以下、本発明に基づき構成される人事管理システムについて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1には、本発明に基づき構成される人事管理システムの一例を模式的に示している。本実施形態の人事管理システム1は、部署(部署A〜部署C)毎に割り当てられている端末手段Y1〜Y3と、該端末手段Y1〜Y3が接続される管理サーバ10と、評価部署端末20と、該端末手段Y1〜Y3、評価部署端末20と、該管理サーバ10とを接続する接続手段としての通信ネットワーク2とを含んでいる。なお、図では説明の便宜上、評価対象となる部署を3つのみ示しているが、当然これに限定されるわけではなく、当該企業が、2部署、或いは、これより多数の部署により組織された場合も含む。また、図1では、一点鎖線を境に、左側に企業内を、右側に当該企業とは会計を異にする外部組織を示す。
管理サーバ10は、コンピュータから構成され、高速な中央演算処理装置(CPU)、大規模な記憶手段(RAM、ROM等の主記憶装置、磁気ディスク等の補助記憶装置等)を備えたものであることが好ましいが、これに限定されるものではない。該管理サーバ10には、コントロール手段、口座記憶手段等が備えられており、詳細については、後述する。
本実施形態では、説明の便宜上端末手段Y1〜Y3を部署毎に配置した例を示すが、必ずしも部署毎に1台である必要はなく、従業員1人に1台ずつ割り当てるようにしてもよい。該端末手段Y1〜Y3は、パーソナルコンピュータを使用することができるが、これに限らず携帯型のタブレット型端末を使用する等、後述する業務情報を入力し、管理サーバ10に情報を送信できる機能を備えるものであれば、どのような端末を使用することもできる。
通信ネットワーク2は、一般的に知られたインターネット回線を利用することができる。インターネット回線を利用することを想定して通信ネットワーク2を構成することで、端末手段Y1〜Y3が当該企業の外部にある状態でも管理サーバ10にアクセスして必要な情報の入力が可能になる。なお、本発明はこれに限定されず、企業内のみに限定したLAN(Local Area Netwaork)回線のみで当該通信ネットワーク2を構成すること、或いはインターネット回線と企業内のLANを組み合わせて構成することも可能であり、有線、無線を含め端末手段Y1〜Y3と管理サーバ10とを接続することが可能なあらゆるネットワーク手段を採用することができる。
図に示すように、各部署A〜Cには、各部署A〜Cに所属する従業員(a1〜a12、b1〜b8、c1〜c10)が紐付けされており、被評価対象となる各部署A〜Cと従業員がグループ化されている。なお、本発明における「部署」は、複数の従業員が所属する集合体を指すものであればよく、形式や名称により限定されず、部門、部、課、係、グループ等、いかなる集合体をも含む。
管理サーバ10は、金銭の授受が発生することが想定される外部組織G(サプライヤー、官公庁、輸送会社、ユーザー、ライセンサー、ライセンシー等)と通信ネットワーク2を介して接続されており、外部組織Gと当該企業との業務、及び該業務に対する支払い金額の情報が管理サーバ10で管理されるように構成されている。
本実施形態における人事管理システム1の管理サーバ10について、図2を用いてさらに詳細に説明する。管理サーバ10には、少なくとも、コントロール手段12と、口座記憶手段14が備えられている。該コントロール手段12は、本発明に基づき構成されたポイント設定部12a、ポイント交換部12b、外部支出入管理部12c、人事評価部12d、及び投資口座管理部12eにより構成される。
外部支出入管理部12cは、外部支出管理部121と、外部収入管理部122とから構成され、人事評価部12dは、部署評価部123と、個人評価部124とから構成されている。該コントロール手段12を構成するポイント設定部12a、ポイント交換部12b、外部支出入管理部12c、人事評価部12d、投資口座管理部12eは、コンピュータプログラムから構成され、管理サーバ10のメモリに登録され、端末手段Y1〜Y3から入力された情報に基づき、割り当てられた処理を適宜実行する。また、該口座記憶手段14は、磁気ディスク等の補助記憶装置により構成され、ポイント交換部12bにより管理される。
