本開示は、式(I)の金属−配位子錯体を含むプロ触媒成分を含むオレフィン重合触媒系を提供する。
式(I)中、Mは、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムであり、各Xは、独立して、中性、モノアニオン性、またはジアニオン性である単座配位子または多座配位子であり、nは整数であり、式(I)の金属−配位子錯体は全体として電荷中性である。Y1−4の各々は、独立してCまたはNから選択されるが、但し、Y1−4のうちの正確に1つがNであるか、またはY1−4のうちの正確に2つがNであるものとする。Y7−10の各々は、独立してCまたはNから選択されるが、但し、Y7−10のうちの正確に1つがNであるか、またはY7−10のうちの正確に2つがNであるものとする。基R1及びR10は、両方とも独立して、(C1−C40)ヒドロカルビル、置換(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、置換(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、及び電子対からなる群から選択される。R2、R3、R4、R7、R8、及びR9の各々は、独立して、水素、(C1−C40)ヒドロカルビル、置換(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、置換(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、ハロゲン、ニトロ、及び電子対からなる群から選択される。基R5及びR6は、両方とも独立して、(C1−C40)ヒドロカルビル、置換(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、及び置換(C1−C40)ヘテロヒドロカルビルからなる群から選択される。R1−5のうちのいずれか2つ以上は、任意選択的に、一緒になって、あらゆる水素原子を除く5〜16個の原子を環内に有する少なくとも1つの環構造を形成してもよい。R6−10のうちのいずれか2つ以上は、任意選択的に、一緒になって、あらゆる水素原子を除く5〜16個の原子を環内に有する少なくとも1つの環構造を形成してもよい。R1−10のうちのいずれか2つ以上は、任意選択的に、一緒になって、連結した四座キレート構造を形成してもよい。
上記式(I)の金属配位子錯体、及び本明細書に記載されるその全ての特定の実施形態は、その配位異性体を含む、考えられるあらゆる立体異性体を含むことが意図される。
本開示を通して以下の略語を使用する:Me:メチル、Ph:フェニル、Bn:ベンジル、i−Pr:イソ−プロピル、t−Bu:tert−ブチル、n−Oct:1−オクチル、Fe(Cp)2:フェロセニル、THF:テトラヒドロフラン、CH2Cl2:ジクロロメタン、EtOH:エタノール、EtOAc:酢酸エチル、TCB:1,2,4−トリクロロベンゼン、ベンゼン−d6:重水素化ベンゼン、C6D6:重水素化ベンゼン、CDCl3:重水素化クロロホルム、Mg(OH)2:水酸化マグネシウム、MesMgBr:2,4,6−トリメチルフェニルマグネシウムブロミド、MeMgBr:メチルマグネシウムブロミド、HfCl4:塩化ハフニウム(IV)、HfBn4:ハフニウム(IV)テトラベンジル、ZrCl4:塩化ジルコニウム(IV)、ZrBn4:ジルコニウム(IV)テトラベンジル、Ni(Acac)2:ニッケル(II)アセチルアセトネート、MMAO、MMAO−3A:修飾メチルアルミノキサン、GPC:ゲル浸透クロマトグラフィー、HT−GPC:高温ゲル浸透クロマトグラフィー、PDI:多分散指数、NMR:核磁気共鳴、g:グラム、mg:ミリグラム、mmol:ミリモル、mL:ミリリットル、μL:マイクロリットル、M:モル、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量、μm:マイクロメートル、min:分、h:時間、d:日、Mhz:メガヘルツ、xs:過剰。
いくつかの実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、またはR10のうちのいずれか1つ以上の(C1−C40)ヒドロカルビル及び(C1−C40)ヘテロヒドロカルビルの各々は、各々独立して、非置換であってもよいか、または1つ以上のRS置換基で置換されてもよく、各RSは、独立して、ハロゲン原子、(C1−C18)アルキル、パーフルオロもしくはポリフルオロ(C1−C18)アルキル、非置換(C1−C18)アルキル、(C6−C18)アリール、F3C、FCH2O、F2HCO、F3CO、(RC)3Si、(RC)3Ge、(RC)O、(RC)S、(RC)S(O)、(RC)S(O)2、(RC)2P、(RC)2N、(RC)2C=N、NC、NO2、(RC)C(O)O、(RC)OC(O)、(RC)C(O)N(RC)、または(RC)2NC(O)であり、全ての場合において、各RCは、独立して非置換(C1−C18)アルキルである。特定の実施形態において、RSのうちの2つは、一緒になって非置換(C1−C18)アルキレンを形成する。いくつかの実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、またはR10のうちの1つ以上は、フルオロであるRS置換基でポリフルオロ置換またはパーフルオロ置換されてもよい。
特定の実施形態において、R5及びR6は、各々独立して、親配位子構造のアミン窒素に対するそれらの接続に関して(C1−C40)一級または二級アルキル基である。一級及び二級アルキル基という用語には、本明細書においてそれらの通常の及び慣習的な意味が与えられ、すなわち、「一級」は、配位子窒素に直接結合した炭素原子が少なくとも2つの水素原子を担持することを示唆し、「二級」は、配位子窒素に直接結合した炭素原子が1つのみの水素原子を担持することを示唆する。
別の実施形態において、オレフィン重合触媒系は、式(I)の金属−配位子錯体を含み、各Xは、独立して、Me、Bn、またはClである。
別の実施形態において、オレフィン重合触媒系は、式(I)の金属−配位子錯体を含み、R5及びR6は、各々独立して、(C1−C40)一級もしくは二級アルキル基、または置換一級もしくは二級アルキル基である。
別の実施形態において、オレフィン重合触媒系は、式(I)の金属−配位子錯体を含み、R1及びR10は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリール基である。
Y1−4の各々は、独立してCまたはNから選択されるが、但し、Y1−4のうちの正確に1つがNであるか、またはY1−4のうちの正確に2つがNであるものとする。Y7−10の各々は、独立してCまたはNから選択されるが、但し、Y7−10のうちの正確に1つがNであるか、またはY7−10のうちの正確に2つがNであるものとする。したがって、Y1−4、Mに結合した窒素原子、ならびにY4及びMに結合した窒素原子の両方に結合した炭素原子を含む6員環は、正確に2つの窒素ヘテロ原子を有するジアザ環、または正確に3つの窒素ヘテロ原子を有するトリアザ環であり得る。同様に、Y7−10、Mに結合した窒素原子、ならびにY7及びMに結合した窒素原子の両方に結合した炭素原子を含む6員環は、正確に2つの窒素ヘテロ原子を有するジアザ環、または正確に3つの窒素ヘテロ原子を有するトリアザ環であり得る。
基R1及びR10は、両方とも独立して、(C1−C40)ヒドロカルビル、置換(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、置換(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、及び電子対からなる群から選択される。特に、Y1が炭素である場合、R1は、(C1−C40)ヒドロカルビル、置換(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、及び置換(C1−C40)ヘテロヒドロカルビルからなる群から選択される。Y1が窒素である場合、R1は、電子対であるか、またはさもなければ存在しない。同様にY10が炭素である場合、R10は、(C1−C40)ヒドロカルビル、置換(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、及び置換(C1−C40)ヘテロヒドロカルビルからなる群から選択される。Y10が窒素である場合、R10は、電子対であるか、またはさもなければ存在しない。
R2、R3、R4、R7、R8、及びR9の各々は、独立して、水素、(C1−C40)ヒドロカルビル、置換(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、置換(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、ハロゲン、ニトロ、及び電子対からなる群から選択される。具体的には、それぞれの基R2、R3、R4、R7、R8、及びR9が結合した対応する原子Y2、Y3、Y4、Y7、Y8、またはY9が炭素である場合、それぞれの基R2、R3、R4、R7、R8、及びR9は、(C1−C40)ヒドロカルビル、置換(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、及び置換(C1−C40)ヘテロヒドロカルビルからなる群から選択される。それぞれの基R2、R3、R4、R7、R8、及びR9が結合した対応する原子Y2、Y3、Y4、Y7、Y8、またはY9が窒素である場合、それぞれの基R2、R3、R4、R7、R8、及びR9は、電子対であるか、またはさもなければ存在しない。
したがって、式(I)の金属−配位子錯体は、概して式(II)にも従う。
式(II)中、M、X、n、R5、及びR6は、式(I)において定義した通りである。また、式(II)中、各YW(Wは、1、2、3、4、7、8、9、または10である)は、独立して、=C(RW)−(Wは、RWにおいてYWの場合と同じ値を有する)または=N−から選択されるが、但し、(A)Y1−4のうちの正確に1つが=N−であるか、またはY1−4のうちの正確に2つが=N−であり、かつ、(B)Y7−10のうちの正確に1つが=N−であるか、またはY7−10のうちの正確に2つが=N−であるものとする。Wが1または10であり、YW(すなわち、Y1またはY10)が=C(RW)−である場合、対応するRW(すなわち、R1またはR10)は、独立して、(C1−C40)ヒドロカルビル、置換(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、及び置換(C1−C40)ヘテロヒドロカルビルからなる群から選択される。Wが2、3、4、7、8、または9であり、YW(すなわち、Y2、Y3、Y4、Y7、Y8、またはY9)が=C(RW)−である場合、対応するRW(すなわち、R2、R3、R4、R7、R8、またはR9)は、独立して、水素、(C1−C40)ヒドロカルビル,置換(C1−C40)ヒドロカルビル、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、置換(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル、ハロゲン、及びニトロ(NO2)からなる群から選択される。式(I)におけるように、R1−5のうちのいずれか2つ以上は、任意選択的に、一緒になって、あらゆる水素原子を除く5〜16個の原子を環内に有する少なくとも1つの環構造を形成してもよい。式(I)におけるように、R6−10のうちのいずれか2つ以上は、任意選択的に、一緒になって、あらゆる水素原子を除く5〜16個の原子を環内に有する少なくとも1つの環構造を形成してもよい。式(I)におけるように、R1−10のうちのいずれか2つ以上は、任意選択的に、一緒になって、連結した四座キレート構造を形成してもよい。
いくつかの実施形態において、式(I)の金属−配位子錯体は、以下の式(I.a)、(I.b)、(I.c)、(I.d)、(I.e)、(I.f)、(I.g)、(I.h)、または(I.i)のうちのいずれか1つの金属−配位子錯体であり、R1−10、M、X、及びnの各々は、式(I)において定義した通りである。
式(I)の金属−配位子錯体は、ホモレプティック及びヘテロレプティックなプロ触媒成分を提供する。
特定の炭素原子含有化学基を説明するために使用される場合、「(Cx−Cy)」という形態の括弧付きの表現(例えば、「(C1−C40)アルキル」)は、化学基の非置換バージョンが「x」個の炭素原子から「y」個の炭素原子(「x」及び「y」を含む)を有することを意味し、「x」及び「y」は整数である。化学基のRS置換バージョンは、置換基RSの化学構造に応じて「y」個より多くの炭素原子を含有してもよい。したがって、例えば、非置換(C1−C40)アルキルは、1〜40個の炭素原子(x=1及びy=40)を含有する。化学基が1つ以上の炭素原子含有RS置換基によって置換される場合、置換(Cx−Cy)化学基は、「y」個より多くの合計炭素原子を有し得る。1つ以上の炭素原子含有RS置換基によって置換された(Cx−Cy)化学基の炭素原子の最大総数は、「y」と、炭素原子含有置換基(複数可)RSに存在する炭素原子を合わせた総数とを足したものに等しい。本明細書において特定されていない化学基の任意の原子は、水素原子であると理解されたい。
