JP6914355B2 - 偏光子および偏光板 - Google Patents
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Description
ΔTsa(%)=Ts30−Ts0
Ts0は加熱前の単体透過率であり、Ts30は105℃の環境下に30時間置いた後の単体透過率である。
1つの実施形態においては、上記偏光子は、ナトリウムイオン、炭酸イオンおよびクエン酸イオンから選択される少なくとも1つを含む。
本発明の別の局面によれば、偏光板が提供される。この偏光板は、上記の偏光子と、該偏光子の片側または両側に積層された保護フィルムと、を含む。
A−1.偏光子の概略
本発明の実施形態による偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムで構成され、ヨウ素含有量が3.5重量%以上であり、105℃の環境下に30時間置いた後の単体透過率変化量ΔTsaの絶対値が5.0%以下である。
ΔTsa(%)=Ts30−Ts0
ここで、Ts0は加熱試験前の単体透過率であり、Ts30は105℃の環境下に30時間置いた後の単体透過率である。また、本明細書において単体透過率に関して単にTsと記載する場合は、加熱前の単体透過率Ts0を意味する。
PVA系樹脂フィルムを形成するPVA系樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%以上100モル%未満であり、好ましくは95.0モル%〜99.95モル%、さらに好ましくは99.0モル%〜99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子を得ることができる。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
B−1.偏光子の製造方法の概略
本発明の実施形態による偏光子の製造方法は、PVA系樹脂フィルムを、少なくとも延伸および染色することを含む。代表的には、当該製造方法は、PVA系樹脂フィルムを準備する工程、延伸工程、膨潤工程、染色工程、架橋工程、洗浄工程、および乾燥工程を含む。PVA系樹脂フィルムが供される各工程は、任意の適切な順序およびタイミングで行われ得る。したがって、各工程を上記の順序で行ってもよく、上記とは異なる順序で行ってもよい。必要に応じて、1つの工程を複数回行ってもよい。さらに、上記以外の工程(例えば、不溶化工程)を任意の適切なタイミングで行ってもよい。なお、PVA系樹脂フィルムが基材上に形成されたPVA系樹脂層である場合、基材とPVA系樹脂層との積層体が上記の工程に供される。
延伸工程において、PVA系樹脂フィルムは、代表的には3倍〜7倍に一軸延伸される。延伸方向は、フィルムの長手方向(MD方向)であってもよく、フィルムの幅方向(TD方向)であってもよい。延伸方法は、乾式延伸であってもよく、湿式延伸であってもよく、これらを組み合せてもよい。また、架橋工程、膨潤工程、染色工程等を行う際にPVA系樹脂フィルムを延伸してもよい。なお、延伸方向は、得られる偏光子の吸収軸方向に対応し得る。
膨潤工程は、通常、染色工程の前に行われる。膨潤工程は、例えば、PVA系樹脂フィルムを膨潤浴に浸漬することにより行われる。膨潤浴としては、通常、蒸留水、純水等の水が用いられる。膨潤浴は、水以外の任意の適切な他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、アルコール等の溶媒、界面活性剤等の添加剤、ヨウ化物等が挙げられる。ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。好ましくは、ヨウ化カリウムが用いられる。膨潤浴の温度は、例えば、20℃〜45℃である。また、浸漬時間は、例えば、10秒〜300秒である。
染色工程は、PVA系樹脂フィルムを二色性物質で染色する工程である。好ましくは二色性物質を吸着させることにより行う。当該吸着方法としては、例えば、二色性物質を含む染色液にPVA系樹脂フィルムを浸漬させる方法、PVA系樹脂フィルムに当該染色液を塗工する方法、当該染色液をPVA系樹脂フィルムに噴霧する方法等が挙げられる。好ましくは、染色液にPVA系樹脂フィルムを浸漬させる方法である。二色性物質が良好に吸着し得るからである。
架橋工程においては、通常、架橋剤としてホウ素化合物が用いられる。ホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂等が挙げられる。好ましくは、ホウ酸である。架橋工程においては、ホウ素化合物は、通常、水溶液の形態で用いられる。
洗浄工程は、代表的には、架橋工程以降に行われ得る。洗浄工程は、代表的には、PVA系樹脂フィルムを洗浄液に浸漬させることにより行われる。洗浄液の代表例としては、純水が挙げられる。純水にヨウ化カリウムを添加してもよい。
