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JP6924378B2 - 溶接位置補正方法及び溶接装置 - Google Patents
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JP6924378B2 - 溶接位置補正方法及び溶接装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接位置補正方法及び溶接装置に関し、特に、溶接ロボットを用いた自動溶接に適した溶接位置補正方法及び溶接装置に関する。
自動溶接を行う場合、予め定められた基準溶接線に沿って溶接トーチを移動させることが一般的である。しかしながら、実際の溶接作業では、溶接線が基準溶接線からずれていることがあり、溶接を開始する前に溶接線のずれを検出し、溶接線を補正することが行われている。
例えば、特許文献1には、アーク溶接ロボットの作業端に設けたセンサによって溶接継手を形成する二つの平面を検出し、検出された二つの平面の交差する溶接継手の溶接線を演算によって求める方法が開示されている。
また、特許文献2には、隅肉継手部の溶接線を挟んだ両側でタッチセンサによる三箇所以上のタッチセンシングを行って位置座標を取得し、これらの位置座標から溶接線の位置座標を特定する方法が開示されている。
特開平5−69132号公報 特開2008−279461号公報
ところで、隅肉溶接等のアーク溶接では、溶接時におけるワークへの入熱によってワークが変形することがあり、そのワークの変形によって溶接線が基準溶接線からずれてしまうことがある。その際、上述した特許文献1,2に記載された方法では、タッチセンシングした計測点がワークの平面上又は直線上にあることが前提となっていることから、ワークが変形している場合に正しい溶接位置(溶接線)を検出することができないという問題がある。
また、上述した特許文献1,2に記載された方法において、タッチセンサとして溶接ワイヤを用いた場合、溶接ワイヤの先端は一般に曲がっていることが多く、タッチセンシング中に溶接ワイヤが自転した場合には、タッチセンシング時における溶接ワイヤの曲り方向が変化してしまい、計測点の位置を正しく算出することができないという問題もある。
本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、ワークが変形した場合や溶接ワイヤの曲り方向が変化した場合であっても溶接線を適正な溶接位置に補正することができる、溶接位置補正方法及び溶接装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、溶接する第一面及び第二面の各々複数箇所をタッチセンシングする第一ステップと、タッチセンシングした計測点の座標を算出する第二ステップと、前記計測点の座標から前記第一面の形状を示す第一指標及び前記第二面の形状を示す第二指標を算出する第三ステップと、前記第一指標と前記第一面上の計測点との第一誤差及び前記第二指標と前記第二面上の計測点との第二誤差を算出する第四ステップと、前記第一誤差及び前記第二誤差が所定の閾値未満であるか否か判定する第五ステップと、前記第一誤差及び前記第二誤差が前記閾値未満の場合に、前記第一指標及び前記第二指標に基づいて前記第一面と前記第二面との交差位置を算出する第六ステップと、該第六ステップにより算出された前記交差位置を溶接する位置に補正する第七ステップと、前記第一誤差が前記閾値以上の場合に前記第一指標を算出する計測点を変更し、前記第二誤差が前記閾値以上の場合に前記第二指標を算出する計測点を変更する第八ステップと、を含むことを特徴とする溶接位置補正方法が提供される。
前記第一指標及び前記第二指標は、例えば、直線である。このとき、前記第一ステップにおけるタッチセンシング点数は、前記第一面及び前記第二面の各々三点以上であってもよい。
また、前記第一指標及び前記第二指標は平面であってもよい。このとき、前記第一ステップにおけるタッチセンシング点数は、前記第一面及び前記第二面の各々四点以上であってもよい。
また、前記第一誤差及び前記第二誤差は、誤差二乗和により算出してもよいし、誤差絶対値の和により算出してもよいし、最大離隔距離により算出してもよい。
また、前記第八ステップは、前記計測点の位置を変更してタッチセンシングし直すステップであってもよいし、前記計測点の個数を減じて前記第一指標又は前記第二指標を算出し直すステップであってもよい。
