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JP6922771B2 - フロントバンパアップアブソーバの設計方法 - Google Patents
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JP6922771B2 - フロントバンパアップアブソーバの設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両前方側上部に切欠き部を備えるフロントバンパアップアブソーバの設計方法に関する。
車両のバンパには、衝突時における歩行者脚部保護についての要求がある。このために、バンパ内部に樹脂製のアブソーバを配置し、アブソーバにより衝突時の衝撃を吸収している。
また、この歩行者脚部保護性能については、ヒンジ型インパクタを用いた試験が行われている。このヒンジ型インパクタは脛側と、大腿部側の部材とを、膝を模擬するヒンジ部で接続した構造を有する。そして、このヒンジ型インパクタを車両のバンパと衝突させて、この際のヒンジ型インパクタの受ける荷重などから、膝部の内側側副靭帯(MCL)、前十字靭帯(ACL)、後十字靭帯(PCL)の伸び量などが歩行者脚部保護性能として計測される。なお、以下において、膝部の内側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯の伸び量について、MCL、ACL、PCLと適宜称する。
ここで、特許文献1には、バンパのアブソーバとその後方でバンパを支えるバンパリインフォースとの間に衝突検知センサを配置することが示されており、衝突検知センサの前方側のアブソーバの上部を切り欠くことが示されている。
特開2009−40423号公報
アブソーバによって、衝突時の衝撃を和らげることができるが、MCLなどの歩行者脚部保護性能が十分でない場合がある。上下方向に伸びるヒンジ型インパクタとバンパが衝突した際に、下部(脛側)がバンパの抗力によって押し返され、ヒンジ部を中心とする回転力がかかり、MCLなどの伸び量を十分低下できないためと考えられる。従来技術では、どのようにしてMCLなどの伸び量を低下するかについての提案はない。
本発明は、車両前方側上部に切欠き部を備えるフロントバンパアップアブソーバの設計方法であって、ヒンジ部を有するヒンジ型インパクタと衝突した際の、前記ヒンジ部の目標伸び量に基づいて、前記ヒンジ部の目標角度を設定し、設定された目標角度に基づいて、前記ヒンジ型インパクタの前記フロントバンパアップアブソーバへの侵入量を設定し、設定された侵入量に基づいて前記ヒンジ型インパクタへの目標荷重を設定し、設定された目標荷重に基づいて前記切欠き部の大きさを決定する。
また、所定形状のフロントバンパアップアブソーバがヒンジ型インパクタと衝突した際の伸び量と目標伸び量の比較に基づき、前記ヒンジ部の必要角度減少量を算出し、算出された必要角度減少量に対応する前記ヒンジ型インパクタへの必要荷重減少量を算出し、算出された必要荷重減少量に基づいて前記切欠き部のサイズを決定するとよい。
また、フロントバンパアップアブソーバの車両前後方向の面での断面における面積減少率を前記必要荷重減少量の割合に応じて決定するとよい。
また、切欠き部の車両前後方向の長さは、衝突試験時に目標とする、フロントバンパアップアブソーバの変形のストロークにより決定するとよい。
また、車両前方側上部に切欠き部を備えるフロントバンパアップアブソーバの製造方法では、所定のフロントバンパアップアブソーバを有するバンパについて、ヒンジ部を有するヒンジ型インパクタと衝突試験を行い、衝突試験の結果により、前記ヒンジ型インパクタに対する必要荷重減少量を算出し、算出された必要荷重減少量に基づいて、衝突試験に用いたフロントバンパアップアブソーバについての切欠き量を決定するとよい。
本発明によれば、適切な歩行者脚部保護性能を有するフロントバンパアップアブソーバを容易に得ることができる。
バンパおよびヒンジ型インパクタの構成を示す断面図である。 ヒンジ型インパクタの動きを説明する図であり、(a)はヒンジ型インパクタのヒンジ部の間隔を示す図、(b)は試験後の回転角を示す図である。 衝突試験後のヒンジ型インパクタの曲がり具合を示す図である。 フロントバンパアップアブソーバの荷重F[N]と、ストロークの関係(F−S曲線)を示す図である。 形成する切欠き部の大きさを示す図である。 衝突実験の際の靭帯伸び量(MCL)の経時変化を示す図である。 実施形態に係る設計方法についてのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。
「全体構成」
図1は、バンパおよびバンパに対する衝突試験に用いられるヒンジ型インパクタの構成を示す断面図(車両前後方向に沿った面による断面)である。
