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JP6937664B2 - ロッドの製造方法およびマスキング治具 - Google Patents
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JP6937664B2 - ロッドの製造方法およびマスキング治具 - Google Patents

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Description

本発明は、ロッドの製造方法およびマスキング治具に関する。
ワークのサイズに応じて高さ調整を行うことができるめっき用ハンガがある(例えば、特許文献1参照)。
実開平7−40774号公報
ロッドにめっき処理を行う際の生産性を向上させることが要望されている。
したがって、本発明は、めっき処理を行う際の生産性を向上させることができるロッドの製造方法およびマスキング治具の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るロッドの製造方法は、大径部と、前記大径部よりも小径の小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぐ鍔部と、を有するロッドの前記大径部にめっきを施すロッドの製造方法であって、収容穴と、前記収容穴よりも該収容穴の径方向における外側に広がる当接部と、前記当接部よりも前記収容穴の径方向における外側にあって前記収容穴の軸方向に沿って一側から他側まで貫通する貫通路と、を有するマスキング治具を用い、前記当接部を上に向けて前記マスキング治具を配置し、該マスキング治具に向けて下からめっき液を流すことにより、前記収容穴に前記小径部を収容し前記当接部を前記鍔部に当接させるとともにめっき液を前記貫通路に流して前記大径部に接触させる、構成とした。
本発明に係るマスキング治具は、大径部と、前記大径部よりも小径の小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぐ鍔部と、を有するロッドの前記大径部にめっきを施す際に用いられるマスキング治具であって、前記小径部を収容する収容穴と、前記収容穴よりも該収容穴の径方向における外側に広がって前記鍔部に当接可能な当接部と、前記当接部よりも前記収容穴の径方向における外側にあって前記収容穴の軸方向に沿って一側から他側に貫通するめっき液流通用の貫通路と、を有する、構成とした。
本発明によれば、めっき処理を行う際の生産性を向上させることができる。
本発明に係る一実施形態のロッドの製造方法で製造されるロッドを含むシリンダ装置を示す断面図である。 本発明に係る一実施形態のロッドの製造方法で用いられるめっき装置を示す、マスキング治具を図3に示すII−II線で断面とした断面図である。 本発明に係る一実施形態のロッドの製造方法で用いられるマスキング治具および電極を示す平断面図である。 本発明に係る一実施形態のロッドの製造方法で用いられるめっき装置のめっき処理前の状態を示す断面図である。 本発明に係る一実施形態のロッドの製造方法で用いられるめっき装置のめっき処理時の状態を示す断面図である。 本発明に係る一実施形態のロッドの製造方法で用いられる他のマスキング治具を含むめっき装置のめっき処理時の状態を示す断面図である。 本発明に係る一実施形態のロッドの製造方法で用いられるマスキング治具の他の例を示すものであって、(a)は(b)のX−X’断面図、(b)は(a)のY−Y’断面図である。 本発明に係る一実施形態のロッドの製造方法で用いられるマスキング治具の他の例を示すものであって、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X’断面図である。
本発明に係る一実施形態のロッドの製造方法およびマスキング治具を図面を参照して以下に説明する。
まず、本実施形態の製造方法で製造されるロッド10を含むシリンダ装置11を図1を参照して説明する。図1に示すシリンダ装置11は、自動車や鉄道車両等の車両のサスペンション装置に用いられる緩衝器であり、具体的には自動車のストラット型サスペンションに用いられる緩衝器である。シリンダ装置11は、作動液体が封入される円筒状の内筒12と、内筒12よりも大径で内筒12の外周側に設けられ内筒12との間に作動液体および作動気体が封入されるリザーバ室13を形成する有底筒状の外筒14とを有している。つまり、シリンダ装置11は、外筒14内に内筒12が設けられた複筒式の緩衝器である。