人事評価部12dは、口座記憶手段14に記憶された口座のポイント残高の情報を参照しながら部署評価、個人評価を実行するものであり、人事評価部12dによって実行され得られた人事評価の情報は、管理サーバ10にアクセスする端末手段の内、人事評価を担う担当者がアクセスしていることが識別された評価部署端末20からのみ閲覧することができるように設定される。なお、投資口座管理部12eについては、おって詳述する。
本発明の人事管理システム1は、概ね以上のように構成されており、該人事管理システム1で流通するポイントが、どのようにして各部署の部署口座、個人口座に蓄積されるのかについて業務及びポイントの流れの例を図3に、部署口座及び個人口座の構成例については図4を参照しながら説明する。
本発明において扱われる部署、及び従業員の口座の一例が図4(a)に示されている。部署Aの口座は、部署Aのポイントを管理する部署口座XAと、部署Aに紐付けされた従業員(全12名)に割り当てられ個人の業務遂行により発生するポイントを管理するための個人口座a1〜a12と、から構成されている。
部署Bの口座は、上記した部署Aと同様に、部署Bのポイントを管理する部署口座XBと、部署Bに紐付けされた従業員(全8名)に割り当てられ個人の業務遂行により発生するポイントを管理するための個人口座b1〜b8とから構成され、部署Cの口座も上記と同様に、部署Cのポイントを管理する部署口座XCと、部署Cに紐付けされた従業員(全10名)に割り当てられ個人の業務遂行により発生するポイントを管理するための個人口座c1〜c10とから構成されている。ここで、「部署口座」とは、部署、及び所属する従業員に部署外から振り込まれたポイント、及び部署、及び所属する従業員が外部の部署、又は個人口座に振り込んだポイントを管理するための口座であり、「個人口座」とは、従業員個人が業務を依頼し、或いは請け負った業務に関連して交換されたポイントを管理するためのものである。より具体的に言えば、部署口座、又は従業員の個人口座から他の部署に所属する従業員の個人口座にポイントが振り込まれた場合は、振り込まれた従業員の個人口座にポイントが加算されると共に、該ポイントが振り込まれた従業員の個人口座が紐付けされた部署の部署口座にも同額のポイントが加算される。また、部署に所属する従業員の個人口座から他の部署に所属する従業員の個人口座にポイントが振り込まれた場合は、振り込んだ従業員の個人口座からポイントが減算されると共に、振り込んだ個人口座が紐付けされた部署の部署口座からも該ポイントが減算される。そして、部署に所属する従業員の個人口座の間、あるいは部署に所属する従業員の個人口座と部署口座との間においてポイントの交換があった場合は、当該部署の部署口座は変動しない。
上述した各口座の残高の情報は、管理サーバ10に備えられた口座記憶手段14に記憶されるものであり、人事評価の対象となる所定の期間の期初、例えば年度の初めにおける各部署の部署口座XA、XB、XC、及び各個人口座a1〜a12、b1〜b8、c1〜c10のポイント残高はすべて0に設定される。そして、各部署A〜Cに割り当てられた端末手段Y1〜Y3によって、各部署、各従業員によって遂行される業務、該業務に応じて設定されるポイント、及び各業務が完了した旨の情報等が入力されることにより、各口座のポイント残高が変化する。実際に業務が発生してから各口座のポイント残高が増減する過程を、より具体的に説明する。
先ず、外部組織Gに分類されるユーザーUが、当該企業の製品P(1,000万円)を購入すべく営業を担当する部署Cに発注したものとする(図3中(ア))。本業務は、外部組織Gからの収入となる業務であるため、本件業務を割り当てられた部署Cに所属する従業員c1が、端末手段Y3から、管理サーバ10内に構成されたコントロール手段12の外部支出入管理部12cの外部収入管理部122にアクセスし、部署Cが1,000万円で製品Pを受注したこと、従業員c1に1,000,000ポイントで当該業務が割り当てられたことを入力する。
上記製品Pは、ベースとなる製品に対してユーザーUの要求仕様に合わせたカスタマイズが必要であるため、従業員c1は、ユーザーUの要求仕様に基づくカスタマイズを、設計担当の部署Bの従業員b1に依頼する(図3中(イ))。この際、従業員c1と、従業員b1との間で、業務に必要な負荷、時間を考慮し、当該設計に係る業務に応じたポイントが設定される。本実施形態では、当該設計業務に応じたポイントを1,000,000ポイントと設定し、請け負った従業員b1は、所属する部署の端末手段Y2から、管理サーバ10のコントロール手段12にアクセスし、ポイント設定部12aに、依頼元の部署情報、当該業務内容、それに応じたポイントを入力する。