いくつかの実施形態において、式(I)の金属−配位子錯体の化学基(例えば、R1−10)の各々は、非置換であってもよく、すなわち、上記条件が満たされる限り、置換基RSを用いることなく定義され得る。他の実施形態において、式(I)の金属−配位子錯体の化学基のうちの少なくとも1つは、独立して、置換基RSのうちの1つ以上を含有する。化合物が2つ以上の置換基RSを含有する場合、各RSは、独立して、同じまたは異なる置換化学基に結合している。2つ以上のRSが同じ化学基に結合している場合、それらは独立して、場合によっては化学基の過置換(persubstitution)を含む同じ化学基内で、同じまたは異なる炭素原子またはヘテロ原子に結合している。
本明細書で使用される場合、用語「過置換」は、対応する非置換の化合物または官能基の炭素原子またはヘテロ原子に結合した各水素原子(H)が、場合によっては置換基(例えば、RS)によって置換されることを意味する。用語「多置換」は、対応する非置換の化合物または官能基の炭素原子またはヘテロ原子に結合した水素原子(H)の、全てではないが少なくとも2つのうちの各々が、場合によっては置換基(例えば、RS)によって置換されることを意味する。用語「一置換」は、対応する非置換の化合物または官能基の炭素原子またはヘテロ原子に結合した唯一の水素原子(H)が、場合によっては置換基(例えば、RS)によって置換されることを意味する。
本明細書で使用される場合、用語ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、ヒドロカルビレン、ヘテロヒドロカルビレン、アルキル、アルキレン、ヘテロアルキル、ヘテロアルキレン、アリール、アリーレン、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、シクロアルキル、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロシクロアルキレンの定義は、考えられるあらゆる立体異性体を含むことを意図する。
本明細書で使用される場合、用語「(C1−C40)ヒドロカルビル」は、1〜40個の炭素原子の炭化水素ラジカルを意味し、用語「(C1−C40)ヒドロカルビレン」は、1〜40個の炭素原子の炭化水素ジラジカルを意味し、各炭化水素ラジカル及びジラジカルは、独立して、芳香族(6個の炭素原子またはそれ以上)もしくは非芳香族、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分岐鎖、環式(単環式及び多環式、縮合及び非縮合多環式(二環式を含む)を含む、3個の炭素原子またはそれ以上)もしくは非環式、またはそれらの2つ以上の組み合わせであり、各炭化水素ラジカル及びジラジカルは、独立して、それぞれ別の炭化水素ラジカル及びジラジカルと同じかまたは異なり、かつ独立して、非置換であるかまたは1つ以上のRSによって置換される。
好ましくは、(C1−C40)ヒドロカルビルは、独立して、非置換もしくは置換(C1−C40)アルキル、(C3−C40)シクロアルキル、(C3−C20)シクロアルキル−(C1−C20)アルキレン、(C6−C40)アリール、または(C6−C20)アリール−(C1−C20)アルキレンである。より好ましくは、前述の(C1−C40)ヒドロカルビル基の各々は、独立して、最大40個の炭素原子を有する。1〜40個の炭素原子の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される:例えば、炭素原子の数は、1個の炭素原子から、上限の40個の炭素原子、好ましくは1〜30個の炭素原子、より好ましくは1〜20個の炭素原子、より好ましくは1〜15個の炭素原子、より好ましくは1〜12個の炭素原子、または最も好ましくは1〜10個の炭素原子までの範囲であってもよい。例えば、各(C1−C40)ヒドロカルビル基は、独立して、(C1−C20)ヒドロカルビル)基、または代替的に(C1−C12)ヒドロカルビル)基、または代替的に(C5−C30)ヒドロカルビル)基、または代替的に(C10−C35)ヒドロカルビル)基であってもよい。
(C1−C40)ヒドロカルビレンの例は、非置換または置換(C3−C40)ヒドロカルビレン、(C6−C40)アリーレン、(C3−C40)シクロアルキレン、及び(C3−C40)アルキレン(例えば、(C3−C20)アルキレン)である。いくつかの実施形態において、ジラジカルは、1,3−α,ω−ジラジカル(例えば、−CH2CH2CH2−)または内部置換を有する1,5−α,ω−ジラジカル(例えば、−CH2CH2CH(CH3)CH2CH2−)におけるように、ヒドロカルビレンの末端原子上に存在する。他の実施形態において、ジラジカルは、C7 2,6−ジラジカル
または内部置換を有するC7 2,6−ジラジカル
におけるように、ヒドロカルビレンの非末端原子上に存在する。
本明細書で使用される場合、用語「(C1−C40)アルキル」は、非置換であるかまたは1つ以上のRSによって置換された、1〜40個の炭素原子の飽和直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカルを意味する。非置換(C1−C40)アルキルの例は、非置換(C1−C20)アルキル、非置換(C1−C10)アルキル、非置換(C1−C5)アルキル、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、2,2−ジメチルプロピル,1−ブチル、2−ブチル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、1−ペンチル、1−ヘキシル、2−エチルヘキシル,1−へプチル、1−ノニル、1−デシル、及び2,2,4−トリメチルペンチルである。置換(C1−C40)アルキルの例は、置換(C1−C20)アルキル、置換(C1−C10)アルキル、トリフルオロメチル、トリメチルシリルメチル、メトキシメチル、ジメチルアミノメチル、トリメチルゲルミルメチル、フェニルメチル(ベンジル)、2−フェニル−2,2−メチルエチル、2−(ジメチルフェニルシリル)エチル、及びジメチル(t−ブチル)シリルメチルである。
用語「(C6−C40)アリール」は、6〜40個の炭素原子の非置換または置換(1つ以上のRSによる)の単環式、二環式、または三環式の芳香族炭化水素ラジカルを意味し、そのうち少なくとも6〜14個の炭素原子が芳香族環炭素原子であり、単環式、二環式、または三環式ラジカルは、それぞれ、1個、2個、または3個の環を含み、1個の環は芳香族であり、任意選択な第2及び第3の環は、独立して、縮合または非縮合であり、第2及び第3の環は、各々独立して、任意選択的に芳香族である。非置換(C6−C40)アリールの例は、非置換(C6−C20)アリール、非置換(C6−C18)アリール、フェニル、ビフェニル、オルト−テルフェニル、メタ−テルフェニル、フルオレニル、テトラヒドロフルオレニル、インダセニル、ヘキサヒドロインダセニル、インデニル、ジヒドロインデニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、フェナントレニル、及びトリプチセニルである。置換(C6−C40)アリールの例は、置換(C6−C20)アリール、置換(C6−C18)アリール、2,6−ビス[(C1−C20)アルキル]−フェニル、2−(C1−C5)アルキル−フェニル、2,6−ビス(C1−C5)アルキル−フェニル、2,4,6−トリス(C1−C5)アルキル−フェニル、ポリフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−メチル−6−トリメチルシリルフェニル、2−メチル−4,6−ジイソプロピルフェニル、4−メトキシフェニル、及び4−メトキシ−2,6−ジメチルフェニルである。
用語「(C3−C40)シクロアルキル」は、非置換であるかまたは1つ以上のRSによって置換された、3〜40個の炭素原子の飽和環式または多環式(すなわち、縮合または非縮合)炭化水素ラジカルを指す。他のシクロアルキル基(例えば、(C3−C12)アルキル))は、類似の様式で定義される。非置換(C3−C40)シクロアルキルの例は、非置換(C3−C20)シクロアルキル、非置換(C3−C10)シクロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、オクタヒドロインデニル、ビシクロ[4.4.0]デシル、ビシクロ[2.2.1]へプチル、及びトリシクロ[3.3.1.1]デシルである。置換(C3−C40)シクロアルキルの例は、置換(C3−C20)シクロアルキル、置換(C3−C10)シクロアルキル、2−メチルシクロヘキシル、及びパーフルオロシクロヘキシルである。
用語「(C1−C40)アルキレン」は、非置換であるかまたは1つ以上のRSによって置換された、1〜40個の炭素原子の飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖ジラジカルを意味する。非置換(C1−C40)アルキレンの例は、非置換(C3−C20)アルキレンであり、非置換1,3−(C3−C10)アルキレン、1,4−(C4−C10)アルキレン、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、−(CH2)7−、−(CH2)8−、及び−(CH2)4CH(CH3)−を含む。置換(C1−C40)アルキレンの例は、置換(C3−C20)アルキレン、−CF2CF2CF2−、及び−(CH2)14C(CH3)2(CH2)5−(すなわち、6,6−ジメチル置換ノルマル−1,20−エイコスチレン)である。以前に述べたように、2つのRSは、一緒になって(C1−C40)アルキレンを形成してもよく、置換(C1−C40)アルキレンの例は、1,2−ビス(メチレン)シクロペンタン、1,2−ビス(メチレン)シクロヘキサン、2,3−ビス(メチレン)−7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、及び2,3−ビス(メチレン)ビシクロ[2.2.2]オクタンも含む。
用語「(C3−C40)シクロアルキレン」は、非置換であるかまたは1つ以上のRSによって置換された、3〜40個の炭素原子の環式ジラジカル(すなわち、ラジカルが環原子上に存在する)を意味する。非置換(C3−C40)シクロアルキレンの例は、1,3−シクロブチレン、1,3−シクロペンチレン、及び1,4−シクロヘキシレンである。置換(C3−C40)シクロアルキレンの例は、2−トリメチルシリル−1,4−シクロヘキシレン及び1,2−ジメチル−1,3−シクロヘキシレンである。
用語「(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル」及び「(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレン」は、それぞれ、1〜40個の炭素原子のヘテロ炭化水素ラジカルまたはジラジカルを意味し、各ヘテロ炭化水素は、独立して、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ原子基O、S、N、S(O)、S(O)2、S(O)2N、Si(RC)2、Ge(RC)2、P(RC)、P(O)(RC)、N(RC)、及びFeCp2(Cpは、シクロペンタジエニルまたはその置換バージョンである)を有し、独立して、各RCは、非置換(C1−C18)ヒドロカルビルまたは非置換(C1−C18)ヘテロヒドロカルビルである。各(C1−C40)ヘテロヒドロカルビル及び(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレンは、独立して、非置換もしくは置換(1つ以上のRSによる)、芳香族もしくは非芳香族、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分岐鎖、環式(単環式及び多環式、縮合及び非縮合多環式を含む)もしくは非環式、またはそれらの2つ以上の組み合わせであり、各々が、それぞれ、互いと同じかまたは異なる。
いくつかの実施形態において、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビルは、独立して、非置換または置換(C1−C40)ヘテロアルキル、(C1−C40)ヒドロカルビル−O−、(C1−C40)ヒドロカルビル−S−、(C1−C40)ヒドロカルビル−S(O)−、(C1−C40)ヒドロカルビル−S(O)2−、(C1−C40)ヒドロカルビル−Si(RC)2−、(C1−C40)ヒドロカルビル−Ge(RC)2−、(C1−C40)ヒドロカルビル−N(RC)−、(C1−C40)ヒドロカルビル−P(RC)−、(C2−C40)ヘテロシクロアルキル、(C2−C19)ヘテロシクロアルキル−(C1−C20)アルキレン、(C3−C20)シクロアルキル−(C1−C19)ヘテロアルキレン、(C2−C19)ヘテロシクロアルキル−(C1−C20)ヘテロアルキレン、(C1−C40)ヘテロアリール、(C1−C19)ヘテロアリール−(C1−C20)アルキレン、(C6−C20)アリール−(C1−C19)ヘテロアルキレン、または(C1−C19)ヘテロアリール−(C1−C20)ヘテロアルキレンである。