また、本発明によれば、溶接ロボットと、該溶接ロボットを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、溶接する第一面及び第二面の各々複数箇所をタッチセンシングし、タッチセンシングした計測点の座標を算出し、前記計測点の座標から前記第一面の形状を示す第一指標及び前記第二面の形状を示す第二指標を算出し、前記第一指標と前記第一面上の計測点との第一誤差及び前記第二指標と前記第二面上の計測点との第二誤差を算出し、前記第一誤差及び前記第二誤差が所定の閾値未満であるか否か判定し、前記第一誤差及び前記第二誤差が前記閾値未満の場合に、前記第一指標及び前記第二指標に基づいて前記第一面と前記第二面との交差位置を算出して溶接する位置に補正し、前記第一誤差が前記閾値以上の場合に前記第一指標を算出する計測点を変更し、前記第二誤差が前記閾値以上の場合に前記第二指標を算出する計測点を変更するように構成されている、ことを特徴とする溶接装置が提供される。
上述した本発明に係る溶接位置補正方法及び溶接装置によれば、母材を構成する第一面及び第二面の複数箇所をタッチセンシングして第一面の形状を示す第一指標及び第二面の形状を示す第二指標を算出し、これらの指標とタッチセンシングした計測点の座標とから誤差を算出し閾値と比較することにより、算出した第一指標及び第二指標が第一面及び第二面の確からしい形状を表現しているか否かを確認することができる。
したがって、ワークが変形した場合や溶接ワイヤの曲り方向が変化した場合であっても、確からしい第一指標及び第二指標に基づいて溶接線を補正することができ、溶接線を適正な溶接位置に補正することができる。
本発明の一実施形態に係る溶接装置を示す全体構成図である。 本発明の第一実施形態に係る溶接位置補正方法を示すフロー図である。 ワークが変形した場合における溶接位置補正方法を示す概念図であり、(a)は計測点が三点の場合における補正に不適切な例、(b)は計測点が三点の場合における補正に適切な例、(c)は計測点が四点の場合における補正に不適切な例、(d)は計測点が四点の場合における補正に適切な例、を示している。 溶接ワイヤの曲り方向が変化した場合における溶接位置補正方法を示す概念図であり、(a)は計測点が三点の場合における補正に不適切な例、(b)は計測点が三点の場合における補正に適切な例、を示している。 本発明の第二実施形態に係る溶接位置補正方法を示すフロー図である。 本発明の第三実施形態に係る溶接位置補正方法を示すフロー図である。
以下、本発明の実施形態について、図1〜図6を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の一実施形態に係る溶接装置を示す全体構成図である。図2は、本発明の第一実施形態に係る溶接位置補正方法を示すフロー図である。
本発明の一実施形態に係る溶接装置1は、図1に示したように、溶接ロボット2と、溶接ロボット2を制御する制御装置3と、を備え、制御装置3は、図2に示したフロー図に基づいて溶接ロボット2を制御するように構成されている。
溶接対象であるワーク4は、例えば、図1に示したように、鉛直面(第一面41)と水平面(第二面42)とを含み、鉛直面と水平面との交線が溶接線43を構成している。かかる溶接は、一般に隅肉溶接と呼ばれている。
なお、図1では、第一面41と第二面42とがT字形状をなしているT継手の場合を図示しているが、第一面41と第二面42とが十字形状をなしている十字継手や、第一面41と第二面42とがL字形状をなしている角継手等であってもよい。
溶接ロボット2は、溶接ワイヤWを備えた溶接トーチ21と、溶接トーチ21を三次元的に移動させるロボットアーム22と、を備えたアーク溶接を行うロボットである。図1では、床面に溶接ロボット2を配置した場合を図示しているが、溶接ロボット2は、ワーク4の上方に配置されたガイドレールに走行可能に配置された溶接ロボットであってもよい。
制御装置3は、設計上の溶接線43である予め定められた基準溶接線に沿って溶接トーチ21を移動させながら溶接を行うようにプログラミングされている。ところで、溶接時におけるワーク4への入熱によってワーク4が変形することがあり、実際の溶接線43が基準溶接線からずれてしまうことがある。そこで、ワーク4を溶接する際には、溶接トーチ21を移動させる基準となる溶接線を補正する必要がある。