外筒14は、金属製の一部材からなる一体成形品であり、円筒状の側壁部17と、側壁部17の軸方向の一端側を閉塞する底部18と、側壁部17の底部18とは反対側の開口部19とを有している。側壁部17および底部18の中心軸線が外筒14の中心軸線となる。
底部18は、側壁部17の軸方向の端縁部から側壁部17から離れるほど縮径するように延出するテーパ筒状部21と、テーパ筒状部21の側壁部17とは反対側の端縁部から径方向内方に延出する平板状の円環部22と、円環部22のテーパ筒状部21とは反対側の端縁部から円環部22から離れるほど縮径するように延出するテーパ筒状部23と、テーパ筒状部23の円環部22とは反対側の端縁部から径方向内方に延出する平板状の円板部24とを有している。テーパ筒状部21,23は、外筒14の中心軸線を中心とするテーパ状となっており、円環部22および円板部24は、外筒14の中心軸線に対し直交して広がっている。
内筒12は、金属製の一部材からなる一体成形品であり、円筒状をなしている。内筒12は、その軸方向の一端部に取り付けられた円環状のベース部材30を介して外筒14の底部18に係合している。また、内筒12は、その軸方向の他端部に取り付けられた円環状のロッドガイド31を介して外筒14の側壁部17の底部18とは反対側に係合している。
ベース部材30は、内筒12に嵌合し固定された状態で外筒14の底部18に載置されている。ベース部材30は、底部18の円環部22に載置されており、その際に、テーパ筒状部21で径方向に位置決めされる。これにより、ベース部材30は、外筒14と同軸状に配置されることになり、その結果、内筒12の軸方向の一端部を外筒14と同軸状に配置する。
ロッドガイド31は、内筒12と外筒14の側壁部17とに嵌合することで、内筒12の軸方向の他端部を外筒14と同軸状に配置する。このロッドガイド31に対して底部18とは反対側には、円環状のシール部材33が配置されており、このシール部材33も側壁部17の内周部に嵌合されている。側壁部17の底部18とは反対の開口部19側には、カール加工によって径方向内方に塑性変形させられた加締め部34が形成されており、シール部材33は、この加締め部34とロッドガイド31とに挟持されている。シール部材33は、その軸方向の外側がこの加締め部34で係止されることによって、外筒14の開口部19側を封止する。
内筒12内には、ピストン35が摺動可能に嵌装されている。このピストン35は、内筒12内に第1室38と第2室39とを画成している。第1室38は、内筒12内のピストン35とロッドガイド31との間に設けられ、第2室39は、内筒12内のピストン35とベース部材30との間に設けられている。内筒12内の第2室39は、内筒12の一端側に設けられたベース部材30によって、リザーバ室13と画成されている。第1室38および第2室39には作動液体である油液が充填されており、リザーバ室13には作動気体であるガスと作動液体である油液とが充填されている。
ピストン35にはロッド10がナット43によって連結されている。ロッド10は、円柱状の大径部61と、大径部61よりも小径の円柱状の小径部62と、大径部61と小径部62とを繋ぐ円環状の鍔部63と、を有している。大径部61と小径部62とは同軸状に配置されている。
大径部61は、円筒面からなる外径面71と、外径面71の小径部62側の端縁部から小径部62側に延出する、延出先端側ほど小径となるテーパ面72と、を有している。鍔部63は、テーパ面72の外径面71とは反対側の端縁部から径方向内方に延出する円環状の平坦面からなる軸直交面75を有している。小径部62は、軸直交面75の内周縁部から軸方向の大径部61とは反対側に延出する円筒面からなる外径面78と、外径面78の軸方向の大径部61とは反対側に形成されたオネジ部79とを有している。ピストン35は小径部62の外径面78に嵌合されており、鍔部63の軸直交面75に当接している。ナット43は小径部62のオネジ部79に螺合されている。
ロッド10は、大径部61の外径面71においてロッドガイド31およびシール部材33を通って内筒12および外筒14から外部へと延出している。これにより、ロッド10は、一端側が外筒14および内筒12内に配置され他端側が外筒14および内筒12の外部に配置されている。ロッド10は、大径部61の外径面71がロッドガイド31に摺接することになり、ロッドガイド31で案内されて、内筒12および外筒14に対して、ピストン35と一体に軸方向に移動する。ロッド10は、大径部61の外径面71がシール部材33に摺接することになり、シール部材33は、外筒14とロッド10との間を閉塞して、内筒12内の作動液体と、リザーバ室13内の作動気体および作動液体とが外部に漏出するのを規制する。
