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JP6899253B2 - レーザ溶接方法 - Google Patents
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本発明は、一方の薄板状のワークの端面と、他方の薄板状のワークの端面とを、例えば直角な状態に突き合せてレーザ溶接を行うレーザ溶接方法及び上記レーザ溶接方法によって溶接を行った溶接構造体に関する。さらに詳細には、一方のワークと他方のワークとの溶接部の表面をR形状に形成し、前記溶接部の裏面を溶融することのないレーザ溶接方法及び溶接構造体に関する。
従来、金属板を突き合せてレーザ溶接を行うことがある(例えば特許文献1参照)。
特開2006−218497号公報
特許文献1には、厚い金属板と薄い金属板とを突き合せてレーザ溶接を行う構成が記載されている。ところで、薄い金属板のワークを突き合せてレーザ溶接を行う場合、図1(a)に示すように、ワークWの端面を突き合せてレーザ溶接を行う突合せ継手、図1(b)に示すように、ワークWを重ね合せた端面のレーザ溶接を行うヘリ継手等がある。また、図1(c)に示すT型貫通継手、図1(d)に示すT型すみ肉継手、図1(e)に示す重ね継手、図1(f)に示す重ねすみ肉継手、図1(g)に示すL字継手、図1(h)に示すL字すみ肉継手などの種々の継手がある。
ここで、ワークを溶接して箱体を構成する場合、前記継手としては、図1(g),(h)に示されたL字継手、L字すみ肉継手が採用可能である。しかし、図1(g),(h)に示した構成においては、ワークの鋭いエッジが残るものであり、好ましいものではない。
そこで、箱体を展開した状態にワークを切断し、折曲げ加工してワークの端面を合せると、図1(i)に示すように、ワークWの端面は直角に交差することになる。この場合、ワークWの端面の間の三角形状の部分に肉盛り溶接を行うことになる。ワークが薄い場合には、ワークの溶け落ちが生じたり、肉盛り部分とワーク表面との間に段差を生じることがある。すなわち、外観のよいレーザ溶接は難しいものである。
本発明は、一方の板状のワークの端面と他方の板状のワークの端面とを交差した状態に突き合せてレーザ溶接を行うレーザ溶接方法であって、前記一方のワークの端部における表面に面取り加工を行う工程と、前記他方のワークの端面を前記一方のワークの裏面に突合せ、前記一方のワークの端面と前記他方のワークの表面とがほぼ一致するように位置決めする工程と、前記一方のワークと前記他方のワークとの突合せ部分へレーザ光を照射して金属を溶融する工程と、前記金属溶融時の表面張力によって、前記一方のワークと前記他方のワークとの溶接部の表面をR形状に形成する工程とを含むレーザ溶接方法である。
上記のレーザ溶接方法において、前記一方のワークの裏面と前記他方のワークの裏面とが直角をなすように突き合せることによって、前記一方のワークの裏面に対して前記他方のワークの端面を突き合せる。
上記のレーザ溶接方法において、前記レーザ光の照射方向は、前記一方のワークの端面付近を指向し、かつ前記一方のワークにおける裏面と前記他方のワークにおける裏面との交差位置付近を指向した方向である
上記のレーザ溶接方法において、記面取り加工前記一方のワークの板厚の53%〜67%の深さに行う。
上記のレーザ溶接方法において、記一方のワークの裏面と前記他方のワークの裏面との交差位置における金属を溶融しない
本発明によれば、ワークの端面の突き合せての位置決めが容易であると共に、溶接部の表面はR形状に形成されるものである。すなわち、鋭いエッジがない状態に溶接でき、安全性が向上すると共に、良好な外観となるものである。
板材をレーザ溶接する際の種々の継手の構成を示す説明図である。 板状のワークを直角に突き合せてレーザ溶接を行う説明図である。 本発明の実施形態に係るレーザ溶接方法の説明図である。 本発明の実施形態によるレーザ溶接方法による溶接結果の説明図である。 本発明の実施形態によるレーザ溶接方法による溶接結果の説明図である。
前述したように、例えば箱体を展開した状態に、例えば1mm〜2.5mm程度の薄い板状のワークを切断し、その後に折曲げ加工すると、図1(i)に示すように、ワークを突き合せた端面の間には、三角形状の空間が生じる。この三角形状の部分は肉盛り溶接を行う必要がある。
