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JP6842782B2 - 更年期女性の低エストロゲン症の改善及び予防用機能性組成物 - Google Patents
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JP6842782B2 - 更年期女性の低エストロゲン症の改善及び予防用機能性組成物 - Google Patents

更年期女性の低エストロゲン症の改善及び予防用機能性組成物 Download PDF

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Description

本発明は、アザミ抽出物、又は、アザミ及びタイム(thyme)の複合抽出物の新しい用途に関する。より詳しくは、本発明は、アザミ抽出物を有効成分として含み、女性の更年期に応じた低エストロゲン症を効率的に改善するための機能性組成物に関する。
女性は年齢が上昇するにつれて卵巣の機能が低下し、そのためにエストロゲンの分泌が大幅に減少する。それにより、卵胞刺激ホルモン(FSH)及び黄体形成ホルモン(LH)に対する反応が減少し、プロゲステロンの生成も減少する。特に40代中後半からは、卵巣の機能が完全に止まる閉経が発生する確率が非常に高くなる。閉経が現れた以後の時期を更年期といい、平均的に4〜7年ほど持続する。
女性に更年期が来ると、女性ホルモンの生産がこれ以上なされず、顔面紅潮、発汗、疲労感、不安感、憂鬱、記憶力障害、不眠症、血液中コレステロールの増加、体重の増加、骨密度の減少といった様々な症状が現れる。
従来には、上記のような女性疾患を治療するためにホルモン療法や植物エストロゲン(Phytoestrogen)を利用しようとする試みがある。なお、植物エストロゲンは、生体内の内分泌系で生成されず、植物から分離した外因性エストロゲンであって、大部分の植物に含まれていることが知られている。植物エストロゲンは、構造的にエストロゲンと類似しており、生体内でエストロゲンと競争的にエストロゲン受容体に結合されることが知られている。しかし、実際にその結合による効果は具体的に明らかになっておらず、結合される比率においてもそのレベルが微小であることが知られている。
非特許文献1には、種々の植物の中でも、アザミを用いて植物エストロゲンを抽出する構成が開示されている。具体的には、非特許文献1には次のような内容が開示されている。
第1に、在来種のアザミにはエストロゲン受容体(Estrogen receptor)と結合する物質が存在する。具体的には、非特許文献1の実施例2において、形質転換された酵母菌株の乳糖オペロン(Lac operon)を用いて在来種のアザミ抽出物にエストロゲン受容体と結合する物質が存在することが確認され、その結合レベルが植物エストロゲンとして知られるケルセチンに準ずることが確認された。
第2に、在来種のアザミには植物エストロゲンが存在する。非特許文献1の実施例3において、在来種のアザミの根から、メタノールを用いて抽出物を抽出した後、その抽出物に含まれる植物エストロゲン、具体的には、ゲニステイン、ダイゼイン、ケルセチンを検出することによってそれが確認された。
しかし、従来のアザミを用いた機能性組成物から知ることができるのは、アザミ内にエストロゲン受容体と結合する物質があるということだけであって、アザミ抽出物がどのような効能を発揮するかは知ることができない。そして、在来種のアザミから検出されたゲニステイン、ダイゼイン、ケルセチンといった植物エストロゲンは、その構造的な類似性により、エストロゲン受容体と結合する可能性が高いが、上記のとおり、実際にその結合による効果については具体的に明らかになっておらず、結合される比率においてもそのレベルは微小であることが知られている。さらに、植物エストロゲンは大部分の植物に存在することが知られているため、非特許文献1に記載されたアザミ組成物は、新しい意味を有しない。
近来、人体内のエストロゲン濃度の減少によって発生する顔面紅潮のような2次的な症状の他に、エストロゲン濃度が減少する現象を疾患と認識するようになり、それを直接的に治療する目的で多くの研究が行われている。このように女性の人体内のエストロゲン濃度が減少する疾患を低エストロゲン症(Hypoestrogenism)という。そして、性腺機能低下症(Hypogonadism)の場合、卵巣の機能が低下して性ホルモンが減少することを意味するため、低エストロゲン症の範疇に含まれるといえる。
