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JP6886426B2 - 有機性汚泥の脱水方法及びこれに用いる処理装置 - Google Patents
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JP6886426B2 - 有機性汚泥の脱水方法及びこれに用いる処理装置 - Google Patents

有機性汚泥の脱水方法及びこれに用いる処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機性汚泥の脱水方法及びこれに用いる処理装置に関する。
近年、廃棄物量の削減や廃棄物の再利用などが求められている。有機性汚泥は通常脱水後に廃棄物として処理されるが、脱水が不十分であると、発生量やその後の工程に影響を及ぼす。そのため、効率的および効果的な有機性汚泥の脱水方法の開発が望まれている。
有機性汚泥の脱水方法として、高分子凝集剤により汚泥を凝集させた後、機械的脱水を行う方法(「1液法」と称される)や、高分子凝集剤により汚泥を凝集させた後、重力濃縮で脱水した汚泥に高分子凝集剤を添加し、機械的脱水を行う方法(「高分子凝集剤2液添加法」と称される)、無機凝集剤または有機凝結剤など脱水助剤を汚泥に添加した後、高分子凝集剤で凝集させ、機械的脱水を行う方法(「無機凝集剤または有機凝結剤・前添加法」と称される)などが一般的に行われてきた。
遠心脱水機による汚泥の脱水方法として、脱水機内へ汚泥と高分子凝集剤を供給して汚泥粒子を凝集させ、遠心脱水をする過程で無機凝結剤を添加し、遠心脱水および固液分離を行う方法(「機内2液調質法」と称される)が知られている。
また、近年、有機性汚泥の別の脱水方法として、高分子凝集剤により汚泥を凝集させた後、凝集汚泥を重力濃縮し、無機凝結剤や有機凝結剤など脱水助剤を汚泥に添加した後、機械的脱水を行う方法(「無機凝集剤または有機凝結剤・後添加法」と称される。)が提案されている。
一方、有機性汚泥の脱水工程において、特に無機凝集剤などを添加する場合、汚泥や脱水ろ液中の溶解性カルシウム濃度や硫酸イオン濃度が高くなるため、脱水機や周辺の配管などに石膏スケールが生成される。石膏スケールの付着は強固であるため、除去や洗浄には多くの労力を要する。
特許文献1には、カチオン性高分子凝集剤Iを添加・撹拌する工程と、凝集汚泥を重力により固液分離する工程と、脱水ケーキに高分子凝集剤Iよりカチオン強度の強い高分子凝集剤IIを添加・撹拌する工程と、機械脱水する工程とを有する有機性汚泥の脱水方法が開示されている。
また、カチオン性高分子凝集剤IIのカチオン強度は3.5または5.0meq/g以上が好ましいとの記載があり、その実施例ではポリアミン系の高分子凝集剤を使用している。
特許文献2には、汚泥の脱水方法として、汚泥と高分子量のカチオン系高分子凝集剤とを第1の処理槽内で緩速にて攪拌混合して汚泥を粗大フロック状に凝集させ、この粗大フロック状汚泥を重力脱水機に送って濃縮し、得られた濃縮汚泥と高カチオン度高分子凝集剤とを第2の処理槽内で十分攪拌混合することにより汚泥をさらに凝集させ、その後、この凝集汚泥を機械脱水機に供給して脱水する方法が記載されている。
特許文献3には、汚泥脱水方法及び装置について、汚泥に第1の凝集剤を添加して凝集を行い1次凝集フロックを生成させる1次凝集工程と、1次凝集フロックを脱水して1次脱水ケーキを得る1次脱水工程と、1次脱水ケーキにディスパーションまたはエマルション状態の高分子凝集剤からなる第2の凝集剤を添加して凝集を行い2次凝集フロックを生成させる2次凝集工程と、2次凝集フロックを脱水する2次脱水工程とを含む方法及び装置が記載されている。
特許文献4には、有機性汚泥の脱水方法について、有機性汚泥にカチオン系有機高分子凝集剤を添加して混合及びフロック形成した後、重力濃縮した凝集汚泥に鉄塩を添加し、その後、加圧脱水する方法が記載されている。
特許文献5には、有機性汚泥の脱水方法及び装置について、有機性汚泥に高分子凝集剤を添加し、凝集汚泥を形成する凝集工程と、凝集汚泥を加圧することにより凝集汚泥を圧搾して脱水する凝集汚泥加圧脱水工程と、凝集汚泥加圧脱水工程で形成された脱水ケーキに無機凝集剤を添加する無機凝集剤添加工程と、無機凝集剤が添加された脱水ケーキを機械脱水する機械脱水工程により行う方法及び凝集汚泥加圧脱水工程で用いる汚泥圧搾機について記載されている。
特許文献6には、汚泥の処理方法及び装置について、第1の高分子凝集剤の溶液を汚泥に加え、混合することで混合汚泥とする混合汚泥調製工程と、第2の高分子凝集剤の溶液を前記混合汚泥と混合させ凝集フロックを形成して凝集汚泥を得る凝集フロック形成工程とを有し、前記混合汚泥調製工程の前に、無機凝集剤を汚泥に加える無機凝集剤・前添加工程を導入する汚泥の処理方法について記載されている。
非特許文献1では、有機性汚泥の脱水方法と脱水後の汚泥性状について、し尿施設の濃縮汚泥に造粒槽でポリマを添加する工程と、凝集汚泥のベルトプレス脱水機による第一脱水工程と、脱水汚泥にポリマ(有機凝結剤、キトサンなど)を添加する工程と、ポリマ添加汚泥のスクリュープレス脱水機(スチーム熱を加えた脱水)による第二脱水工程とを有す汚泥脱水方法、及び脱水ケーキの汚泥含水率が65wt%以下になるといった脱水後の汚泥性状が記載されている。
特開昭58−223500号公報 特開平6−344000号公報 特開2002−192199号公報 特開昭61−149300号公報 特開2013−712号公報 特開2014−50830号公報
荏原インフィルコ時報、第88号、1983年、41〜49頁
しかし、特許文献1は含水率低減効果のみを目的としており、スケール発生の防止については何ら考慮、対策は講じられていない。また、有機凝結剤についても明記されておらず、粘度、分子量、希釈液とする工程および希釈倍率についての諸条件は記載していない。
特許文献2では、脱水機等の腐食による装置の短命化防止を目的としており、含水率低減効果と石膏スケール生成抑制効果を目的とするものではない。
特許文献3では、脱水ケーキの低含水率化と高いSS回収率を目的としており、石膏スケール抑制効果を目的とするものではない。
特許文献4では、無機系の凝集剤(鉄塩)を凝集汚泥に添加について記載しているに過ぎず、濃縮後の汚泥に有機凝結剤を添加することについては開示されていない。
特許文献5では、無機系の凝集剤を使用することで、石膏スケール生成の可能性がある。
特許文献6では、高分子凝集剤の注入量削減、脱水ケーキの低含水率化、脱水ろ液の色度低減を目的としており、石膏スケール抑制効果は考慮されていない。また、無機凝集剤を使用することで、石膏スケール生成の可能性がある。
非特許文献1では、脱水ケーキの低含水率化を目的としており、石膏スケール生成抑制効果は考慮されていない。また、機械脱水はスクリュープレス脱水機(一部スチール熱を利用)とベルトプレス脱水機でのみ検討を行っており、他の機械脱水方法及び装置や遠心脱水方法及び装置については考慮されていない。
このように、従来技術では、有機性汚泥に高分子凝集剤や脱水助剤を添加することで、汚泥含水率低減効果、脱水機などの腐食防止効果、高いSS回収率を目的としている。しかし、特に無機凝集剤を添加する脱水方法では、汚泥中の溶解性カルシウム濃度や硫酸イオン濃度が高くなるため、脱水機内や周辺の配管などに、石膏スケールの生成される問題点があった。石膏スケールが生成された場合、除去や洗浄が必要となる。また、凝集汚泥の濃縮方法は、コストの面から重力ろ過方式などが考えられている。
従来の方法では上記のように、スケール生成の抑制を単独、または脱水ケーキ含水率低減効果とスケール生成の抑制を同時に達成できる有機性汚泥の脱水方法は報告されていなかった。また、濃縮汚泥の含水率が高いと有機凝結剤が濃縮汚泥に分散・浸透しやすくなるが、濃縮工程や脱水工程でろ液側に薬剤が流出しやすくなり、必然的に多量の有機凝結剤を使用しなければならない。有機凝結剤の使用量の削減するためにも、濃縮汚泥の含水率を低下させる必要性は大きい。
