特許文献1の浴槽用手摺では、左右一対の取付け脚を第1側片の前面に締結して手摺部を連結部に固定している。こうした浴槽用手摺では、手摺部の上下高さを段階的に調整できるものの、長円状の把持部の向きが浴槽の洗い場側の浴槽壁と直交する向きに限られ、さらに把持部の姿勢が常に水平姿勢に固定化されてしまう。そのため、ユーザーの身体状況や体力、あるいは好みに応じて把持部の向きや姿勢、あるいは高さ位置を微妙に調整できない点に改善の余地があった。また、第1側片の上部に位置調節部のハンドルノブを設け、その真下に脚部の支持柱を装着しているので、浴槽壁の洗い場床面からの高さが一定範囲内にないと、浴槽用手摺を設置することができない不便がある。例えば、浴槽壁の洗い場床面からの高さが一定高さ未満であると、ハンドルノブが邪魔になるため脚部を第1側片の上部に装着できない。また、浴槽壁の洗い場床面からの高さが一定範囲を越えると、支持柱の接地部を洗い場の床面に接床させることができないため、支持柱の接地部と洗い場の床面の間に、隙間を埋めるための木片や接床用のブロックを介在させる必要があり、浴槽用手摺の適用対象が一定範囲内の高さの浴槽壁を備えた浴槽に限られてしまっていた。
本発明の目的は、ユーザーの身体状況や体力、あるいは好みに応じて手摺本体の向きや姿勢、さらには高さ位置を微妙に調整できる汎用性に優れたバスタブ用手摺を提供することにある。
本発明に係るバスタブ用手摺は、バスタブ1の洗い場に臨むタブ壁2に挟持固定される手摺ベース3と、手摺ベース3で支持される手摺体4と、洗い場の床面に接当して手摺体4に作用する外力を手摺ベース3と協同して支持する脚柱5とを備える。手摺体4は、手摺ベース3で鉛直姿勢で傾動不能に支持される手摺支柱50と、同支柱50の上部に固定したブラケット52で支持される手摺本体51とを備える。手摺ベース3はベース本体7を備えており、ベース本体7に手摺支柱50を抱持固定する支柱固定構造が設けられている。手摺支柱50は支柱固定構造で鉛直姿勢を維持した状態で上下調整可能に、かつ、手摺本体51の向きを手摺支柱50の周りに旋回調整可能に抱持固定されている。手摺ベース3に対する手摺支柱50の上下位置を変更することで、手摺ベース3に対する手摺本体51の高さ位置を変更することが可能である。手摺ベース3に対して手摺支柱50を中心軸回りに旋回させることで、該手摺ベース3に対する手摺本体51の旋回姿勢を変更することが可能である。ブラケット52と手摺本体51の間に、手摺本体51の手摺支柱50に対する傾動姿勢を調整する傾動調整構造が設けられている。手摺ベース3に対する手摺本体51の支持姿勢を、上下方向と旋回方向と傾動方向の3方向に変更調整できることを特徴とする。
支柱固定構造は、ベース本体7に形成した上下貫通状の手摺支柱50用の柱穴19と、柱穴19に隣接形成した第1抱持座68と、第1抱持座68と対向する第2抱持座69を備えた抱持ブロック70と、抱持ブロック70をベース本体7に締結するねじ体71を備えている。抱持ブロック70をねじ体71でベース本体7に締結固定した状態において、第1、第2の各抱持座68・69により手摺支柱50の周面が抱持固定される。
手摺支柱50の周面は断面円形に形成されている。第1抱持座68と第2抱持座69は、それぞれ断面半円状に形成されている。抱持ブロック70をねじ体71でベース本体7に締結固定した状態において、第1抱持座68と第2抱持座69が手摺支柱50の周面に面接触状に密着している。
第1抱持座68と第2抱持座69の対向面の左右両側に、互いに係合する位置決め体76と位置決め穴73が形成されている。
手摺本体51の対向辺部に設けた一対の連結部56と、ブラケット52に設けた一対のボス90の間に傾動調整構造が設けられている。傾動調整構造は、連結部56および一対のボス90に設けられるセレーション穴58・59と、両セレーション穴58・59を係合連結するセレーション軸63と、セレーション軸63をブラケット52に締結固定するねじ体61を備えている。セレーション軸63をねじ体61でブラケット52に締結固定した状態において、セレーション軸63がセレーション穴58・59と係合して、傾動調整された手摺本体51を傾動不能に保持固定している。
セレーション軸63はプラスチック製の軸本体92と、軸本体92の外側端に固定されるキャップ93で構成されている。軸本体92に形成したセレーション歯63aは、軸本体92の外側端から内側端へ向かって先すぼまりテーパー状に形成されている。各セレーション穴58・59に形成したセレーション歯58a・59aは、前記セレーション歯63aとは逆向きの先すぼまりテーパー状に形成されている。
軸本体92の挿通穴94に挿通したねじ体61のねじ込み始端は、軸本体92のボス90との接合面より突出されている。
手摺ベース3のベース本体7に、タブ壁2を内外に挟持するクランプ構造が設けられている。クランプ構造は、ベース本体7に固定されてタブ壁2の外側面2aに接当する左右一対の固定クランプ体26と、ベース本体7で進退自在に支持されるクランプアーム27と、クランプアーム27に支持されてタブ壁2の内側面2bに接当する左右一対の可動クランプ体28と、クランプアーム27を進退操作する調整構造を備えている。タブ壁2に接当する固定クランプ体26の接合面29は、外側面2aに向って外突状に湾曲する2次元平面で形成されている。タブ壁2に接当する可動クランプ体28は、クランプアーム27に設けた自在継手38で前後および左右傾動可能に支持されている。
