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JP6909045B2 - 美容システム及びそれを用いた美容方法 - Google Patents
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本発明は、生体の任意の部位のむくみを改善することを特徴とする、美容システムに関する。また、本発明は、美容システムを用いた、生体の任意の部位のむくみを改善することを特徴とする、美容方法に関する。
皮膚のリンパ管系は、薄い壁の管による緻密なネットワークから構成されており、組織流体のホメオスタシスにおいて主要な役割を果たしている。例えば、皮膚のリンパ管は毛細血管から漏出した間質液やタンパク質、細胞などを回収し、循環系の恒常性を維持している。リンパ管機能障害は、不十分なリンパ液輸送及び局所的な流体の滞留を引き起こし、その結果、リンパ浮腫が引き起こされる。また、リンパ管機能障害は、表皮肥厚、コラーゲン及び脂質の沈着、進行性壊死及び感染感受性の増加などがもたらされる場合もある。
これまでに、アンジオポエチン−1や血管内皮細胞増殖因子C(VEGF−C)などの因子が、リンパ管機能の安定化やリンパ管新生に関与することが示されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。また、リンパ管内皮細胞に、物理刺激(例えば、電気的刺激)を与えることでリンパ管内皮細胞の形態の変化や、シグナル因子のリン酸化を引き起こすことが示されている(例えば、非特許文献3参照)。
Kajiya K.,et al.,Promotion of lymphatic integrity by angiopoietin−1/Tie2 signaling during inflammation.Am.J.Pathol.2012:180:1273−1282. Sawane M.and Kajiya K.Ultraviolet light−induced changes of lymphatic and blood vasculature in skin and their molecular mechanisms.Exp.Dermatol.2012:21(Suppl1):22−25. Kajiya K.,et al.,Electric current−induced lymphatic activation.Exp.Dermatol.2014 Dec;23(12):936−8.
従来、生体におけるむくみを解消するための物理的な手段は、例えば、筋肉が収縮する電気刺激を与えて、ポンプ機能を促進する方法が採用されていた。しかしながら、これらの刺激は、場合によって痛みを伴うものであり、皮膚組織が薄い部分、例えば、顔などに適用することは困難であった。そのため、本発明の目的は、生体の任意の部位のむくみを改善し、安全に使用可能な美容システム及び美容方法を提供することにある。
本発明者らが検討を行った結果、生体において、所定の範囲の電流値及び周波数にて電圧を印加した場合、むくみが改善することを見出し、本発明を為すに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
[1] 電源部と、
前記電源から供給される直流電圧を、所定の範囲の電流値となるように制御する電圧調整部と、
前記直流電圧をパルス直流電流へ変換するパルス発生部と、
前記パルス直流電流を印加するための、少なくとも一対の導子と、
前記電源部と前記導子の間に設けられ、電流を測定するための電流測定部と、
を備え、ここで、
前記少なくとも1対の導子が、生体の任意の部位に接触され、
前記電圧調整部によって前記所定の範囲の電流値が1〜1000μAの範囲となるように制御され、前記パルス発生部によって1〜1000Hzとなるように制御されたパルス直流電流が、1分〜120分間印加されることにより、前記生体の任意の部位のむくみを改善することを特徴とする、美容システム。
[2] 前記所定の範囲の電流値が、10〜500μAの範囲である、[1]に記載の美容システム。
[3] 前記所定の範囲の電流値が、100〜250μAの範囲である、[1]又は[2]に記載の美容システム。
[4] 前記パルス直流電流が、10〜500Hzのパルス直流電流である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の美容システム。
