JP6841166B2 - フェニルアルコキシシラン処理シリカの製造方法 - Google Patents
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以下においては、これらの工程について記載する。
本発明のフェニルアルコキシシラン処理シリカの製造方法における加水分解工程は、フェニルアルコキシシランを水と有機溶剤とを含む溶媒中で加水分解する工程であって、加水分解工程で使用する水の重量をag、有機溶剤の重量をbg、フェニルアルコキシシランの重量をcgとすると、a/bが2〜4、かつ、(c/(a+b))×100が8〜42の条件で行われることを特徴とする。このような方法でフェニルアルコキシシランの加水分解を行うと、従来の湿式の方法に比べて少ない水や有機溶剤の量でフェニルアルコキシシランを充分に加水分解させて、アルコキシ基の一部又は全部を水酸基にすることができる。
加水分解工程を行う時間は特に制限されないが、20〜40分であることが好ましい。より好ましくは、30〜40分である。このような時間とすることで、フェニルアルコキシシランの自己縮合を抑制しつつ、加水分解をより充分に進めることができる。
本発明のフェニルアルコキシシラン処理シリカの製造方法における表面処理工程は、加水分解後のシラン化合物でシリカを表面処理する工程であって、加水分解工程で使用する水の重量をag、有機溶剤の重量をbg、フェニルアルコキシシランの重量をcg、とし、表面処理工程で使用するシリカの重量をdg、比表面積をem2/gとすると、(a+b+c)/(d×e)が0.01〜0.03の条件で行われることを特徴とする。表面処理工程は、加水分解工程で得られた加水分解後のシラン化合物、水及び有機溶剤を含む分散液でシリカを表面処理する工程である。
シリカに対して、加水分解後のシラン化合物と水と有機溶剤とを含むフェニルアルコキシシラン加水分解液が少なすぎると、シリカ粒子全体に加水分解したフェニルアルコキシシランが馴染まず、均一に表面処理ができないおそれがあり、フェニルアルコキシシラン加水分解液が多すぎると、シリカ粒子にフェニルアルコキシシラン加水分解液を添加した後(特に後述する静置時間を設けた場合には静置時に)シリカ粒子がフェニルアルコキシシラン加水分解液中で沈降して、均一に表面処理ができないおそれがある。表面処理するシリカの重量とその比表面積とを考慮した(a+b+c)/(d×e)が0.01〜0.03となる条件で表面処理工程を行うことで、フェニルアルコキシシラン含有溶液を多量に使用することなく、シリカ表面を充分に疎水化することができる。
(a+b+c)/(d×e)は0.01〜0.03であればよいが、好ましくは、0.01〜0.02である。
攪拌する時間は特に制限されないが、20〜60分であることが好ましい。より好ましくは、30〜60分である。
攪拌する手段としては、ブレンダ―、ボールミルなどが挙げられる。
加水分解後のシラン化合物と水と有機溶剤とを含む液をシリカに添加すると、シリカ粒子間にフェニルアルコキシシラン加水分解液が染み込み、シラン化合物とシリカ粒子とが化学結合してシリカの表面が疎水化される。静置時間を設けることで、シラン化合物とシリカ粒子とが化学結合の形成をより充分に進行させることができ、シリカの表面処理度(疎水化度)を上げることができる。より好ましくは、加水分解後のシラン化合物をシリカに添加した後、攪拌し、その後に静置する時間を設けることである。
シリカの表面処理度(疎水化度)を上げることと生産性とを考慮すると、静置する時間は、5〜40時間であることが好ましい。なお、静置時間を設ける場合、有機溶剤や水の揮発を抑えるため、密閉静置することが好ましい。
その他の表面処理剤は1種又は2種以上を用いることができる。
他の無機酸化物粒子としては特に限定されないが、例えば、元素周期表II〜VI族の元素を含むものが好ましく、より好ましくは元素周期表III〜IV族の元素を含むものである。中でも、Al、Ti及び/又はZrが好ましい。他の無機酸化物粒子の使用量は、用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、原料無機酸化物粒子の総量(シリカ粒子と他の無機酸化物粒子との合計量)100質量%に対し、50質量%以下であることが好ましい。より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、特に好ましくは1質量%以下、最も好ましくは、0質量%、すなわち、シリカ粒子のみを用いることである。
他の無機酸化物粒子は1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のフェニルアルコキシシラン処理シリカの製造方法は、表面処理工程で得られたシリカを乾燥する工程を含むことが好ましい。
乾燥工程の温度や時間は、表面処理工程で得られたシリカが充分に乾燥される限り特に制限されないが、乾燥工程の温度は、100〜200℃であることが好ましい。より好ましくは、120〜200℃である。
また乾燥工程の時間は、1〜10時間であることが好ましい。より好ましくは、2〜5時間である。
本発明において用いるフェニルアルコキシシランは、フェニル基及びアルコキシ基を含有し、かつSi−O結合を有する化合物であればよいが、中でも、下記一般式(1):
Xm−Si−(OR)4−m (1)