手摺支柱50の上端内部に調整ねじ軸54が固定されている。脚柱5の上端に雌ねじ体81が固定され、脚柱5の下端に接床体82が設けられている。手摺支柱50の内部に脚柱5が内嵌された状態で、雌ねじ体81が調整ねじ軸54にねじ込み連結されている。
本発明においては、手摺体4が手摺ベース3で支持される手摺支柱50と、同支柱50の上部に固定したブラケット52で支持される手摺本体51を備えるようにした。また、手摺ベース3のベース本体7に手摺支柱50を抱持固定する支柱固定構造を設けて、手摺体4を支柱固定構造で上下調整可能に、かつ、手摺本体51の向きを手摺支柱50の周りに旋回調整可能に抱持固定できるようにした。さらに、ブラケット52と手摺本体51の間に、手摺本体51の手摺支柱50に対する傾動姿勢を調整する傾動調整構造を設けるようにした。こうしたバスタブ用手摺によれば、手摺本体51の支持姿勢を、上下方向と旋回方向と傾動方向の3方向に変更調整することができるので、ユーザーの身体状況や体力、あるいは好みに応じて手摺本体51の向きや姿勢、さらには高さ位置を微妙に調整できる汎用性に優れたバスタブ用手摺を提供できる。
ベース本体7に形成した手摺支柱50用の柱穴19と、柱穴19に隣接形成した第1抱持座68と、第2抱持座69を備えた抱持ブロック70と、抱持ブロック70をベース本体7に締結するねじ体71などで支柱固定構造を構成するようにした。また、抱持ブロック70をねじ体71でベース本体7に締結固定した状態において、第1、第2の各抱持座68・69で手摺支柱50の周面を抱持固定できるようにした。こうした支柱固定構造によれば、ねじ体71を緩めて第1抱持座68と第2抱持座69の対向間隔を広げるだけの簡単な操作で、手摺支柱50を上下に移動操作し、あるいは手摺支柱50の中心軸の回りに旋回移動操作することができる。また、手摺本体51の姿勢を調整した状態でねじ体71を締めこむだけで、手摺本体51を姿勢変更不能に固定保持できる。従って、支柱固定構造による一連の姿勢調整作業を、簡便にしかも速やかに行える。
手摺支柱50の周面を断面円形に形成し、第1抱持座68と第2抱持座69は、それぞれ断面半円状に形成するようにした。こうした支柱固定構造によれば、抱持ブロック70をねじ体71でベース本体7に締結固定した状態において、第1抱持座68と第2抱持座69を手摺支柱50の周面に面接触状に密着させて、両抱持座68・69と手摺支柱50の間の摩擦力を増強できる。従って、手摺本体51が外力を受けて下向きにずれ動き、あるいは、外力を受けた手摺本体51が手摺支柱50の中心軸の回りに旋回移動するのを確実に防止して、ユーザーを常に安定した状態で支持できる、安全性に優れたバスタブ用手摺を提供できる。
第1抱持座68と第2抱持座69の対向面の左右両側に、互いに係合する位置決め体76と位置決め穴73を形成するようにした。こうした支柱固定構造によれば、互いに係合する位置決め体76と位置決め穴73で、抱持ブロック70を上下および左右に位置決めした状態で締結できるので、ねじ体71による抱持ブロック70の締結をより的確に、しかも安定した状態で行うことができる。また、ベース本体7に締結固定された状態の抱持ブロック70は、左右一対のねじ体71と左右一対の位置決め体76および位置決め穴73の合計4個所で固定保持されるので、抱持ブロック70に大きな傾動モーメントが作用するような場合でも、手摺体4をぐら付きのない状態で確りと支持できる。
手摺本体51の連結部56およびブラケット52のボス90に設けられるセレーション穴58・59と、両セレーション穴58・59を係合連結するセレーション軸63と、セレーション軸63をブラケット52に締結固定するねじ体61で傾動調整構造を構成するようにした。こうした傾動調整構造によれば、セレーション軸63が各セレーション穴58・59と係合する状態で、手摺本体51をブラケット52に固定支持できるので、手摺本体51に大きな外力モーメントが作用する場合でも、手摺本体51の姿勢を安定した状態で保持し続けることができる。また、セレーション軸63とセレーション穴58・59を連結要素にして、手摺本体51をブラケット52に締結固定するので、手摺本体51の傾動姿勢を調整する際の自由度を向上して、個々のユーザーの身体状況等に適合した姿勢調整を綿密に行える。
プラスチック製の軸本体92とキャップ93でセレーション軸63を構成し、軸本体92に形成したセレーション歯63aを、先すぼまりテーパー状に形成し、各セレーション穴58・59に形成したセレーション歯58a・59aは、前記セレーション歯63aとは逆向きの先すぼまりテーパー状に形成するようにした。こうした傾動調整構造によれば、手摺本体51をブラケット52に連結した状態では、各セレーション歯58a・59a・63aの歯面をくさび効果で密着させることができるので、ユーザーを支える手摺本体51が外力を受けて上下に傾動するのを確実に防止し、バスタブ用手摺の安全性を向上できる。
軸本体92の挿通穴94に挿通したねじ体61のねじ込み始端を、軸本体92のボス90との接合面より突出させるようにした。こうした傾動調整構造によれば、ねじ体61を緩めてセレーション軸63をブラケット52側のセレーション穴59から分離させた状態において、ねじ体61の先端部分がねじ穴62にねじ込まれているので、手摺本体51がブラケット52から分離することはない。従って、手摺本体51の傾動姿勢の調整から、セレーション軸63の先端をセレーション穴59に仮係合して、手摺本体51の使い勝手を確認する一連の作業を適確にしかも速やかに行うことができる。