乾燥工程は、任意の適切な方法により行うことができる。乾燥方法としては、例えば、自然乾燥、送風乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥等が挙げられる。加熱乾燥が好ましく用いられる。加熱乾燥を行う場合、加熱温度は、例えば、30℃〜100℃である。また、乾燥時間は、例えば、20秒〜10分間である。
本発明の実施形態による偏光子は、代表的には、その片側または両側に保護フィルムが積層された状態で(すなわち、偏光板として)使用される。実用的には、偏光板は、最外層として粘着剤層を有する。粘着剤層は、代表的には画像表示装置側の最外層となる。粘着剤層には、セパレーターが剥離可能に仮着され、実際の使用まで粘着剤層を保護するとともに、ロール形成を可能としている。
実施例、比較例および参考例で得られた積層体の偏光子について、蛍光X線分析装置(リガク社製、商品名「ZSX−PRIMUS II」、測定径:ψ20mm)を用いて蛍光X線強度(kcps)を測定した。一方、当該偏光子の厚み(μm)を、分光膜厚計(大塚電子社製、商品名「MCPD−3000」)を用いて測定した。得られた蛍光X線強度と厚みから下記式を用いてヨウ素含有量(重量%)を求めた。
(ヨウ素濃度)=20.5×(蛍光X線強度)/(フィルム厚み)
なお、ヨウ素含有量を算出する際の係数は測定装置によって異なるが、当該係数は適切な検量線を用いて求めることができる。
(2)単体透過率変化量ΔTsaおよびΔTsa´
実施例、比較例および参考例で得られた積層体の偏光子側に反射型偏光子(3M社製、商品名「DBEF」)を貼り合わせた。次いで、熱可塑性樹脂基材を剥離し、当該剥離面に、厚み20μmのアクリル粘着剤層を介して厚み1.3mmの無アルカリガラスを貼り合せ、試験サンプルとした。この試験サンプルを105℃の条件で30時間加熱した(加熱試験)。試験前、加熱試験後の偏光子の単体透過率を、それぞれ、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製、製品名:V7100)を用いて測定した。加熱前の単体透過率Ts0および加熱試験後の単体透過率Ts30から、下記式を用いて単体透過率変化量ΔTsaを求めた。
ΔTsa(%)=Ts30−Ts0
また、加熱試験の加熱時間を20時間とした場合のΔTsa´(%)=Ts20−Ts0も求めた。
(3)色相変化Δab
実施例、比較例および参考例で得られた積層体について、紫外可視分光光度計(日本分光製 V−7100)を用いてa値およびb値を測定した。これをa0値およびb0値とした。さらに、105℃の条件で20時間加熱した後のa20値およびb20値、105℃の条件で30時間加熱した後のa30値およびb30値をそれぞれ求めた。これらの値から下記式を用いて色相変化量Δab20およびΔab30をそれぞれ求めた。
Δab20={(a20−a0)2+(b20−b0)2}1/2
Δab30={(a30−a0)2+(b30−b0)2}1/2
(4)偏光子の初期外観
実施例、比較例および参考例で得られた積層体の偏光子(すなわち、上記(2)の加熱試験前の偏光子)の外観を目視により観察し、以下の基準で評価した。
○:白濁は認められなかった
△:白濁がわずかに認められた
×:白濁が顕著であった
(5)クラック
実施例、比較例および参考例で得られた積層体を115℃で72時間加熱した後、偏光子のクラックの状態を目視により観察し、以下の基準で評価した。
○:クラックは認められなかった
×:クラックが認められた
(6)反り
実施例1および比較例1で得られた積層体の偏光子側の表面を、厚み20μmのアクリル粘着剤層を介して厚み0.55mmの無アルカリガラスを貼り合せ、試験サンプルとした。この試験サンプルを115℃で72時間加熱した後、反り量を測定した。反り量は、試験片の4隅についてガラス板からの高さをそれぞれ測定し、一番大きい値を反り量とした。実施例1の反り量は0.0mmで「良好」であり、比較例1の反り量は0.75mmで「不良(反りが顕著)」であった。
熱可塑性樹脂基材として、吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)を用いた。基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、厚み11μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、テンター延伸機を用いて、140℃で積層体の長手方向と直交する方向に4.5倍空中延伸した(延伸処理)。
次いで、積層体を液温25℃の染色浴(ヨウ素濃度1.4重量%およびヨウ化カリウム濃度9.8重量%の水溶液)に12秒間浸漬させ、染色した(染色処理)。
次いで、積層体を液温25℃の洗浄浴(純水)に6秒間浸漬させた(第1洗浄処理)。
次いで、液温60℃の架橋浴(ホウ素濃度1重量%およびヨウ化カリウム濃度1重量%の水溶液)に16秒間浸漬させた(架橋処理)。
次いで、積層体を液温25℃の洗浄浴(ヨウ化カリウム濃度1重量%の水溶液)に3秒間浸漬させた(第2洗浄処理)。
次いで、積層体を60℃のオーブンで21秒間乾燥させた(第1乾燥処理)。