[5] 前記パルス直流電流が、50〜200Hzのパルス直流電流である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の美容システム。
[6] 前記電圧調整部、及び/又は前記パルス発生部を制御するCPUをさらに備える、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の美容システム。
[7] 前記CPUは、前記電流測定部によって出力される電力値が前記所定の範囲の電流値となるように、フィードバック制御する機能を有する、[6]に記載の美容システム。
[8] 前記生体のむくみを改善することが、リンパ管内皮細胞に作用し、リンパ管機能を亢進するものである、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の美容システム。
[9] [1]〜[8]のいずれか1項に記載の美容システムを用い、
前記少なくとも1対の導子を、生体の任意の部位に接触させ、
1〜1000μAの範囲で、1〜1000Hzのパルス直流電流で印加する工程を含む、
生体の任意の部位のむくみを改善することを特徴とする、美容方法。
[10] 前記印加する工程が、1分〜120分間実施される、[9]に記載の美容方法。
[11] 前記印加する工程が、5分〜60分間実施される、[9]に記載の美容方法。
本発明により、筋肉による収縮が起こらない程度の電流によって、生体の任意の部位のむくみが解消することが可能となる。特に生体に導電する電流が、筋肉を収縮しない程度の低電流であることから、生体の任意の部位(例えば、顔、下肢、上腕、腹部等)においても、安全にむくみを改善することが可能となる。
図1は、一実施態様における、本発明の美容システムを示す。 図2は、一実施態様における、本発明の美容システムのブロック図を示す。 図3は、一実施態様における、本発明の美容システムのブロック図を示す。 図4は、電気刺激を与えた際のリンパ管内皮細胞の形態変化を示す。(A)一実施態様において、リンパ管内皮細胞に電圧を印加する際に用いた装置を示す図(上段:装置全体の概要図、下段:培養皿の断面図)である。ヒトリンパ管内皮細胞を、フィブロネクチンをコートしたITO(酸化インジウムスズ)プレート上で培養し、電圧を印加した。(B)印加前のリンパ管内皮細胞の形態を示す(コントロール)。(C)直流電圧2Vにて30秒印加した直後のリンパ管内皮細胞の形態を示す。 図5は、直流電圧で印加した後の、細胞内シグナルの変化を調べた図である。(A)刺激無し(C:コントロール)、1V、2V、3Vで30秒間刺激を与えた後のヒトリンパ管内皮細胞におけるシグナル伝達物質(ERK、p38)のリン酸化(P−ERK、P−p38)について調べた図である。(B)刺激無し(C:コントロール)、又は2V30秒間刺激を与えた後15分(15m)、1時間(1h)、4時間(4h)又は24時間(24h)後のヒトリンパ管内皮細胞における、シグナル伝達物質(ERK、p38)のリン酸化(P−ERK、P−p38)を調べた図である。 図6は、電流量、周波数を変化させた場合のヒトリンパ管細胞に及ぼす影響を示す図である。(A)図1に記載の装置を用いて、直流電圧(2V、1V)を印加した場合のリンパ管内皮細胞の形態を示す図である。2Vの電圧で印加した場合は200μA、1Vの電圧で印加した場合は20μAの電流値を示した。(B)図1に記載の装置を用いて、各周波数にてパルス直流電圧(0.1V、OFC 0.05V)を印加した場合のリンパ管内皮細胞のp38のリン酸化(p−p38)を示す図である。括弧内は、それぞれの周波数で印加した場合の電流値を示す。 図7は、電気刺激前(左)及びパルス電流にて12時間刺激後の、リンパ管内皮細胞の移動の様子を示す図である。 図8は、電気刺激によるリンパ管内皮細胞の増殖の様子を示すグラフである。刺激なし(コントロール)、2Vにて5分間、又は、2Vにて10分間で電気刺激後、EdU Cell Proliferation Detection Kits(SIGMA−ALDRICH社、カタログ#BCK−EDU 488))を用いて、細胞周期が増殖期に入った細胞数をカウントした。その結果を細胞増殖率(%)として示す。 図9は、本発明のシステム及び方法を用いた場合の、リンパ管の変化を示すモデル図である。上段が電気刺激前、下段が電気刺激後のモデルを示す。上段の図中の○は、リンパ管内皮細胞が重なっている部分を示す。本発明を適用することにより、下段の図の様にリンパ管中に隙間が生じ、老廃物及び水分が効率的に取り込まれるようになる。 図10は、本発明を用いた、下肢のむくみ改善効果を示す。(A)本発明のシステムを用いた実験を示す図である。(B)本発明のシステムを用い、100Hz、200μAのパルス直流電流を10分間かけた場合の下肢のむくみ改善効果を示すグラフである。 図11は、本発明を用いた、下肢のむくみ改善効果を示す。各周波数(1Hz、100Hz又は10000Hz)において、図10と同様の実験をおこなった。