したがって、根本的に低エストロゲン症を予防又は改善し、副作用を最小化した天然物質に対する研究及び開発が必要である。本発明者らは、アザミ抽出物とアザミ及びタイムの複合抽出物とが、更年期女性の人体内のエストロゲンを増加させることを確認し、本発明を完成するに至った。
アザミ(Cirsium japonicum)は、双子葉植物綱、キキョウ目、キク科の多年草であり、シスルともいい、山や野で主に育つ。幼い芽は食用であり、葉、幹、根は薬用である。
タイム(Thymus vulgaris)は、双子葉植物綱、シソ目、シソ科の落葉半潅木であり、海辺岩が多いところに自生するタイム(Thymus quinquecostatus var. japonica)、白い花が咲くタイム(Thymus quinquecostatus f. albus Y.N.Lee)等がある。このようなタイムは、飲料、殺菌剤、化粧料の原料又は薬用である。
一方、本発明のアザミ抽出物、又はアザミ及びタイムの複合抽出物を用いて低エストロゲン症を改善する技術は、非特許文献1の記載と類似していると考えることもできる。しかし、アザミ抽出物が低エストロゲン症に効果があるということは、非特許文献1の「アザミに植物エストロゲンが存在する」という記載から導き出されることではない。また、既に発表された研究から「植物エストロゲンは人体内の女性ホルモンの調節とは関係ない」という結果が導かれたことがある。
Cheng et.al (2007) Isoflavone treatment for acute menopausal symtoms. Menopause,14,pp468−473
本発明が解決しようとする課題は、更年期女性のエストロゲンが減少する症状を効果的に予防、改善し、女性更年期と関連して現れる症状を効率的に緩和することができ、天然成分からなり、身体に対する拒否反応を低減させることが可能なアザミを用いた、低エストロゲン症の予防及び改善用機能性組成物を提供することである。
本発明の課題を解決するための手段は、アザミ抽出物を有効成分として含む、低エストロゲン症の改善及び予防用食品組成物を提供するものである。
また、本発明の課題を解決するための手段は、アザミ及びタイムの複合抽出物を有効成分として含む、低エストロゲン症の改善及び予防用食品組成物を提供するものである。
本発明に係るアザミ抽出物、又は、アザミ及びタイムの複合抽出物を含む組成物は、更年期女性のエストロゲンが減少する症状である低エストロゲン症を緩和させることができる。
また、本発明の組成物は、更年期女性の人体内のエストロゲン濃度を直接的に上昇させることにより、エストロゲン低下により発生する顔面紅潮、発汗、疲労感、不安感、憂鬱、記憶力障害、不眠症、血液中コレステロールの増加、体重の増加、骨密度の減少といった症状をさらに効率的に改善させることができる。
試験対象動物の血液中エストラジオール濃度の測定結果を示すグラフである。 試験対象動物の血液中エストラジオール濃度の測定結果を示すグラフである。 試験対象動物の血液中エストラジオール濃度の測定結果を示すグラフである。 試験対象動物の血液中エストラジオール濃度の測定結果を示すグラフである。 試験対象動物の血液中エストラジオール濃度の測定結果を示すグラフである。 試験対象動物の血液中エストラジオール濃度の測定結果を示すグラフである。 試験対象動物の血液中エストラジオール濃度の測定結果を示すグラフである。 試験対象動物の血液中エストラジオール濃度の測定結果を示すグラフである。 試験対象動物の体重変化を示すグラフである。 試験対象動物の体重の増加量を示すグラフである。 試験対象動物の血液中アルカリ性ホスファターゼの増加量を示すグラフである。 試験対象動物の血液中オステオカルシンの増加量を示すグラフである。 KI検査法により測定された試験対象女性の更年期症状の改善率を示すグラフである。 MRS検査法により測定された試験対象女性のMRS点数を示すグラフである。
本発明を説明するに先立ち、本発明で用いられる用語の意味を説明する。