次いで、積層体のPVA系樹脂層にバーコーターを用いて処理液(炭酸水素ナトリウム0.5重量%およびイソプロピルアルコール50重量%の水溶液:pH=6.0)を塗布した。なお、処理液のpHは、希硫酸を混合することにより調整した。
最後に、積層体を50℃のオーブンで60秒間乾燥させ、厚み1.2μmのPVA系樹脂層(偏光子)を有する積層体を得た。得られた偏光子のヨウ素含有量は20.9重量%、単体透過率は39.3%であった。
得られた積層体を上記(2)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。
処理液としてクエン酸0.2重量%およびイソプロピルアルコール50重量%の水溶液(pH=6.0)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光子を有する積層体を得た。なお、処理液のpHは、水酸化ナトリウムを混合することにより調整した。得られた偏光子のヨウ素含有量は20.5重量%、単体透過率は39.5%であった。得られた積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
得られる偏光子の単体透過率が43%近傍となるように染色処理の条件を変化させたこと以外は実施例1と同様にして、偏光子を有する積層体を得た。得られた偏光子のヨウ素含有量は6.5重量%、単体透過率は43.2%であった。得られた積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
得られる偏光子の単体透過率が43%近傍となるように染色処理の条件を変化させたこと以外は実施例2と同様にして、偏光子を有する積層体を得た。得られた偏光子のヨウ素含有量は6.5重量%、単体透過率は42.8%であった。得られた積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
処理液の炭酸水素ナトリウムを1.0重量としたこと以外は実施例1と同様にして、偏光子を有する積層体を得た。得られた偏光子のヨウ素含有量は20.5重量%、単体透過率は39.5%であった。得られた積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
処理液による処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、偏光子を有する積層体を得た。得られた偏光子のヨウ素含有量は21.5重量%、単体透過率は39.3%であった。得られた積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
処理液による処理を行わなかったこと、および、得られる偏光子の単体透過率が43%近傍となるように染色処理の条件を変化させたこと以外は実施例1と同様にして、偏光子を有する積層体を得た。得られた偏光子のヨウ素含有量は6.7重量%、単体透過率は43.2%であった。得られた積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
得られる偏光子の厚みが12μmとなるようにPVA水溶液の塗布厚みを変化させたこと、および、得られる偏光子の単体透過率が43%近傍となるように染色処理の条件を変化させたこと以外は実施例1と同様にして、偏光子を有する積層体を得た。得られた偏光子のヨウ素含有量は3.3重量%、単体透過率は43.0%であった。得られた積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
処理液による処理を行わなかったこと、および、得られる偏光子の単体透過率が45%以上となるように染色処理の条件を変化させたこと以外は実施例1と同様にして、偏光子を有する積層体を得た。得られた偏光子のヨウ素含有量は2.1重量%、単体透過率は45.7%であった。得られた積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
Claims (3)
- ポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、
ヨウ素含有量が3.5重量%以上であり、
厚みが0.5μm〜1.2μmであり、
105℃の環境下に30時間置いた後の単体透過率変化量ΔTsaの絶対値が5.0%以下である、偏光子:
ここで、単体透過率変化量ΔTsaは、下記式で表される:
ΔTsa(%)=Ts30−Ts0
Ts0は加熱前の単体透過率であり、Ts30は105℃の環境下に30時間置いた後の単体透過率である。 - ナトリウムイオン、炭酸イオンおよびクエン酸イオンから選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の偏光子。
- 請求項1または2に記載の偏光子と、該偏光子の片側または両側に積層された保護フィルムと、を含む、偏光板。
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