位置までの炭素濃度の平均値を求める。求めた炭素濃度(5箇所)の平均を、平坦部表層領域の炭素濃度CP1(質量%)と定義する。
エッジ部表層領域の炭素濃度CP2は次の方法で測定する。図8は、図1に示す断面CSのコーナの点Pc周辺の拡大図である。図8を参照して、エッジを形成する2つの面11及び面12から深さ方向に5μm離れた箇所を起点P2とする。起点P2から点Pcとは逆の方向に2つの面11及び面12と等距離で離間して伸びる長さ50μmの線分MP上を測定位置とし、線分MP上の炭素濃度の平均値を求める。エッジ部表層領域においても、任意の5点において炭素濃度を求め、その平均値を、エッジ部表層領域の炭素濃度CP2(質量%)と定義する。
本実施形態の浸炭部品は、上記化学組成の鋼材に対して真空浸炭処理を実施して製造される。そのため、ガス浸炭処理を実施する場合と比較して、浸炭部品に粒界酸化層が形成されにくい。粒界酸化層は、不完全焼入れ組織を形成しやすい。不完全焼入れ組織は、曲げ疲労強度を低下する。したがって、粒界酸化層は少ない方が好ましい。
本実施形態の浸炭部品の芯部でのビッカース硬さはHV260以上である。芯部でのビッカース硬さが低すぎれば、曲げ荷重が負荷されたときに浸炭部品が塑性変形する。この場合、表面における応力が増大し、低サイクル曲げ疲労強度が低くなる。芯部でのビッカース硬さがHV260以上であれば、浸炭部品として十分な低サイクル曲げ疲労強度が得られる。芯部でのビッカース硬さの好ましい下限はHV280である。なお、ビッカース硬さが高すぎても、低サイクル曲げ疲労強度が低下する。したがって、芯部のビッカース硬さの上限はHV500である。
浸炭部品は、上述の真空浸炭用鋼を用いて製造される。以下、浸炭部品の製造方法の一例を説明する。浸炭部品の製造方法は、中間品を成形する成形工程と、中間品に対して真空浸炭処理を実施する真空浸炭工程とを含む。
上述の真空浸炭用鋼(棒鋼又は線材)に対して、冷間鍛造及び/又は機械加工を実施して、平坦部とエッジ部とを含む表面を有する所定の形状の中間品を製造する。機械加工はたとえば、切削加工、穿孔加工等である。中間品の形状は、最終製品である浸炭部品の用途に応じて決定されるものであり、公知の方法により形成される。
上記中間品に対して、表面硬化熱処理(真空浸炭処理及び焼入れ処理)を実施する。
本実施形態において、真空浸炭処理及び焼入れ処理における諸条件(均熱時間、浸炭ガスの種類、浸炭ガス圧、浸炭温度、浸炭工程での処理時間、拡散工程での処理時間、冷却工程での冷却速度、焼入れ温度等)は、特に限定されるものではない。これらの各条件は、中間品(鋼材)の化学組成、目標とする平坦部表層領域での炭素濃度CP1及びエッジ部表層領域での炭素濃度CP2、及び、芯部での硬さに応じて適宜調整可能である。
真空浸炭処理は、加熱工程と、均熱工程と、浸炭工程と、拡散工程と、冷却工程とを含む。加熱工程では、たとえば、10Pa以下に減圧した炉内で中間品を浸炭温度まで加熱する。均熱工程では、加熱工程後、浸炭温度で中間品を均熱する。浸炭工程では、均熱工程後、炉内に浸炭ガスを導入し、所定の浸炭ガス圧及び浸炭温度で中間品に対して浸炭処理を実施する。拡散工程では、浸炭工程後、中間品を浸炭温度に維持した状態で均熱し、中間品内に侵入した炭素を鋼材中に拡散させる。冷却工程では、拡散工程後の中間品を冷却する。
真空浸炭処理後の中間品に対して、焼入れ処理を実施する。焼入れ処理では、真空浸炭処理後の中間品を急冷する。本実施形態では、たとえば、真空浸炭処理の冷却工程において焼入れ温度で冷却を停止し、所定の時間均熱した後、焼入れ処理(急冷)を実施してもよい。また、真空浸炭処理の冷却工程において焼入れ温度未満(たとえば、室温(25℃)程度)の温度まで冷却し、その後、焼入れ処理において焼入れ温度まで再加熱して所定の時間均熱し、急冷してもよい。
