定義
本発明の詳細な説明にしたがって、下記の略語および用語の定義が適用される。本明細書で使用する単数形「1つの」および「その」は、状況が明白に他のことを指示していない限り、複数形を含むことに留意されたい。したがって、例えば「1つのポリペプチド」との言及には複数のそのようなポリペプチドが含まれ、「調製物」との言及には1つ以上の調製物および当業者には知られているそれらの同等物などが含まれる。
他に特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術用語および科学用語は、当業者によって通例理解される意味と同一の意味を有する。下記には、以下の用語を提供する。
「トランスガラクトシラーゼ」は、特に、ガラクトースをD−ガラクトースもしくはD−グルコースの水酸基に移動させることができ、それによってガラクトオリゴ糖が生成される酵素を意味している。1つの態様では、トランスガラクトシラーゼは、所与の時間に生成されるガラクトースの量が生成されるグルコースの量より少ないラクトース上の酵素反応によって同定される。
本発明の状況では、用語「トランスガラクトシル化活性」は、ガラクトース部分の水以外の分子への移動を意味する。この活性は、反応中の所与の時間に生成された[グルコース]−[ガラクトース]として測定するか、または反応中の所与の時間に生成されたGOSの直接的定量により測定することができる。この測定は、実施例に示したHPLC法などの数種の方法で実施することができる。トランスガラクトシル化活性を比較する場合は、例えば、3、4、5、6、7、8、9もしくは10重量/重量%などの所定の初期のラクトース濃度で実施されてきた。
本発明の状況では、用語「β−ガラクトシダーゼ活性」は、酵素が例えばラクトースなどのβ−ガラクトシドをグルコースおよびガラクトースなどの単糖へ加水分解する能力を意味する。
トランスガラクトシル化活性:β−ガラクトシダーゼ活性を計算する状況では、β−ガラクトシダーゼ活性は、反応の間の所与の時間で生成された[ガラクトース]として測定される。この測定は実施例に示したHPLC法などの数種の方法で実施することができる。
本発明の状況では、オルト−ニトロフェノール−β−D−ガラクトシダーゼ(ONPG)を使用する用語「トランスガラクトシル化活性の比率」は、以下のように計算した:比率は、受容体が存在するAbs420を受容体が存在しないAbs420で割って100を掛けることによって計算する。指数が100以下の変異体は純粋な加水分解変異体であり、他方100より高い指数は相対的トランスガラクトシル化活性を示す。
トランスガラクトシル化活性の比率=(Abs420+セロビオース/Abs420−セロビオース)*100%(式中、Abs420+セロビオースは、反応中にセロビオースを含む以下で説明する方法3を用いて420nmで読み取られた吸光度であり、Abs420−セロビオースは、以下で説明する方法3を用いて反応中にセロビオースを含まない420nmで読み取られた吸光度である。上記の方程式は、吸光度が0.5〜1.0である希釈液に対してのみ該当する。
1つの態様では、活性は、15分間の反応後、30分間の反応後、60分間の反応後、90分間の反応後、120分間の反応後もしくは180分間の反応後に測定される。したがって1つの態様では、1つの例として、相対的トランスガラクトシル化活性は、例えば酵素の添加15分後、例えば酵素の添加30分後、例えば酵素の添加60分後、例えば酵素の添加90分後、例えば酵素の添加120分後もしくは例えば酵素の添加180分後に測定される。
本発明の状況では、用語「ガラクトシル化活性:β−ガラクトシダーゼ活性の比率」は([グルコース]−[ガラクトース]/[ガラクトース])を意味する。
本発明の状況では、用語[グルコース]は、HPLC法により重量%で測定したグルコース濃度を意味する。
本発明の状況では、用語[ガラクトース]は、HPLC法により重量%で測定したガラクトース濃度を意味する。
本発明の状況では、用語「ラクトースがガラクトシル化されている」は、例えば、ガラクトース分子が、ラクトース分子中にいずれかの遊離水酸基に共役結合した、または例えばアロラクトースを形成するために内部トランスガラクトシル化によって生成されたようにラクトース分子に共役結合していることを意味する。
本発明の状況では、ガラクトオリゴ糖(GOS)製造における本明細書に開示したポリペプチドの性能の評価を「ミルクベース・アッセイ」(模擬ヨーグルト用途)において試験した。100μLの体積を用いるバッチ実験は、98.60重量/体積%の新鮮低温殺菌低脂肪乳(Arla Mini−maelk)および1.4重量/体積%のNutrilac YQ−5075ホエイ成分(Arla)からなるヨーグルトミックスを用いて96ウェルMTPプレート中で実施した。Nutrilac YQ−5075を完全に水和させるため、この混合物を20時間攪拌し続け、その後にpHを確実に6.5とするために20mMのリン酸ナトリウム(pH6.5)を添加した。このヨーグルトベースは、プレーンで、または追加のラクトース、フコース、マルトース、キシロースもしくは塩などの様々な補助食品とともにのいずれかで使用した。90μLのヨーグルトを10μLの精製酵素もしくは粗発酵素と混合し、テープで密封して43℃で3時間インキュベートした。この反応は、100μLの10%のNa2CO3によって停止させた。サンプルは、−20℃で貯蔵した。ガラクトオリゴ糖(GOS)、ラクトース、グルコースおよびガラクトースの定量は、HPLCによって実施した。サンプルの分析は、Dinonex ICS 3000で実施した。ICパラメーターは、次の通りであった:移動相:150mMのNaOH、流量:均一濃度、0.25mL/分、カラム:Carbopac PA1、カラム温度:室温、注入量:10μL、検出器:PAD、統合:手作業、サンプル調製:Milli−Q水で100倍に希釈(0.1mLのサンプル+9.9mLの水)および0.45μmのシリンジフィルターで濾過する、定量:標準物質のピーク面積に対する百分率でのピーク面積。GOSシロップ(Vianal GOS、Friesland Campina)をGOS定量のための標準物質として用いた。そのような評価の結果は図4に示し、さらに実施例2に記載した。
本発明の状況では、用語「そのポリペプチドがスプレー乾燥されている」は、そのポリペプチドが、溶液中もしくは懸濁液中のポリペプチドを水の除去に適切な温度および適切な期間にわたってスプレー乾燥する工程によって得られていることを意味する。
本発明の状況では、用語「そのポリペプチドが溶液中にある」は、溶液から沈殿させずに溶媒中に溶解性であるポリペプチドに関する。このための溶媒には、例えば水性バッファーもしくは塩溶液、発酵ブロスまたは発現宿主の細胞質などの、ポリペプチドがその中で発生し得る任意の環境が含まれる。
本発明の状況では、用語「安定剤」は、例えば、ポリオール、例えば、グリセロールもしくはプロピレングリコール、糖もしくは糖アルコール、乳酸、ホウ酸もしくはホウ酸誘導体(例えば、芳香族ホウ酸エステル)などのポリペプチドを安定化させる任意の安定化剤を意味する。1つの態様では、安定剤はポリオールではない、またはポリオールは0.1重量%以下の濃度で存在する。
用語「単離(された)」は、そのポリペプチドが、その配列が天然では自然に関連していて自然に見いだされる少なくとも1つの他の成分を少なくとも実質的に含んでいないことを意味する。1つの態様では、「単離ポリペプチド」はSDS−PAGEで決定したときに、少なくとも30%純粋、少なくとも40%純粋、少なくとも60%純粋、少なくとも80%純粋、少なくとも90%純粋および少なくとも95%純粋であるポリペプチドを意味する。
用語「実質的に純粋なポリペプチド」は、本明細書においてそれが自然に関連している他のポリペプチド物質を最大10重量%、好ましくは最大8重量%、より好ましくは最大6重量%、より好ましくは最大5重量%、より好ましくは最大4重量%、最大3重量%、いっそうより好ましくは最大2重量%、最も好ましくは最大1重量%およびいっそう最も好ましくは最大0.5重量%を含有していることを意味する。このため、実質的に純粋なポリペプチドは、調製物中に存在する総ポリペプチド物質の重量に比して少なくとも92重量%純粋、好ましくは少なくとも94重量%純粋、より好ましくは少なくとも95重量%純粋、より好ましくは少なくとも96重量%純粋、より好ましくは少なくとも97重量%純粋、より好ましくは少なくとも98重量%純粋、いっそうより好ましくは少なくとも99重量%純粋、最も好ましくは99.5重量%純粋、いっそう最も好ましくは100重量%純粋であることが好ましい。本明細書に開示したポリペプチドは、好ましくは実質的に純粋形にある。特に、ポリペプチドは、「本質的に純粋形」である、すなわちポリペプチド調製物は、それと自然に関連している他のポリペプチド物質を本質的に含んでいないことが好ましい。これは、例えば、周知の組換え法または伝統的な精製方法によってポリペプチドを調製することによって達成できる。本明細書では、用語「実質的に純粋なポリペプチド」は、用語「単離ポリペプチド」および「単離形にあるポリペプチド」と同義語である。
用語「精製(された)」または「純粋」の語は、所定の成分が高レベル状態−例えば、少なくとも約51%純粋、例えば少なくとも51%純粋、または少なくとも約75%純粋、例えば少なくとも75%純粋、または少なくとも約80%純粋、例えば少なくとも80%純粋、または少なくとも約90%純粋、例えば少なくとも90%純粋、または少なくとも約95%純粋、例えば少なくとも95%純粋または少なくとも約98%純粋、例えば少なくとも98%純粋で存在することを意味する。この成分は、望ましくは組成物中に存在する主要な活性成分である。
本発明に関連する用語「微生物」には、本発明によるヌクレオチド配列または本明細書に定義した特異性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むことができた任意の「微生物」およびまたはそれらから得られた生成物が含まれる。本発明の状況では、「微生物」は、ミルク基質を発酵させることのできる任意の細菌もしくは真菌を含むことができる。
本発明に関連する用語「宿主細胞」には、本明細書で定義した特異性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、または上記に定義され、本明細書で定義した特異性を有するポリペプチドの製造に使用される発現ベクターのいずれかを含む任意の細胞が含まれる。1つの態様では、この製造は組換え製造である。
用語「ミルク」は、本発明の状況では、例えば牛、羊、ヤギ、バッファローまたはラクダなどの任意の哺乳動物から得られた乳分泌物であると理解すべきである。
本発明の状況では、用語「ミルクベース基質」は、任意の生乳物質および/または加工乳物質またはミルク成分由来の物質を意味する。有用なミルクベース基質には、ラクトース、例えば全乳もしくは低脂肪乳、脱脂乳、バターミルク、再構成粉乳、コンデンスミルク、粉乳の溶液、UHT乳(超高温熱処理乳)、乳清、乳清透過物、酸性乳清またはクリームを含む任意のミルクまたはミルク様製品の溶液/懸濁液が含まれるがそれらに限定されない。好ましくは、ミルクベース基質は、ミルクまたは脱脂粉乳の水溶液である。ミルクベース基質は、生乳より高度に濃縮される場合がある。1つの実施形態では、ミルクベース基質は、少なくとも0.2、好ましくは少なくとも0.3、少なくとも0.4、少なくとも0.5、少なくとも0.6または最も好ましくは少なくとも0.7のタンパク質対ラクトースの比率を有する。ミルクベース基質は、当技術分野において公知の方法によって均質化および/または低温殺菌することができる。
本明細書で使用する「均質化する工程」は、可溶性懸濁液もしくはエマルジョンを得るための集中的混合を意味する。「均質化する工程」は、乳脂肪がもはやミルクから分離しないほど小さなサイズに破壊できるように実施することができる。これはミルクを小さい開口部に高圧で通過させることにより達成できる。
本明細書で使用する「低温殺菌する工程」は、ミルクベース基質中の例えば微生物などの生菌の存在を減少させる、または排除することを意味する。好ましくは、低温殺菌は、特定時間にわたり特定温度を維持することにより達成される。特定温度は、通常は加熱する工程によって達成される。温度および持続時間は、例えば有害細菌などの所定の細菌を殺滅もしくは不活性化するため、および/またはミルク中の酵素を不活性化するために選択することができる。その後には急速冷却工程が続いてよい。本発明の状況における「食品」もしくは「食品組成物」は、動物またはヒトによる消費に好適な任意の食べられる食料品もしくは飼料製品であってよい。
本発明の状況における「乳製品」は、主要成分の1つがミルクベースである任意の食品であってよい。好ましくは、主要成分は、ミルクベースである。より好ましくは、主要成分は、トランスガラクトシル化活性を有する酵素で処理されているミルクベース基質である。
マルトデキストリンは、食品添加物として使用できる多糖である。マルトデキストリンは、可変長の鎖で接続されたD−グルコース単位からなる。グルコース単位は、主としてα(1→4)グリコシド結合で連結されている。マルトデキストリンは、典型的には、3〜17グルコース単位長の間で異なる鎖の混合物から構成される。
マルトデキストリンは、DE(デキストロース当量)によって分類され、3〜20のDEを有する。DE値が高いほど、グルコース鎖は短く、甘味度が高く、溶解度が高く、耐熱性は低い。DEが20より上の場合、EU(欧州連合)のCNコードはそれをグルコースシロップと呼び、DEが10以下の場合、関税CNコード命名法はマルトデキストリンをデキストリンであると分類する。本発明は、そのようなマルトデキストリンの混合物を使用することができる。
本発明の状況では、「主要成分の1つ」は、その構成成分が乳製品の全乾燥物質の20%超、好ましくは30%超または40%超を構成する乾燥物質を有する構成成分を意味するが、他方「主要成分」は、乳製品の全乾燥物質の50%超、好ましくは60%超または70%超を構成する乾燥物質を有する構成成分を意味する。
本発明の状況における「発酵乳製品」は、任意のタイプの発酵が製造工程の一部を形成する任意の乳製品であると理解すべきである。発酵乳製品の例は、ヨーグルト、バターミルク、生クリーム、クォークおよびフロマージュ・フレなどの製品が含まれる。発酵乳製品のまた別の例は、チーズである。発酵乳製品は、当技術分野において公知の任意の方法によって製造できる。
用語「発酵」は、例えばスターター培養物などの微生物の作用を通した炭水化物からアルコールもしくは酸への変換を意味する。1つの態様では、発酵は、ラクトースから乳酸への変換を含む。
本発明の状況では、「微生物」は、ミルク基質を発酵させることのできる任意の細菌もしくは真菌を含むことができる。
本発明の状況では、用語「Pfamドメイン」は、タンパク質配列内で複数の配列アラインメントおよび隠れマルコフモチーフの存在に基づいてPfam−AもしくはPfam−Bのいずれかであると同定される領域を意味する(“The Pfam protein families database”:R.D.Finn,J.Mistry,J.Tate,P.Coggill,A.Heger,J.E.Pollington,O.L.Gavin,P.Gunesekaran,G.Ceric,K.Forslund,L.Holm,E.L.Sonnhammer,S.R.Eddy,A.Bateman Nucleic Acids Research(2010)Database Issue 38:D211−222.)。Pfamドメインの例としては、Glyco_hydro2N(PF02837)、Glyco_hydro(PF00703)、Glyco_hydro 2C(PF02836)および細菌性Ig様ドメイン(第4群)(PF07532)を挙げることができる。
本明細書で使用する「位置に対応する1つの位置」は、本明細書で記載されるアラインメントが特定のクエリーポリペプチドと参照ポリペプチドとの間で作成されることを意味する。参照ポリペプチドにおける特定の位置に対応する位置は、次に最高配列同一性でそのアラインメント内の対応するアミノ酸に対応すると同定される。
「1つの変異体」もしくは「複数の変異体」は、ポリペプチドもしくは核酸のいずれかに関する。用語「変異体」は、用語「突然変異体」と互換的に使用される。変異体には、アミノ酸配列もしくはヌクレオチド配列それぞれにおける1つ以上の場所での挿入、置換、塩基転換、切断および/または転化が含まれる。語句「変異ポリペプチド」、「ポリペプチド変異体」、「ポリペプチド」、「変異体」および「変異酵素」は、例えば配列番号1、2、3、4もしくは5などの選択されたアミノ酸配列を有するか、または配列番号1、2、3、4もしくは5などの選択されたアミノ酸配列と比較して修飾されているのいずれかであるアミノ酸配列を有するポリペプチド/タンパク質を意味する。
本明細書で使用する「参照酵素」、「参照配列」、「参照ポリペプチド」は、変異ポリペプチドのいずれかが例えば、配列番号1、2、3、4もしくは5に基づく酵素およびポリペプチドを意味する。「参照核酸」は、参照ポリペプチドをコードする核酸配列を意味する。
本明細書で使用する用語「参照配列」および「主題配列」は、互換的に使用される。
本明細書で使用する「クエリー配列」は、それが本発明の範囲内に含まれるかどうかを確かめるために、参照配列とアラインメントされる外来配列を意味する。したがって、そのようなクエリー配列は、例えば、先行技術の配列または第三者配列であってよい。
本明細書で使用する用語「配列」は、その状況に依存して、ポリペプチド配列または核酸配列であると言うことができる。
本明細書で使用する用語「ポリペプチド配列」および「アミノ酸配列」は、互換的に使用される。
「変異体」のシグナル配列は、野生型バチルス(Bacillus)属シグナルペプチドのシグナル配列もしくはポリペプチドを分泌する任意のシグナル配列と同一であってよい、または相違していてよい。変異体は、異種ポリペプチドを含有する融合タンパク質として発現することができる。例えば、変異体は、例えばHis−Tag配列などの発現融合タンパク質の同定もしくは精製に役立つように設計されたまた別のタンパク質もしくは配列のシグナルペプチドを含むことができる。
本開示に含まれることが企図されている様々な変異体を記載するためには、下記の命名法が参照の容易さのために採用されるであろう。置換が数および文字、例えば、592Pを含む場合は、これは{ナンバリングシステムによる位置/置換されたアミノ酸}に関する。したがって、例えば、592位にあるプロリンとのアミノ酸の置換は592Pと指定される。置換が文字、数および文字、例えば、D592Pを含む場合は、これは{元のアミノ酸/ナンバリングシステムによる位置/置換されたアミノ酸}を意味する。
したがって、例えば、592位にあるプロリンとのアラニンの置換はA592Pと指定される。
2つ以上の置換が特定位置で可能な場合は、これは任意選択的にスラッシュ記号「/」によって分離されてよい連続する文字、例えば、G303EDもしくはG303E/Dによって指定されることになる。
位置および置換は、例えば、配列番号1、2、3、4もしくは5のいずれかを参照して列挙される。例えば、また別の配列における同等の位置は、最高同一性率を備えるアラインメントを見いだすために、この配列を配列番号1、2、3、4もしくは5のいずれかと整列させ、その後にどのアミノ酸が1、2、3、4もしくは5のいずれかの特定位置の1つのアミノ酸に対応して整列するのかを決定することによって見いだすことができる。第1参照としての1つの配列のそのようなアラインメントおよび使用は、単純に当業者にとっては日常的問題である。
