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JP6913064B2 - はんだ組成物および電子基板の製造方法 - Google Patents
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JP6913064B2 - はんだ組成物および電子基板の製造方法 - Google Patents

はんだ組成物および電子基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、はんだ組成物および電子基板の製造方法に関する。
はんだ組成物は、はんだ粉末にフラックス組成物(ロジン系樹脂、活性剤および溶剤など)を混練してペースト状にした混合物である(特許文献1参照)。近年、はんだとしては、環境問題に配慮して、鉛(Pb)を含有しない鉛フリーはんだが広く使用されている。また、フラックス組成物としては、環境問題に配慮して、ハロゲンを削減したハロゲンフリーや、ハロゲンを全く含有しないノンハロゲンが求められている。
特許第5887330号公報
従来のフラックス組成物中のハロゲン化合物は、優れた性能を有する活性剤として用いられている。また、このハロゲン化合物は、理由は定かではないが、溶融前のはんだ組成物がスルーホールからたれ落ちる現象(以下、「たれ落ち」ともいう)を抑制していることが分かった。このたれ落ちは、例えば、ディスクリート部品(例えば、トランジスタ、ダイオードおよび抵抗部品など)のようにリードを有する電子部品を実装する際に、問題となる。そこで、ハロゲン化合物を用いないで、たれ落ちを抑制する方法が求められている。
本発明は、ハロゲンフリーまたはノンハロゲンであり、かつ、たれ落ちを十分に抑制できるはんだ組成物、並びに、これらを用いた電子基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、次の知見を見出した。すなわち、活性剤である低分子量のジカルボン酸と、融点または軟化点の異なる2種のアマイド系チクソ剤とを併用した場合には、驚くべきことに、ハロゲン化合物を用いないで、たれ落ちを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のはんだ組成物は、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)チクソ剤を含有するフラックス組成物と、(E)はんだ粉末とを含有し、前記(B)成分が、(B1)分子量が133以下のジカルボン酸を含有し、前記(D)成分が、(D1)融点または軟化点が200℃以上のアマイド系チクソ剤、および、(D2)融点または軟化点が150℃以下のアマイド系チクソ剤を含有することを特徴とするものである。
本発明のはんだ組成物においては、前記(D1)成分が、カルボン酸とジアミンとを反応させてなるものであり、前記カルボン酸が、炭素数16以上の脂肪族モノカルボン酸、および多塩基酸を含有することが好ましい。
本発明のはんだ組成物においては、前記(D2)成分が、エチレンビスステアリン酸アマイドであることが好ましい。
本発明のはんだ組成物においては、当該はんだ組成物中における塩素濃度が900質量ppm以下であり、臭素濃度が900質量ppm以下であり、ヨウ素濃度が900質量ppm以下であり、かつ、ハロゲン濃度が1500質量ppm以下であるものであることが好ましい。
本発明の電子基板の製造方法は、前記はんだ組成物を用いる電子基板の製造方法であって、配線基板上に、前記はんだ組成物を塗布する塗布工程と、電子部品を前記はんだ組成物上に搭載する搭載工程と、前記電子部品が搭載された前記配線基板を加熱するリフロー工程と、を備えることを特徴とする方法である。
本発明によれば、ハロゲンフリーまたはノンハロゲンであり、かつ、たれ落ちを十分に抑制できるはんだ組成物、並びに、これらを用いた電子基板の製造方法を提供できる。
本実施形態のはんだ組成物は、以下説明するフラックス組成物と、以下説明する(E)はんだ粉末とを含有するものである。
[フラックス組成物]
まず、本実施形態に用いるフラックス組成物について説明する。本実施形態に用いるフラックス組成物は、はんだ組成物におけるはんだ粉末以外の成分であり、(A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)チクソ剤を含有するものである。
[(A)成分]
本実施形態に用いる(A)ロジン系樹脂としては、ロジン類およびロジン系変性樹脂が挙げられる。ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジンおよびトール油ロジンなどが挙げられる。ロジン系変性樹脂としては、不均化ロジン、重合ロジン、水素添加ロジンおよびこれらの誘導体などが挙げられる。水素添加ロジンとしては、完全水添ロジン、部分水添ロジン、並びに、不飽和有機酸((メタ)アクリル酸などの脂肪族の不飽和一塩基酸、フマル酸、マレイン酸などのα,β−不飽和カルボン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、桂皮酸などの芳香族環を有する不飽和カルボン酸など)の変性ロジンである不飽和有機酸変性ロジンの水素添加物(「水添酸変性ロジン」ともいう)などが挙げられる。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(A)成分としては、酸価が200mgKOH/g以上であるロジン系樹脂、および、酸価が50mgKOH/g以下であるロジンエステルを含有することが好ましい。このような(A1)成分としては、(A)成分のうち、酸価が200mgKOH/g以上のロジン系樹脂(但し、ロジンエステルを除く。)が挙げられる。また、活性作用の観点から、(A1)成分の酸価は、220mgKOH/g以上であることが好ましい。