ピストン35には、軸方向に貫通する通路44および通路45が形成されている。通路44,45は、第1室38と第2室39とを連通可能となっている。ピストン35には、ピストン35に当接することで通路44を閉塞可能な円環状のディスクバルブ46が軸方向の底部18とは反対側に設けられている。また、ピストン35には、ピストン35に当接することで通路45を閉塞可能な円環状のディスクバルブ47が軸方向の底部18側に設けられている。
ディスクバルブ46は、ロッド10が内筒12および外筒14内への進入量を増やす縮み側に移動しピストン35が第2室39を狭める方向に移動して第2室39の圧力が第1室38の圧力よりも所定値以上高くなると通路44を開くことになり、その際に減衰力を発生させる減衰バルブとなっている。ディスクバルブ47は、ロッド10が内筒12および外筒14からの突出量を増やす伸び側に移動しピストン35が第1室38を狭める方向に移動して第1室38の圧力が第2室39の圧力よりも所定値以上高くなると通路45を開くことになり、その際に減衰力を発生させる減衰バルブとなっている。
ベース部材30には、軸方向に貫通する通路52および通路53が形成されている。通路52,53は第2室39とリザーバ室13とを連通可能となっている。ベース部材30には、その軸方向の底部18側に、ベース部材30に当接することで通路52を閉塞可能な円環状のディスクバルブ55が配置され、その軸方向の底部18とは反対側に、ベース部材30に当接することで通路53を閉塞可能な円環状のディスクバルブ56が配置されている。
ディスクバルブ55は、ロッド10が縮み側に移動して第2室39の圧力がリザーバ室13の圧力よりも所定値以上高くなると通路52を開くことになり、その際に減衰力を発生させる減衰バルブとなっている。ディスクバルブ56は、ロッド10が伸び側に移動しピストン35が第1室38側に移動して第2室39の圧力がリザーバ室13の圧力より下降すると通路53を開くことになるが、その際にリザーバ室13から第2室39内に実質的に減衰力を発生させずに作動液体を流すサクションバルブである。
外筒14の底部18の円板部24の外側には円筒状の取付アイ58が溶接により固定されている。シリンダ装置11は、例えばロッド10が車両の車体側に連結され、取付アイ58が車両の車輪側に連結されて、車輪の車体に対する移動に対して減衰力を発生させる。シリンダ装置11は、ロッド10および外筒14が外部から衝撃力を受ける。
次に、本実施形態のロッド10の製造方法について説明する。ロッド10は、金属製であり、大径部61においてロッドガイド31およびシール部材33に対し摺動することになる。また、鍔部63においてピストン35に当接し、小径部62のオネジ部79にナット43を螺合させる。ロッド10は、めっきが施される被めっき物であり、ロッドガイド31およびシール部材33に対し摺動したり、シール部材33よりも外部に露出したりする大径部61にめっきが電着される。具体的には、大径部61の外径面71およびテーパ面72にめっきが電着される。他方で、常に油液に満たされた内筒12の内部にある、鍔部63の軸直交面75と小径部62の外径面78およびオネジ部79とについてはめっきの電着が抑制される。
本実施形態のロッド10の製造方法は、上記したロッド10に対し、めっきを電着させたくない鍔部63の軸直交面75と小径部62の外径面78およびオネジ部79とを遮蔽しつつ、大径部61の外径面71およびテーパ面72にめっきを電着させる方法となっている。
本実施形態のロッド10の製造方法で用いられるめっき処理装置81は、図2に示すように、ロッド10における大径部61よりも小径部62とは反対側の部分を把持する搬送ロボットの把持部82を有している。把持部82は、ロッド10を把持部82から鉛直下方に延出させた状態で把持する。把持部82は、上下に昇降可能となっている。把持部82で把持された状態のロッド10は鉛直方向に沿っており、大径部61よりも小径部62が下側に配置されている。