手摺ベース3のベース本体7に設けたクランプ構造が、ベース本体7に固定される左右一対の固定クランプ体26と、クランプアーム27に支持されてタブ壁2の内側面2bに接当する左右一対の可動クランプ体28を備えるようにした。また、固定クランプ体26の接合面29は、外側面2aに向って外突状に湾曲する2次元平面で形成し、可動クランプ体28は、クランプアーム27に設けた自在継手38で前後および左右傾動可能に支持した。こうしたバスタブ用手摺によれば、前後に湾曲しているタブ壁2の外側面2aの2個所を、一対の固定クランプ体26の接合面29で線接触状に受止めることができる。さらに、湾曲するタブ壁2の内側面2bの2個所を、一対の可動クランプ体28の接合面41が異なる向きに傾動し、さらに面接接触状に密着した状態で受止めることができる。従って、タブ壁2が平坦である場合はもちろん、タブ壁2の内外側面2a・2bが内外いずれかに湾曲している場合であっても、タブ壁2の内外側面2a・2bの4個所を固定クランプ体26と可動クランプ体28で強固に挟持して、バスタブ用手摺をバスタブ1に対して強固にしかも安定した状態で装着できる。また、タブ壁2のコーナー近傍であっても手摺ベース3を設置できるので、適用可能なバスタブ1と手摺装着位置の自由度を拡大してバスタブ用手摺の汎用性を向上できるうえ、バスタブ1に出入りするための空間がバスタブ用手摺で狭められるのを極力避けることができる。
脚柱5の上端に雌ねじ体81を固定し、脚柱5の下端に接床体82を設けるようにした。また、中空の手摺支柱50の内部に脚柱5を内嵌装着して、雌ねじ体81を手摺支柱50に固定した調整ねじ軸54にねじ込むようにした。こうしたバスタブ用手摺によれば、脚柱5の調整ねじ軸54に対するねじ込み度合いを調整することで、手摺ベース3の接床高さを無段階に調整できる。従って、タブ壁2の高さの違いに応じて、手摺ベース3の接床高さを過不足なく適正に調整して、手摺ベース3を脚柱5で確りと支持できる。また、バスタブ用手摺を設置する際に不可欠な手摺ベース3の接床高さの調整を、より少ない手間で簡便に行える。
(実施例) 本発明に係るバスタブ用手摺の実施例を図1から図17に示す。本実施例における前後、左右、上下とは、図2および図3に示す交差矢印と、各矢印の近傍の前後、左右、上下の各表記に従う。図2および図3において、符号1はバスタブ、2はバスタブ1の洗い場に臨むタブ壁で、タブ壁2のコーナー部の近傍に手摺が設置されている。平面から見たタブ壁2は前突湾曲状に湾曲している。バスタブ用手摺は、タブ壁2に挟持固定される手摺ベース3と、手摺ベース3で支持される手摺体4と、洗い場の床面に接当して手摺体4に作用する外力を手摺ベース3と協同して支持する脚柱5などで構成される。
手摺ベース3は、ベース本体7と、同本体7に設けられてタブ壁2を内外に挟持するクランプ構造と、ベース本体7の前部上面と後部上面に固定される前上ブロック8および後上ブロック9(図6参照)と、ベース本体7の後部下面に固定される後下ブロック10と、これらの部材を下面側から覆う本体カバー12と、ベース本体7の上面を覆う蓋カバー13などで構成される。前上ブロック8および後上ブロック9は、本体カバー12、後下ブロック10および固定クランプ体26などをベース本体7に締結するために設けられており、各ブロック8・9には本体カバー12および後下ブロック10の下面側から挿通される3個のボルト(六角穴付きボルト)14に対応するナット15が設けられている(図1参照)。後下ブロック10の下面にはクッション材16が固定されている。ベース本体7、前後の上ブロック8・9、後下ブロック10、本体カバー12および蓋カバー13は、いずれもプラスチック成形品からなる。図4に示すように、後下ブロック10の後端面の左右には、後述するクランプアーム27の前後中途部を支持するアーム通口11が設けられている。
図5に示すように、ベース本体7の中央寄りには手摺体4の手摺支柱50を組むためのボス18が形成されており、ボス18の中央に柱穴19が上下貫通状に形成されている。また、ボス18の左右には、後述する調整構造を支持する断面凸字状のガイド溝20が形成されており、ボス18の前後には前枠21および後枠22が張り出し形成されて、これら両枠21・22の上下面に先の前後の上ブロック8・9と後下ブロック10とが締結されている。ボス18の上部には、蓋カバー13の筒壁13aを組むための連結穴23が形成されている(図1参照)。
クランプ構造は、ベース本体7に固定されてタブ壁2の外側面2aに接当する左右一対の固定クランプ体26と、ベース本体7で進退自在に支持される左右一対のクランプアーム27と、クランプアーム27に支持されてタブ壁2の内側面2bに接当する左右一対の可動クランプ体28と、クランプアーム27を進退操作する調整構造とを備えている。固定クランプ体26の接合面29は、タブ壁2の外側面2aに向って外突状に湾曲する2次元平面からなり、タブ壁2が傷むのを避けるために接合面29はゴムなどのクッション材で形成される。