図2に示した第一実施形態に係る溶接位置補正方法は、溶接する第一面41(鉛直面)及び第二面42(水平面)の各々複数箇所をタッチセンシングする第一ステップStep1と、タッチセンシングした計測点P1n,P2n(nは1以上の整数)の座標を算出する第二ステップStep2と、計測点P1n,P2nの座標から第一面41の形状を示す第一指標I(第一直線E)及び第二面42の形状を示す第二指標I(第二直線E)を算出する第三ステップStep3と、第一指標Iと第一面41上の計測点P1nとの第一誤差Err及び第二指標Iと第二面42上の計測点P2nとの第二誤差Errを算出する第四ステップStep4と、第一誤差Err及び第二誤差Errが所定の閾値TH未満であるか否か判定する第五ステップStep5と、第一誤差Err及び第二誤差Errが閾値TH未満の場合に、第一指標Iに及び第二指標Iに基づいて第一面41と第二面42との交差位置(交点P′)を算出する第六ステップStep6と、第六ステップStep6により算出された交差位置(交点P′の位置)を溶接する位置に補正する第七ステップStep7と、第一誤差Errが閾値TH以上の場合に第一指標Iを算出する計測点P1nを変更し、第二誤差Errが閾値TH以上の場合に第二指標Iを算出する計測点P2nを変更する第八ステップStep8と、を含んでいる。
第一ステップStep1は、溶接線43を構成する第一面41(鉛直面)上の複数箇所をタッチセンシングし、溶接線43を構成する第二面42(水平面)上の複数箇所をタッチセンシングするステップである。タッチセンシングは、溶接ロボット2を用いて、溶接トーチ21に把持された溶接ワイヤWの先端を第一面41及び第二面42に接触させることにより行う。
本実施形態では、第一面41の形状を示す第一指標Iとして溶接線43と交差(好ましくは直交)する直線を使用するものとする。この場合、直線を算出し得る二点と同一直線上の少なくとも一点の冗長点を第一面41上でタッチセンシングする。同様に、第二面42上においても同一直線上の少なくとも三点をタッチセンシングする。
第二ステップStep2は、タッチセンシングした点(計測点)の座標を算出するステップである。本明細書において、第一面41上の計測点をP1nと表現し、第二面42上の計測点をP2nと表現するものとする。ここで、nはタッチセンシングした順番を意味し、一点目の計測点はP11、二点目の計測点はP12、三点目の計測点はP13のように表示するものとする。
以下、第一面41(鉛直面)の基準溶接線に直交する直線上でタッチセンシングする場合について説明する。図1に示したように、X軸を基準溶接線上に設定し、Y軸を第二面42(水平面)上に設定し、Z軸を第一面41(鉛直面)上に設定すれば、基準溶接線上の点(溶接点P)の座標は、P={x,y,z}と表示することができる。
ここで、第一面41(鉛直面)の設計上の点{x,y,z+v}をタッチセンシングすることにより計測点P11={x,yv1,z+v}の座標を得ることができ、第一面41(鉛直面)の設計上の点{x,y,z+v}をタッチセンシングすることにより計測点P12={x,yv2,z+v}の座標を得ることができ、第一面41(鉛直面)の設計上の点{x,y,z+v}をタッチセンシングすることにより計測点P13={x,yv3,z+v}の座標を得ることができる。
すなわち、第一面41(鉛直面)の設計上の点{x,y,z+v}をタッチセンシングすることにより計測点P1n={x,yvn,z+v}の座標を得ることができる。一般に、鉛直面である第一面41が変形した場合、XZ平面が湾曲することになることから、計測点P1nの座標は、対応する設計上の点に対してy座標の数値が異なる結果となる。
同様に、第二面42(水平面)の設計上の点{x,y+h,z}をタッチセンシングすることにより計測点P2n={x,y+h,zhn}の座標を得ることができる。一般に、水平面である第二面42が変形した場合、XY平面が湾曲することになることから、計測点P2nの座標は、対応する設計上の点に対してz座標の数値が異なる結果となる。
第三ステップStep3は、第一面41の形状を示す第一指標I及び第二面42の形状を示す第二指標Iを算出するステップである。本実施形態では、第一面41の形状を示す第一指標Iとして溶接線43と直交する第一直線Eを使用するものとし、第二面42の形状を示す第二指標Iとして溶接線43と直交する第二直線Eを使用するものとする。