そこで、図2(a)に示すように、一方のワークW1と他方のワークW2とを治具等(図示省略)によって直角に保持し、一方のワークW1の端部を、他方のワークW2の端面F2上に重ねて位置決めした。この場合、一方のワークW1の端面F1の位置が他方のワークW2の板厚tの約1/2tの位置となるように位置決めした。そして、焦点位置Fを、前記端面F1,F2の外方に(+位置に)設定し、ワークW1,W2の表面W1A,W2A側の角部及び前記端面F1,F2を含む、状態にレーザ光LBを照射した。この場合のレーザ光LBの照射方向は、前記ワークW1,W2における裏面W1B,W2Bの交差位置Cを指向するように照射した。
一方のワークW1と他方のワークW2とを、図2(a)に示した状態においてレーザ溶接を行ったところ、金属溶融時の表面張力によって、ワークW1,W2の溶接部WEは、図2(b)に示すように、R形状に形成されることを確認した。また、上記レーザ溶接においては、ワークW1,W2における裏面W1B,W2Bの交差位置Cは溶融されてはいなかった。
すなわち、一方のワークW1の端面F1と他方のワークW2の端面F2とを交差した状態に突き合せてレーザ溶接を行うとき、一方のワークW1の裏面W1Bの端部を、他方のワークW2の端面F2の全面に亘ることなく突合せ位置決めしてレーザ溶接を行うことにより、溶け落ちを生じることなく溶接部WEはR形状に形成される。そして、ワークW1,W2における裏面W1B,W2Bの交差位置は溶融されることがないことを確認した。すなわち、溶接部WEの外観が良好で溶け落ちのない良好な溶接を行い得ることを確認した。
ところで、前述のように、一方のワークW1の端部を、他方のワークW2の端面F2に突き合せてレーザ溶接を行うとき、他方のワークW2の端面F2に対する一方のワークWにおける端面F1の位置が種々異なると、レーザ溶接条件が同一であっても、前記溶接部WEの形状が良好な形状にならず変化する傾向にある。また、他方のワークW2の端面F2に対する一方のワークW1の端面F1の位置決めが難しいものであった。
上述に鑑みて、本実施形態においては、次のようにしてワークW1とワークW2との端部の突き合せ溶接を行うものである。すなわち、図3(a),(b)に示すように、一方のワークW1の端部における表面に面取り加工CHを行う。この場合、図3(a)に示すように、ワークW1の端部付近を、バイト等の切削工具によってV形状の溝Vを切削加工する。そして、上記V溝の底部に沿ってレーザ切断加工を行うことによって前記面取り加工CHが行われるものである。
そして、他方のワークW2の端面F2を、一方のワークW1の裏面W1Bに突合せる。また、一方のワークW1の端面F1と他方のワークW2の表面W2Aとがほぼ一致するように位置決めする。すなわち、ワークW1とワークW2とは直角を保持するように端部を突合せ位置決めするものである。この位置決めは、位置決め治具(図示省略)を用いることにより容易に行い得る。上述のように、一方のワークW1の端面F1と他方のワークW2の表面W2Aとが一致するように位置決めするものである。したがって、一方のワークW1と他方のワークW2との位置的関係は、常に一定の位置的関係を保持して位置決めし得る。
上述のように、水平又は垂直な一方のワークW1の端部と垂直又は水平な他方のワークW2の端部とを直角に突合せ位置決めした後、突合せ部分にレーザ光LBを照射してレーザ溶接を行うものである。この際、レーザ光LBは、垂直に対して角度θだけ傾斜し、レーザ光LBの照射位置は、溶接位置WEの外観が良好な溶接となるように、実験的に求めた位置とするものである。すなわち、図3(a),(b)に示すように、一方のワークW1における表面W1Aの端部に面取り加工CHを行って、レーザ溶接を行うと、図3(c)に示すように、溶接位置WEは、溶融金属の表面張力によって表面がR形状を呈し、かつワークW1,W2の裏面は溶融されることのない良好な溶接となるものである。
ところで、レーザ光LBの照射方向は、一方のワークW1の端面F1付近を指向し、かつ一方のワークW1における裏面W1Bと他方のワークW2における裏面との交差位置付近を指向した方向であることが望ましい。
上述のように、複数枚のワークの直角な接合部をレーザ溶接して、例えば溶接構造体として箱体を製造した場合、箱体の角部の溶接部の外観はR面であって、箱体の各内面が直角に交差し、かつ各内面の交差位置に溶接ビード等が存在しない外観良好な箱体となるものである。