本明細書で使用する用語「発現」は、それによりポリペプチドが遺伝子の核酸配列に基づいて生成される工程を意味する。この工程は、転写および翻訳の両方を含む。
本明細書で使用する「ポリペプチド」は、用語「アミノ酸配列」、「酵素」、「ペプチド」および/または「タンパク質」と互換的に使用される。本明細書で使用する「ヌクレオチド配列」もしくは「核酸配列」は、オリゴヌクレオチド配列もしくはポリヌクレオチド配列およびそれらの変異体、相同体、断片および誘導体を意味する。ヌクレオチド配列は、ゲノム、合成もしくは組換え起源であってよく、センスもしくはアンチセンス鎖のいずれを表すかにはかかわらず、二本鎖もしくは一本鎖であってよい。本明細書で使用する用語「ヌクレオチド配列」には、ゲノムDNA、cDNA、合成DNAおよびRNAが含まれる。
「相同体」は、主題アミノ酸配列および主題ヌクレオチド配列との所定の同一性率もしくは「相同性」を有する実体を意味する。1つの態様では、主題アミノ酸配列は、配列番号1、2、3、4もしくは5であり、主題ヌクレオチド配列は、好ましくは、配列番号9、10、11、12もしくは13である。
「相同配列」には、また別の配列との所定のパーセント、例えば、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列同一性を有するポリヌクレオチドもしくはポリペプチドが含まれる。同一性率は、整列させた場合に、塩基もしくはアミノ酸残基の百分率が2つの配列を比較した場合と同一であることを意味する。アミノ酸配列は、アミノ酸が主題配列と比較して置換されている、欠失しているまたは付加されている場合は同一ではない。配列同一性率は、典型的には、主題タンパク質の成熟配列と比較して、つまり、例えばシグナル配列の除去後に測定される。典型的には、相同体は、主題アミノ酸配列と同一活性部位残基を含むであろう。相同体はさらに酵素活性を保持するが、相同体は野生型とは異なる酵素特性を有する場合がある。
本明細書で使用する「ハイブリダイゼーション」は、それにより核酸の鎖が塩基対合を通して相補鎖と結合する工程ならびにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)テクノロジーにおいて実施されるような増幅の工程を含んでいる。変異核酸は、一本鎖もしくは二本鎖DNAもしくはDNA、RNA/DNAヘテロ二本鎖もしくはRNA/DNAコポリマーとして存在することができる。本明細書で使用する用語「コポリマー」は、リボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドの両方を含む一本鎖核酸を意味する。変異核酸は、さらに発現を増加させるためにコドン最適化されてよい。
本明細書で使用する「合成」化合物は、in vitro化学的合成もしくは酵素的合成によって生成される。合成化合物には、宿主生物のための最適なコドン使用を用いて作成された変異核酸、例えば酵母細胞宿主もしくは最適な他の発現宿主が含まれるがそれらに限定されない。
本明細書で使用する「形質転換細胞」には、細菌細胞および真菌細胞の両方を含む、組換えDNA技術の使用によって形質転換されている細胞が含まれる。形質転換は、典型的には細胞内への1つ以上のヌクレオチド配列の挿入によって発生する。挿入されたヌクレオチド配列は、異種ヌクレオチド配列であってよい、すなわち、例えば融合タンパク質などの形質転換されなければならない細胞にとって自然ではない配列である。
本明細書で使用する「機能的に連結した」は、本明細書に記載した成分がそれらの所定の方法において機能することを許容する関係にあることを意味する。例えば、コーディング配列に機能的に連結した調節配列は、コーディング配列の発現がコントロール配列と適合する条件下で達成されるような方法でライゲートされる。
本明細書で使用する用語「断片」は、本明細書ではアミノ末端および/またはカルボキシル末端から1つ以上(数個)のアミノ酸が欠失しているポリペプチドであると定義されており、このとき断片は活性を有する。
1つの態様では、本明細書で使用する用語「断片」は、本明細書では配列番号1、2、3、4もしくは5のポリペプチドのアミノ末端および/またはカルボキシル末端から1つ以上(数個)のアミノ酸が欠失しているポリペプチドであると定義されており、このとき断片はトランスガラクトシル化活性を有する。
本明細書で使用する用語「ガラクトース結合ドメイン様」は、用語「GBD」と略記され、用語「GBD」と互換可能である。
同一性の程度
2つのアミノ酸配列間または2つのヌクレオチド配列間の関連性は、パラメーター「同一性」によって記載される。
1つの実施形態では、クエリー配列と参照配列との配列同一性の程度は、1)2つの配列を任意の好適なアラインメントプログラムによってデフォルトのスコアリングマトリックスおよびデフォルトのgap penaltyを使用して整列させる工程、2)正確なマッチ数を同定する工程であって、このとき正確なマッチはアラインメントプログラムがアラインメントにおいて所定の位置上にある2つの整列させた配列内の同一アミノ酸もしくはヌクレオチドを同定している場合である工程、および3)正確なマッチ数を参照配列の長さで割る工程によって決定される。
1つの実施形態では、クエリー配列と参照配列との配列同一性の程度は、1)2つの配列を任意の好適なアラインメントプログラムによってデフォルトのスコアリングマトリックスおよびデフォルトのgap penaltyを使用して整列させる工程、2)正確なマッチ数を同定する工程であって、このとき正確なマッチはアラインメントプログラムがアラインメントにおいて所定の位置上にある2つの整列させた配列内の同一アミノ酸もしくはヌクレオチドを同定している場合である工程、および3)正確なマッチ数を2つの配列の内で最長配列の長さで割る工程によって決定される。
また別の実施形態では、クエリー配列と参照配列との配列同一性の程度は、1)2つの配列を任意の好適なアラインメントプログラムによってデフォルトのスコアリングマトリックスおよびデフォルトのgap penaltyを使用して整列させる工程、2)正確なマッチ数を同定する工程であって、このとき正確なマッチはアラインメントプログラムがアラインメントにおいて所定の位置上にある2つの整列させた配列内の同一アミノ酸もしくはヌクレオチドを同定している場合である工程、および3)正確なマッチ数を「アラインメント長」で割る工程であって、このときアラインメント長は、配列のgapおよび突出部分を含む全アラインメントの長さである工程によって決定される。
配列同一性の比較は、目測で、または通常は、容易に利用可能な配列比較プログラムを活用して実施することができる。これらの市販で入手可能なコンピュータープログラムは、2つ以上の配列を整列させて、2つ以上の配列間の相違を生じさせた可能性がある進化的事象を裁量に反映する複雑な比較アルゴリズムを使用する。このため、これらのアルゴリズムは、同一もしくは類似のアミノ酸のアラインメントを与える、およびgap、gap extensionのpenaltyを与えるスコアリングシステムおよび非類似アミノ酸のアラインメントを用いて機能する。比較アルゴリズムのスコアリングシステムには:
i)gapが挿入された時間毎のpenaltyスコアの指定(gap penaltyスコア)、
ii)既存のgapが割増位置を伴って伸長する各時間のpenaltyスコアの指定(extension penaltyスコア)、
iii)同一アミノ酸がアライメントされた時点の高スコアの指定、および
iv)非同一アミノ酸がアラインメントされた時点の可変スコアの指定、が含まれる。
大多数のアラインメントプログラムは、gap penaltyが修飾されることを許容する。しかし、配列比較のためにそのようなソフトウエアを使用する場合にはデフォルト値を使用することが好ましい。
非同一アミノ酸のアラインメントに対して与えられるスコアは、置換マトリックスとも呼ばれるスコアリングマトリックスにしたがって指定される。そのような置換マトリックスにおいて提供されるスコアは、進化中に1つのアミノ酸が別のアミノ酸で置換される可能性が変動し、置換対象のアミノ酸の物理的/化学的性質に依存するという事実を反映している。例えば、1つの極性アミノ酸がまた別の極性アミノ酸と置換される可能性は、疎水性アミノ酸と置換される場合に比較して高い。このため、スコアリングマトリックスは同一アミノ酸に対して最高スコア、非同一であるが類似のアミノ酸に対してはより低いスコア、および非同一で非類似のアミノ酸に対してはいっそう低いスコアを指定するであろう。最も頻回に使用されるスコアリングマトリックスは、PAMマトリックス(Dayhoff et al.(1978),Jones et al.(1992))、BLOSUMマトリックス(HenikoffおよびHenikoff(1992))およびGonnetマトリックス(Gonnet et al.(1992))である。
そのようなアラインメントを実施するために好適なコンピュータープログラムには、Vector NTI(Invitrogen Corp.)ならびにClustalV、ClustalWおよびClustalW2プログラム(Higgins DG & Sharp PM(1988),Higgins et al.(1992),Thompson et al.(1994),Larkin et al.(2007)が含まれるがそれらに限定されない。選りすぐりの様々なアラインメントツールは、www.expasy.org.のExPASy Proteomicsサーバーから入手できる。配列アラインメントを実施できるソフトウエアのまた別の例は、現在はhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/に見いだすことができる全米バイオテクノロジー情報センターのウェブページから入手でき、最初にAltschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215;403−410に記載されたBLAST(Basic Local Alignment Search Tool)である。
本発明の好ましい実施形態では、アラインメントプログラムは、配列の全長にわたるアラインメントを最適化する、グローバルアラインメントプログラムを実施する。また別の好ましい実施形態では、グローバルアラインメントプログラムは、Needleman−Wunschアルゴリズム(Needleman,Saul B.;およびWunsch,Christian D.(1970),“A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins”,Journal of Molecular Biology 48(3):443−53)に基づく。Needleman−Wunschアルゴリズムを用いてグローバルアラインメントを実施する最新プログラムの例は、どちらもhttp://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/から入手可能であるEMBOSS NeedleおよびEMBOSS Stretcherプログラムである。
EMBOSS Needleは、2つの配列の全体の長さの最適な(gapを含む)アラインメントを見いだすために、Needleman−Wunschアラインメントアルゴリズムを使用して最適なグローバル配列アラインメントを実施する。
EMBOSS Stretcherは、より大きな配列をグローバルに整列させることを可能にするNeedleman−Wunschアラインメントの修飾を使用する。
1つの実施形態では、配列はグローバルアラインメントプログラムによって整列させられ、配列同一性はプログラムによって同定された正確なマッチの数を「アラインメント長」で割ることによって計算されるが、このときアラインメント長はgapおよび配列の突出部分を含む全アラインメントの長さである。
また別の実施形態では、グローバルアラインメントプログラムはNeedleman−Wunschアルゴリズムを使用し、配列同一性はプログラムによって同定された正確なマッチの数を「アラインメント長」で割ることによって計算されるが、このときアラインメント長はgapおよび配列の突出部分を含む全アラインメントの長さである。
さらに別の実施形態では、グローバルアラインメントプログラムは、EMBOSS NeedleおよびEMBOSS Stretcherからなる群から選択され、配列同一性はプログラムによって同定された正確なマッチの数を「アラインメント長」で割ることによって計算されるが、このときアラインメント長はgapおよび配列の突出部分を含む全アラインメントの長さである。
ソフトウエアがアラインメントを生成すると、類似性率(%)および配列同一性率(%)を計算することが可能である。ソフトウエアは、典型的にはこれを配列比較の一部として実行し、数的結果を生成する。
1つの実施形態では、配列アラインメントを実施するためにClustalWソフトウエアを使用するのが好ましい。好ましくは、ClustalWを用いたアラインメントは、ペアワイズアラインメントのために下記のパラメーターを用いて実施される:
ClustalW2は、例えば、インターネット上でEuropean Bioinformatics研究所によってEMBL−EBIウェブページwww.ebi.ac.ukのtools−sequence analysis−ClustalW2の下で入手可能にされている。現在、ClustalW2ツールの正確なアドレスは、www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw2である。
また別の実施形態では、配列アラインメントを実施するためにプログラムAlign X in Vector NTI(Invitrogen)を使用するのが好ましい。1つの実施形態では、Exp10がデフォルト設定を用いて使用可能にされている:
Gap opening penalty:10
Gap extension penalty:0.05
Gap separation penalty range:8
また別の実施形態では、1つのアミノ酸配列とまた別のアミノ酸配列との、またはまた別のアミノ酸配列とのアラインメントは、スコアマトリックス:blosum62mt2およびVectorNTIペアワイズアラインメント設定の使用によって決定される。
1つの実施形態では、1つのアミノ酸配列とまた別のアミノ酸配列との、またはまた別のアミノ酸配列との同一性率(%)は、ワードサイズ3および置換マトリックスとしてBLOSUM 62を用いるBlastによって決定される。
ポリペプチド
1つの実施形態では、本明細書に開示した発明は、3重量/重量%の初期ラクトース濃度以上の濃度で、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11もしくは少なくとも12のトランスガラクトシル化活性:β−ガラクトシダーゼ活性の比率を有するポリペプチドを使用する。
1つの態様では、本明細書に開示した発明は、グリコシドヒドロラーゼ触媒コアが配列番号7のアミノ酸配列を有するポリペプチドを使用する。
1つの態様では、本明細書に開示した発明は、Glyco_hydro2N(PF02837)、Glyco_hydro(PF00703)および/またはGlyco_hydro 2C(PF02836)ドメインを含有するポリペプチドを使用する。
1つの態様では、本明細書において、細菌性Ig様ドメイン(第4群)(PF07532)を含有するポリペプチドが開示される。
1つの実施形態では、本明細書において、下記からなる群から選択されるトランスガラクトシル化活性を有するポリペプチドが開示される:
a.配列番号1との少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、最大980個のアミノ酸残基からなるポリペプチド、
b.配列番号2との少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、最大975個のアミノ酸残基からなるポリペプチド、
c.配列番号3との少なくとも96.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、最大1,300個のアミノ酸残基からなるポリペプチド、
d.i)配列番号1、2、3、4もしくは5のポリペプチドをコードする配列番号9、10、11、12もしくは13からなる核酸配列、またはii)i)の相補鎖と、少なくとも低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチド、
e.配列番号1、2、3、4もしくは5のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列または1つの成熟ポリペプチドをコードする配列番号9、10、11、12もしくは13からなるヌクレオチド配列との少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチド、および
f.配列番号1、2、3、4もしくは5の1つ以上のアミノ酸残基の欠失、挿入および/または保存的置換を含むポリペプチド。
また別の実施形態では、本明細書に開示する発明は、下記からなる群から選択されるトランスガラクトシル化活性を有するポリペプチドを使用する:
a.配列番号3との少なくとも96.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、最大1,300個のアミノ酸残基からなるポリペプチド、
b.配列番号1との少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、最大980個のアミノ酸残基からなるポリペプチド、
c.i)配列番号1、2、3、4もしくは5のポリペプチドをコードする配列番号9、10、11、12もしくは13からなる核酸配列、またはii)i)の相補鎖を含む、少なくとも低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチド、
d.配列番号1、2、3、4もしくは5のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列または1つの成熟ポリペプチドをコードする配列番号9、10、11、12もしくは13からなるヌクレオチド配列との少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチド、および
e.配列番号1、2、3、4もしくは5の1つ以上のアミノ酸残基の欠失、挿入および/または保存的置換を含むポリペプチド。
1つの態様では、本明細書に開示した発明は、アミノ酸配列が配列番号1、2、3、4もしくは5の成熟アミノ酸配列との少なくとも68%、70%、72%、74%、76%、78%、80%%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するポリペプチドを使用する。
1つの態様では、本明細書に開示した発明は、配列番号1の成熟アミノ酸配列との90%配列同一性を有するポリペプチドを使用する。
1つの態様では、本明細書に開示した発明は、配列番号2の成熟アミノ酸配列との90%配列同一性を有するポリペプチドを使用する。
1つの態様では、本明細書に開示した発明は、配列番号3の成熟アミノ酸配列との96.5%配列同一性を有するポリペプチドを使用する。
1つの態様では、本明細書に開示した発明は、配列番号4の成熟アミノ酸配列との96.5%配列同一性を有するポリペプチドを使用する。
1つの態様では、本明細書に開示した発明は、配列番号5の成熟アミノ酸配列との96.5%配列同一性を有するポリペプチドを使用する。
1つの実施形態では、本明細書に開示した発明は、配列番号1、2、3、4もしくは5のアミノ酸配列を含む、またはそれらからなるポリペプチドを使用する。