図5に示すように、固定クランプ体26の接合面29は、湾曲長さが異なる第1円弧面29aと第2円弧面29bを備えた部分円弧面で形成されている。また、左右に隣接する固定クランプ体26は左右線対称に配置されて、対称中心軸線に近い側の第2円弧面29bの湾曲長さが、対称軸線から遠い側の第1円弧面29aの湾曲長さより大きく設定されている。タブ壁2の外側面2aが前突湾曲状に形成してある場合には、主として隣接する第2円弧面29bで外側面2aを受け止めており、タブ壁2の外側面2aが後突湾曲状に形成してある場合には、主として隣接する第1円弧面29aで外側面2aを受け止めている。
図16に示すように、固定クランプ体26は花弁状の本体部26aと、本体部26aの前面の左右に設けた六角穴付きボルト(ボルト)31用のボス26b、および位置規制板26cを一体に備えている。ボス26bがベース本体7の後面から内部に係合する状態で、六角穴付きボルト31を雌ねじ体30にねじ込むことにより、固定クランプ体26がスペーサー32を介してベース本体7に固定されている。雌ねじ体30は、先に説明した後上ブロック9と一体に形成されている。スペーサー32には、ボス26b用のボス穴32aと、位置規制板26c用の切欠32bが形成されている。この実施例では、厚みが異なる3種のスペーサー32を用意しており、各スペーサー32の厚みは、薄い側から順に2.5mm、5mm、7.5mmとした。
図4および図10に示すように、クランプアーム27は横臥L字状のプレス金具にプラスチック被覆を施して形成されており、水平の腕部の前部寄りが2個の皿ビス(ボルト)35で金属製のアーム締結枠36に締結固定されている。また、アーム締結枠36は、後述する調整構造のスライドブロック43の上面に2個の皿ビス(ボルト)37で締結固定されている。クランプアーム27の垂直の腕部の前面下部に、可動クランプ体28が十字軸状の自在継手38で支持されている。詳しくは、図9に示すように、クランプアーム27の垂直の腕部に設けた左右一対のブラケット39で自在継手38の左右軸を支持し、可動クランプ体28の後面に設けた上下一対のブラケット40で自在継手38の上下軸を支持している。このように、可動クランプ体28を自在継手38で支持することにより、可動クランプ体28は、タブ壁2の内側面2bの湾曲度と傾斜度に応じて左右方向および前後方向に傾動できる。詳しくは、可動クランプ体28は平面から見て10度ずつ左右傾動でき、側面から見て前方へ15.5度、後方へ9.5度傾動できる。可動クランプ体28の接合面41は平坦面からなり、タブ壁2が傷むのを避けるために接合面41はゴムなどのクッション材で形成してある。
調整構造は、ベース本体7に設けたガイド溝20で前後スライド自在に案内支持される断面が凸字状の金属製のスライドブロック43と、スライドブロック43にねじ込まれて同ブロック43を進退操作する調整ボルト44を備えている。図5に示すように、調整ボルト44の操作頭部はガイド溝20の前壁で支持されて、ねじ軸がスライドブロック43のねじ穴45に前後貫通状にねじ込まれている。調整ボルト44の操作頭部は、ベース本体7に組付けた前上ブロック8で覆われており、前上ブロック8の左右には調整ボルト44をねじ込み操作するためのレンチ穴46が形成してある。調整ボルト44の操作頭部を前上ブロック8で覆うことにより、調整ボルト44が不必要に緩められるのを防止できる。図10に示すように、アーム締結枠36には、一定ピッチで4個のねじ穴47が形成されているため、クランプアーム27のアーム締結枠36に対する締結位置を前後方向の3個所に変更して、固定クランプ体26と可動クランプ体28の挟持間隔を大小に変更調整することができる。
手摺体4は、手摺ベース3で支持される手摺支柱50と、同支柱50の上部に装着される手摺本体51とを備えている。手摺支柱50は金属製の丸パイプに樹脂被覆を施して形成されており、その上端にT字状のブラケット52が固定され、下端に抜止用のキャップ53が固定されている。また、手摺支柱50の内部には、脚柱5の上下位置を調整するための調整ねじ軸54が固定されており、調整ねじ軸54の上端は手摺支柱50の上端に固定した端プラグ55に回転不能に固定されている(図12参照)。脚柱5の調整範囲を大きくするために、調整ねじ軸54は端プラグ55から手摺支柱50の下端付近にわたって設けられており、タブ壁2の洗い場床面からの高さが25〜50cmの範囲内にあれば、手摺ベース3をタブ壁2に支障なく装着できる。端プラグ55は、六角穴付きボルト88とナット89とで手摺支柱50の上端に締結固定されている。手摺本体51は、一対の長辺部と、長辺部の端部に連続する湾曲部とで平面視が競技トラック状に形成されており、各長辺部の中途部下面側に三角形状の連結部56が一体に形成されている。図3に示すように、手摺本体51は連結部56の近傍の長辺部がへ字状に屈曲されている。
手摺本体51をブラケット52で上下傾動可能に支持するために、手摺本体51の連結部56とブラケット52の左右一対のボス90の間に傾動調整機構が設けられている。傾動調整機構は、各連結部56に形成される軸通口57とセレーション穴58と、各ボス90に形成されるセレーション穴59と、各セレーション穴58・59を相対回動不能に連結するセレーション軸63と、同軸63をブラケット52に締結固定する六角穴付きボルト(ねじ体)61などを備えている。六角穴付きボルト61に対応して、セレーション穴59の中央にねじボス60を膨出形成し、ねじボス60の中央にねじ穴62を形成している。軸本体92の挿通穴94に挿通した六角穴付きボルト61のねじ込み始端は、軸本体92のボス90との接合面より常に突出している。
