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JP6902248B2 - コンクリートのレオロジー定数測定方法およびその装置 - Google Patents
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コンクリートのレオロジー定数測定方法およびその装置 Download PDF

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Description

本発明は、未硬化のフレッシュコンクリートについて、コンクリート打設現場においてレオロジー定数を測定する方法および装置に関するものであり、本発明によって求められる見掛けの降伏値および見掛けの塑性粘度を用いて、コンクリートの現場施工におけるコンクリートの充填性、締固め性、ポンプ圧送性などの施工性を評価することができる。
未硬化のフレッシュコンクリートのワーカビリティーを評価するための試験方法としては、スランプコーンを用いたJIS A 1101のスランプ試験方法が普及している。
一方、高流動コンクリートは流動性が高すぎて従来のスランプ試験では対応できないため、高流動コンクリートについてはJIS A 1150のスランプフロー試験方法が利用されている。
また、スランプフロー試験方法の改良型として、L形フロー試験方法があり、スランプフロー試験方法とともに、高流動コンクリートの試験方法として規格化されている。
なお、フレッシュコンクリートの挙動をビンガム流体の挙動としてモデル化した場合、スランプ値やスランプフロー値は主として降伏値の評価に用いられ、時間的要素を含むスランプフロー試験における500mm到達時間やV漏斗試験が塑性粘度の評価に用いられている。
これに対し、本願の発明者らによる特許文献1では、従来のスランプ試験やスランプフロー試験では的確な評価ができなかった準高流動コンクリートや軟練りのコンクリートのワーカビリティーの評価を適正に行うための方法および装置として、試料の傾斜フローを利用したコンクリートの試験方法および試験装置を開示している。
特許文献1記載の試験方法は、筒状のタンク部と、その下部側面に形成された開口部で連通する傾斜フロー部と、開口部を開閉可能に仕切り傾斜フロー部をタンク部の下部と区画する仕切板とを備えた傾斜フロー試験器を用い、タンク部に上部より未硬化のフレッシュコンクリートの試料を投入して所定の高さまで詰め込んだ後、仕切板を開放することにより、開口部から傾斜フロー部に試料を流下させ、その際の試料の傾斜面での流下速度を測定することにより、試料のワーカビリティーを評価するというものである。
しかし、特許文献1に記載される試験方法および装置の場合、以下の課題があった。
(1) 流動先端速度より、ビンガム流体の流動性をどのように評価するか、特にビンガム流体の性質である降伏値と塑性粘度をどのように評価するかが設定されていない。
(2) 垂直試料ボックス部の垂直応力が加わるため、試料ボックスコーナー部でも流動の乱れが生じる。
これに対して、本願の発明者らは、非特許文献1、2に開示したように、垂直試料ボックス部の代わりに、傾斜流動部と直線的に連続する試料タンク部をゲート板で仕切る構造とした試験装置を用い、異なる複数の傾斜角度で傾斜フロー試験を行い、その試験結果からフレッシュコンクリートのレオロジー定数としての降伏値および塑性粘度に対応する見掛けの降伏値および見掛けの塑性粘度を求め、流動性の評価を行う試験方法を開発した。
また、本願の発明者らによる特許文献2では、試料投入口から投入された測定対象となる流体を溜めて保持するための試料タンク部と、底面が試料タンク部の底面と直線的に連続し傾斜角度が可変な傾斜流動部と、試料タンク部と傾斜流動部を鉛直方向に仕切る開閉可能なゲート板とを備え、ゲート板が試料タンク部と傾斜流動部との境界部の外側に立設した支柱を備えたゲート板支持具に支持された状態で鉛直方向に昇降可能としたレオロジー定数測定装置を用い、以下のようにして流体のレオロジー定数を測定することとした。