本明細書において、「抽出物」は、当業界で粗抽出物(Crude extract)と通用する意味を有するが、広義的には抽出物をさらに分画(Fractionation)した分画物も含む。すなわち、アザミ抽出物は、上記抽出溶媒を用いて得たものだけでなく、これに精製過程をさらに適用して得たものも含む。例えば、前記抽出物を一定の分子量カットオフ値を有する限外濾過膜を通過させて得た分画物、様々なクロマトグラフィー(大きさ、電荷、疏水性又は親和性に応じた分離のために製作されたもの)による分離等の追加的に実施された様々な精製方法によって得た分画物も、本発明に用いるアザミ抽出物に含まれる。
本明細書において、「有効成分として含む」とは、アザミ抽出物の効能や活性を達成するのに充分な量を含むことを意味する。本発明には、天然植物材料であるアザミからの抽出物が用いられており、過量投与しても人体に副作用がないため、アザミ抽出物が本発明の組成物に含まれる量的な上限は、通常の技術者が適切な範囲内で選択することができる。
以下では、本発明の組成物について詳細に説明する。
本発明に係るアザミ抽出物は、有機溶媒を用いて抽出したものであり、抽出溶媒として用いられるものは、下記のとおりである。
先ず、極性溶媒として好適なものは、(i)水、(ii)炭素数1〜6のアルコール(好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、1−ペンタノール、2−ブトキシエタノール、又はエチレングリコール)、(iii)酢酸、(iv)DMFO(Dimethyl formamide)、及び(v)DMSO(Dimethyl sulfoxide)等がある。
そして、非極性溶媒として好適なものは、アセトン、アセトニトリル、エチルアセテート、メチルアセテート、フルオロアルカン、ペンタン、ヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタン、デカン、シクロヘキサン、シクロペンタン、ジイソブチレン、1−ペンテン、1−クロロブタン、1−クロロペンタン、o−キシレン、ジイソプロピルエーテル、2−クロロプロパン、トルエン、1−クロロプロパン、クロロベンゼン、ベンゼン、ジエチルエーテル、ジエチルスルフィド、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アニリン、ジエチルアミン、エーテル、四塩化炭素、メチレンクロライド、石油エーテル、及びTHF等がある。
本発明は、抽出溶媒として、(a)水、(b)炭素数1〜4の無水又は低級アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、(c)前記低級アルコールと水との混合溶媒、(d)アセトン、(e)エチルアセテート、(f)クロロホルム、(g)ブチルアセテート、(h)1,3−ブチレングリコール、(i)ヘキサン、及び(j)ジエチルエーテル等を用いることが好ましく、容易な抽出のために、水、エタノール、又は水とエタノールとの混合物をアザミに処理して抽出することがより好ましい。
また、本発明で用いられるアザミ抽出物は、減圧蒸留、凍結乾燥、又は噴霧乾燥等の追加の過程によって粉末状態に製造され得る。
したがって、本発明では、上記のような抽出溶媒を用いて抽出物を製造することができる。以下ではアザミ抽出物を製造する方法について説明する。
1)アザミ抽出物の製造
(i)アザミを選別して粉砕した後、
(ii)粉砕物重量の約1倍〜25倍の体積量(v/w%)、好ましくは7倍〜15倍の体積量の、精製水を含む水、メタノール、エタノール、ブタノール等の炭素数1〜4の低級アルコール、及びこれらの混合溶媒から選択された溶媒、より好ましくは水、エタノール、又はこれらの混合溶媒を用いて、
(iii)0℃〜120℃、好ましくは50℃〜100℃の抽出温度で、
(iv)約1時間〜10日間、好ましくは約3時間〜6時間、
(v)冷浸抽出法、熱水抽出法、超音波抽出法、還流冷却抽出法、又は加熱抽出法等の抽出方法により、好ましくは熱水抽出法又は還流冷却抽出法により、
(vi)約1回〜10回、好ましくは2回〜8回繰り返し抽出する。
そして、
(vii)前記抽出物を濾過布により濾過し、
(viii)濾過液を真空濃縮後、
(ix)−(1)凍結乾燥するか、
(ix)−(2)配合比率に応じてデキストリンを混合した後に噴霧乾燥して
アザミ抽出物を取得する。
また、アザミ抽出物は、亜臨界流体を用いて抽出する亜臨界抽出法や超臨界流体を用いて抽出する超臨界抽出法により製造されてもよい。