めっき処理装置81は、把持部82で把持され把持部82とともに下降するロッド10が進入可能な挿入口85を上部に備える処理槽本体86を備えている。また、めっき処理装置81は、処理槽本体86内に、把持部82で把持され把持部82とともに下降するロッド10が進入可能な挿入口91を上部に備える電極92を有している。処理槽本体86の挿入口85よりも電極92の挿入口91の方が下側に配置されている。電極92は、円筒状の壁電極部95と、壁電極部95の上端縁部側に図示せぬ螺子などの締結部材により締結された環状部材96とを有している。環状部材96は、外周側が壁電極部95の外径と同径で、内周側は壁電極部95の内径よりも小径に構成される。つまり、環状部材96は、内周側に壁電極部95よりも径方向内方まで延出する部分を有する。また、環状部材96は、絶縁体である。この環状部材96は、マスキング治具111が電極92から飛び出さないようにするストッパの役割をしている。マスキング治具111を交換するときに取り外しが容易となるように、環状部材96を締結部材により壁電極部95に締結しておくことが望ましい。なお、環状部材96は、壁電極部95の上端縁部から径方向内方に若干延出する円環状の内側延出電極部として壁電極部95と一体構成とし、電極を兼ねてもよい。
めっき処理装置81は、電極92の壁電極部95の内側に配置されるマスキング治具111を有している。マスキング治具111は、ロッド10の大径部61にめっきを施す際にロッド10の鍔部63および小径部62をマスキングするために用いられるものである。マスキング治具111は、電極92に対して独立して移動可能であり、壁電極部95の円筒面状の内周面98を摺動可能であって、上下に昇降可能となっている。
マスキング治具111は、壁電極部95の内周面98に摺接する円筒面状の外径面112を有している。マスキング治具111には、径方向の中央に、円形穴である収容穴115が軸方向に沿って形成されている。収容穴115は、マスキング治具111の軸方向の一端から他端側の途中位置まで形成されている。言い換えれば、収容穴115は、マスキング治具111の軸方向の一端に開口部116を有し他端側は開口しない袋穴となっている。収容穴115は、円筒面状の内壁面117と、内壁面117の開口部116とは反対側の端縁部から径方向内方に広がる底面118とを有している。収容穴115の内径は、ロッド10の小径部62の外径よりも大径であり、鍔部63の軸直交面75の最大径よりも小径となっている。また、収容穴115の深さは、ロッド10の小径部62の軸方向の長さよりも深くなっている。これにより、収容穴115には、ロッド10の小径部62が収容可能であり、鍔部63および大径部61は収容不可となっている。
マスキング治具111には、収容穴115の開口部116側の端部に、収容穴115よりも収容穴115の径方向における外側、言い換えれば収容穴115よりもマスキング治具111の径方向における外側に広がる当接部121を有している。当接部121は、マスキング治具111の軸方向に直交して広がる平坦な円環状の当接面122を有している。当接面122の最小径は、収容穴115の内径と同等であり、ロッド10の鍔部63の軸直交面75の最大径よりも小径で、軸直交面75の最小径よりも大径となっている。また、当接面122の最大径は、軸直交面75の最大径よりも大径となっている。よって、当接部121には、その当接面122に、収容穴115に小径部62が収容された状態のロッド10の鍔部63が軸直交面75において当接可能となっている。収容穴115に小径部62が中心軸線を一致させた同軸状態で収容されると、軸直交面75は全周にわたって当接面122に当接する。
なお、本実施の形態では、マスキング治具111の当接面122は、マスキング治具111の軸方向に直交して広がる平坦な円環状の面としたが、ロッド10にテーパ面72を設けるものにおいては、図7に示すように、マスキング治具111の当接面122もテーパ面とするほうが望ましい。テーパ面72の下切片で円環状の当接面122に当たるようにするには、円環状の当接面122と円筒面状の内壁面117とのなす角Bの範囲が、テーパ面72の角度をAとしたとき、90°<B<(180−A)の範囲となる。
これに平面状の当接面122であてる場合も範囲も考えると、Bの範囲は、
90°≦B<(180−A)
となる。
マスキング治具111には、外径面112から径方向内方に凹む溝状の貫通路125が形成されている。貫通路125は、マスキング治具111を、マスキング治具111の軸方向、言い換えれば収容穴115の軸方向に沿って一端側から他端側まで貫通している。マスキング治具111には、図3に示すように、貫通路125が周方向に等間隔で複数、具体的には4箇所形成されている。貫通路125は、当接部121よりも収容穴115の径方向における外側、言い換えれば当接部121よりもマスキング治具111の径方向における外側に配置されている。これら貫通路125は、めっき液をマスキング治具111の軸方向に通過させるめっき液流通用の通路である。なお、本実施の形態の貫通路125は図3に示すように断面が凹状をしているが、この形状は円形でもよく、どのような形状でもよい。