すなわち、レオロジー定数として、試料の見掛けのせん断応力τ(Pa)を次式によって求める。
τ=W×h×g×sinθ …(1)
ここに、
W:試料の単位容積質量(kg/m3
h:センサー間を通過するときの試料の平均高さ(m)
g:重力加速度(9.807m/sec2
θ:傾斜角度
次に、3つ以上の異なる傾斜角度について求めた流動先端速度va(m/sec)またはひずみ速度(/sec)と上に求めた見掛けのせん断応力τ(Pa)から得られる回帰直線の流動先端速度vaが0となる切片における見掛けのせん断応力τ(Pa)を見掛けの降伏値τy(Pa)、回帰直線の傾きを見掛けの塑性粘度η(Pa・s/mまたはPa・s)として求める。
ひずみ速度(/sec)は、流動先端速度va(m/sec)を試料の高さ(m)で除して求める。
これら見掛けの降伏値τyおよび見掛けの塑性粘度ηは、他の測定手段で測定された流体の降伏値および塑性粘度と高い相関性を確認しており、流体のレオロジー定数として流体特性の把握に利用することができる。
また、本願の発明者らは、特許文献3において、図4に示す傾斜フロー装置を用い、複数の傾斜角度について求めた流動先端速度または該流動先端速度を用いて算出したひずみ速度と、見掛けのせん断応力τ(Pa)から得られる回帰直線の流動先端速度が0となる切片における見掛けのせん断応力τ(Pa)を見掛けの降伏値τy(Pa)、回帰直線の傾きを見掛けの塑性粘度η(Pa・s/mまたはPa・s)として求め、測定された見掛けの降伏値τおよび見掛けの塑性粘度ηに基づいて、フレッシュコンクリートの施工性に関する評価を行う発明を記載している。
また、特許文献4には、コンクリートアジテータ車のフレッシュコンクリートのコンシステンシーや材料分離の有無などを荷卸し時点で自動的に検査し、施工不良や品質事故を防止するフレッシュコンクリートの試験方法および装置が記載されている。
具体的には、アジテータ車のシュートに取り付けたカメラを用いてシュートを流れるコンクリート面を一定の時間ごとに撮影し、同時に、ある位置のコンクリートの断面形状とシュートの傾きを測定し、測定した写真からコンクリートの流速を算出し、断面形状からコンクリートの断面積を算出し、次に、コンクリートの流速と断面積から単位時間当たりの流量を算出し、最後に、算出した流量をシュートの傾きごとに定められた標準流量と比較し、標準流量の許容範囲であれば合格であると判断するフレッシュコンクリートの試験方法が記載されている。
また、装置として、シュートを流れるコンクリート面を一定の時間ごとに撮影するカメラと、シュート内のコンクリート面の高さを測定する平面レーザー距離計と、シュートの傾を測定する傾斜計と、これらカメラと、平面レーザー距離計と、傾斜計とからのデータを処理し、シュートを流れるコンクリートの流速と断面積から単位時間当たりの流量を算出し、算出した流量をシュートの傾きごとに定められた標準流量と比較し、標準流量の許容範囲であれば合格であると判断する合否を判定し、判定結果を表示するコンピュータとからなるフレッシュコンクリートの試験装置が記載されている。
一方、物体の3次元形状やその変化を測定する手段として、例えば非特許文献3に示されるような3次元画像処理システムが実用化され、種々の分野で適用対象の拡大が図られている。
特許第3963800号公報 特開2016−176890号公報 特開2017−223490号公報 特許第5715040号公報
笹倉博行、桝田佳寛、李榮蘭:傾斜フロー試験器によるフレッシュコンクリートの流動性評価に関する実験、日本建築学会技術報告集、第18巻、第36号、pp.11-14、2012年2月 笹倉博行、桝田佳寛、李榮蘭:傾斜フロー試験器によるレオロジー定数に及ぼす調合の影響、日本建築学会技術報告集、第19巻、第42号、pp.387-392、2013年6月 "これまで不可能だった検査を、3次元画像処理が可能にする!"[online]、株式会社キーエンス、[平成29年11月14日検索]、インターネット〈URL:https://www.keyence.co.jp/landing/req/vision/xg-x_1126_06.jsp〉