後述する試験では、熱水抽出法に従い、有機溶媒抽出(エタノール、メタノール)を行って製造したアザミ抽出物を用いた。各抽出条件は下記のとおりである。
アザミ抽出物1は、粉砕物の重量に対して7倍の体積量の精製水を用いて121℃で5時間1次抽出し、5倍の体積量の精製水を加えて2次抽出した後、これを真空濃縮後、抽出物とデキストリンとを1:1で混合し、噴霧乾燥することによって製造する。
アザミ抽出物2は、粉砕物の重量に対して7倍の体積量の精製水を用いて100℃で5時間1次抽出し、5倍の体積量の精製水を加えて2次抽出した後、これを真空濃縮後、抽出物とデキストリンとを1:1で混合し、噴霧乾燥することによって製造する。
アザミ抽出物3は、粉砕物の重量に対して7倍の体積量の精製水を用いて70℃で5時間1次抽出し、5倍の体積量の精製水を加えて2次抽出した後、これを真空濃縮後、抽出物とデキストリンとを1:1で混合し、噴霧乾燥することによって製造する。
アザミ抽出物4は、粉砕物の重量に対して7倍の体積量の40%エタノールを用いて70℃で5時間1次抽出し、5倍の体積量の40%エタノールを加えて2次抽出した後、これを真空濃縮後、抽出物とデキストリンとを1:1で混合し、噴霧乾燥することによって製造する。
アザミ抽出物5は、粉砕物の重量に対して7倍の体積量の90%エタノールを用いて50℃で5時間1次抽出し、5倍の体積量の90%エタノールを加えて2次抽出した後、これを真空濃縮後、抽出物とデキストリンとを1:1で混合し、噴霧乾燥することによって製造する。
アザミ抽出物6は、粉砕物の重量に対して7倍の体積量の40%メタノールを用いて70℃で5時間1次抽出し、5倍の体積量の40%メタノールを加えて2次抽出した後、これを真空濃縮後、抽出物とデキストリンとを1:1で混合し、噴霧乾燥することによって製造する。
アザミ抽出物7は、粉砕物の重量に対して7倍の体積量の90%メタノールを用いて50℃で5時間1次抽出し、5倍の体積量の90%メタノールを加えて2次抽出した後、これを真空濃縮後、抽出物とデキストリンとを1:1で混合して噴霧乾燥することによって製造する。
2)タイム抽出物の製造
タイム抽出物も、アザミ抽出物の製造方法と同様である。
後述する試験では、熱水抽出法に従い、有機溶媒抽出(エタノール、メタノール)を行って製造したタイム抽出物を用いた。各抽出条件は下記のとおりである。
タイム抽出物1は、粉砕物の重量に対して6倍の体積量の精製水を用いて121℃で6時間1次抽出し、6倍の体積量の精製水を加えて2次抽出した後、これを真空濃縮後、抽出物とデキストリンとを1:1で混合して噴霧乾燥することによって製造する。
タイム抽出物2は、粉砕物の重量に対して6倍の体積量の精製水を用いて100℃で6時間1次抽出し、6倍の体積量の精製水を加えて2次抽出した後、これを真空濃縮後、抽出物とデキストリンとを1:1で混合して噴霧乾燥することによって製造する。
タイム抽出物3は、粉砕物の重量に対して6倍の体積量の精製水を用いて70℃で6時間1次抽出し、6倍の体積量の精製水を加えて2次抽出した後、これを真空濃縮後、抽出物とデキストリンとを1:1で混合して噴霧乾燥することによって製造する。
タイム抽出物4は、粉砕物の重量に対して6倍の体積量の40%エタノールを用いて70℃で6時間1次抽出し、6倍の体積量の40%エタノールを加えて2次抽出した後、これを真空濃縮後、抽出物とデキストリンとを1:1で混合して噴霧乾燥することによって製造する。
タイム抽出物5は、粉砕物の重量に対して6倍の体積量の90%エタノールを用いて50℃で6時間1次抽出し、6倍の体積量の90%エタノールを加えて2次抽出した後、これを真空濃縮後、抽出物とデキストリンとを1:1で混合して噴霧乾燥することによって製造する。
タイム抽出物6は、粉砕物の重量に対して6倍の体積量の40%メタノールを用いて70℃で6時間1次抽出し、6倍の体積量の40%メタノールを加えて2次抽出した後、これを真空濃縮後、抽出物とデキストリンとを1:1で混合して噴霧乾燥することによって製造する。
タイム抽出物7は、粉砕物の重量に対して6倍の体積量の90%メタノールを用いて50℃で6時間1次抽出し、6倍の体積量の90%メタノールを加えて2次抽出した後、これを真空濃縮後、抽出物とデキストリンとを1:1で混合して噴霧乾燥することによって製造する。
