JP6934774B2 - イミダゾールジペプチド合成活性を有するタンパク質及びイミダゾールジペプチドの製造方法 - Google Patents
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N末端より108位のアスパラギン(N)残基がアラニン(A)残基、グルタミン酸(E)残基又はグルタミン(Q)残基に置換され、又は、さらに、
112位のイソロイシン(I)残基がバリン(V)残基に置換され、及び/又は、378位のヒスチジン(H)残基がリジン(K)残基又はアルギニン(R)残基に置換されていることを特徴とする、変異タンパク質を提供する。
(i)配列番号2〜16のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(ii)配列番号2〜16のアミノ酸配列と80%以上の相同性を有し、かつ、L−アミノ酸α−リガーゼ活性を有するタンパク質、
(iii)配列番号2〜16のアミノ酸配列の1又は複数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、L−アミノ酸α−リガーゼ活性を有するタンパク質の場合がある。
(i)配列番号2〜4、6、7、9、10、12〜16のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(ii)配列番号2〜4、6、7、9、10、12〜16のアミノ酸配列と80%以上の相同性を有し、かつ、カルノシン合成活性を有するタンパク質、
(iii)配列番号2〜4、6、7、9、10、12〜16のアミノ酸配列の1又は複数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、カルノシン合成活性を有するタンパク質の場合がある。
(i)配列番号2、3、5、6、8〜16のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(ii)配列番号2、3、5、6、8〜16のアミノ酸配列と80%以上の相同性を有し、かつ、アンセリン合成活性を有するタンパク質、
(iii)配列番号2、3、5、6、8〜16のアミノ酸配列の1又は複数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、アンセリン合成活性を有するタンパク質、
であることを特徴とする、請求項4に記載の変異タンパク質。
(i)配列番号6、7、11、14〜16のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(ii)配列番号6、7、11、14〜16のアミノ酸配列と80%以上の相同性を有し、かつ、バレニン合成活性を有するタンパク質、
(iii)配列番号6、7、11、14〜16のアミノ酸配列の1又は複数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、バレニン合成活性を有するタンパク質の場合がある。
本発明の実施態様の1つは、バチルス属細菌であるBacillus subtilis由来でL−アミノ酸α−リガーゼ活性を有するタンパク質YwfEの変異型酵素である。
N末端より108位のアスパラギン(N)残基がアラニン(A)残基、グルタミン酸(E)残基又はグルタミン(Q)残基に置換され、又は、さらに、
112位のイソロイシン(I)残基がバリン(V)残基に置換され、及び/又は、378位のヒスチジン(H)残基がリジン(K)残基又はアルギニン(R)残基に置換されていることを特徴とする、変異タンパク質を提供する。
(i)配列番号2〜16のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(ii)配列番号2〜16のアミノ酸配列と80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、もっとも好ましくは95%以上の相同性を有し、かつ、L−アミノ酸α−リガーゼ活性を有するタンパク質、
(iii)配列番号2〜16のアミノ酸配列の1又は複数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、L−アミノ酸α−リガーゼ活性を有するタンパク質であってもよい。
本発明のもう1つの実施態様は核酸であり、
(i)配列番号2〜16のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(ii)配列番号2〜16のアミノ酸配列と80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、もっとも好ましくは95%以上の相同性を有し、かつ、L−アミノ酸α−リガーゼ活性を有するタンパク質、