図12に示すようにセレーション軸63は、ポリアミド樹脂などのプラスチック製の軸本体92と、軸本体92の外側端に固定されるプラスチック製のキャップ93とを備えている。軸本体92の中央には、六角穴付きボルト61用の挿通穴94と、ねじボス60に外嵌するボス穴64が凹み形成されている。キャップ93は2個の六角穴付きボルト(ボルト)95で軸本体92に締結固定されており、その中央には六角穴付きボルト95の操作頭部を覆う凹部96とレンチ穴(操作穴)97とが形成されている。キャップ93を設けることにより、六角穴付きボルト61が不必要に緩められるのを防止して、同ボルト61がセレーション軸63から分離するのを解消できる。
手摺本体51をブラケット52に連結するときは、セレーション軸63をセレーション穴58に仮組みした状態で手摺本体51の姿勢を調整し、セレーション軸63をブラケット52側のセレーション穴59に係合させて、手摺本体51を傾動不能に仮保持する。この状態で、六角穴付きボルト61をねじ穴62にねじ込んで手摺本体51をブラケット52に固定する。このように、手摺本体51をブラケット52に連結した状態において、各セレーション穴58・59のセレーション歯58a・59aと、セレーション軸63のセレーション歯63aの間に隙間があると、ユーザーを支える手摺本体51が僅かではあっても上下に傾動して、ユーザーの身体のバランスが崩れるおそれがある。
上記のような状況を避けるために、図14に示すように、セレーション歯63aは、セレーション軸63の外側端から内側端へ向って先すぼまりテーパー状に形成されている。また、セレーション穴58のセレーション歯58aは、セレーション歯63aに対応してセレーション穴58の開口縁から軸通口57の側へ向かって先すぼまりテーパー状に形成されている。同様にセレーション穴59のセレーション歯59aは、セレーション穴59の内奥端から開口縁へ向かって先すぼまりテーパー状に形成されている。つまり、各セレーション穴58・59に形成したセレーション歯58a・59aは、セレーション歯63aとは逆向きの先すぼまりテーパー状に形成されている。従って、図15に示すように、手摺本体51をブラケット52に連結する場合には、各セレーション歯58a・59a・63aの歯面をくさび効果で密着させて、ユーザーを支える手摺本体51が外力を受けて上下に傾動するのを確実に防止できる。
手摺体4を手摺ベース3で上下位置調整可能に支持するために、ベース本体7の柱穴19の下側に半円状の第1抱持座68を設け、同抱持座68の後側に半円状の第2抱持座69を備えた抱持ブロック70を配置し、両抱持座68・69で手摺支柱50を前後に挟持固定できるようにしている。第1抱持座68の左右には、抱持ブロック70を締結する六角穴付きボルト(ボルト)71用のボルト挿通穴72が形成されており、ボルト挿通穴72の下側に縦長四角形状の位置決め穴73が凹み形成されている。同様に、抱持ブロック70にはボルト挿通穴74とナット75を収容する凹部が形成され、ボルト挿通穴74の下側に位置決め穴73と係合する位置決め体76が突設されている。
本体カバー12の内面には、六角穴付きボルト71の操作頭部が必要以上に弛み移動するのを規制する規制キャップ77が設けられており、規制キャップ77と本体カバー12の左右には、六角穴付きボルト71をねじ込み操作するためのレンチ穴78が形成されている。六角穴付きボルト71を緩めると、手摺支柱50に密着していた抱持ブロック70の第2抱持座69が開放されるので、手摺体4を使用に適した高さに無段階で上下調整することができ、この状態で手摺体4の手摺支柱50の周りの向きを調整したうえで、六角穴付きボルト71をねじ込むことにより、手摺体4を手摺ベース3に固定できる。
図11に示すように脚柱5は、金属製の丸パイプの外面に樹脂被覆を施して形成されており、その上端に雌ねじ体81が固定され、下端には接床体82が設けられている。脚柱5は、手摺支柱50に内嵌され、雌ねじ体81を調整ねじ軸54にねじ込んだ状態で手摺支柱50に連結されており、この状態の雌ねじ体81の周面は手摺支柱50の内面で受止められ、さらに脚柱5の中途部が手摺支柱50の下端に固定したキャップ53で受止められている。このように、脚柱5の上下2個所が手摺支柱50とキャップ53で受止め支持されていると、脚柱5をより安定した状態で支持できる。接床体82は、中空筒状のプラスチック成形品からなり、その下面に洗い場の床面で受け止められるすべり止め83が固定されている。接床体82は、脚柱5の下端に固定したばねプラグ84で上下スライド自在に支持されており、ばねプラグ84と接床体82の内面のバネ受壁の間に配置したばね85で下向きに進出付勢されている。
以上のように構成したバスタブ用手摺は、以下の手順で設置する。まず、蓋カバー13を本体カバー12から持ち上げて調整ボルト44を緩め、固定クランプ体26と可動クランプ体28の挟持間隔をタブ壁2の前後厚みより大きめに調整する。さらに、抱持ブロック70の六角穴付きボルト71を緩めて、手摺支柱50を上下スライド可能な状態にしておく。この状態の手摺ベース3をタブ壁2に仮装着して、固定クランプ体26をタブ壁2の外側面2aの上部に接当させ、後下ブロック10のクッション材16をタブ壁2の上端に載置する。