1つの態様では、本明細書に開示した発明は、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)に由来するポリペプチドを使用する。
1つの態様では、本明細書に開示した発明は、6.5〜7.5の最適pHを有するポリペプチドを使用する。
1つの態様では、本明細書に開示した発明は、例えば42〜60℃などの30〜60℃の最適温度を有するポリペプチドを使用する。
炭水化物への活性を有するポリペプチドは、それらの基質特異性に基づくIUBMB分類システムまたは現行の125種のグリコシドヒドロラーゼファミリーの1つへのCaZy割当てのいずれかを使用して分類することができる。CaZyデータベースでは、割当ては、基質および生成物の立体化学の知識と組み合わせた配列および構造の両方に関する情報に基づいている。
本明細書では、前記ポリペプチドをコードする核酸配列を含む好適な宿主菌株(例えば、枯草菌(Bacillus subtilis))中で発現生成物である場合に、トランスガラクトシル化活性を示す前記核酸配列の唯一のポリペプチド発現生成物であるポリペプチドの使用が開示される。これは、当業者には公知の下記の技術を使用することによって評価することができる。評価対象のサンプルはSDS−PAGEを受けさせられ、例えばBio−Rad Criterionシステムなどのタンパク質定量のために適切な染料を使用して可視化される。ゲルは、次に例えばBio−Rad Criterionシステムなどの適切な密度計スキャナーを使用してスキャンされ、結果として生じた画像がダイナミックレンジ内にあることが確証される。配列番号8に由来する任意の変異体/断片に対応するバンドが定量され、ポリペプチドのパーセンテージは:問題のポリペプチドの百分率=問題のポリペプチド/(トランスガラクトシル化活性を示す全ポリペプチドの合計)*100として計算される。組成物中の配列番号8に由来するポリペプチド変異体/断片の総数は、当業者には公知の方法によってポリクローナル抗体を使用するウェスタンブロッティングによって配列番号8に由来する断片を検出することによって決定できる。
本明細書に開示したポリペプチドは、酵素内に含有された少なくとも2つの別個の機能的ドメインを含む。最初に、ポリペプチドは、下記に記載するようなグリコシドヒドロラーゼ触媒コアを含有するはずである。触媒コアは、関連するグリコシドヒドロラーゼファミリーのGH−Aクランに属するはずである。GH−Aクランは、保持機構によってグリコシド結合を開裂することを特徴とし、TIMバレルフォールドに基づく触媒ドメインを有する(Wierenga,2001,FEBS Letters,492(3),p193−8)。この触媒ドメインは、バレルドメインの第4および第7ストランドから生じるプロトン供与体および求核基として作用する2つのグルタミン酸残基を含有する(Jenkins,1995,FEBS Letters,362(3),p281−5)。TIMバレルの全体構造は、8本のβストランドおよび8本のαヘリックスからなる(β/α)8フォールドである。1つの態様では、本明細書に開示したグリコシドヒドロラーゼ触媒コアは、グリコシドヒドロラーゼファミリーGH−2およびGH−Aクランに属する全TIMバレル酵素であるGH−35のいずれかに属する。また別の態様では、グリコシドヒドロラーゼ触媒コアは、GH−2もしくはGH−35ファミリーに属する。また別の態様では、グリコシドヒドロラーゼ触媒コアは、GH−2ファミリーに属する。一般的基準は、これらの酵素がいわゆる保持酵素であるので、基質の立体化学が生成物内で保存されていることである(Henrissat,1997,Curr Opin Struct Biol,7(5),637−44)。
1つの態様では、本明細書に開示したポリペプチドは、β(1→4)構造を有する炭水化物結合への活性を有する。この活性は効果的に、これらの酵素をβ−ガラクトシダーゼのIUMBMB EC3.2.1.23クラスに分類する。この活性は、例えば、色素生成アグリコン(XGal)とともにパラ−ニトロフェノール−β−D−ガラクトピラノシド(PNPG)、オルト−ニトロフェノール−β−D−ガラクトピラノシド(ONPG)またはβ−D−ガラクトピラノシドなどの合成基質を利用することによって決定できるが、それらに限定されない。酵素がβ−ガラクトシダーゼのEC3.2.1.23クラスに属するかどうかを決定する代替法としては、ラクトースなどの基質とともにインキュベートし、例えば酵素決定法、HPLC、TLCもしくは当業者には公知の他の方法によってグルコースの遊離を測定することである。
ポリペプチドの機能的実体を予測するためには、数種の利用可能な好適な公衆リポジトリ、例えばPfam(Nucl.Acids Res.(2010)38(suppl 1):D211−D222.doi:10.1093/nar/gkp985)およびInterpro(Nucl.Acids Res.(2009)37(suppl 1):D211−D215.doi:10.1093/nar/gkn785)などを適用できる。そのような分析を実施する場合は、分析は、好適な保存データベースから入手できるポリペプチドの全長配列上で実施されなければならないことを明白にすべきである。
また別の態様では、Glyco_hydro2N(PF02837)、Glyco_hydro(PF00703)、Glyco_hydro 2C(PF02836)および細菌性Ig様ドメイン(第4群)(PF07532)から選択される1つ以上のPfamドメインを含有するポリペプチドが提供される。さらにまた別の態様では、PfamドメインGlyco_hydro2N(PF02837)、Glyco_hydro(PF00703)、Glyco_hydro 2C(PF02836)および細菌性Ig様ドメイン(第4群)(PF07532)を含有するポリペプチドが提供される。さらにまた別の態様では、ポリペプチドの触媒ドメインを構成するGlyco_hydro2N(PF02837)、Glyco_hydro(PF00703)およびGlyco_hydro 2C(PF02836)ドメインを含有するポリペプチドが使用される。
また別の態様では、ポリペプチドは、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)に由来する。
また別の態様では、本明細書に開示した、15、30もしくは180分間、例えば180分間の反応後に、37℃および5重量/重量%のラクトースでのミルクベースアッセイにおいて100ppmの濃度で測定して、少なくとも1、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11または少なくとも12のトランスガラクトシル化活性:β−ガラクトシダーゼ活性の比率を有するポリペプチドが使用される。
1つの態様では、本明細書に開示したポリペプチドは、15、30もしくは180分間、例えば180分間の反応後に、37℃および5重量/重量%のラクトースでのミルクベースアッセイにおいて100ppmの濃度で測定して、初期ラクトースの20%超、30%超、40%超、50%までがトランスガラクトシル化されているようなトランスガラクトシル化活性を有する。本発明の1つの好ましい実施形態では、上述のトランスガラクトシル化活性は、本発明のスプレー乾燥組成物中で保持される。1つの実施形態では、トランスガラクトシル化活性は、スプレー乾燥組成物中の貯蔵期間を通してスプレー乾燥組成物中で保持される。この貯蔵期間は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも18または少なくとも24カ月間であってよい。
また別の態様では、本明細書に開示したポリペプチドは、15、30もしくは180分間、例えば180分間の反応後に、37℃および5重量/重量%のラクトースでのミルクベースアッセイにおいて100ppmの濃度で測定して、80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満のラクトースが加水分解されているようなβ−ガラクトシダーゼ活性を有する。本発明の1つの好ましい実施形態では、上述のβ−ガラクトシダーゼ活性は、本発明のスプレー乾燥組成物中で保持される。1つの実施形態では、β−ガラクトシダーゼ活性は、スプレー乾燥組成物中の貯蔵期間を通してスプレー乾燥組成物中で保持される。この貯蔵期間は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも18または少なくとも24カ月間であってよい。
1つの態様では、β−ガラクトシダーゼ活性および/またはトランスガラクトシル化活性は、方法4に規定された2.13LAUに対応して100ppmの濃度で測定される。一般用語では、酵素活性の単位は、国際公開第2003/186286号パンフレットに方法4として開示され、本明細書で方法4として再現したアッセイにしたがって測定することができる。
また別の態様では、本明細書に開示したポリペプチドは、下記の特徴:
a)15、30もしくは180分間、例えば180分間の反応後に、37℃および5重量/重量%のラクトースでのミルクベースのアッセイにおいて100ppmの濃度で測定して、少なくとも1、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11または少なくとも12のトランスガラクトシル化活性:β−ガラクトシダーゼ活性の比率を有する、および/または
b)15、30もしくは180分間、例えば180分間の反応後に、37℃および5重量/重量%のラクトースでのミルクベースアッセイにおいて100ppmの濃度で測定して、初期ラクトースの20%超、30%超、40%超および50%までがトランスガラクトシル化されているようなトランスガラクトシル化活性を有する、の内の1つ以上を有する。
1つの態様では、配列番号3との少なくとも96.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記ポリペプチドは、最大1,300個のアミノ酸残基からなるポリペプチドが提供される。また別の態様では、配列番号1との少なくとも90%の配列同一性、例えば前記配列同一性が例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは少なくとも100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、最大980個のアミノ酸残基からなるポリペプチドが提供される。また別の態様では、配列番号1との少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、最大980個のアミノ酸残基からなるポリペプチドが提供される。さらにまた別の態様では、配列番号1との少なくとも90%の配列同一性を有する、例えば前記ポリペプチドが配列番号1との例えば少なくとも90%、例えば,少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するポリペプチドが提供される。また別の態様では、配列番号2との少なくとも96.5%の配列同一性を有する、例えば前記ポリペプチドが配列番号2との少なくとも97%、例えば少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するポリペプチド。1つの態様では、本明細書に開示したポリペプチドは、最大975個のアミノ酸残基、例えば最大970個のアミノ酸残基、例えば最大950個のアミノ酸残基、例えば最大940個のアミノ酸残基、最大930個のアミノ酸残基、最大920個のアミノ酸残基、最大910個のアミノ酸残基、最大900個のアミノ酸残基、最大895個のアミノ酸残基もしくは最大890個のアミノ酸残基からなり、提供される。1つの態様では、特定のポリペプチドは887もしくは965個のアミノ酸残基からなり、提供される。1つの態様では、配列番号2との少なくとも97%の配列同一性、例えば前記配列同一性が例えば少なくとも98%、例えば少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の同一性であるようなアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、最大975個のアミノ酸残基、例えば最大970個もしくは少なくとも965個のアミノ酸残基からなるポリペプチドが提供される。
1つの態様では、配列番号2と少なくとも97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、最大975個のアミノ酸残基からなるポリペプチドが使用される。
また別の好ましい態様では、配列番号1、2、3、4もしくは5を含むポリペプチドが提供される。さらに別の好ましい態様では、配列番号1、2、3、4もしくは5のアミノ酸配列からなるポリペプチド、特に配列番号1または2のアミノ酸配列からなるポリペプチドが使用される。
また別の態様では、配列番号3との少なくとも96.5%の配列同一性、例えば前記配列同一性が例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、少なくとも99%もしくは少なくとも100%の配列同一性であるアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、最大1,300個のアミノ酸残基からなるポリペプチドが提供される。
また別の態様では、前記ポリペプチドが配列番号5との少なくとも98.5%、例えば少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%の配列同一性を有するポリペプチドが提供される。1つの態様では、そのようなポリペプチドは、最大1,290個のアミノ酸残基、例えば最大1,280個、最大1,270個、最大1,260個、最大1,250個、最大1,240個、最大1,230個、最大1,220個もしくは最大1,215個のアミノ酸残基からなり、提供される。1つの好ましい態様では、1,211個のアミノ酸残基からなるポリペプチドが使用される。
また別の態様では、前記ポリペプチドが配列番号4との少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するポリペプチドが提供される。1つの態様では、最大1,210個のアミノ酸残基、例えば最大1,200個、最大1,190個、最大1,180個、最大1,170個、最大1,160個、最大1,150個もしくは最大1,145個のアミノ酸残基、例えば1,142個のアミノ酸残基からなるポリペプチドが使用される。
また別の態様では、前記ポリペプチドが配列番号3との少なくとも96.5%、例えば少なくとも少なくとも97%、例えば少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するポリペプチドが提供される。1つの態様では、最大1,130個のアミノ酸残基、例えば最大1,120個、最大1,110個、最大1,100個、最大1,090個、最大1,080個、最大1,070個、最大1,060個、最大1,050個、最大1,055個もしくは最大1,040個のアミノ酸残基からなるポリペプチドが提供される。1つの好ましい態様では、1,038個のアミノ酸残基からなるポリペプチドが使用される。
また別の態様では、本明細書に開示したポリペプチドは、100%超、例えば150%超、175%超もしくは200%超のトランスガラクトシル化活性の比率を有する。
タンパク質は、一般に、通例ドメインと呼ばれる1つ以上の機能的領域から構成される。異なるタンパク質中に様々な組み合わせで様々なドメインが存在することは、自然に見いだされる多様なタンパク質レパートリーを生じさせる。ドメインを記載する1つの方法は、“The Pfam protein families database”:R.D.Finn,J.Mistry,J.Tate,P.Coggill,A.Heger,J.E.Pollington,O.L.Gavin,P.Gunesekaran,G.Ceric,K.Forslund,L.Holm,E.L.Sonnhammer,S.R.Eddy,A.Bateman Nucleic Acids Research(2010)Database Issue 38:D211−222に記載されたタンパク質ドメインファミリーの大きな集団であるPfamデータベースを用いることによる。各ファミリーは、複数の配列アラインメントおよび隠れマルコフモデル(HMM)によって表示される。本明細書で提供するポリペプチドは、好ましくは、PfamドメインGlyco_hydro2N(PF02837)、Glyco_hydro(PF00703)、Glyco_hydro 2C(PF02836)および細菌性Ig様ドメイン(第4群)(PF07532)の内の1つ以上を含有する。1つの態様では、本明細書で提供するポリペプチドは、Glyco_hydro2N(PF02837)、Glyco_hydro(PF00703)、Glyco_hydro 2C(PF02836)および細菌性Ig様ドメイン(第4群)(PF07532)を含有する。
1つの態様では、本明細書で使用するポリペプチドは、4〜9、例えば5〜8、例えば5.5〜7.5、例えば6.5〜7.5などのpH範囲にわたって有用なトランスガラクトシル化活性を有する。
本発明は、本明細書に定義したアミノ酸または本明細書に定義した特定の特性を有するポリペプチドとの所定の程度の配列同一性もしくは配列相同性を有するポリペプチドの使用を含む。本発明は、特に、下記に定義する配列番号1、2、3、4もしくは5またはそれらの相同体のいずれか1つとのある程度の配列同一性を有するポリペプチドの使用を含む。
相同性アミノ酸配列および/またはヌクレオチド配列は、配列番号1、2、3、4もしくは5のポリペプチドと比較して機能的トランスガラクトシル化活性を保持する、および/またはトランスガラクトシル化活性を増強するポリペプチドを提供する、および/またはコードするはずである。
本発明の状況では、相同配列は主題配列と少なくとも66%、70%、75%、78%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%同一である可能性があるアミノ酸配列を含むと考えられる。典型的には、相同体は、主題アミノ酸配列と同一活性部位などを含むであろう。相同性は類似性(すなわち、類似の化学的特性/機能を有するアミノ酸残基)の観点から考慮することもできるが、本発明の状況では、相同性は配列同一性によって表現するのが好ましい。
したがって、本発明はさらに、本明細書に定義したタンパク質もしくはポリペプチドのいずれかのアミノ酸配列、特別には下記に定義する配列番号1、2、3、4もしくは5のアミノ酸配列の変異体、相同体および誘導体の使用を含む。
下記に定義した配列番号1、2、3、4もしくは5の変異体、相同体および誘導体は、さらにサイレントな変化を生成し、結果として機能的に同等の物質を生じさせるアミノ酸残基の欠失、挿入もしくは置換もまた有する可能性がある。意図的なアミノ酸置換は、その物質の二次的結合活性が保持される限り、残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性および/または両親媒性の性質における類似性に基づいて行うことができる。例えば、負荷電アミノ酸には、アスパラギン酸およびグルタミン酸が含まれる;正荷電アミノ酸には、リシンおよびアルギニンが含まれる;ならびに類似の親水性値を有する非荷電極性頭部基を備えるアミノ酸には、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、フェニルアラニンおよびチロシンが含まれる。