第一直線Eは、第一面41上の計測点P1nの座標を用いて、例えば、最小二乗法によって同定することができる。同様に、第二直線Eは、第二面42上の計測点P2nの座標を用いて、例えば、最小二乗法によって同定することができる。
第四ステップStep4は、第一直線E(第一指標I)と計測点P1nとの第一誤差Errを算出し、第二直線E(第二指標I)と計測点P2nとの第二誤差Errを算出するステップである。第一誤差Errは、例えば、最小二乗法で用いる誤差二乗和によって求めることができる。なお、第一誤差Errは、計測点P1nの第一直線Eからの乖離度を示す指標であって、誤差二乗和に限定されるものではない。
例えば、第一誤差Errは、各計測点P1nと第一直線Eとの誤差の絶対値の合計(誤差絶対値の和)によって求めてもよいし、計測点P1nのうち第一直線Eから最も離れた計測点の距離(最大離隔距離)によって求めてもよい。同様に、第二誤差Errも、計測点P2nと第二直線Eとから、誤差二乗和、誤差絶対値の和、最大離隔距離等によって求めることができる。
第五ステップStep5は、第一誤差Errが所定の閾値TH未満であるか否か、第二誤差Errが所定の閾値TH未満であるか否か判定するステップである。第一誤差Errを判定する閾値THと第二誤差Errを判定する閾値THとは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
例えば、第一誤差Errが閾値THより大きい場合には、第一直線E(第一指標I)が第一面41の形状を適切に表現していないことが予測され、このような第一直線Eに基づいて溶接点Pを補正した場合には、補正した溶接点P′が実際の溶接線43から大きくずれてしまうこととなる。
そこで、本実施形態では、第三ステップStep3で求めた第一指標I及び第二指標Iが確からしいか否か、すなわち、変形したワーク4の形状を適切に表現しているか否かを第一誤差Err及び第二誤差Errを用いて判定している。かかる処理によって、補正した溶接線のずれ(誤差)を低減することができる。
第六ステップStep6は、第一誤差Errが閾値TH未満、かつ、第二誤差Errが閾値TH未満の場合に、第一直線Eと第二直線Eとの交点P′の位置を算出するステップである。また、第七ステップStep7は、溶接点Pを交点P′に補正するステップである。
第八ステップStep8は、第一誤差Errが閾値TH以上である場合、又は、第二誤差Errが閾値TH以上の場合に、第一直線Eを算出する計測点P1nを変更するとともに、第二指標Iを算出する計測点P2nを変更するステップである。本実施形態のように、指標として直線を用いた場合、溶接線上の溶接点を補正することになることから、X軸上の複数点について上述した処理を行うことが好ましい。
ここで、図3は、ワークが変形した場合における溶接位置補正方法を示す概念図であり、(a)は計測点が三点の場合における補正に不適切な例、(b)は計測点が三点の場合における補正に適切な例、(c)は計測点が四点の場合における補正に不適切な例、(d)は計測点が四点の場合における補正に適切な例、を示している。なお、ここでは、説明の便宜上、第二面42(水平面)の場合についてのみ説明するが、第一面41(鉛直面)の場合も同様である。
図3(a)は、計測点P21,P22,P23の座標を算出し、第二指標Iである第二直線Eを算出した場合であって、第二誤差Errが閾値TH以上の場合を示している。したがって、図示したように、第二直線Eは溶接線43から大きくずれている。このような状況で第二直線Eに基づいて溶接点を補正した場合には、適切な位置を溶接することができない。
そこで、本実施形態では、例えば、図3(b)に示したように、タッチセンシングする位置を変更して、新たな計測点P21,P22,P23の座標を算出し、第二直線Eを算出し直すようにしてもよい。このとき、例えば、計測点P2nの溶接線に対するオフセット量(y座標の値)の比率を保持したまま計測点P2nを溶接線に接近させる。このように、計測点P2nの位置を変更する場合には、図2に示したように、第八ステップStep8の後、第一ステップStep1に戻る処理を行うこととなる。
隅肉溶接の場合におけるワーク4の一般的な変形を考慮すれば、溶接線により近い位置で計測点P2nを算出することにより、溶接線43近傍の形状をより適切に示す指標を算出することができる。したがって、計測点P2nの位置を変更する場合には、溶接線に接近させることが好ましい。なお、計測点P2nの溶接線に対するオフセット量(y座標の値)の比率は、必ずしも保持しなくてもよい。
