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JP6854184B2 - レーザ溶接方法 - Google Patents
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本発明は、例えば板厚が1.0mm程度の薄いワークの端面を鈍角に突き合せてレーザ溶接を行うレーザ溶接方法に関する。さらに詳細には、一方のワークの端面に他方のワークの一端面を鈍角に突き合せてレーザ溶接を行う際、一方のワークと他方のワークとの位置決めを容易に行い得るレーザ溶接方法に関する。
従来、薄い板状のワークの端面を突き合わせてレーザ溶接を行う場合、一方のワークの端面と他方のワークの端面とを、直線的またはL形状に突き合せてレーザ溶接を行のが一般的である。なお、本発明に関係あると思われる先行技術文献として、特許文献1,2,3等がある。
特開平8−257773号公報 特開2015−139795号公報 特開2017−59625号公報
ところで、図1に示すように、一方の板状のワークW1の端面F1と他方のワークW2の端面F2とを鋭角に突き合せて、ワークW1とワークW2とを鈍角に突き合せたレーザ溶接を行う場合、一方のワークW1の角部C1と他方のワークW2の角部C2とを突き合せることになる。この場合、溶接治具を用いてワークW1,W2の位置決めを行い、一方のワークW1の角部C1と他方のワークW2の角部C2とを突き合せることになる。しかし、角部C1,C2は直角をなすものであるから、角部C1,C2を突き合せることは難しいものである。
また、ワークW1,W2の端面を突き合せる構成としては、図2(A),(B),(C)に示すように、種々の形態が考えられる。しかし、ワークW1,W2の端面の突き合せは、目視による突き合せであり、かつ例えば他方のワークW2の端面F2に対する一方のワークW1における角部C1の当接位置は常に一定位置とは限らず、レーザ溶接後の加工状態が不安定になり易いという問題がある。
本発明は、板状の第1のワークの端面に、前記第1のワークの表面から板厚未満の第1の距離だけ離れた前記板厚における中間位置から前記第1のワークの面と平行方向に突出する微小突出部を形成する工程と、板状の第2のワークの端部を、前記第1のワークの前記端面における前記表面から前記中間位置までの部分と前記中間位置から前記第1のワークの面と平行方向に突出する部分とで形成される凹状の角部に掛け、前記第1のワークと前記第2のワークとが鈍角に突き合わされた状態で前記第2のワークの端部を前記角部に位置決めする工程と、前記第1のワークと前記第2のワークとの突き合わせ部にレーザ光を照射して、前記第1のワークと前記第2のワークとをレーザ溶接する工程とを含むレーザ溶接方法を提供する。
上記のレーザ溶接方法において、前記第1のワークに前記表面から前記中間位置まで凹む正方形状または矩形状の凹部を形成する工程と、前記第1のワークを、前記凹部の第1の辺の延長線上の第1の端部から第2の端部に向かってレーザ切断するときに、前記凹部が存在しない位置では前記第1のワークを前記延長線で切断し、レーザ切断する位置が前記第1の辺に到達したら、レーザ切断の経路を屈曲させて、前記第1のワークを前記第1の辺と直交する前記凹部の第2の辺に沿って第2の距離だけレーザ切断し、レーザ切断の経路を再び屈曲させて、前記第1のワークを前記第1の辺と平行にレーザ切断し、レーザ切断する位置が前記第2の辺と対向する前記凹部の第3の辺に到達したら、レーザ切断の経路をさらに屈曲させて、前記第1のワークを前記第3の辺に沿って前記第1の辺に到達するまでレーザ切断することにより、前記延長線の位置を前記第1のワークの前記端面として、前記端面に前記微小突出部を形成する工程とをさらに含む
上記のレーザ溶接方法において、前記第2の距離は0.1mm〜0.3mmであり、前記凹部の第1の辺の長さは3.0mm以上、前記第1の端部から前記第2の端部までの距離である前記第1のワークの幅未満である
上記のレーザ溶接方法において、前記第1の距離は、前記第1のワークの板厚をtとしたとき、t/3〜2t/3の距離である。
本発明によれば、一方のワークの端面に形成した微小突出部に、他方のワークの一端部を掛けると共に、他方のワークの一端部を一方のワークの前記端面に当接して位置決めするものである。したがって、他方のワークは、2点支持でもって一方のワークに支持される態様となる。よって、一方のワークの端面と他方のワークの端面とを突き合せて一方のワークと他方のワークとを鈍角に突き合せた状態にレーザ溶接を行うとき、一方のワークと他方のワークとを正確に位置決めすることができるものである。