本発明はさらに、発生する可能性がある、つまり同種置換、例えば塩基性と塩基性、酸性と酸性、極性と極性などの保存的置換(置換および交換は、本明細書ではどちらも既存のアミノ酸残基と代替残基との入れ替えを意味するために使用される)も含む。非保存的置換もまた、1クラスの残基からまた別のクラス、または非天然アミノ酸、例えばオルニチン(下記ではZと呼ぶ)、ジアミノ酪酸オルニチン(以下ではBと呼ぶ)、ノルロイシンオルニチン(以下ではOと呼ぶ)、ピリジルアラニン、チエニルアラニン、ナフチルアラニンおよびフェニルグリシンなどの包含を含むクラスの残基から発生する可能性がある。
作成できる可能性がある保存的置換は、例えば、塩基性アミノ酸(アルギニン、リシンおよびヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸およびアスパラギン酸)、脂肪族アミノ酸(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン)、極性アミノ酸(グルタミン、アスパラギン、セリン、トレオニン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシン)、ヒドロキシルアミノ酸(セリン、トレオニン)、大きいアミノ酸(フェニルアラニンおよびトリプトファン)ならびに小さいアミノ酸(グリシン、アラニン)のグループ内にある。
1つの態様では、本発明において使用されるポリペプチド配列は、精製形にある。
1つの態様では、本発明において使用されるポリペプチドもしくはタンパク質は、単離形にある。
1つの態様では、本発明のポリペプチドは、組換え生成される。
変異ポリペプチドには、配列番号1または2との所定のパーセント、例えば少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチドが含まれる。
変異ポリペプチドには、配列番号3、4または5との所定のパーセント、例えば少なくとも96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチドが含まれる。
1つの態様では、本明細書で使用されるポリペプチドは、本明細書では配列番号22として示したビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)DSM20215に含有されるトランスガラクトシラーゼをコードするヌクレオチド配列によってコードされる成熟ポリペプチドのアミノ酸配列との少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。配列番号1、2、3、4もしくは5に関して検討される配列同一性および官能性に関する全ての考察および制限は、これらのポリペプチドおよびヌクレオチドの配列同一性および官能性に必要な変更を加えて適用される。
1つの態様では、主題アミノ酸配列は、配列番号1、2、3、4もしくは5であり、主題ヌクレオチド配列は、好ましくは、配列番号9、10、11、12もしくは13である。
1つの態様では、ポリペプチドは、配列番号1、2、3、4もしくは5のポリペプチドのアミノ末端および/またはカルボキシル末端から1つ以上(数個)のアミノ酸が欠失している断片であり、このときこの断片はトランスガラクトシル化活性を有する。
1つの態様では、断片は、少なくとも500、550、600、650、700、750、800、850、900、950もしくは1,000個のアミノ酸残基を含有する。
また別の態様では、ポリペプチド変異体の長さは、500〜1,300アミノ酸残基である。また別の態様では、ポリペプチド変異体の長さは、600〜1,300アミノ酸である。また別の態様では、ポリペプチド変異体の長さは、700〜1,300アミノ酸である。また別の態様では、ポリペプチド変異体の長さは、800〜1,300アミノ酸である。また別の態様では、ポリペプチド変異体の長さは、900〜1,300アミノ酸である。
配列番号1、2、3、4もしくは5のポリペプチド変異体
1つの態様では、配列番号1、2、3、4もしくは5に比較して、例えば改良されたトランスガラクトシル化などの変化した特性を実行する1つ以上の位置で置換を有する配列番号1、2、3、4もしくは5の変異体が使用される。そのような変異ポリペプチドは、本文献においては便宜的に、「変異ポリペプチド」、「ポリペプチド変異体」または「変異体」とも呼ばれる。1つの態様では、本明細書に定義したポリペプチドは、配列番号1、2、3、4もしくは5のポリペプチドに比較して改良されたトランスガラクトシル化活性を有する。また別の態様では、本明細書に定義したポリペプチドは、配列番号1、2、3、4もしくは5のポリペプチドに比較して改良された反応速度を有する。
本明細書で使用するポリペプチドおよび変異ポリペプチドは、トランスガラクトシル化活性を含む。
1つの態様では、トランスガラクトシル化活性:β−ガラクトシダーゼ活性の比率は、3重量/重量%の初期ラクトース濃度を超える濃度などの30分間の反応後には、少なくとも0.5、例えば少なくとも1、例えば少なくとも1.5または例えば少なくとも2である。
1つの態様では、トランスガラクトシル化活性:β−ガラクトシダーゼ活性の比率は、3重量/重量%の初期ラクトース濃度を超える濃度などの30分間の反応後に、少なくとも2.5、例えば少なくとも3、例えば少なくとも4、例えば少なくとも5、例えば少なくとも6、例えば少なくとも7、例えば少なくとも8、例えば少なくとも9、例えば少なくとも10、例えば少なくとも11もしくは例えば少なくとも12である。
1つの態様では、本明細書に定義したポリペプチドおよび変異体は、微生物起源に、特に糸状真菌もしくは酵母または細菌に由来する可能性がある。酵素は、例えば、Agaricus、例えばA.bisporus;Ascovaginospora;Aspergillus、例えばA.niger,A.awamori,A.foetidus,A.japonicus,A.oryzae;Candida;Chaetomium;Chaetotomastia;Dictyostelium、例えばD.discoideum;Kluveromyces、例えばK.fragilis,K.lactis;Mucor、例えばM.javanicus,M.mucedo,M.subtilissimus;Neurospora、例えばN.crassa;Rhizomucor、例えばR.pusillus;Rhizopus、例えばR.arrhizus,R.japonicus,R.stolonifer;Sclerotinia、例えばS.libertiana;Torula;Torulopsis;Trichophyton、例えばT.rubrum;Whetzelinia、例えばW.sclerotiorum;Bacillus、例えばB.coagulans,B.circulans,B.megaterium,B.novalis,B.subtilis,B.pumilus,B.stearothermophilus,B.thuringiensis;Bifidobacterium、例えばB.Iongum,B.bifidum,B.animalis;Chryseobacterium;Citrobacter、例えばC.freundii;Clostridium、例えばC.perfringens;Diplodia、例えばD.gossypina;Enterobacter、例えばE.aerogenes,E.cloacae Edwardsiella,E.tarda;Erwinia、例えばE.herbicola;Escherichia、例えばE.coli;Klebsiella、例えばK.pneumoniae;Miriococcum;Myrothesium;Mucor;Neurospora、例えばN.crassa;Proteus、例えばP.vulgaris;Providencia、例えばP.stuartii;Pycnoporus、例えばPycnoporus cinnabarinus,Pycnoporus sanguineus;Ruminococcus、例えばR.torques;Salmonella、例えばS.typhimurium;Serratia、例えばS.liquefasciens,S.marcescens;Shigella、例えばS.flexneri;Streptomyces,e.g..S.antibioticus,S.castaneoglobisporus,S.violeceoruber;Trametes;Trichoderma、例えばT.reesei,T.viride;Yersinia、例えばY.enterocoliticaの菌株に由来する可能性がある。
本明細書に定義したポリペプチドもしくは変異ポリペプチドを含む単離および/または精製ポリペプチドが提供される。1つの実施形態では、変異ポリペプチドは、ポリペプチド(配列番号1、2、3、4もしくは5)の成熟形である。1つの態様では、変異体には、C末端ドメインが含まれる。
1つの態様では、本明細書に定義した変異ポリペプチドには、1〜約25個の間のアミノ酸残基が配列番号1、2、3、4もしくは5と比較して付加されている、または欠失している変異体が含まれる。1つの態様では、本明細書に定義した変異ポリペプチドには、1〜25個の間のアミノ酸残基が配列番号1、2、3、4もしくは5と比較して置換、付加されている、または欠失している変異体が含まれる。1つの態様では、変異体は、配列番号1、2、3、4もしくは5のアミノ酸配列を有し、このとき1〜約25個の間の任意の数のアミノ酸が置換されている。また別の態様では、変異体は、配列番号1、2、3、4もしくは5のアミノ酸配列を有し、このとき3〜12個の間の任意の数のアミノ酸が置換されている。また別の態様では、変異体は、配列番号1、2、3、4もしくは5のアミノ酸配列を有し、このとき5〜9個の間の任意の数のアミノ酸が置換されている。
1つの態様では配列番号1、2、3、4もしくは5の内の少なくとも2個、また別の態様では少なくとも3個、およびさらにまた別の態様では少なくとも5個のアミノ酸が置換されている。
1つの態様では、本明細書に開示したポリペプチドは、配列番号1、2、3、4もしくは5を有する。
1つの態様では、本明細書に開示したポリペプチドは、配列番号1、2、3、4もしくは5の配列を有するが、このときN末端における10、例えば9、例えば8、例えば7、例えば6、例えば5、例えば4、例えば3、例えば2、例えば1個のアミノ酸が置換されている、および/または欠失している。
酵素およびそれらの酵素変異体は、それらの核酸および一次ポリペプチド配列、三次元構造モデリングおよび/またはそれらの特異的活性によって特徴付けることができる。本明細書に定義したポリペプチドもしくはポリペプチド変異体の追加の特徴には、例えば、安定性、pH範囲、酸化安定性および熱安定性が含まれる。発現および酵素活性のレベルは、当業者には公知の標準的アッセイを使用すると評価できる。また別の態様では、変異体は、配列番号1、2、3、4もしくは5を備えるポリペプチドに比較して改良された性能特性、例えば高温、例えば65〜85℃で改良された安定性を示す。
ポリペプチド変異体は、配列番号1、2、3、4もしくは5のポリペプチドとの少なくとも約66%、68%、70%、72%、74%、78%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%の同一性を有するアミノ酸配列を用いて本明細書に定義したように提供される。
ヌクレオチド
1つの態様では、本発明は、超低ストリンジェンシー条件下、好ましくは低ストリンジェンシー条件下、より好ましくは中ストリンジェンシー条件下、より好ましくは中−高ストリンジェンシー条件下、いっそうより好ましくは高ストリンジェンシー条件下、および最も好ましくは超高ストリンジェンシー条件下で、i)配列番号1、2、3、4もしくは5の成熟ポリペプチドをコードする配列番号9、10、11、12もしくは13に含まれる核酸配列;ii)i)のcDNA配列、またはiii)i)もしくはii)の相補鎖とハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされる上述したトランスガラクトシル化活性を有する単離ポリペプチドを使用する(J.Sambrook,E.F.Fritsch,およびT.Maniatis,1989,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2d edition,Cold Spring Harbor,New York)。配列番号9、10、11、12もしくは13の部分配列は、少なくとも100個の連続ヌクレオチドまたは好ましくは少なくとも200個の連続ヌクレオチドを含有する。さらに、部分配列は、ラクターゼ活性を有するポリペプチド断片をコードする可能性がある。
配列番号9、10、11、12もしくは13のヌクレオチド配列もしくはそれらの部分配列ならびに配列番号1、2、3、4もしくは5のアミノ酸配列もしくはそれらの断片は、当業者には周知の方法にしたがって様々な属もしくは種の菌株由来のトランスガラクトシル化活性を有するポリペプチドをコードするDNAを同定およびクローン化するための核酸プローブを設計するために使用できる。特に、そのようなプローブは、その中の対応する遺伝子を同定および単離するために、標準サウザンブロッティング手順にしたがって、問題の属もしくは種のゲノムもしくはcDNAとのハイブリダイゼーションのために使用できる。そのようなプローブは、全配列より相当に短い可能性があるが、長さが少なくとも14個、好ましくは少なくとも25個、より好ましくは少なくとも35個および最も好ましくは少なくとも70個のヌクレオチドでなければならない。しかし、核酸プローブは、長さが少なくとも100個のヌクレオチドであるのが好ましい。例えば、核酸プローブは、長さが少なくとも200ヌクレオチド、好ましくは少なくとも300ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも400ヌクレオチドまたは最も好ましくは少なくとも500ヌクレオチドであってよい。いっそうより長いプローブ、長さが例えば少なくとも600ヌクレオチド、少なくとも好ましくは700ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも800ヌクレオチドまたは最も好ましくは少なくとも900ヌクレオチドである核酸プローブを使用できる。DNAプローブおよびRNAプローブの両方を使用できる。これらのプローブは、典型的には、対応する遺伝子を検出するために(例えば、32P、3H、35S、ビオチンもしくはアビジンを用いて)標識される。そのようなプローブは、本発明によって含まれる。
このため、そのような他の生物から調製されたゲノムDNAライブラリーは、上述したプローブとハイブリダイズする、およびラクターゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAについてスクリーニングすることができる。そのような他の生物からのゲノムもしくは他のDNAは、アガロースもしくはポリアクリルアミドゲル電気泳動法または他の分離技術によって分離することができる。ライブラリー由来のDNAもしくは分離DNAは、ニトロセルロースもしくは他の好適な担体材料上に移して固定化することができる。配列番号9、10、11、12もしくは13もしくはそれらの部分配列と相同性であるクローンもしくはDNAを同定するためには、サウザンブロットにおいて担体材料が使用される。
本発明のためには、ハイブリダイゼーションは、ヌクレオチド配列が配列番号9、10、11、12もしくは13に示したヌクレオチド配列、その相補鎖またはそれらの部分配列に、超低から超高ストリンジェンシー条件下で対応する標識核酸プローブにハイブリダイズすることを示している。これらの条件下で核酸プローブがそれにハイブリダイズする分子は、X線フィルムを使用して検出することができる。
核酸プローブは、配列番号9、10、11、12もしくは13の成熟ポリペプチドコーディング領域であってよい。
長さが少なくとも100ヌクレオチドの長いプローブに対しては、最適には12〜24時間の標準サウザンブロッティング手順にしたがって、超低〜超高ストリンジェンシー条件が5×のSSPE、0.3%のSDS、200g/mLの剪断および変性サケ精液DNAならびに超低および低ストリンジェンシーに対しては25%のホルムアミド、中および中高ストリンジェンシーに対しては35%のホルムアミドまたは高および超高ストリンジェンシーに対しては50%のホルムアミドいずれか中の42℃でのプレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションであると定義されている。
長さが少なくとも100ヌクレオチドの長いプローブに対しては、担体材料は、2×のSSC、0.2%のSDSを用いて、好ましくは少なくとも45℃(超低ストリンジェンシー)、より好ましくは少なくとも50℃(低ストリンジェンシー)、より好ましくは55℃(中ストリンジェンシー)、より好ましくは少なくとも60℃(中−高ストリンジェンシー)、いっそうより好ましくは少なくとも65℃(高ストリンジェンシー)および最も好ましくは少なくとも70℃(超高ストリンジェンシー)で最終的にそれぞれ15分間ずつ3回洗浄される。
特定の実施形態では、洗浄は、0.2×のSSC、0.2%のSDSを用いて、好ましくは少なくとも45℃(超低ストリンジェンシー)、より好ましくは少なくとも50℃(低ストリンジェンシー)、より好ましくは55℃(中ストリンジェンシー)、より好ましくは少なくとも60℃(中−高ストリンジェンシー)、いっそうより好ましくは少なくとも65℃(高ストリンジェンシー)および最も好ましくは少なくとも70℃(超高ストリンジェンシー)で実施される。また別の特定の実施形態では、洗浄は、0.1×のSSC、0.2%のSDSを用いて、好ましくは少なくとも45℃(超低ストリンジェンシー)、より好ましくは少なくとも50℃(低ストリンジェンシー)、より好ましくは55℃(中ストリンジェンシー)、より好ましくは少なくとも60℃(中−高ストリンジェンシー)、いっそうより好ましくは少なくとも65℃(高ストリンジェンシー)および最も好ましくは少なくとも70℃(超高ストリンジェンシー)で実施される。
長さが約15ヌクレオチド〜約70ヌクレオチドである短いプローブに対しては、ストリンジェンシー条件は、標準サウザンブロッティング手順にしたがって、0.9MのNaCl、0.09MのTris−HCl(pH7.6)、6mMのEDTA、0.5%のNP−40、1×のデンハルト溶液、1mMのピロリン酸ナトリウム、1mMの一塩基性リン酸ナトリウム、0.1mMのATPおよび0.2mg/mLの酵母RNA中で、BoltonおよびMcCarthy(1962,Proceedings of the National Academy of Sciences USA 48:1390)にしたがった計算を使用して計算Tmより約5℃〜約10℃下でのプレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション後洗浄として定義されている。
長さが約15ヌクレオチド〜約70ヌクレオチドである短いプローブに対しては、担体材料は、15分間にわたり6×のSCC+0.1%のSDS中で1回および計算Tmより約5℃〜約10℃下で6×のSSCを使用してそれぞれ15分間ずつ2回洗浄される。
塩含有ハイブリダイゼーション条件下では、有効Tmは上首尾のハイブリダイゼーションのためにプローブとフィルター結合DNAとの間に必要とされる同一性の程度を制御するTmである。有効Tmは、様々なストリンジェンシー条件下で2つのDNAがハイブリダイズするために必要とされる同一性の程度を決定するために下記の式を使用して決定することができる。