用語「(C1−C40)ヘテロアリール」は、1〜40個の合計炭素原子及び1〜6個のヘテロ原子の、非置換または置換(1つ以上のRSによる)の単環式、二環式、または三環式のヘテロ芳香族炭化水素ラジカルを意味し、単環式、二環式、または三環式ラジカルは、それぞれ、1個、2個、または3個の環を含み、1個の環はヘテロ芳香族であり、任意選択な第2及び第3の環は、独立して、縮合または非縮合であり、第2または第3の環は、各々独立して、任意選択的にヘテロ芳香族である。単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、5員環または6員環である。5員環は、それぞれ1〜4個の炭素原子及び4〜1個のヘテロ原子を有し、各ヘテロ原子は、O、S、N、またはP、好ましくはO、S、またはNである。5員環ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例は、ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、フラン−3−イル、チオペン−2−イル、ピラゾール−1−イル、イソキサゾール−2−イル、イソチアゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、チアゾール−2−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−2−イル、及びテトラゾール−5−イルである。6員環は、3、4または5個の炭素原子及び3、2、または1個のヘテロ原子を有し、ヘテロ原子は、NまたはP、好ましくはNである。6員環ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例は、ピリジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、及びピリジン−2−イルである。二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、縮合5,6員系または6,6員系であり得る。縮合5,6環系二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例は、インドール−1−イル、及びベンズイミダゾール−1−イルである。縮合6,6環系二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例は、キノリン−2−イル、及びイソキノリン−1−イルである。三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、好ましくは、縮合5,6,5−、5,6,6−、6,5,6−、または6,6,6−環系である。縮合5,6,5環系の例は、1,7−ジヒドロピロロ[3,2−f]インドール−1−イルである。縮合5,6,6環系の例は、1H−ベンゾ[f]インドール−1−イルである。縮合6,5,6環系の例は、9H−カルバゾール−9−イルである。縮合6,6,6環系の例は、アクリジン−9−イルである。
いくつかの実施形態において、(C1−C40)ヘテロアリールは、2,7−二置換カルバゾリルまたは3,6−二置換カルバゾリルであり、より好ましくは、RSは、独立して、フェニル、メチル、エチル、イソプロピル、または三級−ブチルであり、さらにより好ましくは、2,7−ジ(三級−ブチル)−カルバゾリル、3,6−ジ(三級−ブチル)−カルバゾリル、2,7−ジ(三級−オクチル)−カルバゾリル、3,6−ジ(三級−オクチル)−カルバゾリル、2,7−ジフェニルカルバゾリル、3,6−ジフェニルカルバゾリル、2,7−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−カルバゾリル、または3,6−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−カルバゾリルである。
前述のヘテロアルキル及びヘテロアルキレン基は、それぞれ、(C1−C40)炭素原子と、上で定義したヘテロ原子またはヘテロ原子基O、S、N、S(O)、S(O)2、S(O)2N、Si(RC)2、Ge(RC)2、P(RC)、P(O)(RC)、及びN(RC)のうちの1つ以上とを含有する、飽和直鎖または分岐鎖ラジカルまたはジラジカルであり、ヘテロアルキル基及びヘテロアルキレン基の各々は、独立して、非置換であるかまたは1つ以上のRSによって置換される。置換及び非置換ヘテロアルキル基の例は、メトキシル、エトキシル、トリメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、及びジメチルアミノである。
ヘテロアルキル基は、任意選択的に環式であってもよく、すなわちヘテロシクロアルキル基であり得る。非置換(C3−C40)ヘテロシクロアルキルの例は、非置換(C3−C20)ヘテロシクロアルキル、非置換(C3−C10)ヘテロシクロアルキル、オキセタン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、ピロリジン−1−イル、テトラヒドロチオペン−S,S−ジオキシド−2−イル、モルホリン−4−イル、1,4−ジオキサン−2−イル、ヘキサヒドロアゼピン−4−イル、3−オキサ−シクロオクチル、5−チオ−シクロノニル、及び2−アザ−シクロデシルである。
用語「ハロゲン原子」は、フッ素原子(F)ラジカル、塩素原子(Cl)ラジカル、臭素原子(Br)ラジカル、またはヨウ素原子(I)ラジカルを意味する。好ましくは、各ハロゲン原子は、独立して、Br、F、またはClラジカルであり、より好ましくは、FまたはClラジカルである。用語「ハロゲン化物」は、フッ化物(F−)、塩化物(Cl−)、臭化物(Br−)、またはヨウ化物(I−)アニオンを意味する。
いくつかの実施形態において、式(I)の金属−配位子錯体には、S(O)またはS(O)2ジラジカル官能基中のO−S結合以外は、O−O、S−S、またはO−S結合が存在しない。より好ましくは、式(I)の金属−配位子錯体には、S(O)またはS(O)2ジラジカル官能基中のO−S結合以外は、O−O、P−P、S−S、またはO−S結合が存在しない。
本明細書で使用される場合、用語「飽和」は、炭素間二重結合、炭素間三重結合、ならびに(ヘテロ原子含有基において)炭素−窒素、炭素−亜リン酸、及び炭素−ケイ素二重結合を欠いていることを意味する。飽和化学基が1つ以上の置換基RSによって置換される場合、1つ以上の二重及び/または三重結合は、任意選択的に置換基RSに存在してもまたはしなくてもよい。用語「不飽和」は、1つ以上の炭素間二重結合、炭素間三重結合、ならびに(ヘテロ原子含有基において)炭素−窒素、炭素−亜リン酸、及び炭素−ケイ素二重結合、及び炭素窒素三重結合を含有することを意味し、もしある場合は置換基RS中、またはもしある場合は(ヘテロ)芳香族環中に存在し得るそのようないずれの二重結合も含まない。
Mは、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムである。一実施形態において、Mはチタンである。別の実施形態において、Mはジルコニウムである。別の実施形態において、Mはハフニウムである。いくつかの実施形態において、Mは、+2、+3、または+4の形式的酸化状態にある。各Xは、独立して、中性、モノアニオン性、またはジアニオン性であり得る単座配位子または多座配位子である。一般的に、式(I)の金属−配位子錯体は全体として電荷中性である。式(I)の金属−配位子錯体は、いくつかの実施形態において、重合反応のための触媒等の触媒を形成するように活性化されたときに電荷を得ることができる。いくつかの実施形態において、各Xは、独立して、単座配位子である。一実施形態において、2つ以上のX単座配位子が存在する場合、各Xは同じである。いくつかの実施形態において、単座配位子は、モノアニオン性配位子である。モノアニオン性配位子は、−1の正味の形式的酸化状態を有する。各モノアニオン性配位子は、独立して、水素化物、(C1−C40)ヒドロカルビルカルバニオン、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビルカルバニオン、ハロゲン化物、硝酸、炭酸、リン酸、ホウ酸、水酸化ホウ素、硫酸、HC(O)O−、アルコキシドもしくはアリールオキシド(RO−)、(C1−C40)ヒドロカルビルC(O)O−、HC(O)N(H)−、(C1−C40)ヒドロカルビルC(O)N(H)−、(C1−C40)ヒドロカルビルC(O)N((C1−C20)ヒドロカルビル)−、RKRLB−、RKRLN−、RKO−、RKS−、RKRLP−、またはRMRKRLSi−であってもよく、各RK、RL、及びRMは、独立して、水素、(C1−C40)ヒドロカルビル、または(C1−C40)ヘテロヒドロカルビルであるか、またはRK及びRLは、一緒になって(C2−C40)ヒドロカルビレンもしくは(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレンを形成し、RMは、上で定義した通りである。
いくつかの実施形態において、Xの少なくとも1つの単座配位子は、独立して中性配位子である。一実施形態において、中性配位子は、RXNRKRL、RKORL、RKSRL、またはRXPRKRLである中性ルイス塩基であり、各RXは、独立して、水素、(C1−C40)ヒドロカルビル、[(C1−C10)ヒドロカルビル]3Si、[(C1−C10)ヒドロカルビル]3Si(C1−C10)ヒドロカルビル、または(C1−C40)ヘテロヒドロカルビルであり、各RK及びRLは、独立して、以前に定義した通りである。
いくつかの実施形態において、各Xは、独立して、ハロゲン原子、非置換(C1−C20)ヒドロカルビル、非置換(C1−C20)ヒドロカルビルC(O)O−、またはRKRLN−である単座配位子であり、RK及RLの各々は、独立して非置換(C1−C20)ヒドロカルビルである。いくつかの実施形態において、各単座配位子Xは、塩素原子、(C1−C10)ヒドロカルビル(例えば、(C1−C6)アルキルもしくはベンジル)、非置換(C1−C10)ヒドロカルビルC(O)O−、またはRKRLN−であり、RK及びRLの各々は、独立して、非置換(C1−C10)ヒドロカルビルである。
いくつかの実施形態において、少なくとも2つのXが存在し、2つのXは、一緒になって二座配位子を形成する。いくつかの実施形態において、二座配位子は中性二座配位子である。一実施形態において、中性二座配位子は、式(RD)2C=C(RD)−C(RD)=C(RD)2のジエンであり、式中、各RDは、独立して、H、非置換(C1−C6)アルキル、フェニル、またはナフチルである。いくつかの実施形態において、二座配位子は、モノアニオン性−モノ(ルイス塩基)配位子である。モノアニオン性−モノ(ルイス塩基)配位子は、次の式:RE−C(O−)=CH−C(=O)−REの1,3−ジオネートであってもよく、各REは、独立して、H、非置換(C1−C6)アルキル、フェニル、またはナフチルである。いくつかの実施形態において、二座配位子は、ジアニオン性配位子である。ジアニオン性配位子は、−2の正味の形式的酸化状態を有する。一実施形態において、各ジアニオン性配位子は、独立して、炭酸塩、シュウ酸塩(すなわち、−O2CCO2−)、(C2−C40)ヒドロカルビレンジカルバニオン、(C1−C40)ヘテロヒドロカルビレンジカルバニオン、リン酸塩、または硫酸塩である。
以前に述べたように、Xの数及び電荷(中性、モノアニオン性、ジアニオン性)は、式(I)の金属−配位子錯体が全体として中性であるように、Mの形式的酸化状態に応じて選択される。
いくつかの実施形態において、各Xは同じであり、各Xは、メチル、イソブチル、ネオペンチル、ネオフィル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、またはクロロである。いくつかの実施形態において、nは2であり、各Xは同じである。
いくつかの実施形態において、少なくとも2つのXが、異なる。いくつかの実施形態において、各Xは、メチル、イソブチル、ネオペンチル、ネオフィル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、及びクロロのうちの異なる1つである。
一実施形態において、式(I)の金属−配位子錯体は、単核金属錯体である。別の実施形態において、式(I)の金属−配位子錯体は、四座構造を形成するように連結したキレートを含む。別の実施形態において、中心の窒素ドナーに付着した架橋単位により、連結構造は、金属配位子の幾何学的形状を最も触媒に適したものにする。特定の実施形態において、架橋の長さは3原子以上である。3原子以上の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される:例えば、架橋の長さは、3原子以上、または代替的に4原子以上であってもよい。例えば、架橋の長さは、3〜8原子、または代替的に4〜6原子であってもよい。
一実施形態において、オレフィン重合触媒系は、狭い多分散性を有する高分子量(Mw)ポリオレフィンの生成を促進する連結した四座プロ触媒成分を含む。別の実施形態において、開示されるオレフィン重合触媒系は、適切な連鎖シャトリング剤の存在下で、連鎖シャトリング挙動を示唆する可逆的連鎖移動を示す。そのような属性の組み合わせは、オレフィンブロックコポリマーの調製において特に興味深いものである。一般的に、α−オレフィン取り込み量、ひいては短鎖分岐分布を調整する能力は、性能が差別化された材料を得るために極めて重要である。
式(I)によって表される金属−配位子錯体を例示する構造を以下に示す。
式(I)によって表される金属−配位子錯体を例示するさらなる構造を以下に示す。
式(I)によって表される金属−配位子錯体を例示するさらなる構造を以下に示す。
式(I)によって表される金属−配位子錯体を例示するさらなる構造を以下に示す。
式(I)によって表される金属−配位子錯体を例示するさらなる構造を以下に示す。
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式(I)によって表される金属−配位子錯体を例示するさらなる構造を以下に示す。
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実施形態において、開示される触媒系は、前述のように、オレフィン重合触媒系の存在下で1つ以上のオレフィンモノマーの重合反応生成物を含むオレフィン系組成物を提供する。