そこで、本発明の目的は、汚泥含水率低減、廃棄物量削減、及び石膏スケール生成抑制を達成することができる有機性汚泥の脱水方法及びそれに使用する処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成とすることができる。
(1)有機性汚泥に高分子凝集剤を添加して前記有機性汚泥を凝集させる工程と、
前記凝集された汚泥を濃縮及び加圧脱水する工程と、
前記濃縮後又は前記加圧脱水後の汚泥に有機凝結剤を添加する工程と、
前記有機凝結剤が添加された汚泥を機械的に脱水する工程と、を含み、
前記有機凝結剤が添加された汚泥及びその脱水ろ液のうち少なくとも一方のpHが6以上であり、前記濃縮及び加圧脱水された汚泥の蒸発残留物(TS)が40〜150g/Lであることを特徴とする有機性汚泥の脱水方法。
(2)前記有機凝結剤は、pH4のカチオン度が5meq/g以上である。
(3)前記有機凝結剤は、前記濃縮及び加圧脱水した後の汚泥を分断し少なくともブロック状に形成した後に添加する。
(4)前記有機凝結剤は、25℃における原液の粘度が50mPa・s以上の液状である。
(5)前記有機凝結剤は、分子量が4000を超え150万以下である。
(6)前記有機凝結剤は、無希釈もしくは希釈倍率60倍以下に希釈した溶液として添加する。
(7)有機性汚泥に高分子凝集剤を添加して前記有機性汚泥を凝集させる凝集手段と、
前記凝集された汚泥を濃縮する濃縮手段と、
前記濃縮された汚泥を加圧脱水する加圧脱水手段と、
前記濃縮後又は前記加圧脱水後の汚泥に有機凝結剤を添加する有機凝結剤添加手段と、
前記有機凝結剤が添加された汚泥を機械的に脱水する機械脱水手段と、を含み、
前記有機凝結剤が添加された汚泥およびその脱水ろ液のうちの少なくとも一方のpHが6以上であり、前記濃縮及び加圧脱水された汚泥の蒸発残留物(TS)が40〜150g/Lであることを特徴とする有機性汚泥の脱水に用いる処理装置。
(8)前記濃縮・加圧脱水手段と前記有機凝結剤添加手段との間に設けられ、前記濃縮・加圧脱水汚泥を分断して少なくともブロック状に形成する汚泥分断手段を有する。
本発明によれば、汚泥含水率低減、廃棄物量削減、及び石膏スケール生成抑制を達成することができる。
本発明の概略を示すフロー図 第1例の処理装置を説明する模式図 汚泥圧搾機の断面模式図 第2例の処理装置を説明する模式図 加圧濃縮汚泥を分断した場合と分断しなかった場合の効果を示す図 分断機を示す斜視図
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は特定の具体例に限定されるものではない。
図1は、本発明の概略を説明するための図面であり、本発明は、有機性汚泥に高分子凝集剤を添加して有機性汚泥を凝集させる工程と、凝集された汚泥を濃縮及び加圧脱水する工程と、濃縮後又は加圧脱水後の汚泥に有機凝結剤を添加する工程と、有機凝結剤が添加された汚泥を機械的に脱水する工程とを含み、最終的に脱水汚泥(脱水ケーキ)が排出される。以下に詳細に説明する。
[有機性汚泥]
有機性汚泥は、下水処理、し尿処理、各種産業廃水処理などにおいて発生する有機性汚泥である。例えば、最初沈澱池汚泥、余剰汚泥、嫌気性消化汚泥、好気性消化汚泥、浄化槽汚泥、生し尿を含むし尿系汚泥などを挙げることができる。これら汚泥は1種のみを単独で処理してもよいし、2種以上の汚泥を混合して処理してもよい。これら有機性汚泥は無機物を含んでも良い。
有機性汚泥は、溶解性カルシウム濃度範囲が10〜200mg/Lのものが好ましく、より好ましくは10〜150mg/L、さらに好ましくは10〜100mg/L、特に好ましくは20〜80mg/Lである。有機性汚泥の硫酸イオン濃度範囲は好ましくは0.1〜200mg/Lであり、より好ましくは0.1〜150mg/L、特に好ましくは0.5〜120mg/Lである。
有機性汚泥の溶解性カルシウム濃度と硫酸イオン濃度の少なくとも一方が上記好適範囲内であれば、汚泥中の溶解性カルシウムに由来する石膏スケールの生成が効果的に抑制される。
処理前の有機性汚泥は、通常、pH6以上、好ましくは6〜9、カルシウム濃度が100〜700mg/L、好ましくは100〜400mg/L、さらに好ましくは100〜350 mg/Lという特徴を有している。溶解性カルシウム濃度と硫酸イオン濃度の少なくとも一方が上記好適濃度範囲を超える高濃度汚泥を処理する場合、水と、低濃度汚泥と、低濃度排水から選択される1種以上の希釈媒体を添加してもよい。「低濃度」とは、カルシウム濃度と硫酸イオン濃度の少なくとも一方が上記好適濃度の上限値よりも低い意味である。例えば、低濃度汚泥と高濃度汚泥の混合汚泥を有機性汚泥として処理することもできる。
溶解性カルシウム濃度と硫酸イオン濃度は、水溶性の塩として存在し、汚泥中に溶解してイオン化(Ca2+、SO 2−)して存在する濃度のことであって、溶解性カルシウム濃度と硫酸イオン濃度は、それぞれ実施例で後述するICP発光分光分析法、イオンクロマトグラフ法により測定可能である。
[有機凝結剤]
有機凝結剤とは、広義では高分子凝集剤に分類されるが、高分子凝集剤と分類される薬剤と比較すると、低分子であり、高カチオン度を有する。具体的には、有機凝結剤の分子量は数百万以下であり、より具体的には分子量が150万以下であり、好ましくは分子量100万以下、より好ましくは分子量50万以下、特に好ましくは分子量10万以下である。分子量の下限は例えば4000を超え、好ましくは5000以上、より好ましくは1万以上であり、更に好ましくは2万以上、特に好ましくは3万以上である。具体的には4000を超え150万以下、好ましくは5000〜50万以下である。
ここでの分子量は、固有粘度(0.2N−NaCl水溶液中25℃での測定値、単位はdl/g)から換算して求められるもので、ポリアクリルアミド系高分子の粘度式:[η]=3.02×10-4×(Mw)0.68[ポリマー凝集剤、(株)東京都下水道サービス刊、113頁]から(Mw)を便宜上求めることができる。
また、有機凝結剤としては、粉体、液体のいずれも存在するが、いずれの場合も水溶液としたときの粘度が高分子凝集剤と比較して低く、有機凝結剤は通常液体である。これは、高分子凝集剤、ポリマ、低分子系カチオン凝集剤、有機凝結剤、有機凝集剤などと称されることがあるが、本明細書では、有機凝結剤とする。本発明に係る有機凝結剤は、有機性汚泥の脱水方法に用いられ、カチオン性であり、好ましくは室温(27℃)で液状の物質である。
本脱水方法で使用する有機凝結剤としては、例えばポリアミン系、ジシアンジアミド系、ポリジシアンジアミド系、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド系(「ポリDADMAC系」とも称する)、アミノ縮合系、メラミン酸コロイド系などから1種以上を選択して用いることができる。
より具体的には、ポリアルキルポリアミン、ポリエチレンイミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、エチレンジアミンエピクロルヒドリン重縮合物、メチロールメラミン酸コロイド、ジシアンジアミド・塩化アンモニウム・ホルムアルデヒド重縮合物、ポリエチレン・ポリアミン・ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ジアルキルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(特にジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物)、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドと二酸化イオウの共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドの共重合体、ジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウとの共重合体などから1種以上を用いることができる。