手摺ベース3を仮組みした状態で、脚柱5を回転操作して手摺体4の上下高さを調整し、六角穴付きボルト71を締込んで手摺支柱50を抱持ブロック70で密着固定する。さらに、調整ボルト44を締込んで可動クランプ体28をタブ壁2の内側面2bに密着固定する。最後に、脚柱5を回転操作して、接床体82のすべり止め83を洗い場の床面に密着させる。このとき、接床体82は図11に示すようにばね85が圧縮変形する状態で洗い場の床面に密着させ、同時に脚柱5に上向きのばね力を作用させて、雌ねじ体81が緩むのを防止する。手摺体4の上下高さは、脚柱5の調整ねじ軸54に対するねじ込み長を調整することで自由に変更することができ、例えば、脚柱5を緩める側に回転させて、手摺支柱50の下端から突出する脚柱5の長さを大きくすると、手摺体4をより高い位置に支持できる。
手摺体4は、六角穴付きボルト61を緩めることで、ブラケット52のセレーション穴59の中心軸の回りに傾動調整でき、例えば図3に示すように、へ字状の手摺本体51の傾斜部が洗い場に向かって下り傾斜する姿勢や、手摺本体51の傾斜部がバスタブ1の内部に向かって下り傾斜する姿勢などに自由に姿勢変更できる。また、六角穴付きボルト71を緩めて抱持ブロック70を開放することにより、手摺体4を手摺支柱50の中心軸線の回りの任意位置に旋回変位させて固定することができる。例えば、バスタブ用手摺がタブ壁2のコーナー近傍に装着してある場合には、手摺体4を図2に示すように浴室の壁面の向きに対応するよう旋回変位させて固定することができる。
手摺ベース3がタブ壁2に固定され、手摺体4の上下位置を調整した状態で、六角穴付きボルト61を緩めることで、手摺体4をブラケット52のセレーション穴59の中心軸の回りに傾動調整することができる。詳しくは、六角穴付きボルト61を緩めて、セレーション軸63をブラケット52側のセレーション穴59から抜出すと、手摺本体51をセレーション穴59の中心軸の回りに上下傾動させて、手摺本体51の姿勢の調整を行うことができる。このとき、セレーション軸63がセレーション穴59から分離した状態においても、六角穴付きボルト61の先端部分はねじ穴62にねじ込まれているので、手摺本体51がブラケット52から分離することはなく、従って、手摺本体51の傾動姿勢の調整から、セレーション軸63の先端をセレーション穴59に仮係合して、手摺本体51の使い勝手を確認する一連の作業を適確にしかも速やかに行うことができる。手摺本体51の傾動姿勢が決定したら、六角穴付きボルト61をねじ込んで手摺本体51をブラケット52と一体化する。
先に説明した固定クランプ体26は、タブ壁2の湾曲面の変化に応じて、厚みが異なるスペーサー32を併用してベース本体7に固定される。例えば図17に示すように、タブ壁2のコーナー部の近傍の外側面2aが、前突湾曲面と後突湾曲面で緩やかなS字状に湾曲している場合には、前突湾曲面に臨む固定クランプ体26は、厚みが大きなスペーサー32を併用してベース本体7に固定し、後突湾曲面に臨む固定クランプ体26は、厚みが小さなスペーサー32を併用してベース本体7に固定する。このように、タブ壁2の湾曲形状の違いに応じて厚みが異なるスペーサー32を使用することにより、手摺ベース3をタブ壁2に対して正対する状態で適正に装着できる。なお、スペーサー32は、図5に示すように各固定クランプ体26に同じ厚みのスペーサー32を使用する場合と、片方の固定クランプ体26にスペーサー32を使用し、他方の固定クランプ体26にはスペーサー32を使用しない場合と、片方の固定クランプ体26に2個のスペーサー32を使用し、他方の固定クランプ体26にはスペーサー32を使用しない場合などがある。
上記の実施例ではクランプ構造が、ベース本体7に固定される左右一対の固定クランプ体26と、クランプアーム27に支持されてタブ壁2の内側面2bに接当する左右一対の可動クランプ体28を備えるようにした。また、固定クランプ体26の接合面29は、外側面2aに向って外突状に湾曲する2次元平面で形成し、可動クランプ体28は、クランプアーム27に設けた自在継手38で前後および左右傾動可能に支持した。こうしたバスタブ用手摺によれば、前後に湾曲しているタブ壁2の外側面2aの2個所を、一対の固定クランプ体26の接合面29で線接触状に受止めることができる。さらに、湾曲するタブ壁の内側面2bの2個所を、一対の可動クランプ体28の接合面41が異なる向きに傾動し、さらに面接接触状に密着した状態で受止めることができる。従って、本発明に係るバスタブ用手摺によれば、タブ壁2が平坦である場合はもちろん、タブ壁2の内外側面2a・2bが内外いずれかに湾曲している場合であっても、タブ壁2の内外側面2a・2bの4個所を固定クランプ体26と可動クランプ体28で強固に挟持して、バスタブ用手摺をバスタブ1に対して強固にしかも安定した状態で装着できる。また、タブ壁2のコーナー近傍であっても手摺ベース3を設置できるので、適用可能なバスタブ1と手摺装着位置の自由度を拡大してバスタブ用手摺の汎用性を向上できるうえ、浴槽に出入りするための空間がバスタブ用手摺で狭められるのを極力避けることができる。
ベース本体7に左右一対のクランプアーム27と、各クランプアーム27を個別に進退操作する調整構造を設けるようにした。こうしたクランプ構造によれば、各クランプアーム27を調整構造で独立して進退調整できるので、タブ壁2の挟持位置の前後厚みが異なる場合でも、可動クランプ体28をタブ壁2の内側面2bに密着させて、手摺ベース3をタブ壁2に対して強固にしかもさらに安定した状態で装着できる。