3)アザミ及びタイムの複合抽出物の製造
各々の条件に対応するアザミ抽出物とタイム抽出物とを6:4の比率(重量比)で混合する。例えば、アザミ及びタイムの複合抽出物1は、アザミ抽出物1とタイム抽出物1とを混合し、アザミ及びタイムの複合抽出物2は、アザミ抽出物2とタイム抽出物2とを混合する方式で、アザミ及びタイムの複合抽出物7まで製造する。そして、さらにアザミ抽出物1とタイム抽出物1とを、2:8、4:6、8:2の比率(重量比)で混合した複合抽出物を製造する。
本発明に係るアザミ抽出物は食品組成物として製造される。すなわち、アザミ抽出物を有効成分として含む、低エストロゲン症の予防及び改善用食品組成物として製造され得る。
本発明に係るアザミ抽出物が食品組成物として製造される場合、食品製造時に通常添加される成分が含まれる。例えば、タンパク質、炭水化物、脂肪、栄養素、及び調味剤がこれに該当する。そして、ドリンク剤として製造される場合には、有効成分としてアザミ抽出物の他に、香味剤又は天然炭水化物等が追加成分として含まれ得る。例えば、天然炭水化物は、単糖類(グルコース、フルクトース等)、二糖類(マルトース、スクロース等)、オリゴ糖、多糖類(デキストリン、シクロデキストリン等)、及び糖アルコール(キシリトール、ソルビトール、エリトリトール等)を含む。香味剤としては、天然香味剤(例えば、タウマチン、ステビア抽出物等)及び合成香味剤(例えば、サッカリン、アスパルテーム等)を用いることができる。
一方、アザミ及びタイムの複合抽出物が食品組成物として製造される場合も、上記と同様である。
以下では、本発明に係るアザミ抽出物による効果を試験例によって詳細に説明する。
試験例1:動物対象試験
<1−1>試験対象
体重200g〜250gの7週齢の雌ラット(Rat)を対象に実験室で1週間適応させた後、一部は卵巣切除術を施して閉経モデルを誘導し、残りは腹部切開後に縫合させるSham−operationを施して非閉経モデルを誘導した。そして、各モデルに、1週間固形飼料を与えて傷を回復させた後、卵巣が切除されていない対照群(以下、「正常対照群」という)、卵巣が切除された対照群(以下、「陰性対照群」という)には各々5匹ずつ分類し、卵巣が切除された第1実験群(以下、「第1実験群」という)には21匹を分類し、卵巣が切除された第2実験群(以下、「第2実験群」という)には30匹を分類した。
第1実験群は、3匹ずつ7個のグループに分け、各グループに、50mg/kgの濃度で生理食塩水に溶解させたアザミ抽出物1〜7を各々経口投与した。第2実験群は、3匹ずつ10個のグループに分けた後、7個のグループには、50mg/kgの濃度で生理食塩水に溶解させたアザミ及びタイムの複合抽出物1〜7を各々経口投与し、残りの3個のグループには、アザミ抽出物1とタイム抽出物1とを2:8、4:6、8:2の比率で混合したアザミ及びタイムの複合抽出物を各々経口投与した。正常対照群及び陰性対照群には、同一量の生理食塩水を各々経口投与した。なお、投与期間は8週間であり、飼育条件は、温度24±2℃、湿度50%〜55%で、水及び食餌は制限なしで提供した。
<1−2>体内エストロゲンの測定
エストロゲンの減少は、女性の更年期症状が発生する代表的な原因である。したがって、本発明は、アザミ抽出物がエストロゲンに及ぼす影響を確認するために、薬品投与後、血液中エストラジオール(Estradiol)−17β濃度を測定した。なお、エストラジオールは、代表的なエストロゲンであって、エストロン(Estron)やエストリオール(Estriol)と比べて活性が非常に高いため、エストロゲン測定対象として用いられる。
具体的には、前記<1−1>試験対象において投与が完了した各群の血液を採取して遠心分離(1000g、15分間、4℃)を施し、分析前までは−80℃の超低温冷凍庫(Deep freezer)で保管した。そして、Rat estradiol(E2) ELISAKit(Cayman,Ann Arbor,MI,USA)を用いて血液中エストラジオールを測定した。試験の結果は統計プログラムSPSS(version 12.0)で統計処理し、p<0.05レベルで有意性を検証した。各抽出物に対する血液中エストラジオールの測定結果を図1〜8に示す。すなわち、アザミ抽出物1とアザミ及びタイムの複合抽出物1とに応じた結果は図1に、アザミ抽出物2とアザミ及びタイムの複合抽出物2とに応じた結果は図2に、アザミ抽出物3とアザミ及びタイムの複合抽出物3とに応じた結果は図3に、アザミ抽出物4とアザミ及びタイムの複合抽出物4とに応じた結果は図4に、アザミ抽出物5とアザミ及びタイムの複合抽出物5とに応じた結果は図5に、アザミ抽出物6とアザミ及びタイムの複合抽出物6とに応じた結果は図6に、アザミ抽出物7とアザミ及びタイムの複合抽出物7とに応じた結果は図7に、アザミ抽出物1とタイム抽出物1との混合比率に応じた結果は図8に、各々示されている。