(iii)配列番号2〜16のアミノ酸配列の1又は複数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、L−アミノ酸α−リガーゼ活性を有するタンパク質をコードする核酸を挙げることができる。
本発明のもう1つの実施態様は、前記の本発明のタンパク質をコードする遺伝子及び適切な発現配列を含む核酸挿入ベクターである。これらの組換えDNAを作製するための発現ベクターは、商業的に利用可能である。これらのベクターを入手し、利用することにより本発明の核酸挿入ベクターを作製し、下記の本核酸挿入ベクターを含む宿主細胞、すなわち形質転換細胞の作製に使用することができる。
本発明のもう1つの実施態様は、前記核酸挿入ベクターを宿主細胞に導入し、本発明の前記タンパク質を発現する形質転換された宿主細胞である。核酸挿入ベクターを宿主細胞に導入するための試薬は、各種の試薬が商業的に利用可能であり、これらを入手して形質転換細胞の作製に使用できる。
前記の本発明のタンパク質又は形質転換細胞を用い、本発明のタンパク質の基質となる製造原料であるアミノ酸をATPの共存下、緩衝液中でインキュベーションする又は細胞培養用培地中で細胞培養することにより産生される所望とするジペプチドを緩衝液又は培地から単離することにより、これらのジペプチドを製造できる。原料とするアミノ酸としては、L−アラニン(L−Ala)、L−グルタミン(L−Gln)、L−グルタミン酸(L−Glu)、L−バリン(L−Val)、L−ロイシン(L−Leu)、L−イソロイシン(L−Ile)、L−プロリン(L−Pro)、L−フェニルアラニン(L−Phe)、L−トリプトファン(L−Trp)、L−メチオニン(L−Met)、L−セリン(L−Ser)、L−スレオニン(L−Thr)、L−システイン(L−Cys)、L−アスパラギン(L−Asn)、L−チロシン(L−Tyr)、L−リジン(L−Lys)、L−アルギニン(L−Arg)、L−ヒスチジン(L−His)、L−アスパラギン酸(L−Asp)、L−α−Aminobutyric acid、L−Azaserine、L−Theanine、L−4−Hydroxyproline、L−3−Hydroxyproline、L−Ornithine、L−Citrulline、L−6−Diazo−5−oxo−norleucine、グリシン(Gly)及びβ−アラニン(β−Ala)からなる群より選ばれる1種又は2種のアミノ酸の組み合わせを挙げることができる。
カルノシンは、β−アラニンとL−ヒスチジンとを基質として、本発明のタンパク質が触媒として縮合反応することにより産生される。したがって、β−アラニン及びL−ヒスチジンを含む緩衝液に本発明のタンパク質を添加し所定の時間インキュベーション後、産生されるカルノシンを単離精製することにより、所望とするカルノシンを製造できる。
カルノシンは、β−アラニンとL−ヒスチジンとを基質として、本発明のタンパク質が触媒として縮合反応することにより生成される。したがって、β−アラニン及びL−ヒスチジンを含む細胞培養用培地で本発明の形質転換細胞を培養後、産生されるカルノシンを単離精製することにより、所望とするカルノシンを製造し、取得できる。
アンセリンは、β−アラニンと3−メチル−L−ヒスチジンとがペプチド結合したジペプチドである。したがって、本発明のタンパク質を利用してアンセリンを製造する場合には、前記の「(1)本発明のタンパク質を基質であるアミノ酸を含む緩衝液中でインキュベーションすることによるカルノシンの製造方法」に記載において、基質の1つであるL−ヒスチジンの代わりに3−メチル−L−ヒスチジンを使用する以外は、該「(1)カルノシンの製造方法」と同様の条件でインキュベーションし、単離・精製することにより、アンセリンを製造し、取得できる。
アンセリンは、β−アラニンと3−メチル−L−ヒスチジンとがペプチド結合したジペプチドである。したがって、本発明のタンパク質を利用してアンセリンを製造する場合には、前記の「(2)本発明の形質転換細胞を使用するカルノシンの製造方法」に記載において、基質の1つであるL−ヒスチジンの代わりに3−メチル−L−ヒスチジンを使用する以外は、「(2)本発明の形質転換細胞を使用するカルノシンの製造方法」と同様の条件で、実施することにより、アンセリンを製造し、取得できる。
