本開示は、ヒトLAG−3に結合し、望ましい機能的特性を有する単離された抗体、特にヒト抗体およびヒト化抗体に関する。一部の実施形態では、LAG−3抗体は、LAG−3に結合して他の分子へのその結合を阻害することができる。一部の実施形態では、他の分子としては、ガレクチン−3(LGALS3)、C型レクチンドメインファミリー4メンバーG(LSECtin)タンパク質、およびMHCクラスII分子が挙げられるがこれらに限定されない。
ある特定の実施形態では、本開示の抗体は、本明細書に開示されるある特定のCDR領域を備える。本開示は、単離された抗体、そのような抗体を調製する方法、そのような抗体を備えるイムノコンジュゲートおよび二重特異性分子ならびに本開示の抗体、イムノコンジュゲートまたは二重特異性分子を備える医薬組成物を提供する。本開示はまた、LAG−3タンパク質の検出などのために抗体を使用する方法の他に、免疫応答を刺激するために、単独でまたは他の治療剤と組み合わせて、本開示の抗LAG−3抗体を使用する方法に関する。したがって、本開示はまた、例えば、腫瘍成長を阻害しまたはウイルス感染症を治療するために本開示の抗LAG−3抗体を使用する方法を提供する。
本開示がより容易に理解され得るように、ある特定の用語を最初に定義する。追加の定義は、発明を実施するための形態の全体を通じて示される。
「LAG−3」または「LAG3」という用語はリンパ球活性化遺伝子3を指す。LAG3タンパク質は免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーに属し、D1〜D4と称される4つの細胞外Ig様ドメインを有する503アミノ酸のI型膜貫通タンパク質を備える。本明細書に記載される場合、「LAG−3」という用語は、バリアント、アイソフォーム、ホモログ、オルソログ、およびパラログを含む。例えば、ヒトLAG−3タンパク質に特異的な抗体は、ある特定の場合には、ヒト以外の種のLAG−3タンパク質と交差反応してもよい。他の実施形態では、ヒトLAG−3タンパク質に特異的な抗体は、ヒトLAG−3タンパク質に完全に特異的であってもよく、かつ種間もしくは他の種類の交差反応性を呈しなくてもよく、またはある特定の他の種のLAG−3と交差反応するが全ての他の種のLAG−3とは交差反応しないものであってもよい(例えば、サルLAG−3と交差反応するがマウスLAG−3とは交差反応しない)。「ヒトLAG−3」という用語は、ヒト配列のLAG−3、例えば、GenBankアクセッション番号NP002277を有するヒトLAG−3の完全なアミノ酸配列を指す。「マウスLAG−3」という用語は、マウス配列のLAG−3、例えば、GenBankアクセッション番号NP032505を有するマウスLAG−3の完全なアミノ酸配列を指す。LAG−3は、当該技術分野において例えばCD223としても公知である。ヒトLAG−3配列は、例えば、保存された突然変異または非保存領域中の突然変異を有することにより、GenBankアクセッション番号NP002277のヒトLAG−3と異なっていてもよく、LAG−3は、GenBankアクセッション番号NP002277のヒトLAG−3と実質的に同じ生物学的機能を有する。例えば、ヒトLAG−3の生物学的機能は、本開示の抗体が特異的に結合するLAG−3の細胞外ドメイン中のエピトープを有することであり、または、ヒトLAG−3の生物学的機能は、MHCクラスII分子に結合することである。
特定のヒトLAG−3配列は、一般に、GenBankアクセッション番号NP002277のヒトLAG−3とアミノ酸配列が少なくとも90%同一であり、かつ他の種(例えば、マウス)のLAG−3アミノ酸配列と比較した時にアミノ酸配列をヒトのものであると同定するアミノ酸残基を備える。ある特定の場合には、ヒトLAG−3は、GenBankアクセッション番号NP002277のLAG−3とアミノ酸配列が少なくとも95%、またはさらには少なくとも96%、97%、98%、もしくは99%同一であり得る。ある特定の実施形態では、ヒトLAG−3配列は、GenBankアクセッション番号NP002277のLAG−3配列から10個以下のアミノ酸の差異を示す。ある特定の実施形態では、ヒトLAG−3は、GenBankアクセッション番号NP002277のLAG−3配列から5個以下、またはさらには4、3、2、もしくは1個以下のアミノ酸の差異を示し得る。同一性パーセントは、本明細書に記載される通りに決定することができる。
「免疫応答」という用語は、例えば、リンパ球、抗原提示細胞、食細胞、顆粒球、および上記細胞または肝臓により産生される可溶性高分子(抗体、サイトカイン、および補体など)の作用であって、侵入病原体、病原体に感染した細胞もしくは組織、がん性細胞、または、自己免疫もしくは病的炎症の場合、正常なヒト細胞もしくは組織の選択的な損傷、破壊、またはヒト身体からの除去を結果としてもたらすものを指す。
「抗原特異的T細胞応答」は、T細胞が特異的である抗原によるT細胞の刺激の結果としてもたらされるT細胞による応答を指す。抗原特異的刺激時のT細胞による応答の非限定的な例としては、増殖およびサイトカイン産生(例えば、IL−2産生)が挙げられる。
本明細書において言及される「抗体」という用語は、抗体全体およびその任意の抗原結合断片(すなわち、「抗原結合部分」)または単鎖を含む。抗体全体は、ジスルフィド結合により相互接続された少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を備える糖タンパク質である。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書においてVHと略記される)および重鎖定常領域を備える。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、およびCH3を備える。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書においてVLと略記される)および軽鎖定常領域を備える。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLを備える。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と称されるより保存された領域が挿入された、相補性決定領域(CDR)と称される超可変性の領域にさらに分割することができる。各VHおよびVLは3つのCDRおよび4つのFRから構成され、これらはアミノ末端からカルボキシ末端へと、FRl、CDRl、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4という順序で並んでいる。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを備える。抗体の定常領域は、宿主組織または因子、例えば、免疫系(例えば、エフェクター細胞)の様々な細胞および古典的補体システムの第1成分(Clq)への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。
抗体の「抗原結合部分」(または単に「抗体部分」または「断片」)という用語は、本明細書で使用される場合、抗原(例えば、LAG−3タンパク質)に特異的に結合する能力を保持した抗体の1つまたは複数の断片を指す。抗体の抗原結合機能は全長抗体の断片により行われ得ることが示されている。抗体の「抗原結合部分」という用語に包含される結合断片の例としては、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片、(ii)ヒンジ領域においてジスルフィド架橋により連結された2つのFab断片を備える二価断片であるF(ab')2断片、(iii)ヒンジ領域の部分を有する本質的にFabであるFab'断片(FUNDAMENTAL IMMUNOLOGY(Paul ed.,3.sup.rd ed.I993を参照)、(iv)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、(v)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(vi)VHドメインからなるdAb断片(Ward et al.,(1989)Nature341:544−546)、(vii)単離された相補性決定領域(CDR)、ならびに(viii)単一の可変ドメインおよび2つの定常ドメインを備える重鎖可変領域であるナノボディが挙げられる。さらには、Fv断片の2つのドメインVLおよびVHは別々の遺伝子によりコードされるが、それらは、組換え法を使用して、VLおよびVH領域が対形成して一価分子(単鎖Fv(scFv)として公知であり、例えば、Bird et al.(1988)Science242:423−426、およびHuston et al.(I988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:5879−5883を参照)を形成した単一のタンパク質鎖となることを可能とする合成リンカーにより連結させることができる。そのような単鎖抗体もまた、抗体の「抗原結合部分」という用語に包含されることが意図される。これらの抗体断片は当業者に公知の従来技術を使用して得られ、断片は、インタクトな抗体と同じ方法で有用性についてスクリーニングされる。
「単離された抗体」は、本明細書で使用される場合、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指すことが意図される(例えば、LAG−3タンパク質に特異的に結合する単離された抗体は、LAG−3タンパク質以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、ヒトLAG−3タンパク質に特異的に結合する単離された抗体は、他の種のLAG−3タンパク質などの他の抗原への交差反応性を有してもよい。さらに、単離された抗体は、他の細胞材料および/または化学物質を実質的に含まないものであり得る。
本明細書で使用される「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」という用語は、単一分子組成の抗体分子の調製物を指す。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対して単一の結合特異性および親和性を示す。
ヒト化抗体は、ヒトにおいて天然に産生される抗体バリアントへの類似性を増加させるようにタンパク質配列が改変された非ヒト種の抗体である。「ヒト化」の方法は、通常、ヒトへの投与のために開発されるモノクローナル抗体に適用される。
「ヒト抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、フレームワークおよびCDR領域の両方がヒト生殖細胞系列の免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する抗体を含むことが意図される。さらには、抗体が定常領域を備える場合、定常領域もまたヒト生殖細胞系列の免疫グロブリン配列に由来する。本開示のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列の免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基を備え得る(例えば、in vitroでのランダムなもしくは部位特異的な突然変異生成によりまたはin vivoで体細胞突然変異により導入された突然変異)。しかしながら、「ヒト抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖細胞系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされた抗体を含むことは意図されない。
「アイソタイプ」という用語は、重鎖定常領域遺伝子によりコードされる抗体クラス(例えば、IgMまたはIgG1)を指す。
「抗原を認識する抗体」および「抗原に特異的な抗体」という語句は、「抗原に特異的に結合する抗体」という用語と本明細書において交換可能に使用される。
「ヒト抗体誘導体」という用語は、任意の改変型のヒト抗体、例えば、抗体と別の剤または抗体とのコンジュゲートを指す。「ヒト化抗体」という用語は、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖細胞系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされた抗体を指すことが意図される。追加のフレームワーク領域の改変をヒトフレームワーク配列において行うことができる。
「キメラ抗体」という用語は、可変領域配列が1つの種に由来しかつ定常領域配列が別の種に由来する抗体、例えば、可変領域配列がマウス抗体に由来しかつ定常領域配列がヒト抗体に由来する抗体を指すことが意図される。
本明細書で使用される場合、「ヒトLAG−3に特異的に結合する」または「ヒトLAG−3への特異性を有する」抗体は、ヒトLAG−3タンパク質(および場合により1つまたは複数の非ヒト種のLAG−3タンパク質)に結合するが非LAG−3タンパク質に実質的に結合しない抗体を指すことが意図される。好ましくは、抗体は、「高親和性」で、すなわち、1×10−7Mもしくはそれ未満、より好ましくは5×10−8Mもしくはそれ未満、より好ましくは3×10−8Mもしくはそれ未満、より好ましくは1×10−8Mもしくはそれ未満、より好ましくは25×10−9Mもしくはそれ未満またはよりいっそう好ましくは1×10−9Mもしくはそれ未満のKDでヒトLAG−3タンパク質に結合する。
タンパク質または細胞に「実質的に結合しない」という用語は、本明細書で使用される場合、タンパク質または細胞に結合しないまたは高親和性で結合しない、すなわち、1×10−6Mまたはそれより高い、より好ましくは1×10−5Mまたはそれより高い、より好ましくは1×10−4Mまたはそれより高い、より好ましくは1×10−3Mまたはそれより高い、よりいっそう好ましくは1×10−2Mまたはそれより高いKDでタンパク質または細胞に結合することを意味する。「Kassoc」または「Ka」という用語は、本明細書で使用される場合、特定の抗体−抗原相互作用の会合速度を指すことが意図され、「Kdis」または「Kd」という用語は、本明細書で使用される場合、特定の抗体−抗原相互作用の解離速度を指すことが意図される。「KD」という用語は、本明細書で使用される場合、Kaに対するKdの比(すなわち、Kd/Ka)から得られ、モル濃度(M)として表される解離定数を指すことが意図される。抗体のKD値は、当該技術分野において充分に確立された方法を使用して決定することができる。抗体のKDを決定する好ましい方法は、好ましくはBiacore(登録商標)システムなどのバイオセンサーシステムを使用して、表面プラズモン共鳴を使用することによる。
IgG抗体についての「高親和性」という用語は、抗体が標的抗原について1×10−7Mまたはそれ未満、より好ましくは5×10−8Mまたはそれ未満、よりいっそう好ましくは1×10−8Mまたはそれ未満、よりいっそう好ましくは5×10−9Mまたはそれ未満、よりいっそう好ましくは1×10−9Mまたはそれ未満のKDを有することを指す。しかしながら、「高親和性」の結合は、他の抗体アイソタイプについて異なり得る。例えば、IgMアイソタイプについての「高親和性」の結合は、抗体が10−6Mまたはそれ未満、より好ましくは10−7Mまたはそれ未満、よりいっそう好ましくは10−8Mまたはそれ未満のKDを有することを指す。
「対象」という用語は、任意のヒトまたは非ヒト動物を含む。「非ヒト動物」という用語は、全ての脊椎動物、例えば、哺乳動物および非哺乳動物、例えば、非ヒト霊長動物、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ニワトリ、両生類、および爬虫類を含むが、哺乳動物、例えば、非ヒト霊長動物、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシおよびウマが好ましい。
本開示の様々な態様は、以下のサブセクションにおいてさらに詳細に記載される。
抗LAG−3抗体および断片
本開示は、ヒトリンパ球活性化遺伝子3(LAG−3)タンパク質への特異性を有する抗体および断片を提供する。LAG−3への高親和性の他に、結合と関連付けられる他の所望の活性を有するヒト抗体の他に、マウスおよびヒト化抗体が実証される。本開示の抗体は、抗体の特定の機能的特徴または特性により特徴付けられる。
抗LAG−3抗体および断片の例示的な群は、マウス抗体147Hに由来する(表5を参照)。例示的なヒト化キメラ抗体が、復帰突然変異を有する多数のヒト化抗体断片と共に表6に示される。さらに、親和性成熟に基づいて、向上した特性を有する追加の抗体および断片を調製した(表7および8)。一部の実施形態では、単離された抗体またはその断片であって、ヒトリンパ球活性化遺伝子3(LAG−3)タンパク質に対する特異性を有し、かつ、配列番号240のVH CDR1、配列番号241のVH CDR2、配列番号242のVH CDR3、配列番号243のVL CDR1、配列番号244のVL CDR2、および配列番号245のVL CDR3を備える、抗体またはその断片が提供される。
一実施形態では、抗体またはその断片は、重鎖相補性決定領域CDRH1、CDRH2、およびCDRH3を有する重鎖可変領域、ならびに軽鎖相補性決定領域CDRL1、CDRL2、およびCDRL3を有する軽鎖可変領域を備え、CDRH1が、配列番号240のアミノ酸配列または1つもしくは2つのアミノ酸置換を有する配列番号240に由来するアミノ酸配列を備え、CDRH2が、配列番号241のアミノ酸配列または1つもしくは2つのアミノ酸置換を有する配列番号241に由来するアミノ酸配列を備え、CDRH3が、配列番号242のアミノ酸配列または1つもしくは2つのアミノ酸置換を有する配列番号242に由来するアミノ酸配列を備え、CDRL1が、配列番号243のアミノ酸配列または1つもしくは2つのアミノ酸置換を有する配列番号243に由来するアミノ酸配列を備え、CDRL2が、配列番号244のアミノ酸配列または1つもしくは2つのアミノ酸置換を有する配列番号244に由来するアミノ酸配列を備え、かつ、CDRL3が、配列番号245のアミノ酸配列または1つもしくは2つのアミノ酸置換を有する配列番号245に由来するアミノ酸配列を備える、抗体またはその断片を提供する。
置換が為され得るアミノ酸残基の非限定的な例は表8に示される。例えば、CDRH2において、そのような残基としては、D50、Y52、Y56およびN58が挙げられる。好ましい実施形態では、CDRH2は、任意選択的に他の置換と共に、N58Vの置換を備える(例えば、配列番号347)。別の例では、CDRH3の置換は、N96、G99またはY102において起こる。好ましい実施形態では、CDRH3は、置換G99K、Y102、または組合せを備える(例えば、配列番号354)。さらに別の例では、CDRL3の置換は、A89、N91、またはL94において起こる。好ましい実施形態では、CHRL3は、置換N91Yを備える(例えば、配列番号374)。一実施形態では、抗体または断片は、任意選択的に他の置換と共に、N58V、G99K、Y102、およびN91Yの全てを備える。
一部の実施形態では、抗体または断片は、配列番号238、246〜259、261、263、265、267、269、271、273、275、277、279、281、283、285、287、289、291、293、295、297、299、301、303、305、307、309、311、313、315、317、319、321、323、325、327、329、331、333、335、および337からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号238、246〜259、261、263、265、267、269、271、273、275、277、279、281、283、285、287、289、291、293、295、297、299、301、303、305、307、309、311、313、315、317、319、321、323、325、327、329、331、333、335、および337からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体または断片は、配列番号239、260、262、264、266、268、270、272、274、276、278、280、282、284、286、288、290、292、294、296、298、300、302、304、306、308、310、312、314、316、318、320、322、324、326、328、330、332、334、336、および338からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号239、260、262、264、266、268、270、272、274、276、278、280、282、284、286、288、290、292、294、296、298、300、302、304、306、308、310、312、314、316、318、320、322、324、326、328、330、332、334、336、および338からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、重鎖定常領域、軽鎖定常領域、Fc領域、またはこれらの組合せをさらに備える。一部の実施形態では、軽鎖定常領域は、カッパまたはラムダ鎖定常領域である。