上述した実施形態では、第二直線Eを算出する際に三点の計測点P21,P22,P23を使用しているが、図3(c)及び図3(d)に示したように、冗長点を追加して四点の計測点P21,P22,P23,P24を使用するようにしてもよい。
図3(c)に示したように、四点の計測点P21,P22,P23,P24を用いて最小二乗法により第二直線Eを同定した場合に、その第二誤差Errが閾値TH以上であったものとする。この場合、四点の計測点P21,P22,P23,P24のうち、最も誤差の大きな計測点(例えば、計測点P24)をエラー点として、第二直線Eを算出する計測点から除外するようにしてもよい。すなわち、計測点P2nの個数を減じて、三点の計測点P21,P22,P23により第二直線Eを算出し直すようにしてもよい。
このように、第八ステップStep8において、第二指標Iである第二直線Eを算出する計測点P2nを減じることによって計測点P2nを変更するようにしてもよい。この場合、図示しないが、図2に示したフロー図によって、第八ステップStep8の後、第三ステップStep3に戻る処理を行うこととなる。この方法を採用した場合には、タッチセンシングし直す必要がなく、処理時間の短縮を図ることができる。
なお、図3(c)及び図3(d)では、計測点が四点の場合、すなわち、冗長点が二点の場合について説明しているが、計測点は五点以上であってもよい。冗長点を増やすことにより、計測点を減じる回数を増やすことができる。また、計測点を減じた結果、計測点が三点になった場合には、図3(a)及び図3(b)に示した処理によって溶接線を補正するようにしてもよい。
ところで、本実施形態のように、溶接ワイヤWを用いてタッチセンシングする場合において、溶接ワイヤWは、溶接トーチ21の軸線に対して先端が所定の方向に湾曲しているのが一般的である。この溶接ワイヤWの曲り方向及び曲り量が常に一定であれば、タッチセンシングにより算出された計測点は全て同じ方向に同じ量だけ偏向していることから、その座標を算出する際に溶接ワイヤWの曲り方向や曲り量を考慮する必要はない。
しかしながら、タッチセンシングの際に溶接トーチ21を移動させた場合に、溶接ワイヤWに張力が生じて溶接ワイヤWが自転してしまい、曲り方向が変化してしまう場合もあり得る。溶接ワイヤWの曲り方向が途中で変化した場合には、その計測点に誤差が生じてしまい、適切な指標を算出することができなくなってしまう。
ここで、図4は、溶接ワイヤの曲り方向が変化した場合における溶接位置補正方法を示す概念図であり、(a)は計測点が三点の場合における補正に不適切な例、(b)は計測点が三点の場合における補正に適切な例、を示している。
例えば、図4(a)に示したように、一点目のタッチセンシング及び二点目のタッチセンシングにおける溶接ワイヤWの曲り方向が下向きであるのに対して、三点目のタッチセンシングにおける溶接ワイヤWの曲り方向が上向きに変化した場合、これらの計測点(例えば、計測点P21,P22,P23)の座標を用いて第二直線Eを算出した場合、三点目の計測点だけ計測位置がずれていることから、適切な第二指標Iを算出することはできない。
このように、タッチセンシングの途中で溶接ワイヤWの曲り方向が変化した場合には、溶接線の補正に不適切な第二直線E(第二指標I)が得られることから、第五ステップStep5において、第二直線E(第二指標I)の第二誤差Errが閾値TH未満であるか否か判定することによって、溶接ワイヤWの曲り方向が変化した場合も容易に判別することができる。
そして、本実施形態において、第二直線E(第二指標I)の第二誤差Errが閾値TH以上である場合には、例えば、図4(b)に示したように、タッチセンシングの途中で溶接ワイヤWの曲り方向の変化がなくなるまで、又は、溶接ワイヤWの曲り方向の変化が第二誤差Errに影響を与えない程度に少なくなるまで、タッチセンシングを繰り返すこととなる。
なお、図2のフロー図には図示していないが、タッチセンシングを所定回数繰り返しても第二直線E(第二指標I)の第二誤差Errが閾値TH未満にならない場合には、計測エラーとして処理を停止するようにしてもよい。
また、図4(a)及び図4(b)では溶接ワイヤWの曲り方向が変化した場合について説明しているが、溶接ワイヤWの曲り量が変化した場合(例えば、溶接ワイヤWの軸方向の張力が変化した場合や溶接ワイヤWの溶接トーチ21からの突出量が変化した場合)についても、同様に、第二直線E(第二指標I)の第二誤差Errが閾値TH未満であるか否かを判定することによって、第二指標Iが適切であるか否かの判定を行うことができる。