アンセリンは、β−アラニンと1−メチル−L−ヒスチジンとがペプチド結合したジペプチドである。したがって、本発明のタンパク質を利用してバレニンを製造する場合には、前記の「(1)本発明のタンパク質を基質であるアミノ酸を含む緩衝液中でインキュベーションすることによるカルノシンの製造方法」に記載において、基質の1つであるL−ヒスチジンの代わりに1−メチル−L−ヒスチジンを使用する以外は、該「(1)カルノシンの製造方法」と同様の条件でインキュベーションし、単離・精製することにより、バレニンを製造し、取得できる。
バレニンは、β−アラニンと1−メチル−L−ヒスチジンとがペプチド結合したジペプチドである。したがって、本発明のタンパク質を利用してバレニンを製造する場合には、前記の「(2)本発明の形質転換細胞を使用するカルノシンの製造方法」に記載において、基質の1つであるL−ヒスチジンの代わりに1−メチル−L−ヒスチジンを使用する以外は、「(2)本発明の形質転換細胞を使用するカルノシンの製造方法」と同様の条件で、実施することにより、バレニンを製造し、取得できる。
YwfE遺伝子(配列番号11)を組み込んだpETベクターを鋳型として、製造者の指示に従ってQuick Change Site−Directed Mutagenesis(Strategene、米国)を用いて目的の変異を導入した。PCR反応は、表1(組成)及び表2(PCRサイクル)に示す反応条件で実施した。PCR反応では、KOD−Plus−Neo−DNA polymerase(Toyobo Co., Ltd.、大阪)を用いた。プライマー(配列番号33〜44)を使用し、N1
08A、N108E又はN108Qの部位特異的変異を導入したベクターを得た。なお、N108Aに対するベクターはYwfEタンパク質のN末端から108番目のアスパラギン(N)残基をアラニン(A)残基に置換したYwfEタンパク質をコードするポリヌクレオチド(配列番号18)を、N108Eに対するベクターはYwfEタンパク質の108番目のアスパラギン(N)残基をグルタミン酸(E)残基に置換したYwfEタンパク質をコードするポリヌクレオチド(配列番号19)を、N108Qに対するベクターはYwfEタンパク質の108番目のアスパラギン(N)残基をグルタミン(Q)残基に置換したYwfEタンパク質をコードするポリヌクレオチド(配列番号20)を表す。
大腸菌JM109のコンピテントセルと、部位特異的変異導入ベクターとをともに、42℃で熱処理した。その後SOC培地を加えて培養し、カナマイシン50μg/mL含有LB寒天培地に植菌し、37℃で終夜培養した。
部位特異的変異導入ベクターによる大腸菌BL21の形質転換
精製した部位特異的変異導入ベクターを用いて、ヒートショック法により大腸菌BL21の形質転換を行った。大腸菌BL21のコンピテントセルと部位特異的変異導入ベクターとをともに、42℃で熱処理した。その後SOC培地を加えて培養し、カナマイシン50μg/mL含有LB寒天培地に植菌し、37℃で終夜培養した。ここでコロニーを形成した大腸菌を、YwfE発現形質転換細胞とした。
生育したYwfE発現形質転換細胞のコロニーから1つのコロニーを選択し、試験管中でカナマイシン含有LB培地3mLに懸濁して、37℃で5時間、前培養を行った。次に、500mLバッフル付エルレンマイヤーフラスコ中のカナマイシン含有LB培地200mLに前培養液2mLを添加した。37℃、120rpmで2時間本培養した後、100mM IPTG 200μLを添加した。IPTG添加後の培養液を25℃、120rpmで終夜培養した。
解凍した菌体ペレットに、BugBuster(BugBusterTM Protein Extraction Reagent、メルクKGaA社、独国)とリゾチームとを添加し、タンパク質を抽出した。菌体破砕液は遠心分離によって、沈殿(不溶性画分)と上清(無細胞抽出液)とに分離した。無細胞抽出液をHis GraviTrap(GEヘルスケア社、米国)を用いて製造者の指示に従って適用した。溶出した溶液をPD−10カラム(GEヘルスケア社)を用いて、製造者の指示書に従って脱塩した。精製した酵素を、以下の実験で使用されるまで、−80℃で保存した。
精製した酵素の濃度を、クマシーブリリアントブルーを用いた呈色反応後、マイクロプレートリーダーMODEL550(Bio−Rad社、米国)により測定した。検量線法により595nmの吸光度の測定値から精製した酵素濃度を決定した。