参考に、円滑な比較のために、図1〜図7には、正常対照群(Sham)及び陰性対照群(OVX−Con)の結果が各々含まれている。
図1に示すように、陰性対照群(OVX−Con)は、正常対照群(Sham)と比べて血液中エストラジオール濃度が顕著に低いことから、閉経によりエストロゲンの活性度が低下することが分かる。そして、陰性対照群(OVX−Con)と比べて、第1実験群(OVX−Cirs)の血液中エストラジオール濃度が高く表れたことから、アザミ抽出物が、閉経後のエストロゲン濃度の急激な低下を緩和させる効果があることが分かる。そして、第2実験群(OVX−CT)は、第1実験群(OVX−Cirs)と比べてエストラジオール濃度がさらに高く測定されたことから、アザミ及びタイムの複合抽出物が血液中エストロゲン濃度の上昇により効果的であることが分かる。
図2〜図7も、図1と微細な差があるだけであって、類似したパターンで結果が出たことから、抽出溶媒又は温度は、アザミ抽出物、アザミ及びタイムの複合抽出物の効能に大きな影響を与えないことが分かる。
そして、図8はアザミ抽出物1とタイム抽出物1との混合比率に応じたエストラジオール濃度を測定した結果であり、アザミ抽出物1の割合が高い8:2の比率で混合して投与したときに、最も高濃度のエストラジオールが測定されたことが分かる。
<1−3>体重の測定
体重の増加は、女性更年期の代表的な症状のうちの1つである。したがって、本発明は、アザミ抽出物が体重に及ぼす影響を確認するために、投与期間に応じた体重の変化を測定した。
具体的には、薬品投与前から8週間の薬品投与を終えた後の1週間までの合計9週間、各群(第1実験群の場合:アザミ抽出物1が投与されたグループ、第2実験群の場合:アザミ及びタイムの複合抽出物1(6:4の比率)が投与されたグループ)の体重を測定した。試験の結果は、統計プログラムSPSS(version 12.0)で統計処理し、正常対照群と対比してp<0.05レベルで有意性を検証した。その結果を図9及び図10に示す。
図10に示すように、陰性対照群(OVX−Con)は、正常対照群(Sham)と比べて体重が顕著に増加することから、閉経が体重の増加にある程度影響を及ぼすことが分かる。そして、第1実験群(OVX−Cirs)は、陰性対照群(OVX−Con)と比べて体重が相対的に少なめに増加することが分かる。また、図9に示すように、9週間後には第1実験群(OVX−Cirs)は、正常対照群(Sham)と比較して体重の増加に大差がないことが分かる。したがって、アザミ抽出物が閉経後の体重増加を緩和させる効果を有することが分かる。
一方、第2実験群(OVX−CT)は、第1実験群(OVX−Cirs)よりも低い比率で体重が増加したことから、アザミ及びタイムの複合抽出物が更年期の体重増加に対してさらに効果的に作用することが分かる。
<1−4>体内コレステロールの測定
元気な若い女性は、同じ年齢の男性と比べて、血液中の総コレステロール、LDLコレステロール、及び中性脂肪は低く、HDLコレステロールは高い。しかし、閉経期になると、中性脂肪及びHDLコレステロールは概して変化がないが、総コレステロール及びLDLコレステロールは増加し、このような変化は女性の閉経期後の血管性疾患の発病率を高めることが知られている。したがって、本発明は、アザミ抽出物、アザミ及びタイムの複合抽出物が血液中コレステロールに及ぼす影響を確認するために、薬品投与後に血液中コレステロールの濃度を測定した。
具体的には、前記<1−1>試験対象で投与が完了した各群(第1実験群の場合:アザミ抽出物1が投与されたグループ、第2実験群の場合:アザミ及びタイムの複合抽出物1(6:4の比率)が投与されたグループ)の血液を採取した。そして、血清を分離し、血清中の中性脂肪、総コレステロール、HDLコレステロール濃度を、自動測定用スライド(富士フィルム(株)製)を用いて臨床化学分析装置(富士ドライケム3500i、富士フィルム(株)製)で、400nm〜600nmの波長にて測定した。HDLコレステロールの場合、沈殿剤を用いてカイロミクロン、低密度リポタンパク、及び超低密度リポタンパクを沈殿させて、上清にあるHDLコレステロールを測定した。LDLコレステロールは、以下のFriedewald公式によって算出した。