マスキング治具111には、図2に示すように、軸方向の中間位置に中空部131が、マスキング治具111の軸方向に沿って形成されている。図3に示すように、中空部131は断面円形状であり、マスキング治具111には、中空部131が周方向に等間隔で複数、具体的には4箇所形成されている。中空部131は、当接部121よりも収容穴115の径方向における外側、言い換えれば当接部121よりもマスキング治具111の径方向における外側に配置されている。中空部131は、マスキング治具111の周方向において貫通路125と交互に等間隔で配置されている。これら中空部131は、空気を保持して密閉されており、マスキング治具111に浮力を生じさせる部分となっている。
マスキング治具111は、絶縁性の合成樹脂材料により形成されており、全体が絶縁体となっている。マスキング治具111は、比重が、めっき液よりも小さくなるように構成されている。マスキング治具111は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチエンで形成されている。なお、本実施の形態では、マスキング治具111全体を合成樹脂材料により形成した例を示したが、外周摺動面や穴115を耐摺動性の無機材料や金属材料などで被覆するなど、適宜変更することが可能である。
なお、図8に示すように例えばベーンポンプのベーンのように金属製または硬い樹脂製の中央部材201の円筒状の外周面に複数のスリット202を設け、各スリット202に壁部材203を埋め込んでこれら壁部材203の中央部材201とは反対端に円筒状部材204を固定するようにしてもよい。このように構成することにより、貫通路125を加工等により形成せずとも、設けることができる。
マスキング治具111は、図2に示すように、当接部121および収容穴115の開口部116が上に向く状態で、電極92の壁電極部95内に同軸状に配置されている。マスキング治具111は、自重により壁電極部95の下部位置まで下がると、図示略のストッパに当接して、それ以上の下降が規制される。マスキング治具111は、図示略のストッパに当接して停止する図2に示す位置が昇降範囲の最下位置となっており、この最下位置にある状態が待機状態となっている。
ロッド10の大径部61にめっきを施す際に、めっき処理装置81は、把持部82で把持したロッド10を小径部62側から、処理槽本体86の挿入口85に挿入し、さらに電極92の挿入口91に挿入する。そして、把持部82は、図4に示すように大径部61が所定長さ電極92内に挿入されるようにロッド10を下降させて停止する。このように把持部82で把持されて停止するロッド10は、電極92およびマスキング治具111と同軸状に配置されて、待機状態にあるマスキング治具111よりも上側に停止する。
めっき処理装置81は、上記のように当接部121および収容穴115の開口部116を上に向けて壁電極部95内に配置されて最下位置で停止しているマスキング治具111に向けて、図5に矢印で示すように、電極92内で下から上に向けてめっき液を流す。すると、マスキング治具111は、めっき液の抵抗構造になっており、また、比重がめっき液よりも小さいため、めっき液の流れで浮力が生じ、上昇することになる。このとき、中空部131は密封されているため、めっき液が入り込むことはなく安定した浮力を発生させる。
めっき液によって上昇させられたマスキング治具111は、その収容穴115にロッド10の小径部62を収容しつつ当接部121をロッド10の鍔部63に当接させて停止する。このようにマスキング治具111がロッド10の鍔部63に押し付けられて停止すると、めっき液は、貫通路125を下から上に向けて流れて電極92内で大径部61に接触する。電極92の挿入口91から溢れためっき液は、処理槽本体86と電極92との間を通って下方に流れる。
以上を言い換えれば、めっき処理装置81は、当接部121および収容穴115の開口部116を上に向けてマスキング治具111を配置し、マスキング治具111に向けて下からめっき液を流すことにより、マスキング治具111の収容穴115にロッド10の小径部62を収容し、マスキング治具111の当接部121をロッド10の鍔部63に当接させるとともに、めっき液をマスキング治具111の貫通路125に下から流してロッド10の大径部61に接触させる。