製造された各丸棒から、図1に示す平坦部及びエッジ部を含む表面を有する試験片として、図1に示す形状の4点曲げ疲労試験片と、図3に示す断面が40°の角部を持つ台形である角棒(以下、「40°角棒」という場合がある。)試験片とを複数個採取した。4点曲げ疲労試験片は、高さ及び幅が共に13mmであり、長さが100mmであった。4点曲げ疲労試験片の長さ方向中央位置には、断面形状が半円である切り欠き部を形成した。半円の切り欠き部の半径は2mmであった。40°角棒試験片の高さD1は16mmであり、幅D2は8mmであり、長さはD3は30mmであった。
各試験番号の4点曲げ疲労試験片の平坦部表層領域の炭素濃度CP1、90°の頂角を有するエッジ部(以下、90°エッジ部という)表層領域の炭素濃度CP2、及び、40°角棒試験片の40°の頂角を有するエッジ部(以下、40°エッジ部という)表層領域の炭素濃度CP2を、上述の方法により求めた。炭素濃度CP1が0.70〜0.89%であり、炭素濃度CP2が炭素濃度CP1よりも高く1.20%以下である場合、優れた低サイクル曲げ疲労強度が得られると判断した。結果を表2に示す。
各試験番号の4点曲げ疲労試験片(浸炭部品)を長さ方向に直交する方向に切断した。そして、切断面を測定面とする試験片を採取した。そして、浸炭部品の表面から深さ方向(断面の中心方向)に2mm以上離れた位置における切断面の硬さを、ビッカース硬度計を用いて、試験力を300gfとし、JIS Z 2244(2009)に準拠して測定した。ビッカース硬さがHV260〜500である場合、優れた低サイクル曲げ疲労強度が得られると判断した。結果を表2に示す。
表2に評価結果を示す。表2を参照して、試験番号1〜21では、いずれの試験番号においても、炭素濃度CP1が0.70〜0.89%であり、さらに、40°エッジ部表層領域及び90°エッジ部表層領域での炭素濃度CP2が炭素濃度CP1よりも高く1.20%以下であった。さらに、芯部硬さがHV260以上であった。
2 辺
3 平坦部
4 エッジ部
CS 断面
Claims (5)
- 化学組成が、質量%で、
C:0.10〜0.30%、
Si:1.41〜2.50%、
Mn:1.40〜3.00%、
P:0.030%以下、
S:0.060%以下、
Cr:0.01〜0.29%、
Al:0.010〜0.100%、
N:0.003〜0.030%、
Mo:0〜0.20%、
Cu:0〜0.20%、
Ni:0〜0.40%、
Nb:0〜0.10%、
Ti:0〜0.100%、及び、
B:0〜0.0030%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
式(1)で定義されるfn1が0.90以上であり、
式(2)で定義されるfn2が0.50以下である、真空浸炭用鋼。
fn1=Si−Cr (1)
fn2=Si−0.8×Mn (2)
ここで、式(1)及び式(2)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。 - 請求項1に記載の真空浸炭用鋼であって、
前記化学組成は、
Mo:0.03〜0.20%、
Cu:0.05〜0.20%、及び、
Ni:0.05〜0.40%からなる群から選ばれる1種以上を含有する、
真空浸炭用鋼。 - 請求項1又は請求項2に記載の真空浸炭用鋼であって、
前記化学組成は、
Nb:0.01〜0.10%、及び、
Ti:0.005〜0.100%からなる群から選ばれる1種以上を含有する、
真空浸炭用鋼。 - 請求項3に記載の真空浸炭用鋼であって、
前記化学組成は、
B:0.0005〜0.0030%を含有する、
真空浸炭用鋼。 - 平坦部及びエッジ部とを含む表面と、
前記表面から深さ2.0mm以上の領域であって、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の化学組成を有する芯部とを備え、
前記平坦部から深さ0.05mmの位置までの平坦部表層領域の炭素濃度CP1が0.70〜0.89%であり、
前記エッジ部から深さ0.05mmの位置までのエッジ部表層領域の炭素濃度CP2が、前記炭素濃度CP1よりも高く1.20%以下であり、
前記芯部のビッカース硬さはHV260〜500である、
浸炭部品。
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