しかし、本発明の有機凝結剤の濃度(混合物の場合は、混合物全体の濃度)は、金属類が200mg/L以下、硫酸イオンが200mg/L以下であることが好ましく、より好ましくは金属類濃度が100mg/L以下、硫酸イオン濃度が100mg/L以下である。従って、二酸化硫黄の共重合体など、硫黄原子や金属類を含む有機凝結剤は使用しないか、使用する場合はその量を抑えるべきである。上記有機凝結剤の中でも、イオウ原子や金属類の含有量が極めて低く(コンタミネーションレベルでは存在するおそれはある)、汚泥脱水性が高いという点で、ポリアミン系、ポリDADMAC系、ポリジシアンジアミド系の有機凝結剤が好ましく、ポリアミン系の有機凝結剤が最も好ましい。
ここで、金属類とは少なくともCaから選択される物質であり、すなわち、Ca濃度が金属類の濃度が上記好適範囲(例:200mg/L以下)の有機凝結剤であれば好ましく使用することができるが、より好ましくは、Mgなども含むアルカリ土類金属全体の濃度が上記好適範囲、より好ましくは、Caなどのアルカリ土類金属に加え、Fe等の遷移金属、Al等の卑金属から構成される金属類の合計濃度が200mg/L以下の有機凝結剤を用いる。
有機凝結剤の性状としては、高カチオン度(原液中の有機凝結剤成分換算値)であり、詳しくはpH4における有機凝結剤の原液中の成分としてのカチオン度が5meq/g以上が好ましく、より好ましくは7meq/g以上、更に好ましくは10meq/g以上である。有機凝結剤の原液の粘度(回転粘度計、25℃で測定)が50mPa・s以上が好ましく、150mPa・s以上であればより好ましく、上限は特に限定されないが4000mPa・s以下が好ましい。
なお、pH4におけるカチオン度は以下の手順で測定することができる。高分子凝集剤または有機凝結剤を純水に溶解し、500mg/Lの高分子凝集剤水溶液(成分換算)または有機凝結剤水溶液(原液中の成分換算)を調製した。次に90mLの純水と10mLの高分子凝集剤水溶液または有機凝結剤水溶液を混合し、0.1規定の塩酸水溶液でpH4に調整した。これにトルイジンブルーを加え、1/400規定のポリビニル硫酸カリウムで滴定した。滴定では、青色から赤紫色に変色して15秒以上保持する時点を終点とした。カチオン度(コロイド当量値)は以下の式から計算した。
カチオン度(meq/g)=滴定量(mL)/2
有機凝結剤は、無希釈の原液での使用も可能である。ここで「原液」とは、例えば「有機凝結剤」として流通可能な液状製品(例:水溶液)のことであって、有機凝結剤成分(有機凝結剤として説明した上記化合物)に加え、水などの溶媒や任意の添加剤を含む場合もあり、具体的には有機凝結剤成分の含有量が10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、その含有量上限は例えば90質量%、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。このような原液で使用した場合の脱水効果は高いが、粘度を低下させて脱水ケーキ内に含浸及び分散させやすくすると共に、希釈することにより容量を増やして均一分散させやすくする観点から、希釈液(水)で希釈後に、脱水ケーキに添加することが好ましい。ただし、希釈倍率が60倍を超えると、希釈液中の水分量が増えるため、脱水ケーキの水分量を増加させてしまう恐れがある。
上記観点から、有機凝結剤の原液の希釈倍率は60倍以下、特に2〜60倍(質量比)が好ましい。より好ましい希釈倍率は5〜50倍である。希釈液(溶媒)には、水を主成分(50質量%以上)とし、好ましくは水を90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、特に好ましくは99質量%水を含み、特に実質的に水からなるものを用いる。具体的には、純水、水道水、工業用水、地下水、各種廃水処理の処理水、海水などが使用できるが、経済的な観点からは、工業用水、地下水、各種廃水処理の処理水が好ましい。
このように、希釈液は特に限定されないが、希釈液の金属類濃度や硫酸イオン濃度が高いと、結果的に有機凝結剤溶液の金属類濃度、硫酸イオン濃度が高くなってしまうので、希釈液の金属類イオン濃度と硫酸イオン濃度はそれぞれ200mg/L以下が好ましく、より好ましくは100mg/L以下であり、最も好ましくは50mg/L以下である。従って、これら濃度の観点から、好ましくは希釈液には硬水を使用せず、いわゆる軟水(硬度100mg/L以下)に相当する水道水、純水などを使用する。金属類と硫酸イオンの少なくとも一方の濃度が高い地下水などを用いる場合は、上記軟水などと混合して希釈液とすることもできる。
有機凝結剤を希釈する場合も希釈しない場合も、有機凝結剤(液状の場合は原液、紛体の場合は固形分)の添加量を、有機性汚泥のTSに対して0.1質量%以上(有機凝結剤の質量%は、有機凝結剤の原液換算)にすることで、脱水効果を高めることができる。他方、有機性汚泥のTSに対する添加量が3.0質量%を超えても、有機凝結剤の無駄である。よって、かかる観点から、有機凝結剤の添加量は、有機性汚泥のTSに対して0.1〜3.0質量%で添加するのが好ましく、中でも0.5質量%以上或いは2.5質量%以下、その中でも0.6質量%以上或いは2.0質量%以下の割合で添加するのがより一層好ましい。有機凝結剤の添加量が0.1質量%以下の場合、有機性汚泥に対する脱水促進のための有機凝結剤の成分が不足となり、有機性汚泥の脱水が不十分となる。
[高分子凝集剤]
高分子凝集剤としてはカチオン性基を含有する物であれば特に限定されず、カチオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤の一方又は両方を用いることができる。カチオン性基を含有する高分子凝集剤、特にカチオン性高分子凝集剤と共に、アニオン性高分子凝集剤とノニオン性高分子凝集剤の一方又は両方を併用することも可能である。
いずれの場合も、本発明には、カチオン度が有機凝結剤よりも低い高分子凝集剤を用いることが好ましい。高分子凝集剤のカチオン度は、有機凝結剤と同様の方法で測定することが可能である。高分子凝集剤を2種以上使用する場合は、各高分子凝集剤のカチオン度と質量比とから算出した値を、高分子凝集剤全体のカチオン度と推定することもできる。
カチオン性高分子凝集剤としては、例えばアクリレート系高分子凝集剤(「DAA系高分子凝集剤」とも称する)、メタクリレート系高分子凝集剤(「DAM系高分子凝集剤」とも称する)、アミド基、ニトリル基、アミン塩酸基、ホルムアルデヒド基などを含むポリビニルアミジン(「アミジン系高分子凝集剤」とも称する)、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物などが挙げることができる。
両性高分子凝集剤は、一般に、(メタ)アクリル酸エステル系などのカチオン性モノマーと、アクリル酸等のアニオン性モノマーとの共重合体であって、アクリルアミドなどのノニオン性モノマーを更に共重合させる場合もある。具体的には、ジメチルアミノエチルアクリレート4級アンモニウム塩とアクリルアミドとアクリル酸との共重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート4級アンモニウム塩とアクリルアミドとアクリル酸との共重合物、ジメチルアミノエチルアクリレート4級アンモニウム塩とジメチルアミノエチルメタクリレート4級アンモニウム塩とアクリルアミドとアクリル酸との共重合物などを挙げることができる。