(A2)成分は、ロジンエステルである。このロジンエステルとしては、ロジン類およびロジン系変性樹脂をエステル化したものが挙げられる。フラックス残さのクラックの抑制の観点から、(A2)成分の酸価は、30mgKOH/g以下であることが好ましく、20mgKOH/g以下であることがより好ましく、15mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
なお、酸価(平均酸価)は、試料1gに含まれている遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウムを求めることで測定できる。
(A)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、20質量%以上60質量%以下であることが好ましく、25質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。(A)成分の配合量が前記下限以上であれば、はんだ付ランドの銅箔面の酸化を防止してその表面に溶融はんだをぬれやすくする、いわゆるはんだ付け性を向上でき、はんだボールを十分に抑制できる。また、(A)成分の配合量が前記上限以下であれば、フラックス残さ量を十分に抑制できる。
[(B)成分]
本実施形態に用いる(B)活性剤は、(B1)分子量が133以下のジカルボン酸を含有することが必要である。この(B1)成分と、後述する(D1)成分および(D2)成分との組み合わせにより、理由は定かではないが、たれ落ちを抑制できる。また、(B1)成分の分子量は、90以上133以下であることが好ましく、104以上133以下であることがより好ましい。
(B1)成分としては、例えば、シュウ酸(分子量90)、マロン酸(分子量104)、コハク酸(分子量118)、およびグルタル酸(分子量132)が挙げられる。
(B1)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上4質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上3.5質量%以下であることが特に好ましい。配合量が前記下限以上であれば、はんだぬれ性を更に向上できる。また、配合量が前記上限以下であれば、フラックス組成物の保存安定性を更に向上できる。
(B)成分は、本発明の課題を達成できる範囲において、(B1)成分以外の有機酸((B2)成分)をさらに含有してもよい。
(B2)成分としては、モノカルボン酸、(B1)成分以外のジカルボン酸などの他に、その他の有機酸が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、およびグリコール酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、およびジグリコール酸などが挙げられる。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、トリマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、およびピコリン酸などが挙げられる。これらの中でも、はんだぬれ性を向上できるという観点から、ダイマー酸を用いることがより好ましい。
(B)成分は、本発明の課題を達成できる範囲において、(B1)成分および(B2)成分以外に、その他の活性剤((B3)ハロゲン系活性剤、および(B4)アミン系活性剤など)をさらに含有してもよい。ただし、ハロゲンフリーの観点からは、(B)成分は、(B1)成分および(B2)成分のみからなることが好ましい。また、(B1)成分および(B2)成分の配合量の合計は、(B)成分100質量%に対して、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