(1) 上述した特許文献1あるいは特許文献2に記載の装置を用いて、見掛けの降伏値および見掛けの塑性粘度を求めるためには、3以上の角度の異なる傾斜フロー試験器を用いて、あるいは傾斜フロー試験器の傾斜流動部を3以上の異なる角度に設定してコンクリートの流動先端速度を計測しなければならず、試験に手間と時間がかかってしまう。
(2) 3以上の異なる傾斜角度で測定するため、多量の試料が必要となる。例えば1回の試験に約9リットルの試料を用いる場合、少なくとも27リットルの試料が必要となる。
(3) 流動高さは傾斜フロー試験器の内側の側面にスケールを設置して目視により測定していたため、誤差が大きい場合があり、最終的な結果に影響を及ばすことがある。
(4) 特許文献4記載の方法および装置では、アジテータ車の排出シュートを流れるコンクリートの流速や体積を、画像を用いて自動的かつ非接触で測定することで、流動性や材料分離抵抗性を測定できるとされているが、アジテータ車から排出されるコンクリートの流速は一定ではなく、勢いよく排出された場合はシュートを滑りながら流下する。これはコンクリートの流動性が低いほど(スランプ値が小さいほど)、その傾向は強くなり、正確な流動性や分離抵抗性を測定することができない。
本発明は上述のような背景のもとに開発されたものであり、傾斜フロー試験装置としてトラックアジテータのシュート部に取り付け可能な装置を用い、コンクリートのレオロジー定数を現場で、迅速に測定することができるレオロジー定数測定方法および装置を提供することを目的としたものである。
本発明のコンクリートのレオロジー定数測定方法および装置では、トラックアジテータのコンクリートを排出するシュート部に接続される試料投入部と、前記試料投入部に連続し、前記試料投入部から投入された測定対象となる試料を溜めて保持するための試料タンク部と、底面が前記試料タンク部の底面と直線的に連続する傾斜流動部と、前記試料投入部と前記試料タンク部を鉛直方向に仕切る開閉可能な第1ゲート板と、前記試料タンク部と前記傾斜流動部を鉛直方向に仕切る開閉可能な第2ゲート板とを備える傾斜フロー試験装置を用いる。
レオロジー定数の現場における測定は、上記の傾斜フロー試験装置の試料投入部をトラックアジテータのコンクリートを排出するシュート部に接続し、トラックアジテータから排出される試料としてのフレッシュコンクリートを前記第1ゲート板および第2ゲート板を閉じた状態で前記試料投入部まで流動させ、前記試料投入部まで流動させた試料を前記第1ゲート板を開いて前記試料タンク部に溜めて行き、前記試料ダンク部に所定量の試料を溜めた状態で前記第2ゲート板を開くことで試料を前記傾斜流動部に沿って流下させ、前記傾斜流動部を流下して行く試料について傾斜流動部の任意の複数の測定点での流動先端速度と試料の高さを求める。
測定値に基づき、前記試料の見掛けのせん断応力τ(Pa)を次式によって、前記各測定点ごとに求める。
τ=W×h×g×sinθ …(1)
ここに、
W:試料の単位容積質量(kg/m3
h:流動先端速度の測定点を通過するときの試料の高さ(m)
g:重力加速度(9.807m/sec2
θ:傾斜角度
前記複数の測定点ごとに求めた流動先端速度または該流動先端速度を用いて算出したひずみ速度と、前記見掛けのせん断応力τ(Pa)から得られる回帰直線の流動先端速度が0となる切片における見掛けのせん断応力τ(Pa)を見掛けの降伏値τy(Pa)、回帰直線の傾きを見掛けの塑性粘度η(Pa・s/mまたはPa・s)として求める。
傾斜流動部を流下して行く試料の流動先端速度と試料の高さは、例えば、流下して行くフレッシュコンクリートを3Dカメラで撮影し、3Dカメラによって撮影された画像の3次元画像処理により行うことができる。
本発明では、特許文献2記載の発明のように、3以上の異なる傾斜角度に設定してコンクリートの流動先端速度を計測する必要がなく、3Dカメラを用いた場合、3Dカメラでの撮影による一回の作業で試験を迅速に行うことができ、また必要な試料の量も節減することができる。