実施形態において、本開示は、前述のように、オレフィン重合触媒の存在下で1つ以上のオレフィンモノマーを重合することを含むオレフィン重合プロセスをさらに提供する。
共触媒成分
式(I)の金属−配位子錯体を含むプロ触媒は、それを活性共触媒と接触させるかもしくは組み合わせることによって、または当該技術分野で既知のもの等の活性化技術を用いることによって、触媒的に活性化される。本明細書において使用するのに好適な活性化共触媒は、アルキルアルミニウム、ポリマーまたはオリゴマーのアルモキサン(アルミノキサンとしても知られる)、中性ルイス酸、及び非ポリマー性、非配位性のイオン形成化合物(酸化条件下でのそのような化合物の使用を含む)を含む。好適な活性化技術は、バルク電気分解である。上記活性化共触媒及び技術のうちの1つ以上の組み合わせも企図される。用語「アルキルアルミニウム」は、モノアルキルアルミニウム二水素化物もしくはモノアルキルアルミニウムジハロゲン化物、ジアルキルアルミニウム水素化もしくはジアルキルアルミニウムハロゲン化物、またはトリアルキルアルミニウムを意味する。アルミノキサン及びそれらの調製物は、例えば、米国特許(USPN)第US6,103,657号において既知である。好ましいポリマーまたはオリゴマーのアルモキサンの例は、メチルアルモキサン、トリイソブチルアルミニウム修飾メチルアルモキサン、及びイソブチルアルモキサンである。
例示的ルイス酸活性化共触媒は、本明細書に記載されるような1〜3個のヒドロカルビル置換基を含有する第13族金属化合物である。いくつかの実施形態において、例示的第13族金属化合物は、トリ(ヒドロカルビル)置換アルミニウムまたはトリ(ヒドロカルビル)ホウ素化合物である。いくつかの他の実施形態において、例示的第13族金属化合物は、トリ((C1−C10)アルキル)アルミニウムまたはトリ((C6−C18)アリール)ホウ素化合物、及びそれらのハロゲン化(パーハロゲン化を含む)誘導体である。いくつかの他の実施形態において、例示的第13族金属化合物は、トリス(フルオロ置換フェニル)ボランを含み、他の実施形態において、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである。いくつかの実施形態において、活性化共触媒は、ホウ酸トリス((C1−C20)ヒドロカルビル)メタン(例えば、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)またはトリ((C1−C20)ヒドロカルビル)アンモニウムテトラ((C1−C20)ヒドロカルビル)ボレート(例えば、ビス(オクタデシル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである)。本明細書で使用される場合、用語「アンモニウム」は、((C1−C20)ヒドロカルビル)4N+、((C1−C20)ヒドロカルビル)3N(H)+、((C1−C20)ヒドロカルビル)2N(H)2 +、(C1−C20)ヒドロカルビルN(H)3 +、またはN(H)4 +であり、各(C1−C20)ヒドロカルビルは同じかまたは異なり得る、窒素カチオンを意味する。
中性ルイス酸活性化共触媒の例示的組み合わせは、トリ((C1−C4)アルキル)アルミニウムと、ハロゲン化トリ((C6−C18)アリール)ホウ素化合物、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとの組み合わせを含む混合物を含む。他の例示的実施形態は、そのような中性ルイス酸混合物とポリマーまたはオリゴマーのアルモキサンとの組み合わせ、単一の中性ルイス酸、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランと、ポリマーまたはオリゴマーのアルモキサンとの組み合わせである。(金属−配位子錯体):(トリス(ペンタフルオロ−フェニルボラン):(アルモキサン)[例えば、(第4族金属−配位子錯体):(トリス(ペンタフルオロ−フェニルボラン):(アルモキサン)]のモル数の例示的実施形態の比は、1:1:1〜1:10:30であり、他の例示的実施形態は1:1:1.5〜1:5:10である。
多くの活性化共触媒及び活性化技術が、以下の米国特許において異なる金属−配位子錯体に関して教示されている:米国特許第US5,064,802号、同第US5,153,157号、同第US5,296,433号、同第US5,321,106号、同第US5,350,723号、同第US5,425,872号、同第US5,625,087号、同第US5,721,185号、同第US5,783,512号、同第US5,883,204号、同第US5,919,983号、同第US6,696,379号、及び同第US7,163,907号。好適なヒドロカルビル酸化物の例は、米国特許第US5,296,433号に開示されている。付加重合触媒のための好適なブレンステッド酸塩の例は、米国特許第US5,064,802号、同第US5,919,983号、同第US5,783,512号に開示されている。付加重合触媒のための活性化共触媒としての、カチオン酸化剤及び非配位性の適合性アニオンの好適な塩の例は、米国特許第US5,321,106号に開示されている。付加重合触媒のための活性化共触媒として好適なカルベニウム塩の例は、米国特許第US5,350,723号に開示されている。付加重合触媒のための活性化共触媒として好適なシリリウム塩の例は、米国特許第US5,625,087号に開示されている。アルコール、メルカプタン、シラノール、及びオキシムと、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとの好適な錯体の例は、米国特許第US5,296,433号に開示されている。これらの触媒のうちのいくつかは、米国特許第US6,515,155 B1号の第50欄39行目から第56欄55行目の一部にも記載されており、その一部のみが参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、式(I)の金属−配位子錯体を含むプロ触媒を活性化して、カチオン形成共触媒、強ルイス酸、またはそれらの組み合わせ等の1つ以上の共触媒との組み合わせにより活性触媒組成物を形成することができる。使用するのに好適な共触媒は、ポリマーまたはオリゴマーのアルミノキサン、特にメチルアルミノキサン、及び不活性、適合性、非配位性のイオン形成化合物を含む。例示的な好適な共触媒は、限定されないが、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、ビス(水素化タローアルキル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアルミニウム(TEA)、及びそれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、前述の活性化共触媒の1つ以上は、互いに組み合わせて使用する。特に好ましい組み合わせは、トリ((C1−C4)ヒドロカルビル)アルミニウム、トリ((C1−C4)ヒドロカルビル)ボラン、またはアンモニウムボレートと、オリゴマーまたはポリマーのアルモキサン化合物との混合物である。
1つ以上の活性化共触媒の総モル数に対する1つ以上の式(I)の金属−配位子錯体の総モル数の比は、1:10,000〜100:1である。いくつかの実施形態において、比は、少なくとも1:5000であり、いくつかの他の実施形態において、少なくとも1:1000、及び10:1以下であり、他のいくつかの実施形態において、1:1以下である。アルモキサンのみが活性化共触媒として使用される場合、好ましくは用いられるアルモキサンのモル数は、式(I)の金属−配位子錯体のモル数の少なくとも100倍である。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのみが活性化共触媒として使用される場合、いくつかの他の実施形態において、1つ以上の式(I)の金属−配位子錯体の総モル数に対して用いられるトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのモル数は、1:0.5〜1:10を形成し、いくつかの他の実施形態において、1:1〜1:6であり得、いくつかの他の実施形態において、1:1〜1:5であり得る。残りの活性化共触媒は、通常、1つ以上の式(I)の金属−配位子錯体の総モル量とほぼ等しいモル量で用いられる。
ポリオレフィン組成物
本開示の実施形態は、以前に記載した実施形態のいずれによるものであってもよいオレフィン重合触媒系の存在下で1つ以上のオレフィンモノマーの重合反応生成物を含むオレフィン系組成物にさらに関する。
本開示によるポリオレフィン組成物は、重合条件下において、かつ1つ以上の共触媒及び/または捕捉剤の存在下で、1つ以上のオレフィン系モノマーと本開示によるオレフィン重合触媒系との反応生成物を含んでもよい。
本開示によるポリオレフィン組成物は、例えば、エチレンのホモポリマー及び/またはエチレンと任意選択的にα−オレフィン等の1つ以上のコモノマーとのインターポリマー(コポリマーを含む)等のエチレン系ポリマーであってもよい。そのようなエチレン系ポリマーは、0.860〜0.973g/cm3の範囲の密度を有することができる。0.860〜0.973g/cm3の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される:例えば、密度は、下限の0.860、0.880、0.885、0.900、0.905、0.910、0.915、または0.920g/cm3から、上限の0.973、0.963、0.960、0.955、0.950、0.925、0.920、0.915、0.910、または0.905g/cm3までであってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「エチレン系ポリマー」は、エチレンモノマー由来の単位を50mol%超有するポリマーを意味する。
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、1000個の炭素原子当たり0.0〜3長鎖分岐(LCB)の範囲の長鎖分岐頻度を有し得る。一実施形態において、エチレン系ポリマーは、2.0以上の範囲の分子量分布(Mw/Mn)(従来のゲル浸透クロマトグラフィー「GPC」法に従って測定される)を有することができる。2以上の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される:例えば、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、2〜20の範囲の分子量分布(Mw/Mn)を有し得るか、または代替的に、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、2〜5の範囲の分子量分布(Mw/Mn)を有し得る。
別の実施形態において、エチレン系ポリマーは、例えば、重合において連鎖移動剤が使用される場合、2未満の分子量分布、Mw/Mnを有し得る。2未満の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される。例えば、エチレン系ポリマーのMw/Mnは、2未満、または代替的に1.9未満、または代替的に1.8未満、または代替的に1.5未満であってもよい。特定の実施形態において、エチレン系ポリマーは、0.5〜2の分子量分布を有する。
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、20,000g/モル以上の範囲、例えば、20,000〜1,000,000g/モル、または代替的に20,000〜350,000g/モル、または代替的に100,000〜750,000g/モルの範囲の分子量(Mw)を有することができる。
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、0.02〜200g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有することができる。0.02〜200g/10分の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される:例えば、メルトインデックス(I2)は、下限の0.1、0.2、0.5、0.6、0.8、1、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、10、15、20、30、40、50、60、80、90、100、または150g/10分から、上限の0.9、1、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、10、15、20、30、40、50、60、80、90、100、150、または200g/10分までであってもよい。
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、5〜30の範囲のメルトフローレート(I10/I2)を有し得る。5〜30の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される:例えば、メルトフローレート(I10/I2)は、下限の5、5.5、6、6.5、8、10、12、15、20、または25から、上限の5.5、6、6.5、8、10、12、15、20、25、または30までであってもよい。