高分子凝集剤の分子量は特に限定されないが、少なくとも有機凝結剤よりは高分子量のものを用いることが好ましい。例えば、分子量は数百万以上、具体的には200万以上、好ましくは250万を超え、より好ましくは300万以上、特に好ましくは500万以上である。この分子量も、有機凝結剤と同様、固有粘度から換算して求めることができる。
高分子凝集剤はそのまま用いてもよいが、有機性汚泥への分散性を高めるためには、溶媒に分散又は溶解した高分子凝集剤の溶液を用いることが好ましい。この溶媒は、上記有機凝結剤の希釈液と同様の溶媒、例えば、純水、水道水、工業用水、地下水、各種廃水処理の処理水、海水などをあげることができるが、高分子凝集剤の効果を最大限発揮させる観点からは純水が望ましい。一方、経済性の観点からは水道水、工業用水、地下水、各種廃水処理の処理水が望ましい。
高分子凝集剤は、有機性汚泥のTSに対して0.3質量%以上(高分子凝集剤の質量%は、高分子凝集剤の成分換算)添加すれば、脱水効果を高めることができる一方、3.5質量%を超えて添加しても高分子凝集剤の無駄である。よって、かかる観点から高分子凝集剤の添加量(溶媒除く)は、有機性汚泥のTSに対して0.3〜3.5質量%で添加することが望ましく、中でも0.4質量%以上あるいは3.0質量%以下の割合で添加するのが一層好ましい。なお、TS(Total solid)は残留蒸発物のことであり、有機性汚泥を105℃〜110℃で蒸発乾固した後に残留した物質の質量を、蒸発乾固前の汚泥質量で除して100を乗じた値である(単位は%)。TSの測定には、本発明により処理する前の有機性汚泥を用いる。
次に、本発明の脱水方法の第1例及び第2例を、それに用いる処理装置と共に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[本発明の脱水方法の第1例及びこれに用いる処理装置]
図2の符号10は第1例の脱水方法で用いる処理装置の一例を示しており、この処理装置10は、有機性汚泥に高分子凝集剤を添加して有機性汚泥を凝集させる凝集手段11と、凝集された汚泥を濃縮及び加圧脱水する濃縮・加圧脱水手段12と、濃縮及び加圧脱水後の汚泥に有機凝結剤を添加する有機凝結剤添加手段13と、有機凝結剤が添加された汚泥を機械的に脱水する脱水手段14と、備える。この処理装置10に送られた有機性汚泥は、先ず、凝集手段11における高分子凝集剤を用いた凝集工程に付される。
<凝集工程>
凝集手段11は特に限定されないが、好ましくは混和槽11aを有しており、この混和槽11aに上記溶媒に分散又は溶解した混和状態の高分子凝集剤溶液を収容しておく。凝集手段11は、有機性汚泥を処理する凝集槽11bを更に有し、混和槽11aから供給される高分子凝集剤又はその溶液が凝集槽11b内に添加される。
凝集手段11には流量調整手段などの制御手段を設置してもよく、予め有機性汚泥のTSを測定するか、有機性汚泥の情報(汚泥の出所、過去のTS測定値等)からTSを予測しておき、このTSと、有機性汚泥の供給量に基づき、制御手段で高分子凝集剤の添加量を制御してもよい。
凝集槽11bに有機性汚泥を供給し、混和槽11aから供給した高分子凝集剤と、この有機性汚泥とを、凝集槽11bの撹拌手段で撹拌混合すると、有機性汚泥は高分子凝集剤により凝集して凝集フロックが形成される。すなわち、この処理装置10では、凝集槽11bと混和槽11aとで凝集工程用の装置の一部又は全部が構成される。なお、有機性汚泥を凝集可能であれば、この凝集工程に用いる装置の構成、装置の形態、装置の数、装置の寸法、または、凝集に使用する水槽の数、水槽の構成、水槽の形態、装置の寸法、さらには凝集方法及び技術に関しては限定されない。
いずれの装置を用いた場合も、高分子凝集剤を用いた凝集処理により、最終的に得られる脱水ケーキの含水率を効果的に低減できると共に、後段の有機凝結剤の使用量を適正に調整することができる。
この処理装置10では、凝集槽11bの後段に濃縮・加圧脱水手段12を設置し、凝集工程で得た凝集汚泥を濃縮して過剰な水分を除去する。次に、この濃縮・加圧脱水工程について説明する。
<濃縮・加圧脱水工程>
濃縮・加圧脱水工程では、凝集汚泥を濃縮及び加圧脱水する。「加圧脱水」とは、汚泥に対し、外部から何かしらの方法で圧力を加え、加圧することを示す。凝集汚泥、又は凝集汚泥を濃縮後の汚泥は水分を多く含むため、加圧することで必然的に脱水され、最終的な汚泥TSは後述の通りとなる。この工程で用いられる濃縮・加圧脱水手段12は、汚泥圧搾機12aを有する。図3は、汚泥圧搾機12aの一例を示している。凝集工程では凝集汚泥と共に、凝集の際に汚泥と分離した分離液(ろ液又は処理水とも表される)が発生するが、混合状態の凝集汚泥と分離液を凝集汚泥投入口21から投入する。投入された凝集汚泥と分離液(ろ液又は処理水)は凝集汚泥移動手段22のベルト23上で汚泥排出口29方向へと移動される。ベルト23はメッシュ状をしており、移動される過程で、固液分離がなされ、凝集汚泥は加圧手段25へと、分離液(ろ液又は処理水)は分離液及びろ液捕捉手段27へと捕集され、機外へと排出される。濃縮された汚泥は加圧手段25の加圧板26で加圧されて脱水され、さらに固液分離が進むことで、汚泥が更に脱水される。
濃縮・加圧脱水工程では、濃縮及び加圧脱水後の汚泥(以下、「加圧濃縮汚泥」とも称する)のTSが40〜150g/Lになるように濃縮及び加圧脱水を行う。より好ましくは、濃縮及び加圧脱水後の汚泥TSが50〜140g/Lになるようにすること、より好ましくはTSが60〜120g/Lになるようにすることである。TSが40g/L未満である場合、含水率が高くなって後に添加される有機凝結剤の使用量が増える一方、TSが150g/Lを超えると添加される有機凝結剤の分散性・浸透性が低下する。
「TS」とは、残留蒸発物のことであり、この場合は汚泥を105〜110℃で蒸発乾固した後に残留する物質の質量と、蒸発乾固する前の凝集汚泥の質量とから算出することができる。
また、含水率に着目すると、次工程へ送られる濃縮及び加圧脱水後の汚泥の含水率は、85質量%を超えることが好ましく、より好ましくは87質量%以上であり、含水率の好適上限は96質量%であり、より好ましくは93質量%以下であり、更により好ましくは92質量%以下である。
濃縮及び加圧脱水された汚泥への薬剤の分散性及び浸透性に着眼すると、加圧を用いない単なる重力濃縮等であると、凝集汚泥の含水率が高くなり、薬剤の分散性及び浸透性は改善する傾向があるものの、後段で薬剤を添加する場合、濃縮工程や脱水工程で脱水ろ液側に薬剤が流出し易くなってしまう。これに対し、濃縮及び加圧脱水すると、通常の重力濃縮等と比較し、濃縮及び加圧脱水後の汚泥への薬剤の分散性及び浸透性が低下するものの、含水率低減効果及び流動性の減少が図れる。また、薬剤の流出が防止でき、薬剤使用量の削減が可能となる利点がある。
汚泥の濃縮及び加圧脱水するための手段は汚泥圧搾機に限られず、従来の加圧を用いた汚泥濃縮機を用いることもできる。また、1つの機械(汚泥圧搾機)に濃縮・加圧脱水手段が設けられた例を示したが、濃縮するための濃縮手段と加圧脱水するための加圧脱水手段を別々に構成してもよい。
本発明では、前記処理前の有機性汚泥及び前記凝集汚泥等を含む濃縮・加圧脱水工程に供される前の各汚泥のpHが好ましくは6以上であり、より好ましくは6〜9の範囲である。これは本工程又はそれ以前の前記工程で、汚泥からカルシウムが溶出して石膏スケールの原因となることや、本工程以後における各汚泥のpH範囲を、前記のpH範囲となるようにする必要性からである。また同様に、濃縮及び加圧脱水された汚泥(加圧濃縮汚泥)及びその脱水ろ液のうち少なくとも一方のpHは好ましくは6以上であり、より好ましくは6〜9である。
尚、前述した濃縮及び加圧脱水工程や、その手段は、図2、図3に示す様に、濃縮と加圧脱水を同時、あるいは濃縮と共に加圧脱水する例を示したが、これに限らず、例えば図1に示すフローの様に、濃縮してから加圧脱水する様にしても良い.