限定するものではないが、抗体またはその断片は、キメラ抗体、ヒト化抗体、または完全にヒトの抗体である。一態様では、抗体またはその断片はヒト化抗体である。
ヒト化抗体または断片について、ある特定の復帰突然変異を組み込むことができる。一部の実施形態では、重鎖可変領域は、Kabatのナンバリングにしたがって、
(a)位置71におけるAla(A)、
(b)位置69におけるLeu(L)、
(c)位置66におけるLys(K)、
(d)位置67におけるAla(A)、
(e)位置48におけるIle(I)、
(f)位置37におけるIle(I)、
(g)位置38におけるLys(K)、
(h)位置91におけるPhe(F)、および
(i)位置1におけるGlu(E)、
ならびにこれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸残基を備える。
一部の実施形態では、重鎖可変領域は位置71におけるAla(A)を備える。一部の実施形態では、重鎖可変領域は位置69におけるLeu(L)を備える。一部の実施形態では、重鎖可変領域は位置66におけるLys(K)を備える。一部の実施形態では、重鎖可変領域は位置67におけるAla(A)を備える。一部の実施形態では、重鎖可変領域は位置48におけるIle(I)を備える。一部の実施形態では、重鎖可変領域は位置37におけるIle(I)を備える。一部の実施形態では、重鎖可変領域は位置38におけるLys(K)を備える。一部の実施形態では、重鎖可変領域は位置91におけるPhe(F)を備える。一部の実施形態では、重鎖可変領域は位置1におけるGlu(E)を備える。
一部の実施形態では、重鎖可変領域は、Kabatのナンバリングにしたがって、
(a)位置71におけるAla(A)、
(b)位置69におけるLeu(L)、
(c)位置66におけるLys(K)、
(d)位置67におけるAla(A)、
(e)位置48におけるIle(I)、
(f)位置37におけるIle(I)、および
(g)位置38におけるLys(K)、
ならびにこれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸残基を備える。一部の実施形態では、重鎖可変領域は、上記の残基の全てを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号238のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号238と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号239のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号239と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号246〜259からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域または配列番号246〜259からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号239のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号246のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号246と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号260のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号247のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号247と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号260のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号248のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号248と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号260のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号249のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号249と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号260のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号250のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号250と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号260のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号251のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号251と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号260のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号252のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号252と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号260のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号253のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号253と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号260のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号254のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号254と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号260のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号255のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号255と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号260のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号256のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号256と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号260のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号257のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号257と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号260のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号258のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号258と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号260のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号259のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、または配列番号259と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号260のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、または配列番号260と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
これらの例示的な任意の重鎖可変または軽鎖可変領域において、CDRは、表8に示されるように改変されてもよく、または表8に示されるような例示的な改変CDRにより置換されてもよい。
様々な実施形態では、本開示の抗体は、本明細書に記載される好ましい抗体のアミノ酸配列に相同的なアミノ酸配列を有する重鎖および軽鎖可変領域を備え、かつ、抗体は、本開示の抗LAG−3抗体の所望の機能的特性を保持する。例えば、抗体は、ヒトLAG−3に特異的に結合し、主要組織適合複合体(MHC)クラスII分子、ガレクチン−3およびLSECtinへのLAG−3の結合を遮断し、免疫応答を刺激し、かつエフェクター細胞に対する制御性T細胞の阻害効果を後退させる。
さらに、またはあるいは、抗体は、上記で論じた以下の機能的特性、例えば、ヒトLAG−3への高親和性結合、サルLAG−3への結合、マウスLAG−3への結合の欠如、MHCクラスII分子へのLAG−3の結合を阻害する能力および/または抗原特異的T細胞応答を刺激する能力のうちの1つまたは複数を有し得る。
様々な実施形態では、抗体は、例えば、ヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体であり得る。他の実施形態では、VHおよび/またはVLのアミノ酸配列は、上記の配列に85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%相同であり得る。上記の配列のVHおよびVL領域に高い(すなわち、80%またはより高い)相同性を有するVHおよびVL領域を備える抗体は、VHおよび/またはVLのアミノ酸配列の核酸の突然変異生成(例えば、部位特異的またはPCR媒介突然変異生成)の後に、本明細書に記載される機能アッセイを使用して保持された機能(すなわち、上記の機能)についてコードされる変化した抗体を試験することにより得ることができる。
本明細書で使用される場合、2つのアミノ酸配列間の相同性パーセントは、2つの配列間の同一性パーセントと同等である。2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適なアライメントのために導入される必要があるギャップの数、および各ギャップの長さを考慮に入れて、配列により共有される同一の位置の数の関数である(すなわち、相同性%=同一の位置の#/位置の総#×100)。配列の比較および2つの配列間の同一性パーセントの決定は、以下の非限定的な例に記載されるように数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。
2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、PAM120重み付け残基表、12のギャップ長さペナルティおよび4のギャップペナルティを使用して、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれたE.MeyersおよびW.Millerのアルゴリズム(Comput.Appl.Biosci.4:11−7,1988)を使用して決定することができる。加えて、2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、Blossum 62マトリックスまたはPAM250マトリックスのいずれか、ならびに16、14、12、10、8、6、または4のギャップ重み付けおよび1、2、3、4、5、または6の長さ重み付けを使用して、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムに組み込まれたNeedlemanおよびWunsch(J.Mol.Biol.48:444−53,1970)のアルゴリズムを使用して決定することができる。
さらに、またはあるいは、本開示のタンパク質配列は、例えば、関連配列を同定するために、公的データベースに対して検索を行うための「クエリ配列」としてさらに使用することができる。そのような検索は、Altschulら(J.Mol.Biol.215:403−10,1990)のXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使用して行うことができる。BLASTタンパク質検索は、本開示の抗体分子に相同的なアミノ酸配列を得るために、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3を用いて行うことができる。比較目的のためにギャップアライメントを得るために、Altschulら(Nucl.Acid Res.25(17):3389〜402,1997)に記載されるようにGapped BLASTを利用することができる。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを利用する場合、各々のプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトのパラメーターが有用である。
一部の実施形態では、配列同一性は、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または99.5%である。一部の実施形態では、配列同一性は、10個の残基のうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9個のアミノ酸置換、欠失または付加を包含する。そのような置換は、一部の実施形態では、保存的置換である。
「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基により置換されるアミノ酸置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーが当該技術分野において定義されており、これには、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。したがって、免疫グロブリンポリペプチド中の非必須アミノ酸残基は、好ましくは、同じ側鎖ファミリーの別のアミノ酸残基により置換される。別の実施形態では、アミノ酸の連なりが、側鎖ファミリーメンバーの順序および/または組成が異なる構造的に類似の連なりにより置換され得る。
保存的アミノ酸置換の非限定的な例を以下の表において提供し、0またはより高い類似性スコアは、2つのアミノ酸の間の保存的置換を指し示す。
アミノ酸の類似性マトリックス
保存的アミノ酸置換
ヒト抗体もまた本明細書において調製された。ヒト抗体または断片は、表2に示すような重鎖CDRを備えてもよい。重鎖可変領域の例を表1に示す。ヒト抗体または断片は、表4に示すような軽鎖CDRを備えてもよい。重鎖可変領域の例を表3に示す。
一実施形態では、したがって、単離された抗体またはその断片であって、抗体またはその断片が、ヒトリンパ球活性化遺伝子3(LAG−3)タンパク質に対する特異性を有し、抗体またはその断片が、重鎖相補性決定領域CDRH1、CDRH2、およびCDRH3を有する重鎖可変領域、ならびに軽鎖相補性決定領域CDRL1、CDRL2、およびCDRL3を有する軽鎖可変領域を備え、CDRH1が、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列または1つもしくは2つのアミノ酸置換を有する配列番号1もしくは2に由来するアミノ酸配列を備え、CDRH2が、配列番号3もしくは4のアミノ酸配列または1つもしくは2つのアミノ酸置換を有する配列番号3もしくは4に由来するアミノ酸配列を備え、CDRH3が、配列番号5〜45からなる群から選択されるアミノ酸配列または1つもしくは2つのアミノ酸置換を有する配列番号5〜45のいずれか1つに由来するアミノ酸配列を備え、CDRL1が、配列番号46〜80からなる群から選択されるアミノ酸配列または1つもしくは2つのアミノ酸置換を有する配列番号46〜80のいずれか1つに由来するアミノ酸配列を備え、CDRL2が、配列番号81〜103からなる群から選択されるアミノ酸配列または1つもしくは2つのアミノ酸置換を有する配列番号81〜103のいずれか1つに由来するアミノ酸配列を備え、かつ、CDRL3が、配列番号104〜139からなる群から選択されるアミノ酸配列または1つもしくは2つのアミノ酸置換を有する配列番号104〜139のいずれか1つに由来するアミノ酸配列を備える、抗体またはその断片が提供される。
一部の実施形態では、抗体または断片は、表2に示す組合せの1つと同じ3つの重鎖CDRを備える。例えば、重鎖は、第1行に示すように、配列番号1のCDRH1、配列番号3のCDRH2および配列番号5のCDRH3を備えてもよい。一部の実施形態では、抗体または断片は、表4に示す組合せの1つと同じ3つの軽鎖CDRを備える。例えば、軽鎖は、第1行に示すように、配列番号46のCDRL1、配列番号81のCDRL2および配列番号104のCDRL3を備えてもよい。
一部の実施形態では、抗体または断片は、配列番号140〜188からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域または配列番号140〜188からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。一部の実施形態では、抗体または断片は、配列番号189〜237からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域または配列番号189〜237からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドを備える。
一部の実施形態では、配列同一性は、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または99.5%である。一部の実施形態では、配列同一性は、10個の残基のうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9個のアミノ酸置換、欠失または付加を包含する。そのような置換は、一部の実施形態では、保存的置換である。
本開示の抗体は、抗体の特定の機能的特徴または特性により特徴付けられる。例えば、抗体はヒトLAG−3に特異的に結合し、かつある特定の他の種のLAG−3、例えば、サルLAG−3、例えば、マカクザル、アカゲザルに結合するものであってもよいが、ある特定の他の種のLAG−3、例えばマウスLAG−3に実質的に結合しないものであってもよい。好ましくは、本開示の抗体は、ヒトLAG−3に高親和性で結合する。
抗原特異的T細胞応答などの免疫応答を刺激する抗体の能力は、例えば、抗原特異的T細胞応答においてインターロイキン−2(IL−2)またはインターフェロンガンマ(IFN−γ)産生を刺激する抗体の能力により指し示され得る。ある特定の実施形態では、本開示の抗体は、ヒトLAG−3に結合し、かつ抗原特異的T細胞応答を刺激する能力を呈する。他の実施形態では、本開示の抗体はヒトLAG−3に結合するが、抗原特異的T細胞応答を刺激する能力を呈さない。免疫応答を刺激する抗体の能力を評価するための他の手段としては、in vivo腫瘍移植モデルなどにおいて腫瘍成長を阻害する抗体能力または自己免疫応答を刺激する抗体の能力、例えば、自己免疫モデルにおいて自己免疫疾患の発症を促進する能力、例えば、NODマウスモデルにおいて糖尿病の発症を促進する能力が挙げられる。