従業員b1は要求仕様に従いカスタマイズ設計を行い、受注した上記設計業務を完了させる。製品Pの設計図面が完成した旨を従業員c1に報告し(図3中(ウ))、正式に受領されれば、従業員b1が遂行した業務が完了した旨の情報を、端末手段Y2からコントロール手段12にアクセスして入力する。本件業務は、部署Cから請け負った業務であるため、コントロール手段12のポイント交換部12bは、部署Cの部署口座XCから従業員b1の個人口座b1に対して1,000,000ポイントを振り込むポイント交換を実施する。なお、本実施形態では、部署口座XCから直接個人口座b1にポイントを振り込むようにしたが、これに限定されず、形式的に部署口座Cから担当している従業員である個人口座c1に1,000,000ポイントを振り込み、個人口座c1を経由して部署Bの個人口座b1に振り込むようにしてもよい。この時点では、部署B、部署Cの部署口座XB、XC、従業員b1の個人口座b1は、以下のように変化する。
部署B:
部署口座XB=1,000,000ポイント
個人口座b1=1,000,000ポイント
部署C:
部署口座XC=−1,000,000ポイント
補足すると、本発明の「ポイント交換部」の作用により、部署口座、又は従業員の個人口座から他の部署に所属する従業員の個人口座にポイントが振り込まれた場合は、振り込まれた従業員の個人口座にポイントが加算されると共に、該従業員が所属する部署の部署口座にも同ポイントが加算されるようになっているため、部署Cの部署口座XCから他の部署Bの従業員b1の個人口座b1に1,000,000ポイントが振り込まれると共に、部署口座XBにも同ポイントが加算されている。
完成した設計図面に基づき従業員c1は、製造を担当する部署Aに製品Pの製造を依頼する。従業員b1によって作成された該設計図面は、製造を担当する部署Aに送られ、部署Aが請け負う製品Pの製造業務の負荷、製造に必要な部品代等の製造コストを考慮して8,000,000ポイントが設定され発注される(図3中(エ))。製品Pの製造は、部署Aに所属する複数の従業員によってなされるものであり、従業員個人ではなく部署Aに発注される。部署Aでは、当該製品Pの製造を担当する担当者として従業員a1〜a4の4名を割り当て、当該製造業務に応じ1人につき500,000ポイントが設定される。そして、該担当者は、部署Aが部署Cから製品Pの製造を8,000,000ポイントで受注したこと、該製造業務を部署A内の従業員a1〜a4に割り当て、従業員a1〜a4が製造に係る業務を500,000ポイントで請け負ったことを、部署Aの端末手段Y1から管理サーバ10にアクセスし、ポイント設定部12aに入力する。なお、本実施形態では、部署Cから部署Aに対して製品Pの製造を依頼したが、例えば、設計を担当する部署Bに対して製造を含めた業務を依頼し、部署Bから部署Aに対して製品Pの製造が依頼されるようにしてもよい。
部署Aでは、製品Pを製造するに当たり、部品p1、p2を外部のサプライヤーから購入する必要があるため、外部組織GのサプライヤーSに必要部品p1、p2を600万円で発注する(図3中(オ))。この業務は、外部組織Gに対する支出を伴うものであるため、コントロール手段12の外部支出管理部12cの外部支出管理部121に業務内容、及び実際の支出予定の金額が登録される。なお、説明の都合上、発注する部品をp1、p2のみで記載したが、実際は複数のサプライヤーに対してより多数の部品が発注されることが想定される。
サプライヤーSに発注していた部品p1、p2が部署Aに納品されると(図3中(カ))、部署Aからは、部品p1、p2に応じた金額600万円がサプライヤーSに支払われる。端末手段Y1から、部品p1、p2が納品され部品p1、p2の代金が支払われた旨の情報がコントロール手段12に入力されると、外部支出管理部121が実行されることにより、口座記憶手段14のポイントを管理するポイント交換部12bに該情報が伝達され、部署Aの部署口座XAから当該代金に相当するポイント=6,000,000ポイントが差し引かれる。この時点では、部署A〜Cの部署口座XA、XB、XC、及び従業員の個人口座b1の残高は、以下のようになる。
部署A:
部署口座XA=−6,000,000ポイント
部署B:
部署口座XB=1,000,000ポイント
個人口座b1=1,000,000ポイント
部署C:
部署口座XC=−1,000,000ポイント
部署Aにおいて製品Pの製造を担当する従業員a1〜a4は、割り当てられた当該業務を遂行し、製品Pを組み立てて完成させ、ユーザーUとの窓口となる部署Cに納品する(図3中(キ))。なお、部署A、部署Cは同じ企業内の部署であることから、当該「納品」は、必ずしも製品Pを物理的に部署Cに移動させることを意味せず、製品Pを部署A内に、或いは、当該企業内の所定の完成品置場に保管し、製品Pが完成した旨の報告が部署Cになされることでもよい。そして、製品Pが部署Cに納品された後、製造を担当した部署Aの端末手段Y1から、製品Pの製造業務が完了した旨をコントロール手段12に入力する。これにより、ポイント設定部12aに設定されていたポイントに基づいて、部署Cの部署口座XCから部署Aの部署口座XAに8,000,000ポイントが振り込まれ、それと同時に部署口座XAから部署Aに所属する製造を担当した従業員a1〜a4の個人口座a1〜a4のそれぞれに500,000ポイントが振り込まれる。ここで、本発明に基づき構成されたコントロール手段12では、部署口座から当該部署に所属する従業員にポイントを振り込んだ場合は、部署口座XAの口座を変動させないようにしている。これにより、各口座の残高は以下のようになる。
部署A:
部署口座XA=2,000,000ポイント
個人口座a1=500,000ポイント
個人口座a2=500,000ポイント
個人口座a3=500,000ポイント
個人口座a4=500,000ポイント
部署B:
部署口座XB=1,000,000ポイント
個人口座b1=1,000,000ポイント
部署C:
部署口座XC=−9,000,000ポイント
個人口座c1=−9,000,000ポイント
上記の口座残高の変化について補足すると、部署Cの部署口座XCから部署Aに振り込まれた8,000,000ポイントは、部署Aの部署口座XAに振り込まれ、該部署口座XAの残高が−6,000,000ポイントから2,000,000ポイントとなる。そして、部署口座XAから、製品Pの製造を担当した従業員a1〜a4の各個人口座a1〜a4に500,000ポイントが振り込まれる。ここで、上述したように、同じ部署内におけるポイントの交換では部署口座を変動させないようにしているので、部署Aの部署口座XAは2,000,000ポイントのままで変化はしない。
部署Cは、製品Pの完成を受け、当該製品PをユーザーUに納品する(図3中(ク))。製品Pを受領したユーザーUは、製品Pの代金として1,000万円を部署Cに支払う。この、納品完了、支払完了情報を従業員c1が端末手段Y3から入力する。ユーザーUから支払われた代金1,000万円は、外部組織Gから支払われる現実の金銭であり、図3に示す外部収入管理部122が実行されることにより、ユーザーUから1,000万円の収入があった旨の情報がポイント交換部12bに送られ、代金1,000万円に相当する10,000,000ポイントが部署Cの部署口座XCに振り込まれる。それと同時に当該業務が完了したことにより、部署口座XCから、部署Cにおいて当該業務を担当した従業員c1の個人口座c1に1,000,000ポイント振り込まれる。以上で、製品Pが外部組織GのユーザーUから発注され、企業内にて各部署が連携し、最終的に製品PがユーザーUに納入されるまでの業務が遂行されたことになる。これにより、各口座の残高は以下のようになる。
部署A:
部署口座XA=2,000,000ポイント
個人口座a1=500,000ポイント
個人口座a2=500,000ポイント
個人口座a3=500,000ポイント
個人口座a4=500,000ポイント
部署B:
部署口座XB=1,000,000ポイント
個人口座b1=1,000,000ポイント
部署C:
部署口座XC=1,000,000ポイント
個人口座c1=1,000,000ポイント
なお、上述したポイントの振り込み、交換等は、単なる一例にすぎず、業務に伴ってポイントが振り込まれる際の振り込み先、ポイント額等、ポイント交換の時期は適宜部署、従業員間において調整される。例えば、上述した実施例では、製品Pのカスタマイズ設計を、部署Bの従業員b1に直接依頼したが、従業員b1個人ではなく、部署Bに対して業務を依頼し、適宜部署B内にて必要業務を適任者に振り分けてもらうようにしてもよく、その場合はカスタマイズ設計の対価となるポイントは部署Cの部署口座XCから部署Bの部署口座XBに振り込まれ、部署口座XBから個人口座b1へ業務に応じたポイントが振り込まれることとなる。