また、本発明において、3Dカメラによって撮影された画像情報に基づく3次元画像処理を、3Dカメラと有線または無線の回線で接続されたコンピュータ端末やパソコン端末、タブレットPCなどの端末装置によって行うようにすれば、データ処理を瞬時に行うことができる。すなわち、3Dカメラの画像について3次元画像処理から得られる試料の流動先端速度と試料の高さをもとに、レオロジー定数の算定までほぼ自動で瞬時に行うことができる。
また、傾斜流動部に傾斜計を設けておけば、試験を行うときの傾斜流動部の傾斜角度を自動測定することができ、傾斜角度の評価が必要な場合の作業が容易となる。
傾斜流動部に傾斜計を設ける場合、同様に傾斜計の測定値を同様に端末に送ることでデータ整理を迅速に行うことができる。
また、傾斜流動部を流下して行く試料の流動先端速度の測定は、3Dカメラによる撮影に限られず、傾斜流動部の複数箇所に間隔をおいて設けた流動先端速度測定器(各種センサーが利用可能)などによって行うこともできる。試料の高さについては、例えばフレッシュコンクリートの流下中に傾斜流動部の内壁部分にコンクリートが付着して残った痕をもとにスケールで測ってもよい。
本発明の方法および装置によって求められる見掛けの降伏値および見掛けの塑性粘度を用いて、コンクリートの現場施工におけるコンクリートの充填性、締固め性、ポンプ圧送性などの施工性を評価することができる。
本発明のレオロジー定数測定方法および傾斜フロー試験装置は、見掛けの降伏値および見掛けの塑性粘度を求めるための傾斜流動部における試料の流動先端速度と試料の高さを傾斜フロー試験装置をトラックアジテータのシュート部に取り付けた傾斜フロー試験装置で測定できるようにしたものであり、本装置によりコンクリートのレオロジー定数を現場で、迅速に測定することができる。
本発明では流動先端速度と試料の高さは、傾斜流動部の任意の複数の測定点で測定することとしており、従来の傾斜フロー試験で3以上の異なる傾斜角度に設定してコンクリートの流動先端速度を計測していたのに比べると、傾斜角度を変更することなく、1回の作業で測定を行うことができるため、試験を迅速に行うことができ、また必要な試料の量も節減することができる。
試料コンクリートの流動状況を3Dカメラで計測するようにすれば、高い測定精度が得られる。また、3Dカメラなどで計測したデータは、IoTなどで現場に持ち込んだタブレットPCなどに送信すれば、データ整理も瞬時に行うことができる。
本発明の傾斜フロー試験器をトラックアジテータのシュート部に取り付けた状態を示す斜視図である。 本発明の傾斜フロー試験器の一実施形態を示す斜視図である。 本発明のコンクリートのレオロジー定数測定方法による作業手順を示す側面図である。 特許文献3に記載されている傾斜フロー試験器を示す側面図及び平面図である。
以下、図1〜図3を参照して、本発明の具体的な実施形態を説明する。
(1) 試験装置
図1は本発明の傾斜フロー試験器1をトラックアジテータ11のシュート部12に取り付けた状態を示したもので、図2はシュート部12に取り付けられる傾斜フロー試験器1の具体例を示したものである。
傾斜フロー試験器1の本体部分は、図2に示すように溝型形状をなし、上流側となる試料投入口2から投入された測定対象となる試料(フレッシュコンクリート)を溜めて保持するための試料タンク部3と、底面が試料タンク部3の底面と直線的に連続する傾斜流動部4とからなる。
試料投入部2と試料タンク部3との間には、これらを鉛直方向に仕切る開閉可能な第1ゲート板5が設けられており、試料タンク部3と傾斜流動部4との間にはこれらを鉛直方向に仕切る開閉可能な第2ゲート板6が設けられている。なお、ここで鉛直方向に仕切るというのは上下の位置関係を言っており、第1ゲート板5および第2ゲート板6自体は、必ずしも鉛直である必要はなく、傾斜していてもよい。
また、図示した例では、傾斜流動部4に傾斜角度を自動的に測定するための傾斜計7を取り付けてある。