LAG−3への本開示の抗体の結合は、当該技術分野において充分に確立された1つまたは複数の技術を使用して評価することができる。例えば、好ましい実施形態では、抗体は、細胞表面上にLAG−3、例えば、ヒトLAG−3、またはサルLAG−3、例えば、アカゲザルもしくはマカクザルまたはマウスLAG−3を発現するようにトランスフェクトされたCHO細胞などのヒトLAG−3を発現する細胞株と抗体を反応させるフローサイトメトリーアッセイにより試験することができる。フローサイトメトリーアッセイにおいて使用するための他の好適な細胞としては、天然LAG−3を発現する抗CD3刺激CD4+活性化T細胞が挙げられる。さらに、またはあるいは、結合キネティクス(例えば、KD値)などの抗体の結合性は、BIAcore結合アッセイにおいて試験することができる。また他の好適な結合アッセイとしては、例えば組換えLAG−3タンパク質を使用する、ELISAアッセイが挙げられる。好ましくは、本開示の抗体は、5×10−8Mもしくはそれ未満のKDでLAG−3タンパク質に結合し、2×10−8Mもしくはそれ未満のKDでLAG−3タンパク質に結合し、5×10−9Mもしくはそれ未満のKDでLAG−3タンパク質に結合し、4×10−9Mもしくはそれ未満のKDでLAG−3タンパク質に結合し、3×10−9Mもしくはそれ未満のKDでLAG−3タンパク質に結合し、2×10−9Mもしくはそれ未満のKDでLAG−3タンパク質に結合し、125×10−9Mもしくはそれ未満のKDでLAG−3タンパク質に結合し、5×10−10Mもしくはそれ未満のKDでLAG−3タンパク質に結合し、または1×10−10Mもしくはそれ未満のKDでLAG−3タンパク質に結合する。
本開示の好ましい抗体は、[実施例2〜8]に記載されるように単離され、構造的に特徴付けられたヒトモノクローナル抗体S27、S31、T99、およびS119である。S27、S31、T99およびS119のVHアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号149、配列番号150、配列番号158、および配列番号162に示される。S27、S31、T99、およびS119のVLアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号198、配列番号199、配列番号207、および配列番号211に示される。
これらの抗体のそれぞれがヒトLAG−3に結合できることを考慮すると、VHおよびVL配列を「混合およびマッチ」させて本開示の他の抗LAG−3結合分子を作出することができる。好ましくは、VHおよびVL鎖を混合およびマッチさせた時に、特定のVH/VLペアリングからのVH配列は、構造的に類似のVH配列により置換される。同様に、好ましくは、特定のVH/VLペアリングからのVL配列は、構造的に類似のVL配列により置換される。
したがって、一態様では、本開示は、単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分であって、
(a)配列番号140〜配列番号188からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、および
(b)配列番号189〜配列番号237からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域
を備え、
抗体が、ヒトLAG−3に特異的に結合する、抗体、またはその抗原結合部分を提供する。
好ましい可変重鎖および可変軽鎖の組合せとしては、
(a)配列番号149のアミノ酸配列を備える重鎖可変領域および配列番号198のアミノ酸配列を備える軽鎖可変領域、
(b)配列番号150のアミノ酸配列を備える重鎖可変領域および配列番号199のアミノ酸配列を備える軽鎖可変領域、
(c)配列番号158のアミノ酸配列を備える重鎖可変領域および配列番号207のアミノ酸配列を備える軽鎖可変領域、
(d)配列番号162のアミノ酸配列を備える重鎖可変領域および配列番号211のアミノ酸配列を備える軽鎖可変領域
が挙げられる。
CDR3ドメインは、CDR1および/またはCDR2ドメインから独立して単独で、コグネイト抗原に対する抗体の結合特異性を決定できること、および、共通のCDR3配列に基づいて同じ結合特異性を有する複数の抗体を生成できると予測されることが当該技術分野において周知である。例えば、Klimka et al.,Brit.J.of Can.83(2):252−60,2000、Beiboer et al.,J.Mol.Biol.296:833−49,2000、Rader et al.,PNAS 95:8910−15,1998、Barbas et al.,JACS116:2161−2,29914、Barbas et al.,PNAS92:2529−33,1995、Ditzel et al.,J.Immunol.157:739−49,1996、Berezov et al.,BIAJournal8(1):Scientific Review,2001、Igarashi et al.,J.Biochem117:452−7,1995、Bourgeois et al.,J.Virol.72:807−10,1998、Levi et al.,PNAS90:4374−8,1993、Polymenis and Stoller,J.Immunol.152:5218−329,1994、およびXu and Davis,Immunity13:37−45,2000を参照。米国特許第6,951,646号明細書、同第6,914,128号明細書、同第6,090,382号明細書、同第6,818,216号明細書、同第6,156,313号明細書、同第6,827,925号明細書、同第5,833,943号明細書、同第5,762,905号明細書および同第5,760,185号明細書も参照。これらの参考文献のそれぞれは、参照することによりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
したがって、本開示は、ヒトまたは非ヒト動物に由来する抗体の1つまたは複数の重鎖および/または軽鎖CDR3ドメインを備え、ヒトLAG−3に特異的に結合することができるモノクローナル抗体を提供する。ある特定の態様では、本開示は、マウスまたはラット抗体などの非ヒト抗体の1つまたは複数の重鎖および/または軽鎖CDR3ドメインを備え、LAG−3に特異的に結合することができるモノクローナル抗体を提供する。一部の実施形態では、非ヒト抗体の1つまたは複数の重鎖および/または軽鎖CDR3ドメインを備えるそのような本発明の抗体は、対応する親非ヒト抗体と(a)結合について競合することができ、(b)機能的特徴を保持し、(c)同じエピトープに結合し、かつ/または(d)類似の結合親和性を有する。他の態様では、本開示は、例えば、非ヒト動物から得られるヒト抗体などのヒト抗体の1つまたは複数の重鎖および/または軽鎖CDR3ドメインを備え、ヒト抗体が、ヒトLAG−3に特異的に結合することができる、モノクローナル抗体を提供する。他の態様では、本開示は、例えば、非ヒト動物から得られるヒト抗体などの第1のヒト抗体の1つまたは複数の重鎖および/または軽鎖CDR3ドメインを備え、第1のヒト抗体が、ヒトLAG−3に特異的に結合することができ、かつ、第1のヒト抗体のCDR3ドメインが、LAG−3に対する結合特異性を欠くヒト抗体中のCDR3ドメインを置換して、ヒトLAG−3に特異的に結合することができる第2のヒト抗体を生成する、モノクローナル抗体を提供する。一部の実施形態では、第1のヒト抗体の1つまたは複数の重鎖および/または軽鎖CDR3ドメインを備えるそのような本発明の抗体は、対応する親の第1のヒト抗体と(a)結合について競合することができ、(b)機能的特徴を保持し、(c)同じエピトープに結合し、かつ/または(d)類似の結合親和性を有する。
操作されたおよび改変された抗体
本明細書で使用される場合、「ヒト化された」および「ヒト化」などの用語は、本明細書に開示されるマウスモノクローナル抗体のCDRをヒトFRおよび定常領域にグラフトすることを指す。以下に論じるように、様々な抗体特性を向上させるために、例えば、Kashmiriら(Methods,36(1):25−34,2005)およびHouら(J.Biochem.144(1):115−20,2008)にそれぞれ開示される方法によるマウスCDR、およびヒトFRへの可能なさらなる改変もまたこれらの用語に包含される。
本明細書で使用される場合、「FR」または「フレームワーク配列」という用語は、FR1〜4のいずれか1つを指す。本開示に包含されるヒト化抗体および抗原結合断片としては、FR1〜4のいずれか1つまたは複数が実質的または完全にヒトのものである分子、すなわち、個々の実質的にまたは完全にヒトのFR1〜4の可能な組合せのいずれかが存在する分子が挙げられる。例えば、これは、FR1およびFR2、FR1およびFR3、FR1、FR2、およびFR3などが実質的または完全にヒトのものである分子を含む。実質的にヒトのフレームワークは、公知のヒト生殖細胞系列フレームワーク配列と少なくとも80%の配列同一性を有するものである。好ましくは、実質的にヒトのフレームワークは、本明細書に開示されるフレームワーク配列、または公知のヒト生殖細胞系列フレームワーク配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。
完全にヒトのフレームワークは、公知のヒト生殖細胞系列フレームワーク配列と同一のものである。ヒトFR生殖細胞系列配列は、international ImMunoGeneTics(IMGT)データベースおよびMarie−Paule LefrancおよびGerard LefrancによるThe Immunoglobulin FactsBook,Academic Press,2001(その内容は参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)から得ることができる。
本開示に包含されるCDRとしては、本明細書に具体的に開示されるものだけでなく、本明細書に開示されるCDR配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性の配列同一性を有するCDR配列が挙げられる。あるいは、本開示に包含されるCDRとしては、本明細書に具体的に開示されるものだけでなく、本明細書に開示されるCDR配列と比較して対応する位置において1、2、3、4、または5アミノ酸の変化を有するCDR配列が挙げられる。そのような配列同一性の、またはアミノ酸改変された、CDRは、好ましくは、インタクトな抗体により認識される抗原に結合する。
本開示によるヒト化抗体、および類似の機能的特性を呈する本明細書に開示されるものは、いくつもの異なる方法を使用して生成させることができる Almagro et al.(Front.Biosci.,Humanization of antibodies Jan 1(13):1619−33,2008)。1つのアプローチでは、親抗体化合物のCDRが、親抗体化合物フレームワークと高い配列同一性を有するヒトフレームワークにグラフトされる。新たなフレームワークの配列同一性は、一般に、親抗体化合物中の対応するフレームワークの配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性である。100未満のアミノ酸残基を有するフレームワークの場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10アミノ酸残基を変化させることができる。このグラフト化は、親抗体の結合親和性と比較して結合親和性の低減を結果としてもたらし得る。これが該当する場合、Queenら(PNAS88:2869,1991)により開示された特定の基準に基づいてフレームワークをある特定の位置において親フレームワークに復帰突然変異させることができる。相同性および復帰突然変異に基づいてヒト化バリアントを生成させるための有用な方法を記載する追加の参考文献としては、Olimpieri et al.(Bioinformatics Feb 1;31(3):434−5,2015)ならびに米国特許第4,816,397号明細書、同第5,225,539号明細書、および同第5,693,761号明細書に記載されているもの、ならびにWinterおよび共同研究者の方法(Jones et al.,Nature321:522−5,1996、Riechmann et al.,Nature332:323−7,1988、およびVerhoeyen et al.,Science239:1534−6,1988)が挙げられる。
本開示の抗体は、例えば標準的なELISAにより、ヒトLAG−3への結合について試験することができる。抗LAG−3ヒトIgG抗体は、ウエスタンブロッティングにより、LAG−3抗原との反応性についてさらに試験することができる。本開示の抗体の結合特異性はまた、例えばフローサイトメトリーで、LAG−3タンパク質を発現する細胞への抗体の結合をモニターすることにより決定することができる。これらの方法は当該技術分野において公知である。例えば、上掲のHarlow and Lane(1988)を参照。
二機能性分子
本開示の抗体を治療剤に共役させて、抗体−薬物コンジュゲート(ADC)などのイムノコンジュゲートを形成させることができる。好適な治療剤としては、代謝拮抗物質、アルキル化剤、DNA副溝結合剤、DNAインターカレーター、DNA架橋剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、核外輸送阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、トポイソメラーゼIまたはII阻害剤、熱ショックタンパク質阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗生物質、および抗有糸分裂剤が挙げられる。ADCにおいて、抗体および治療剤は、好ましくは、ペプチジル、ジスルフィド、またはヒドラゾンリンカーなどの切断可能なリンカーを介して共役される。より好ましくは、リンカーは、Val−Cit、Ala−Val、Val−Ala−Val、Lys−Lys、Pro−Val−Gly−Val−Val、Ala−Asn−Val、Val−Leu−Lys、Ala−Ala−Asn、Cit−Cit、Val−Lys、Lys、Cit、Ser、またはGluなどのペプチジルリンカーである。ADCは、米国特許第7,087,600号明細書、同第6,989,452号明細書、および同第7,129,261号明細書、PCT国際公開WO02/096910、WO07/038658、WO07/051081、WO07/059404、WO08/083312、およびWO08/103693、米国特許出願公開第20060024317号明細書、同第20060004081号明細書、および同第20060247295号明細書(これらの開示は参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載されている通りに調製することができる。
別の態様では、本開示は、少なくとも1つの他の機能分子、例えば、別のペプチドまたはタンパク質(例えば、別の抗体または受容体のリガンド)に連結されて少なくとも2つの異なる結合部位または標的分子に結合する二重特異性分子を生成した抗LAG−3抗体を備える二重特異性分子を特徴とする。したがって、本明細書で使用される場合、「二重特異性分子」は、3つまたはより多くの特異性を有する分子を含む。好ましい実施形態では、二重特異性分子は、LAG−3に対する第1の結合特異性およびLAG−3発現標的細胞を殺傷できる細胞傷害性エフェクター細胞を誘引する誘発性分子に対する第2の結合特異性を備える。好適な誘発性分子の例は、CD64、CD89、CD16、およびCD3である。例えば、Kufer et al.,Trends in Biotech.22(5):238−44,2004を参照。
一実施形態では、二重特異性分子は、抗Fc結合特異性および抗LAG−3結合特異性に加えて、第3の特異性を有する。第3の特異性は、抗増進因子(anti−enhancement factor)(EF)、例えば、細胞傷害活性に関与する表面タンパク質に結合することにより標的細胞に対する免疫応答を増加させる分子に対するものであり得る。例えば、抗増進因子は、細胞傷害性T細胞(例えば、CD2、CD3、CDS、CD28、CD4、CD40、またはICAM−1を介して)、他の免疫調節分子(例えば、PD−1、PD−L1、CTLA−4、CD122、4−1BB、TIM3、OX−40、OX40L、CD40L、LIGHT、ICOS、ICOSL、GITR、GITRL、TIGIT、CD27、VISTA、B7H3、B7H4、HEVM、BTLA、KIR、CD47またはCD73を介して)または他の免疫細胞に結合して、標的細胞に対する免疫応答の増加を結果としてもたらすことができる。
免疫受容体モジュレーターとして、LAG−3に特異的な抗体または抗原結合断片を腫瘍抗原に特異的な第2の抗原結合断片と組み合わせて、二重特異性抗体を生成させることができる。「腫瘍抗原」は、腫瘍細胞中で産生される抗原物質であり、すなわち、それは宿主中で免疫応答を誘発する。腫瘍抗原は、腫瘍細胞の同定において有用であり、癌療法において使用するための潜在的な候補である。身体中の正常タンパク質は抗原性ではない。しかしながら、ある特定のタンパク質は、腫瘍発生の際に産生または過剰発現され、身体にとって「異物」となる。これは、免疫系から充分に隔離される正常タンパク質、通常は極めて小量で産生されるタンパク質、通常は発生のある特定のステージにおいてのみ産生されるタンパク質、または突然変異に起因して構造が改変されるタンパク質を含み得る。
多数の腫瘍抗原が当該技術分野において公知であり、新たな腫瘍抗原がスクリーニングにより容易に同定され得る。腫瘍抗原の非限定的な例としては、EGFR、Her2、EpCAM、CD20、CD30、CD33、CD47、CD52、CD133、CD73、CEA、gpA33、ムチン、TAG−72、CIX、PSMA、葉酸結合タンパク質、GD2、GD3、GM2、VEGF、VEGFR、インテグリン、αVβ3、α5β1、ERBB2、ERBB3、MET、IGF1R、EPHA3、TRAILR1、TRAILR2、RANKL、FAPおよびテネイシンが挙げられる。
一部の態様では、一価単位は、対応する非腫瘍細胞と比較して腫瘍細胞上で過剰発現されるタンパク質に対して特異性を有する。本明細書において使用される「対応する非腫瘍細胞」は、腫瘍細胞の起源と同じ細胞種の非腫瘍細胞を指す。そのようなタンパク質は腫瘍抗原と必ずしも異ならないことが留意される。非限定的な例としては、ほとんどの結腸癌、直腸癌、乳癌、肺癌、膵臓癌および胃腸管癌において過剰発現される癌胎児性抗原(CEA)、乳癌、卵巣癌、結腸癌、肺癌、前立腺癌および子宮頸癌において頻繁に過剰発現されるヘレグリン受容体(HER−2、neuまたはc−erbB−2)、乳房、頭頸部、非小細胞肺および前立腺の固形腫瘍などの広範な固形腫瘍において高発現される上皮成長因子受容体(EGFR)、アシアロ糖タンパク質受容体、トランスフェリン受容体、肝細胞上に発現されるセルピン酵素複合体受容体、膵管腺癌細胞上に過剰発現される線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)、抗血管新生遺伝子療法のための血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、90%の非ムチン性卵巣癌において選択的に過剰発現される葉酸受容体、細胞表面グリコカリックス、炭水化物受容体、および呼吸器系上皮細胞への遺伝子送達のために有用でありかつ嚢胞性線維症などの肺疾患の治療のために魅力的な多量体免疫グロブリン受容体が挙げられる。これに関して二重特異性の非限定的な例としては、LAG−3/EGFR、LAG−3/Her2、LAG−3/CD33、LAG−3/CD133、LAG−3/CEAおよびLAG−3/VEGFが挙げられる。
異なる形式の二重特異性抗体もまた提供される。一部の実施形態では、抗LAG−3断片および第2の断片のそれぞれは、Fab断片、単鎖可変断片(scFv)、または単一ドメイン抗体からそれぞれ独立して選択される。一部の実施形態では、二重特異性抗体はFc断片をさらに含む。