<汚泥圧搾機>
図3に示した汚泥圧搾機について更に説明すると、この汚泥圧搾機12aは、凝集汚泥と分離液を固液分離しながら、凝集汚泥のみを汚泥排出口29方向へと移動させる凝集汚泥移動手段22と、凝集汚泥を加圧し、濃縮することで加圧濃縮汚泥を得る加圧手段25、を有する装置である。
凝集工程では凝集汚泥と共に、凝集の際に汚泥と分離した分離液(ろ液又は処理水)が発生するが、混合状態の凝集汚泥と分離液(ろ液又は処理水)を凝集汚泥投入口21から投入する。汚泥圧搾機12a内ではベルト23と、それを駆動させるベルト駆動装置24と、ベルト23を洗浄するためのベルト洗浄管30からなる凝集汚泥移動手段22がある。投入された凝集汚泥と分離液(ろ液又は処理水)は凝集汚泥移動手段22のベルト23上で汚泥排出口29方向へと移動される。移動される過程で、固液分離がなされ、汚泥は加圧手段25へと、分離液(ろ液又は処理水)は分離液及びろ液捕捉手段27へと捕集され、機外へと排出される。
加圧手段25は凝集汚泥を加圧板26により加圧することで、凝集汚泥の濃縮を行う。加圧による汚泥の濃縮は、重力ろ過等と比べ、効果的に実施できる。凝集汚泥は加圧手段25の加圧板26で加圧脱水され、さらに固液分離が進むことで、汚泥が濃縮され、加圧濃縮汚泥となる。
凝集汚泥を加圧脱水する場合、凝集汚泥にかける圧力は加圧凝集汚泥のTSが上記範囲になるように適宜調整すればよい。凝集汚泥にかける加圧圧力の目安としては、1〜200kPaの圧力を凝集汚泥にかけることが好ましく、好ましくは5kPa以上150kPa以下、より好ましくは10kPa以上或いは100kPa以下、さらにより好ましくは10kPa以上或いは50kPa以下の圧力を凝集汚泥にかけるのがより一層好ましい。
加圧濃縮汚泥はそのまま汚泥排出口29から排出されるが、汚泥排出口29には後述する分断機28aを設置することが好ましい。
なお、図3に示した例では、濃縮の後に加圧脱水を行っているが、濃縮と加圧脱水は同時に行ってもよい。
<有機凝結剤添加工程>
次に、有機凝結剤添加工程について説明する。図2に示す凝結剤添加手段13は特に限定されないが、例えば、有機凝結剤の貯留槽13aを有しており、貯留槽13aには有機凝結剤の原液又は希釈溶液が貯留されている。使用する有機凝結剤の性状や使用形態は上記の通りである。
本工程では、上記凝集工程及び濃縮・加圧脱水工程(ならびに後述する任意の分断工程)を経た汚泥に、上記のような有機凝結剤を添加することにより、脱水効率をさらに高めることができる。なお、本例では、濃縮及び加圧脱水された汚泥に有機凝結剤を添加する例を説明しているが、図1に示した通り、上記の濃縮後、加圧脱水前の汚泥に有機凝結剤を添加しても同様の効果を得ることができる。
凝集手段11と同様、有機凝結剤添加手段13にも流量調整手段などの制御手段を設置してもよく、未処理(高分子凝集剤の添加前)の有機性汚泥のTSを測定するか、有機性汚泥の情報(汚泥の出所、過去のTS測定値等)からそのTSを予測しておき、このTSと、有機性汚泥の供給量に基づき、制御手段で有機凝結剤の添加量(原液又は固形分として)を上記好適範囲(TSに対し0.1質量%以上)に制御してもよい。
有機凝結剤と共に無機性の凝集剤又は凝結剤(無機凝集剤)を使用することも可能である。しかし、一般的な無機凝集剤はアルミニウム系、鉄系のいずれも酸性を示すので、無機凝集剤を濃縮汚泥に添加すると、有機性汚泥中では難溶性塩などの態様で存在するカルシウムが溶出し、溶解性カルシウム濃度が上昇してしまう。しかも、無機凝集剤には、硫酸鉄(I)、(II)、ポリ硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムなど硫酸イオンを含有するものがあり、この硫酸イオンと溶解性カルシウムが反応することで、硫酸カルシウム(以下、石膏スケール)が析出してしまう。
従って、無機凝集剤を添加する場合は、その添加量を抑える必要があり、例えば無機凝集剤の使用量を質量比で有機凝結剤の1/10以下、好ましくは1/100未満とし、最も好ましくは無機凝集剤を使用しない。
有機凝結剤を添加後、汚泥を脱水手段14へ送り、下記機械脱水工程に付す。また、本発明では、有機凝結剤が添加された汚泥及びその脱水ろ液の少なくとも一方のpHが6以上であり、好ましくは6〜9である。pHが6未満であると、汚泥からカルシウムが溶出して石膏スケールの原因となることから、pHを6以上とすることにより石膏スケール形成を防止することが可能である。
<機械脱水工程>
脱水手段14は特に限定されず、汚泥脱水に通常用いられる機械的に脱水することが可能な装置を広く用いることが可能であるが、特にスケール発生により脱水効率が低下しやすい装置、具体的には、脱水ろ液排出用の配管や、ろ過機構(パンチングメタル、ウェッジワイヤースクリーン、多重円盤等)を具備する装置が特に適している。
例えば、スクリュープレス脱水機、遠心脱水機、多重円盤型脱水機、多重板型スクリュープレス脱水機、回転加圧脱水機、楕円板型脱水機、真空脱水機、ベルトプレス脱水機などから1種以上を選択し、脱水手段14として用いることができる。
いずれの脱水手段14を用いた場合も、有機凝結剤が添加された加圧濃縮汚泥を機械脱水し、ろ液と脱水ケーキに固液分離することができる。このような脱水方法によれば、脱水ケーキの含水率を80質量%以下、好ましくは75質量%以下まで低減することができる。
上述したように、有機凝結剤は硫酸イオンや金属類の含有量が極めて低く、無機凝集剤を使用した時と比較して脱水ろ液のpH変動が少ないため、汚泥中のカルシウムが溶出し難い。また、有機凝結剤の使用により、脱水ろ液中の硫酸イオンの増加も殆ど生じない。
具体的には、有機凝結剤を添加しなかった場合と比較して、有機凝結剤添加時の脱水ろ液中の溶解性カルシウム濃度の増加量は、40mg/L以下、好ましくは30mg/L以下、さらに好ましくは20mg/L以下、硫酸イオン濃度の増加量は3mg/L以下、好ましくは1.5mg/L以下、さらにこのましくは0.5mg/L以下、かつ、有機凝結剤添加時の脱水ろ液のpHを6以上、好ましくは6〜9にすることが可能である。その結果、ろ液中のカルシウムイオン[Ca2+]と硫酸イオン[SO 2−]のイオン積が小さくなり、石膏スケール(CaSO)の生成を抑制することができるので、脱水手段14に付着する石膏スケールの低減できる。
このように、汚泥含水率低減と廃棄物量削減を図りつつ、金属類や硫酸イオンを含有しない有機凝結剤を後添加することで、石膏スケール生成の防止効果、汚泥焼却時の鉄クリンカ生成防止効果、脱水ケーキの堆肥化に有効、などの効果を得ることが可能である。
[本発明の脱水方法の第2例及びこれに用いる処理装置]
図4は、本発明の脱水方法の第2例およびこれに使用する処理装置を示す図である。図2に示す本発明の脱水方法の第1例と同じ構成については同一符号で示しており、その説明を省略する。第2例において、第1例と異なる点は、濃縮・加圧脱水手段12の後に、加圧濃縮汚泥を分断する分断手段28を設けていることである。分断手段28は分断機28aを備え、分断機28aによって、濃縮・加圧脱水手段12で生じた加圧濃縮汚泥を分断する(分断工程)。加圧濃縮汚泥を分断することにより、後続で行われる有機凝結剤の添加の際、有機凝結剤の分散性及び浸透性が向上する。