N108A、N108E又はN108Qの変異と、I112V、H378K又はH378Rの変異とを組み合わせた二重変異型酵素N108A/I112V(配列番号5)、N108A/H378K(配列番号6)、N108A/H378R(配列番号7)、N108E/I112V(配列番号8)、N108E/H378K(配列番号9)、N108E/H378R(配列番号10)、N108Q/I112V(配列番号11)、N108Q/H378K(配列番号12)及びN108Q/H378R(配列番号13)を作製し、カルノシン合成活性を評価した。簡潔には、上記の部位特異的変異の導入と同様に、N108A、N108E又はN108Qの部位特異的変異を有するベクターを鋳型にして、I112Vのプライマー(配列番号39及び40)、H378Kのプライマー(配列番号41及び42)又はH378Rのプライマー(配列番号43及び44)を用いて部位特異的変異(I112V、H378K又はH378R)をさらに導入し、二重部位特異的変異を有するベクターを得た。その後、上記と同様に、精製した二重部位特異的変異型YwfE(配列番号5〜13)を得た。
N108A/I112V、N108Q/I112Vの変異と、H378K、H378Rの変異とを組み合わせた三重変異型酵素N108A/I112V/H378R(配列番号14)、N108Q/I112V/H378K(配列番号15)及びN108Q/I112V/H378R(配列番号16)を作製し、カルノシン合成活性を評価した。簡潔には、上記の部位特異的変異の導入と同様に、N108A/I112V、N108Q/I112Vの部位特異的変異を有するベクターを鋳型にして、H378Kのプライマー(配列番号41及び42)又はH378Rのプライマー(配列番号43及び44)を用いて部位特異的変異(H378K又はH378R)をさらに導入し、三重部位特異的変異を有するベクターを得た。その後、上記と同様に、精製した三重部位特異的変異型YwfE(配列番号14〜16)を得た。
カルノシンの標品は、市販のカルノシン(Sigma−Aldrich、米国)を使用した。ペプチドの合成量について、Nα−(5−fluoro−2,4−dinitrophenyl)−L−alanineamide(FDAA)誘導体化法を用いたHPLC分析を実施し、検量線法により定量した。該HPLC分析は表4(溶離液組成)及び表5(グラジエントプログラム)に示した条件で定法に従って実施された。
<分析条件>
使用機器:HITACHI L−7000 シリーズ(株式会社日立製作所、東京)
使用カラム:WH−C18A(4×150mm)(株式会社日立ハイテクノロジーズ、東京)
サンプル注入量:10μL
流速:0.5mL/分
カラム温度:40℃
UV検出波長:340nm
図1は、野生型酵素(配列番号1)と、単変異型酵素N108A(配列番号2)、N108E(配列番号3)、N108Q(配列番号4)と、二重変異型酵素N108A/I112V(配列番号5)、N108A/H378K(配列番号6)、N108A/H378R(配列番号7)、N108E/I112V(配列番号8)、N108E/H378K(配列番号9)、N108E/H378R(配列番号10)、N108Q/I112V(配列番号11)、N108Q/H378K(配列番号12)、N108Q/H378R(配列番号13)と、三重変異型酵素N108A/I112V/H378R(配列番号14)、N108Q/I112V/H378K(配列番号15)、N108Q/I112V/H378R(配列番号16)のカルノシン合成によるカルノシン濃度を示す。N108A/I112V(配列番号5)、N108E/I112V(配列番号8)及びN108Q/I112V(配列番号11)を除いて、いずれの変異型酵素においても、野生型と比較して統計学的有意なカルシノン合成活性の上昇を認めた。また、カルシノン合成活性は、N108E/H378K(配列番号9)が最も高く、収率は91.4%であった。
実施例1のカルノシン合成活性の評価と同様に、15種類の変異型酵素(N108A、N108E、N108Q、N108A/I112V、N108A/H378K、N108A/H378R、N108E/I112V、N108E/H378K、N108E/H378R、N108Q/I112V、N108Q/H378K、N108Q/H378R、N108A/I112V/H378R、N108Q/I112V/H378K及びN108Q/I112V/H378R)のアンセリン合成活性を、野生型の活性と比較し評価した。簡潔には、アンセリン合成は、表7に示す組成の反応液中で、30℃で20時間実施された。反応終了後、アンセリン濃度を実施例1と同様にHPLCで定量することにより各変異型酵素のアンセリン合成活性を評価した。アンセリンの標品は、市販のアンセリン(和光純薬工業株式会社、大阪)を使用した。
図2に測定結果を示した。N108Q(配列番号4)及びN108A/H378R(配列番号7)を除いて、いずれの変異型酵素においても、野生型と比較して統計学的有意なアンセリン合成活性の上昇を認めた。また、アンセリン合成活性は、N108Q/I112V/H378K(配列番号15)が最も高く、収率は94.7%であった。