LDLコレステロール
={総コレステロール−(HDLコレステロール−中性脂肪/5)}
研究の結果は平均±標準偏差で示し、統計プログラムSPSS(version 12.0)で統計処理して、p<0.05レベルで有意性を検証した。その結果を表1に示す。
試験の結果、表1に示すように、陰性対照群は、正常対照群と比べて、血液中の総コレステロール、中性脂肪、及びLDLコレステロールが有意に増加し、HDLコレステロールは減少した。これに対して、第1実験群及び第2実験群は、陰性対照群(OVX−Con)と比べて、血液中の総コレステロール、中性脂肪、及びLDLコレステロールが有意に低く、HDLコレステロールは増加した。
したがって、本試験例の結果から、本発明の組成物に含まれるアザミ抽出物、アザミ及びタイムの複合抽出物が、閉経期の状況で、血液中の脂質含量とそれによって現れる高脂血症等との改善に効果を有することが分かる。
<1−5>骨マーカーの測定
骨密度の減少は、更年期の女性に現れる症状のうちの1つであり、骨粗しょう症のような疾患が誘発される原因である。したがって、アザミ抽出物、アザミ及びタイムの複合抽出物が骨密度に及ぼす影響を確認するために、薬品投与後の血液中のアルカリ性ホスファターゼ(Alkaline phosphatase、以下、「ALP」という)濃度とオステオカルシン(Osteocalcin、以下、「OC」という)濃度とを測定した。
具体的には、前記<1−1>試験対象で投与が完了した各群(第1実験群の場合:アザミ抽出物1が投与されたグループ、第2実験群の場合:アザミ及びタイムの複合抽出物1(6:4の比率)が投与されたグループ)の血液を採取した。血液中のALP濃度は、自動分析器(ADVIA 1650、バイエル社製)を用いて分析し、血液中のOC濃度は、ELISA kit(Metra OC,Quidel Corporation,San diego,CA,USA)を用いて分析した。
試験の結果は、統計プログラムSPSS(version 12.0)で統計処理し、正常対照群と対比してp<0.05レベルで有意性を検証した。その結果を図11及び図12に示す。
試験の結果、図11及び図12に示すように、陰性対照群(OVX−Con)は、正常対照群(Sham)と比べて、血液中のALP濃度及びOC濃度が上昇した。このような結果は、卵巣切除術による骨密度の減少によって骨再形成過程が増加し、この過程で骨代謝回転指標が向上することに起因すると考えられる。したがって、この過程で代表的な骨代謝回転指標である血液中のALP濃度が上昇し、骨再吸収及び骨形成指標であるOC濃度が上昇するようになる(Hertrampf T.,Schleipen B.,Offermanns C.,Velders M.,Laudenbach U.,Diel P.,Comparison of the bone protective effects of anisoflavone−rich diet with dietary and subcutaneous administrations of genistein in ovariectomized rats.Toxicol.Lett.2009,184,198−203.)。これに対して、第1実験群(OVX−Cirs)は、血液中のALP濃度及びOC濃度が、陰性対照群(OVX−Con)と比べて低下した。また、第2実験群(OVX−CT)は、血液中のALP濃度及びOC濃度がこれよりもさらに低下し、正常対照群(Sham)に最も近い数値であった。
したがって、上記のように血液中のALP濃度及びOC濃度が相対的に少なめに上昇することから、アザミ抽出物、アザミ及びタイムの複合抽出物は、閉経による骨密度の減少を緩和させる効果を有することが分かる。
試験例2:人体対象試験
<2−1>試験対象