図中、符号8は傾斜流動部4を流動する試料を撮影し、任意の複数の測定点での流動先端速度と試料の高さを求めるための3Dカメラ、符号9は3Dカメラによって撮影された画像情報に基づく3次元画像処理を行うためのタブレットPCなどの端末装置を示している。
第1ゲート板5および第2ゲート板6の開閉は例えば傾斜フロー試験器1の本体部分の内面にガイド用の溝を設けておき、第1ゲート板5および第2ゲート板6の両側をガイドに沿って摺動させる構造などを採用することができる。
傾斜フロー試験器1のトラックアジテータ11のシュート部12への取り付けは、例えばねじ式あるいはクリップ式など取り外しが簡単な簡易的に接続できる構造でよいが、接続部から試料が実質的にこぼれない接続構造とする必要がある。
図1はトラックアジテータ11のシュート部12に傾斜フロー試験器1を取り付けた状態を示しているが、この例ではシュート部12にあらかじめコンクリート打設時に使用可能な折り畳み式の先端シュート13が取り付けられており、先端シュート13を折り畳んだ状態で傾斜フロー試験器1を取り付けている。
(2) 試験方法
図3は本発明のコンクリートのレオロジー定数測定方法による作業手順の一例を示したものであり、以下の手順で作業を行う。
トラックアジテータ11から一輪車に1〜2杯程度のコンクリート(フレッシュコンクリート)を排出する。
その後、先端シュート13を取り外した状態のシュート部12に、傾斜フロー試験器1を取り付ける。
第1ゲート板5および第2ゲート板6を閉じた状態で、コンクリートを少量排出して、第1ゲート板5まで(試料投入部2に)コンクリートCを流動させる(図3(a)参照)。
第1ゲート板5を開放して、第1ゲート板5と第2ゲート板6の間(すなわち、試料タンク部3)に所要量のコンクリートCを溜める(図3(b)参照)。
次に、第1ゲート板5を閉じてコンクリートを所定回数突き固める(図3(b)参照)。
第2ゲート板6を開けて、試料コンクリートCを傾斜流動部4に沿って流動させる(図3(d)〜(f)参照)。
図3に示すようにコンクリートCの流動状況を3Dカメラで計測すれば、1回の傾斜フローの測定によって、任意の位置の流動先端速度V1、V2、V3、と高さh1、h2、h3
を計測することができ、3点以上のデータを取得することによって、見掛けの降伏値および塑性粘度を求めることができる。この時、傾斜角度も傾斜計7によって自動計測する。
(3) 見掛けの降伏値および塑性粘度の算定
複数の測定点(この例では3点)の流動先端速度V1、V2、V3、高さh1、h2、h3
が測定された後の見掛けの降伏値および塑性粘度の算定は、特許文献2に記載される方法と同様であり、測定値に基づき、試料の見掛けのせん断応力τ(Pa)を次式によって、各測定点ごとに求める。
τ=W×h×g×sinθ …(1)
ここに、
W:試料の単位容積質量(kg/m3
h:流動先端速度の測定点(位置は任意)を通過するときの試料の高さ(m)
g:重力加速度(9.807m/sec2
θ:傾斜角度
傾斜フロー試験におけるフレッシュコンクリートに作用する見掛けのせん断応力τ(Pa)は(1)式で求めて、見掛けのせん断ひずみ速度(1/sec)は流動先端速度(m/sec)を流動高さ(m)で除して求めることができる。
3箇所の測定位置ごと得られた見掛けのせん断ひずみ速度と見掛けのせん断応力の関係は線形の関係となる。これを直線回帰すると、回帰直線の切片は見掛けのせん断ひずみ速度が0であるため降伏値に相当するものと考えられ、これを見掛けの降伏値(以下、τy と略記)とする。
一方、回帰直線の傾きは見掛けのせん断ひずみ速度に対する見掛けのせん断応力の変化であるため塑性粘度に相当するものと考えられ、これを見掛けの塑性粘度(以下、ηと略記)とする。なお、実用上、流動中のすべり摩擦抵抗の影響は小さいため無視することができる。
このようにして複数の測定点ごとに求めた流動先端速度または該流動先端速度を用いて算出したひずみ速度と、見掛けのせん断応力τ(Pa)から得られる回帰直線の流動先端速度が0となる切片における見掛けのせん断応力τ(Pa)を見掛けの降伏値τy(Pa)、回帰直線の傾きを見掛けの塑性粘度η(Pa・s/mまたはPa・s)として求めることができる。