エチレン系ポリマーは、50モルパーセント未満の1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来の単位を含み得る。50モルパーセント未満の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される:例えば、エチレン系ポリマーは、30モルパーセント未満の1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来の単位、または代替的に20モルパーセント未満の1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来の単位、または代替的に1〜20モルパーセントの1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来の単位、または代替的に1〜10モルパーセントの1つ以上のα−オレフィンコモノマー由来の単位を含んでもよい。
α−オレフィンコモノマーは、典型的には20個以下の炭素原子を有する。例えば、α−オレフィンコモノマーは、好ましくは3〜10個の炭素原子、より好ましくは3〜8個の炭素原子を有し得る。例示的なα−オレフィンコモノマーは、限定されないが、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、及び4−メチル−1−ペンテンを含む。1つ以上のα−オレフィンコモノマーは、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンからなる群、または代替的に、1−ヘキセン及び1−オクテンからなる群から選択されてもよい。
エチレン系ポリマーは、50モルパーセント超のエチレン由来の単位を含み得る。50モルパーセント超の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書において開示される:例えば、エチレン系ポリマーは、少なくとも52モルパーセントのエチレン由来の単位、または代替的に少なくとも65重量パーセントのエチレン由来の単位、または代替的に少なくとも85モルパーセントのエチレン由来の単位、または代替的に50〜100モルパーセントのエチレン由来の単位、または代替的に80〜100モルパーセントのエチレン由来の単位を含んでもよい。
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、前述の連鎖シャトリング重合プロセスに従って調製されるオレフィンブロックコポリマーを含む。オレフィンブロックコポリマーまたはポリ(エチレンα−オレフィン)ブロックコポリマーは、エチレン由来の硬質セグメント(すなわち、ポリエチレン硬質セグメント)と、α−オレフィン及びエチレンの残基を含む軟質セグメントとを含む。α−オレフィン及びエチレンの残基は、典型的には、軟質セグメント中にほぼランダムに分布される。好ましくは、ポリエチレン硬質セグメントは、その中に共有結合により組み込まれたα−オレフィンの残基を5モルパーセント(mol%)未満有するとして特徴付けられる。好ましくは、ポリ(エチレンα−オレフィン)ブロックコポリマーは、後述の手順を用いて示差走査熱量測定により決定した場合に、摂氏100度超、より好ましくは120℃超の溶融温度を有するとして特徴付けられる。ポリ(エチレンα−オレフィン)ブロックコポリマーは、エチレン残基と、1つ以上の共重合性α−オレフィンコモノマー残基(すなわち、重合形態のエチレン及び1つ以上の共重合性α−オレフィンコモノマー)とを含む。ポリ(エチレンα−オレフィン)ブロックコポリマーは、化学的特性または物理的特性が異なる2つ以上の重合モノマー単位の複数のブロックまたはセグメントによって特徴付けられる。すなわち、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、ブロックインターポリマー、好ましくはマルチブロックインターポリマーまたはコポリマーである。用語「インターポリマー」及び「コポリマー」は、本明細書において交換可能に使用される。いくつかの実施形態において、マルチブロックコポリマーは、式:(AB)nによって表すことができ、式中、nは、少なくとも1であり、好ましくは、1より大きな整数、例えば、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはそれ以上であり、「A」は、硬質ブロックまたはセグメントを表し、「B」は、軟質ブロックまたはセグメントを表す。好ましくは、A及びBは、分岐状または星状ではなく、直線状に連結される。
「硬質」セグメントは、エチレン残基が95重量パーセント超、好ましくは98重量パーセント超の量でポリ(エチレンα−オレフィン)ブロックコポリマー中に存在する重合単位のブロックを指す。換言すると、硬質セグメント中のコモノマー(すなわち、α−オレフィン)残基含有量は、5重量パーセント未満、好ましくは2重量パーセント未満である。いくつかの実施形態において、硬質セグメントは、全てまたは実質的に全てのエチレン残基を含む。「ポリエチレン硬質セグメント」及び「エチレン由来の硬質セグメント」という表現は同義であり、ポリ(エチレンα−オレフィン)ブロックコポリマーの硬質セグメント部分を意味する。
「軟質」セグメントは、ポリ(エチレンα−オレフィン)ブロックコポリマー中のコモノマー(α−オレフィン)残基含有量が5重量パーセント超、好ましくは、8重量パーセント超、10重量パーセント超、または15重量パーセント超である重合単位のブロックを指す。いくつかの実施形態において、軟質セグメント中のコモノマー残基含有量は、20重量パーセント超、25重量パーセント超、30重量パーセント超、35重量パーセント超、40重量パーセント超、45重量パーセント超、50重量パーセント、または60重量パーセント超であり得る。
重合プロセス
任意の従来の重合プロセスを用いて本開示によるポリオレフィン組成物を生成することができる。そのような従来の重合プロセスは、限定されないが、1つ以上の従来の反応器、例えば、ループ反応器、等温反応器、流動床反応器、撹拌槽反応器、並列、直列、及び/またはそれらの任意の組み合わせのバッチ反応器を使用する、溶液重合プロセス、粒子形成重合プロセス、及びそれらの組み合わせを含む。
一実施形態において、本開示によるポリオレフィン組成物は、例えば、1つ以上のループ反応器、等温反応器、及びそれらの組み合わせによって生成され得る。
一般に、溶液相重合プロセスは、1つ以上のループ反応器または1つ以上の球状等温反応器等の1つ以上の十分に撹拌された反応器内で、120〜300℃の範囲、例えば、160〜215℃の温度で、かつ300〜1500psiの範囲、例えば、400〜750psiの圧力で行われる。溶液相重合プロセスにおける滞留時間は、典型的には2〜30分、例えば、5〜15分の範囲である。エチレン、1つ以上の溶媒、1つ以上の高温オレフィン重合触媒系、1つ以上の共触媒及び/または捕捉剤、ならびに任意選択的に1つ以上のコモノマーが、1つ以上の反応器に連続的に供給される。例示的な溶媒は、イソパラフィンを含むが、これに限定されない。例えば、そのような溶媒は、ExxonMobil Chemical Co.、Houston,TexasからISOPAR(登録商標)の名称で市販されている。エチレン系ポリマー及び溶媒の結果として得られる混合物は、次いで反応器から取り出され、エチレン系ポリマーが単離される。溶媒は、典型的には、溶媒回収ユニット、すなわち熱交換器及び気液分離ドラム等を介して回収され、次いで重合システムに再循環される。
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、単一反応器システム、例えば単一ループ反応器システムにおける溶液重合によって生成され得、この場合、エチレン及び任意選択的に1つ以上のα−オレフィンが、1つ以上の高温オレフィン重合触媒系、任意選択的に1つ以上の他の触媒、及び任意選択的に1つ以上の共触媒の存在下で重合される。一実施形態において、エチレン系ポリマーは、二重反応器システム、例えば、二重ループ反応器システムにおける溶液重合によって生成され得、この場合、エチレン及び任意選択的に1つ以上のα−オレフィンが、1つ以上のオレフィン重合触媒系、任意選択的に1つ以上の他の触媒、及び任意選択的に1つ以上の共触媒の存在下で重合される。一実施形態において、エチレン系ポリマーは、二重反応器システム、例えば、二重ループ反応器システムにおける溶液重合によって生成され得、この場合、エチレン及び任意選択的に1つ以上のα−オレフィンが、両方の反応器において、本明細書に記載されるように、1つ以上の高温オレフィン重合触媒系の存在下で重合される。
一実施形態において、エチレン系ポリマーは、気相重合プロセスを使用して、例えば、流動床反応器を用いて作製され得る。この種類の反応器及び該反応器を操作するための手段は、周知であり、例えば、米国特許第US3,709,853号、同第US4,003,712号、同第US4,011,382号、同第US4,302,566号、同第US4,543,399号、同第US4,882,400号、同第US5,352,749号、同第US5,541,270号、欧州特許公開EP−A−0 802 202号、及びベルギー特許第839,380号に完全に記載されている。これらの特許は、重合媒体が機械的に撹拌されるか、または気体状モノマー及び希釈剤の連続流によって流動化されるかのいずれかである気相重合プロセスを開示している。
重合プロセスは、流動床プロセス等の連続気相プロセスとして成し遂げられてもよい。流動床反応器は、反応ゾーンと、いわゆる減速ゾーンとを含み得る。反応ゾーンは、該反応ゾーンを通る重合熱を除去するために気体状モノマー及び希釈剤の連続流によって流動化された、成長するポリマー粒子、形成されたポリマー粒子、及び少量の触媒粒子の床を含み得る。任意選択的に、再循環気体の一部を冷却及び圧縮して、反応ゾーンに再び導入されたときに循環気流の熱除去能を高める液体を形成することができる。循環気流に対する気体状モノマーの補給は、特定のポリマー生成物及びそれに関連するモノマーが反応器から取り出される速度に等しい速度であり、反応器を通過する気体の組成は、反応ゾーン内で本質的に定常状態の気体状組成物を維持するように調節される。反応ゾーンを出た気体は、減速ゾーンを通過させ、そこで同伴粒子が除去される。より微細な同伴粒子及び粉塵は、サイクロン及び/または微細フィルタで任意選択的に除去することができる。気体は、重合熱が除去される熱交換器に通過させ、圧縮機内で圧縮し、次いで反応ゾーンに戻す。
本明細書に記載される流動床プロセスの反応器温度は、好ましくは、30℃〜40℃または50℃〜90℃または100℃または110℃または120℃の範囲である。一般に、反応器温度は、反応器内のポリマー生成物の焼結温度を考慮に入れて、実現可能な最高温度で操作される。流動床重合プロセスにおいて、重合温度または反応温度は、形成されるポリマーの溶融温度または「焼結」温度未満であるべきである。したがって、一実施形態における上限温度は、反応器で生成されるポリオレフィンの溶融温度である。
スラリー重合プロセスも使用することができる。スラリー重合プロセスは、通常、1〜50気圧の範囲及びそれ以上の圧力、ならびに0℃〜120℃、より具体的には30℃〜100℃の範囲の温度を用いる。スラリー重合では、固体の微粒子ポリマーの懸濁液が液体重合希釈媒体中に形成され、そこにエチレン及びコモノマー、また多くの場合は水素が、触媒とともに加えられる。希釈剤を含む懸濁液が、断続的または連続的に反応器から除去され、揮発性成分がポリマーから分離され、任意選択的に蒸留後に反応器に再循環される。重合媒体中に用いられる液体希釈剤は、典型的には、3〜7個の炭素原子を有するアルカンであり、一実施形態において分岐アルカンである。用いられる媒体は、重合条件下で液体であり、比較的不活性であるべきである。プロパン媒体が使用される場合、プロセスは、反応希釈剤の臨界温度及び臨界圧力を超えて操作されなければならない。一実施形態において、ヘキサン、イソペンタン、またはイソブタン媒体が用いられる。
ポリマーが溶液になる温度よりも低く温度が維持されるプロセスである、粒子形成重合もまた有用である。他のスラリープロセスは、ループ反応器を用いるもの、及び複数の撹拌反応器を直列、並列、またはそれらの組み合わせで用いるものを含む。スラリープロセスの非限定的な例は、連続ループまたは撹拌槽プロセスを含む。また、スラリープロセスの他の例は、米国特許第US4,613,484号及びMetallocene−Based Polyolefins Vol.2 pp.322−332(2000)に記載されており、それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
一実施形態において、式(I)の金属−配位子錯体を含むプロ触媒は、重合プロセスにおいて1つ以上の追加の触媒と組み合わせることができる。使用に好適な触媒は、所望の組成または種類のポリマーを調製するように適合された任意の化合物または化合物の組み合わせを含む。不均一触媒及び均一触媒の両方が用いられ得る。不均一触媒の例は、周知のチーグラー・ナッタ組成物、特に、第2金属ハロゲン化物上に支持された第4族金属ハロゲン化物、または混合ハロゲン化物及びアルコキシド、ならびに周知のクロムまたはバナジウム系触媒を含む。しかしながら、好ましくは、溶液中における狭い分子量のポリマーセグメントの使用しやすさ及び生成のために、本明細書で使用される触媒は、比較的純粋な有機金属化合物または金属錯体、特に、元素周期表の第3〜10族またはランタニド系列から選択される金属に基づく化合物または錯体を含む均一触媒である。本明細書で用いられるいずれの触媒も、本発明の重合条件下で他の触媒の性能に著しい悪影響を及ぼさないことが好ましい。望ましくは、本発明の重合条件下で、触媒の活性が25パーセント超、より好ましくは10パーセント超低下しない。