(B3)成分としては、塩素化物、臭素化物、フッ化物のように塩素、臭素、フッ素の各単独元素の共有結合による化合物でもよいが、塩素、臭素およびフッ素の任意の2つまたは全部のそれぞれの共有結合を有する化合物でもよい。これらの化合物は、水性溶媒に対する溶解性を向上させるために、例えばハロゲン化アルコールやハロゲン化カルボキシル化合物のように水酸基やカルボキシル基などの極性基を有することが好ましい。ハロゲン化アルコールとしては、例えば2,3−ジブロモプロパノール、2,3−ジブロモブタンジオール、トランス−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、およびトリブロモネオペンチルアルコールなどの臭素化アルコール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、および1,4−ジクロロ−2−ブタノールなどの塩素化アルコール、3−フルオロカテコールなどのフッ素化アルコール、並びに、その他これらに類する化合物が挙げられる。ハロゲン化カルボキシル化合物としては、2−ヨード安息香酸、3−ヨード安息香酸、2−ヨードプロピオン酸、5−ヨードサリチル酸、および5−ヨードアントラニル酸などのヨウ化カルボキシル化合物、2−クロロ安息香酸、および3−クロロプロピオン酸などの塩化カルボキシル化合物、2,3−ジブロモプロピオン酸、2,3−ジブロモコハク酸、および2−ブロモ安息香酸などの臭素化カルボキシル化合物、並びに、その他これらに類する化合物が挙げられる。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(B4)成分としては、アミン類(エチレンジアミンなどのポリアミンなど)、アミン塩類(トリメチロールアミン、シクロヘキシルアミン、およびジエチルアミンなどのアミンやアミノアルコールなどの有機酸塩や無機酸塩(塩酸、硫酸、および臭化水素酸など))、アミノ酸類(グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびバリンなど)、アミド系化合物、およびイミダゾール系化合物などが挙げられる。具体的には、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩(塩酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、およびセバシン酸塩など)、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、並びに、これらのアミンの臭化水素酸塩などが挙げられる。
(B)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、3質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上12質量%以下であることが特に好ましい。配合量が前記下限以上であれば、はんだボールがより確実に抑制できる。また、配合量が前記上限以下であれば、フラックス組成物の絶縁信頼性を確保できる。
[(C)成分]
本実施形態に用いる(C)溶剤としては、公知の溶剤を適宜用いることができる。このような溶剤としては、沸点170℃以上の溶剤を用いることが好ましい。
このような溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,5−ペンタンジオール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、オクタンジオール、フェニルグリコール、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(EHDG)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(MTEM)、およびジブチルマレイン酸などが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(C)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、10質量%以上60質量%以下であることが好ましく、20質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。溶剤の配合量が前記範囲内であれば、得られるはんだ組成物の粘度を適正な範囲に適宜調整できる。
[(D)成分]
本実施形態に用いる(D)チクソ剤は、(D1)融点または軟化点が200℃以上のアマイド系チクソ剤、および、(D2)融点または軟化点が150℃以下のアマイド系チクソ剤を含有することが必要である。なお、チクソ剤の軟化点は、乾球法により測定できる。また、チクソ剤の融点は、JIS−K−0064に記載の方法により測定できる。
(D1)成分としては、カルボン酸とジアミンを反応させて製造したもので挙げられる。ここで、カルボン酸としては、融点を高めるという観点から、炭素数16以上の脂肪族モノカルボン酸および多塩基酸の混合物であることが好ましい。
脂肪族モノカルボン酸としては、飽和脂肪族モノカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸が好ましい。炭素数16以上の脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、およびヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。
多塩基酸としては、二塩基酸以上のカルボン酸が好ましい。多塩基酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、およびセバシン酸など)、芳香族ジカルボン酸(フタル酸、およびテレフタル酸など)、および脂環式ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、およびシクロヘキシルコハク酸など)が挙げられる。
ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、フェニレンジアミン、およびイソホロンジアミンなどが挙げられる。
(D1)成分としては、具体的には、エチレンジアミン/ステアリン酸/セバシン酸重縮合物が挙げられる。
(D2)成分としては、カルボン酸とジアミンを反応させて製造したもので挙げられる。ここで、カルボン酸としては、融点を高め過ぎないという観点から、モノカルボン酸が主成分であることが好ましい。
(D2)成分としては、エチレンビスステアリン酸アマイド(融点145℃)、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド(融点145℃)、メチレンビスステアリン酸アマイド(融点142℃)、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド(融点135℃)、エチレンビスオレイン酸アマイド(融点119℃)、エチレンビスエルカ酸アマイド(融点120℃)、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド(融点110℃)、N,N’−ジオレイルアジピン酸アマイド(融点118℃)、N,N’−ジオレイルセバシン酸アマイド(融点113℃)、ステアリン酸アマイド(融点101℃)、およびヒドロキシステアリン酸アマイド(融点107℃)などが挙げられる。これらの中でも、たれ落ちの更なる抑制の観点から、エチレンビスステアリン酸アマイド、およびメチレンビスステアリン酸アマイドが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態において、(D1)成分および(D2)成分の配合比率については、特に限定されない。(D1)成分の配合量は、(D1)成分および(D2)成分の合計配合量100質量%に対して、35質量%以上90質量%以下であることが好ましく、40質量%以上85質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上80質量%以下であることが特に好ましい。(D1)成分の配合量が前記下限以上であれば、たれ落ちをより確実に抑制できる。また、(D1)成分の配合量が前記上限以下であれば、連続印刷性をさらに向上できる。
(D)成分は、本発明の目的に影響のない範囲であれば、(D1)成分および(D2)成分以外の他のチクソ剤((D3)成分)を含有していてもよい。ただし、この(D3)成分を用いる場合、その配合量は、(D)成分100質量%に対して、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
(D3)成分としては、(D1)成分および(D2)成分以外のアマイド類、硬化ひまし油、カオリン、コロイダルシリカ、有機ベントナイト、およびガラスフリットなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(D)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、3質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上12質量%以下であることが特に好ましい。配合量が前記下限以上であれば、十分なチクソ性が得られ、ダレを十分に抑制できる。また、配合量が前記上限以下であれば、チクソ性が高すぎて、印刷不良となることはない。
[他の成分]
本実施形態に用いるフラックス組成物には、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の他に、必要に応じて、その他の添加剤、更には、その他の樹脂を加えることができる。その他の添加剤としては、消泡剤、酸化防止剤、改質剤、つや消し剤、および発泡剤などが挙げられる。その他の樹脂としては、アクリル系樹脂などが挙げられる。
[はんだ組成物]
次に、本実施形態のはんだ組成物について説明する。本実施形態のはんだ組成物は、前記本実施形態のフラックス組成物と、以下説明する(E)はんだ粉末とを含有するものである。
フラックス組成物の配合量は、はんだ組成物100質量%に対して、5質量%以上35質量%以下であることが好ましく、7質量%以上18質量%以下であることがより好ましく、8質量%以上15質量%以下であることが特に好ましい。フラックス組成物の配合量が5質量%未満の場合(はんだ粉末の配合量が95質量%を超える場合)には、バインダーとしてのフラックス組成物が足りないため、フラックス組成物とはんだ粉末とを混合しにくくなる傾向にあり、他方、フラックス組成物の配合量が35質量%を超える場合(はんだ粉末の配合量が65質量%未満の場合)には、得られるはんだ組成物を用いた場合に、十分なはんだ接合を形成できにくくなる傾向にある。
本実施形態のはんだ組成物は、たれ落ちを十分に抑制できる。そして、プリント配線基板のハロゲンフリーに対応可能なはんだ組成物であっても、ハロゲン系の活性剤を用いる場合と同等に、たれ落ち抑制できることから、ハロゲンフリーのはんだ組成物として特に好適に用いることができる。