本明細書において、「むくみ」とは、浮腫と同義で用いられ、組織液又はリンパ液がなんらかの原因により細胞内、細胞間隙、又は体腔内に貯留した状態であって、皮下組織においてみられる現象である。日常生活において生じる自然発生的なむくみは、毛細血管からの体液の漏出と静脈及びリンパ系による体液の回収とのバランスが損なわれた場合に生じるものであると考えられる。本発明の美容システム及びそれを用いた美容方法は、特に、リンパ系のリンパ管を構成するリンパ管内皮細胞に作用し、リンパ管機能を亢進することが可能となり、日常の生活で起きる自然発生的なむくみを効果的に改善する。
本明細書において、リンパ系とは、リンパ液と呼ばれる清明な液を運搬する導管ネットワークであり、当業者において用いられる用語と同義のものを指す。一般に、リンパ管は、リンパ系を構成する複雑なシステムの一構成要素である。リンパ系には、リンパ管の他、リンパ節、胸管などが含まれる。リンパ系は、(1)組織から余剰な液を取り除く、(2)消化吸収された脂質を循環系まで運搬する、(3)免疫担当細胞(例えば、リンパ球、単球、抗体を産生する形質細胞など)を産生する、などの機能を有する。リンパ管を構成するリンパ管内皮細胞同士は、血管を構成する血管内皮細胞に比べ、その結合が弱く、特に末梢において管外から組織液などが流入しやすい構造を有する。末梢のリンパ管は、押しつぶされ過ぎないように繋留フィラメントが付着している。本発明は、特に、(1)及び(2)の役割を果たす、リンパ管へ作用する効果を有する。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ、さらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の形態のみに限定されることはない。
<美容システム>
図1及び図2を参照して、本発明の美容システムについて説明する。図1は、一実施態様における、本発明の美容システム1の外観図である。図2及び3は、一実施態様における、本発明の美容システム1のブロック図を示す。
まず、図1を参照して、一実施形態の本発明の美容システム1を説明する。美容システム1は、電源部(図示しない)から供給された電流を所定の範囲の電流値となるように制御し、電流をパルス直流電流へと変換する出力部16と、パルス直流電流を生体Sに印加するための少なくとも一対の導子18と、電流を測定するための電流測定部17とを備えており、それぞれが、例えば図1のように導電コード19によって接続されている。出力部16で発生させた電気は、導電コード19を介して導子18へと流れる。一対の導子18は、生体の任意の部分に取り付けられ、一方の導子18から放出された電気が生体を通過し、他方の導子18へと流れる。出力部16と導子18との間には、回路中に流れる電流量を測定するための電流測定部17が設けられている。電流測定部17には、表示部17aを有しており、回路中に流れている電流値が表示される。導子18は、一対以上設けられていればよく、二対、三対、四対、五対又はそれ以上であってもよい。導子18は、公知のものを用いればよく、例えば、針状、パッド状、クリップ状など、生体Sに導電することを目的とするものであればよい。好ましくは、パッド状の導子18である。導子18の形状、素材についても、適用する生体Sの部位に応じて、適宜公知のものに変更してもよい。
出力部16は、図1には図示しないが、所定の範囲の電流値となるように制御するための電圧調整部と、直流電圧をパルス直流電流へ変換するパルス発生部とを備えている。電圧調整部及びパルス発生部により、所定の範囲の電流値にて、パルス直流電流を生体Sに流すことが可能となる。出力部16は、電源のオンオフ、電圧量、電流量、周波数、波形、振幅、オフセット電圧などの設定を行うための操作部11や、現在又は設定の電圧量、電流量、周波数、波形、振幅、オフセット電圧などを表示する表示部12が設けられている。