ベース本体7に設けたガイド溝20と、同溝20で案内支持されるスライドブロック43と、スライドブロック43を進退操作する調整ボルト44を含んで調整構造を構成し、スライドブロック43の上側にクランプアーム27を固定するようにした。こうした調整構造によれば、ベース本体7のガイド溝20で前後動のみ可能に案内支持されるスライドブロック43にクランプアーム27が固定されるので、クランプアーム27がスライドブロック43に同行して進退移動するとき、クランプアーム27が左右や上下にぐら付くのを防止して、可動クランプ体28をタブ壁2の内側面2bに強固に密着保持できる。
クランプアーム27は、スライドブロック43に固定したアーム締結枠36に締結固定した、また、アーム締結枠36には、クランプアーム27を締結するための複数のねじ穴47を形成するようにした。こうしたクランプ構造によれば、調整構造で固定クランプ体26と可動クランプ体28の挟持間隔を調整できることに加えて、クランプアーム27のアーム締結枠36に対する締結位置を変更することによっても、固定クランプ体26と可動クランプ体28の挟持間隔を大小に変更調整できる。従って、バスタブメーカーの違いでタブ壁2の前後厚みが大小に異なるような場合でも、固定クランプ体26と可動クランプ体28の挟持間隔の変更範囲を拡大して、バスタブ用手摺の適用範囲を拡大できる。
固定クランプ体26の接合面29を、湾曲長さが異なる第1円弧面29aと第2円弧面29bからなる部分円弧面で形成するようにした。また、隣接する固定クランプ体26は左右線対称に配置して、対称中心軸線に近い側の第2円弧面29bの湾曲長さを、対称軸線から遠い側の第1円弧面29aの湾曲長さより大きく設定した。こうした固定クランプ体26によれば、タブ壁2が前突湾曲状である場合には、タブ壁2の外側面2aを固定クランプ体26の第2円弧面29bで接当支持でき、タブ壁2が後突湾曲状である場合には、タブ壁2の外側面2aを固定クランプ体26の第1円弧面29aで接当支持できる。従って、タブ壁2が前突湾曲状である場合と、タブ壁2が後突湾曲状である場合のいずれの場合でも、固定クランプ体26の接合面29をタブ壁2の外側面2aに安定した状態で接合させて、手摺ベース3をタブ壁2に強固に装着できる。
固定クランプ体26はベース本体7に対してスペーサー32を介して締結固定し、スペーサー32は厚みの異なる複数種を用意するようにした。こうしたクランプ構造によれば、タブ壁2の外側面2aの湾曲面の変化に対応して、固定クランプ体26を厚みの異なるスペーサー32を使用してベース本体7に接合固定することができる。例えば、タブ壁2の外側面2aが緩やかなS字状の湾曲面で形成してあるような場合には、厚みの異なるスペーサー32で各固定クランプ体26の前後位置を調整して、固定クランプ体26の接合面29を湾曲するタブ壁2の外側面2aに確りと接合させることができる。
ベース本体7に、手摺体4の手摺支柱50を支持する柱穴19と第1抱持座68を設け、同抱持座68と協同して手摺支柱50を挟持する抱持ブロック70を、ベース本体7に対して締結固定することにより、手摺支柱50を第1抱持座68と抱持ブロック70で抱持固定できるようにした。こうしたバスタブ用手摺によれば、抱持ブロック70の締結を緩めた状態では、手摺体4を無段階で上下に位置調整でき、さらに手摺体4の向きを手摺支柱50の周りの任意位置に位置調整できるので、ユーザーの身体状況や体力、あるいは好みに応じて手摺体4の位置を自由に調整できる。また、手摺部の一対の取付け脚を連結部にねじで固定する従来の固定構造に比べて、手摺体4の位置調整をより少ない手間で簡便に行える。
脚柱5の上端に雌ねじ体81を固定し、脚柱5の下端に接床体82を設けるようにした。また、中空の手摺支柱50の内部に脚柱5を内嵌装着して、雌ねじ体81を手摺支柱50に固定した調整ねじ軸54にねじ込むようにした。こうしたバスタブ用手摺によれば、脚柱5の調整ねじ軸54に対するねじ込み度合いを調整することで、手摺ベース3の接床高さを無段階に調整できる。従って、タブ壁2の高さの違いに応じて、手摺ベース3の接床高さを過不足なく適正に調整して、手摺ベース3を脚柱5で確りと支持できる。また、バスタブ用手摺を設置する際に不可欠な手摺ベース3の接床高さの調整を、より少ない手間で簡便に行える。
手摺体4が手摺ベース3で支持される手摺支柱50と、同支柱50の上部に固定したブラケット52で支持される手摺本体51を備えるようにした。また、手摺ベース3のベース本体7に手摺支柱50を抱持固定する支柱固定構造を設けて、手摺体4を支柱固定構造で上下調整可能に、かつ、手摺本体51の向きを手摺支柱50の周りに旋回調整可能に抱持固定できるようにした。さらに、ブラケット52と手摺本体51の間に、手摺本体51の手摺支柱50に対する傾動姿勢を調整する傾動調整構造を設けるようにした。こうしたバスタブ用手摺によれば、手摺本体51の支持姿勢を、上下方向と旋回方向と傾動方向の3方向に変更調整することができるので、ユーザーの身体状況や体力、あるいは好みに応じて手摺本体51の向きや姿勢、さらには高さ位置を微妙に調整できる汎用性に優れたバスタブ用手摺を提供できる。