実施例1のカルノシン合成活性の評価と同様に、15種類の変異型酵素(N108A、N108E、N108Q、N108A/I112V、N108A/H378K、N108A/H378R、N108E/I112V、N108E/H378K、N108E/H378R、N108Q/I112V、N108Q/H378K、N108Q/H378R、N108A/I112V/H378R、N108Q/I112V/H378K及びN108Q/I112V/H378R)のバレニン合成活性を、野生型の活性と比較し評価した。簡潔には、バレニン合成は、表8に示す組成の反応液中で、30℃で20時間実施された。反応終了後、バレニン濃度を実施例1と同様にHPLCで定量することにより各変異型酵素のバレニン合成活性を評価した。バレニンの標品は、市販のバレニン(浜理薬品工業株式会社、大阪)を使用した。
図3に測定結果を示した。6種類の変異型酵素(N108A/H378K、N108A/H378R、N108Q/I112V、N108A/I112V/H378R、N108Q/I112V/H378K及びN108Q/I112V/H378R)において、野生型と比較して統計学的有意なバレニン合成活性の上昇を認めた。また、バレニン合成活性は、N108A/H378K(配列番号6)が最も高く、収率は38.8%であった。
ペプチダーゼD(pepD)は、N末端側の任意のアミノ酸(Xaa)と、C末端側のヒスチジン(His)とからなるジペプチド(Xaa−His)を認識し、これを分解する(J.Gen.Microbiol.172,2337−2343(1986))。そのため、細胞を用いる製造方法では、pepDを欠損する菌体を使用することでカルノシンの分解を抑制できると考えられた。
そこで、エシェリヒア・コリ JM101株及びJW0227株を使用して、カルノシンの分解活性を比較評価した。JW0227株はJM101株からペプチダーゼの一種であるpepDの遺伝子を欠損させたものである。表9にJM101株のGenotypeを示す。
図4は、宿主細胞としてJM101株、JW0227株それぞれを使用した際のカルノシン残存率を示す。カルノシン残存率はJM101株では64.2%であり、JW0227株では74.7%であった。このことから、ペプチダーゼの欠損株を用いることにより、生成されたカルノシンの分解を抑制し、カルノシンを高効率で製造できることが明らかとなった。また、アンセリン及びバレニンもペプチダーゼの欠損株を用いることにより、高効率で製造できることが示唆された。
Claims (12)
- 配列番号1で表されるL−アミノ酸α−リガーゼ:YwfE活性を有する変異タンパク質であり、
この変異タンパク質は配列番号2〜16のアミノ酸配列を有し、
N末端より108位のアスパラギン(N)残基がアラニン(A)残基、グルタミン酸(E)残基又はグルタミン(Q)残基に置換され、又は、さらに、
112位のイソロイシン(I)残基がバリン(V)残基に置換され、及び/又は、378位のヒスチジン(H)残基がリジン(K)残基又はアルギニン(R)残基に置換されていることを特徴とする、変異タンパク質。 - 前記L−アミノ酸α−リガーゼ活性が、カルノシン合成活性、アンセリン合成活性及び/又はバレニン合成活性から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の変異タンパク質。
- 請求項1に記載のタンパク質をコードすることを特徴とする、核酸。
- 請求項3に記載の核酸を含むポリヌクレオチドを挿入したことを特徴とする、ベクター。
- 請求項4に記載のベクターを少なくとも1種以上を含むことを特徴とする、宿主細胞。
- 請求項1に記載の変異タンパク質を使用することを特徴とする、ジペプチドの製造方法。
- ペプチダーゼの活性阻害剤とともに、請求項1に記載のタンパク質を使用することを特徴とする、ジペプチドの製造方法。
- 請求項7に記載の宿主細胞を使用することを特徴とする、ジペプチドの製造方法。
- 前記宿主細胞が、ペプチダーゼの欠損細胞であることを特徴とする、請求項1に記載のジペプチドの製造方法。
- 前記ペプチダーゼがペプチダーゼDであることを特徴とする、請求項7又は9に記載のジペプチドの製造方法。
- 前記ジペプチドが、イミダゾールジペプチドであることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載のジペプチドの製造方法。
- 前記イミダゾールジペプチドが、カルノシン、アンセリン及び/又はバレニンであることを特徴とする、請求項11に記載のジペプチドの製造方法。
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