図5に加圧濃縮汚泥を分断した場合と、分断していない場合の有機凝結剤の分散・浸透の様子の一例を示す。濃縮・加圧脱水工程で形成された加圧濃縮汚泥は、加圧濃縮されているため、重力により脱水された濃縮汚泥と比較して、流動性が低く、そのままの状態では、有機凝結剤の浸透性及び分散性は悪い。しかし、有機凝結剤を分散させるために、加圧濃縮汚泥を撹拌したり混練したりすると、高分子凝集剤による凝集によって形成させた凝集フロックが壊れてしまい、含水率を効果的に低減することができない恐れがある。これに対し、加圧濃縮汚泥を分断することにより、分断面からも有機凝結剤を浸透及び分散させることができるため、有機凝結剤の効果を高めることができると共に有機凝結剤の使用量を削減することができる。
分断しない場合、有機凝結剤は上面にのみ浸透・分散する。しかし、分断することで加圧濃縮汚泥は少なくともブロック状にされるため、単に加圧濃縮するだけの場合と比較し、有機凝結剤は上面及び端面から浸透・分散し、脱水ケーキ内部まで浸透・分散させることができる。
分断の方向は、鉛直方向でも水平方向でもよい。鉛直方向に形成すれば、有機凝結剤を上方から添加することで、分断面である鉛直面を自然に伝わって分散させることができる。
また分断は、加圧濃縮汚泥を上面視した場合に、縦方面又は横方面に適宜間隔をおいて行ってもよいし、また、格子状に分断してもよい。
分断の間隔に関しては、高分子凝集剤によって形成された凝集フロックを壊さないように分断するためには、分断の間隔を1cm以上にすればよいと考えることができる。他方、分断の間隔を10cmよりも大きくすると、分断する効果が損なわれてしまう可能性がある。このような観点から、分断の間隔は1cm〜10cmとするのが好ましく、中でも2cm以上或いは5cm以下とすることが好ましい。
<分断機>
図6は分断機28aの一例を示している。この図は、図3に示す汚泥圧搾機12aの汚泥排出口29の一部を拡大した図である。図6に示すように、汚泥圧搾機12aの汚泥排出口29に、櫛状の裁断刃31を水平方向に適宜間隔を置いて、刃が鉛直方向となるように設置するようにして分断機28aを構成することができる。
ただし、分断機28aは上記構成に限定されるものではない。例えば、上面視格子状に組まれた裁断刃、或いは、上面視した場合に加圧濃縮汚泥の長さ方向又は幅方向に適宜間隔をおいて組まれた裁断刃を、加圧濃縮汚泥に対して上方から昇降できる装置を使用することも可能である。
以上の説明した通り、本発明では、汚泥含水率低減、廃棄物量削減、及び石膏スケール生成抑制を達成することができ、更に、上記の分断工程を行う場合には、有機凝結剤の浸透性及び分散性を向上させることが可能となる。
以下、本発明を下記実施例及び比較例に基づいてさらに記述する。本試験では、凝集汚泥を濃縮及び加圧脱水し加圧濃縮汚泥とした後で、加圧濃縮汚泥に有機凝結剤を添加し、脱水することで、石膏スケール生成の抑制効果と、含水率低減効果を得られるかを検討した。
<試験方法>
試験には、1種類のし尿処理場由来の混合汚泥(余剰汚泥+凝沈汚泥)(汚泥A)、2種類のし尿処理場由来の混合汚泥(生し尿+浄化槽汚泥)(汚泥B、C)の計3種類を使用した。
汚泥A、汚泥B、汚泥CのTSはそれぞれ11.4g/L、7.98g/L、6.56g/Lであり、pHはそれぞれ6.9、7.3、6.8、カルシウム濃度はそれぞれ305mg/L、126mg/L、173mg/L、溶解性カルシウム濃度はそれぞれ71.7mg/L、27.7mg/L、53.3mg/L、硫酸イオン濃度はそれぞれ101mg/L、0.6mg/L、2.0mg/Lであった。
TSとは、蒸発残留物のことであり、汚泥を105℃〜110℃で蒸発乾固したときに残留する物質の濃度である。測定方法は、下水試験法(日本下水道協会発行、下水試験方法)に準拠した。
溶解性カルシウム濃度と硫酸イオン濃度の測定は、まず、下水試験法のガラス繊維ろ紙法(JIS K 0102 14.1)に準じ、前処理を実施した。詳しくは、原液試料を孔径1μmのガラス繊維ろ紙で吸引ろ過したろ液を測定用試料とした。
溶解性カルシウムの測定は、前処理で調製した測定用試料を、下水試験法のICP発光分光分析法に準じ、測定した。詳しくは、(1+1)硝酸(35%硝酸)を添加したものを、5〜10分、97℃以上に加温し、冷却した試料をICP発光分光分析装置により測定した。硫酸イオン(SO 2−)の測定は、前処理で調製した測定用試料を、下水試験法のイオンクロマトグラフ法に準じ、測定した。
なお、カルシウム濃度とは、不溶性塩の形態も含めた全カルシウム濃度のことである。このカルシウム濃度は、まず、汚泥適量を純水に溶解し汚泥水溶液とした。この汚泥水溶液を溶解性カルシウム濃度の測定と同様に、下水試験法のICP発光分光分析法に準じ、測定した。
高分子凝集剤としては、汚泥Aには両性高分子凝集剤A(ポリメタクリル酸エステル・アクリル酸共重合物とポリアクリル酸エステル・アクリル酸共重合物との混合物、分子量300万、pH4におけるカチオン度約1.5meq/g)、汚泥Bにはカチオン性高分子凝集剤B(ポリアクリル酸エステル系、分子量800万、pH4におけるカチオン度約3.3meq/g)、汚泥Cにはカチオン性高分子凝集剤C(ポリアクリル酸エステル系、分子量700万、pH4におけるカチオン度約4.0meq/g)を使用した。高分子凝集剤使用時は、粉末状のものを純水に溶解し、溶解濃度2g/Lの高分子凝集剤水溶液として用いた。
有機凝結剤としては、有機凝結剤a(ポリアミン系、分子量25万、pH4における有機凝結剤の原液中の成分としてのカチオン度約6meq/g)、有機凝結剤b(ポリアミン系、分子量3万、pH4における有機凝結剤の原液中の成分としてのカチオン度約10meq/g)、有機凝結剤c(ポリDADMAC系、分子量3万、pH4における有機凝結剤の原液中の成分としてのカチオン度約6.4meq/g)、有機凝結剤d(ポリジシアンジアミド系、分子量1.5万、pH4における有機凝結剤の原液中の成分としてのカチオン度約5.9meq/g)の計4種類を使用した。有機凝結剤使用時は、液状のもの(原液)を純水で希釈し、原液の溶解濃度20g/Lの有機凝結剤希釈液として用いた。
また、後述する比較例に用いた無機凝集剤は、濃度160g-Fe/Lのポリ硫酸第2鉄(以下、無機凝集剤)溶液(原液)であり、この原液を無機凝集剤として使用した。
<試験手順>
試験手順は、以下の通りである。
(汚泥の凝集及び汚泥の濃縮及び加圧脱水)
汚泥Aの試験では、ビーカーに入れた有機性汚泥500mLに対し、高分子凝集剤の対TS濃度が2.8質量%になるよう高分子凝集剤Aの水溶液を添加し、スパチュラで汚泥が凝集するまで撹拌し、凝集汚泥Aを形成させた。凝集汚泥Aをふるい上で固液分離し、加圧板を使い汚泥を濃縮及び加圧脱水することで、加圧濃縮汚泥Aとした。加圧濃縮汚泥AのTSは63.3g/Lであった。