上述した実施形態においては、業務完了までの過程で、各口座の残高が負の値(マイナス)になることがある。よって、この途中の段階で評価を行う場合、各従業員が業務を問題なく遂行しているにも係わらず、口座の残高に基づいて評価を実施すると、評価の結果において不公平が生じる場合が想定される。これを防止すべく、業務発生から完了までの間のポイントを一時的に立て替えて振り込む、仮想の「銀行(バンク)」のような役割を担う構成をポイント交換部に備えることもできる。本実施形態でいえば、部署Cの部署口座XCから部署Bの従業員b1の個人口座b1への振り込み、製品Pを製造した部署Aの部署口座XAへのポイント振り込み、或いは、部署Aから外部組織GのサプライヤーSに対する金銭の支払いに伴うポイントの支出を、当該「銀行(バンク)」が立て替えて実施し、各業務の完了に伴いポイントが各口座に振り込まれた時点で、立て替えられていたポイント分を、当該「銀行(バンク)」に返済するようにしてもよい。そのようにすることで、順調に遅滞もなく遂行されている業務であるにも関わらず、評価のタイミングによって不当に低い評価をされることが防止される。
上述したように、各部署、従業員が請け負った業務が遂行されることにより、部署口座、個人口座のポイントの残高が増減する。図4(a)には、所定期間、例えば6ケ月間の業務を遂行することにより蓄積された口座のポイント残高が示されている。なお、図4(a)では、部署Bを除く部署A、Cについては、全ての個人口座についての残高を示しておらず、一部省略されている。ここで、図4(a)に示すように、部署Aの部署口座XAの残高は12,000,000ポイントであり、各個人口座の内、最も残高が高い個人口座は個人口座a3の1,250,000ポイント、最も残高が低い個人口座は、個人口座a4の500,000ポイントであったことが理解される。
同様に、部署Bの部署口座XBの残高は12,000,000ポイントであり、個人口座の残高が最も高いのは、個人口座b8の1,600,000ポイント、最も低いのは個人口座b2の900,000ポイントであること、さらに、部署Cの部署口座XCの残高は13,000,000ポイントであり、個人口座の残高が最も高いのは個人口座c2の2,500,000ポイント、最も低いのは個人口座c10の900,000ポイントであることが理解される。なお、上述したように、各口座の残高は業務を遂行するに伴い単純に増加するものではなく、業務の発注、受注を互いにし合うことで増減するものである。また、部署口座は、各部署に所属する従業員の個人口座のポイントの他に、部署口座に直接振り込まれたポイントも含んでおり、必ずしも個人口座のポイントの合算とならないことは上述した説明から明らかなとおりである。
人事評価部12dの部署評価部123、個人評価部124の作用について説明する。部署評価部123は、所定の期間の部署の評価を実行すべく、所定の期間の期末日における各部署A〜Cの部署口座XA〜XCの残高を当該部署の所属人数(部署A:12名、部署B:8名、部署C:10名)で除算する。これにより、図4(b)に示されているように、各部署の一人当たりのポイントが算出される。この数値に基づいて部署A〜Cの評価を実施する。図4(b)の例では、最も高い評価を得るのは、部署Bであり、最も低い評価となるのは、部署Aとなる。このように、単純に部署の部署口座の残高が大きくても必ずしもその部署が高評価とはならず、一人当たりのポイントが高い部署が、効率よく企業の業績に貢献したとして評価されるのである。
これに対し、個人の評価は、個人評価部124を実行することで、個人口座のポイントの残高に基づいて実施される。図4(a)から明らかなように、最も残高が高かった従業員は、部署Cに所属する従業員c2であり、最も低かった従業員は、部署Aに所属する従業員a4であった。このように、部署の評価、及び当該個人口座のポイントの残高に基づいて部署、個人の評価が実施されることになる。