次に、図2及び3を参照して、本発明の一実施態様の美容システム1の動作を説明する。美容システム1は、各種電子部品の動作を制御するCPU113やパルス直流電流を発生させる出力部116を有している。CPU113に対しては、電源部110から電気が供給されるように構成されている。表示部112には、現在の並びに/又は設定の電圧量、周波数(パルス)及び持続時間などの項目が表示される。操作部111から送信される信号に基づき、CPU113が作動する。CPU113が出力部116(電圧調整部114及びパルス発生部115)を制御し、所定の範囲の電流量及び所定の範囲の周波数のパルス直流電流を発生させる。発生したパルス直流電流は、出力部116に設けられた導電コードを通じて一方の導子118に流れ、生体Sを通って、他方の導子118へと流れる。この時、回路に流れる電流量は、電源部110と導子118との回路中に設けられた電流測定部117によって測定される。本実施態様においては、電流測定部117にて測定された電流量に応じて、操作部111を操作して、生体Sに導電する電流量を調節することが可能である。他の実施態様において、電流測定部117によって出力される電力値が所定の範囲の電流値となるように、フィードバック制御する機能を有するものであってもよく、その場合、CPU113が作動することにより、出力部116を調節し、所定の範囲の電流量となるよう調節される(図3を参照)。
本発明において、生体Sに導電する電流は、電流値が1〜1000μAの範囲となるように制御される。生体Sに導電する電流は、10〜500μAの範囲となるように制御されることが好ましく、さらに好ましくは50〜200μAの範囲である。上記の範囲に電流量を制御して印加することにより、生体の任意の部位に存在するリンパ管内皮細胞に作用し、その形態が伸張され、リンパ管機能が亢進される。その結果、リンパ管の一部に隙間が形成され、従来では回収できない大きな老廃物(例えば、水分、タンパク質、炎症性細胞など)が回収され、むくみが改善する(図9参照)。一般に、生体に導電される電流量は、生体の任意の部位の構成(例えば、水分量、筋肉量、脂肪量など)や、導子の接触面積などにより抵抗が変化する。そのため、本発明の効果が最も得られるように、電圧調整部114により、電流値が1〜1000μAの範囲にリアルタイムで調節されることが好ましい。
本発明において、生体Sに導電するパルス直流電流は、1〜1000Hzのパルス直流電流となるように制御される。生体Sに導電するパルス直流電流は、10〜500Hzの範囲となるように制御されることが好ましい。上記の範囲にパルス直流電流を制御した電気を印加することにより、生体の任意の部位に存在するリンパ管内皮細胞に作用し、その形態が伸張され、リンパ管機能が亢進される。その結果、リンパ管の一部に隙間が形成され、従来では回収できない大きな老廃物(例えば、水分、タンパク質、炎症性細胞など)が回収され、むくみが改善する(図9参照)。
本発明において、生体Sに導電するパルス直流電流は、1分〜120分間印加されることが好ましく、より好ましくは、5分〜60分間である。上記時間、パルス直流電流を生体Sに印加することにより、生体の任意の部位に存在するリンパ管内皮細胞に作用し、その形態が伸張され、リンパ管機能が亢進される。その結果、リンパ管の一部に隙間が形成され、従来では回収できない大きな老廃物(例えば、水分、タンパク質、炎症性細胞など)が回収され、むくみが改善する(図9参照)。
一実施態様において、本発明の美容システム1は、図1のように、出力部16と電流測定部17が別途設けられたものであってもよく、1つの筐体内に納められたデバイスであってよい。
本発明の美容システムは、電流値が1〜1000μAの範囲となるように制御され、1〜1000Hzとなるように制御されたパルス直流電流を、1分〜120分間印加するシステムである。これは、従来の筋収縮を引き起こす装置の電流値(例えば、10mA以上)と比較して、極めて微弱なパルス直流電流を印加するシステムである。すなわち、従来の筋肉を収縮させるポンプ作用を利用するむくみ改善装置とは全くことなり、リンパ管内皮細胞に直接働きかけるメカニズムによって、安全かつ効果的に生体の任意の部位のむくみを改善する装置である。本発明の美容システムは、極めて微弱なパルス直流電流を印加することから、生体に痛みをほとんど与えず、皮膚組織が薄い部分、例えば、顔などにも適用することが可能となる。
<美容システムを用いた美容方法>
本発明の一実施態様において、
電源部と、
前記電源から供給される直流電圧を、所定の範囲の電流値となるように制御する電圧調整部と、
前記直流電圧をパルス直流電流へ変換するパルス発生部と、
前記パルス直流電流を印加するための、少なくとも一対の導子と、