汚泥Bの試験では、ビーカーに入れた有機性汚泥500mLに対し、高分子凝集剤の対TS濃度が1.3質量%になるよう高分子凝集剤B水溶液を添加し、スパチュラで汚泥が凝集するまで撹拌し、凝集汚泥Bを形成させた。凝集汚泥Bをふるい上で固液分離し、加圧板を使い汚泥を濃縮及び加圧脱水することで、加圧濃縮汚泥Bとした。加圧濃縮汚泥BのTSは88.7〜114g/Lであった。
汚泥Cの試験では、ビーカーに入れた有機性汚泥500mLに対し、高分子凝集剤の対TS濃度が1.5質量%になるよう高分子凝集剤C水溶液を添加し、スパチュラで汚泥が凝集するまで撹拌し、凝集汚泥を形成させた。凝集汚泥をふるい上で固液分離し、加圧板を使い汚泥を濃縮及び加圧脱水することで、加圧濃縮汚泥Cとした。加圧濃縮汚泥CのTSは109g/Lであった。
濃縮及び加圧脱水の具体的方法は、凝集汚泥をふるい(目開き1mm)の上にのせ、加圧板(圧力20kPa〜25kPa)を使用して、凝集汚泥を含む被処理水を加圧濃縮汚泥とろ液(=処理水)に固液分離した。
(脱水試験)
[加圧濃縮汚泥A]
実施例1−1、1−2、1−3、1−4では、加圧濃縮汚泥Aにそれぞれ、0.64質量%(対TS)(有機凝結剤の原液換算による)の注入量で、有機凝結剤a、b、c、dをそれぞれ添加し、試験用ベルトプレス脱水機を用いて脱水し、脱水ケーキA1−1、A1−2、A1−3、A1−4の含水率を測定した。
さらに、実施例1−5、1−6では、加圧濃縮汚泥Aに対する有機凝結剤bの添加量をそれぞれ1.28質量%、1.92質量%(対TS)(有機凝結剤の原液換算による)に変更した以外は、上記実施例1−2と同じ方法で脱水し、脱水ケーキA1−5、A1−6の含水率を測定した。また、実施例1−5における、脱水ろ液A1−5の水質分析を実施した。
比較試験として、各加圧濃縮汚泥に無機凝集剤を添加した試験を、以下の試験手順で実施した。比較例1では、この加圧濃縮汚泥Aに無機凝集剤と有機凝結剤のいずれも添加せず、試験用ベルトプレス脱水機を用いて脱水し、脱水ケーキa1の含水率を測定し、脱水ろ液a1の水質分析を実施した。
比較例2−1、2−2、2−3では、加圧濃縮汚泥Aにそれぞれ、1.0質量%、2.0質量%、3.0質量%(対TS)(無機凝集剤の原液中のFe換算による)の無機凝集剤を添加し、試験用ベルトプレス脱水機を用いて脱水し、脱水ケーキa2−1、a2−2、a2−3の含水率を測定し、脱水ろ液a2−2の水質分析を実施した。
[加圧濃縮汚泥B]
実施例2−1、2−2、2−3、2−4では、加圧濃縮汚泥Bにそれぞれ、0.64質量%(対TS)(有機凝結剤の原液換算による)の注入量で、有機凝結剤a、b、c、dをそれぞれ添加し、試験用ベルトプレス脱水機を用いて脱水し、脱水ケーキB2−1、B2−2、B2−3、B2−4の含水率を測定した。
さらに、実施例2−5、2−6では、加圧濃縮汚泥Bにそれぞれ1.28質量%、1.92質量%(対TS)(有機凝結剤の原液換算による)の有機凝結剤bをそれぞれ添加し、試験用ベルトプレス脱水機を用いて脱水し、脱水ケーキB2−5、B2−6の含水率を測定した。また、実施例2−5における、脱水ろ液B2−5の水質分析を実施した。
比較例3では、無機凝集剤と有機凝結剤のいずれも添加していない加圧濃縮汚泥Bを試験用ベルトプレス脱水機を用いて脱水し、脱水ケーキb1の含水率を測定し、脱水ろ液b1の水質分析を実施した。
比較例4−1、4−2、4−3では、加圧濃縮汚泥Bにそれぞれ、1.0質量%、2.0質量%、3.0質量%(対TS)(無機凝集剤の原液中のFe換算による)の無機凝集剤を添加し、試験用ベルトプレス脱水機を用いて脱水し、脱水ケーキb4−1、b4−2、b4−3の含水率を測定し、脱水ろ液b4−2の水質分析を実施した。
[加圧濃縮汚泥C]
実施例3−1、3−2、3−3では、加圧濃縮汚泥Cにそれぞれ、0.64質量%(対TS)(有機凝結剤の原液換算による)の注入量で、有機凝結剤a、b、dをそれぞれ添加し、試験用ベルトプレス脱水機を用いて脱水し、脱水ケーキC3−1、C3−2、C3−3の含水率を測定した。
さらに、実施例3−5、3−6では、加圧濃縮汚泥Cにそれぞれ1.28質量%、1.92質量%(対TS)(有機凝結剤の原液換算による)の有機凝結剤bをそれぞれ添加し、試験用ベルトプレス脱水機を用いて脱水し、脱水ケーキC3−5、C3−6の含水率を測定した。また、実施例3−5における、脱水ろ液C3−5の水質分析を実施した。
比較例5では、無機凝集剤、有機凝結剤のいずれも添加していない加圧濃縮汚泥Cを試験用ベルトプレス脱水機を用いて脱水し、脱水ケーキc1の含水率を測定し、脱水ろ液c1の水質分析を実施した。
比較例6−1、6−2、6−3では、加圧濃縮汚泥Cにそれぞれ、1.0質量%、2.0質量%、3.0質量%(対TS)(無機凝集剤の原液中のFe換算による)の無機凝集剤を添加し、試験用ベルトプレス脱水機を用いて脱水し、脱水ケーキc6−1、c6−2、c6−3の含水率を測定し、脱水ろ液c6−2の水質分析を実施した。
<試験結果>
[脱水ケーキ含水率低減効果の検討]
(実施例1〜3)
実施例1〜3の試験結果を表1−1〜1−3に示す。
Figure 0006886426
Figure 0006886426
Figure 0006886426
注入率0.64質量%の条件で有機凝結剤a〜dを比較したところ、有機凝結剤bは汚泥A、Bに対して脱水効果が最も高く、汚泥Cに対しても、最も含水率の低い実施例3−1との差が0.4質量%と僅差であった。従って、ポリアミン系、高カチオン度の有機凝結剤を使用することで、高い脱水効果が得られることが確認された。
(比較例1、2及び実施例1−2、1−5、1−6)
比較例1〜6、及び実施例1−2、1−5、1−6、実施例2−2、2−5、2−6、実施例3−2、3−5、3−6の試験結果を表2−1〜2−3に示す。実施例との比較のため、下記表中には実施例1−2、1−5、1−6の結果も併せて記載した。
Figure 0006886426
Figure 0006886426
Figure 0006886426
上記表から明らかように、有機凝結剤と無機凝集剤のいずれも添加しない比較例1、3、5は、同じ汚泥A、B、Cに有機凝結剤又は無機凝集剤を添加した場合と比較して、脱水ケーキの含水率が最も高く、脱水効果が低いことが確認された。
比較例1、3、5と比較すると、有機凝結剤又は無機凝集剤を使用した場合は、含水率が2.8〜3.2質量%程度低減しており、有機凝結剤と無機凝集剤とを比較すると、加圧濃縮汚泥A、Bに対しては、有機凝結剤の含水率低減効果は無機凝集剤と同等か、若干劣る程度(0.3〜0.8質量%)であった。
本発明の実施例の結果により、凝集汚泥を濃縮及び加圧脱水した加圧濃縮汚泥に対し、有機凝結剤を高分子凝集剤の後に添加(後添加法)することで、脱水ケーキ含水率を低減させる効果が得られることが確認された。
<石膏スケール生成抑制効果の検討>
下記表3の分析項目について、脱水ろ液の水質分析結果を行った。
分析項目のうち、pH、M−アルカリ度、SS、PO−Pの測定方法は下水試験法に準拠した。また、電気伝導率、の測定方法はJIS K 0102に準拠した。