ハロゲンフリーのはんだ組成物は、塩素濃度が900質量ppm以下であり、臭素濃度が900質量ppm以下であり、ヨウ素濃度が900質量ppm以下であり、かつ、ハロゲン濃度が1500質量ppm以下であるものであることが好ましい。なお、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などが挙げられる。
なお、はんだ組成物中の塩素濃度、臭素濃度およびハロゲン濃度は、JEITA ET−7304Aに記載の方法に準じて測定できる。また、簡易的には、はんだ組成物の配合成分およびその配合量から算出できる。
[(E)成分]
本実施形態に用いる(E)はんだ粉末は、鉛フリーはんだ粉末のみからなることが好ましいが、有鉛のはんだ粉末であってもよい。このはんだ粉末におけるはんだ合金としては、スズ(Sn)を主成分とする合金が好ましい。また、この合金の第二元素としては、銀(Ag)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)およびアンチモン(Sb)などが挙げられる。さらに、この合金には、必要に応じて他の元素(第三元素以降)を添加してもよい。他の元素としては、銅、銀、ビスマス、インジウム、アンチモン、およびアルミニウム(Al)などが挙げられる。
ここで、鉛フリーはんだ粉末とは、鉛を添加しないはんだ金属または合金の粉末のことをいう。ただし、鉛フリーはんだ粉末中に、不可避的不純物として鉛が存在することは許容されるが、この場合に、鉛の量は、300質量ppm以下であることが好ましい。
鉛フリーはんだ粉末におけるはんだ合金としては、具体的には、Sn−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Cu、Sn−Ag−Bi、Sn−Bi、Sn−Ag−Cu−Bi、Sn−Sb、Sn−Zn−Bi、Sn−Zn、Sn−Zn−Al、Sn−Ag−Bi−In、Sn−Ag−Cu−Bi−In−Sb、In−Agなどが挙げられる。これらの中でも、はんだ接合の強度の観点から、Sn−Ag−Cu系のはんだ合金が好ましく用いられている。そして、Sn−Ag−Cu系のはんだの融点は、通常200℃以上250℃以下である。なお、Sn−Ag−Cu系のはんだの中でも、銀含有量が低い系のはんだの融点は、210℃以上250℃以下(より好ましくは、220℃以上240℃以下)である。
(E)成分の平均粒子径は、通常1μm以上40μm以下であるが、はんだ付けパッドのピッチが狭い電子基板にも対応するという観点から、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、2μm以上30μm以下であることがさらにより好ましい。なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
[はんだ組成物の製造方法]
本実施形態のはんだ組成物は、上記説明したフラックス組成物と上記説明した(E)はんだ粉末とを上記所定の割合で配合し、撹拌混合することで製造できる。
[電子基板の製造方法]
次に、本実施形態の電子基板について説明する。
本実施形態の電子基板の製造方法は、前述した本実施形態のはんだ組成物を用いる方法であって、以下説明する塗布工程、搭載工程およびリフロー工程を備える。本実施形態の電子基板の製造方法により、前述したはんだ組成物を用いて電子部品を電子基板(プリント配線基板など)に実装できる。
塗布工程においては、配線基板上に、はんだ組成物を塗布する。
ここで用いる塗布装置としては、スクリーン印刷機、メタルマスク印刷機、ディスペンサー、およびジェットディスペンサーなどが挙げられる。
塗膜の厚み(塗膜厚)は、適宜設定できる。
搭載工程においては、電子部品をはんだ組成物上に搭載する。
電子部品としては、ディスクリート部品(例えば、トランジスタ、ダイオードおよび抵抗部品など)、チップ部品、BGAパッケージ、およびチップサイズパッケージなどが挙げられる。なお、前記本実施形態のはんだ組成物は、たれ落ちを十分に抑制できるため、たれ落ちが特に問題となるリードを有するディスクリート部品の実装に適している。
搭載工程で用いる装置としては、公知のチップマウント装置を適宜用いることができる。
リフロー工程においては、電子部品が搭載された配線基板を加熱することにより、はんだ粉末を溶融させ、電子部品を電極端子に接合する。
ここで用いる装置としては、公知のリフロー炉を適宜用いることができる。
リフロー条件は、はんだの融点に応じて適宜設定すればよい。例えば、Sn−Au−Cu系のはんだ合金を用いる場合には、プリヒートを温度150〜180℃(好ましくは、150〜160℃)で60〜120秒間行い、ピーク温度を220〜260℃(好ましくは、230〜250℃)に設定すればよい。
[変形例]
また、本発明のはんだ組成物および電子基板の製造方法は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