そして、上記のように電極92内でめっき液を流し続けた状態で、ロッド10と電極92の接点との間に給電する。すると、絶縁体であるマスキング治具111と軸方向の位置が重なり合って覆われている小径部62は、めっきの電着すなわちめっき層の形成が抑制され、マスキング治具111に軸方向の位置が重なり合わず覆われていない大径部61にはめっきが電着されめっき層が形成される。しかも、ロッド10の鍔部63が全周にわたって当接部121に当接して挿入口85を閉塞していて、挿入口85内へのめっき液の流入を抑制することから、小径部62のめっき層の形成がさらに抑制される。加えて、ロッド10の鍔部63の外周縁部が全周にわたって当接部121に当接しているため、鍔部63の軸直交面75と当接部121の当接面122との間へのめっき液の流入をも抑制し、よって、鍔部63の軸直交面75もめっき層の形成が抑制される。さらに、マスキング治具111の円筒面状の外径面112と電極部95の円筒面状の内周面98の隙間を狭くすることによって、マスキング治具111が、マスキング治具111より下部に位置する電極部95の円筒面状の内周面98から流れてくるはずの電流を遮蔽する遮蔽板として働くため、本来ロッド10の下方に集中するはずの電流を抑制する。このことにより膜厚均一化に効果が得られる。
大径部61に所定厚さのめっき層が形成されると、めっき処理装置81は、電極92内でマスキング治具111に向けて下から流すめっき液を停止させる。すると、マスキング治具111は、自重により最下位置まで下降してストッパに当接して待機状態に戻る。その後、図2に示す把持部82が上昇してロッド10を電極92および処理槽本体86から引き上げて、後工程に払い出し、次にめっき処理するロッド10を把持する。
上記した特許文献1には、ワークのサイズに応じて高さ調整を行うことができるめっき用ハンガが記載されている。このようなめっき用ハンガを用いると、ワークのサイズに応じて高さ調整を行う必要があり、生産性が低下してしまう。
これに対して、本実施形態は、収容穴115と、収容穴115よりも収容穴115の径方向における外側に広がる当接部121と、当接部121よりも収容穴115の径方向における外側にあって収容穴115の軸方向に沿って一側から他側まで貫通する貫通路125と、を有するマスキング治具111を用いることになり、当接部121および収容穴115の開口部116を上に向けてマスキング治具111を配置するとともに、このマスキング治具111の上方に、小径部62を大径部61よりも下にしてロッド10を固定する。そして、マスキング治具111に向けて下からめっき液を下から流すことにより、マスキング治具111を上昇させて、収容穴115にロッド10の小径部62を収容し、当接部121をロッド10の鍔部63に当接させるとともに、めっき液を貫通路125に下から流してロッド10の大径部61に接触させる。この状態でめっき処理を行う。
これにより、大径部61の長さが異なる複数種類のロッド10を、同じめっき処理装置81によってめっき処理する場合であっても、最下位置から上昇するマスキング治具111が、大径部61の長さに応じて高さ位置が異なることになる鍔部63の高さ位置に応じて停止して鍔部63および小径部62を良好にマスキングする。よって、大径部61の長さが異なる複数種類のロッド10をめっき処理する場合であっても、めっきを電着させたくない鍔部63の軸直交面75と小径部62の外径面78およびオネジ部79を遮蔽しつつ大径部61にめっきを電着させることが、めっき処理装置81の段取り替えを行うことなくできることになる。したがって、めっき処理を行う際の生産性を向上させることができる。
また、マスキング治具111にめっき液を流通させる貫通路125を形成しているため、電極92内でマスキング治具111を上昇させるためにマスキング治具111の下方からマスキング治具111に向けて流すめっき液を、マスキング治具111の上方にあってめっきが施される大径部61に接触するように円滑に流すことができる。
また、マスキング治具111に中空部131が形成されているため、マスキング治具111にめっき液に対する浮力を良好に生じさせることができる。中空部131は、例えば、マスキング治具111の射出成形時において袋穴状に形成され、その開口部を別体の蓋部材で閉塞すること等により形成される。なお、中空部131は、下部に開口部を有していても、めっき液の浸入は抑制されるため、マスキング治具111に浮力を発生させることができる。