ここで、本発明に基づき構成される人事管理システム1においては、図2に示されているように、管理サーバ10のコントロール手段12内に、投資口座管理部12eが設けられており、投資口座管理部12eは、投資口座設定部125、ポイント投資部126、配当実施部127を含んでいる。投資口座設定部125は、個人又は部署によって設定される活動に必要な投資を募る投資口座を、口座記憶手段14内に開設する投資口座開設ステップを実行する機能を奏する。また、ポイント投資部126は、活動に賛同した部署又は個人が、自身の口座から投資口座にポイントを振り込む投資ステップを実行する機能を奏する。さらに、配当実施部127は、設定された投資口座に基づいて遂行された活動により予め設定された条件を満たす収益が出た場合に、該活動に投資した個人の個人口座、部署の部署口座に対して、投資された投資ポイント額と該収益とに応じたポイントを配当として振り込む配当ステップを実行する機能を奏する。図2に示すように、口座記憶手段14には、部署口座、個人口座の他に、従業員個人又は部署が開設する投資口座の情報が記憶される投資口座記憶領域が設定されており、当該投資口座記憶領域の投資口座情報は、上記した投資口座管理部12eによって設定及び管理がなされる。
図5を参照しながら、従業員個人(又は部署)が提案する活動と、投資口座の関係について具体的に説明する。なお、図5では、図2に示した管理サーバ10内に配設されるコントロール手段12を簡略化して示し、口座記憶手段14については、部署口座、個人口座の情報を説明の便宜上、省略して示している。
本実施形態では、部署Aに所属する個人a1が、新たな機能を有する製品Rの開発(以下、「プロジェクトR」という。)を提案するものとする。個人a1は、端末手段Y1から、管理サーバ10のコントロール手段12にアクセスし、プロジェクトRについての提案情報を入力し登録する。プロジェクトRについての情報とは、提案者(以下、「オーナー」という。)である個人a1の情報、プロジェクトRにおいて開発される製品が、具体的にどのような製品であるのか、付加される新たな機能とは何であるのかを示す情報、当該プロジェクトRの活動開始に必要な予算、目標活動開始ポイント(例えば、12,000,000ポイントとする。)、活動開始予定時期等を含む(図5中の(1)を参照。)。なお、上述したように、当該人事管理システム1は、企業内においてポイントを通常の通貨と同等の価値で流通させるものであり、企業の外部に対しても、外部支出入管理部12cを介することにより、通常の通貨と同等の価値で使用することが可能である。そして、該プロジェクトRに関して必要な情報が入力され登録されると、投資口座管理部12eの投資口座設定部125によって投資口座設定ステップが実行される。該投資口座設定ステップが実行されると、口座記憶手段14内の投資口座記憶領域に、投資口座K1が開設され、該管理サーバ10にアクセス可能な従業員に提案内容が告知され、従業員がプロジェクトRの情報を閲覧することが可能な状態となる。
投資口座K1が開設されて、企業内に広く告知された提案内容を各従業員が閲覧し、プロジェクトRについての評価を実施する。プロジェクトRの提案内容に賛同できる場合、従業員は個人単位、又は部署単位で投資をすることができる。本実施形態では、オーナー(個人a1)自身が1,000,000ポイントを投資すると共に、複数の出資者が投資に応じ、例えば、個人b1が500,000ポイント、部署Cが2,000,000ポイント投資したものとする。
個人a1は、プロジェクトRの提案情報を入力した時点で、自身が1,000,000ポイント投資することを入力しているため、当該投資情報が、投資口座管理部12eのポイント投資部126に伝えられ、ポイント投資部126は、ポイント交換部12bを介して、個人a1の個人口座a1から投資口座K1に対して、1,000,000ポイントが振り込まれる投資ステップを実行し、該情報が登録される(図5中(2)を参照。)。このステップが実行されることにより、個人口座a1からは、1,000,000ポイントが減算される。また、個人b1は、端末手段Y2から自身の個人口座b1から投資する旨、及び投資するポイントが500,000ポイントであることを入力する。入力された情報は、投資口座管理部12eのポイント投資部126に伝えられ、ポイント投資部126は、ポイント交換部12bを介して、個人b1の個人口座b1から投資口座K1に対して、500,000ポイントが振り込まれる投資ステップを実行し、該情報が投資口座K1に登録される(図5中(3)を参照。)。なお、この投資ステップが実行されることにより、個人b1の個人口座b1からは、投資した500,000ポイントだけ減算されて、個人口座b1のポイント残高が減少する。また、個人a1と個人b1からの投資がなされることで、上述した当該人事管理システムのルールに従い、個人口座a1、個人口座b1から減算されたポイントだけ、それぞれが紐付けされている部署口座XA、部署口座XBから減算される。