抗体または抗原結合断片のみを含むものではない二機能性分子もまた提供される。腫瘍抗原標的化分子として、本明細書に記載されるものなどのLAG−3に特異的な抗体または抗原結合断片は、任意選択的にペプチドリンカーを通じて、免疫サイトカインまたはリガンドと組み合わせることができる。連結される免疫サイトカインまたはリガンドとしては、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−10、IL−12、IL−13、IL−15、GM−CSF、TNF−α、CD40L、OX40L、CD27L、CD30L、4−1BBL、LIGHTおよびGITRLが挙げられるがこれらに限定されない。そのような二機能性分子は、免疫チェックポイント遮断効果を腫瘍部位局所的免疫モジュレーションと組み合わせることができる。
二重特異性分子は、多くの異なる形式およびサイズであり得る。サイズ範囲の一端において、二重特異性分子は、同一特異性の2つの結合アームを有する代わりに異なる特異性をそれぞれ有する2つの結合アームを有することを除いて、伝統的な抗体形式を保持する。他の極端な場合には、ペプチド鎖により連結された2つの単鎖抗体断片からなる二重特異性分子(scFv's)、いわゆるBs(scFv)2コンストラクトがある。中間サイズの二重特異性分子としては、ペプチジルリンカーにより連結された2つの異なるF(ab)断片が挙げられる。これらおよび他の形式の二重特異性分子は、遺伝子操作、体細胞ハイブリダイゼーション、または化学的方法により調製することができる。例えば、上掲のKufer et al.,Cao and Suresh,Bioconjugate Chem.9(6):635−44,1988、およびvan Spriel et al.,Immunol.Today21(8):391−7,2000、ならびにそれらにおいて参照される参考文献を参照。
医薬組成物
別の態様では、本開示は、薬学的に許容される以前と共に配合された本開示の抗体を備える医薬組成物を提供する。それは、任意選択的に、別の抗体または薬物などの1つまたは複数の追加の薬学的に活性の成分を備えてもよい。本開示の医薬組成物はまた、例えば、別の免疫賦活剤、抗がん剤、抗ウイルス剤、または、抗LAG−3抗体がワクチンに対する免疫応答を増進させるようにワクチンと共に併用療法において投与することができる。
医薬組成物は、任意の数の賦形剤を含み得る。使用され得る賦形剤としては、担体、表面活性剤、増粘剤または乳化剤、固体結合剤、分散剤または懸濁補助剤、可溶化剤、着色剤、香味剤、コーティング剤、崩壊剤、潤滑剤、甘味剤、防腐剤、等張剤、およびこれらの組合せが挙げられる。好適な賦形剤の選択および使用は、Gennaro,ed.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.(Lippincott Williams&Wilkins2003)(その開示は参照することにより本明細書に組み込まれる)に教示されている。好ましくは、医薬組成物は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄または表皮投与(例えば、注射または注入による)のために好適である。投与経路に応じて、活性化合物は、それを不活化し得る酸および他の天然条件の作用からそれを保護するための材料中にコーティングすることができる。本明細書で使用される「非経口投与」という語句は、通常は注射による、経腸および外用投与以外の投与の方式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、硬膜外および胸骨内の注射および注入が挙げられるがこれらに限定されない。あるいは、本開示の抗体は、外用、表皮または粘膜の投与経路などの非経口以外の経路、例えば、鼻腔内、経口的、経膣的、直腸内、舌下または局所的な経路を介して投与することができる。
本開示の薬学的化合物は、薬学的に許容される塩の形態であり得る。「薬学的に許容される塩」は、親化合物の所望の生物学的活性を保持し、いかなる望ましくない毒物学的効果も与えない塩を指す。そのような塩の例としては、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩としては、非毒性の無機酸、例えば、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸などの他に、非毒性の有機酸、例えば、脂肪族モノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシルアルカン酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸などに由来するものが挙げられる。塩基付加塩としては、アルカリ土類金属、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの他に、非毒性の有機アミン、例えば、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカインなどに由来するものが挙げられる。
医薬組成物は、無菌の水溶液または分散液の形態であり得る。医薬組成物はまた、マイクロエマルション、リポソーム、または高薬物濃度にとって好適な他の秩序だった構造物中に配合され得る。
単回剤形を製造するために担体材料と合わせられ得る活性成分の量は、治療されている対象および特定の投与方式に応じて異なり、一般に、治療効果を生じさせる組成物の量である。一般に、100パーセントのうち、この量は、薬学的に許容される担体と組み合わせて、約0.01%〜約99パーセントの活性成分、好ましくは約0.1%〜約70%、最も好ましくは約1%〜約30%の活性成分の範囲内である。
投与量レジメンは、最適な所望の応答(例えば、治療奏功)を提供するために調整される。例えば、単一のボーラスを投与することができ、いくつもの分割された用量を時間をかけて投与することができ、または治療状況の緊急度により指し示される通りに用量を比例的に低減もしくは増加させることができる。投与の容易さおよび投与量の均一性のために投薬単位形態に非経口組成物を配合することが特に有利である。本明細書で使用される投与量単位形態は、治療される対象にとっての単位投与量として適した物理的に別々の単位を指し、各単位は、必要とされる薬学的担体との関連で所望の治療効果を生じさせるように算出された予め決定された量の活性化合物を含有する。あるいは、抗体は、持続放出配合物として投与することができ、その場合、より頻度の少ない投与が必要とされる。
抗体の投与のために、投与量は、宿主の体重の、約0.0001〜100mg/kg、より通常は0.01〜5mg/kgの範囲内である。例えば、投与量は、0.3mg/kg体重、1mg/kg体重、3mg/kg体重、5mg/kg体重もしくは10mg/kg体重または1〜10mg/kgの範囲内であり得る。例示的な治療レジームは、1週間に1回、2週毎に1回、3週毎に1回、4週毎に1回、1ヶ月に1回、3ヶ月毎に1回または3〜6ヶ月毎に1回の投与を伴う。本開示の抗LAG−3抗体の好ましい投与量レジメンとしては、静脈内投与を介して1mg/kg体重または3mg/kg体重が挙げられ、抗体は、(i)6つの投与量について4週毎の後、3ヶ月毎、(ii)3週毎、(iii)3mg/kg体重を1回の後、1mg/kg体重を3週毎の投薬スケジュールのうちの1つを使用して与えられる。一部の方法では、投与量は、約1〜1000μg/mL、一部の方法では約25〜300μg/mLの血漿抗体濃度を達成するように調整される。
本開示の抗LAG−3抗体の「治療的に効果的な投与量」は、好ましくは、疾患症状の重篤度の減少、疾患症状なしの期間の頻度および長さの増加、または疾病に起因する障害もしくは能力低下の予防を結果としてもたらす。例えば、腫瘍を有する対象について、「治療的に効果的な投与量」は、好ましくは、治療されていない対象と比べて少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、よりいっそう好ましくは少なくとも約60%、さらにより好ましくは少なくとも約80%腫瘍成長を阻害する。治療有効量の治療用化合物は、腫瘍サイズを減少させることができ、またはそれ以外に、典型的にヒトであるか、もしくは別の哺乳動物であり得る対象において症状を改善させることができる。
医薬組成物は、インプラント、経皮パッチ、およびマイクロカプセル化送達システムなどの制御放出配合物であり得る。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生分解性の生体適合性ポリマーを使用することができる。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,J.R.Robinson,ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,1978を参照。
治療用組成物は、医療用デバイス、例えば、(1)無針皮下注射デバイス(例えば、米国特許第5,399,163号明細書、同第5,383,851号明細書、同第5,312,335号明細書、同第5,064,413号明細書、同第4,941,880号明細書、同第4,790,824号明細書、および同第4,596,556号明細書)、(2)マイクロ注入ポンプ(米国特許第4,487,603号明細書)、(3)経皮デバイス(米国特許第4,486,194号明細書)、(4)注入装置(米国特許第4,447,233号明細書および同第4,447,224号明細書)、および(5)浸透デバイス(米国特許第4,439,196号明細書および同第4,475,196号明細書)(これらの開示は参照することにより本明細書に組み込まれる)を介して投与することができる。
ある特定の実施形態では、本開示のヒトモノクローナル抗体は、in vivoでの適切な分布を確実にするように配合され得る。例えば、本開示の治療用化合物が血液脳関門を越えることを確実にするために、それらをリポソーム中に配合することができ、リポソームは、特定の細胞または臓器への選択的輸送を増進させるために標的化部分を追加的に含んでもよい。例えば、米国特許第4,522,811号明細書、同第5,374,548号明細書、同第5,416,016号明細書、および同第5,399,331号明細書、V.V.Ranade,J.Clin.Pharmacol.29:685,1989、Umezawa et al.,(1988)Biochem.Biophys.Res.Commun.153:1038、Bloeman et al.(1995)FEBSLett.357:140、M.Owais et al.(1995)Antimicrob.Agents Chemother.39:180、Briscoe etal.(1995)Am.J.Physiol.1233:134、Schreier et al.(1994)J.Biol.Chern.269:9090、Keinanen and Laukkanen(1994)FEBS Lett.346:123、およびKillion and Fidler(1994)Immunomethods4:273を参照。
使用および方法
本開示の抗体、抗体組成物および方法は、例えば、LAG−3の検出またはLAG−3の遮断による免疫応答の増進を伴う多数のin vitroおよびin vivoの用途を有する。好ましい実施形態では、本開示の抗体はヒト抗体である。例えば、これらの分子は、様々な状況において免疫を増進させるために、in vitroもしくはex vivoで培養物中の細胞に、または例えばin vivoでヒト対象に投与することができる。したがって、一態様では、本開示は、対象において免疫応答を調節する方法であって、対象に本開示の抗体、またはその抗原結合部分を、対象において免疫応答が調節されるように投与することを含む、方法を提供する。好ましくは、応答は、増進され、刺激され、または上方調節される。
好ましい対象としては、免疫応答の増進を必要とするヒト患者が挙げられる。方法は、免疫応答(例えば、T細胞媒介性の免疫応答)を増大させることにより治療され得る障害を有するヒト患者を治療するために特に好適である。特定の実施形態では、方法は、in vivoでの癌の治療のために特に好適である。免疫の抗原特異的な増進を達成するために、抗LAG−3抗体を目的の抗原と共に投与することができ、または抗原は、治療される対象(例えば、腫瘍を有するまたはウイルスを有する対象)中に既に存在していてもよい。LAG−3に対する抗体が別の剤と共に投与される場合、2つは、いずれかの順序においてまたは同時に投与され得る。
本開示は、試料中のヒトLAG−3抗原の存在を検出する方法、またはヒトLAG−3抗原の量を測定する方法であって、試料、および対照試料を、ヒトLAG−3に特異的に結合するヒトモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分と、抗体またはその部分とヒトLAG−3との複合体の形成を可能とする条件下で接触させることを含む方法をさらに提供する。次いで、複合体の形成が検出され、対照試料と比較した試料間の複合体形成の差異は、試料中のヒトLAG−3抗原の存在を指し示す。さらに、本開示の抗LAG−3抗体は、免疫親和性精製を介してヒトLAG−3を精製するために使用され得る。
MHCクラスII分子へのLAG−3の結合を阻害し、かつ抗原特異的T細胞応答を刺激する本開示の抗LAG−3抗体の能力を考慮すると、本開示はまた、抗原特異的T細胞応答を刺激し、増進させまたは上方調節するために本開示の抗体を使用するin vitroおよびin vivoの方法を提供する。例えば、本開示は、抗原特異的T細胞応答を刺激する方法であって、前記T細胞を本開示の抗体と、抗原特異的T細胞応答が刺激されるように接触させることを含む、方法を提供する。抗原特異的T細胞応答を測定するために抗原特異的T細胞応答の任意の好適な指標を使用することができる。そのような好適な指標の非限定的な例としては、抗体の存在下でのT細胞増殖の増加が挙げられ、かつ/または抗体の存在下でサイトカイン産生を増加させる。好ましい実施形態では、抗原特異的T細胞によるインターロイキン−2の産生が刺激される。
本開示はまた、対象において免疫応答(例えば、抗原特異的T細胞応答)を刺激する方法であって、本開示の抗体を対象に、対象において免疫応答(例えば、抗原特異的T細胞応答)が刺激されるように投与することを含む、方法を提供する。好ましい実施形態では、対象は、腫瘍を有する対象であり、かつ、腫瘍に対する免疫応答が刺激される。別の好ましい実施形態では、対象は、ウイルスを有する対象であり、かつ、ウイルスに対する免疫応答が刺激される。
別の態様では、本開示は、対象において腫瘍細胞の増殖を阻害する方法であって、対象に本開示の抗体を、腫瘍の成長が対象において阻害されるように投与することを含む、方法を提供する。さらに別の態様では、本開示は、対象においてウイルス感染症を治療する方法であって、対象に本開示の抗体を、ウイルス感染症が対象において治療されるように投与することを含む、方法を提供する。
本開示のこれらおよび他の方法が以下にさらに詳細に議論される。
癌
抗体によるLAG−3の遮断は、患者においてがん性細胞への免疫応答を増進させ得る。一態様では、本開示は、がん性腫瘍の成長が阻害されるように抗LAG−3抗体を使用するin vivoでの対象の治療に関する。抗LAG−3抗体は、がん性腫瘍の成長を阻害するために単独で使用することができる。あるいは、抗LAG−3抗体は、以下に記載されるように、他の免疫原性剤、標準癌治療、または他の抗体と組み合わせて使用することができる。
したがって、一実施形態では、本開示は、対象において腫瘍細胞の増殖を阻害する方法であって、対象に治療有効量の抗LAG−3抗体、またはその抗原結合部分を投与することを含む、方法を提供する。好ましくは、抗体はヒト抗LAG−3抗体(本明細書に記載される任意のヒト抗ヒトLAG−3抗体など)である。さらにまたはあるいは、抗体は、キメラまたはヒト化抗LAG−3抗体であり得る。
本開示の抗体を使用して成長が阻害され得る好ましいがんとしては、典型的に免疫療法に応答性の癌が挙げられる。治療のための好ましい癌の非限定的な例としては、黒色腫(例えば、転移性悪性黒色腫)、腎臓癌(例えば、明細胞癌)、前立腺癌(例えば、ホルモン難治性前立腺癌)、乳癌、結腸癌および肺癌(例えば、非小細胞肺癌)が挙げられる。さらに、本開示は、本開示の抗体を使用して成長が阻害され得る難治性または再発性悪性腫瘍を含む。本開示の方法を使用して治療され得る他の癌の例としては、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、皮膚または眼内悪性黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門領域癌、胃がん、精巣癌、卵管の癌腫、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰部癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎がん、軟組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、慢性または急性白血病、例えば、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、小児期の固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓または尿管癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹部神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮癌、扁平細胞癌、T細胞リンパ腫、環境により誘導される癌、例えば、アスベストにより誘導される癌、ならびに前記癌の組合せが挙げられる。本開示はまた、転移癌、特に、PD−L1を発現する転移癌(Iwai et al.(2005)Int.Immunol.17:133−144)の治療のために有用である。
任意選択的に、LAG−3に対する抗体は、免疫原性剤、例えば、がん性細胞、精製された腫瘍抗原(組換えタンパク質、ペプチド、および炭水化物分子など)、細胞、および免疫刺激性サイトカインをコードする遺伝子をトランスフェクトされた細胞と組み合わせることができる(He et al(2004)J.Immunol.173:4919−28)。使用され得る腫瘍ワクチンの非限定的な例としては、黒色腫抗原のペプチド、例えば、gp100、MAGE抗原、Trp−2、MARTIおよび/もしくはチロシナーゼのペプチド、またはサイトカインGM−CSFを発現するようにトランスフェクトされた腫瘍細胞が挙げられる(以下にさらに議論される)。
ヒトにおいて、黒色腫などの一部の腫瘍は免疫原性であることが示されている。LAG−3の遮断によるT細胞活性化の閾値を上昇させることにより、宿主における腫瘍応答を活性化させることができる。
LAG−3の遮断は、ワクチン接種プロトコールと組み合わせた時により効果的である可能性がある。腫瘍に対するワクチン接種のための多くの実験戦略が考案されている(Rosenberg,S.,2000,Development of Cancer Vaccines,ASCO Educational Book Spring:60−62、Logothetis,C.,2000,ASCO Educational Book Spring:300−302、Khayat,D.2000,ASCO Educational Book Spring:414−428、Foon,K.2000,ASCO Educational Book Spring:730−738を参照。Restifo,N.and Sznol,M.,Cancer Vaccines,Ch.61,pp.3023−3043 in DeVita et al.(eds.),1997,Cancer:Principles and Practice of Oncology,Fifth Editionも参照)。これらの戦略の1つでは、ワクチンは、自己または同種腫瘍細胞を使用して調製される。これらの細胞ワクチンは、GM−CSFを発現するように腫瘍細胞に形質導入を行った時に最も効果的であることが示されている。GM−CSFは、腫瘍ワクチン接種のための抗原提示の強力な活性化因子であることが示されている(Dranoff et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci U.S.A.90:3539−43)。