ところで、前述したように、端部の面取り加工CHを行った一方のワークW1を、図3(a)に示すように、他方のワークW2の上面に配置した場合(上V)と、図3(b)に示すように、一方のワークW1を他方のワークW2の下側に配置した場合(下V)の二種類の試験片を用意した。上記試験片は、SUS304、板厚(t=1.5mm)、溶接長40mm、である。そして、引っ張り剪断力の測定を行うために、ワークW1,W2の裏面W1B,W2B側が溶融されることのない溶接条件でもってレーザ溶接を行って、同一構成の試験片を複数用意した。
引っ張り試験を行うに際しては、治具を用いて一方のワークW1を固定し、他方のワークW2を引っ張ることによって試験を行った。試験の結果は、図4に示すとおりであった。図4において、平均引っ張りせん断力は、同一構成の複数の試験片による引っ張り試験の平均値である。
図4において、No.1,2の試験片における、ワークW1におけるV溝の深さ(Vカット量)は1.0mmである。換言すればワークW1の板厚の約67%の深さである。No.3,4の試験片であるワークW1のV溝の深さは0.8mmであり、板厚の約53%の深さである。No.5,6の試験片であるワークW1のV溝の深さは0.6mmで、板厚の約40%である。
図4に示された結果から明らかなように、V溝の深さが浅くなる(小さくなる)と、図3(a),(b)に示した一方のワークW1における端面F1が厚くなる。したがって、V溝が浅くなると、溶接部WEの溶融金属量が多くなり、エッジが膨らむ傾向にある。よって、V溝の深さは適正な範囲が存在することになる。
そこで、SUS304、t=1.5mmにおいては、溶接部WEのR面ビードの形状を上Vと下Vにおいての差をより詳細に検査したところ、図5に示すとおりであった。図5から明らかなように、板厚t=1.5mmにおいて、V溝の深さは、1mm〜0.8mmが好ましいものであった。すなわち、ワークW1の板厚に対して約67%〜約53%の範囲が好ましいものである。
なお、板材としてはSUSに限らず例えばSPC,Alもある。また、薄い板材としては、t=1.5mmに限らず、t=1.0mm〜t=2.5mm(V溝の深さは2.0mmとなる)の範囲においてV溝を形成することができる。そこで、各板厚のワークに対して、板厚の約67%〜約53%の範囲のV溝を形成して、前述と同様のレーザ加工を行ったところ、ほぼ前述と同様の効果が得られた。
ところで、図4から明らかなように、V溝の深さが同一であっても、平均引っ張りせん断力は、上Vよりも下Vの方が大きい。したがって、一方のワークW1と他方のワークW2との配置関係は、図3(a)に示したごとき上Vの関係よりも、図3(b)に示したごとき下Vの関係に配置してレーザ溶接を行うことが望ましいものである。
W1 一方のワーク W2 他方のワーク
W1A 表面 W2A 表面
W1B 裏面 W2B 裏面
F1 端面 F2 端面
C 裏面の交差位置 WE 溶接部

Claims (5)

  1. 一方の板状のワークの端面と他方の板状のワークの端面とを交差した状態に突き合せてレーザ溶接を行うレーザ溶接方法であって、
    前記一方のワークの端部における表面に面取り加工を行う工程
    前記他方のワークの端面を前記一方のワークの裏面に突合せ、前記一方のワークの端面と前記他方のワークの表面とがほぼ一致するように位置決めする工程
    前記一方のワークと前記他方のワークとの突合せ部分へレーザ光を照射して金属を溶融する工程
    前記金属溶融時の表面張力によって、前記一方のワークと前記他方のワークとの溶接部の表面をR形状に形成する工程
    含むレーザ溶接方法。
  2. 前記一方のワークの裏面と前記他方のワークの裏面とが直角をなすように突き合せることによって、前記一方のワークの裏面に対して前記他方のワークの端面を突き合せる請求項1に記載のレーザ溶接方法。
  3. 記レーザ光の照射方向は、前記一方のワークの端面付近を指向し、かつ前記一方のワークにおける裏面と前記他方のワークにおける裏面との交差位置付近を指向した方向である請求項1又は2に記載のレーザ溶接方法。
  4. 記面取り加工前記一方のワークの板厚の53%〜67%の深さに行う請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法。
  5. 記一方のワークの裏面と前記他方のワークの裏面との交差位置における金属を溶融しない請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法。
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