バンパ10は、車両の前下部において車幅方向に伸びる部材であり、その前面側に車幅方向の全幅に渡る板状のフロントバンパカバー12を有する。フロントバンパカバー12は、横長矩形であり、上下左右端部は後方に向けて所定長さ延びており、全体として後方開口の浅い箱状となっている。なお、フロントバンパカバー12は、車両の最前部において、意匠面を構成する部材であり、この例では上下方向の中央よりやや下側にグリル部12aを有している。
フロントバンパカバー12の後方側で、上下方向の中央よりやや上方のエリアには、フロントバンパアップアブソーバ14が配置されている。このフロントバンパアップアブソーバ14は、断面ほぼ矩形で、フロントバンパカバー12の後側において横方向に伸びる。フロントバンパアップアブソーバ14は、例えばウレタンフォームなどの樹脂で構成される衝撃吸収部材である。なお、本実施形態では、フロントバンパアップアブソーバ14の前方側上部には断面矩形の切欠き部14aが形成されている。
フロントバンパアップアブソーバ14の後には車幅方向に伸びるバンパリインフォース16が設けられている。バンパリインフォース16は、鋼材など強度の大きな材料で構成される中空の角材であり、フロントバンパアップアブソーバ14を後方から支持する。なお、このバンパリインフォース16はその車幅方向の両側において、車両の両側を延びる車体構造部材であるサイドメンバに固定される。
フロントバンパカバー12の下部(グリル下方)後方には、車幅方向に伸びるフロントバンパロアアブソーバ18が配置されている。このフロントバンパロアアブソーバ18は、衝撃吸収部材とそれを後方から支持する中空角材状のリインフォースとからなっている。
衝突試験に使用するヒンジ型インパクタ20が、バンパ10の前方に示してある。ヒンジ型インパクタ20は、大腿部を模擬する上部材22と脛部を模擬する下部材24と両者を回動自在に接続する膝を模擬するヒンジ部26を有する。ヒンジ型インパクタ20の各部には、加速度計など各種のセンサが内蔵されており、衝突試験において各部に掛かる荷重などを計測する。図においては、バンパ10のフロントバンパアップアブソーバ14の前方にヒンジ型インパクタ20の下部材24が配置されている。
「衝突試験→切欠き部の設定」
衝突試験においては、車両と、ヒンジ型インパクタ20を所定の相対速度で衝突させる。例えば、ヒンジ型インパクタ20の下部材24をバンパ10に衝突させると、下部材24の進行が妨げられ、上部材22が慣性で進むため、ヒンジ部26の後方側(バンパ10と反対側)が広がる。
例えば、図2(a)のようなヒンジ型インパクタ20の場合、図2(b)に示すように、ヒンジ部26の長さ(間隙)が初期値から試験後の長さに伸びる。この試験後の長さがMCLに対応する。
この例では、フロントバンパアップアブソーバ14について切欠き部14aを設けない試験において、上部材22が下部材24に対し時計回りに回転角θだけ回転し、ヒンジ部26の初期角から、回転角θだけヒンジ部26の角度が大きくなっている。
ここで、測定した試験後のMCLと、目標となるMCLの差を求める。衝突試験は、基本的な条件が定められており、MCLの大きさとヒンジ部26の角度には一定の関係がある。現状のヒンジ型インパクタ20を用いた衝突試験では、MCLを1mm減少することは回転角を1°減少することに対応する。
そこで、上部材22、下部材24を目標となる状態として、目標となるMCLを達成するために、必要なヒンジ部26の角度θ1が算出される。
図3は、衝突試験後のヒンジ型インパクタ20の曲がり具合を示す図である。試験後の上部材22、下部材24の状態を破線、目標の状態を実線で示してある。本実施形態では、切欠き部14aを設けないまたは小さいことで、MCLが目標より大きい場合に、目標になるように切欠き部14aを設定する。なお、切欠き部14aが大きすぎた場合にも同様に対応することができる。
破線で示す試験後の状態を基本として、ヒンジ部26の角度を目標角度θ1にする試験後の上部材22、下部材24の状態を算出し、その目標となる状態のヒンジ型インパクタ20のフロントバンパアップアブソーバ14への侵入量(ストローク)を算出する。この場合、ストロークの目標値がL1であり、ストロークをL2だけ大きくする必要がある。
図4には、フロントバンパアップアブソーバ14の荷重F[N]と、ストロークの関係(F−S曲線)が示してある。本実施形態では、この関係に基づいて、ヒンジ型インパクタ20の侵入量をL2だけ増加させる際のフロントバンパアップアブソーバ14の反力の減少率を算出する。
まず、切欠き部14aのないフロントバンパアップアブソーバ14の場合のストロークと荷重の関係(初期F−S曲線)を描く。これに対し、ストロークをL2だけ大きくした線上で、最終の荷重を変化させて目標となるF−S曲線(目標F−S曲線)を決定する。すなわち、初期のストロークにおける初期F-S曲線で規定される面積(トルク:F×S)に対し、荷重Fが減少した場合に減少する面積と、ストロークをL2だけ増加させて荷重を減少させたF−S曲線により増加した面積(トルク:F×S)が同じ面積JとなるF−S曲線を目標F−S曲線とする。すなわち、フロントバンパアップアブソーバ14に掛かるトルクを一定に維持しつつ、ストロークを変化させる。