1…測定装置本体、2…試料投入部、3…試料タンク部、4…傾斜流動部、5…第1ゲート板、6…第2ゲート板、7…傾斜計、8…3Dカメラ、9…タブレット、
11…トラックアジテータ、12…シュート部、13…先端シュート(折り畳み式)、
C…フレッシュコンクリート

Claims (5)

  1. トラックアジテータのコンクリートを排出するシュート部に接続される試料投入部と、前記試料投入部に連続し、前記試料投入部から投入された測定対象となる試料を溜めて保持するための試料タンク部と、底面が前記試料タンク部の底面と直線的に連続する傾斜流動部と、前記試料投入部と前記試料タンク部を鉛直方向に仕切る開閉可能な第1ゲート板と、前記試料タンク部と前記傾斜流動部を鉛直方向に仕切る開閉可能な第2ゲート板とを備える傾斜フロー試験装置を用い、前記トラックアジテータから排出される試料としてのフレッシュコンクリートを前記第1ゲート板および第2ゲート板を閉じた状態で前記試料投入部まで流動させ、前記試料投入部まで流動させた試料を前記第1ゲート板を開いて前記試料タンク部に溜めて行き、前記試料ダンク部に所定量の試料を溜めた状態で前記第2ゲート板を開くことで試料を前記傾斜流動部に沿って流下させ、前記傾斜流動部を流下して行く試料について傾斜流動部の任意の複数の測定点での流動先端速度と試料の高さを求め、
    前記試料の見掛けのせん断応力τ(Pa)を次式によって、前記各測定点ごとに求め、
    τ=W×h×g×sinθ …(1)
    ここに、
    W:試料の単位容積質量(kg/m3
    h:流動先端速度の測定点を通過するときの試料の高さ(m)
    g:重力加速度(9.807m/sec2
    θ:傾斜角度
    前記複数の測定点ごとに求めた流動先端速度または該流動先端速度を用いて算出したひずみ速度と、前記見掛けのせん断応力τ(Pa)から得られる回帰直線の流動先端速度が0となる切片における見掛けのせん断応力τ(Pa)を見掛けの降伏値τy(Pa)、回帰直線の傾きを見掛けの塑性粘度η(Pa・s/mまたはPa・s)として求めることを特徴とするコンクリートのレオロジー定数測定方法。
  2. 請求項1記載のコンクリートのレオロジー定数測定方法において、前記傾斜流動部を流下して行く試料コンクリートを3Dカメラで撮影し、前記3Dカメラによって撮影された画像の3次元画像処理により、前記傾斜流動部の任意の複数の測定点について前記試料の流動先端速度と試料の高さを求めることを特徴とするコンクリートのレオロジー定数測定方法。
  3. 請求項1または2記載のコンクリートのレオロジー定数測定方法において、前記3Dカメラによって撮影された画像情報を、前記3Dカメラと有線または無線の回線で接続された端末装置によって3次元画像処理を行い、3次元画像処理から得られた前記試料の流動先端速度と試料の高さをもとに、レオロジー定数の算定を行うことを特徴とするコンクリートのレオロジー定数測定方法。
  4. 請求項1記載のコンクリートのレオロジー定数測定方法において、前記傾斜流動部を流下して行く試料の流動先端速度を複数箇所に間隔をおいて設けた流動先端速度測定器ごとに測定することを特徴とするコンクリートのレオロジー定数測定方法。
  5. トラックアジテータのコンクリートを排出するシュート部に接続される試料投入部と、前記試料投入部に連続し、前記試料投入部から投入された測定対象となる試料を溜めて保持するための試料タンク部と、底面が前記試料タンク部の底面と直線的に連続する傾斜流動部と、前記試料投入部と前記試料タンク部を鉛直方向に仕切る開閉可能な第1ゲート板と、前記試料タンク部と前記傾斜流動部を鉛直方向に仕切る開閉可能な第2ゲート板とを備えることを特徴とする傾斜フロー試験装置。
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