有効Tm=81.5+16.6(log M[Na+])+0.41(%G+C)−0.72(ホルムアミドの比率)
(www.ndsu.nodak.edu/instruct/mcclean/plsc731/dna/dna6.htmを参照されたい)
配列番号10のG+C含量は42%であり、配列番号11のG+C含量は44%である。中ストリンジェンシーに対しては、ホルムアミドは35%であり、5×のSSPEに対するNa+濃度は0.75Mである。
また別の重要な関係は、2つのDNAの1%のミスマッチがTmを1.4℃低下させることである。42℃の中ストリンジェンシー条件下で2つのDNAがハイブリダイズするために必要とされる同一性の程度を決定するためには、下記の式が使用される:
相同性率(%)=100−[(有効Tm−ハイブリダイゼーション温度)/1.4]
(www.ndsu.nodak.edu/instruct/mcclean/plsc731/dna/dna6.htmを参照されたい)
変異核酸には、配列番号1、2、3、4もしくは5をコードする核酸との所定のパーセント、例えば60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有するポリヌクレオチドが含まれる。1つの態様では、本明細書に開示したポリペプチドをコードできる核酸が提供される。また別の態様では、本明細書に開示した核酸は、配列番号9、10、11、12または13と少なくとも60%、例えば少なくとも65%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも75%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも99%同一である核酸配列を有する。
1つの態様では、本明細書に記載した核酸を含むプラスミドを使用できる。また別の態様では、本明細書に記載した核酸を含む、または本明細書に記載したポリペプチドを発現できる発現ベクターを使用できる。
本明細書に定義し、本明細書に規定したポリペプチド変異体のいずれかをコードする核酸に相補的な核酸が提供される。さらに、相補体にハイブリダイズすることができる核酸も提供される。また別の実施形態では、本明細書に記載した方法および組成物において使用するための配列は、合成配列である。それには、例えば酵母などの宿主生物内で発現するための最適なコドンを使用して作成された配列が含まれるがそれらに限定されない。本明細書に提供したポリペプチド変異体は、当技術分野において周知の手法にしたがって、合成的に、または宿主細胞内での組換え発現を通して生成することができる。1つの態様では、本明細書に開示したポリペプチドは、組換えポリペプチドである。本明細書に定義した発現ポリペプチド変異体は、任意選択的に使用前に単離される。
また別の実施形態では、本明細書に定義したポリペプチド変異体は、発現後に精製される。ポリペプチド変異体の遺伝子修飾および組換え生産の方法は、例えば、米国特許第7,371,552号明細書、同第7,166,453号明細書;同第6,890,572号明細書;および同第6,667,065号明細書および米国公開公報特許第2007/0141693号明細書;同第2007/0072270号明細書;同第2007/0020731号明細書;同第2007/0020727号明細書;同第2006/0073583号明細書;同第2006/0019347号明細書;同第2006/0018997号明細書;同第2006/0008890号明細書;同第2006/0008888号明細書;および同第2005/0137111号明細書に記載されている。ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列、プライマー、ベクター、選択方法、宿主細胞、発現ポリペプチド変異体の精製および再構成ならびに酵素アッセイのために有用なバッファー、pH範囲、Ca2+濃度、基質濃度および酵素濃度を含む本明細書に定義したポリペプチド変異体の特性解析を含むこれらの開示の重要な教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
配列番号1、2、3、4または5のタンパク質、または配列番号1、2、3、4もしくは5のタンパク質をコードする核酸との少なくとも約66%、68%、70%、72%、74%、78%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有する核酸配列をコードする核酸配列が提供される。1つの実施形態では、核酸配列は、配列番号9、10、11、12または13の核酸との少なくとも約60%、66%、68%、70%、72%、74%、78%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有する。
ベクター
1つの態様では、本発明は、ポリヌクレオチドを含むベクターを使用する。1つの態様では、細菌細胞がそのベクターを含む。一部の実施形態では、変異体をコードする核酸を含むDNA構築物は、コーディング配列と機能的に連結した調節配列を含む発現ベクター内の宿主細胞に移される。ベクターは、真菌宿主細胞ゲノム内に統合して、宿主細胞内に導入されると複製できる任意のベクターであってよい。ミズーリ大学のFGSC菌株カタログは、好適なベクターを列挙している。好適な発現ベクターおよび/または組込み型ベクターの追加の例は、Sambrook et al.,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUUAL,3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York(2001);Bennett et al.,MORE GENE MANIPULATIONS IN FUNGI,Academic Press,San Diego(1991),pp.396−428;および米国特許第5,874,276号明細書に提供されている。典型的なベクターには、pFB6、pBR322、PUC18、pUC100およびpENTR/D、pDONTM201、pDONRTM221、pENTRTM、pGEM(登録商標)3ZおよびpGEM(登録商標)4Zが含まれる。細菌細胞中で使用するための典型には、大腸菌(E.coli)内での複製を許容するpBR322およびpUC19ならびに例えばバチルス(Bacillus)属における複製を許容するpE194が含まれる。
一部の実施形態では、変異体をコードする核酸は、宿主細胞内での転写を可能にする好適なプロモーターに機能的に連結している。プロモーターは、宿主細胞にとって同種もしくは異種いずれかであるタンパク質をコードする遺伝子由来であってよい。プロモーターの好適な非限定的な例には、cbh1、cbh2、egl1およびegl2プロモーターが含まれる。1つの実施形態では、プロモーターは、宿主細胞にとって天然であるプロモーターである。例えば、P.サッカロフィラ(P.saccharophila)が宿主である場合、プロモーターは天然P.サッカロフィラ(P.saccharophila)プロモーターである。「誘導性プロモーター」は、環境的調節および発生的調節下で活性であるプロモーターである。また別の実施形態では、プロモーターは、宿主細胞にとって異種であるプロモーターである。
一部の実施形態では、コーディング配列は、シグナル配列をコードするDNA配列と機能的に連結している。また別の態様では、代表的なシグナルペプチドは、配列番号27である。代表的なシグナルペプチドは、枯草菌(Bacillus subtilis)aprE前駆体の天然シグナル配列である配列番号9である。他の実施形態では、シグナル配列をコードするDNAは、他の細胞外枯草菌(Bacillus subtilis)前駆体由来のシグナル配列をコードするヌクレオチド配列で置換される。1つの実施形態では、シグナル配列をコードするポリヌクレオチドは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのすぐ上流およびフレーム内にある。シグナル配列は、宿主細胞と同一種から選択することができる。追加の実施形態では、真菌宿主細胞内に導入すべきDNA構築物もしくはベクターを含むシグナル配列およびプロモーター配列は同一起源に由来する。一部の実施形態では、発現ベクターはさらに、終止配列を含む。1つの実施形態では、終止配列およびプロモーター配列は、同一起源に由来する。また別の実施形態では、終止配列は、宿主細胞にとって同種である。
一部の実施形態では、発現ベクターは選択可能なマーカーを含む。好適な選択可能なマーカーの例には、抗微生物剤、例えばハイグロマイシンもしくはフレオマイシンに耐性を付与するマーカーが含まれる。栄養選択的マーカーは、さらに好適であり、amdS、argBおよびpyr4が含まれる。1つの実施形態では、選択的マーカーは、酵素アセトアミダーゼをコードするamdS遺伝子である:amdS遺伝子は、形質転換細胞が窒素源としてのアセトアミド上で増殖することを許容する。選択的マーカーとしてのA.ニデュランス(A.nidulans)amdS遺伝子の使用は、Kelley et al.,EMBO J.4:475−479(1985)およびPenttila et al.,Gene 61:155−164(1987)に記載されている。
変異体をコードするポリヌクレオチドを備えるDNA構築物を含む好適な発現ベクターは、所定の宿主生物内で自律的に複製できる、または宿主のDNAに組み込むことができる任意のベクターであってよい。一部の実施形態では、発現ベクターはプラスミドである。一部の実施形態では、遺伝子の発現を得るための2つのタイプの発現ベクターが企図されている。第1発現ベクターは、その中のプロモーター、コーディング領域およびターミネーター全部が発現対象の遺伝子を起源とするDNA配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子切断は、その独自の転写および翻訳調節配列の制御下で発現対象のドメインから離れるために望ましくないDNA配列を欠失させることによって入手される。第2のタイプの発現ベクターは、前組立てされ、高レベルの転写および選択可能なマーカーのために必要とされる配列を含有する。一部の実施形態では、遺伝子またはその一部に対するコーディング領域は、それが発現構築物およびターミネーター配列の転写制御下にあるようにこの汎用発現ベクター内に挿入される。一部の実施形態では、遺伝子もしくはその一部は、強力なcbh1プロモーターの下流に挿入される。
宿主/宿主細胞の発現
また別の態様では、本明細書に記載したプラスミドまたは本明細書に記載した発現ベクターを含む、好ましくはそれらを用いて形質転換された宿主細胞が使用される。
また別の態様では、本明細書に記載したポリペプチドを発現できる細胞が使用される。
1つの態様では、本明細書に記載した宿主細胞または本明細書に記載した細胞は、細菌細胞、真菌細胞もしくは酵母細胞である。
また別の態様では、宿主細胞は、ルミノコッカス(Ruminococcus)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属、エシェリキア(Escherichia)属、バチルス(Bacillus)属、ストレプトミセス(Streptomyces)属、サッカロミセス(Saccharomyces)属、クルイベロミセス(Kluyveromyces)属、カンジダ(Candida)属、トルラ(Torula)属、トルロプシス(Torulopsis)属およびアスペルギルス(Aspergillus)属からなる群より選択される。
また別の態様では、宿主細胞は、ルミノコッカス・ハンセニイ(Ruminococcus hansenii)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)およびラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)からなる群から選択される。
また別の実施形態では、好適な宿主細胞には、枯草菌(Bacillus subtilis)、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.レンタス(B.lentus)、B.ブレビス(B.brevis)、B.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)、B.アルカロフィラス(B.alkalophilus)、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.コアギュランス(B.coagulans)、B.サーキュランス(B.circulans)、B.ラウタス(B.lautus)、B.ツリンギエンシス(B.thuringiensis)、ストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)もしくはS.ムリナス(S.murinus)からなる群より選択されるグラム陽性細菌、または大腸菌(Escherichia coli)もしくはシュードモナス種(Pseudomonas species)であるグラム陰性細菌が含まれる。1つの態様では、宿主細胞は、枯草菌(B.subtilus)もしくはB.リケニフォルミス(B.licheniformis)である。1つの態様では、宿主細胞は、枯草菌(B.subtilis)であり、発現タンパク質は下記でさらに詳述するように、枯草菌(B.subtilis)シグナル配列を含むように遺伝子組換えされる。1つの態様では、宿主細胞は、特許請求の範囲に規定したポリヌクレオチドを発現する。
一部の実施形態では、宿主細胞は、配列番号1、2、3、4または5のポリペプチドとの少なくとも約66%、68%、70%、72%、74%、78%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%の同一性を有するアミノ酸配列を用いて本明細書に定義したポリペプチド変異体を発現するように遺伝子組換えされる。一部の実施形態では、本明細書に定義したポリペプチド変異体をコードするポリヌクレオチドは、配列番号1、2、3、4または5のタンパク質または配列番号1、2、3、4または5のタンパク質をコードする核酸との少なくとも約66%、68%、70%、72%、74%、78%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有する核酸配列をコードするであろう。1つの実施形態では、核酸配列は、配列番号9、10、11、12または13の核酸との少なくとも約60%、66%、68%、70%、72%、74%、78%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有する。
ポリペプチドを製造するための方法
また別の態様では、本明細書に記載したポリペプチドを発現する方法は、本明細書に記載した宿主細胞もしくは細胞を入手する工程およびその細胞もしくは宿主細胞からポリペプチドを発現させる工程、および任意選択的にそのポリペプチドを精製する工程を含む。そのようなポリペプチドは、本発明において使用できる。
発現の特徴は、特定の宿主細胞内で変異体が生成された場合に、変化した変異体の発現レベルを意味する。発現は、一般に、所定の期間にわたり当技術分野において公知の標準技術を使用して発酵ブロスから回収可能な活性変異体の量に関する。発現はさらに、宿主細胞内で生成された、または宿主細胞によって分泌された変異体の量もしくは比率に関する可能性がある。発現はさらに、変異ポリペプチドをコードするmRNAの翻訳の比率に関する可能性もある。
宿主細胞の形質転換、発現および培養
宿主細胞へのDNA構築物もしくはベクターの導入には、例えば、形質転換法;エレクトロポレーション法;核マイクロインジェクション法;形質導入;トランスフェクション、例えば、リポフェクション媒介性およびDEAE−デキストリン媒介性トランスフェクション;リン酸カルシウムDNA沈降物とのインキュベーション;DNA被覆微粒子弾丸を用いた高速衝撃法;およびプロトプラスト融合法などの技術が含まれる。一般的形質転換技術は、当技術分野において公知である。例えば、Ausubel et al.(1987),上記参照,chapter 9;Sambrook et al.(2001),上記参照;およびCampbell et al.,Curr.Genet.16:53−56(1989)を参照されたい。トリコデルマ(Trichoderma)属内での異種タンパク質の発現は、例えば、米国特許第6,022,725号明細書;同第6,268,328号明細書;Harkki et al.,Enzyme Microb.Technol.13:227−233(1991);Harkki et al.,BioTechnol.7:596−603(1989);欧州特許第244,234号明細書;および欧州特許第215,594号明細書に記載されている。1つの実施形態では、遺伝的に安定性の形質転換体は、それにより変異体をコードする核酸が宿主細胞染色体内に安定性で統合されるベクター系を用いて構築される。形質転換体は、次に、公知の技術によって精製される。
1つの非限定的な例では、amdSマーカーを含む安定性形質転換体は、非安定性形質転換体とは、それらのより高速の増殖速度およびアセトアミドを含有する固体培養培地上のギザギザではなくむしろ平滑な輪郭を備える環状コロニーの形成によって識別される。さらに、一部の場合には、安定性のまた別の試験は、固体の非選択的培地、例えばアセトアミドが欠如する培地上で形質転換体を増殖させる工程、この培養培地から胞子を採取する工程、および引き続いてアセトアミドを含有する選択的培地上で発芽および増殖するこれらの胞子の百分率を決定する工程によって実施される。形質転換体を選択するためには、当技術分野において公知の他の方法を使用できる。
活性の同定
宿主細胞内での変異体の発現を評価するために、アッセイは、発現タンパク質、対応するmRNAまたはβ−ガラクトシダーゼ活性を測定することができる。例えば、好適なアッセイには、ノーザンブロッティングおよびサウザンブロッティング、RT−PCR(逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応)および適切に標識したハイブリダイジングプローブを使用するin situハイブリダイゼーションが含まれる。好適なアッセイには、さらにサンプル中の活性を測定する工程もまた含まれる。変異体の活性の好適なアッセイには、ONPGベースアッセイまたは例えば本明細書の方法および実施例に記載したような反応混合物中のグルコースを決定する工程が含まれるがそれらに限定されない。
本明細書に開示したポリペプチドを精製するための方法
一般に、細胞培養内で生成された変異体は培地中に分泌され、例えば、細胞培養培地から望ましくない成分を除去することによって、精製もしくは単離することができる。一部の場合には、変異体は、細胞溶解物から回収できる。そのような場合には、酵素は当業者によって日常的に使用される技術を使用して生成された細胞から精製される。例には、例えば、アフィニティクロマトグラフィー、高分解能イオン交換を含むイオン交換クロマトグラフィー法、疎水性相互作用クロマトグラフィー、二相分配法、エタノール沈降法、逆相HPLC、シリカ上もしくは例えばDEAEなどのカチオン交換樹脂上のクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS−PAGE、硫酸アンモニウム沈降法およびSephadex G−75を使用するゲル濾過法が含まれるがそれらに限定されない。本明細書に開示したポリペプチドは、スプレー乾燥される。
スプレー乾燥