様々な腫瘍における遺伝子発現および大規模な遺伝子発現パターンの研究は、いわゆる腫瘍特異的抗原の定義に繋がった(Rosenberg,SA(1999)Immunity10:281−7)。多くの場合、これらの腫瘍特異的抗原は、腫瘍中および腫瘍が発生する細胞中に発現される分化抗原、例えば、メラノサイト抗原gp100、MAGE抗原、およびTrp−2である。より重要なことに、これらの抗原の多くは、宿主中に見出される腫瘍特異的T細胞の標的であることが示され得る。LAG−3の遮断は、これらのタンパク質に対する免疫応答を生成させるために組換えタンパク質および/または腫瘍中で発現されるペプチドの集まりと組み合わせて使用することができる。これらのタンパク質は、通常、自己抗原として免疫系によりみなされ、したがって、それらにとって寛容的である。腫瘍抗原は、染色体のテロメアの合成のために必要とされ、85%より多くのヒト癌および限られた数の体細胞組織においてのみ発現されるタンパク質テロメラーゼを含み得る(Kim et al.(1994)Science266:2011−2013)。(これらの体細胞組織は、様々な手段により免疫攻撃から保護され得る)。腫瘍抗原はまた、タンパク質配列を変化させまたは2つの無関連配列間の融合タンパク質(すなわち、フィラデルフィア染色体中のbcr−abl)、もしくはB細胞腫瘍のイディオタイプを作出する体細胞突然変異のため、癌細胞中で発現される「ネオ抗原」であり得る。
他の腫瘍ワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBVおよびHCV)およびカポジヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)などのヒト癌に関与するウイルスからのタンパク質を含み得る。LAG−3の遮断と組み合わせて使用され得る腫瘍特異的抗原の別の形態は、腫瘍組織自体から単離された精製された熱ショックタンパク質(HSP)である。これらの熱ショックタンパク質は、腫瘍細胞からのタンパク質の断片を含有し、これらのHSPは、腫瘍免疫を誘発するための抗原提示細胞への送達において高度に効率的である(Suot&Srivastava(1995)Science269:1585−1588、Tamura et al.(1997)Science278:117−120)。
樹状細胞(DC)は、抗原特異的応答をプライムするために使用され得る強力な抗原提示細胞である。DCは、ex vivoで製造されて、様々なタンパク質およびペプチド抗原の他に腫瘍細胞抽出物を積み込まれ得る(Nestle et al.(1998)Nature Medicine4:328−332)。DCはまた、これらの腫瘍抗原も発現するように遺伝学的手段により形質導入され得る。DCはまた、免疫化の目的のために腫瘍細胞に直接的に融合されている(Kugler et al.(2000)Nature Medicine6:332−336)。ワクチン接種の方法として、DC免疫化は、より強力な抗腫瘍応答を活性化させるためにLAG−3の遮断と効果的に組み合わせることができる。
LAG−3の遮断はまた、標準癌治療と組み合わせることができる。LAG−3の遮断は、化学療法レジームと効果的に組み合わせることができる。これらの場合において、投与される化学療法試薬の用量を低減させることが可能であり得る(Mokyr et al.(1998)Cancer Research58:5301−5304)。そのような組合せの例は、黒色腫の治療のためのデカルバジン(decarbazine)と組み合わせた抗LAG−3抗体である。そのような組合せの別の例は、黒色腫の治療のためのインターロイキン−2(IL−2)と組み合わせた抗LAG−3抗体である。LAG−3の遮断および化学療法の併用の背景にある科学的合理性は、ほとんどの化学療法化合物の細胞傷害作用の帰結である細胞死は、抗原提示経路中の腫瘍抗原のレベルの増加を結果としてもたらすはずであるということである。細胞死を通じてLAG−3の遮断との相乗作用を結果としてもたらし得る他の組合せ療法は、放射線、手術、およびホルモン枯渇である。これらのプロトコールのそれぞれは、宿主における腫瘍抗原の供給源を作出する。血管新生阻害剤もまたLAG−3の遮断と組み合わせることができる。血管新生の阻害は、腫瘍抗原を宿主の抗原提示経路に供給し得る腫瘍細胞死に繋がる。
LAG−3遮断抗体もまた、FcaまたはFey受容体発現エフェクター細胞を腫瘍細胞に標的化する二重特異性抗体と組み合わせて使用することができる(例えば、米国特許第5,922,845号明細書および同第5,837,243号明細書を参照)。二重特異性抗体は、2つの別々の抗原を標的化するために使用することができる。例えば、マクロファージを腫瘍の部位に標的化するために抗Fc受容体/抗腫瘍抗原(例えば、Her−2/neu)二重特異性抗体が使用されている。この標的化は、より効果的に腫瘍特異的応答を活性化させ得る。これらの応答のT細胞アームは、LAG−3の遮断の使用により増大する。あるいは、腫瘍抗原および樹状細胞特異的細胞表面マーカーに結合する二重特異性抗体の使用により抗原をDCに直接的に送達してもよい。
腫瘍は、多様な機序により宿主の免疫サーベイランスを回避する。これらの機序の多くは、腫瘍により発現される免疫抑制性のタンパク質の不活性化により克服され得る。これらとしては、特に、TGF−β(Kehrl et al.(1986)J.Exp.Med.163:1037−1050)、IL−10(Howard&O'Garra(1992)Immunology Today13:198−200)、およびFasリガンド(Hahne et al.(1996)Science4:1363−1365)が挙げられる。これらの各実体に対する抗体を抗LAG−3と組み合わせて使用して、免疫抑制剤の効果に対抗しかつ宿主による腫瘍免疫応答に有利に働くようにすることができる。
宿主の免疫応答性を活性化させる他の抗体を抗LAG−3と組み合わせて使用することができる。これらとしては、DC機能および抗原提示を活性化させる樹状細胞の表面上の分子が挙げられる。抗CD40抗体は、T細胞ヘルパー活性を効果的に代替することができ(Ridge et al.(1998)Nature393:474−478)、LAG−3抗体と組み合わせて使用することができる(Ito et al.(2000)Immunobiology201(5)527−40)。CTLA−4(例えば、米国特許第5,811,097号明細書)、OX−40(Weinberg et al.(2000)Immunol.164:2160−2169)、4−1BB(Melero et al.(1997)Nature Medicine3:682−685(1997)、およびICOS(Hutloff et al.(1999)Nature397:262−266)などのT細胞共刺激分子に対する抗体を活性化させることもまた、T細胞活性化のレベルの増加を提供し得る。
骨髄移植は、造血起源の様々な腫瘍を治療するために現在使用されている。移植片対宿主病はこの治療の帰結であるが、治療的利益が移植片対腫瘍応答から得られ得る。LAG−3の遮断を使用して、ドナー移植腫瘍特異的T細胞の有効性を増加させることができる。
抗原特異的T細胞のex vivo活性化および増殖ならびに腫瘍に対して抗原特異的なT細胞を刺激するためにこれらの細胞のレシピエントへの養子導入を伴ういくつもの実験的治療プロトコールも存在する(Greenberg&Riddell(1999)Science285:546−51)。これらの方法もまた、CMVなどの感染性因子へのT細胞応答を活性化させるために使用することができる。抗LAG−3抗体の存在下でのex vivo活性化は、養子導入されたT細胞の頻度および活性を増加させ得る。
細胞療法、より具体的には、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法もまた本開示において提供される。好適なT細胞を使用することができ、それを本開示の抗LAG−3抗体と接触させる(またはあるいは本開示の抗LAG−3抗体を発現するように操作される)。そのような接触または操作をしたら、次いで、T細胞を、治療を必要とする癌患者に導入することができる。癌患者は、本明細書に開示されるような任意の種類の癌を有してもよい。T細胞は、例えば、腫瘍浸潤性Tリンパ球、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞、またはこれらの組合せであり得るが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、T細胞は、癌患者自身から単離された。一部の実施形態では、T細胞は、ドナーによりまたは細胞バンクから提供された。T細胞が癌患者から単離される場合、望ましくない免疫反応が最小化され得る。
感染性疾患
特定の毒素または病原体に曝露された患者を治療するために本開示の他の方法が使用される。したがって、本開示の別の態様は、対象において感染性疾患を治療する方法であって、対象に抗LAG−3抗体、またはその抗原結合部分を、対象が感染性疾患について治療されるように投与することを含む、方法を提供する。好ましくは、抗体は、ヒト抗ヒトLAG−3抗体(本明細書に記載される任意のヒト抗LAG−3抗体など)である。さらにまたはあるいは、抗体は、キメラまたはヒト化抗体であり得る。
上記で論じた腫瘍への応用に類似して、抗体媒介性のLAG−3の遮断は、病原体、毒素、および自己抗原に対する免疫応答を刺激するために、単独で、またはアジュバントとして、ワクチンと組み合わせて、使用することができる。この治療アプローチが特に有用であり得る病原体の例としては、効果的なワクチンが現在存在しない病原体、または従来のワクチンが完全には効果的でない病原体が挙げられる。これらとしては、HIV、肝炎(A、B、およびC)、インフルエンザ、ヘルペス、ジアルジア、マラリア、リーシュマニア、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、シュードモナス・エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)が挙げられるがこれらに限定されない。LAG−3の遮断は、感染症の経過にわたって変化した抗原を提示するHIVなどの因子による確立された感染症に対して特に有用である。これらの新規のエピトープは、抗ヒトLAG−3投与の時点において異物として認識され、したがってLAG−3を通じた負のシグナルにより減弱されない強いT細胞応答を惹起する。
本開示の方法により治療可能な感染症を引き起こす病原性ウイルスの一部の例としては、HIV、肝炎(A、B、またはC)、ヘルペスウイルス(例えば、VZV、HSV−1,HAV−6、HSV−11、およびCMV、エプスタインバーウイルス)、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、フラビウイルス、エコーウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、コロナウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、おたふく風邪ウイルス、ロタウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、HTL−Vウイルス、デングウイルス、パピローマウイルス、軟属腫ウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、JCウイルスおよびアルボウイルス性脳炎ウイルスが挙げられる。
本開示の方法により治療可能な感染症を引き起こす病原性細菌の一部の例としては、クラミジア、リケッチア細菌、マイコバクテリア、ブドウ球菌、レンサ球菌、肺炎球菌、髄膜炎菌および淋菌、クレブシエラ属菌、プロテウス属菌、セラチア属菌、シュードモナス属菌、レジオネラ属菌、ジフテリア菌、サルモネラ属菌、バチルス属菌、コレラ菌、破傷風菌、ボツリヌス症菌、炭疽菌、ペスト菌、レプトスピラ症菌、およびライム病菌が挙げられる。
本開示の方法により治療可能な感染症を引き起こす病原性真菌の一部の例としては、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、クルセイ(krusei)、グラブラータ(glabrata)、トロピカリス(tropicalis)など)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、アスペルギルス属(フミガーツス(fumigatus)、ニガー(niger)など)、ケカビ属(ケカビ(mucor)、アブシジア(absidia)、リゾープス(rhizopus))、スポロトリックス・シェンキイ(Sporothrix schenkii)、ブラストミセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)、パラコクシジオイデス・ブラシリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)、コクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)およびヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)が挙げられる。
本開示の方法により治療可能な感染症を引き起こす病原性寄生虫の一部の例としては、エントアメーバ・ヒストリティカ(Entamoeba histolytica)、バランチジウム・コリ(Balantidium coli)、ネグレリア・フォーレリ(Naegleriafowleri)、アカントアメーバ種(Acanthamoeba sp.)、ジアルジア・ランビア(Giardia lambia)、クリプトスポリジウム種(Cryptosporidium sp.)、ニューモシスチス・カリニ(Pneumocystis carinii)、プラスモジウム・ビバックス(Plasmodium vivax)、バベシア・ミクロチ(Babesia microti)、トリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei)、トリパノソーマ・クルージ(Trypanosoma cruzi)、リーシュマニア・ドノバニ(Leishmania donovani)、トキソプラスマ・ゴンディ(Toxoplasma gondii)、ニッポストロンギルス・ブラシリエンシス(Nippostrongylus brasiliensis)が挙げられる。
上記方法の全てにおいて、LAG−3の遮断は、他の形態の免疫療法、例えば、サイトカイン治療(例えば、インターフェロン、GM−CSF、G−CSF、IL−2)、または腫瘍抗原の提示の増進を提供する二重特異性抗体療法と組み合わせることができる(例えば、Bolliger(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:6444−6448、Poljak(1994)Structure2:1121−1123を参照)。
自己免疫反応
抗LAG−3抗体は、自己免疫応答を惹起および増幅し得る。実際、腫瘍細胞およびペプチドワクチンを使用する抗腫瘍応答の誘導は、多くの抗腫瘍応答が抗自己反応性を伴うことを明らかにしている(van Elsas et al.(2001)J.112 Exp.Med.194:481−489、Overwijk,et al.(1999)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.96:2982−2987、Hurwitz,(2000)上掲、Rosenberg&White(1996)J.Immunother Emphasis Tumor Immunol.19(1):81−4)。したがって、疾患治療のためにこれらの自己タンパク質に対する免疫応答を効率的に生成するためのワクチン接種プロトコールを考案するために、様々な自己タンパク質と組み合わせて抗LAG−3の遮断を使用することを考慮することが可能である。例えば、アルツハイマー病は、脳内のアミロイド沈着におけるAβペプチドの不適切な蓄積を伴い、アミロイドに対する抗体応答は、これらのアミロイド沈着を除去することができる(Schenk et al.,(1999)Nature400:173−177)。
アレルギーおよび喘息の治療のためのIgE、および関節リウマチのためのTNFαなど、他の自己タンパク質もまた、標的として使用することができる。最後に、様々なホルモンに対する抗体応答が、抗LAG−3抗体の使用により誘導され得る。生殖ホルモンに対する中和抗体応答を避妊のために使用することができる。特定の腫瘍の成長のために必要とされるホルモンおよび他の可溶性因子に対する中和抗体応答もまた、ワクチン接種のあり得る標的として考慮することができる。
抗LAG−3抗体の使用について上記したものと類似の方法を、アルツハイマー病におけるAβなどのアミロイド沈着、TNFαなどのサイトカイン、およびIgEなどの他の自己抗原の不適切な蓄積を有する患者を治療するための治療的な自己免疫応答の誘導のために使用することができる。
ワクチン
抗LAG−3抗体は、目的の抗原(例えば、ワクチン)との抗LAG−3抗体の併用投与により抗原特異的な免疫応答を刺激するために使用することができる。したがって、別の態様では、本開示は、対象において抗原に対する免疫応答を増進させる方法であって、対象に、(i)抗原、および(ii)抗LAG−3抗体、またはその抗原結合部分を、対象において抗原に対する免疫応答が増進されるように投与することを含む、方法を提供する。好ましくは、抗体は、ヒト抗ヒトLAG−3抗体(本明細書に記載される任意のヒト抗LAG−3抗体など)である。さらにまたはあるいは、抗体は、キメラまたはヒト化抗体であり得る。抗原は、例えば、腫瘍抗原、ウイルス抗原、細菌抗原または病原体からの抗原であり得る。そのような抗原の非限定的な例としては、上記のセクションにおいて論じたもの、例えば、上記で論じた腫瘍抗原(または腫瘍ワクチン)、または上記したウイルス、細菌もしくは他の病原体からの抗原が挙げられる。
in vivoおよびin vitroで本開示の抗体組成物(例えば、ヒトモノクローナル抗体、多重特異性および二重特異性分子ならびにイムノコンジュゲート)を投与する好適な経路は、当該技術分野において周知であり、当業者により選択され得る。例えば、抗体組成物は、注射(例えば、静脈内または皮下)により投与することができる。使用される分子の好適な投与量は、対象の年齢および体重ならびに抗体組成物の濃度および/または配合に依存する。
以前に記載したように、本開示のヒト抗LAG−3抗体は、1つまたは他のより多くの治療剤、例えば、細胞傷害剤、放射性毒性剤または免疫抑制剤と併用投与することができる。抗体は、剤に連結させることができ(免疫複合体として)、または剤とは別々に投与することができる。後者(別々の投与)の場合、抗体は、剤の前、後もしくは並行して投与することができ、または、他の公知の療法、例えば、抗がん療法、例えば放射線と併用投与することができる。そのような治療剤としては、特に、抗新生物剤、例えば、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、シスプラチン 硫酸ブレオマイシン、カルムスチン、クロラムブシル、ダカルバジンおよびシクロホスファミド ヒドロキシウレアが挙げられ、これらは、これら自体では、患者にとって毒性または準毒性のレベルにおいてのみ効果的である。シスプラチンは、4週毎に1回100mg/mLの用量で静脈内投与され、アドリアマイシンは、21日毎に1回60〜75mg/mLの用量で静脈内投与される。化学療法剤との本開示のヒト抗LAG−3抗体、またはその抗原結合断片の併用投与は、ヒト腫瘍細胞に対して細胞傷害効果をもたらす異なる機序を介して機能する2つの抗がん剤を提供する。そのような併用投与は、薬物への抵抗性の発生または抗体に対して非反応性にする腫瘍細胞の抗原性の変化に起因する問題を解決し得る。
本開示の抗体組成物(例えば、ヒト抗体、二重特異性もしくは多重特異性分子、またはイムノコンジュゲート)および使用のための説明書を備えるキットもまた本開示の範囲内である。キットは、少なくとも1つの追加の試薬、または1つまたは複数の追加の本開示のヒト抗体(例えば、第1のヒト抗体とは別個のLAG−3抗原中のエピトープに結合する相補的な活性を有するヒト抗体)をさらに含有し得る。キットは、典型的に、キットの内容物の意図される使用を指し示すラベルを備える。ラベルという用語は、キット上もしくはキットと共に供給される、またはそれ以外にキットに付随する任意の書面、または記録材料を含む。
神経系障害
本開示の他の方法は、運動に影響する神経系の進行性障害を有する患者を治療するために使用される。一実施形態では、運動に影響する神経系の進行性障害はパーキンソン病である。したがって、本開示の別の態様は、対象においてパーキンソン病を治療する方法であって、対象に抗LAG−3抗体、またはその抗原結合部分を、対象がパーキンソン病について治療されるように投与することを含む、方法を提供する。好ましくは、抗体は、ヒト抗ヒトLAG−3抗体(本明細書に記載される任意のヒト抗LAG−3抗体など)である。さらにまたはあるいは、抗体は、キメラまたはヒト化抗体であり得る。