ベース本体7に形成した手摺支柱50用の柱穴19と、柱穴19に隣接形成した第1抱持座68と、第2抱持座69を備えた抱持ブロック70と、抱持ブロック70をベース本体7に締結する六角穴付きボルト71などで支柱固定構造を構成するようにした。また、抱持ブロック70を六角穴付きボルト71でベース本体7に締結固定した状態において、第1、第2の各抱持座68・69で手摺支柱50の周面を抱持固定できるようにした。こうした支柱固定構造によれば、六角穴付きボルト71を緩めて第1抱持座68と第2抱持座69の対向間隔を広げるだけの簡単な操作で、手摺支柱50を上下に移動操作し、あるいは手摺支柱50の中心軸の回りに旋回移動操作することができる。また、手摺本体51の姿勢を調整した状態で六角穴付きボルト71を締めこむだけで、手摺本体51を姿勢変更不能に固定保持できる。従って、支柱固定構造による一連の姿勢調整作業を、簡便にしかも速やかに行える。
手摺支柱50の周面を断面円形に形成し、第1抱持座68と第2抱持座69は、それぞれ断面半円状に形成するようにした。こうした支柱固定構造によれば、抱持ブロック70を六角穴付きボルト71でベース本体7に締結固定した状態において、第1抱持座68と第2抱持座69を手摺支柱50の周面に面接触状に密着させて、両抱持座68・69と手摺支柱50の間の摩擦力を増強できる。従って、手摺本体51が外力を受けて下向きにずれ動き、あるいは、外力を受けた手摺本体51が手摺支柱50の中心軸の回りに旋回移動するのを確実に防止して、ユーザーを常に安定した状態で支持できる、安全性に優れたバスタブ用手摺を提供できる。
第1抱持座68と第2抱持座69の対向面の左右両側に、互いに係合する位置決め体76と位置決め穴73を形成するようにした。こうした支柱固定構造によれば、互いに係合する位置決め体76と位置決め穴73で、抱持ブロック70を上下および左右に位置決めした状態で締結できるので、六角穴付きボルト71による抱持ブロック70の締結をより的確に、しかも安定した状態で行うことができる。また、ベース本体7に締結固定された状態の抱持ブロック70は、左右一対の六角穴付きボルト71と左右一対の位置決め体76および位置決め穴73の合計4個所で固定保持されるので、抱持ブロック70に大きな傾動モーメントが作用するような場合でも、手摺体4をぐら付きのない状態で確りと支持できる。
手摺本体51の連結部56およびブラケット52のボス90に設けられるセレーション穴58・59と、両セレーション穴58・59を係合連結するセレーション軸63と、セレーション軸63をブラケット52に締結固定する六角穴付きボルト61で傾動調整構造を構成するようにした。こうした傾動調整構造によれば、セレーション軸63が各セレーション穴58・59と係合する状態で、手摺本体51をブラケット52に固定支持できるので、手摺本体51に大きな外力モーメントが作用する場合でも、手摺本体51の姿勢を安定した状態で保持し続けることができる。また、セレーション軸63とセレーション穴58・59を連結要素にして、手摺本体51をブラケット52に締結固定するので、手摺本体51の傾動姿勢を調整する際の自由度を向上して、個々のユーザーの身体状況等に適合した姿勢調整を綿密に行える。
プラスチック製の軸本体92とキャップ93でセレーション軸63を構成し、軸本体92に形成したセレーション歯63aを、先すぼまりテーパー状に形成し、各セレーション穴58・59に形成したセレーション歯58a・59aは、前記セレーション歯63aとは逆向きの先すぼまりテーパー状に形成するようにした。こうした傾動調整構造によれば、手摺本体51をブラケット52に連結した状態では、各セレーション歯58a・59a・63aの歯面をくさび効果で密着させることができるので、ユーザーを支える手摺本体51が外力を受けて上下に傾動するのを確実に防止し、バスタブ用手摺の安全性を向上できる。
軸本体92の挿通穴94に挿通した六角穴付きボルト61のねじ込み始端を、軸本体92のボス90との接合面より突出させるようにした。こうした傾動調整構造によれば、六角穴付きボルト61を緩めてセレーション軸63をブラケット52側のセレーション穴59から分離させた状態において、六角穴付きボルト61の先端部分がねじ穴62にねじ込まれているので、手摺本体51がブラケット52から分離することはない。従って、手摺本体51の傾動姿勢の調整から、セレーション軸63の先端をセレーション穴59に仮係合して、手摺本体51の使い勝手を確認する一連の作業を適確にしかも速やかに行うことができる。
上記の実施例では、固定クランプ体26の接合面29を部分円弧状の円弧平面で形成したがその必要はなく、接合面29は楕円平面や湾曲平面などの、外側面2aに向って外突状に湾曲する2次元平面で形成してあればよい。また、調整構造は、各クランプアーム27に対応して設けることが好ましいが、各クランプアーム27を同時に進退操作する調整構造であってもよい。
抱持ブロック70の第2抱持座69は断面が半円状であることが好ましいが、その必要はなく、第2抱持座69の断面形状はV字状、台形状、あるいはスプライン穴状に形成してあってもよい。また、第1抱持座68は柱穴19の上側に形成してあってもよい。セレーション歯58a・59a・63aの断面は三角形、四角形、台形であってもよく、歯数が少ない角形スプライン、インボリュートスプラインなどのスプライン歯状に形成してあってもよい。