上記と同様に、部署Cが投資すること、投資ポイントが2,000,000ポイントであることを、端末手段Y3から入力(この場合は、部署内のいずれかの担当者が入力すればよい。)する。入力された情報は、投資口座管理部12eのポイント投資部126に伝えられ、ポイント投資部126は、ポイント交換部12bを介して、部署Cの部署口座XCから投資口座K1に対して、2,000,000ポイントが振り込まれる投資ステップを実行し、投資口座K1に登録される(図5中(4)を参照。)。この投資ステップが実行されることにより、部署Cの部署口座XCからは、投資した2,000,000ポイントが減算されて、部署口座XCのポイント残高が減少する。同様にして、他の従業員個人、部署からの投資があった場合は、当該投資口座K1にその出資者と投資ポイントの情報が登録され、合計投資ポイントが算出される。
ここで、上記した合計投資ポイントが、目標活動開始ポイント(12,000,000ポイント)に達したものとする。合計投資ポイントが目標活動開始ポイントに達すると、投資口座K1におけるプロジェクトRの活動が開始可能となることが判定され、オーナーを含む従業員すべてに告知され、オーナーたる個人a1は、オーナーの責任において、プロジェクトRの活動を予め設定された計画に従い開始する。
プロジェクトRの活動が開始されると、投資口座K1のポイントを使用してプロジェクトRが目標に掲げた製品Rの開発業務を遂行することが可能となり、個人a1は、例えば、その具体的な設計・試作業務を部署Bの個人b1に800,000ポイントで依頼し、必要な部品を1,500,000ポイントで外部のサプライヤーから購入する。また、オーナーである個人a1も、当該プロジェクトRに関する業務を遂行する際には、自身の業務遂行に伴うポイントも、当該投資口座K1から支出する。このようなポイントの流通を伴う業務活動は、全て投資口座K1において公開され(図5中(5)、(6)を参照。)、投資された投資ポイントが適切に使用されているかを出資者らが確認できるようになっている。また、このようなポイントの流通は、上述した業務遂行に伴いポイントが流通する例と同様のルールに従いなされるものであるが、当該プロジェクトRの遂行に必要なポイントは、全て投資口座K1から支出され、このプロジェクトRに基づく支出である限り、他の個人口座、部署口座のポイントの残高を減少させない。
プロジェクトRに関する活動が順調に遂行され、成果物の製品Rが完成し、ユーザーに15,000,000円で納入されると、外部支出入管理部12cを介して投資口座K1に、当該売上金額に応じた15,000,000ポイントが収入として計上され(図5中(7)を参照。)、この収入により残高が18,000,000ポイントになったとする(図5中(8)を参照。)。当該プロジェクトRの活動開始時の投資口座K1のポイント残高は、12,000,000ポイントであるので、6,000,000ポイントが収益として計上されたことになる。本実施形態では、このように提案された活動によって活動開始時の投資口座K1のポイント残高を超える収益が出た場合に、出資者に対して該収益に応じた配当をポイントによって振り込むように設定されている。なお、投資ポイントに応じて配当を与える場合は、投資を募る際の提案情報として、配当を行う場合の条件、配当ポイント額の算定方法も合わせて予め提示される。
本実施形態における投資口座K1は、提案されたプロジェクトRにおいて収益が発生した場合、配当実施部127の作用により、活動開始時の合計投資ポイントに占める投資ポイントの比率に応じて、出資者(個人、部署)の個人口座、部署口座に対して配当を振り込むことになっている。例えば、投資口座K1に対する合計投資ポイントが12,000,000ポイントであったのに対し、個人b1が投資したポイントは、500,000ポイントであったので、収益である6,000,000ポイントから得られる配当ポイントは、以下のように計算される。
配当ポイント=6,000,000×(500,000/12,000,000)
=250,000 ・・・・(i)
上記した計算式(i)に基づき算出された250,000ポイントが、配当実施部127の作用により、投資口座K1からポイント交換部12bを介して個人口座b1に配当として振り込まれる。同様に、該プロジェクトRに2,000,000ポイント投資していた部署Cに対しても、同様の計算式で配当ポイントが計算される。