例えば胸腺および脾臓といった免疫系臓器に加えて、LAG3は脳においても高濃度に存在する(C.J.Workman(2002),Eur.J.Immunol.32,2255−2263)。イムノブロット解析は、LAG3は主にニューロンにおいて発現されることを指し示している。Allen Brain Atlasによれば、LAG3は、DAニューロンなどの中枢神経系(CNS)の全体にわたるニューロンに局在する。X.Maoら(Science.2016 Sep 30;353(6307))は、LAG3は、主にそのD1ドメイン(29〜167AA)を通じて高親和性でα−シヌクレイン(α−syn)のミスフォールディングした前形成原線維(preformed fibrils)(PFF)に優先的に結合することを報告した。加えて、D2(168〜252AA)、D3(265〜343AA)、または細胞内ドメイン(ICD、472〜525AA)の欠失は、α−syn PFFへのLAG3の結合を実質的に弱め、X.Maoらは、LAG3へのα−syn PFFの結合はa−syn PFFのエンドサイトーシス、伝達、および毒性を開始させることを示した。新たに出てきた証拠は、パーキンソン病(PD)の病理発生は、ミスフォールディングしたα−syn PFFの細胞間伝達に起因し得ることを指し示している。パーキンソン病(PD)は、2番目に多い神経変性障害であり、運動の緩慢、振戦、固縮、およびPDの後期ステージにおいては認知障害に繋がる。
病理学的には、PDは、レビー小体および神経突起におけるa−シヌクレインの蓄積により特徴付けられる。神経系の全体にわたってニューロンの変性があり、黒質緻密部においてドーパミンニューロンの変性を有して、これがPDの主な症状に繋がる。D1またはD2ドメインに特異的に結合する抗LAG3抗体は、a−syn PFFの毒性および細胞間伝達を低減させることができ、PD療法のためのその潜在能力を示唆する。実施例1に示すように、我々の抗体は、LAG3タンパク質のD1またはD2ドメインに特異的に結合し得る。したがって、抗体をPD療法のために使用することができる。
併用療法
別の態様では、本開示は、免疫応答を刺激するために効果的な1つまたは複数の追加の抗体と抗LAG−3抗体が併用投与され、それにより対象において免疫応答をさらに増進させ、刺激しまたは上方調節する、併用療法を提供する。例えば、本開示は、対象において免疫応答を刺激する方法であって、対象に抗LAG−3抗体ならびに抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体および/または抗CTLA−4抗体などの1つまたは複数の追加の免疫賦活性抗体を、対象において免疫応答が刺激されて、例えば、腫瘍成長を阻害しまたは抗ウイルス応答を刺激するように投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、対象は、抗LAG−3抗体および抗PD−1抗体を投与される。別の実施形態では、対象は、抗LAG−3抗体および抗PD−L1抗体を投与される。さらに別の実施形態では、対象は、抗LAG−3抗体および抗CTLA−4抗体を投与される。一実施形態では、抗LAG−3抗体は、本開示の抗体などのヒト抗体である。あるいは、抗LAG−3抗体は、例えば、キメラまたはヒト化抗体(例えば、マウス抗LAG−3mAbから調製される)であり得る。別の実施形態では、少なくとも1つの追加の免疫賦活性抗体(例えば、抗PD−1、抗PD−L1および/または抗CTLA−4抗体)はヒト抗体である。あるいは、少なくとも1つの追加の免疫賦活性抗体は、例えば、キメラまたはヒト化抗体(例えば、マウス抗PD−1、抗PD−L1および/または抗CTLA−4抗体から調製される)であり得る。
一実施形態では、本開示は、過剰増殖性疾患(例えば、癌)を治療する方法であって、LAG−3抗体およびCTLA−4抗体を対象に投与することを含む、方法を提供する。さらなる実施形態では、抗LAG−3抗体は治療量以下の用量で投与され、抗CTLA−4抗体は治療量以下の用量で投与され、または両方は治療量以下の用量で投与される。別の実施形態では、本開示は、免疫賦活剤を用いる過剰増殖性疾患の治療に伴う有害事象を変化させる方法であって、抗LAG−3抗体および治療量以下の用量の抗CTLA−4抗体を対象に投与することを含む、方法を提供する。ある特定の実施形態では、対象はヒトである。ある特定の実施形態では、抗CTLA−4抗体はヒト配列モノクローナル抗体10D1(PCT国際公開WO01114424に記載されている)であり、かつ、抗LAG−3抗体は、本明細書に記載されるS27、S31、T99、またはS119などのヒト配列モノクローナル抗体である。本開示の方法により包含される他の抗CTLA−4抗体としては、例えば、WO98/42752、WO00/37504、米国特許第6,207,156号明細書、Hurwitz et al.(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA95(17):10067−10071、Camacho et al.(2004)J.Clin.Oncology22(145):Abstract No.2505(antibody CP−675206)、およびMokyr et al.(1998)Cancer Res.58:5301−5304に開示されているものが挙げられる。ある特定の実施形態では、抗CTLA−4抗体は、ヒトCTLA−4に5×10−8Mもしくはそれ未満のKDで結合し、ヒトCTLA−4に1×10−8Mもしくはそれ未満のKDで結合し、ヒトCTLA−4に5×10−9Mもしくはそれ未満のKDで結合し、またはヒトCTLA−4に1×10−8M〜1×10−10Mもしくはそれ未満のKDで結合する。
一実施形態では、本開示は、過剰増殖性疾患(例えば、癌)を治療する方法であって、LAG−3抗体およびPD−1抗体を対象に投与することを含む、方法を提供する。さらなる実施形態では、抗LAG−3抗体は治療量以下の用量で投与され、抗PD−1抗体は治療量以下の用量で投与され、または両方は治療量以下の用量で投与される。別の実施形態では、本開示は、免疫賦活剤を用いる過剰増殖性疾患の治療に伴う有害事象を変化させる方法であって、抗LAG−3抗体および治療量以下の用量の抗PD−1抗体を対象に投与することを含む、方法を提供する。ある特定の実施形態では、対象はヒトである。ある特定の実施形態では、抗PD−1抗体はヒト配列モノクローナル抗体であり、かつ、抗LAG−3抗体は、本明細書に記載されるS27、S31、T99、またはS119などのヒト配列モノクローナル抗体である。ヒト配列抗PD−1抗体の例としては、PCT国際公開WO061121168に記載されている17D8、2D3、4H1、5C4および4A11が挙げられる。ある特定の実施形態では、抗PD−1抗体は、ヒトPD−1に5×10−8Mもしくはそれ未満のKDで結合し、ヒトPD−1に1×10−8Mもしくはそれ未満のKDで結合し、ヒトPD−1に5×10−9Mもしくはそれ未満のKDで結合し、またはヒトPD−1に1×10−8M〜1×10−10Mもしくはそれ未満のKDで結合する。
一実施形態では、本開示は、過剰増殖性疾患(例えば、癌)を治療する方法であって、LAG−3抗体およびPD−L1抗体を対象に投与することを含む、方法を提供する。さらなる実施形態では、抗LAG−3抗体は治療量以下の用量で投与され、抗PD−L1抗体は治療量以下の用量で投与され、または両方は治療量以下の用量で投与される。別の実施形態では、本開示は、免疫賦活剤を用いる過剰増殖性疾患の治療に伴う有害事象を変化させる方法であって、抗LAG−3抗体および治療量以下の用量の抗PD−L1抗体を対象に投与することを含む、方法を提供する。ある特定の実施形態では、対象はヒトである。ある特定の実施形態では、抗PD−L1抗体はヒト配列モノクローナル抗体であり、かつ、抗LAG−3抗体は、本明細書に記載されるS27、S31、T99、またはS119などのヒト配列モノクローナル抗体である。ヒト配列抗PD−L1抗体の例としては、PCT国際公開WO07/005874に記載されている3G10、12A4、10A5、5F8、10H10、1B12、7H1、11E6、12B7および13G4が挙げられる。ある特定の実施形態では、抗PD−L1抗体は、ヒトPD−L1に5×10−8Mもしくはそれ未満のKDで結合し、ヒトPD−L1に1×10−8Mもしくはそれ未満のKDで結合し、ヒトPD−L1に5×10−9Mもしくはそれ未満のKDで結合し、またはヒトPD−L1に1×10−8M〜1×10−10Mもしくはそれ未満のKDで結合する。
抗体によるLAG−3ならびにCTLA−4および/もしくはPD−1および/もしくはPD−L1などの1つまたは複数の第2の標的抗原の遮断は、患者においてがん性細胞への免疫応答を増進させ得る。本開示の抗体を使用して成長が阻害され得るがんとしては、典型的に免疫療法に応答性の癌が挙げられる。本開示の併用療法を用いる治療のための癌の代表的な例としては、抗LAG−3抗体を用いる単剤療法の議論において上に具体的に列記した癌が挙げられる。
ある特定の実施形態では、本明細書で論じる治療的抗体の組合せは、薬学的に許容される担体中の単一の組成物として並行して投与することができ、または薬学的に許容される担体中の各抗体を有する別々の組成物として並行して投与することができる。別の実施形態では、治療的抗体の組合せは、逐次的に投与され得る。例えば、抗CTLA−4抗体および抗LAG−3抗体は、逐次的に投与されてもよく、例えば、抗CTLA−4抗体が最初に投与され、かつ抗LAG−3抗体が2番目に投与されるか、または抗LAG−3抗体が最初に投与され、かつ抗CTLA−4抗体が2番目に投与される。さらにまたはあるいは、抗PD−1抗体および抗LAG−3抗体は、逐次的に投与されてもよく、例えば、抗PD−1抗体が最初に投与され、かつ抗LAG−3抗体が2番目に投与されるか、または抗LAG−3抗体が最初に投与され、かつ抗PD−1抗体が2番目に投与される。さらにまたはあるいは、抗PD−L1抗体および抗LAG−3抗体は、逐次的に投与されてもよく、例えば、抗PD−L1抗体が最初に投与され、かつ抗LAG−3抗体が2番目に投与されるか、または抗LAG−3抗体が最初に投与され、かつ抗PD−L1抗体が2番目に投与される。
さらには、併用療法の1つより多くの用量が逐次的に投与される場合、投与の各時点において逐次投与の順序を反転させるかまたは同じ順序に保つことができ、逐次投与を並行投与、または任意のこれらの組合せと組み合わせることができる。例えば、抗CTLA−4抗体および抗LAG−3抗体の組合せの第1の投与は並行的なものであってもよく、第2の投与は、抗CTLA−4が最初でありかつ抗LAG−3が2番目である逐次的なものであってもよく、かつ、第3の投与は、抗LAG−3が最初でありかつ抗CTLA−4が2番目である逐次的なものであってもよい、などである。さらにまたはあるいは、抗PD−1抗体および抗LAG−3抗体の組合せの第1の投与は並行的なものであってもよく、第2の投与は、抗PD−1が最初でありかつ抗LAG−3が2番目である逐次的なものであってもよく、かつ、第3の投与は、抗LAG−3が最初でありかつ抗PD−1が2番目である逐次的なものであってもよい、などである。さらにまたはあるいは、抗PD−L1抗体および抗LAG−3抗体の組合せの第1の投与は並行的なものであってもよく、第2の投与は、抗PD−L1が最初でありかつ抗LAG−3が2番目である逐次的なものであってもよく、かつ、第3の投与は、抗LAG−3が最初でありかつ抗PD−L1が2番目である逐次的なものであってもよい、などである。別の代表的な投薬スキームは、抗LAG−3が最初でありかつ抗CTLA−4(ならびに/または抗PD−1および/もしくは抗PD−L1)が2番目である逐次的な第1の投与を伴うことができ、かつ、その後の投与は並行的なものであってもよい。
任意選択的に、抗LAG−3と1つまたは複数の追加の抗体(例えば、抗CTLA−4および/または抗PD−1および/または抗PD−L1抗体)との組合せは、免疫原性剤、例えば、がん性細胞、精製された腫瘍抗原(組換えタンパク質、ペプチド、および炭水化物分子など)、細胞、および免疫刺激性サイトカインをコードする遺伝子をトランスフェクトされた細胞とさらに組み合わせることができる(He et al.(2004)J.Immunol.173:4919−28)。使用され得る腫瘍ワクチンの非限定的な例としては、黒色腫抗原のペプチド、例えば、gpl00、MAGE抗原、Trp−2、MARTIおよび/もしくはチロシナーゼのペプチド、またはサイトカインGM−CSFを発現するようにトランスフェクトされた腫瘍細胞が挙げられる。組み合わせられたLAG−3ならびにCTLA−4および/またはPD−1および/またはPD−Llの遮断は、抗LAG−3抗体を用いる単剤療法に関して上記に詳述した任意のワクチン接種プロトコールなどのワクチン接種プロトコールとさらに組み合わせることができる。
組み合わせたLAG−3ならびにCTLA−4および/またはPD−1および/またはPD−L1の遮断はまた、標準癌治療とさらに組み合わせることができる。例えば、組み合わせたLAG−3ならびにCTLA−4および/またはPD−1および/またはPD−L1の遮断は、化学療法レジームと効果的に組み合わせることができる。これらの場合において、本開示の組合せと共に投与される他の化学療法試薬の用量を低減させることが可能である(Mokyr et al.(1998)Cancer Research 58:5301−5304)。そのような組合せの例は、黒色腫の治療のためにデカルバジン(decarbazine)とさらに組み合わせた抗LAG−3と抗CTLA−4抗体および/または抗PD−1抗体および/または抗PD−L1抗体との組合せである。別の例は、黒色腫の治療のためにインターロイキン−2(IL−2)とさらに組み合わせた抗LAG−3と抗CTLA−4抗体および/または抗PD−1抗体および/または抗PD−L1抗体との組合せである。LAG−3ならびにCTLA−4および/またはPD−1および/またはPD−L1の遮断の化学療法との併用の背景にある科学的合理性は、ほとんどの化学療法化合物の細胞傷害作用の帰結である細胞死は、抗原提示経路中の腫瘍抗原のレベルの増加を結果としてもたらすはずであるということである。細胞死を通じて組み合わせたLAG−3ならびにCTLA−4および/またはPD−1および/またはPD−L1の遮断との相乗作用を結果としてもたらし得る他の組合せ療法としては、放射線、手術、またはホルモン枯渇が挙げられる。これらのプロトコールのそれぞれは、宿主における腫瘍抗原の供給源を作出する。血管新生阻害剤もまた、組み合わせたLAG−3ならびにCTLA−4および/またはPD−1および/またはPD−L1の遮断と組み合わせることができる。血管新生の阻害は腫瘍細胞死に繋がり、それは、宿主の抗原提示経路に供給される腫瘍抗原の供給源となり得る。
LAG−3遮断抗体とCTLA−4および/またはPD−1および/またはPD−L1遮断抗体との組合せはまた、FcαまたはFcγ受容体発現エフェクター細胞を腫瘍細胞に標的化させる二重特異性抗体と組み合わせて使用することができる(例えば、米国特許第5,922,845号明細書および同第5,837,243号明細書を参照)。二重特異性抗体は、2つの別々の抗原を標的化するために使用することができる。これらの応答のT細胞アームは、組み合わせたLAG−3ならびにCTLA−4および/またはPD−1および/またはPD−L1の遮断の使用により増大する。別の例では、抗LAG−3抗体と抗CTLA−4および/または抗PD−1抗体および/または抗PD−L1抗体との組合せは、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ)、Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ)、Bexxar(登録商標)(トシツモマブ)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブ)、Campath(登録商標)(アレムツズマブ)、Lymphocide(登録商標)(エプルツズマブ(eprtuzumab))、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、およびTarceva(登録商標)(エルロチニブ)などの抗新生物抗体と組み合わせて使用することができる。例としては、理論により縛られることを望まないが、抗がん抗体または毒素に共役させた抗がん抗体を用いる治療は、癌細胞死(例えば、腫瘍細胞)に繋がることができ、それが、CTLA−4、PD−1、PD−L1またはLAG−3により媒介される免疫応答を増強する。例示的な実施形態では、過剰増殖性疾患(例えば、がん性腫瘍)の治療は、宿主による抗腫瘍免疫応答を増強し得る、抗LAG−3抗体ならびに抗CTLA−4および/または抗PD−1および/または抗PD−L1抗体と組み合わせた抗がん抗体を、並行してもしくは逐次的にまたは任意のこれらの組合せで含み得る。
腫瘍は、多様な機序により宿主の免疫サーベイランスを回避する。これらの機序の多くは、腫瘍により発現される免疫抑制性のタンパク質の不活性化により克服され得る。これらとしては、特に、TGF−β(Kehrl etal.(1986)J.Exp.Med.163:1037−1050)、IL−10(Howard&O'Garra(1992)Immunology Today13:198−200)、およびFasリガンド(Hahne et al.(1996)Science27 4:1363−1365)が挙げられる。別の例では、これらの各実体に対する抗体を抗LAG−3抗体と抗CTLA−4および/または抗PD−1および/または抗PD−L1抗体との組合せとさらに組み合わせて、免疫抑制剤の効果に対抗しかつ宿主による抗腫瘍免疫応答に有利に働くようにすることができる。
宿主の免疫応答性を活性化させるために使用され得る他の抗体は、抗LAG−3抗体と抗CTLA−4および/または抗PD−1および/または抗PD−L1抗体との組合せと組み合わせてさらに使用することができる。これらとしては、DC機能および抗原提示を活性化させる樹状細胞の表面上の分子が挙げられる。抗CD40抗体(Ridge et al.、上掲)は、抗LAG−3と抗CTLA−4および/または抗PD−1および/または抗PD−L1との組合せにおいて使用することができる(Ito et al.、上掲)。T細胞共刺激分子に対する他の活性化抗体 Weinberg et al.、上掲、Melero et al.、上掲、Hutloff et al.、上掲)もまた、T細胞活性化のレベルの増加のために提供され得る。
上記で論じたように、骨髄移植は、造血起源の様々な腫瘍を治療するために現在使用されている。組み合わせたLAG−3ならびにCTLA−4および/またはPD−1および/またはPD−L1の遮断は、ドナー移植腫瘍特異的T細胞の有効性を増加させるために使用することができる。
いくつもの実験的治療プロトコールは、抗原特異的T細胞のex vivo活性化および増殖ならびに腫瘍に対して抗原特異的なT細胞のためにこれらの細胞のレシピエントへの養子導入を伴う(Greenberg&Riddell、上掲)。これらの方法もまた、CMVなどの感染性因子へのT細胞応答を活性化させるために使用することができる。抗LAG−3抗体ならびに抗CTLA−4および/または抗PD−1および/または抗PD−L1抗体の存在下でのex vivo活性化は、養子導入されたT細胞の頻度および活性を増加させることが期待され得る。
ある特定の実施形態では、本開示は、免疫賦活剤を用いる過剰増殖性疾患(例えば、癌)の治療に伴う有害事象を変化させる方法であって、抗LAG−3抗体ならびに治療量以下の用量の抗CTLA−4および/または抗PD−1および/または抗PD−L1抗体を対象に投与することを含む、方法を提供する。例えば、本開示の方法は、患者に非吸収性ステロイドを投与することによる免疫賦活性の治療的抗体により誘導される大腸炎または下痢の発生を低減させる方法を提供する。免疫賦活性の治療的抗体を与えられるあらゆる患者は、そのような抗体により誘導される大腸炎または下痢を発症するリスクがあるので、この患者集団全体は本開示の方法による療法のために好適である。ステロイドは、炎症性腸疾患(IBD)を治療するためおよびIBDの増悪を予防するために投与されてきたが、それらは、IBDを有すると診断されていない患者においてIBDを予防する(その発生を減少させる)ために使用されていない。ステロイド、さらには非吸収性ステロイドに伴う有意な副作用は、予防的使用をためらわせてきた。