一般用語では、スプレー乾燥する工程は、液体から粉末を生成するための工程であり、このとき懸濁液もしくは溶液が噴霧器に供給され、形成された液滴が高温ガスと混合される。一般に、本発明のポリペプチドは、溶液中にある。そこで液滴の溶媒が蒸発して乾燥粒子を残す。本発明の加工処理においては、例えば参照により本明細書に組み込まれるSpray−Drying Handbook,4th Edition,K.Masters,(1985)で考察されたような従来型のスプレー乾燥技術を使用することができる。単純なスプレー乾燥機のプラントデザインは、スプレー乾燥を特徴とする下記の:
1)噴霧化を供給する;
2)乾燥ガスおよびスプレーを混合することにより液滴を乾燥させる;および
3)乾燥ガスおよびスプレーを分離する、3つの工程段階を有する。
スプレー乾燥粉末を分離するための方法は、典型的には最初に水中への担体の分散、および次にこの分散液の混合物を含む。次に、混合物は粉末状生成物を生成するためにスプレー乾燥される。
そこで、本発明によって粒子を乾燥させる工程は、スプレー乾燥工程を通して実施される。その最も基本形では、本方法は、以下の:液体もしくは懸濁液を噴霧器に通して乾燥チャンバー内に輸送する工程;噴霧化液体もしくは懸濁液の液滴を加熱空気流と混合する工程;空気流中の液滴の揮発性成分を蒸発させて乾燥粒子を残す工程を含む。
噴霧器は、任意の好適なタイプであってよい。噴霧器の非限定的な例には、高速回転円板型噴霧器、圧力ノズル式噴霧器、空気圧ノズル式噴霧器および音波ノズル式噴霧器が含まれる。
本発明のスプレー乾燥粉末はさらに、有利にも二重カプセル封入法のための中間生成物もしくは出発生成物として、すなわち例えば顆粒送達システムを提供するためにガラス状マトリックス内での押出しなどのさらなるカプセル封入または別個もしくは類似のマトリックス内での第2のスプレー乾燥作業を受けさせ易い固体生成物として使用することもでき、本発明はさらに組成物のその使用にも関する。
本発明の方法において使用されるスプレー乾燥装置は、様々な市販で入手できる装置のいずれか1つであってよい。スプレー乾燥装置の例は、Anhydro乾燥機(供給源:Anhydro Corp.,Attleboro Falls,Mass)、Niro乾燥機(Niro Atomizer Ltd.,Copenhagen,Denmarkによる製造)またはLeaflash装置(供給源:CCM Sulzer)である。好ましくは、圧力ノズルを備えるスプレー乾燥機が使用される。
スプレー乾燥法の典型的なパラメーターは、当技術分野において周知であり、当業者であれば容易に調整することができる。
本発明の粒子は、典型的には50〜70μmを含むサイズおよび0.4〜0.6g/cm3を含むバルク密度を有する。
しかし、生じた乾燥粉末の粒度分布およびバルク密度は、特に、所望の粉末流動性を得られるようにノズル(開口サイズ/径)および噴霧圧を選択することによって調整できる。
本発明の組成物は、さらにマルトデキストリンおよび/または塩化ナトリウムに追加して任意選択的成分を含有することもできる。
スプレー乾燥機内に進む流体の組成物は、噴霧化液体、一般にスプレー乾燥工程の初期段階に形成された水性組成物が、典型的には液体組成物中に0.01重量%超または0.5重量%超の濃度で存在する少なくとも1つのポリペプチドを含むように調製することができる。
方法の態様では、本発明は、スプレー乾燥工程の収率を増加させるための方法を提供する。
本工程は、ポリペプチドを典型的には0.5重量%超の濃度で含む粒子を提供する。本方法は、以下の工程:a)水性組成物をスプレー乾燥装置内に供給する工程であって、水性組成物がマルトデキストリンおよび/または塩化ナトリウムならびに少なくとも1つのポリペプチドを含み、少なくとも1つのポリペプチドは水性組成物中で典型的には20〜80g/Lの濃度で存在する工程;およびb)組成物をスプレー乾燥する工程を含む。水性組成物中では、塩化ナトリウムは、好ましくは、最終スプレー乾燥組成物に微生物安定性を与えられるようなレベルで存在しなければならないが、このため水性組成物中の10〜20%の範囲が好適であり、最高値は約25%であろう。マルトデキストリンは、水性組成物中で5〜40%の範囲内で使用することができ、10〜30%が好ましい。1つの実施形態では、マルトデキストリンは、約17%で使用される。
酵素含有液体もしくは懸濁液は、本発明において使用することができ、例えば、発酵ブロスもしくは加工発酵ブロスであってよい。
発酵ブロスには、微生物細胞および/または関連細胞破壊片(すなわち、バイオマス)が含まれる。バイオマスの一部もしくは大部分は、スプレー乾燥のためのブロスの特性を修飾するために、発酵ブロスから除去することができる。典型的には、少なくとも10重量%〜20重量%のバイオマスがスプレー乾燥工程の前にブロスから除去される。頻回に、少なくとも30%、40%、50%もしくは60%のバイオマスが除去され、所定の場合には、少なくとも70%、80%、90%もしくは95%のバイオマスが除去される。
バイオマスは、様々な技術を使用して発酵ブロスから除去することができる。そのような技術には、濾過、遠心分離、綿状沈殿およびそれらの組み合わせが含まれる。典型的には、発酵ブロスには、0〜35重量/重量%の乾燥物質が含まれる。頻回に、ブロスには、0〜20重量/重量%の乾燥物質もしくは0〜15重量/重量%の乾燥物質が含まれる。所定の場合には、発酵ブロスには、5〜15重量/重量%の乾燥物質が含まれる。90重量/重量%までの乾燥物質は、バイオマスである。頻回に、75重量/重量%まで、50重量/重量%もしくは25重量/重量%の乾燥物質は、バイオマスである。所定の場合には、10重量/重量%までの乾燥物質は、バイオマスである。
発酵ブロスは、粗大な粒子もしくは物体の除去を通して脱スラッジ化することができる。そのような粒子/物体には、典型的には発酵中にブロスに添加される栄養分を起源とする麦わら、粗石、大豆粒および他の非バイオマス不溶性物質が含まれる。除去は、典型的には、以下の:ブロスの布ごし、濾過、沈降、遠心分離および/またはデカンテーションの内の1つによって実施される。
酵素を含有する溶液もしくは懸濁液が本発明において使用される場合、液体培地は、典型的には水である。例えば、酵素含有物質は、発酵濾液加工処理から得られた酵素濃縮物であってよい。発酵ブロスを濃縮するために使用される加工処理法には、制限なく、含水量および低分子量成分を減少させるための限外濾過;発酵濾液から第2の液体への酵素の抽出;酵素の結晶化もしくは沈降、その後に再懸濁およびカラムクロマトグラフィーを通しての精製を、例えば樹脂を含むカラムに通して発酵濾液をポンプ輸送することによって使用できる。
酵素含有液体には、液体から得られたスプレー乾燥生成物の特性を改良するための材料を加えることができる。そのような添加物の非限定的な例には:塩(例えば、アルカリ塩、アルカリ土類金属塩、追加の塩化物塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩であって、このとき典型的な対イオンは、カルシウム、カリウムおよびナトリウムである塩)、無機鉱物もしくは粘土(例えば、ゼオライト、カオリン、ベントナイト、タルクおよび/またはケイ酸塩)、炭水化物(例えば、スクロースおよび/またはデンプン)、着色顔料(例えば、二酸化チタン)、殺虫剤(例えば、Rodalon(登録商標)、Proxel(登録商標))、分散剤、消泡剤、酸性作用物質、アルカリ性作用物質、酵素安定剤(例えば、メチオニンもしくはチオ硫酸塩)、酵素阻害剤(例えば、ホウ酸プロテアーゼ阻害剤)、結合剤、その他の酵素およびそれらの組み合わせが含まれる。ポリマー添加物は、典型的には、低MW15(<250,000ダルトン)材料である、または添加物が溶液中に存在しない場合はスラリーとして添加される。
生成された塵埃レベルが最小値である工程が提供されるのが好ましい。本発明者らは、有利にも塵埃レベルの減少が工程においてジャガイモデンプンを使用することによって達成できることを見いだした。そこで1つの実施形態では、液体から得られたスプレー乾燥生成物のサイズ分布を改良するために酵素含有液体にジャガイモデンプンが加えられる。そのような実施形態では、スプレー乾燥工程にしたがって調製された組成物は、5〜50重量%のマルトデキストリンもしくは塩化ナトリウム、25〜95重量%のジャガイモデンプンおよび20〜45重量%の酵素を含むことができるが、このとき任意の1つの調製物中では、成分の総量(上述したものに追加の成分を含む場合がある)=100重量%である。
酵素含有液体は、さらにまたスプレー乾燥工程の前に物理的処理を受けさせることができる。そのような物理的処理には、制限なく、液体の加熱および/または冷却および/または放射、液体の混合、液体の通気および液体の超音波処理が含まれる。
本発明において使用される酵素含有液体には、典型的には液体1L当たり少なくとも1mgの「活性」酵素、例えば問題の触媒活性タンパク質が含まれる。典型的には、液体は、約20g/L〜80g/Lの活性ポリペプチドを含むが、これは約500〜2,000LAU/gの活性ポリペプチドに相当する。
スプレー乾燥粒子の後加工処理
本発明によって形成されたスプレー乾燥粒子は、さらに様々な方法を使用して加工処理することができる。そのような方法の非限定的例には、ミキサー造粒、プリル化、押出し、流動床工程、コーティングおよびミリング/グラインディングおよびスクリーニングが含まれる。ミキサー造粒は、スプレー乾燥粒子を水および追加の成分とともに混合する工程を含む。追加の成分は、典型的には、結合剤、繊維、塩、非水溶性鉱物、顔料、酵素安定剤またはそれらの組み合わせである。水は、固体成分を好適な平均サイズの顆粒に凝集化させるために十分な量で加えられる。水は、引き続いて好適な乾燥法を使用して除去される。本発明の粒子のためのミキサー造粒工程で使用される結合剤は、実際はポリマーである。典型的な結合剤には、ポリビニルピロリドン、デキストリンおよびセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースもしくはカルボキシメチルセルロース)が含まれる。Roquette Freres,Franceから入手できるGlucidex 21Dが、頻回に好適な結合剤である。ミキサー造粒工程で使用される繊維には、純粋および/または不純繊維状セルロース、例えばおがくず、純粋繊維状セルロースおよび綿が含まれる。繊維状セルロースに基づく濾過助剤もまた使用することができる。市販で入手できる繊維状セルロースの例には、Cepo(商標)およびArbocell(商標)が含まれる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、詳細にはナイロン、ポリビニルホルメート、ポリ(メタ)アクリル化合物から製造された繊維を含む、欧州特許第304331(B1)号明細書で考察された合成繊維などを使用することができる。ミキサー造粒工程において使用される塩には、水溶性および/または不要性塩、例えば硫酸塩、塩化物、炭酸塩およびリン酸塩のアルカリ塩および/またはアルカリ土類塩が含まれる。
ミキサー造粒工程において使用される水に不溶性の鉱物には、ゼオライト、カオリンおよびベントナイトなどの粘土、タルクおよび/またはケイ酸塩が含まれる。ミキサー造粒工程において使用される顔料には、二酸化チタンが含まれる。
ミキサー造粒工程において使用される酵素安定剤には、アルカリ性もしくは中性材料(例えば、金属ケイ酸塩、炭酸塩もしくは重炭酸塩)、還元剤(例えば、亜硫酸塩、チオ亜硫酸塩もしくはチオ硫酸塩)、抗酸化物質(例えば、メチオニン、ブチル化ヒドロキシトルエンもしくはブチル化ヒドロキシアニソール)および/または第一遷移系列金属イオンの塩が含まれる。これらの作用物質は、同一もしくは異なるカテゴリーの他の保護剤と結び付けて使用できる。多数のミキサー造粒工程は、下記の文献:米国特許第4,106,991号明細書;欧州特許第170360 B1号明細書;欧州特許第304332 B1号明細書;欧州特許第304331号明細書;国際公開第90/09440号パンフレット;および、国際公開第90/09428号パンフレットにおいて考察されたものを含めて当技術分野において公知である。
プリル化工程は、溶融ワックス中に乾燥粒子を懸濁させ、その後に懸濁液をスプレー冷却する工程を含んでいる。この工程は、Michael S.Showell(editor);Powdered detergents;Surfactant Science Series;1998;vol.71,page140−142,Marcel Dekker;および、DK−PA 1999において考察されている。プリル化工程において使用されるワックスは、25〜125℃の融点を有し、典型的には有機化合物もしくは有機化合物の塩である。ワックスは、頻回に、水溶性または中性溶液もしくはアルカリ性溶液中で水分散性のいずれかである。水溶性ワックスの非限定的な例は、ポリエチレングリコール(例えば、PEG1000)である。
押出しは、ペーストを提供するために、単独またはミキサー造粒について記載した添加物と混合するいずれかで水分を粒子に添加する工程を含む。ペーストは、ペレットに加圧される、または小さな開口部を通しての加圧下で押し出される;それは次に粒子に切断され、粒子は乾燥させられる。押出し工程は、Michael S.Showell(editor);Powdered detergents;Surfactant Science Series;1998;vol.71,page140−42,Marcel Dekker;および、米国特許第4,661,452号明細書において考察されている。
流動床工程は、流動床内でスプレー乾燥粒子を流動化させる工程を含む。結合剤を含有する溶液は、噴霧化され、流動化粒子と接触させられる。これは、粒子が結合し、より大きくより強力な粒子を形成することを誘発する。本発明のスプレー乾燥粒子は、1つ以上のコーティング層で被覆することができる。コーティングは、ミキサー造粒の項で上述したような例えば結合剤、繊維、塩、水不溶性材料、顔料、酵素安定剤またはそれらの組み合わせなどの材料を含むことができる。
上述した工程には、任意の段階にミリング/グラインディングおよび/またはスクリーニング工程で補完することができる。例えば、その後の加工処理工程の前にスプレー乾燥粒子をグラインドし、所望のサイズ分画を得るために最終生成物をスクリーニングすることが望ましい。
組成物、用途および使用
本発明のポリペプチドもしくはポリペプチド含有組成物の好ましい使用の例を下記に提供する。
1つの態様では、本明細書において、ラクトースを含む基質を本明細書に記載したスプレー乾燥組成物で処理することにより食品を製造するための方法が提供される。
1つの態様では、本明細書において、ラクトースを含むミルクベース基質を本明細書に記載したスプレー乾燥組成物で処理することにより乳製品を製造するための方法が提供される。1つの態様では、ラクトースを含む基質は、さらにβ−ガラクトシダーゼを加水分解する工程により処理される。
1つの態様では、本明細書に記載した細胞もしくはポリペプチドを含む組成物、好ましくは食品組成物、より好ましくは乳製品が提供される。
さらに、本明細書には、配列番号22との少なくとも70重量/重量%、例えば72重量/重量%、74重量/重量%、76重量/重量%、78重量/重量%、80重量/重量%、82重量/重量%、84重量/重量%、86重量/重量%、88重量/重量%、90重量/重量%の配列同一性を有する組成物中のポリペプチドの総量に基づいて本明細書に開示した少なくとも5重量/重量%、例えば約10重量/重量%、15重量/重量%、20重量/重量%、25重量/重量%、30重量/重量%、35重量/重量%、40重量/重量%、45重量/重量%、50重量/重量%の1つ以上のポリペプチドを含む組成物が開示される。これは、当業者には公知の下記の技術を使用することによって評価することができる。評価対象のサンプルはSDS−PAGEを受けさせられ、例えばBio−Rad Criterionシステムなどのタンパク質定量のために適切な染料を使用して可視化される。ゲルは、次に例えばBio−Rad Criterionシステムなどの適切な密度計スキャナーを使用してスキャンされ、結果として生じた画像がダイナミックレンジ内にあることが確証される。配列番号8に由来する任意の変異体/断片に対応するバンドが定量され、ポリペプチドのパーセンテージは:問題のポリペプチドの百分率=問題のポリペプチド/(トランスガラクトシル化活性を示す全ポリペプチドの合計)*100として計算される。組成物中の配列番号8に由来するポリペプチド変異体/断片の総数は、当業者には公知の方法によってポリクローナル抗体を使用するウェスタンブロッティングによって配列番号8に由来する断片を検出することによって決定できる。
1つの態様では、本発明による組成物は、配列番号1、2、3、4および5からなるポリペプチドからなる群から選択された1つ以上のポリペプチドを含む。また別の態様では、本組成物は、配列番号1、2および3からなるポリペプチドからなる群から選択された1つ以上のポリペプチドを含む。さらにまた別の態様では、本組成物は、配列番号1および2からなるポリペプチドからなる群から選択された1つ以上のポリペプチドを含む。
1つの態様では、本発明は、本発明による酵素錯体、マルトデキストリンおよび/または塩化ナトリウムの形態にある酵素担体および任意選択的に安定剤および/または防腐剤を含む酵素錯体調製物を提供する。
本発明のさらにまた別の態様では、本組成物は、ポリオール、例えばグリセロールまたは水を含まない。
また別の態様では、本調製物/組成物は安定剤を含む。1つの態様では、安定剤は、無機塩、糖およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。1つの態様では、安定剤は、例えば塩化カリウムなどの無機塩である。また別の態様では、安定剤は、例えばグリセロール、プロピレングリコールもしくはソルビトールなどのポリオールではない。さらにまた別の態様では、糖は、低分子量炭水化物、特に例えばグルコース、ガラクトース、フルクトースおよびサッカロースなどの数種の甘味糖の内のいずれかである。
さらにまた別の態様では、本調製物は防腐剤を含む。1つの態様では、防腐剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸塩、ソルビン酸塩もしくは他の食品用防腐剤またはそれらの混合物である。
本調製物/組成物中で使用できる賦形剤には、マルトース、スクロース、グルコースシロップもしくは乾燥グルコースシロップを含むグルコース、加工済みデンプン、ゼラチン化デンプン、L−乳酸、パルミチン酸アスコルビル、トコフェロール、レシチン、クエン酸、クエン酸塩、リン酸、リン酸塩、アルギン酸ナトリウム、カラゲナン、ローカストビーンガム、グアールガム、キサンタンガム、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、モノグリセリドおよびジグリセリド、モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステル、スクロースエステル、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、窒素、亜酸化窒素、酸素、水素およびオクテニルコハク酸デンプンナトリウムが含まれる。