そして、初期F−S曲線の最終荷重と、目標F−S曲線の最終荷重の比から、荷重を目標値とするために荷重の減少率X%を算出する。
このようにして、目標となるMCLを得るために必要な荷重の減少率X%が算出される。そして、このフロントバンパアップアブソーバ14の断面積からX%の面積を除去することで必要な荷重の減少率を得る。すなわち、図5に示すように、奥行き方向は、必要なストロークL1とし、高さ方向Hとした場合に、ここに含まれるフロントバンパアップアブソーバ14の断面積を、切欠き前の断面積で除算した結果をX%とすることで切欠き部14aの大きさを決定する。
図6には、衝突実験の際の靭帯伸び量(MCL)の経時変化を示してある。カットなし実機として示したものがフロントバンパアップアブソーバ14の切欠き部14aを形成していないもの、カットあり実機として示したものが断面積X%の切欠き部14aを設けたもの、CAE予測として示したものがモデルを用いたMCLの計算値である。
また、MCL、ACL、PCLの実測値について、表1に示す。
Figure 0006922771
本実施形態によれば、フロントバンパアップアブソーバ14の前方上部に切欠き部14aを設けることで、膝部の内側側副靭帯(MCL)の伸び量を改善することができるだけでなく、前十字靭帯(ACL)、後十字靭帯(PCL)の伸び量も改善することができる。
なお、フロントバンパアップアブソーバ14は、車両の全幅に渡って、同じ厚みでない場合もあり、さらに全幅に渡って設けられない(長さが限定されている)場合も考えられる。このような場合、衝突におけるフロントバンパアップアブソーバ14の反発力が適切になるように、切欠き部14aの大きさを決定すればよい。
「処理フロー」
本実施形態における設計方法について図7のフローチャートに基づいて説明する。まず、所定形状のフロントバンパアップアブソーバ14(例えば、切欠き部14aのないものや小さいもの)を採用したバンパ10を装備した車両について、ヒンジ型インパクタ20を衝突させて試験を行う(S11)。これによって、試験後のヒンジ型インパクタ20の侵入量(ストローク)、ヒンジ部26の回転角度θ、MCLなどを検出する。
そして、これらの試験結果をコンピュータに取り込む(S12)。コンピュータでは、試験後のヒンジ部26の角度と、目標となるヒンジ部26の角度θ1から、計算によって、切欠き部14aの断面積を決定する。
まず、試験後のMCLと目標となるMCLの差をヒンジ部26の減少させる角度に換算する(S13)。求められた減少させる角度に基づき、ヒンジ型インパクタ20の目標となる状態を推定し、目標となる場合においてヒンジ型インパクタ20のフロントバンパアップアブソーバ14への侵入量(目標となるストロークL1)および目標となるストロークL1を得るために必要なストロークの増加量L2を求める(S14)。
求められた増加量L2を得るため必要なヒンジ型インパクタ20の荷重の変化率を求める(S15)。この際、トルクを一定に保つ。
求められた荷重の変化率により切欠き部14aの変化率を決定し、切欠きの大きさを決定する(S16)。
このようにして、切欠き部14aの大きさを決定し、これに基づいてフロントバンパアップアブソーバ14を設計する。
「実施形態の効果」
本実施形態によれば、衝突試験の結果に基づいて、フロントバンパアップアブソーバ14の切欠きの大きさを決定する。従って、試行錯誤の実験を大幅に減少することができる。特に、ヒンジ部を有するヒンジ型インパクタと衝突した際の、前記ヒンジ部の目標伸び量に基づいて、前記ヒンジ部の目標角度を設定し、設定された目標角度に基づいて、前記ヒンジ型インパクタの前記フロントバンパアップアブソーバへの侵入量を設定し、設定された侵入量に基づいて前記ヒンジ型インパクタへの目標荷重を設定し、設定された目標荷重に基づいて前記切欠きのサイズを決定するという手法により、比較的正確な切欠きの大きさを決定することができる。
10 バンパ、12 フロントバンパカバー、12a グリル部、14 フロントバンパアップアブソーバ、14a 切欠き部、16 バンパリインフォース、18 フロントバンパロアアブソーバ、20 ヒンジ型インパクタ、22 上部材、24 下部材、26 ヒンジ部。

Claims (1)

  1. 車両前方側上部に切欠き部を備えるフロントバンパアップアブソーバの設計方法であって、
    ヒンジ部を有するヒンジ型インパクタと衝突した際の、前記ヒンジ部の目標伸び量に基づいて、前記ヒンジ部の目標角度を設定し、
    設定された目標角度に基づいて、前記ヒンジ型インパクタの前記フロントバンパアップアブソーバへの侵入量を設定し、
    設定された侵入量に基づいて前記ヒンジ型インパクタへの目標荷重を設定し、
    設定された目標荷重に基づいて前記切欠き部の大きさを決定する、
    フロントバンパアップアブソーバの設計方法。
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