一方のワークと他方のワークの角部を突き合せて溶接する場合の説明図である。 一方のワークと他方のワークとの突き合せ形態の説明図である。 ワークの端面に微小突出部を形成する場合の説明図である。 一方のワークと他方のワークの一端部を突き合せ溶接する場合の説明図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明するに、一方の板状のワークW1の端面F1と他方の板状のワークW2の端面F2とを鈍触に突き合せるには、次のように行う。
先ず、図3(A)に示すように、一方のワークW1(第1のワーク)において一端面F1を形成すべき位置に、一端面F1の位置と一方の辺1A(第1の辺)の位置が一致した、例えば正方形状または矩形状の凹部1を適数(1個以上)形成する。図3(B)に示すように、凹部1は、プレスを使用し、例えば、半抜き加工を行うことによって形成する。
次に、一方のワークW1の一端面F1を形成すべく、凹部1における辺1Aの延長線上に一致した、ワークWの一側WAの位置P1(第1の端部)においてワークW1のレーザ切断加工を行う。すなわち、ワークW1の一側WAから他側WB(第2の端部)へ向かってレーザ切断加工を開始する。そして、切断加工ラインLが凹部1の辺1B(第2の辺)の位置P2に達したときに、この辺1Bに沿うようにレーザ切断方向(切断ラインL)を屈曲する。その後、辺1Bに沿って、例えば0.1mm〜0.3mm移動した位置P3において、辺1Aと平行にレーザ切断を行うように、レーザ経路を屈曲する。
そして、凹部の辺1C(第3の辺)にレーザ切断加工が達した位置P4において、レーザ切断方向を最初の切断ラインL方向に屈曲する。その後、凹部1の辺1Aと一致した位置P5において、最初の切断ラインLを延長するように、辺1Aと平行にレーザ切断を行う。上述のように、凹部1の部分に切断ライン(レーザ切断経路)を屈曲することにより、凹部1の部分には、図3(C)に示すように、ワークW1の一端面F1から僅かに突出した微小突出部3が形成されることになる。
その後、前記辺1Aと平行にレーザ切断加工を行い、別個の凹部1における辺1Aと辺1Bとの交点位置P6に達したときに、前述同様にレーザ切断経路を屈曲してレーザ切断加工を行うことにより、別個の凹部1の部分に微小突出部3が形成されることになる。
ところで、前記凹部1は、例えば矩形状のごとき平行四辺形に限ることなく、例えば台形、三角形状や半円形状とすることも可能である。すなわち、ワークW1の一端面F1と平行な辺を有する形状であればよいものである。なお、微小突出部3を形成するに際しては、例えば切削加工等によって、ワークW1の一端面F1の全長に亘って段差部を形成することも可能である。
前記凹部1の深さHは、ワークW1の板厚をtmmとしたとき、t/3〜2t/3の範囲であることが望ましい。そして、前記ワークW1の一端面F1からの前記微小突出部3の突出量Pは、ワークW1の板厚をtmmとしたとき、0.1t〜0.3tの範囲であることが望ましい。そして、前記微小突出部3の一端面F1に沿う方向の長さは、1t以上の所望の範囲とすることができ、例えば、3.0mm〜一方のワーク幅とすることができる。
ところで、一方のワークW1の一端面F1と他方のワークW2の一端面F2とを鋭角に突き合せ、一方のワークW1とワークW2とを鈍角に突き合せて位置決めする場合には、次のように行う。
すなわち、図4に示すように、一方のワークW1を、一方の位置決め治具5に適宜に固定位置決めすると共に、位置決め治具5を調節してワークW1の傾斜角を調節する。そして、他方のワークW2を、他方の位置決め治具7における取付部材9上に固定する。前記位置決め治具7における支柱11はZ軸方向に長く構成してあり、ベースフレーム(図示省略)に備えたY軸方向の枢軸(図示省略)を介して傾斜角を調節自在に備えられている。また、前記支柱11は、例えば流体圧シリンダ等の伸縮作動部材(図示省略)によってZ軸方向に伸縮自在に備えられている。
そして、前記支柱11の上部に前記取付部材9がY軸及びZ軸に直交するX軸方向に位置調節可能に備えられている。さらに、前記取付部材9は、Z軸方向の軸心を中心として旋回調節可能に備えられている。
上記構成により、他方の位置決め治具7における取付部材9上に固定した他方のワークW2の一端面F2を、図4に示すように、一方のワークW1の一端面F1に突き合わせることができる。この際、他方のワークW2における裏面(下面)WLを前記微小突出部3に掛けた態様に当接する。そして、他方のワークW2における角部C2を、一方のワークW1の一端面F1に当接して位置決めする。すなわち、一方のワークW1における微小突出部3と一端面F1との2点でもって他方のワークW2を支持した態様でもって、一方のワークW1に対する他方のワークW2の位置決めを行うものである。
前述のように、一方のワークW1の一端面F1と他方のワークW2の一端面F2とを突き合せて、ワークW1とワークW2とを鈍角に突き合せて位置決めした後に、レーザ加工機におけるレーザ加工ヘッド(図示省略)から前記突き合せ位置へレーザ光LBを上方向から照射して、一方のワークW1と他方のワークW2との突き合せ部のレーザ溶接を行うものである。