(式中、Xは、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。Rは、炭素数1〜5のアルキル基を表す。mは、1〜3の整数を表す。)で表される化合物が好ましい。
本発明の製造方法においては、フェニルアルコキシシランを1種用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
加水分解工程に用いる有機溶剤は、フェニルアルコキシシランを加水分解させることができる限り特に制限されないが、メタノール、エタノールのいずれか又は両方を用いることが好ましい。このような低級アルコールを用いることで加水分解が進みやすくなる。より好ましくは、メタノールである。
本発明において用いるシリカは、無水ケイ酸及び含水ケイ酸のいずれであってもよい。例えば無水ケイ酸としては、乾式法(火炎燃焼法等)により製造されるシリカ(ヒュームドシリカ)の他、石英、トリディマイト、クリストバル石、コーサイト、スティショフ石、石英ガラス等が挙げられる。含水ケイ酸としては、シリカヒドロゾルをゲル化し乾燥して得られる、いわゆる非晶質のシリカゲルの他、コロイダルシリカ、シリケートオリゴマー、ミセルテンプレート型シリカ等が挙げられる。中でも、非晶質シリカがより好ましい。
シリカは、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
粒子形状は、走査型電子顕微鏡等によって観察することができる。
本発明のフェニルアルコキシシラン処理シリカの製造方法で得られるフェニルアルコキシシラン処理シリカは、疎水化度が15〜35%であることが好ましい。疎水化度が15〜35%であると、比誘電率が5〜30の溶媒との親和性が向上する。半導体分野では、比誘電率が5〜30の溶媒との馴染みがよい樹脂が使用されるため、疎水化度が15〜35%のフェニルアルコキシシラン処理シリカは、半導体分野で使用される樹脂への添加剤として好適に用いることができる。
フェニルアルコキシシラン処理シリカの疎水化度は、より好ましくは、20〜35%である。
(フェニルトリメトキシシラン加水分解液の調製)
水14gにメタノール6gを投入した後、25℃に保持し、酢酸を添加することによりpHを3.8にした。25℃に保持したpH3.8の水とメタノール溶液にフェニルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBM−103)を2g投入し、スターラーで35分間撹拌することによりフェニルトリメトキシシラン加水分解液を調製した。
内容積1L、高さ170mmの円筒形広口瓶に比表面積6.8m2/gのシリカ200gとフェニルトリメトキシシラン加水分解液を投入し、広口瓶の蓋を閉め、100回上下反転した後、広口瓶の蓋を閉めたまま7時間静置した。静置後、広口瓶からステンレス製のバットにシリカを移し、130℃に設定した乾燥機で3時間熱をかけ、表面処理シリカを得た。得られた表面処理シリカの疎水化度は19%であった。なお、シリカの比表面積、及び、表面処理シリカの疎水化度は以下の方法により測定又は算出した。
[シリカの比表面積(BET比表面積)の測定方法]
BET比表面積は、試料を窒素雰囲気中、200℃で40分間熱処理し、マイクロメリティクス社製GEMINI VII2390を用いて測定した。
[表面処理シリカの疎水化度]
200mLビーカーにイオン交換水を50mL入れ、その後、表面処理シリカ0.200gを入れ、スターラーで攪拌しながら、ビュレットを用いてメタノールを滴下し、液面上に浮いた表面処理シリカが完全沈むまで滴下したメタノール量を読み取り、下記式より疎水化度を算出した。
疎水化度(%)={滴定量(mL)/[滴定量(mL)+50(mL)]}×100
使用する水、有機溶剤、フェニルアルコキシシランの量、シリカの量や比表面積、及び、フェニルアルコキシシランの加水分解液調製時の攪拌時間を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして表面処理シリカを製造した。表1には得られた表面処理シリカの疎水化度も示した。
Claims (3)
- フェニルアルコキシシランで処理したシリカを製造する方法であって、
該製造方法は、フェニルアルコキシシランを水と有機溶剤とを含む溶媒中で加水分解する工程と
該加水分解後のシラン化合物でシリカを表面処理する工程とを含み、
該加水分解工程で使用する水の重量をag、有機溶剤の重量をbg、フェニルアルコキシシランの重量をcgとし、該表面処理工程で使用するシリカの重量をdg、比表面積をem2/gとすると、
該加水分解工程は、a/bが2〜4、かつ、(c/(a+b))×100が8〜42の条件で行われ、
該表面処理工程は、(a+b+c)/(d×e)が0.01〜0.03の条件で行われる
ことを特徴とするフェニルアルコキシシラン処理シリカの製造方法。 - 前記加水分解工程は、pHが3〜4の条件で行われることを特徴とする請求項1に記載のフェニルアルコキシシラン処理シリカの製造方法。
- 前記加水分解工程で使用する有機溶剤は、メタノールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のフェニルアルコキシシラン処理シリカの製造方法。
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