例えば、前記電子基板の製造方法では、リフロー工程により、プリント配線基板と電子部品とを接着しているが、これに限定されない。例えば、リフロー工程に代えて、レーザー光を用いてはんだ組成物を加熱する工程(レーザー加熱工程)により、プリント配線基板と電子部品とを接着してもよい。この場合、レーザー光源としては、特に限定されず、金属の吸収帯に合わせた波長に応じて適宜採用できる。レーザー光源としては、例えば、固体レーザー(ルビー、ガラス、YAGなど)、半導体レーザー(GaAs、およびInGaAsPなど)、液体レーザー(色素など)、並びに、気体レーザー(He−Ne、Ar、CO、およびエキシマーなど)が挙げられる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
((A)成分)
ロジン系樹脂A:水添酸変性ロジン、商品名「パインクリスタルKE−604」、荒川化学工業社製
ロジン系樹脂B:ロジンエステル、酸価は4〜12mgKOH/g、商品名「ハリタックF85」、ハリマ化成社製
((B1)成分)
有機酸A:マロン酸
有機酸B:コハク酸
有機酸C:グルタル酸
((B2)成分)
有機酸D:ドデカン二酸、宇部興産社製
有機酸E:アジピン酸
有機酸F:ダイマー酸、商品名「UNIDYME14」、丸善油化商事社製
((B3)成分)
ハロゲン系活性剤:トランス−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール
((B4)成分)
アミン系活性剤:2−フェニル−4−メチルイミダゾール、四国化成工業社製
((C)成分)
溶剤A:ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(EHDG)、日本乳化剤社製
溶剤B:テトラエチレングリコールジメチルエーテル(MTEM)、東邦化学工業社製
((D1)成分)
チクソ剤A:ポリアマイド(軟化点215℃)、商品名「ライトアマイドWH−215」、共栄社化学社製
((D2)成分)
チクソ剤B:エチレンビスステアリン酸アマイド(融点145℃)、商品名「スリパックスE」、日化トレーディング社製
((D3)成分)
チクソ剤C:アマイド(軟化点130〜190℃)、商品名「ターレンVA−79」、共栄社化学社製
チクソ剤D:硬化ひまし油(軟化点85℃)、商品名「ヒマコウ」、KFトレーディング社製
((E)成分)
はんだ粉末:合金組成はSn−3.0Ag−0.5Cu、粒子径分布は20〜38μm、はんだ融点は217〜220℃
[実施例1]
ロジン系樹脂A36.2質量%、ロジン系樹脂B10質量%、有機酸A2.3質量%、有機酸D3質量%、有機酸F5.6質量%、ハロゲン系活性剤0.2質量%、アミン系活性剤0.3質量%、溶剤A17.9質量%、溶剤B15.7質量%、チクソ剤A5.9質量%、およびチクソ剤B2.9質量%を容器に投入し、プラネタリーミキサーを用いて混合してフラックス組成物を得た。
その後、得られたフラックス組成物12.4質量%およびはんだ粉末87.6質量%(合計で100質量%)を容器に投入し、プラネタリーミキサーにて混合することではんだ組成物を調製した。
[実施例2〜4]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。
[比較例1〜5]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、はんだ組成物を得た。
<はんだ組成物の評価>
はんだ組成物の評価(たれ落ち発生率、印刷性(平均充填体積率)、連続印刷時粘度変化率、BGA総ボイド率、異種金属へのぬれ率)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
(1)たれ落ち発生率
スルーホール(開口直径:φ1.0mm)を有する基板を準備した。この基板上に、手刷りにて、はんだ組成物を印刷した。その後、リード部品(15ピン×2)2つをスルーホールに挿入し、180℃に設定したオーブン内に60秒間投入して、加熱した。なお、このときに、基板の下に金属板を置き、金属板に落下したはんだの数をカウントした。
そして、下記数式により、たれ落ち発生率(単位:%)を算出した。
(たれ落ち発生率)=(金属板に落下したはんだの数)/(全リード(ピン)数)×100%
たれ落ち発生率は、10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましい。
(2)印刷性(平均充填体積率)
印刷機(ステンシル印刷、マスク厚:120μm)を用いて、10枚の基板上に、はんだ組成物を連続して印刷した。その後、開口直径がφ0.24mmの開口にて転写されたはんだの体積を測定した。
そして、下記数式により、充填体積率(単位:%)を算出し、その平均値を、平均充填体積率(単位:%)とした。
(充填体積率)=(開口直径がφ0.24mmの開口にて転写されたはんだの体積)/(開口直径がφ0.24mmの開口の体積)×100%
平均充填体積率は、70%以上であることが好ましく、73%以上であることがより好ましい。
(3)連続印刷時粘度変化率
はんだ組成物を開口のないステンシル上に500g載せ、スキージにより8時間ローリングさせた。ローリングは、温度25℃湿度50%の環境下にて、スキージ速度70mm/s、スキージ長350mm、およびスキージ移動距離(片道)240mmの条件で行った。なお、このときに、ローリング前とローリング後のはんだ粘度(単位:Pa・s)を、JIS Z 3284−3(2014)に記載の方法に準拠して、測定した。
そして、下記数式により、連続印刷時粘度変化率(単位:%)を算出した。