配当ポイント=6,000,000×(2,000,000/12,000,000)
=1,000,000 ・・・・(ii)
上記した計算式(ii)に基づき算出された1,000,000ポイントが、配当実施部127の作用により、投資口座K1からポイント交換部12bの作用により部署口座XCに配当として振り込まれる。
以上のように、個人a1が提案したプロジェクトRが他の従業員、部署から評価され投資を受けることで、独創的な製品Rを開発する活動を行うことができ、それに見合う結果が出た場合は、出資者も投資したポイントに見合う配当ポイントを得ることができる。なお、当該プロジェクトRの活動が予め設定されていた終了条件を満たした場合、終了時点で投資口座K1に残っていたポイントは、出資者に対して、投資していたポイントの比率に応じて分割され返却される。
上述した実施形態では、個人a1が提案した活動(プロジェクトR)が評価され賛同を得て投資が集まり、計画通りに遂行されて成果を成し遂げることにより、得られた収益に応じたポイントが出資者に配当として振り込まれるようにした。しかし、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、必ずしも投資を募ったポイントによって収益を生み出し、配当をポイントで行うことを必須の要件とはしない。例えば、企業活動に有用と思われる知識を有する人を招待し、講演会を開催する活動を実施することを提案し、講師の招待費を含む講演会開催費用等を募る投資口座を開設したとする。この講演会を開催する際に、出席に伴う参加費を企業内で流通するポイントで徴収することで、講師の招待費用などの講演会開催費を回収し、収益を上げることも可能である。しかし、より多くの従業員の講演会への参加を促すため、無償での開催も考えられる。このような場合は、講演会開催に関わる費用を回収することはできず、投資されたポイントに見合う収益を上げて、出資者に配当を実施することは困難である。しかし、そのような場合は、投資口座の開設時に「配当なし」と条件を明記した上で、当該活動の意義をアピールし、投資口座の開設を行ってもよい。そして、その活動に賛同した個人、部署が投資を実行すればよいのである。
上述した実施形態では、投資口座を開設する際に、提案情報として、提案された活動を実施するために必要な目標活動開始ポイントを設定し、投資されたポイントが当該目標活動開始ポイントを越えた時点で、活動が開始可能になることを説明したが、当該「目標活動開始ポイント」は、柔軟に設定されるべきものである。例えば、「目標活動開始ポイント」は、最終成果物が得られるまでの総予算に見合うポイントに設定されることに限定されず、試作・研究を実施する活動である第一期、及び試作・研究段階から実際の製品レベルに仕上げる活動の第二期の2つの期に分けて投資を募り、該第一期の活動に必要な第一期目標活動開始ポイントを先ず設定し、第一期目標活動開始ポイントに投資口座のポイントが達した時点で、活動開始可能となるようにしてもよい。その場合、第一期の活動の成果を公表することによって途中経過を評価してもらい、引き続き第二期の活動に必要な投資を募ってもよい。
本実施形態では、上述の人事管理システム1上において流通するポイントを、現実社会に流通する通貨(円)と同等の価値と定義して用いたが、これに限定されず、現実に流通する通貨と切り離し、企業内の仮想通貨として考案された独自のポイントとすることができる。なお、現実社会で流通する通貨と同等の数値をポイントとして流通させれば、各従業員、或いは部署が企業に対してどの程度貢献したのかが一目瞭然となる効果が得られるので好ましい。また、現実の通貨と同等のポイントを流通させることにより、業務を外部に依頼する場合と、企業内部の部署に依頼する場合とにおけるコスト判断も効率よくでき、無駄なコストを削減することにも繋がる。
上述した本実施形態では、企業内の管理サーバ10にコントロール手段12、口座記憶手段14を配設した例を示したが、該コントロール手段12、口座記憶手段14が現実に配設される場所は特に限定されない。昨今では、災害時等における情報の喪失等を回避するため、企業の外部にサーバを分散して配置することも行われており、通信ネットワーク2を介して企業の外部に配置されたサーバに該コントロール手段12、口座記憶手段14を登録し、人事管理システムを構成することができる。