一実施形態において、式(I)の金属−配位子錯体を含むプロ触媒は、前述のオレフィンブロックコポリマーを調製するために、連鎖シャトリング重合プロセスにおいて1つ以上の追加の触媒及び連鎖シャトリング剤と組み合わされてもよい。使用に好適な触媒は、所望の組成または種類のポリマーを調製するように適合された任意の化合物または化合物の組み合わせを含み、連鎖シャトリングが可能である。そのような触媒の非限定的な例は、以下を含む。
連鎖シャトリング剤の非限定的な例は、ジアルキル亜鉛試薬及びトリアルキルアルミニウム試薬を含む。
式(I)の金属−配位子錯体を含むプロ触媒は、前述のように、1つ以上の共触媒との組み合わせにより、活性な触媒組成物を形成するように活性化することができる。
エチレン系ポリマーは、1つ以上の添加剤をさらに含んでもよい。そのような添加剤は、限定されないが、帯電防止剤、増色剤、染料、潤滑剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤、UV安定剤、及びそれらの組み合わせを含む。実施形態によるエチレン系ポリマーは、任意の量の添加剤を含有し得る。エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマー及び1つ以上の添加剤の重量に基づいて、合計約0〜約10重量パーセントのそのような添加剤を損ない得る。エチレン系ポリマーは、限定されないが有機または無機充填剤を含み得る充填剤をさらに損ない得る。そのような充填剤、例えば、炭酸カルシウム、タルク、またはMg(OH)2は、エチレン系ポリマーならびに1つ以上の添加剤及び/または充填剤の重量に基づいて約0〜約20パーセントのレベルで存在し得る。エチレン系ポリマーを1つ以上のポリマーとさらに混合してブレンドを形成することができる。
以下の実施例は、本開示の実施例を例示するものであって、特許請求の範囲の範囲を制限することを意図するものではない。本開示の実施例は、本開示によるオレフィン重合触媒系が、狭い多分散性及び特に低いオクテン取り込み量を有する高分子量(Mw)ポリオレフィンの生成を促進する、改善された特性を有することを示す。
プロ触媒成分
比較例のプロ触媒C1は、以下の構造を有する。
プロ触媒1〜7は、以下の構造を有する。
40mLバイアルにトリクロロピリミジン(1.00g、5.51mmol)、ニッケルアセチルアセトネート(0.042g、0.17mmol)、2,6−ジイソプロピルフェニルイミダゾリウムクロリド(0.070g、0.17mmol)、及び無水THF(15mL)を充填した。窒素下でMesMgBr(THF中1M、11.3mL、11.3mmol)を徐々に滴下して加え、室温で一晩撹拌した。全ての揮発性物質を除去し、次いで、水及びCH2Cl2を加え、有機層を抽出した。全ての揮発性物質を再び除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(90:10のヘキサン:EtOAc)により精製した。収量:1.65g、85%。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.13−7.10(s,1H)、6.94(s,4H)、2.31(s,6H)、2.11(s,12H)。13C NMR(101MHz、CDCl3)δ171.00、138.87、135.03、134.20、128.66、121.95、121.04、21.11、20.10。
40mLバイアルに2−クロロ−4,6−ジメシチルピリミジン(0.500g、1.42mmol)、過剰なn−プロピルアミン(1.17mL、14.3mmol)、及びエタノール(12mL)を充填した。混合物を70℃まで一晩加熱した。冷却すると沈殿物が形成され、それを純粋な生成物として回収した。収量:0.53g、63%。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 6.90(s,4H)、6.38(s,1H)、5.24(t,J=5.7Hz、1H)、3.46−3.33(m,2H)、2.29(s,6H)、2.14(s,12H)、1.60(h,J=7.3Hz、2H)、0.94(t,J=7.4Hz、3H)。13C NMR(101MHz、CDCl3)δ168.54、162.96、137.64、134.98、128.36、112.03、43.26、22.99、21.05、19.95、11.42。
配位子のメタル化の一般的手順
グローブボックス内で、バイアルにHfCl4またはZrCl4(0.23mmol)及びトルエン(5mL)を充填した。溶液を−30℃まで冷却し、次いでMeMgBr(0.35mL、3M、1.04mmol)を加えた。溶液を2分間撹拌させ、次いで、配位子の冷トルエン(5mL)懸濁液(0.23mmol)を加えた。溶液は急速に黄色に変化し、それを室温で2時間撹拌させた。全ての揮発性物質を除去して残渣をヘキサンで粉砕した。その残渣をヘキサンに溶解し、使い捨てフリットを通して濾過した。黄色溶液を真空乾燥させ、次いで、エーテルに溶解した。黄色溶液を濃縮し、−30℃まで冷却し、生成物の黄色結晶を得た。
HfCl4を用いて配位子のメタル化の一般的手順に従ってプロ触媒1を調製し、所望の錯体を収率63%で生成した。1H NMR(400MHz、C6D6)δ6.77−6.71(s,4H)、6.71−6.65(s,4H)、5.70(s,2H)、3.23(t,J=7.0Hz、4H)、2.23(s,12H)、2.06(s,24H)、1.66(h,J=7.4Hz、4H)、0.92(t,J=7.4Hz、6H)、0.51(s,6H)。13C NMR(101MHz、C6D6)δ173.75、171.59、165.85、138.18、137.76、137.55、134.94、134.85、134.64、128.83、128.50、110.21、55.47、47.83、24.69、21.12、21.08、20.38、20.06、12.18。
ZrCl4を用いて配位子のメタル化の一般的手順に従ってプロ触媒2を調製し、所望の錯体を収率66%で生成した。1H NMR(400MHz、C6D6)δ6.77−6.71(m,4H)、6.70−6.63(m,4H)、5.64(s,2H)、3.44(dd,J=8.2,6.7Hz、4H)、2.22(s,12H)、2.09(d,J=3.9Hz、6H)、2.05(s,18H)、1.75(hept,J=7.3,6.8Hz、4H)、0.91(t,J=7.4Hz、6H)、0.64(s,6H)。13C NMR(101MHz、C6D6)δ173.46、171.93、165.60、137.66、137.25、137.16、134.50、134.45、134.28、128.34、128.02、109.76、50.05、48.25、24.12、20.71、20.69、19.83、19.49、11.79。
40mLバイアルに2−クロロ−4,6−ジメシチルピリミジン(0.50g、1.43mmol)、過剰なネオペンチルアミン(0.5mL、5.72mmol)、及びエタノール(12mL)を充填した。混合物を70℃まで一晩加熱した。冷却すると沈殿物が形成され、それを冷エタノールで洗浄して純粋な生成物を得た。収量:0.42g、73%。1H NMR(400MHz CDCl3)δ6.90(m,4H)、6.35(s,1H)、5.25(t,J=6.1Hz、1H)、3.32(d,J=6.3Hz、2H)、2.29(s,6H)、2.13(d,J=0.6Hz、12H)、0.93(s,9H)。13C NMR(101MHz、CDCl3)δ168.53、163.45、137.63、134.95、128.34、111.85、52.48、32.05、27.27、21.05、19.90。
HfCl4を用いて配位子のメタル化の一般的手順に従ってプロ触媒3を調製し、所望の錯体を収率100%で生成した。1H NMR(400MHz、C6D6)δ 6.73(s,4H)、6.68(bs,4H)、5.60(s,2H)、3.65(m,4H)、2.18(s,12H)、2.13−1.85(m,24H)、1.05(s,18H)0.69−0.29(bs,6H)。13C NMR(101MHz、C6D6)δ173.50、165.64、138.09、137.81、137.65、134.73、134.66、129.34、128.65、125.71、110.10、56.73、35.00、34.90、34.16、31.99、28.88、27.27、25.66、23.07、21.45、21.13、21.11、20.91、20.21、20.02、14.37、11.68。
N−ベンジル−4,6−ジメシチルピリミジン−2−アミンの合成:オーブンで乾燥させたバイアルに2−クロロ−4,6−ジメシチルピリミジン(0.72g、2.04mmol)、ベンジルアミン(0.88g、8.16mmol))、及びエタノール(12mL)を充填した。70℃に予熱した金属ブロック内で反応混合物を撹拌した後、混合物を濾過した。固体を冷エタノール(3×5mL)で洗浄し、所望の配位子を白色の固体として得た(1.82g、89%)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.39−7.20(m,5H)、6.91(s,4H)、6.45(s,1H)、5.61(t,J=6.0Hz、1H)、4.67(d,J=5.9Hz、2H)、2.30(s,6H)、2.13(s,12H)。13C NMR(126MHz、CDCl3)δ171.00、168.67、162.86、139.62、138.91、137.72、135.06、128.67、128.40、127.27、126.89、112.60、45.36、21.13、20.12。
ビス−[2,1]−ハフニウム(ジベンジル)(N−ベンジル−4,6−ジメシチルピリミジン−2−アミン)(プロ触媒4)の合成:オーブンで乾燥させたバイアルにN−ベンジル−4,6−ジメシチルピリミジン−2−アミン(0.05g、0.12mmol)を充填した。窒素を充填したグローブボックス内で、テトラベンジルハフニウム(IV)(0.032g、0.059mmol)を加えた後、ベンゼン−d6(1.5mL)を加えた。固体を溶解して透明な黄色溶液を得た。アリコートを取り出し、NMRスペクトルにより、出発材料が二連結(bisligated)Hf−金属錯体に完全に変換されたことを示した。反応混合物を濃縮して所望の金属錯体を黄色の固体として得た(0.071g、100%)。1H NMR(400MHz、C6D6、70℃)δ7.17−6.92(m、34H)、6.84−6.60(m,16H)、5.95(d,J=2.3Hz、2H)、4.23(s,4H)、2.22(s,12H)、2.18−2.00(m,39H)、1.77(s,3H)。13C NMR(101MHz、C6D6、70℃)δ173.73、171.23、165.94、146.71、140.95、138.37、137.59、136.81、134.85、134.47、133.99、128.80、128.48、128.42、128.16、128.03、128.01、127.87、127.10、126.02、125.15、121.30、49.86、20.81、20.52、20.40、19.91、19.67。(1H及び13C−NMRにおける全てのピークを列挙する。周囲温度及び高温で異性体の混合物として存在する。)
2−クロロ−4,6−ジメシチル−1,3,5−トリアジンの合成:100mLのジャーにシアヌル酸クロリド(3.0g、16.27mmol)及び無水テトラヒドロフラン(35mL)を充填した。窒素を充填したグローブボックス内で、1Mジエチルエーテル中のメシチルマグネシウムブロミド(44mL、43.93mmol)を滴下して加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌させた。反応混合物を濃縮し、グローブボックスの外で水(50mL)で急冷した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、有機相を水で洗浄し、次いで、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、所望の生成物を橙色の固体として得た(5.0g、88%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.09−6.71(m,4H)、2.31(d,J=0.8Hz、6H)、2.17(d,J=0.6Hz、12H)。13C NMR(101MHz、CDCl3)δ178.46、171.49、139.51、135.35、133.14、128.73、21.16、19.96。
N1,N5−ビス(4,6−ジメシチルピリミジン−2イル)ペンタン−1,5−ジアミンの合成:オーブンで乾燥させたバイアルに2−クロロ−4,6−ジメシチルピリミジン(0.06g、0.59mmol)、カダベリン(0.41g、1.17mmol)、トリエチルアミン(0.3mL、2.35mmol)、及びエタノール(12mL)を充填した。70℃に予熱した金属ブロック内で反応混合物を撹拌した後、混合物を濾過した。固体を冷エタノール(3×5mL)で洗浄し、所望の配位子を灰色の固体として得た(0.26g、60%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ6.95−6.85(m,8H)、6.37(s,2H)、5.21(t,J=5.7Hz、2H)、3.39(td,J=7.2、5.8Hz、4H)、2.29(s,12H)、2.13(s,24H)、1.72−1.52(m,4H)、1.52−1.33(m,2H)。13C NMR(101MHz、CDCl3)δ168.53、162.88、137.62、136.46、134.98、128.36、112.11、41.46、29.64、24.36、21.05、19.97。