前記電源と前記導子の間に設けられ、電流を測定するための電流測定部と、
を備える美容システムを用い、
前記少なくとも1対の導子を、生体の任意の部位に接触させ、
1〜1000μAの範囲で、1〜1000Hzのパルス直流電流で印加する工程を含む、
生体の任意の部位のむくみを改善することを特徴とする、美容方法を提供する。
本発明において、生体Sに導電する電流は、電流値が1〜1000μAの範囲、好ましくは10〜500μAの範囲、さらに好ましくは50〜200μAの範囲となるように制御する。これにより、生体の任意の部位に存在するリンパ管内皮細胞に作用し、その形態が伸張され、リンパ管機能が亢進される。その結果、リンパ管の一部に隙間が形成され、従来では回収できない大きな老廃物(例えば、水分、タンパク質、炎症性細胞など)が回収され、むくみが改善する。
本発明において、生体Sに導電するパルス直流電流は、1〜1000Hzのパルス直流電流、好ましくは10〜500Hzの範囲となるように制御する。上記の範囲にパルス電流を制御することにより、生体の任意の部位に存在するリンパ管内皮細胞に作用し、その形態が伸張され、リンパ管機能が亢進される。その結果、リンパ管の一部に隙間が形成され、従来では回収できない大きな老廃物(例えば、水分、タンパク質、炎症性細胞など)が回収され、むくみが改善する(図9参照)。
本発明において、生体Sに導電するパルス直流電流は、1分〜120分間実施されることが好ましく、より好ましくは、5分〜60分間である。上記時間、パルス直流電流を生体Sに印加することにより、生体の任意の部位に存在するリンパ管内皮細胞に作用し、その形態が伸張され、リンパ管機能が亢進される。その結果、リンパ管の一部に隙間が形成され、従来では回収できない大きな老廃物(例えば、水分、タンパク質、炎症性細胞など)が回収され、むくみが改善する(図9参照)。
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
<実施例1>
<電気刺激によるリンパ管内皮細胞の変化>
酸化インジウムスズ(ITO)を用いてリンパ管内皮細胞(lymphatic endothelial cells、LECs)に電気刺激を行えるデバイスを作製した(図1(A)、Kajiya K.,et al.,Electric current−induced lymphatic activation.Exp.Dermatol.2014 Dec;23(12):936−8.を参照のこと)。LECsを電気刺激した後、細胞形態や細胞内Ca濃度、シグナル伝達因子である細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)及びp38のリン酸化について検討した。
1、2又は3Vの直流電流でLECs(Promo Cell社、カタログ番号:C−12216)を30秒間刺激したところ、2Vにおいて細胞が最も伸展し(図4(C))、細胞内Ca濃度が増加し(図示しない)、ERKとp38のリン酸化が認められた(図5(A))。電気刺激によるLECsの応答の持続性については、電気刺激後15分にはERKとp38のリン酸化が亢進され、24時間ではほぼ刺激前の状態に戻っていた(図5(B))。
次に、電気刺激によるLECs内のCa濃度増加において、細胞外にCaが存在しない場合では濃度変化が認められなかった(図示しない)。また、テトロドトキシンによって電気刺激によるCa濃度増加が阻害されたが、ニフェジピンでは阻害されなかったことから、電位依存性Caチャネルではなく電位依存性Naチャネルが細胞内へのCa流入に関わることが示唆された(図示しない)。さらに、細胞接着に関わるfocal adhesion kinase(FAK)の阻害剤により、電気刺激によるERKとp38のリン酸化が抑制されたことから、電気刺激はFAKを介してERKやP38に伝達されると考えられた(図示しない)。
また、電気刺激の刺激様式を変化させたところ、100Hzのパルス、かつ、200μAの電流量において、p38のリン酸化が最も亢進され、LECsにおける最適な刺激様式であることが示唆された(図6)。
電気刺激のLECsへの長期的な影響を検討したところ、電気刺激によってLECsの増殖性が促進され、また、プラス極側へ遊走される極性を持つことが明らかになった(図7)。
電気刺激の印加時間が、細胞増殖にどのような影響を与えるかを調べるために、100Hzのパルス、かつ、200μAの電流量において、5分及び10分刺激を行った。その結果、5分及び10分間刺激することにより、LECsの細胞数が時間依存的に増加することが明らかとなった。