具体的には、pHはガラス電極法により、採取した脱水ろ液に対して実施した。M−アルカリ度はアルカリ度[pH4.8](総アルカリ度又はM−アルカリ度)の測定方法により測定した。SSは脱水ろ液を孔径1μmガラス繊維ろ紙で吸引ろ過し、ろ過後のろ紙を105℃で2時間加熱し、放冷した後の重量秤量結果より、算出した。PO−Pは前記吸引ろ過後の脱水ろ液に対し、モリブデン青(アスコルビン酸還元)吸光光度法により測定した。電気伝導率は分析装置METTLER TOLEDO MC226(METTLER TOLEDO社、スイス)により、測定した。
S−Ca(溶解性カルシウム濃度)とSO 2−(硫酸イオン濃度)は、測定用試料として脱水ろ液を用いた以外は、汚泥A〜Cに関する測定方法と同じ条件でそれぞれ測定した。各分析項目の測定温度は18℃である。
各分析項目の測定結果を表3−1に示す。
Figure 0006886426
Figure 0006886426
石膏の溶液中での平衡および溶解度積は以下の式で表される。
CaSO ⇔ Ca2+ + SO 2−
sp = [Ca2+][SO 2−
従って、Ca2+とSO 2−のイオン積が飽和溶解度積Kspより高い値であれば、石膏スケールが固形物として析出しやすいことになる。
比較例1、3、5(高分子凝集剤のみ使用時)と実施例1−5、2−5、3−5(有機凝結剤使用時)を比較すると、上記含水率低減効果には差があるものの、表3の脱水ろ液の分析項目結果に顕著な差は確認されなかった。具体的には、いずれも溶解性カルシウム濃度の増加量は5.1〜17.8mg/L、硫酸イオン濃度の増加量は0〜2.1mg/Lであった。
しかし、無機凝集剤を使用した比較例2−2、4−2、6−2の脱水ろ液については、pHの低下、M−アルカリ度の低下がみられ、特にS−CaとSO 2−の大幅な増加(S−Ca:5〜10倍、SO 2−:26〜857倍)が確認された。
また、有機凝結剤を使用した実施例のpHはいずれも7.5〜7.9であり、高分子凝集剤のみを使用した場合と比較してpH変化量が0.1〜0.4にすぎなかったのに対し、無機凝集剤を使用した比較例のpHは4.1〜5.1であり、高分子凝集剤のみを使用した場合と比較してpH変化量が2.3〜3.2もあった。
有機凝結剤を使用した実施例では、上記測定値S−Ca、SO 2−から算出されるイオン積bはいずれのろ液においても飽和溶解度積aより低い値であり、理論的に石膏スケールは析出しないと考えられる。また、有機凝結剤添加時の溶解性カルシウム濃度の増加量は5.1〜17.8mg/L、硫酸イオン濃度の増加量は0〜2.1mg/Lであったことから、有機凝結剤に含まれるカルシウム濃度及び硫酸イオン濃度は200mg/L以下であると想定された。無機凝集剤を使用した比較例では、イオン積bがいずれも飽和溶解度積aよりも高く、石膏スケールが析出すると考えられる。
以上の結果より、有機凝結剤を使用した場合には、石膏スケール生成成分を低減でき、石膏スケール生成抑制効果を発揮することが確認された。また、無機凝集剤は鉄やアルミニウムなどの金属類を含むのに対し、有機凝結剤は金属類の濃度が極めて低いため、脱水ケーキを焼却した時にフェライトやアルミネートなどのクリンカの生成が抑制される上、リン酸が難溶性塩(FePO、AlPO)となって除去されることもないので、脱水ケーキを堆肥として好適に再利用することもできる。
10 処理装置
11 凝集手段
11a 混和槽
11b 凝集槽
12 濃縮・加圧脱水手段
12a 汚泥圧搾機
13 有機凝結剤添加手段
13a 有機凝結剤貯留槽
14 脱水手段
21 凝集汚泥投入口
22 凝集汚泥移動手段
23 ベルト
24 ベルト駆動装置
25 加圧手段
26 加圧板
27 分離液及びろ液捕捉手段
28 分断手段
28a 分断機
29 汚泥排出口
30 ベルト洗浄管
31 裁断刃

Claims (9)

  1. 10〜200mg/Lの溶解性カルシウム濃度範囲と0.1〜200mg/Lの硫酸イオン濃度範囲の少なくとも一方を満たす有機性汚泥に分子量200万以上の高分子凝集剤を添加して前記有機性汚泥を凝集させる工程と、
    前記凝集された汚泥を濃縮及び加圧脱水する工程と、
    前記濃縮後又は前記加圧脱水後の汚泥に分子量150万以下の有機凝結剤を添加する工程と、
    前記有機凝結剤が添加された汚泥を機械的に脱水する工程と、を含み、
    前記有機凝結剤が添加された汚泥およびその脱水ろ液のうちの少なくとも一方のpHが6以上であり、前記濃縮及び加圧脱水された汚泥の蒸発残留物(TS)が40〜150g/Lであることを特徴とする有機性汚泥の脱水方法。
  2. 前記有機凝結剤は、pH4のカチオン度が5meq/g以上であることを特徴とする、請求項1に記載の有機性汚泥の脱水方法。
  3. 前記有機凝結剤は、25℃における原液の粘度が50mPa・s以上の液状であることを特徴とする、請求項1または2に記載の有機性汚泥の脱水方法。
  4. 前記有機凝結剤は、分子量が4000を超え150万以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機性汚泥の脱水方法。
  5. 前記有機凝結剤は、無希釈もしくは希釈倍率60倍以下に希釈した溶液として添加することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機性汚泥の脱水方法。
  6. 前記有機凝結剤を添加する工程において、無機凝集剤を使用しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機性汚泥の脱水方法。
  7. 前記分子量150万以下の有機凝結剤の濃度が、金属類が200mg/L以下、硫酸イオンが200mg/L以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機性汚泥の脱水方法。
  8. 10〜200mg/Lの溶解性カルシウム濃度範囲と0.1〜200mg/Lの硫酸イオン濃度範囲の少なくとも一方を満たす有機性汚泥に分子量200万以上の高分子凝集剤を添加して前記有機性汚泥を凝集させる凝集手段と、
    前記凝集された汚泥を濃縮する濃縮手段と、
    前記濃縮された汚泥を加圧脱水する加圧脱水手段と、
    前記濃縮後又は前記加圧脱水後の汚泥に分子量150万以下の有機凝結剤を添加する有機凝結剤添加手段と、
    前記有機凝結剤が添加された汚泥を機械的に脱水する脱水手段と、を含み、
    前記有機凝結剤が添加された汚泥およびその脱水ろ液のうちの少なくとも一方のpHが6以上であり、前記濃縮及び加圧脱水された汚泥の蒸発残留物(TS)が40〜150g/Lであることを特徴とする有機性汚泥の脱水に用いる処理装置。
  9. 前記濃縮・加圧脱水手段と前記有機凝結剤添加手段との間に設けられ、前記濃縮及び加圧脱水後の汚泥を分断して少なくともブロック状に形成する分断手段を有することを特徴とする、請求項に記載の有機性汚泥の脱水に用いる処理装置。
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