ハフニウム(ジベンジル)(N1,N5−ビス(4,6−ジメシチルピリミジン−2−イル)ペンタン−1,5−ジアミン(プロ触媒5)の合成:オーブンで乾燥させたバイアルにN1,N5−ビス(4,6−ジメシチルピリミジン−2−イル)ペンタン−1,5−ジアミン(0.06g、0.082mmol)を充填した。窒素を充填したグローブボックス内で、テトラベンジルハフニウム(IV)(0.044g、0.082mmol)を加えた後、ベンゼン−d6(1.5mL)を加えた。固体を溶解して透明な黄色溶液を得た。アリコートを取り出し、NMRスペクトルにより、出発材料が単連結(mono−ligated)Hf−金属錯体に完全に変換されたことを示した。反応混合物を濃縮して所望の金属錯体を橙色の固体として得た(0.089g、100%)。1H NMR(400MHz、C6D6、70℃)δ7.39−6.87(m,34H)、6.89−6.49(m,21H)、3.40(s,4H)、2.54−2.15(m,30H)、2.16−1.75(m,53H)、1.52−1.22(m,7H)、1.19−0.56(m,5H)。13C NMR(101MHz、C6D6、70℃)δ138.45、137.99、137.39、136.20、134.80、134.55、128.81、128.47、128.19、128.02、125.16、122.30、30.09、20.84、20.59、20.48、19.83、19.18。(1H及び13C−NMRにおける全てのピークを列挙する。周囲温度及び高温で異性体の混合物として存在する。)
2−ブロモ−6−メシチルピラジンの合成:2,6−ジブロモピリジン(3.0g、12.5mmol)、2,4,6−トリメチルフェニルボロン酸(2.28g、13.87mmol)をMeOH(60mL)、THF(100mL)、及び2Mの炭酸カリウム水溶液(42mL)の溶液に溶解した。溶液を45分間脱気した後、THF(5mL)中のテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.1g、0.088mmol)を加えた。溶液を12時間90℃で還流した。溶媒を蒸発させ、残渣をDCMに再溶解した。有機相を水で洗浄し、次いで、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。標題化合物が溶出するまで、20〜100%の水−テトラヒドロフラン勾配を使用して、RediSep C18 150g Goldカラムを用いた逆相ISCOクロマトグラフィーにより生成物を精製した。純粋な画分を濃縮してテトラヒドロフランを除去し、水溶液混合物をジクロロメタンに再溶解した。有機相を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮して、所望の生成物を白色の固体として得た(1.1g、32%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.54(d,J=0.5Hz、1H)、8.34(d,J=0.5Hz、1H)、6.85(dt,J=1.3、0.7Hz、2H)、2.22(d,J=0.7Hz、3H)、1.95(d,J=0.6Hz、6H)。13C NMR(101MHz、CDCl3)δ156.05、145.00、143.65、140.24、138.90、136.02、132.39、128.55、21.01、20.12。
N−ベンジル−6−メシチルピラジン−2−アミンの合成:オーブンで乾燥させた40mLバイアルに2−ブロモ−6−メシチルピラジン(0.29g、1.03mmol)、ベンジルアミン(0.5mL、4.1mmol)ナトリウムtert−ブトキシド(0.2g、2.06mmol)、及び無水トルエン(4mL)をグローブボックス内で充填した。クロロ(クロチル)(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(II)(0.21g、0.051mmol)を加え、反応混合物を20時間還流した。ジクロロメタンを使用してシリカパッドを通して褐色の溶液を濾過し、回転蒸発下で溶媒を除去して油を得た。粗油をシリカゲル上に乾燥充填し、標題化合物が溶出するまで、0〜50%の酢酸エチル−ヘキサン勾配を使用してRedi Sep 40gカラムを用いてISCO機器で精製した。回転蒸発により純粋な画分を濃縮して白色の固体を得た(0.15g、30%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.82(s,1H)、7.76(s,1H)、7.36−7.25(m,5H)、6.91(dd,J=1.3、0.7Hz、2H)、4.97(t,J=5.9Hz、1H)、4.54(d,J=5.8Hz、2H)、2.30(s,3H)2.05(d,J=0.6Hz、6H)。13C NMR(101MHz、CDCl3)δ153.92、152.57、138.58、137.85、136.15、134.63、133.90、129.03、128.66、128.37、127.48、127.41、45.71、21.04、20.11。
ビス−[2,1]−ジルコニウム(ジベンジル)(N−ベンジル−6−メシチルピラジン−2−アミン)(プロ触媒6)の合成:オーブンで乾燥させたバイアルにN−ベンジル−6−メシチルピラジン−2−アミン(0.029g、0.096mmol)を充填した。窒素を充填したグローブボックス内で、テトラベンジルジルコニウム(IV)(0.022g、0.048mmol)を加えた後、ベンゼン−d6(1.5mL)を加えた。固体を溶解して透明な黄色溶液を得た。アリコートを取り出し、NMRスペクトルにより、出発材料が二連結Zr−金属錯体に完全に変換されたことを示した。反応混合物を濃縮して所望の金属錯体を橙色の固体として得た(0.042g、100%)。1H NMR(500MHz、C6D6、70℃)δ7.66(d,J=4.3Hz、2H)、7.60(d,J=4.5Hz、2H)、7.19−6.59(m,54H)、3.77(s,4H)、2.26−1.87(m,27H)、1.82(s,12H)。13C NMR(126MHz、C6D6、70℃)δ164.43、148.57、144.58、139.48、138.25、137.39、136.18、133.04、132.71、129.28、129.18、128.80、128.70、128.47、128.39、128.26、128.22、128.02、127.19、126.89、126.71、125.16、122.11、81.02、51.25、20.83、20.47、19.98、19.75。(1H及び13C−NMRにおける全てのピークを列挙する。周囲温度及び高温で異性体の混合物として存在する。)
N−ベンジル−2−クロロピリミジン−4−アミンの合成:オーブンで乾燥させたバイアルに2,4−ジクロロピリミジン(1.0g、6.88mmol)、ベンジルアミン(0.8mL、7.57mmol)、及びエタノール(20mL)を加えた。40℃に予熱した金属ブロック内で反応混合物を撹拌した後、混合物を濾過した。固体を冷エタノール(3×5mL)で洗浄し、文献に報告されている化合物を白色の固体として得た(1.2g、80%)。1H NMR(400MHz、C6D6)δ7.89(d,J=5.9Hz、1H)、7.30−7.16(m,5H)、6.12(d,J=5.9Hz、1H)、4.44(s,2H)。
N−ベンジル−2−メシチルピリミジン−4−アミンの合成:40mLバイアルにN−ベンジル−2−クロロピリミジン−4−アミン(0.3g、1.37mmol)、2,4,6−トリメチルフェニルボロン酸(0.34g、2.05mmol)、及び炭酸カリウム(0.57g、4.10mmol)を充填した。トルエン(5mL)及び水(0.5mL)を反応混合物に加えた後、バイアルを密封して反応混合物を30分間脱気し、その後、THF(1mL)中のクロロ(クロチル)(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(II)(0.016g、0.041mmol)を加えた。溶液を12時間100℃で還流した。溶媒を蒸発させ、残渣をDCMに再溶解した。有機相を水で洗浄し、次いで、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。標題化合物が白色の固体(0.1g、25%)として溶出するまで、0〜50%の酢酸エチル−ヘキサン勾配を使用してRedi Sep 40gカラムを用いてISCO機器で生成物を精製した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ8.44−8.10(m,1H)、7.36−7.24(m,5H)、6.82(dd,J=1.3、0.7Hz、2H)、6.20(d,J=6.0Hz、1H)、4.39(s,2H)、2.25(s,3H)、2.07(d,J=0.6Hz、6H)。13C NMR(101MHz、CDCl3)δ167.82、162.41、155.97、137.29、136.97、135.00、128.73、128.21、127.45、127.10、45.25、21.07、19.62。
ビス−[2,1]−ハフニウム(ジベンジル)(N−ベンジル−2−メシチルピリミジン−4−アミン)(プロ触媒7)の合成:オーブンで乾燥させたバイアルにN−ベンジル−2−メシチルピリミジン−4−アミン(0.03g、0.099mmol)を充填した。窒素を充填したグローブボックス内で、テトラベンジルハフニウム(IV)(0.027g、0.049mmol)を加えた後、ベンゼン−d6(1.5mL)を加えた。固体を溶解して透明な黄色溶液を得た。アリコートを取り出し、NMRスペクトルにより、出発材料が二連結Hf−金属錯体に完全に変換されたことを示した。反応混合物を濃縮して所望の金属錯体を黄色の固体として得た(0.048g、100%)。1H NMR(500MHz、C6D6)δ7.91(d,J=6.2Hz、2H)、7.81(d,J=6.1Hz、2H)、7.16−6.93(m,49H)、6.92−6.76(m,16H)、6.65(d,J=6.9Hz、8H)、6.46(d,J=7.6Hz、11H)、5.59(d,J=6.2Hz、2H)、5.46(d,J=6.2Hz、2H)、4.28(s,4H)、2.14(s,6H)、2.08(d,J=7.6Hz、23H)、1.99(s,6H)、1.75(s,12H)。13C NMR(126MHz、C6D6)δ173.05、171.83、165.12、165.02、158.81、158.52、146.39、142.28、139.12、138.66、138.53、137.57、137.48、135.80、135.41、134.99、129.24、128.92、128.67、128.33、128.24、128.15、127.30、126.84、126.80、126.25、125.28、123.27、121.66、100.76、100.04、86.73、84.52、50.75、50.47、21.03、20.68、20.64、19.93、19.41。
(1H及び13C−NMRにおける全てのピークを列挙する。周囲温度及び高温で異性体の混合物として存在する。)
バッチ反応器における重合手順
バッチ反応器における重合は、2L PARR バッチ 反応器において行われる。反応器は、電気加熱マントルにより加熱し、冷却水を含む内部蛇行冷却コイルにより冷却する。反応器及び加熱/冷却システムの両方を、CAMILE TG処理コンピュータによって制御及び監視する。反応器の底部に放出弁を取り付け、そこから触媒失活溶液(典型的には、5mLのIRGAFOS(登録商標)/IRGANOX(登録商標)/トルエン混合物)で予め充填されたステンレススチールの放出ポットに反応器の内容物を空ける。放出ポットを30ガロンのブロータンクに通気し、ポット及びタンクの両方を窒素でパージする。
重合または触媒の補給に使用するための全ての溶媒を溶媒精製カラムに流し、重合に影響を与え得るあらゆる不純物を除去する。1−オクテン及びISOPAR(登録商標)Eを2つのカラムに通過させた:第1のカラムはA2アルミナを含み、第2のカラムはQ5を含んでいた。(ISOPAR(登録商標)Eは、典型的には、1ppm未満のベンゼン及び1ppm未満の硫黄を含有するイソパラフィン液であり、ExxonMobil Chemical Companyから市販されている。)エチレンを2つのカラムに通過させた:第1のカラムはA204アルミナ及び4Å分子篩を含み、第2のカラムはQ5反応物を含んでいた。移動に使用したN2は、A204アルミナ、4Å分子篩、及びQ5を含む単一カラムに通過させた。
所望の反応器投入量に応じて、ISOPAR(登録商標)E溶媒及び/または1−オクテンを含み得るショットタンクから最初に反応器への投入を行う。ショットタンクが取り付けられたラボスケールを使用して、ショットタンクを投入量設定点まで充填する。供給液を加えた後、反応器を重合温度設定点まで加熱する。エチレンが使用される場合、反応圧力設定点を維持するように反応温度で反応器に加えられる。エチレンの添加量は、マイクロモーション流量計により監視する。
触媒及び活性化剤を適量の精製トルエンと混合して所望のモル濃度の溶液を得た。触媒及び活性化剤は、不活性グローブボックス内で取り扱い、シリンジに吸引し、圧力により触媒ショットタンク内に移した。その後、各5mLのトルエンで3回すすいだ。触媒添加の直後に実行タイマーを開始する。エチレンが使用された場合、反応器において反応圧力設定点を維持するようにCAMILEによって加えられた。これらの重合を10分間実施し、次いで撹拌器を停止し、下方の放出弁を開放して反応器の内容物を放出ポットに空けた。放出ポットの内容物をラボフード内に配置されたトレーの中に注ぎ入れ、そこで一晩溶媒を蒸発させる。次いで、残りのポリマーを含むトレーを真空オーブンに移し、真空下最大140℃で加熱し、残りの溶媒を全て除去する。トレーが周囲温度まで冷却した後、ポリマーの収量/効率を検討してポリマー試験に供する。