以上より、電気刺激に応じてLECsが形態を伸展させてリンパ管の回収機能を促進すること、また、長期的にはプラス極側へとリンパ管が新生されることが示唆された。
<実施例2>
<電気刺激によるヒトでのむくみ改善効果の検証>
生体において、微弱パルス直流電流を印加することにより、ヒトにおいてむくみ改善効果が得られるかどうかを確かめるために以下の実験を行った。
28〜36歳の健康な女性ボランティア6名が本研究へ参加登録した。
下肢の容積をアルキメデスの原理(脚の体積は、置換した水の量と等しい)を用いて決定した。各被験体には、急激な血管収縮反応を避けるために、32℃〜34℃のぬるま湯で満たされた透明なアクリル容器に下肢をゆっくりと入れてもらった。容器の高さは約50cmであり、足、足首、及びふくらはぎを収容する1000〜2500mLの容積を測定することができる。変位した体積全体が容器外に溢れ出すために、正確で再現性のある測定が可能となる(Fukuda K.,Antiedema effects of Siberian ginseng in humans and its molecular mechanism of lymphatic vascular function in vitro.Nutr.Res.2016 Jul;36(7):689−695を参照のこと)。
本研究には、電気発生器(エヌエフ回路設計ブロック社製、型番:WF−1943A)及びそれに接続した1対の電極パッド(オムロン株式会社製、型番:HV−JPAD)及び電流測定器(カイセ株式会社製、型番:KT−2011)により構築したシステムを用いた(図10)。図10のように、ふくらはぎの両側をはさむように電極パッドを貼付した。
パルス直流電流5Vp−p(振幅)、OFS5〜9V(オフセット電圧) 100Hzにて、電流が200μA程度となるように調節し、10分間電気刺激を行った。下肢体積を上記の手順にて測定して、むくみ度を算出した。10分間座位後の状態をコントロールとし、座位の状態で10分間電気刺激をした場合と比較した。
その結果、10分間、100Hz、200μA程度の電流にて印加した場合、有意に下肢体積が減少することが明らかとなった(図8(B))
<実施例3>
<周波数を変えた電気刺激によるヒトでのむくみ改善効果の検証>
さらに、実施例3と同様のシステムを用い、電流は200μAとなるように調節し、周波数を1Hz、100Hz又は10,000Hzと変えて10分間電気刺激を行った。その場合の下肢体積を上記の手順に従って測定した。
その結果、いずれの周波数(1Hz、100Hz又は10,000Hz)においても、座位(コントロール)と比較して有意にむくみ改善効果が得られたが、再現性良く効果が得られたのは、1Hz及び100Hzであった。
1 美容システム
110 電源部
11、111 操作部
12、112 表示部
113 CPU
114 電圧調整部
115 パルス発生部
16、116 出力部
17、117 電流測定部
17a 表示部
18、118 導子
19 導電コード
S 生体

Claims (4)

  1. 電源部と、
    前記電源部から供給される直流電圧を、所定の範囲の電流値となるように制御する電圧調整部と、
    前記直流電圧をパルス直流電流へ変換するパルス発生部と、
    前記パルス直流電流を印加するための、少なくとも一対の導子と、
    前記電源部と前記導子の間に設けられ、電流を測定するための電流測定部と、
    を備え、ここで、
    前記少なくとも1対の導子が、生体の任意の部位に接触され、
    前記電圧調整部によって前記所定の範囲の電流値が100〜250μAの範囲となるように制御され、前記パルス発生部によって50〜200Hzとなるように制御されたパルス直流電流が、1分〜120分間印加されることにより、前記生体の任意の部位のむくみを改善することを特徴とする、美容システム。
  2. 前記電圧調整部及び前記パルス発生部を制御するCPUをさらに備える、請求項1記載の美容システム。
  3. 前記CPUは、前記電流測定部によって出力される電力値が前記所定の範囲の電流値となるように、フィードバック制御する機能を有する、請求項に記載の美容システム。
  4. 前記生体のむくみを改善することが、リンパ管内皮細胞に作用し、リンパ管機能を亢進するものである、請求項1〜のいずれか1項に記載の美容システム。
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