さらなる実施形態では、組み合わせたLAG−3ならびにCTLA−4および/またはPD−1および/またはPD−L1の遮断(すなわち、免疫賦活性の治療的抗体である抗LAG−3抗体ならびに抗CTLA−4および/または抗PD−1抗体および/または抗PD−L1抗体)は、任意の非吸収性ステロイドの使用とさらに組み合わせることができる。本明細書において使用される場合、「非吸収性ステロイド」は、大規模な初回通過代謝を呈し、肝臓での代謝後のステロイドのバイオアベイラビリティが低い、すなわち約20%未満であるグルココルチコイドである。本開示の一実施形態では、非吸収性ステロイドはブデソニドである。ブデソニドは局所作用性のグルココルチコステロイドであり、経口投与後に主に肝臓により大規模に代謝される。ENTOCORT EC(登録商標)(Astra−Zeneca)は、回腸へのおよび結腸の全体を通じた薬物送達を最適化するために開発されたブデソニドのpHおよび時間依存的な経口配合物である。ENTOCORT EC(登録商標)は、回腸および/または上行結腸に関与する軽度〜中等度クローン病の治療のために米国において承認されている。クローン病の治療のためのENTOCORT EC(登録商標)の通常の経口投与量は6〜9mg/日である。ENTOCORT EC(登録商標)は、腸において放出された後に腸粘膜中に吸収および保持される。ENTOCORT EC(登録商標)は、腸粘膜標的組織を通過すると、肝臓におけるシトクロムP450系によりごくわずかなグルココルチコイド活性を有する代謝物に大規模に代謝される。したがって、バイオアベイラビリティは低い(約10%)。ブデソニドの低いバイオアベイラビリティは、より小規模な初回通過代謝を有する他のグルココルチコイドと比較して向上した治療比(therapeutic ratio)を結果としてもたらす。ブデソニドは、全身作用性のコルチコステロイドよりも小さい視床下部−下垂体抑制などの、より少ない有害効果を結果としてもたらす。しかしながら、ENTOCORT EC(登録商標)の慢性投与は、副腎髄質機能亢進および副腎抑制などの全身性のグルココルチコイド効果を結果としてもたらし得る。PDR 58th ed.2004;608−610を参照。
いっそうさらなる実施形態では、非吸収性ステロイドと組み合わせた組合せのLAG−3ならびにCTLA−4および/またはPD−1および/またはPD−L1の遮断(すなわち、免疫賦活性の治療的抗体である抗LAG−3抗体ならびに抗CTLA−4および/または抗PD−1および/または抗PD−L1抗体)は、サリチル酸塩とさらに組み合わせることができる。サリチル酸塩としては、5−ASA剤、例えば、スルファサラジン(AZULFIDINE(登録商標)、Pharmacia&UpJohn)、オルサラジン(DIPENTUM(登録商標)、Pharmacia&UpJohn)、バルサラジド(COLAZAL(登録商標)、Salix Pharmaceuticals,Inc.)、およびメサラミン(ASACOL(登録商標)、Procter&Gamble Pharmaceuticals、PENTASA(登録商標)、Shire US、CANASA(登録商標)、Axcan Scandipharm,Inc.、ROW ASA(登録商標)'Solvay)が挙げられる。
本開示の方法によれば、抗LAG−3抗体および抗CTLA−4および/または抗PD−1および/または抗PD−L1抗体ならびに非吸収性ステロイドと組み合わせて投与されるサリチル酸塩は、免疫賦活性抗体により誘導される大腸炎の発生を減少させる目的のために、サリチル酸塩および非吸収性ステロイドの任意の重複するまたは逐次的な投与を含み得る。したがって、例えば、本開示による免疫賦活性抗体により誘導される大腸炎の発生を低減させる方法は、サリチル酸塩および非吸収性物質を並行してまたは逐次的に投与すること(例えば、サリチル酸塩は非吸収性ステロイドの6時間後に投与される)、または任意のこれらの組合せを包含する。さらに、本開示によれば、サリチル酸塩および非吸収性ステロイドは、同じ経路(例えば、両方は経口的に投与される)または異なる経路(例えば、サリチル酸塩は経口的に投与され、非吸収性ステロイドは直腸内に投与される)により投与されてもよく、これは抗LAG−3抗体ならびに抗CTLA−4および/または抗PD−1および/または抗PD−L1抗体を投与するために使用される経路とは異なっていてもよい。
診断方法
LAG−3の過剰発現がある特定の腫瘍試料において観察され、LAG−3過剰発現細胞を有する患者は、本開示の抗LAG−3抗体を用いる治療に対して応答性の可能性がある。したがって、本開示の抗体はまた、診断および予後の目的のために使用することができる。
好ましくは細胞を含む試料は、癌患者または診断を望む患者であり得る患者から得ることができる。細胞は、腫瘍組織もしくは腫瘍塊、血液試料、尿試料または患者からの任意の試料の細胞である。試料の任意選択の前処理の際に、試料を本開示の抗体と、試料中に存在する可能性があるLAG−3タンパク質と抗体が相互作用することを可能とする条件下でインキュベートすることができる。ELISAなどの方法を使用することにより、抗LAG−3抗体の利点を得て、試料中のLAG−3タンパク質の存在を検出することができる。
試料中のLAG−3タンパク質の存在(任意選択的に量または濃度と共に)は、患者が抗体を用いる治療のために好適であるという指標として、または患者が癌治療に応答した(または応答しなかった)という指標として、癌の診断のために使用することができる。予後の方法のために、治療の進行を指し示すために、癌治療を開始してからある特定のステージにおいて1回、2回またはより多く検出を行うことができる。
本開示を以下の実施例によりさらに説明するが、実施例はさらなる限定として解されるべきではない。全ての図面ならびに本出願の全体を通じて参照される全ての参考文献、GenBank配列、特許および特許出願公開の内容は、参照することにより本明細書に明示的に組み込まれる。特に、PCT国際公開WO09/045957、WO09/073533、WO09/073546、およびWO09/054863の開示は、参照することにより本明細書に明示的に組み込まれる。
以下の実施例は、本開示の好ましい実施形態を実証するために含めたものである。以下の実施例に開示される技術は、本開示の実施においてよく機能することが本発明者らにより発見された技術を表し、したがってその実施のための好ましい態様を構成すると考えることができると当業者により理解されるべきである。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、開示される特定の実施形態において多くの変更を行うことができ、それでもなお、本開示の概念、精神および範囲から離れることなく同様または類似の結果が得られることを理解するべきである。より具体的には、化学的および生理学的の両方で関連するある特定の剤は、同じまたは類似の結果を達成しながら、本明細書に記載される剤のために代替されてもよいことは明らかであろう。当業者に明らかな全てのそのような類似の代替物および改変は、添付の特許請求の範囲により定義される本開示の精神、範囲および概念の範囲内にあるものとみなされる。
LAG−3に対する全長ヒトモノクローナル抗体のスクリーニング
全長ヒトFabファージディスプレイをスクリーニングすることにより抗LAG3ヒトモノクローナル抗体(α−LAG−3mAb)を生成させた。野生型LAG−3−ECD−huFc断片はDaudi細胞に結合できるが、D1−D2切断LAG−3−ECD−huFc断片はDaudi細胞に結合しない(図1)。結果として、D1−D2ドメインはLAG−3の機能にとって不可欠である。
ファージディスプレイライブラリーのパニング用の抗原。LAG−3は、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーに属する1回貫通I型膜タンパク質であり、ドメイン(D)1、D2、D3およびD4の4つの細胞外Ig様ドメイン(ECD)を含有する。293T細胞システムにおいて組換えヒトLAG−3−ECD−ヒトIgG1(LAG−3−huFc)融合タンパク質またはヒトD1−D2切断LAG−3−ECD−ヒトIgG1(ΔD1D2−LAG−3−huFc)融合タンパク質を発現させた。
ファージライブラリー。哺乳動物におけるIg遺伝子セグメントは、可変(V)、多様性(D)、連結(J)、および定常(C)エクソンの群で並んでいる。ヒトFabファージライブラリーは、1)全てのヒト可変カッパ(VK)レパートリー、ならびに2)健常ヒト対象からの遺伝学的に無作為化されたCDR3領域を有するそれぞれVH3〜23およびVH1〜69生殖細胞系列遺伝子のVHからなるファージベクターを使用して解釈された。
抗原のスクリーニングおよび生成。D1−D2ドメイン特異的ファージ結合物質を選択するために、ファージライブラリーを抗原ベースのパニングに供した。
I)LAG−3に対するファージライブラリー溶液のパニング
N末端にFLAGタグを有するD1−D2欠失LAG−3(ΔD1D2−LAG−3)配列を含有するプラスミドを293F細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの3日後に、ΔD1D2−LAG−3 293F細胞をファージライブラリースクリーニングのために使用した。ファージライブラリーに逐次的なネガティブスクリーニングを行った:ストレプトアビジンビーズ、△D1D2−LAG−3をトランスフェクトした293F細胞およびビオチン標識ヒトIgG1Fcタンパク質。次いで、結果として得られたライブラリーを、動かしながら2時間ビオチン化LAG−3−huFc LAG−3と共にインキュベートした後、100μLのカゼインでブロッキングしたストレプトアビジン磁気ビーズと共に15分間インキュベートした。未結合のファージを5〜20回のPBSを用いる洗浄により除去した。次いで、結合したファージを、新たに調製した100mMのトリエチルアミン(TEA)を用いて溶出させ、トリス−HCl緩衝液の添加により中和させた。結果として得られたファージをアウトプット1ファージライブラリーとラベルした。アウトプット1ファージライブラリーを上記と同じスクリーニングに供して、アウトプット2およびその後アウトプット3ファージライブラリーを生成させた。合計で3ラウンドのファージライブラリースクリーニングを行った。
II)LAG−3に対するファージライブラリーの免疫チューブパニング
ファージライブラリーを使用して逐次的なネガティブスクリーニングを行った:カゼインでコーティングした免疫チューブ、ΔD1D2−LAG−3をトランスフェクトした293F細胞およびヒトIgG1Fcタンパク質。次いで、結果として得られたライブラリーを、動かしながら2時間LAG3−huFcをコーティングした免疫チューブ中でインキュベートした。未結合のファージを5〜20回のPBSTを用いる洗浄により除去した。細胞ベースのパニングと同様に、合計で3ラウンドのファージライブラリースクリーニングを行った。
アウトプット3ファージライブラリーを希釈し、プレートして37℃で8時間生育させ、抗カッパ抗体をコーティングしたフィルターにより22℃で終夜捕捉した。ビオチン化LAG−3−huFc(50nM)およびNeutrAvidin−APコンジュゲートをフィルターに適用して抗原結合抗LAG3ファージを検出した。陽性のファージプラークを選び取り、100μLのファージ溶出緩衝液中に溶出させた。次いで、約10〜15μLの溶出したファージを使用して1mLのXL1−Blueコンピテント細胞に感染させて、ファージシングルポイントELISA(SPE)(50nMの試験した各タンパク質でコーティングした基体を固定化したELISA)のための高力価(HT)ファージを調製した。1×1010プラーク形成単位(pfu)の各ファージヒットをSPEの確認のために使用した。次いで、フィルターリフトから選び取った陽性クローンを、LAG−3−huFcおよびΔD1D2−LAG−3−huFcを用いてLAG−3抗原結合について試験した。D1−D2特異的結合物質をPCRにより抗原陽性ファージから増幅させ、シークエンシングした。Ig軽鎖V遺伝子(VL)およびVH配列を解析して独特の配列を同定し、配列多様性を決定した。
全てのヒットのVLおよびVH遺伝子配列を発現ベクターpFUSE2ss−CLIg−hk(軽鎖、InvivoGen 商品番号pfuse2ss−hclk)およびpFUSEss−CHIg−hG1(重鎖、InvivoGen 商品番号pfusess−hchg1)中にクローニングした。抗体をHEK293細胞中で発現させ、Protein A PLUS−Agaroseを使用して精製した。抗体およびそれらのCDR領域の配列を以下の表に提供する。
表1.抗体重鎖可変領域
表2.重鎖CDR
表3.軽鎖可変領域
表4.軽鎖可変領域
様々な種に由来するLAG3タンパク質へのヒト抗LAG3抗体の結合
ヒト、ラット、およびマウスLAG3に結合する抗LAG−3抗体の能力を評価するために、実施例1において同定された抗体をELISAを通じて結合特性について評価した。ヒト、ラットおよびマウスLAG3 ECD−Fcタンパク質を100μl/ウェルで1μg/mlにおいてELISAプレートにコーティングした。ELISA希釈緩衝液を用いて実施例1の抗体を段階希釈した。結合を評価するために、の様々な濃度10μg/ml、3.333μg/ml、1.111μg/ml、0.370μg/ml、0.123μg/ml、0.041μg/ml、0.014μg/ml、0.005μg/ml、0.0015μg/mlおよび0.0005μg/ml)のLAG−3抗体をLAG3抗原をコーティングしたプレートに室温で1.5時間加えた。結果として得られたプレートを洗浄した後、抗ヒトIgG(Fab)−HRP抗体を用いて標識した。S31のみがヒトLAG3に結合することができる。S27およびT99は、ヒトLAG3およびラット/マウスLAG3により低い力価で結合することができる。S119抗体はヒト、ラットおよびマウスLAG3に高い力価で結合することができる(図2)。
活性化ヒト初代CD4+ T細胞上の細胞表面LAG−3抗原へのヒト抗LAG3抗体の結合
LAG−3は、活性化または疲弊T細胞上に発現される。CD4磁気ビーズを使用してCD4+ T細胞を単離した。精製したヒトCD4+ T細胞をDynabeads(登録商標)Human T−Activator CD3/CD28を用いて72時間刺激した。FACS緩衝液を用いて実施例1の抗体を段階希釈した。次いで、結合を評価するために、様々な濃度(10μg/ml、3.333μg/ml、1.111μg/ml、0.370μg/ml、0.123μg/ml、0.041μg/ml、0.014μg/mlおよび0.005μg/ml)のLAG−3抗体をマウス抗ヒトLAG3 PE抗体(eBioscience、クローン:3DS223H)の存在下で氷上で30分間活性化ヒトCD4 T細胞に加えた。標識した細胞をFACS緩衝液を用いて洗浄した後、氷上で30分間APC共役抗ヒトIgG抗体を用いて標識した。結果として得られた細胞をFACS緩衝液を用いて1回洗浄した。標識した細胞をBD FACSCalibur(商標)においてフローサイトメトリーにより蛍光強度について評価した。図3に示すように、S27、S31、T99およびS119抗体は、活性化ヒトCD4+ T細胞上に発現されるLAG3に用量依存的に結合することができる。
MHCクラスII受容体への可溶性LAG−3(sLAG)の結合の抗LAG−3抗体による阻害
MHCクラスII受容体へのsLAG−3の結合を遮断する抗LAG−3抗体の能力を評価するために、ビオチン標識LAG−3−ECD−huFc融合タンパク質およびMHCクラスII受容体を発現するRaji細胞を使用してin vitro結合アッセイを設計した。実施例1の抗体をFACS緩衝液を用いて20μg/mLから段階希釈し、6μg/mLのビオチン−LAG−3−ECD−huFccと共に室温で30分間プレインキュベートした。次いで、抗体混合物をFcR遮断Raji細胞に加え、氷上で30分間インキュベートした。次いで、細胞をFACS緩衝液を用いて洗浄した後、ストレプトアビジンPEを用いて氷上で30分間染色し、その後にFACS緩衝液を用いて1回洗浄した。標識した細胞をBD FACSCalibur(商標)においてフローサイトメトリーにより蛍光強度について評価した。図4に示すように、S27、S31、S119およびT99抗体は、LAG3のその受容体MHCクラスII分子への結合を用量依存的に阻害することができる。
抗LAG−3抗体による末梢血単核細胞(PBMC)中のIL−2産生の刺激
ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)は、MHCクラスII抗原およびT細胞受容体(TCR)に同時に結合してそれらを一緒にすることにより、T細胞増殖およびサイトカイン産生を誘導するスーパー抗原である。6つの用量について1:3の段階希釈で20μg/mlから開始する様々な濃度の実施例1の抗体の存在下でSEBを用いて2×105個のPBMCを刺激した。3日後、培養上清中のIL−2濃度をELISAにより評価した。図5に示すように、PD−1抗体と類似して、抗LAG3抗体(S24、S27、S31、S87、S119、T99およびS20)は、SEB刺激のみと比較して用量依存的にIL−2産生を増進させることができる。
抗LAG−3抗体を使用するエフェクターT細胞(Teff)に対する制御性T細胞(Treg)の阻害の後退
LAG−3はTreg(CD4+CD25hi)上に高発現され、それらの抑制機能を媒介する(Journal of Immunology184:6545−51,2010)。エフェクターT細胞(CD4+CD25−CD127hi)に対するTregの抑制効果の後退に対する抗LAG−3抗体の能力を評価するために、実施例1の抗体をin vitro抑制アッセイにおいて使用した。最初に、BD FACSAria IIシステムを使用することによりTreg(CD4+CD25hiCD127low)およびTeff(CD4+CD25−CD127hi)をFACS選別した。次いで、カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)を用いてTeffを標識し、プレート結合抗CD3抗体およびミトマイシンC処理した抗原提示細胞の存在下でTregと1:1の比で共培養した。次に、抗LAG−3抗体を細胞培養物に加え、5日後にTeff細胞増殖を試験した。図6の結果は、TregをエフェクターT細胞と共培養した時に、エフェクターT細胞の増殖およびサイトカイン産生は阻害されたことを指し示す。S119およびT99は、TregによるTeffの阻害を後退させることができる。
抗LAG3およびPD−1抗体のコンボ処理の相乗効果
ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)は、ヒト免疫応答を刺激するスーパー抗原である。PD−1遮断抗体は、SEB刺激性のIL−2産生を増進させることができる。実施例5に示すように、抗LAG3抗体もまたSEB媒介性のIL−2産生を増進させることができる。PD−1抗体と組み合わせた抗LAG3抗体の効果を調べるために、最適以下のPD−1刺激の存在下でのSEB刺激に対する抗LAG3抗体の効果を調べた。0.1μg/mlのPD−1抗体の存在下、段階希釈した抗LAG3抗体をSEB培養物に加えた。72時間後にIL−2産生を評価した。図7の結果は、抗LAG−3抗体は、最適以下のPD−1処理の存在下で用量依存的な様式でSEB刺激性のT細胞応答を増進できることを指し示し、抗LAG3および抗PD−1のコンボ処理が相乗効果を有することを示唆する。
抗LAG−3抗体はPD−L1抗体の存在下でヒトT細胞応答を増進させる
PD−L1抗体と組み合わせた抗LAG−3抗体の効果を評価するために、混合リンパ球反応の状況においてヒトT細胞の応答を評価した。GM−CSFおよびIL−4の存在下で7日間ヒトDCをCD14+単球から分化させた。次いで、別のドナーから単離したCD4+ T細胞をDCならびに段階希釈した抗LAG−3抗体およびPD−L1遮断抗体と共培養した。混合培養の2日後に、IL−2産生について培養上清をアッセイした。図8の結果は、抗LAG−3抗体はPD−L1抗体との組合せでIL−2産生を有意に促進できることを指し示す。
LAG−3抗体のBIACORE分析
組換えhis−タグヒトLAG3−ECDタンパク質へのS20、S24、S27、S31、S87、S119、S120、S128、S136、S161およびT99抗体の結合を捕捉法を使用してBiacore T200により調べた。抗ヒトFc抗体を使用して抗LAG3抗体を捕捉した。抗ヒトFc抗体をチップ上にコーティングした。段階濃度のhisタグヒトLAG3−ECDタンパク質(0〜4nM)を30μl/分の流速で捕捉抗体上に注入した。解離期は900sまたは550sであった。結果を以下の表に示す。抗LAG3抗体についてのBiacoreの結果は、これらの抗LAG3抗体はヒトLAG3に対して高親和性の結合物質であることを示した。