ポリマーの例は、以下の条件を用いてバッチ反応器プロセスに従って調製した:120℃:280psigのエチレン、300gの1−オクテン、609gのISOPAR(登録商標)E、10μmolのMMAO−3A、触媒に対して1.2当量のビス(水素化タローアルキル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート。150℃での条件:331psigのエチレン、300gの1−オクテン、546gのISOPAR(登録商標)E、10μmolのMMAO−3A、触媒に対して1.2当量のビス(水素化タローアルキル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート。190℃での条件:400psigのエチレン、300gの1−オクテン、520gのISOPAR(登録商標)E、10μmolのMMAO−3A、触媒に対して1.2当量のビス(水素化タローアルキル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート。全ての反応は10分間実施した。全ての重合は、活性化剤としてビス(水素化タローアルキル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート及び捕捉剤としてMMAOを用いて行われた。
試験方法
プロ触媒1〜7及び比較例の触媒C1を使用して、前述の手順に従って実施されたバッチ重合のデータを表1に提供する。次に、バッチ重合データを作製するための試験方法について説明する。
触媒有効性(有効性)
触媒有効性は、調製したポリオレフィンコポリマーのグラム数を、用いられる成分(a)の金属M(すなわち、少なくとも1つの式(I)の金属−配位子錯体の金属M)の総グラム数で除すことによって算出される(すなわち、触媒有効性は調製されるポリオレフィンコポリマーのグラム数/用いられる式(I)の金属−配位子錯体(複数可)の金属Mのグラム数)。
SymRAD HT−GPC分析
分子量データは、Symyx/Dowが共同で構築したRobot−Assisted Dilution High−Temperature Gel Permeation Chromatographer(Sym−RAD−GPC)で分析することにより決定した。300ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)により安定化した濃度10mg/mLの1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)中160℃で120分間加熱することにより、ポリマー試料を溶解した。次いで、250μLアリコートの試料を注入する直前に各試料を1mg/mLに希釈した。GPCには、160℃で2.0mL/分の流速のPolymer Labs PLgel 10μm MIXED−Bカラム(300×10mm)を2つ装備した。試料の検出は、PolyChar IR4検出器を濃縮モードで使用して行われた。狭いポリスチレン(PS)標準の従来の較正を利用し、この温度でのTCB中のPS及びPEの既知のMark−Houwink係数を用いて見かけの単位をホモ−ポリエチレン(PE)に対して調整した。
示差走査熱量測定(DSC)分析
溶融温度(Tm)、ガラス転移温度(Tg)、結晶化温度(Tc)、及び融解熱は、加熱−冷却−加熱の温度プロファイルを用いて示差走査熱量測定(DSC Q2000、TA Instruments,Inc.)によって測定することができる。3〜6mgのポリマーのオープンパンDSC試料を、最初に室温から10℃/分の設定点まで加熱する。TA Universal AnalysisソフトウェアまたはTA Instruments TRIOSソフトウェアを使用して、微量を個別に分析する。
1−オクテン取り込み量のIR分析
希釈したGPC溶液をIRによる堆積に使用したため、HT−GPC分析がIR分析に先行した。56ウェルのHTシリコンウエハを試料の堆積及び1−オクテン取り込み量の分析に用いた。試料を160℃まで210分間加熱し、次いで、Tecan MiniPrep 75堆積ステーションを使用して加熱しながら堆積させた。窒素パージ下160℃でウエハの堆積したウェルから1,2,4−トリクロロベンゼンを蒸発させ、NEXUS670FT−IRを使用してHTシリコンウエハに対する1−オクテン分析を行った。オクテン取り込み量は、CH3対CH2の伸縮振動数の積分に基づいて決定される。この測定は、NMR分析によって1−オクテン含有量が確認されたエチレン1−オクテンコポリマー標準を用いて較正される。
表1、表2、及び表3において、本開示の実施形態によるプロ触媒は、それらの番号によって言及されるのに対し、比較例のプロ触媒は、「C」を前に付したそれらの番号によって言及される。本開示の実施形態によるプロ触媒を使用して調製されるポリマーの例には、「P」が前に付されるのに対し、比較例のプロ触媒を使用して調製されるポリマーの例には、「CP」が前に付される。
潜在的な連鎖シャトリング剤に対する連鎖移動は、触媒が連鎖シャトリング重合プロセスに関与するために必要である。触媒の連鎖シャトリング能は、連鎖移動を示唆する分子量の低下を観察するように意図的に連鎖移動剤(CTA)のレベルを変化させることによって最初に評価される。良好な連鎖シャトリング潜在性を有する触媒によって生成されるポリマーの分子量は、機能の劣るシャトリング触媒によって生成されるポリマーの分子量よりも、CTAの添加の影響を受けやすい。
Mayoの式(式1)は、連鎖移動剤がどのように連鎖移動剤が存在しない元の数平均連鎖長
から数平均連鎖長
を減少させるかを説明する。式2は、連鎖移動定数Caを、連鎖移動速度定数と生長速度定数との比として定義する。連鎖生長反応の大半がコモノマーの取り込みではなく、エチレンの挿入によって起こると仮定することにより、式3は、予想される重合のMnを説明する。Mn0は、連鎖シャトリング剤の非存在下における触媒の元の分子量であり、Mnは、連鎖移動剤を用いて観察される分子量である(Mn=連鎖シャトリング剤なしのMn0)。式3は、コモノマーの取り込みからの連鎖成長の寄与を無視するため、取り込み機能の劣る触媒にのみ適用可能である。
プロ触媒1、2、4、及び7の連鎖移動速度を決定するために、ジエチル亜鉛の存在下で重合を実施した。特定の触媒を用いた全ての実験において適合データと実験分子量データとの間の二乗偏差を最小限に抑えるために、各実験のMnは、Microsoft Excel Solverを使用して適合させたCa及びMn0の値を用いて、式3を使用して算出した。ジエチル亜鉛濃度の増加に伴うポリマーの多分散性(PDIまたはMw/MnまたはMWD)の低下は、プロ触媒1、2、及び4が、不可逆的連鎖移動とは対照的に、ジアルキル亜鉛種による可逆的連鎖移動(すなわち、連鎖シャトリング)が起こし得ることを示唆するものである。これらの実験は、連鎖移動性能を評価するために行われた。
以下の条件を用いてバッチ反応器において行った前述の実験の結果を表2に提供する:150℃、12gのエチレン、57gの1−オクテン、528gのISOPAR E,(登録商標)、触媒に対して1.2当量のビス(水素化タローアルキル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸活性化剤、10μmolのMMAO−3A。
表3は、Mayoの式を使用して連鎖移動定数(Ca)値に最良適合を提供する。
当業者には、請求される主題の主旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態に対して種々の修正及び変更が行われ得ることは明白であろう。したがって、本明細書は、本明細書に記載される種々の実施形態の修正及び変更を包含することが意図されるが、但し、そのような修正及び変更は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内であるものとする。
本文書を通して、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別段の指示のない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「1つの」構成要素への言及は、文脈上明らかに別段の指示のない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
式(I)による金属−配位子錯体であって、
式中、
Mは、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムであり、
各Xは、独立して、中性、モノアニオン性、またはジアニオン性である単座配位子または多座配位子であり、
nは整数であり、
前記式(I)の金属−配位子錯体は全体として電荷中性であり、
Y
1−4の各々は、独立してCまたはNから選択されるが、但し、Y
1−4のうちの正確に1つがNであるか、またはY
1−4のうちの正確に2つがNであるものとし、
Y
7−10の各々は、独立してCまたはNから選択されるが、但し、Y
7−10のうちの正確に1つがNであるか、またはY
7−10のうちの正確に2つがNであるものとし、
R
1及びR
10は、両方とも独立して、(C
1−C
40)ヒドロカルビル、置換(C
1−C
40)ヒドロカルビル、(C
1−C
40)ヘテロヒドロカルビル、置換(C
1−C
40)ヘテロヒドロカルビル、及び電子対からなる群から選択され、
R
2、R
3、R
4、R
7、R
8、及びR
9の各々は、独立して、水素、(C
1−C
40)ヒドロカルビル、置換(C
1−C
40)ヒドロカルビル、(C
1−C
40)ヘテロヒドロカルビル、置換(C
1−C
40)ヘテロヒドロカルビル、ハロゲン、ニトロ、及び電子対からなる群から選択され、
R
5及びR
6は、両方とも独立して、(C
1−C
40)ヒドロカルビル、置換(C
1−C
40)ヒドロカルビル、(C
1−C
40)ヘテロヒドロカルビル、及び置換(C
1−C
40)ヘテロヒドロカルビルからなる群から選択され、
R
1−5のうちのいずれか2つ以上は、任意選択的に、一緒になって、あらゆる水素原子を除く5〜16個の原子を環内に有する少なくとも1つの環構造を形成してもよく、
R
6−10のうちのいずれか2つ以上は、任意選択的に、一緒になって、あらゆる水素原子を除く5〜16個の原子を環内に有する少なくとも1つの環構造を形成してもよく、
R
1−10のうちのいずれか2つ以上は、任意選択的に、一緒になって、連結した四座キレート構造を形成してもよい、金属−配位子錯体から選択されるプロ触媒成分を含む、オレフィン重合触媒系。
項2.
各Xは、独立して、Me、Bn、またはClである、項1に記載のオレフィン重合触媒系。
項3.
R
5及びR
6は、各々独立して、(C
1−C
40)一級もしくは二級アルキル基、または置換一級もしくは二級アルキル基である、項1または2に記載のオレフィン重合触媒系。
項4.
R
1及びR
10は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリール基である、項1〜3のいずれか一項に記載のオレフィン重合触媒系。
項5.
前記式(I)の金属−配位子錯体は、式(I.a)による錯体、式(I.b)による錯体、式(I.c)による錯体、式(I.d)による錯体、式(I.e)による錯体、及び式(I.f)による錯体からなる群から選択され、
式中、R
1−10、M、X、及びnの各々は、式(I)において定義した通りである、項1〜4のいずれか一項に記載のオレフィン重合触媒系。
項6.
前記式(I)の金属−配位子錯体は、式(I.a)による錯体、式(I.b)による錯体、式(I.c)による錯体、及び式(I.d)による錯体からなる群から選択される、項5に記載のオレフィン重合触媒系。
項7.
前記式(I)の金属−配位子錯体は、式(I.c)による錯体である、項5に記載のオレフィン重合触媒系。
項8.
前記式(I)の金属−配位子錯体は、プロ触媒1〜3からなる群から選択される、項1に記載のオレフィン重合触媒系。
項9.
前記式(I)の金属−配位子錯体は、プロ触媒4〜7からなる群から選択される、項1に記載のオレフィン重合触媒系。
項10.
Mは、ジルコニウムまたはハフニウムである、項1〜7のいずれか一項に記載のオレフィン重合触媒系。
項11.
項1〜10のいずれか一項に記載のオレフィン重合触媒系の存在下での、1つ以上のオレフィンモノマーの重合反応の生成物を含む、オレフィン系ポリマー。
項12.
前記オレフィンモノマーのうちの少なくとも1つはエチレンである、項11に記載のオレフィン系ポリマー。
項13.
前記オレフィンモノマーのうちの1つ以上は、3〜12個の炭素を有する直鎖α−オレフィン、5〜16個の炭素を有する分岐鎖α−オレフィン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項11または12に記載のオレフィン系ポリマー。
項14.
前記オレフィン系ポリマーはオレフィンブロックコポリマーであり、前記重合反応は連鎖シャトリングプロセスを含む、項11〜13のいずれか一項に記載のオレフィン系ポリマー。
項15.
項1〜10のいずれか一項に記載のオレフィン重合触媒系の存在下で1つ以上のオレフィンモノマーを重合することを含む、1つ以上のオレフィン系ポリマーを重合するためのプロセス。
項16.
前記オレフィン重合触媒系は、活性化剤と、任意選択的に、連鎖移動剤とをさらに含む、項15に記載のプロセス。