1つの態様では、ラクトースを含むミルクベース基質を本明細書に記載したスプレー乾燥組成物で処理することにより乳製品を製造するための方法が提供される。また別の態様では、ラクトースを含むミルクベース基質を15分間の反応後に60%超、例えば70%超、例えば75%超の相対トランスガラクトシル化活性を有するポリペプチドで処理することにより乳製品を製造する方法が提供される。1つの態様では、相対的トランスガラクトシル化活性は、30分間の反応後に3より大きい。また別の態様では、相対的トランスガラクトシル化活性は、30分間の反応後に6より大きい。さらにまた別の態様では、相対的トランスガラクトシル化活性は、30分間の反応後に12より大きい。1つの態様では、本明細書に記載したポリペプチドを用いる処理が酵素の活性のために最適な温度で発生する方法が提供される。また別の態様では、ポリペプチドは、0.01〜1,000ppmの濃度でミルクベース基質に加えられる。さらにまた別の態様では、ポリペプチドは、0.1〜100ppmの濃度でミルクベース基質に加えられる。また別の態様では、ポリペプチドは、1〜10ppmの濃度でミルクベース基質に加えられる。1つの態様では、例えば乳製品などの基質を微生物により発酵させる工程をさらに含む方法が提供される。また別の態様では、乳製品は、ヨーグルトである。また別の態様では、ポリペプチドおよび微生物を用いた処理は、本質的には同時に実施される。1つの態様では、ポリペプチドおよび微生物はミルクベース基質に本質的に同時に加えられる。
1つの態様では、本明細書に記載したスプレー乾燥組成物を含む乳製品が提供される。1つの態様では、本明細書に定義したポリペプチドは、0.01〜1,000ppmの濃度で加えられる。1つの態様では、不活性化ポリペプチドを含む乳製品が提供される。1つの態様では、本明細書に定義したポリペプチドによりin situで形成されたGOSを含む乳製品が提供される。1つの態様では、本明細書に定義した細胞を含む乳製品が提供される。
本明細書に記載した乳製品は、例えば、スキムミルク、低脂肪乳、全乳、クリーム、UHT乳、延長された貯蔵寿命を有するミルク、発酵乳製品、チーズ、ヨーグルト、バター、デイリースプレッド、バターミルク、酸性化ミルク飲料、サワークリーム、ホエイベース飲料、アイスクリーム、コンデンスミルク、加糖練乳もしくはフレーバードミルク飲料であってよい。乳製品は、当技術分野において公知の任意の方法によって製造できる。
乳製品は、追加して、非ミルク成分、例えば植物性成分、例えば植物油、植物性タンパク質および/または植物性炭水化物を含むことができる。乳製品は、さらに添加物、例えば酵素、矯味剤、微生物培養、例えばプロバイオティクス培養、塩、甘味料、糖、酸、果実、果汁または当技術分野において乳製品の成分もしくは添加物として公知の任意の他の成分を含むことができる。
本発明の1つの実施形態では、1つ以上のミルク成分および/またはミルク分画は、乳製品の少なくとも50重量/重量%、例えば少なくとも70重量/重量%、例えば少なくとも80重量/重量%、好ましくは少なくとも90重量/重量%を占める。
本発明の1つの実施形態では、トランスガラクトシル化活性を有する本明細書に定義した酵素を用いて処理されている1つ以上のミルクベース基質は、乳製品の少なくとも50重量/重量%、例えば少なくとも70重量/重量%、例えば少なくとも80重量/重量%、好ましくは少なくとも90重量/重量%を占める。
本発明の1つの実施形態では、乳製品は、予備製造ガラクトオリゴ糖の添加によって強化されていない乳製品である。
本発明の1つの実施形態では、ポリペプチド処理ミルクベース基質は、乳製品中の1つの成分として使用される前には乾燥させられない。
本発明の1つの実施形態では、乳製品は、アイスクリームである。本発明の状況では、アイスクリームは、任意の種類のアイスクリーム、例えば高脂肪アイスクリーム、低脂肪アイスクリームまたはヨーグルトもしくは他の発酵乳製品をベースとするアイスクリームであってよい。アイスクリームは、当技術分野において公知の任意の方法によって製造できる。
本発明の1つの実施形態では、乳製品は、ミルクもしくはコンデンスミルクである。
本発明の1つの実施形態では、乳製品は、UHT乳である。本発明の状況におけるUHT乳は、細菌胞子を含む全微生物を殺滅することが意図される滅菌手順を受けているミルクである。UHT(超高温)処理は、例えば、130℃で30秒間の熱処理または145℃での1秒間の熱処理であってよい。
本発明の1つの好ましい実施形態では、乳製品は、ESL乳である。本発明の状況におけるESL乳は、精密濾過および/または熱処理に起因して延長された貯蔵寿命を有し、2〜5℃での貯蔵寿命で、少なくとも15日間、好ましくは少なくとも20日間にわたり鮮度を維持することができるミルクである。
本発明のまた別の好ましい実施形態では、乳製品は、発酵乳製品、例えばヨーグルトである。
大多数の発酵乳製品のために使用される微生物は、一般に乳酸菌と呼ばれる細菌の群から選択される。本明細書で使用する用語「乳酸菌」は、糖を発酵させて主として生成される酸としての乳酸、酢酸およびプロピオン酸を含む酸を生成するグラム陽性菌、微好気性菌もしくは嫌気性菌を指定する。工業的に最も有用な乳酸菌は、ラクトコッカス種(Lactococcus spp.)、ストレプトコッカス種(Streptococcus spp.)、ラクトバチルス種(Lactobacillus spp.)、ロイコノストック種(Leuconostoc spp.)、シュードロイコノストック種(Pseudoleuconostoc spp.)、ペプチドコッカス種(Pediococcus spp.)、ブレビバクテリウム種(Brevibacterium spp.)、エンテロコッカス種(Enterococcus spp.)およびプロピオニバクテリウム種(Propionibacterium spp.)を含むラクトバチルス(Lactobacillales)目内で見いだされる。さらに、嫌気性菌、単独もしくは乳酸菌と組み合わせて食品培養として頻回に使用されるビフィドバクテリア、すなわちビフィドバクテリウム種(Bifidobacterium spp.)に属する乳酸産生菌は、一般に乳酸菌の群に含まれる。
乳酸菌は、通常は、バルクスターター増殖のための冷凍もしくはフリーズドライ培養として、または発酵乳製品を製造するための発酵容器内もしくはバット内への直接接種のために企図されたいわゆる「Direct Vat Set」(DVS)培養としてのいずれかで乳業に供給される。そのような培養は、一般に、「スターター培養物」もしくは「スターター」と呼ばれる。
乳酸菌の通例使用されるスターター培養物菌株は、一般に約30℃の最適増殖温度を有する中温性生物および約40〜45℃の範囲内の最適増殖温度を有する高温性生物に分けられる。中温性群に属する典型的な生物には、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)、ロイコノストック・メセンテロイデス亜種クレモリス(Leuconostoc mesenteroides subsp.cremoris)、シュードロイコノストック・メセンテロイデス亜種クレモリス(Pseudoleuconostoc mesenteroides subsp.cremoris)、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス次亜種ジアセチルラクティス(Lactococcus lactis subsp.lactis biovar.diacetylactis)、ラクトバチルス・カゼイ亜種カゼイ(Lactobacillus casei subsp.casei)およびラクトバチルス・パラカゼイ亜種パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp.paracasei)が含まれる。高温性乳酸菌種には、例として、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、ラクトバチルス・デルブリュッキイ亜種ラクティス(Lactobacillus delbrueckii subsp.lactis)、ラクトバチルス・ヘルベティクス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・デルブリュッキイ亜種ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)およびラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)が含まれる。さらに、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)およびビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)を含むビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する嫌気性細菌も通例は乳製品スターター培養物として使用され、一般に乳酸菌の群に含まれる。さらに、プロピオニバクテリウムの種は、特にチーズの製造における乳製品スターター培養物として使用される。さらに、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属する生物は、通例は食品スターター培養物として使用される。
微生物スターター培養物の別の群は、特に所定のタイプのチーズおよび飲料の製造において使用される酵母培養物および糸状菌の培養物を含む真菌培養物である。真菌の例には、ペニシリウム・ロックフォルティ(Penicillium roqueforti)、ペニシリウム・カンディダム(Penicillium candidum)、ゲオトリクム・カンディダム(Geotrichum candidum)、トルラ・ケフィア(Torula kefir)、サッカロミセス・ケフィア(Saccharomyces kefir)およびサッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)が含まれる。
本発明の1つの実施形態では、ミルクベース基質の発酵のために使用される微生物は、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)またはストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)およびラクトバチルス・デルブリュッキイ亜種ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus)である。
本発明の方法において使用できる発酵工程は当技術分野において周知であり、当業者であれば、例えば温度、酸素、微生物の量および特性、例えば炭水化物、香味料、鉱物、酵素などの添加物および処理時間などを好適な工程条件を選択する方法を知っているであろう。明らかに、発酵条件は、本発明の達成を支持できるように選択される。
発酵の結果として、ミルクベース基質のpHが低下させられるであろう。本発明の発酵乳製品のpHは、3.5〜6の範囲内、例えば3.5〜5の範囲内、好ましくは3.8〜4.8の範囲内であってよい。
1つの態様では、ガラクトオリゴ糖を生成するためにスプレー乾燥組成物を使用する方法が提供される。
本発明の1つの実施形態では、GOSは、ラクトース基質を含む培地中でスプレー乾燥組成物をインキュベートする工程によって生成される。インキュベーションは、GOSが生成される条件下で実施される。
1つの態様では、ヨーグルト、チーズ、発酵乳製品、栄養補助食品およびプロバイオティクス食用製品からなる群から選択される生成物を製造するための本明細書に開示したスプレー乾燥組成物の使用が提供される。
1つの態様では、本明細書に記載したスプレー乾燥組成物は、チーズ製品を調製するため、およびチーズ製品を製造するための方法において使用できる。チーズ製品は、例えば、クリームチーズ、カッテージチーズおよびプロセスチーズからなる群から選択することができる。ポリペプチドを加えることによって、チーズは有意に増加したレベルのガラクトオリゴ糖および低下したレベルのラクトースを含有することができる。1つの態様では、最終チーズ製品中のラクトースレベルは、少なくとも約25%、好ましくは少なくとも約50%およびより好ましくは少なくとも約75%まで低下させることができる。ポリペプチドは、チーズ製品中のラクトースを大多数のラクトース不耐性個体が許容できる量である一食当たり約1g未満へ減少させるために使用できる。
本明細書に提供したチーズ製品は、増加した可溶性繊維含量、減少したカロリー含量、優れた官能特性、改良された質感および香味料を有する栄養強化チーズ製品である。さらに、本明細書に記載したポリペプチドは、GOSがラクトースもしくはその加水分解生成物よりはるかに緩徐に吸収されるため、チーズ製品の血糖インデックスを低下させることができる。最後に、ポリペプチドは、GOSが驚くべきことにクリームチーズ製品に改良された質感を提供し、そこで安定剤の使用の減少を許容するので、または離漿を生じずに増加した含水量を許容することにより、チーズ製品、特にクリームチーズ製品の製造コストを減少させることができる。
また別の態様では、本明細書に記載したスプレー乾燥組成物および炭水化物基質を含む組成物が提供される。また別の態様では、炭水化物基質は、二糖である。また別の態様では、二糖は、例えばラクツロース、トレハロース、ラムノース、マルトース、スクロース、ラクトースもしくはセロビオースである。さらにまた別の態様では、炭水化物基質は、ラクトースである。組成物は、オリゴ糖が生成されるように調製される。本明細書に記載したポリペプチドは、ヨーグルト、チーズ、発酵乳製品、栄養補助食品およびプロバイオティクス食用製品からなる群から選択される製品の一部であってよい。1つの態様では、本明細書に記載したポリペプチドおよび安定剤を含む組成物が提供される。安定剤の例は、糖もしくは糖アルコール、乳酸、ホウ酸またはホウ酸誘導体(例えば、芳香族ホウ酸エステル)である。好ましくは、安定剤は、例えばグリセロールもしくはプロピレングリコールなどのポリオールではない。
1つの態様では、ガラクトオリゴ糖を生成するための本明細書に開示した組成物中でのトランスガラクトシル化ポリペプチドの使用が提供される。1つの態様では、ヨーグルト、チーズ、発酵乳製品、栄養補助食品およびプロバイオティクス食用製品からなる群から選択される生成物の一部となるガラクトオリゴ糖を生成するためのスプレー乾燥組成物の使用が提供される。1つの態様では、生成物は、ヨーグルト、チーズまたは発酵乳製品である。1つの態様では、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属の増殖を強化するためのガラクトオリゴ糖を生成するための本明細書に開示したスプレー乾燥組成物の使用が提供される。1つの態様では、混合培養発酵内でのビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属の増殖を強化するためのガラクトオリゴ糖を生成するための本明細書に開示したスプレー乾燥組成物または本明細書に開示した細胞の使用が提供される。
ミルク製品のラクトースを単糖もしくはGOSへ転換させる酵素による処理は、数種の利点を有する。第一に、この製品は、さもなければ例えば鼓腸や下痢などの症状を示すであろう乳糖不耐性を有する人々が摂取することができる。第二に、ラクターゼを用いて処理された乳製品は、グルコースおよびガラクトースの認識される甘味がラクトースに比較して高いために、類似の未処理製品より高い甘味を有するであろう。この効果は、最終製品の高甘味が望ましく、摂取される製品中の炭水化物の正味の減少が可能になる、例えばヨーグルトやアイスクリームなどの用途にとっては特に興味深い。第3に、アイスクリーム製造では、ラクトース分子がラクトースの相対的低溶解度のために結晶化するザラザラ化(sandiness)と呼ばれる現象がしばしば見られる。ラクトースが単糖もしくはGOSに転換されると、アイスクリームの口の中での感覚は未処理製品に比較してはるかに改善される。ラクトース結晶化に起因する砂状感覚の存在を排除することができ、脱脂粉乳を乳清粉末と取り替えることによって原料コストを低下させることができる。酵素処理の主要な効果は、甘味の増加であった。
1つの態様では、本明細書に開示したスプレー乾燥組成物は、他の酵素、例えばプロテアーゼ、例えばキモシンもしくはレニン、リパーゼ、例えばホスホリパーゼ、アミラーゼ、トランスフェラーゼおよびラクターゼと一緒に使用することができる。1つの態様では、本明細書に開示したトランスガラクトシル化ポリペプチドは、ラクターゼと一緒に使用できる。これは、特に低ラクトースレベルで本明細書に開示したトランスガラクトシル化ポリペプチドを用いた処理後に残留ラクトースを減少させることが所望である場合には特に有用な可能性がある。本発明の状況におけるラクターゼは、二糖ラクトースを構成成分のガラクトースおよびグルコースモノマーに加水分解する能力を有する任意のグリコシドヒドロラーゼである。ラクターゼの群は、サブクラスEC3.2.1.108に指定された酵素を含むがそれらに限定されない。他のサブクラス、例えばEC3.2.1.23に指定された酵素もまた、本発明の状況におけるラクターゼであってよい。本発明の状況におけるラクターゼは、例えばトランスガラクトシル化活性などのラクトース加水分解活性以外の活性を有する可能性がある。本発明の状況では、ラクターゼのラクトース加水分解活性は、そのラクターゼ活性またはβ−ガラクトシダーゼ活性と呼ぶことができる。本発明の方法において使用すべきラクターゼ活性を有する酵素は、動物起源、植物起源または微生物起源であってよい。好ましい酵素は、微生物起源から、特に糸状菌もしくは酵母から、または細菌から入手される。酵素は、例えば、アガリクス(Agaricus)属、例えば、A.ビスポラス(A.bisporus);アスコバギノスポラ(Ascovaginospora)属;アスペルギルス(Aspergillus)属、例えば、A.ニガー(A.niger)、A.アワモリ(A.awamori)、A.フォエティダス(A.foetidus)、ジャポニカス(A.japonicus)、A.オリザエ(A.oryzae);カンジダ(Candida)属;ケトミウム(Chaetomium)属;ケトトマスティア(Chaetotomastia)属;ディクチオステリウム(Dictyostelium)属、例えばD.ディスコデウム(D.discoideum);クルベロミセス(Kluveromyces)属、例えば、K.フラギリス(K.fragilis)、K.ラクティス(K.lactis);ムコール(Mucor)属、例えば、M.ジャバニクス(M.javanicus)、M.ムセド(M.mucedo)、M.スブチリシムス(M.subtilissimus);ニューロスポラ(Neurospora)属、例えば、N.クラッサ(N.crassa);リゾムコール(Rhizomucor)属、例えばR.プシラス(R.pusillus);リゾプス(Rhizopus)属、例えばR.アルヒザス(R.arrhizus)、R.ジャピニクス(R.japonicus)、R.ストロニファー(R.stolonifer);スクレロティニア(Sclerotinia)属、例えばS.リベルティアナ(S.libertiana);トルラ(Torula)属;トルロプシス(Torulopsis)属;トリコフィトン(Trichophyton)属、例えばT.ルブラム(T.rubrum);フェトゼリニア(Whetzelinia)属、例えば、W.スクレロティロウム(W.sclerotiorum);バチルス(Bacillus)属、例えば、B.コアギュランス(B.coagulans)、B.サーキュランス(B.circulans)、B.メガテリウム(B.megaterium)、B.ノバリス(B.novalis)、枯草菌(B.subtilis)、B.プミラス(B.pumilus)、B.ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)、B.ツリンゲンシス(B.thuringiensis);ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、例えばB.