本試験に同意した満45才以上の中年女性60人を、偽薬を摂取した対照群(Placebo)、アザミ抽出物を摂取した第1実験群(Cirsium)、アザミ及びタイムの複合抽出物を摂取した第2実験群(C+Thyme)として各々20人ずつ任意に分類し、偽薬、アザミ抽出物、又は、アザミ及びタイムの複合抽出物が含まれた実験薬を、1日に400mg、12週間に亘って摂取して貰った。
<2−2>ハングル版KI(Kupperman index)
これは、1953年にKuppermanの臨床的な更年期障害治療経験に基づいて、以下の表2に示す更年期の代表的な症状11個を項目に設定して更年期障害の程度及び特徴を把握して発表した検査法であり、現在まで、女性の更年期症状と関連した研究において症状評価の尺度として最も多用されている自己評価質問検査法である。更年期の各症状の程度及び特徴を把握して、項目別に配点をかけたものを合算し、20点未満は軽症、20点以上40点未満は中等症、40点以上60点未満は重症、60点以上は危急な状態と判定する。摂取後の改善率が計算された結果を図13に示す。結果は、統計プログラムSPSS(version 12.0)で統計処理し、p<0.05レベルで有意性を検証した。
図13に示すように、偽薬を摂取した対照群(Placebo)では、3ヶ月の摂取後に4.2%の症状改善率が示されたに過ぎないのに対し、第1実験群(Cirsium)では、KIで評価した女性の更年期症状が30%減少し、対照群(Placebo)と比べて有意に更年期症状が改善された。また、第2実験群(C+Thyme)では、女性の更年期症状が45%以上減少したことが分かる。
したがって、これらの結果から、アザミ抽出物、アザミ及びタイムの複合抽出物により、顔面紅潮、発汗、不眠症、神経質、憂鬱症、めまい症、疲労感、関節痛及び筋肉痛、胸騒ぎ、膣の乾燥、分泌物の減少等の複合的な女性の更年期症状が効果的に改善されることが確認された。
<2−3>ハングル版MRS(Menopause Rating Scale)
MRS検査法は、1992年にHildichらがKupperman indexを補完して作成したMENQOL(Menopause−Specific Quality of Life Questionnaire)検査法を、1996年に新しく補完して作成した検査法である。MRSは、全世界的に多くの研究に引用され、信頼度及び妥当性が認められている。身体症状、精神症状、泌尿生殖器症状等、合計11個の項目で構成されており、項目数が少なく簡便であるという長所を有している。このMRSは、以下の表3に示す基準で症状を評価する。
計算した総得点から、0点〜4点は良好な更年期状態で、円満な更年期を示す。5点〜8点は軽微な更年期状態で、管理が必要であることを示す。9点〜15点は重症度の更年期状態で更年期障害があるため、専門家の診断及び治療が必要であることを示す。16点以上は激しい更年期状態で、長期的な計画及び治療が大いに必要であることを示す。
これらの結果を図14に示す。結果は、統計プログラムSPSS(version 12.0)で各実験群の摂取前後の点数を統計分析し、p<0.05レベルで有意性を検証した。
図14に示すように、対照群(Placebo)では、3ヶ月の摂取後にMRS点数で統計的に有意な差が示されなかった。これに対して、第1実験群(Cirsium)では、3ヶ月の摂取後にMRS点数が30%ほど減少し、女性の更年期症状が有意に減少したことが確認された。また、第2実験群(C+Thyme)では、3ヶ月の摂取後に、第1実験群(Cirsium)よりも大差にて点数が減少したことから、より効果的に更年期症状が改善され得ることが分かる。
本発明に係る組成物に含まれるアザミ抽出物、アザミ及びタイムの複合抽出物は、更年期女性のエストロゲンが減少する症状である低エストロゲン症を緩和させることができるので、該組成物を、機能性食品又は医薬品等として提供することができる。

Claims (1)

  1. アザミ(Cirsium japonicum)及びタイム(Thymus vulgaris)の複合抽出物を有効成分として含み、
    前記アザミ及びタイムの複合抽出物は、アザミ熱水抽出物とタイム熱水抽出物との混合物であり、
    前記アザミ熱水抽出物と前記タイム熱水抽出物との重量比は、2:8、4:6、6:4、又は8:2であることを特徴とする、更年期女性の低エストロゲン症の改善及び予防用食品組成物。
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