(連続印刷時粘度変化率)={(ローリング後のはんだ粘度)−(ローリング前のはんだ粘度)}/(ローリング前のはんだ粘度)×100%
連続印刷時粘度変化率は、−20%以上20%以下であることが好ましい。
(4)BGA総ボイド率
印刷機(ステンシル印刷、マスク厚:120μm)を用いて、基板上に、はんだ組成物を印刷した。その後、複数のBGA(ピン数:228、ピッチ:0.5mm)を、基板上に搭載し、リフロー炉にて加熱(酸素濃度:8000ppm±500ppm)して、評価用基板を得た。次に、X線を評価用基板に対し、垂直に照射し、映し出された映像から、BGAのはんだ付け部において空洞となっている箇所の総面積を測定した。
そして、下記数式により、BGA総ボイド率(単位:%)を算出し、その平均値を表記した。
(BGA総ボイド率)=(BGAのはんだ付け部において空洞となっている箇所の総面積)/(BGAのはんだ付け部の面積)×100%
BGA総ボイド率は、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。
(5)異種金属へのぬれ率
黄銅板(大きさ:50mm×50mm、厚み:0.5mm)上に、印刷機(ステンシル印刷、マスク厚:200μm、開口直径:φ6.5mm)を用いて、はんだ組成物を印刷した。その後、リフロー炉にて加熱(酸素濃度:8000ppm±500ppm)して、評価用基板を得た。次に、評価用基板について、はんだが金属板にぬれている(ノンウェッティングやディウェッチングが起きていない)面積を測定した。
そして、下記数式により、異種金属へのぬれ率(単位:%)を算出した。
(異種金属へのぬれ率)=(はんだが金属板にぬれている面積)/(はんだ組成物の印刷面積)×100%
異種金属へのぬれ率は、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
Figure 0006913064
表1に示す結果からも明らかなように、本発明のはんだ組成物(実施例1〜4)を用いた場合には、たれ落ち発生率、印刷性(平均充填体積率)、連続印刷時粘度変化率、BGA総ボイド率、および、異種金属へのぬれ率の評価結果が全て良好であることが確認された。また、はんだ組成物中のハロゲン系活性剤の配合量は、248質量ppmであり、ハロゲンフリーの基準を満たしている。従って、本発明のはんだ組成物は、ハロゲンフリーであり、かつ、たれ落ちを十分に抑制できることが確認された。
本発明のはんだ組成物は、電子機器のプリント配線基板などの電子基板に電子部品を実装するための技術として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. (A)ロジン系樹脂、(B)活性剤、(C)溶剤および(D)チクソ剤を含有するフラックス組成物と、(E)はんだ粉末とを含有し、
    前記(B)成分が、(B1)分子量が133以下のジカルボン酸を含有し、
    前記(D)成分が、(D1)融点または軟化点が200℃以上のアマイド系チクソ剤、および、(D2)融点または軟化点が150℃以下のアマイド系チクソ剤を含有し、
    前記(B1)成分の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上5質量%以下であり、
    前記(D)成分の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上20質量%以下であり、
    前記(D1)成分および前記(D2)成分の合計配合量が、(D)成分100質量%に対して、70質量%超であり、
    前記(D1)成分の配合量は、前記(D1)成分および前記(D2)成分の合計配合量100質量%に対して、35質量%以上90質量%以下であり、
    当該はんだ組成物中における塩素濃度が900質量ppm以下であり、臭素濃度が900質量ppm以下であり、ヨウ素濃度が900質量ppm以下であり、かつ、ハロゲン濃度が1500質量ppm以下であるものである
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  2. 請求項1に記載のはんだ組成物において、
    前記(D1)成分が、カルボン酸とジアミンとを反応させてなるものであり、
    前記カルボン酸が、炭素数16以上の脂肪族モノカルボン酸、および多塩基酸を含有する
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のはんだ組成物において、
    前記(D2)成分が、エチレンビスステアリン酸アマイドである
    ことを特徴とするはんだ組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のはんだ組成物を用いる電子基板の製造方法であって、
    配線基板上に、前記はんだ組成物を塗布する塗布工程と、
    電子部品を前記はんだ組成物上に搭載する搭載工程と、
    前記電子部品が搭載された前記配線基板を加熱するリフロー工程と、を備える
    ことを特徴とする電子基板の製造方法。
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