なお、めっき液の被覆力(カバーリングパワー)に応じてマスキング治具111の構造を変更しても良い。ここで、めっき液の被覆力とは、凹部や裏面などの陰になり易い部分にめっきを電着させる能力である。例えば、上記においては、図2〜図5に示すようにマスキング治具111の収容穴115を袋穴としたが、図6に示すように収容穴115をマスキング治具111を軸方向に貫通する貫通穴としても良い。例えば、めっき液の被覆力が高い場合、図2〜図5に示すように収容穴115を袋穴とする。他方、めっき液の被覆力が低い場合は、図6に示すように収容穴115を貫通穴としても、例えばマスキング治具111の軸方向長さを必要に応じて長くすることによってめっきの小径部62への析出を抑制することができる。
以上に述べた実施形態の第1の態様は、大径部と、前記大径部よりも小径の小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぐ鍔部と、を有するロッドの前記大径部にめっきを施すロッドの製造方法であって、収容穴と、前記収容穴よりも該収容穴の径方向における外側に広がる当接部と、前記当接部よりも前記収容穴の径方向における外側にあって前記収容穴の軸方向に沿って一側から他側まで貫通する貫通路と、を有するマスキング治具を用い、前記当接部を上に向けて前記マスキング治具を配置し、該マスキング治具に向けて下からめっき液を流すことにより、前記収容穴に前記小径部を収容し前記当接部を前記鍔部に当接させるとともにめっき液を前記貫通路に流して前記大径部に接触させることを特徴とする。これにより、めっき処理を行う際の生産性を向上させることができる。
実施形態の第2の態様は、上記第1の態様において、前記マスキング治具が絶縁性の合成樹脂材料により形成されていることを特徴とする。これにより、小径部に析出するめっきを抑制することができる。
実施形態の第3の態様は、大径部と、前記大径部よりも小径の小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぐ鍔部と、を有するロッドの前記大径部にめっきを施す際に用いられるマスキング治具であって、前記小径部を収容する収容穴と、前記収容穴よりも該収容穴の径方向における外側に広がって前記鍔部に当接可能な当接部と、前記当接部よりも前記収容穴の径方向における外側にあって前記収容穴の軸方向に沿って一側から他側に貫通するめっき液流通用の貫通路と、を有することを特徴とする。これにより、めっき処理を行う際の生産性を向上させることができる。
10 ロッド
61 大径部
62 小径部
63 鍔部
111 マスキング治具
115 収容穴
121 当接部
125 貫通路

Claims (3)

  1. 大径部と、前記大径部よりも小径の小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぐ鍔部と、を有するロッドの前記大径部にめっきを施すロッドの製造方法であって、
    収容穴と、前記収容穴よりも該収容穴の径方向における外側に広がる当接部と、前記当接部よりも前記収容穴の径方向における外側にあって前記収容穴の軸方向に沿って一側から他側まで貫通する貫通路と、を有するマスキング治具を用い、
    前記当接部を上に向けて前記マスキング治具を配置し、該マスキング治具に向けて下からめっき液を流すことにより、前記収容穴に前記小径部を収容し前記当接部を前記鍔部に当接させるとともにめっき液を前記貫通路に流して前記大径部に接触させることを特徴とするロッドの製造方法。
  2. 前記マスキング治具が絶縁性の合成樹脂材料により形成されていることを特徴とする請求項1記載のロッドの製造方法。
  3. 大径部と、前記大径部よりも小径の小径部と、前記大径部と前記小径部とを繋ぐ鍔部と、を有するロッドの前記大径部にめっきを施す際に用いられるマスキング治具であって、
    前記小径部を収容する収容穴と、
    前記収容穴よりも該収容穴の径方向における外側に広がって前記鍔部に当接可能な当接部と、
    前記当接部よりも前記収容穴の径方向における外側にあって前記収容穴の軸方向に沿って一側から他側に貫通するめっき液流通用の貫通路と、
    を有することを特徴とするマスキング治具。
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