ロンガム(B.Iongum)、B.ビフィダム(B.bifidum)、B.アニマリス(B.animalis);クリセオバクテリウム(Chryseobacterium)属;シトロバクター(Citrobacter)属、例えば、C.フレン(C.freundii);クロストリジウム(Clostridium)属、例えばC.ペルフリンゲンス(C.perfringens);ディプロディア(Diplodia)属、例えば、D.ポシピナ(D.gossypina);エンテロバクター(Enterobacter)属、例えば、E.アエロゲンス(E.aerogenes)、E.クロアカエ(E.cloacae);エドワードシエラ(Edwardsiella)属、E.タルダ(E.tarda);エルウィニア(Erwinia)属、例えば、E.ヘルビコラ(E.herbicola);エシェリキア(Escherichia)属、例えば、大腸菌(E.coli);クレブシエラ(Klebsiella)属、例えば、K.ニューモニアエ(K.pneumoniae);ミリオコッカム(Miriococcum)属;ミロセシウム(Myrothesium)属;ムコール(Mucor)属;ニューロスポラ(Neurospora)属、例えば、N.クラッサ(N.crassa);プロテウス(Proteus)属、例えば、P.ブルガリス(P.vulgaris);プロビデンシア(Providencia)属、例えば、P.スチュアルティイ(P.stuartii);ピクノポラス(Pycnoporus)属、例えば、ピクノポラス・シナバリナス(Pycnoporus cinnabarinus)、ピクノポラス・サングイネウス(Pycnoporus sanguineus);ルミノコッカス(Ruminococcus)属、例えば、R.トルケス(R.torques);サルモネラ(Salmonella)属、例えば、S.タイプヒムリウム(S.typhimurium);セラチア(Serratia)属、例えば、S.リケファシエンス(S.liquefasciens)、S.マルセスセンス(S.marcescens);シゲラ(Shigella)属、例えば、S.フレクスネリ(S.flexneri);ストレプトミセス(Streptomyces)属、例えば、S.アンチバイオティクス(S.antibioticus)、S.カスタネオグロビスポラス(S.castaneoglobisporus)、S.ヴィオルセオルバ(S.violeceoruber);トラメテス(Trametes)属;トリコデルマ(Trichoderma)属、例えば、T.リーゼイ(T.reesei)、T.ビリデ(T.viride);エルシニア(Yersinia)、例えば、Y.エンテロコリティカ(Y.enterocolitica)の菌株に由来してよい。1つの実施形態では、ラクターゼは、クルイベロミセス(Kluyveromyces)属およびバチルス(Bacillus)属のような微生物の細胞内成分である。クルイベロミセス(Kluyveromyces)属、特にK.フラジリス(K.fragilis)およびK.ラクティス(K.lactis)ならびに他の真菌、例えばカンジダ(Candida)属、トルラ(Torula)属およびトルロプシス属(Torulopsis)は真菌ラクターゼの一般的起源であるが、他方B.コアギュランス(B.coagulans)およびB.サーキュランス(B.circulans)は細菌性ラクターゼの周知の起源である。これらの生物に由来する数種の市販ラクターゼ調製物、全部がK.ラクティス(K.lactis)由来である例えばLactozym(登録商標)(Novozymes,Denmarkから入手できる)、HA−Lactase(Chr.Hansen,Denmarkから入手できる)およびMaxilact(登録商標)(DSM,the Netherlandsから入手できる)を利用できる。これらのラクターゼは全部が、pH6〜pH8の最適pHを有する、いわゆる中性ラクターゼである。そのようなラクターゼが例えば低ラクトースヨーグルト製造において使用される場合、それらの活性は発酵中にpHが低下するにつれて落下するために、酵素処理は発酵前に別個の工程において実施されなければならない、またはむしろ高酵素用量が使用されなければならない。さらに、これらのラクターゼは、一部の場合には微生物数を低く維持し、そこで良好なミルク品質を保証するためには有益である、高温で実施されるミルク中のラクトースの加水分解のためには好適ではない。
1つの実施形態では、酵素は、例えば、特に国際公開第2009/071539号パンフレットおよび国際公開第2013/182686号パンフレットに記載されているラクターゼなどのビフィドバクテリア(Bifidobacteriaceaea)科、例えばビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属由来の細菌由来のラクターゼである。
材料および方法
方法1
ポリペプチドの生成
枯草菌(Bacillus subtilis))内での発現のために最適化されたコドンを備える(ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)全長(1,752残基)遺伝子をコードするために設計された合成遺伝子は、GeneART(Regensburg,Germany)配列番号8から購入した。
ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)切断突然変異体は、合成遺伝子の選択した領域の特異的増幅を許容したリバースプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応を使用して構築した。
切断突然変異体および対応するリバースプライマーについての配列番号は、下記の表3に指示した。
合成遺伝子は、固有の制限部位SpeIおよびPacIを使用してpBNspe枯草菌(Bacillus subtilis)発現ベクター内にクローン化し(図1)、単離プラスミドを枯草菌(Bacillus subtilis)菌株内に形質転換させた。形質転換体は、選択として10μg/mLのネオマイシンを含有するLBプレート上で再画線培養した。
前培養は、10μg/mLのネオマイシンを含有するLB培地中に準備し、37℃および180rpmで振とうしながら7時間にわたり培養した。この500μLの前培養を使用して、33℃および180rpmで浸透しながら68時間にわたり増殖させるために10μg/mLのネオマイシンを含有する50mLのGrant’s改変培地を接種した。
細胞は、培養培地への1mg/mLのリゾチーム(Sigma−Aldrich)および10U/mLのベンゾナーゼ(Merck)最終濃度の直接的添加によって溶解させ、33℃、180RPMで1時間にわたりインキュベートした。溶解物は、20分間にわたる10,000×gでの遠心分離によって取り出し、引き続いて滅菌濾過した。
Grant’s改変培地は、下記の指示書にしたがって調製した:
PART I(オートクレーブ)
ソイトン 10g
1L当たり500mLにする
PART II
1MのK2HPO4 3mL
グルコース 75g
尿素 3.6g
Grant’s 10×のMOPS 100mL
1L当たり400mLにする
PART I(2重量/重量%のソイトン)を調製し、121℃で25分間にわたりオートクレーブ滅菌する。
PART IIを調製し、PART 1と混合し、pHは、HCl/NaOHを用いてpHを7.3に調整した。体積を全量にして、0.22μmのPESフィルターに通して滅菌した。
10×のMOPSバッファーは、下記の指示書にしたがって調製した:
83.72g トリシン
7.17gのKOHペレット
12gのNaCl
29.22g 0.276MのK2SO4
10mLの0.528MのMgCl2
10mLのGrant’s微量栄養素 100×
水を用いておよそ900mLにして、溶解させる。KOHを用いてpHを7.4に調整し、1Lまで満たし、この溶液を0.2μmのPESフィルターに通して滅菌濾過する。
100×の微量栄養素は、下記の指示書にしたがって調製した:
クエン酸ナトリウム2H2O 1.47g
CaCl2.2H2O1.47g
FeSO4.7H2O0.4g
MnSO4.H2O0.1g
ZnSO4.H2O0.1g
CuCl2.2H2O0.05g
CoCl2.6H2O0.1g
Na2MoO4.2H2O0.1g
溶解させて、水を用いて体積を1Lに調整する。滅菌は、0.2μmのPESフィルターに通して実施した。4℃で光線を回避して貯蔵した。
方法2
精製および酵素の調製
濾過した酵素単離体は、10kDaのMWカットオフ値を備えるVivaSpin超濾過装置(Vivaspin 20、Sartorius、Lot番号12VS2004)を使用して濃縮し、この濃縮物はPD10脱塩化ラム(GE healthcare、Lot番号6284601)に装填し、20mMのTris−HCl(pH8.6)中で溶離させた。クロマトグラフィーは、Akta FPLCシステム(GE Healthcare)上で手動で実施した。およそ20mgのタンパク質を含有する4mLの脱塩サンプルは、1mL/分の流量で20mMのTris−HCl(pH8.6)を用いて平衡させた2mLのHyperQカラム(HyperCel(商標)Q sorbent)上に装填した。カラムは、30CV(カラム容積)洗浄バッファーを用いて完全に洗浄し、結合β−ガラクトシダーゼは100CV長勾配を用いて20mMのTris−HCl(pH8.6)、250mMのNaCl中に溶出させた。カラム上の残留不純物は、20mMのTris−HCl(pH8.6)、500mMのNaClを用いて一工程溶出により除去した。貫流液および溶離液中のタンパク質をβ−ガラクトシダーゼ活性についてSDS−PAGEによって分析した。
SDS−PAGEゲルは、Invitrogen NuPage(登録商標)Novex 4−12%のBis−Trisゲル、1.0mm、10ウエル(製品番号NP0321box)、See−Blue(登録商標)Plus2予備染色標準物質(製品番号LC5925)およびNuPAGE(登録商標)MES SDSランニングバッファー(製品番号NP0002)を用いて製造業者のプロトコルにしたがってランした。ゲルは、Simply Blue Safestain(Invitrogen、製品番号LC6060)を用いて染色した(図2)。
方法3
β−ガラクトシダーゼ活性の測定
酵素活性は、市販で入手できる基質2−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド(ONPG)(Sigma N1127)を使用して測定した。
ONPG(水なし)アクセプター
100mMのKPO4(pH6.0)
12.3mMのONPG
アクセプターが補給されたONPG
100mMのKPO4(pH6.0)
20mMのセロビオース
12.3mMのONPG
停止液
10%のNa2CO3
精製酵素の10μLの希釈系列は、アクセプターを含む、または含まない90μLのONPGバッファーを含有するマイクロタイタープレートのウエル内に加えた。サンプルを混合し、10分間にわたり37℃でインキュベートし、引き続いて100μLの停止液を各ウエルに加えて反応を終了させた。吸光度測定値は、Softmaxソフトウエアパッケージによって制御されるMolecular Device SpectraMaxプレートリーダー上で420nmで記録した。
トランスガラクトシル化活性の比率は、下記のように計算した:
吸光度が0.5〜1.0の間にあった希釈液に対して、トランスガラクトシル化活性の比率=(Abs420+セロビオース/Abs420−セロビオース)*100(図3)。
方法4
LAU活性の決定
原理:
本アッセイ法の原理は、ラクターゼが37℃で2−o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド(ONPG)を2−o−ニトロフェノール(ONP)およびガラクトースに加水分解することにある。反応は炭酸ナトリウムを用いて停止させ、遊離したONPを420nmで分光光度計または比色計で測定する。
試薬:
MESバッファー(pH6.4)(100mMのMES(pH6.4)、10mMのCaCl2):19.52gのMES水和物(Mw:195.2g/モル、Sigma−aldrich、製品番号M8250−250G)および1.470gのCaCl2二水和物(Mw:147.01g/モル、Sigma−aldrich)を1,000mLのddH2O中に溶解させ、10MのNaOHによってpHを6.4に調整する。この溶液を0.2μmフィルターに通して濾過し、1カ月間まで4℃で貯蔵する。ONPG基質(pH6.4)(12.28mMのONPG、100mMのMES(pH6.4)、10mMのCaCl2):0.370gの2−o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド(ONPG、Mw:301.55g/モル、Sigma−aldrich、製品番号N1127)を100mLのMESバッファー(pH6.4)中に溶解させ、4℃の暗所で7日間まで貯蔵する。停止試薬(10%のNa2CO3):20.0gのNa2CO3を200mLのddH2O中に溶解させ、この溶液を0.2μmのフィルターに通して濾過し、室温で1カ月間まで貯蔵する。
手順:
酵素サンプルの希釈系列をMESバッファー(pH6.4)中で作成し、10μLの各サンプル希釈液を、90μLのONPG基質(pH6.4)を含有するマイクロタイタープレート(96ウエルフォーマット)に移した。サンプルを混合し、5分間にわたり37℃でサーモミキサー(Comfort Thermomixer、Eppendorf)を使用してインキュベートし、引き続いて100μLの停止液を各ウエルに加えて反応を終了させた。酵素サンプルの代わりにMESバッファー(pH6.4)を使用してブランクを構築した。420nmでのブランクに比較した吸光度の増加をELISAリーダー(SpectraMaxプレートリーダー、Molecular Device)で測定した。
酵素活性の計算:
MESバッファー(pH6.4)中の2−o−ニトロフェノール(Sigma−aldrich、製品番号33444−25G)のモル吸光係数を決定した(0.5998×10
−6M
−1×cm
−1)。1単位(U)のラクターゼ活性(LAU)は、1分当たり1モルのONPGの加水分解に対応すると定義された。200μLの全反応体積を備えるマイクロタイタープレート(0.52cmの光路)を使用すると、酵素サンプル1mL当たりのラクターゼ活性は、下記の方程式を使用して計算することができる:
本明細書に配列番号1として示したBIF917についての比活性の計算:
BIF917濃度の決定:
標的酵素(BIF917)および切断生成物の定量は、Criterion Stain free SDS−PAGEシステム(BioRad)を使用して決定した。任意のkDのStain freeプレキャストゲル、4〜20%のTris−HCl、18ウエル(Comb、製品345−0418)をServa Tris−グリシン/SDSバッファー(BioRad、製品番号42529)とともに使用した。ゲルは、以下のパラメーターを用いてランした:200V、120mA、25W、50分間。BSA(1.43mg/ml)(Sigma−Aldrich、製品番号500−0007)をタンパク質標準物質として使用し、トリプトファン含量の相関を伴うバンド強度を用いた定量のためにはStain Free Imager(BioRad)をImage Labソフトウエア(BioRad)とともに使用した。BIF917の特異的LAU活性は、2つの独立発酵の(方法1に記載したように)粗発酵素(限外濾過濃縮液)から5つの異なる希釈液を使用して決定した(表1を参照されたい)。
BIF917の比活性は、21.3LAU/mgもしくは0.0213LAU/ppmであると見いだされた。
実施例1
血液透析濾過(DE)、ベントナイト(bentionite)処理(BT)および熱処理(HT)がグリセロールを用いて調製されたBIF917の物理的安全性に及ぼす作用を試験するための実験を実施した。
調製物の詳細は、下記の表に示した:
サンプルは次の貯蔵条件、5℃、20℃および37℃のそれぞれでインキュベーションした。
結果は図1に示した。
実施例2
調製物が用途関連基質であるラクトース上の実際的GOS形成酵素活性に及ぼす効果についてもまた調査した。驚くべきことに、用途内のグリセロールの存在は、用途内の所望のGOSよりむしろ望ましくないガラクトシル−グリセロールの精製に起因してGOS生成活性に有意なマイナスの効果を有することが見いだされた。ガラクトシル−グリセロールの存在は、実際の反応生成物が例えばHPLCによって分析される場合にのみ検出することができ、色原体基質であるONPGによっては検出できないが、それはこのアッセイがONPの遊離だけを測定するからである。特に、驚くべきことに、(図2および3において例示するように)0.1重量%超のグリセロールの使用はトランスガラクトシル化反応を妨害してより低収率の所望のGOSを生じさせることが見いだされた。GOS生成を妨害するために必要とされる低量のグリセロールは、この酵素が遊離グリセロールの存在下では効率的なガラクトシル−グリセロール生成酵素であることを示している。
実施例3
下記の表にしたがった中間体調製物を提供するためにBIF917酵素を混合し、引き続いてスプレー乾燥した。
調製物が活性に及ぼす効果は、次の貯蔵条件:5℃、20℃および37℃のそれぞれで調査した。サンプル番号1、3および5についての結果は図4に示したが、それらは調製後に良好なトランスガラクトシル化活性が保持されることを示している。
実施例4
ジャガイモデンプンが塵埃減少に及ぼす効果は、図5に例示した。
上記の明細書に言及した全刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の記載した方法およびシステムの様々な修飾および変動は、本発明の範囲および精神から逸脱せずに、当業者には明白になるであろう。本発明は特定の好ましい実施形態と結び付けて記載してきたが、本明細書で要求した本発明はそのような特定の実施形態に過度に限定すべきではないと理解すべきである。実際に、化学、生化学、生物学または関連分野の当業者には明白である、本発明を実施するための本明細書に記載した様式の様々な修飾は、下記の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが企図されている。
配列表
>配列番号16 BIF917のためのリバースプライマー
GCGCTTAATTAATTATGTTTTTTCTGTGCTTGTTC
>配列番号17 BIF995のためのリバースプライマー
GCGCTTAATTAATTACAGTGCGCCAATTTCATCAATCA
>配列番号18 BIF1068のためのリバースプライマー
GCGCTTAATTAATTATTGAACTCTAATTGTCGCTG
>配列番号19 BIF1241のためのリバースプライマー
GCGCTTAATTAATTATGTCGCTGTTTTCAGTTCAAT
>配列番号20 BIF1326のためのリバースプライマー
GCGCTTAATTAATTAAAATTCTTGTTCTGTGCCCA
>配列番号21 BIF1478のためのリバースプライマー
GCGCTTAATTAATTATCTCAGTCTAATTTCGCTTGCGC
>配列番号23 ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)DSM20215由来の細胞外ラクターゼのシグナル配列
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