上述した本実施形態に係る溶接位置補正方法によれば、母材を構成する第一面41及び第二面41の複数箇所をタッチセンシングして第一面41の形状を示す第一指標I及び第二面42の形状を示す第二指標Iを算出し、これらの指標とタッチセンシングした計測点P1n,P2nの座標とから誤差(第一誤差Err,第二誤差Err)を算出し閾値THと比較することにより、算出した第一指標I及び第二指標Iが第一面41及び第二面42の確からしい形状を表現しているか否かを容易に確認することができる。
したがって、ワーク4が変形した場合や溶接ワイヤWの曲り方向が変化した場合であっても、確からしい第一指標I及び第二指標Iに基づいて溶接線を補正することができ、溶接線を適正な溶接位置に補正することができる。
次に、本発明の他の実施形態に係る溶接位置補正方法について、図5及び図6を参照しつつ説明する。ここで、図5は、本発明の第二実施形態に係る溶接位置補正方法を示すフロー図である。図6は、本発明の第三実施形態に係る溶接位置補正方法を示すフロー図である。
図5に示した第二実施形態にかかる溶接位置補正方法は、タッチセンシングから指標の誤差判定を繰り返すフロー(第一ステップStep1〜第五ステップStep5,第八ステップStep8)を、第一面41(鉛直面)と第二面42(水平面)とに分離したものである。なお、図5に示したフローでは、第一面41(鉛直面)のフローと第二面42(水平面)のフローとを並列に表示しているが、何れか一方を先に処理し、何れか他方を後に処理するようにしてもよい。
具体的には、第二実施形態にかかる溶接位置補正方法は、第一面41(鉛直面)の複数箇所をタッチセンシングする第一ステップStep11と、タッチセンシングした計測点P1nの座標を算出する第二ステップStep21と、計測点P1nの座標から第一面41の形状を示す第一指標I(第一直線E)を算出する第三ステップStep31と、第一指標Iと計測点P1nとの第一誤差Errを算出する第四ステップStep41と、第一誤差Errが閾値TH未満であるか否か判定する第五ステップStep51と、第一誤差Errが閾値TH以上の場合に、第一指標Iを算出する計測点P1nを変更する第八ステップStep81と、を含んでいる。
また、第二実施形態にかかる溶接位置補正方法は、第二面42(水平面)の複数箇所をタッチセンシングする第一ステップStep12と、タッチセンシングした計測点P2nの座標を算出する第二ステップStep22と、計測点P2nの座標から第二面42の形状を示す第二指標I(第二直線E)を算出する第三ステップStep32と、第二指標Iと計測点P2nとの第二誤差Errを算出する第四ステップStep42と、第二誤差Errが閾値TH未満であるか否か判定する第五ステップStep52と、第二誤差Errが閾値TH以上の場合に、第二指標Iを算出する計測点P2nを変更する第八ステップStep82と、を含んでいる。
各ステップにおける具体的な処理は、上述した第一実施形態に係る溶接位置補正方法と同じであるため、ここでは詳細な説明を省略する。このように、タッチセンシングから指標の誤差判定を繰り返すフローを第一面41(鉛直面)と第二面(水平面)とに分離することにより、第一誤差Err又は第二誤差Errのうちいずれか一方が閾値TH以上となった場合には、その誤差が閾値TH以上となった第一面41又は第二面42の一方のみをタッチセンシングし直せばよく、タッチセンシングの処理回数を低減することができ、処理時間の短縮を図ることができる。
図6に示した第三実施形態にかかる溶接位置補正方法は、第一指標Iとして第一面41(鉛直面)の形状を示す平面(第一平面F)を使用し、第二指標Iとして第二面42(水平面)の形状を示す平面(第二平面F)を使用したものである。基本的なフローは、上述した第一実施形態に係る溶接位置補正方法と同じである。
指標として平面を用いる場合には、平面を算出し得る三点と同一面上の少なくとも一点の冗長点を含む計測点P1n,P2nが必要である。第一平面F及び第二平面Fは、例えば、最小二乗法により算出することができる。また、第一誤差Err及び第二誤差Errには、第一平面F及び第二平面Fに近似する際の誤差二乗和等を用いることができる。また、第一指標I(第一平面F)と第二指標I(第二平面F)との交差する部分は交線L′として算出することができる。