ヒトLAG3に対するマウスモノクローナル抗体の生成
この実施例は、ハイブリドーマ技術を使用して抗ヒト−LAG3マウスモノクローナル抗体がどのように生成されたかを示す。
抗原:組換えヒトLAG−3融合タンパク質を免疫原として使用して抗ヒトLAG−3抗体を産生させた。マウス免疫グロブリンFcドメイン(D1−D4 mFc)に融合させたヒトLAG−3の細胞外領域全体(ドメイン1〜4)を含む融合タンパク質を免疫原として使用した。ELISA結合試験のために、ヒト免疫グロブリンFcドメインに融合させたヒトLAG−3の細胞外領域全体(ドメイン1〜4)またはD1−D2ドメインを含まない細胞外領域を含む融合タンパク質(それぞれD1−D4 huFcまたは△D1−D2 huFc)。標準的な組換えDNA技術を使用してLAG−3融合タンパク質を調製した。
免疫化:
標準的な組換えDNA技術を使用してLAG−3融合タンパク質を調製した。腹腔内(IP)および/または皮下(SC)によりマウスを免疫化した。マウスを最初に50mgの免疫原でSCにより免疫化した後、25μgの免疫原を用いて隔週でIPにより免疫化した。後眼窩の出血により免疫応答をモニターした。ELISAおよび細胞ベースの受容体遮断アッセイ(以下に記載する)により血漿をスクリーニングした。充分な力価の抗LAG−3 D1−D2ドメイン免疫グロブリンおよび機能的なLAG3阻害因子を有するマウスを融合のために使用した。屠殺および脾臓の除去の前に、25μgの抗原を用いてマウスを腹腔内によりブーストした後、μgの抗原を用いてその後のブーストを行った。脾臓を融合のために使用した。細胞ベースの受容体遮断アッセイにより、抗LAG−3 D1−D2ドメインの結合およびLAG3のその受容体への結合を遮断する機能についてハイブリドーマ上清を試験した。
抗LAG3遮断抗体を産生するマウスの選択
抗LAG3遮断抗体を産生するマウスを選択するために、免疫化マウスからの血清をELISAによりD1−D2ドメインへの結合について試験した。簡潔に述べれば、D1−D4 huFcへの結合について血清を評価し、△D1−D2 huFcへの結合をカウンタースクリーニングとした。簡潔に述べれば、D1−D4 huFcまたは△D1−D2 huFcを0.5μg/mlで終夜コーティングした後、PBS中の5%のBSAによりブロッキングした。段階希釈した血清を室温で1時間、コーティングした抗原と共にインキュベートした。結果として得られたプレートをPBS/Tを用いて洗浄し、室温で1時間ヤギ抗マウスIgG−HRPと共にインキュベートした。TMB基質を用いてプレートを顕色させ、OD 450〜630nmで分光光度計により分析した。並行して、実施例4に記載されるようにRaji細胞上に発現されるMHCII分子へのLAG3の結合を遮断する機能について血清を評価した。LAG3 D1−D2ドメインに特異的な高力価を有し、かつRaji細胞へのLAG3の結合を遮断する機能を有するマウスを融合およびさらなるスクリーニングのために選択した。
ハイブリドーマクローン122H、147Hおよび170Hをさらなる解析およびシークエンシングのために選択した。
抗LAG3マウスモノクローナル抗体の結合特性
この実施例では、LAG3タンパク質への抗LAG3マウス抗体の結合特性を試験した。
D1−D2特異的結合物質:
結合特異性を評価するために、精製した122H、147Hおよび170Hマウスモノクローナル抗体をD1−D4 huFcおよび△D1−D2 huFc抗原についてのELISA結合試験に供した。簡潔に述べれば、D1−D4 huFcまたは△D1−D2 huFcを0.5μg/mlで終夜コーティングした後、PBS中の5%のBSAによりブロッキングした。段階希釈した抗体(1μg/mlから開始して10個の用量について1:3の段階希釈)を室温で1時間、コーティングした抗原と共にインキュベートした。結果として得られたプレートをPBS/Tを用いて洗浄し、室温で1時間ヤギ抗マウスIgG−HRPと共にインキュベートした。TMB基質を用いてプレートを顕色させ、OD 450〜630nmで分光光度計により分析した。
ELISAの結果を図9に要約し、これはLAG3の全長細胞外ドメイン(D1−D4 huFc)への強い結合を示すがD1−D2欠失LAG3(△D1−D2 huFc)への強い結合を示さず、122H、147Hおよび170Hは、ヒトLAG3のD1およびD2ドメインについての強力かつ選択的な結合物質であることを裏付ける。
抗LAG3マウスモノクローナル抗体の機能的特性
LAG3のその受容体への結合の遮断
MHCクラスII受容体へのsLAG−3の結合を遮断する抗LAG−3抗体の能力を評価するために、ビオチン標識LAG−3−ECD−huFc融合タンパク質およびMHCクラスII受容体を発現するRaji細胞を使用してin vitro結合アッセイを設計した。122H、147Hおよび170Hマウスモノクローナル抗体をFACS緩衝液を用いて20μg/mLから段階希釈し(6つの用量について1:5)、室温で30分間6μg/mLのビオチン−LAG−3−ECD−huFcと共にプレインキュベートした。次いで、抗体混合物をFcR遮断Raji細胞に加え、氷上で30分間インキュベートした。次いで、細胞をFACS緩衝液を用いて洗浄した後、ストレプトアビジンPEを用いて氷上で30分間染色し、その後にFACS緩衝液を用いて1回洗浄した。標識した細胞をBD FACSCalibur(商標)においてフローサイトメトリーにより蛍光強度について評価した。図10に示すように、122H、147Hおよび170H抗体は、LAG3のその受容体MHCクラスII分子への結合を用量依存的に阻害することができる。
抗LAG3抗体によるヒトT細胞応答の刺激
T細胞応答を刺激する抗LAG3抗体の能力を試験するために、Jurkat T細胞刺激アッセイを使用した。Jurkatは、TCR刺激によりIL2を産生できるヒトT細胞白血病細胞株である。このアッセイでは、レンチウイルスによりヒトLAG3遺伝子をトランスフェクトしたJurkat細胞をレスポンダー細胞として使用した。MHCIIを発現するRaji細胞を抗原提示細胞(APC)として使用した。ブドウ球菌エンテロトキシン(SE)は、MHCII分子およびT細胞受容体ベータ(TCRVβ)を架橋し、T細胞応答を刺激することができるスーパー抗原である。SEをこのアッセイにおける刺激因子として使用した。この系では、異所的に発現されたhuLAG3は、Jurkat細胞によるSE刺激性IL−2産生を抑制できるが、抗LAG3抗体はIL−2産生を後退させることができる。簡潔に述べれば、APC(2.5×104)をSE刺激の存在下でLAG3発現Jurkat T細胞(1×105)と共培養した。抗LAG3抗体(20ug/mlから開始して6つの用量について1:5の段階希釈)を培養の開始時に加えた。48時間後、ELISAによりIL2産生について培養上清を評価した。図11に示すように、122H、147Hおよび170Hマウスモノクローナル抗体は、Jurkat T細胞によるIL2産生を用量依存的に促進させることができ、それらがT細胞へのLAG3シグナルを抑制することによりTCR刺激を刺激できることを示唆する。
147HマウスmAbのヒト化の設計
ヒト化mAbを作出するためにmAb147H可変領域遺伝子を用いた。この方法の最初のステップでは、mAb147HのVHおよびVKのアミノ酸配列をヒトIg遺伝子配列の利用可能なデータベースに対して比較して、全体的な最良マッチのヒト生殖細胞系列Ig遺伝子配列を見出した。軽鎖について、最も近いヒトマッチはA19/JK4遺伝子であり、重鎖について最も近いヒトマッチはVH1−f/JH6遺伝子であった。次いで、147H軽鎖のCDR1(配列番号243)、2(配列番号244)および3(配列番号245)がA19/JK4遺伝子のフレームワーク配列にグラフトされ、かつ147H VHのCDR1(配列番号240)、2(配列番号241)、および3(配列番号242)配列がVH1−f/JH6遺伝子のフレームワーク配列にグラフトされたヒト化可変ドメイン配列を設計した。次いで、3Dモデルを生成して、マウスアミノ酸のヒトアミノ酸への置換が結合および/またはCDRコンホメーションに影響し得るフレームワーク位置があるかどうかを決定した。重鎖の場合、ヒトフレームワーク中のR71、M69、R66、V67、M48、V37、R38、Y91およびQ1(Kabatのナンバリング)が同定され、これらをマウスの対応アミノ酸への復帰突然変異、すなわち、R71A、M69L、R66K、V67A、M48I、V37I、R38K、Y91FおよびQ1Eに供した。
表5.マウス抗体配列
ヒト化抗体のアミノ酸配列を列記すると、147H−1、147H−2、147H−3、147H−4、147H−5、147H−6、147H−7、147H−8、147H−9、147H−10、147H−11、147H−12、147H−13、および147H−14であり、これらはそれぞれ異なる重鎖を有するが、いずれも共通の軽鎖を共有する。
表6.ヒト化抗体および復帰突然変異
ヒト化VHおよびVK遺伝子を合成により製造した後、ヒトガンマ1およびヒトカッパ定常ドメインを含有するベクター中にそれぞれをクローニングした。ヒトVHおよびヒトVKのペアリングは、40個のヒト化抗体を作出した。
抗LAG3 147Hヒト化モノクローナル抗体の結合特性
Octet(登録商標)RED96システムによるヒト化抗体の親和性の順位付け
ヒト化抗体の結合キネティクスを調べるために、この実施例では、Octet Red 96を使用することにより親和性の順位付けを行った。以下の表に示すように、147H−6、147H−7、147H−13および147H−14はより良好な親和性を示す。
Octet(登録商標)RED96システムによるヒト化抗体の全速度論的親和性
ヒト化抗体の結合キネティクスを調べるために、この実施例では、Octet Red 96を使用することにより様々な用量の抗原(50nM、25nM、12.5nM、6.15nM、3.125nM)で行うことにより全速度論的親和性試験をさらに行った。結合親和性はOctet(登録商標)RED96システムのソフトウェアにより算出した。表に示すように、147H−6、147H−7、147H−13および147H−14は、147Hキメラ抗体と同等の親和性を示した。
抗LAG3マウスモノクローナル抗体の機能的特性
抗LAG3抗体によるヒトT細胞応答の刺激
刺激されたT細胞応答への抗LAG3抗体の能力を試験するために、実施例12に記載されるように、Jurkat T細胞刺激アッセイを使用した。抗LAG3抗体(30μg/mlから開始して6つの用量について1:3の段階希釈)を培養の開始時に加えた。48時間後、ELISAによりIL2産生について培養上清を評価した。図12に示すように、147H−13ヒト化モノクローナル抗体は、Jurkat T細胞によるIL2産生を用量依存的に促進させることができ、それらがT細胞へのLAG3シグナルを抑制することによりTCR刺激を刺激できることを示唆する。
抗LAG3 147Hヒト化モノクローナル抗体の親和性成熟
抗原結合親和性を向上させるために、この実施例では、ファージディスプレイ技術を使用して147H4〜13の親和性成熟を行った。戦略1:147H−13のCDRH3およびCDRL3をコドンベースの突然変異生成のために標的化した。CDRH3およびCDRL3をそれぞれ位置H95〜H102およびL89〜L97(Kabatのナンバリング)において無作為化した。戦略2:各CDRをCDRウォーキングのアプローチを使用する単一コドンベースの突然変異生成のために標的化した。次いで、CDRH1、CDRH2、CDRL1をライブラリー1に組み合わせた。CDRH3、CDRL2、CDRL3をライブラリー2に組み合わせた。
両方の戦略において、各ラウンドにおいて減少させた濃度の抗原を用いて、ライブラリーを3または4ラウンドの親和性ベースの溶液相ファージディスプレイ選択に供した。比較的高い抗原濃度(10nM)を第1のラウンドのために使用した。高親和性バリアントを選択するために、抗原濃度をその後の3ラウンドにおいて各10倍、またはその後の2ラウンドにおいて各100倍減少させた。最終ラウンドからの個々のバリアントをELISAスクリーニングにより抗原への陽性結合について試験した。個々のバリアントの解離速度(off−rate)の順位付けをOctet Red 96(Fortebio、USA)により決定した。向上した親和性を有する突然変異を組み合わせて新たなLAG3抗体を生成させた。親和性をBiacoreによりさらに確認したところ、CDR H2のN58VはKoffを有意に増加させた一方、CDR L3のN91YはKonを向上させたことが示唆された。
表7.抗体親和性成熟
表8.突然変異および突然変異したCDR領域の要約
親和性成熟抗LAG3 147Hヒト化モノクローナル抗体の結合特性
組換えhisタグヒトLAG3−ECDタンパク質への親和性成熟抗体の結合キネティクスを実施例9に述べたようにBiacore T200により調べた。結果を以下の表に示した。Biacoreの結果は、これらの抗LAG3抗体は親147H−13より良好な親和性を有することを示した。
ヒトLAG3への親和性成熟抗LAG−3抗体の結合能力を確認するために、親抗体147H−13と共に最も高い親和性を有する2つの抗体(B3807およびB3810)を実施例2に記載したELISAを使用して評価した。親抗体と共にB3807、B3810のEC50を以下の表に示した。3807およびB3810の両方は、親抗体147H−13よりも優れた結合能力を示した。
親和性成熟抗LAG−3抗体が細胞由来ヒトLAG3に結合し得ることをさらに確認するために、誘導性hLAG3発現Jurkat細胞および活性化PBMCの両方を使用してB3807およびB3810の結合能力を試験した。簡潔に述べれば、Jurkat細胞をFACS緩衝液中に再懸濁させた。抗LAG3抗体およびアイソタイプ対照を20nM〜30pMの用量範囲のFACS緩衝液中に4倍で段階希釈した。段階希釈した抗体を細胞懸濁液に加え、氷上で30分間インキュベートした。次いで、未結合の抗体を除去した後、Alexa Fluor633を共役させた抗ヒトIgG(Thermo、A21091)を用いて染色した。蛍光測定値をFACSCelestaフローサイトメーターにより取得し、Flowjoにより解析して平均蛍光強度(MFI)を決定した。天然ヒトLAG3への抗LAG3抗体の結合能力を試験するために、健康ドナーからのPBMCを共に1ug/mlの濃度の抗CD3(BD、555336)および抗CD28(BD、555725)を用いて刺激した。3日の刺激後に細胞を回収し、氷上で30分間抗LAG3抗体と共にインキュベートした。抗ヒトCD4および抗ヒトIgGを用いて細胞を染色した。CD4+細胞への抗体結合の分析はFACSCelestaフローサイトメトリーにより実行した。サイトメトリー分析の結果を、細胞由来ヒトLAG3への抗体結合のEC50を示す以下の表に要約した。図13は、抗LAG3抗体の結合曲線を示すグラフである。試験した抗体のEC50を以下に示した。
MHCクラスIIへのLAG3の結合の遮断
ヒトLAG3とMHCIIとの相互作用を遮断する抗LAG3モノクローナル抗体の能力を測定するために、キット製造者により提供されるプロトコールにしたがって均一TR−FRET技術を利用してLAG3およびMHC II結合アッセイ(Cisbio、64ICP03PEG)を行った。抗ヒトLAG3抗体を100nM〜5pM(10ポイント)の範囲内で3倍に希釈した。蛍光データをPerkinElmer Envisionプレートリーダーにより取得し、4パラメーター用量応答曲線をフィッティングして各抗体のIC50を得た。試験した抗体のIC50を以下の表に示した。
抗LAG3抗体によるヒトT細胞応答の刺激
T細胞応答を刺激する抗LAG3抗体の能力を試験するために、実施例13に記載したようにhLAG3発現Jurkat細胞を使用した。同様に、96ウェルプレートの各ウェルにおいてJurkat細胞(1×105)を0.1ng/mlのSEの存在下でRaji細胞(1×104)と共にインキュベートした。抗LAG3抗体を3倍に希釈し、100nM〜5pmの範囲内の最終濃度で細胞に加えた。48時間後、均一TR−FRETアッセイを使用して培養培地からのIL2を測定した。(PerkinElmer、TRF1221M)図14は、IL2放出の刺激における抗LAG3抗体の曲線を示す。親和性成熟クローンはT細胞応答の刺激においてより良好な力価を示した。
LAG3へのガレクチン−3またはLSECtinの結合の遮断に対する抗LAG3抗体の効果
LAG3はガレクチン−3(Cancer Immunol Res.2015;3:412−423.)およびLSECtin((J Biol Chem.2004;279:18748−18758)などの他のリガンドを有することが報告されている。これらの2つの潜在的な代替のリガンドとの相互作用は、特に、腫瘍微環境におけるCD8+ T細胞に対するLAG3の内在性の役割に関して、T細胞機能に対するLAG3の影響力を広げることに役立ち得る。組換えガレクチン−3またはLSECtinを4℃で終夜96ウェルプレートにコーティングした。段階希釈した抗LAG3抗体(10μg/mlから開始して1:3の希釈)およびビオチン標識LAG3−Fcタンパク質を室温で2時間、Glectin−3またはLSECtinをコーティングしたウェルを用いてインキュベートした。洗浄緩衝液を用いる大規模な洗浄後、ストレプトアビジン−HRPを加えた。図15に示すように、147H、S27およびS119抗体は、LAG3タンパク質へのガレクチン−3またはLSECtinの結合を用量依存的に阻害した。
抗ヒトLAG3および抗ヒトPD−L1抗体の併用治療の相乗効果
PD−L1抗体と組み合わせた抗LAG−3抗体の効果を評価するために、Jurkat T細胞刺激アッセイを使用した。Jurkat細胞においてヒトLAG3およびヒトPD−1を過剰発現させ、内因性にMHCIIを発現するRaji細胞にヒトPD−L1をトランスフェクトした。SEをこのアッセイにおける刺激因子として使用した。簡潔に述べれば、PD−L1発現Raji(1×104)をSE刺激の存在下でLAG3−PD−1発現Jurkat T細胞(1×105)と共培養した。抗PD−L1抗体と共にまたはそれを伴わずに抗LAG3抗体を段階希釈し、培養の開始時に加えた。48時間後、TR−FRETアッセイ(PerkinElmer、TRF1221M)を使用するIL2放出のために培養上清を回収した。図16に示すように、抗PD−L1抗体と組み合わせた抗LAG3抗体は、その対応するモノ抗体より多くのIL−2を有意に産生することができる。
ヒトPD−1およびヒトLAG3の細胞外ドメインを発現する二重ヒト化マウスを使用した。ヒトPD−L1を発現するようにマウス結腸腺癌細胞(MC38)を操作した。0日目に二重ヒト化マウス(hLAG3/hPD−1)の皮下に5×105個のMC38−hPD−L1細胞を移植した。10日目に、137mm3の平均腫瘍体積を有するマウスを選択し、4つの処置群(N=7匹/群)に無作為化した。10日目に開始して1日毎に8つの用量について、マウスにアイソタイプ対照(5mg/kg)、抗PD−L1抗体(5mg/kg)、抗LAG3抗体147H−13(5mg/kg)および抗PD−L1抗体(5mg/kg)+抗LAG3抗体(5mg/kg)を腹腔内投与した。この実施例において使用した抗PD−L1抗体は、高親和性でヒトPD−L1に結合し、PD−1との相互作用を遮断する。実験の継続時間(29日)にわたり週に2回キャリパー測定により腫瘍体積をモニターした。PD−L1抗体および147H−13のいずれも5mg/kgにおいて腫瘍の阻害を示さなかった。対照的に、PD−L1抗体と147H−13との組合せは、MC38腫瘍成長のロバストな阻害を実証し、実験の終了時に74.2%のTGIであった(図17)。したがって、確立されたMC38結腸腺癌モデルにおいて、抗PD−L1および抗LAG3抗体の併用処置は、対応する単剤療法よりも有意に有効であった。
本開示は、本開示の個々の態様の1つの説明を意図する記載された特定の実施形態により範囲を限定されず、機能的に同等の任意の組成物または方法は本開示の範囲内である。本開示の精神または範囲から離れることなく本開示の方法および組成物において様々な改良および改変を行い得ることは当業者に明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等の範囲内である限り、本開示の改良および改変をカバーすることが意図される。
本明細書において言及した全ての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特許出願が参照することにより組み込まれることを具体的かつ個々に指し示されたのと同じ程度まで、参照することにより本明細書に組み込まれる。