既に理解されるように、一方のワークW1の一端面F1に対する他方のワークW2の一端面F2の当接位置決めは、一方のワークW1の一端面F1に備えた微小突出部3に他方のワークW2の裏面を当接し、かつ他方のワークW2における角部C2を一方のワークW1の一端面F1に当接した形態で行うものである。したがって、一方のワークW1における微小突出部3と一端面F1との2点を利用して、他方のワークW2の一端面F2の位置決めを行うことになる。よって、一方のワークWLの一端面F1に対する他方のワークW2の一端面F2の当接位置決めを、容易に、かつ正確に行い得るものである。
ところで、以上のごとき説明から理解されるように、前記微小突出部3を形成する際の凹部1の深さHと微小突出部3の突出量Pを、一方のワークW1と他方のワークW2との成す交差角度に対応して適宜に選択する。この構成により、他方のワークW2の一端部を、一方のワークW1の一端部の2点でもって当接位置決めできることになる。したがって、一方のワークW1と他方のワークW2とを所望の角度でもって当接位置決めすることが容易なものである。
本実施形態によれば、他方のワークW2における角部C2は、一方のワークW1の一端面F1の中間位置に当接し、かつ他方のワークW2の下面が微小突出部3に当接した状態にある。したがって、レーザ溶接時には、一方のワークW1及び他方のワークW2の一端面F1,F2付近や微小突出部3の部分は溶融される。そして、溶融金属の表面張力によって、一方のワークW1と他方のワークW2との突き合せ部分はR面でもって溶接されることになる。したがって、突き合せ溶接部の外観が向上するものである。
ところで、前記凹部1の深さHをt/3以下にすると、前記微小突出部3の突出量PとワークW1,W2との突き合せ角度によっては、他方のワークW2の角部C2が一方のワークW1の一端面F1に当接しなくなることがある。また、深さHを2t/3以上にすると、ワークW1の下面に対する微小突出部3の突出量が大きくなり望ましいものではない。
また、前記微小突出部3の長さが3.0mm以下になると、他方のワークW2を掛けるときに、掛け難いことがある。
W1 一方のワーク
W2 他方のワーク
F1 一方のワークの一端面
F2 他方のワークの一端面
1 凹部
3 微小突出部

Claims (4)

  1. 板状の第1のワークの端面に、前記第1のワークの表面から板厚未満の第1の距離だけ離れた前記板厚における中間位置から前記第1のワークの面と平行方向に突出する微小突出部を形成する工程と、
    板状の第2のワークの端部を、前記第1のワークの前記端面における前記表面から前記中間位置までの部分と前記中間位置から前記第1のワークの面と平行方向に突出する部分とで形成される凹状の角部に掛け、前記第1のワークと前記第2のワークとが鈍角に突き合わされた状態で前記第2のワークの端部を前記角部に位置決めする工程と、
    前記第1のワークと前記第2のワークとの突き合わせ部にレーザ光を照射して、前記第1のワークと前記第2のワークとをレーザ溶接する工程
    を含むレーザ溶接方法。
  2. 前記第1のワークに前記表面から前記中間位置まで凹む正方形状または矩形状の凹部を形成する工程と、
    前記第1のワークを、前記凹部の第1の辺の延長線上の第1の端部から第2の端部に向かってレーザ切断するときに、前記凹部が存在しない位置では前記第1のワークを前記延長線で切断し、レーザ切断する位置が前記第1の辺に到達したら、レーザ切断の経路を屈曲させて、前記第1のワークを前記第1の辺と直交する前記凹部の第2の辺に沿って第2の距離だけレーザ切断し、レーザ切断の経路を再び屈曲させて、前記第1のワークを前記第1の辺と平行にレーザ切断し、レーザ切断する位置が前記第2の辺と対向する前記凹部の第3の辺に到達したら、レーザ切断の経路をさらに屈曲させて、前記第1のワークを前記第3の辺に沿って前記第1の辺に到達するまでレーザ切断することにより、前記延長線の位置を前記第1のワークの前記端面として、前記端面に前記微小突出部を形成する工程
    をさらに含む請求項1に記載のレーザ溶接方法。
  3. 前記第2の距離は0.1mm〜0.3mmであり、前記凹部の前記第1の辺の長さは3.0mm以上、前記第1の端部から前記第2の端部までの距離である前記第1のワークの幅未満である請求項2に記載のレーザ溶接方法。
  4. 前記第1の距離は、前記第1のワークの板厚をtとしたとき、t/3〜2t/3の距離である請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法。
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