このように、第一面41及び第二面42の形状を示す指標として平面を使用した場合であっても、計測点との誤差を判定することにより、より確からしい指標を算出することができ、溶接線Lを適正な溶接位置(交線L′)に補正することができる。
なお、図示しないが、かかる第三実施形態に係る溶接位置補正方法において、タッチセンシングから指標の誤差判定を繰り返すフロー(第一ステップStep1〜第五ステップStep5,第八ステップStep8)を第一面41(鉛直面)と第二面(水平面)とに分離するようにしてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 溶接装置
2 溶接ロボット
3 制御装置
4 ワーク
21 溶接トーチ
22 ロボットアーム
41 第一面
42 第二面
43 溶接線
W 溶接ワイヤ
Step1,Step11,Step12 第一ステップ
Step2,Step21,Step22 第二ステップ
Step3,Step31,Step32 第三ステップ
Step4,Step41,Step42 第四ステップ
Step5,Step51,Step52 第五ステップ
Step6 第六ステップ
Step7 第七ステップ
Step8,Step81,Step82 第八ステップ


Claims (9)

  1. 溶接する第一面及び第二面の各々複数箇所をタッチセンシングする第一ステップと、
    タッチセンシングした計測点の座標を算出する第二ステップと、
    前記計測点の座標から前記第一面の形状を示す第一指標及び前記第二面の形状を示す第二指標を算出する第三ステップと、
    前記第一指標と前記第一面上の計測点との第一誤差及び前記第二指標と前記第二面上の計測点との第二誤差を算出する第四ステップと、
    前記第一誤差及び前記第二誤差が所定の閾値未満であるか否か判定する第五ステップと、
    前記第一誤差及び前記第二誤差が前記閾値未満の場合に、前記第一指標及び前記第二指標に基づいて前記第一面と前記第二面との交差位置を算出する第六ステップと、
    該第六ステップにより算出された前記交差位置を溶接する位置に補正する第七ステップと、
    前記第一誤差が前記閾値以上の場合に前記第一指標を算出する計測点を変更し、前記第二誤差が前記閾値以上の場合に前記第二指標を算出する計測点を変更する第八ステップと、
    を含むことを特徴とする溶接位置補正方法。
  2. 前記第一指標及び前記第二指標は直線である、請求項1に記載の溶接位置補正方法。
  3. 前記第一ステップにおけるタッチセンシング点数は、前記第一面及び前記第二面の各々三点以上である、請求項2に記載の溶接位置補正方法。
  4. 前記第一指標及び前記第二指標は平面である、請求項1に記載の溶接位置補正方法。
  5. 前記第一ステップにおけるタッチセンシング点数は、前記第一面及び前記第二面の各々四点以上である、請求項4に記載の溶接位置補正方法。
  6. 前記第一誤差及び前記第二誤差は、誤差二乗和、誤差絶対値の和又は最大離隔距離の何れかにより算出される、請求項1に記載の溶接位置補正方法。
  7. 前記第八ステップは、前記計測点の位置を変更してタッチセンシングし直すステップである、請求項1に記載の溶接位置補正方法。
  8. 前記第八ステップは、前記計測点の個数を減じて前記第一指標又は前記第二指標を算出し直すステップである、請求項1に記載の溶接位置補正方法。
  9. 溶接ロボットと、該溶接ロボットを制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、溶接する第一面及び第二面の各々複数箇所をタッチセンシングし、タッチセンシングした計測点の座標を算出し、前記計測点の座標から前記第一面の形状を示す第一指標及び前記第二面の形状を示す第二指標を算出し、前記第一指標と前記第一面上の計測点との第一誤差及び前記第二指標と前記第二面上の計測点との第二誤差を算出し、前記第一誤差及び前記第二誤差が所定の閾値未満であるか否か判定し、前記第一誤差及び前記第二誤差が前記閾値未満の場合に、前記第一指標及び前記第二指標に基づいて前記第一面と前記第二面との交差位置を算出して溶接する位置に補正し、前記第一誤差が前記閾値以上の場合に前記第一指標を算出する計測点を変更し、前記第二誤差が前記閾値以上の場合に前記第二指標を算出する計測点を変更するように構成されている、
    ことを特徴とする溶接装置。
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