JP6942952B2 - 電池用セパレータ、電池及び電池用セパレータ塗液 - Google Patents
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Description
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2] 繊維状セルロースはリン酸化セルロースである[1]に記載の電池用セパレータ。
[3] 繊維状セルロースとバインダー樹脂の合計含有量は、微粒子100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下である[1]又は[2]に記載の電池用セパレータ。
[4] 繊維状セルロースの含有量とバインダー樹脂の含有量の質量比は、1:99〜99:1である[1]〜[3]のいずれかに記載の電池用セパレータ。
[5] バインダー樹脂は、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂及びシリコーン系樹脂から選択される少なくとも1種を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の電池用セパレータ。
[6] 基材は、ポリオレフィン系樹脂を含む[1]〜[5]のいずれかに記載の電池用セパレータ。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の電池用セパレータを備える電池。
[8] 繊維幅が1000nm以下であって、イオン性置換基を有する繊維状セルロースと、微粒子と、バインダー樹脂と、を含む電池用セパレータ塗液。
[9] 繊維状セルロースはリン酸化セルロースである[8]に記載の電池用セパレータ塗液。
[10] 繊維状セルロースとバインダー樹脂の合計含有量は、微粒子100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下である[8]又は[9]に記載の電池用セパレータ塗液。
[11] 繊維状セルロースの含有量とバインダー樹脂の含有量の質量比は、1:99〜99:1である[8]〜[10]のいずれかに記載の電池用セパレータ塗液。
[12] バインダー樹脂は、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂及びシリコーン系樹脂から選択される少なくとも1種を含む[8]〜[11]のいずれかに記載の電池用セパレータ塗液。
本発明は、基材と、繊維含有層を有する電池用セパレータに関するものでもある。繊維含有層は、繊維幅が1000nm以下であって、イオン性置換基を有する繊維状セルロースと、微粒子と、バインダー樹脂と、を含む。なお、本明細書においては、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロースを、微細繊維状セルロースともいう。
さらに、本発明の電池用セパレータにおいては、繊維含有層の全域にわたって均一な気孔が形成されている点にも特徴がある。このように、本発明の電池用セパレータにおける繊維含有層においては、塗工ムラの発生が抑えられており、微粒子の分散性に優れており、かつ均一な気孔が形成されているから、電池用セパレータとしての性能が良好であることに加え、安全性が高い。
本発明の電池用セパレータは繊維含有層を有する。繊維含有層は、繊維幅が1000nm以下であって、イオン性置換基を有する繊維状セルロースと、微粒子と、バインダー樹脂と、を含む。
電池用セパレータは、基材の少なくとも一方の面に繊維含有層を有するものであればよく、基材の両面に繊維含有層を有するものであってもよいが、基材の片面に繊維含有層を有するものであることが好ましい。このような繊維含有層は、基材の表面に電池用セパレータ塗液を塗工することで形成される。本明細書においては、このような繊維含有層を塗工層と呼ぶこともある。なお、繊維含有層(塗工層)を形成する電池用セパレータ塗液の一部は、基材の微多孔の内部に侵入していてもよい。このような状態は、電池用セパレータ塗液の一部が、基材の表層領域に染みこんでいる状態とも言える。
繊維含有層は、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロース(微細繊維状セルロース)を含む。
この場合は、まず、繊維含有層の表面を透過型電子顕微鏡で観察し、微細繊維状セルロースの存在を確認する。次いで、固体NMRを用いて、セルロースのI型結晶を検出する。
まず、電池用セパレータを1cm角程度に断裁後、カッターミルを用いて1mm角程度にまで粉砕する。次いで、電池用セパレータの粉砕物1gに対し、100mlの割合となるように0.5mol/L銅エチレンジアミン溶液を加え、撹拌して微細繊維状セルロースを溶解する。得られた溶解液を、ろ過して残渣を取り除いた後、水中に滴下し、再生セルロースを得る。この再生セルロースは微細繊維状セルロースが銅エチレンジアミン溶液中で溶解し、水中で再生されたものである。得られた再生セルロースはろ別し、十分に水洗後、乾燥させる。
TAPPI International Standard; ISO/FDIS 5351, 2009.
Smith, D. K.; Bampton, R. F.; Alexander, W. J. Ind. Eng. Chem.,Process Des. Dev. 1963, 2, 57-62.
測定に用いた絶乾状態の微細繊維状セルロース質量:a(g)(但し、aは0.14以上0.16以下)
溶液のセルロース濃度:c=a/30(g/mL)
溶媒落下時間:t0(sec)
微細繊維状セルロース溶液の落下時間:t(sec)
溶液の相対粘度:ηrel=t/t0
溶液の比粘度:ηsp=ηrel―1
固有粘度:[η]=ηsp/c(1+0.28ηsp)
重合度:DP=[η]/0.57
なお、微細繊維状セルロースの平均重合度は、上記方法で算出されるものであるため、粘度平均重合度と呼ばれることもある。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
微細繊維状セルロースに占めるI型結晶構造の割合は30%以上であることが好ましく、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。この場合、耐熱性と低線熱膨張率発現の点でさらに優れた性能が期待できる。結晶化度については、X線回折プロファイルを測定し、そのパターンから常法により求められる(Seagalら、Textile Research Journal、29巻、786ページ、1959年)。
リン酸基導入工程は、セルロースを含む繊維原料に対し、リン酸基を有する化合物及びその塩から選択される少なくとも1種(以下、「リン酸化試薬」又は「化合物A」という)を反応させることにより行うことができる。このようなリン酸化試薬は、乾燥状態または湿潤状態の繊維原料に粉末や水溶液の状態で混合してもよい。また別の例としては、繊維原料のスラリーにリン酸化試薬の粉末や水溶液を添加してもよい。
リン酸基を有する化合物としては、リン酸、リン酸のリチウム塩、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩などが挙げられるが、特に限定されない。リン酸のリチウム塩としては、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸三リチウム、ピロリン酸リチウム、またはポリリン酸リチウムなどが挙げられる。リン酸のナトリウム塩としてはリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、またはポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。リン酸のカリウム塩としてはリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、またはポリリン酸カリウムなどが挙げられる。リン酸のアンモニウム塩としては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
微細繊維状セルロースがカルボキシル基を有するものである場合、カルボキシル基導入工程を経ることで微細繊維状セルロースにカルボキシル基を導入することができる。カルボキシル基導入工程では、TEMPO酸化処理などの酸化処理やカルボン酸由来の基を有する化合物、その誘導体、またはその酸無水物もしくはその誘導体によって繊維原料を処理することで、微細繊維状セルロースにカルボキシル基を導入することができる。
微細繊維状セルロースを製造する場合、リン酸基導入工程やカルボキシル基導入工程といったイオン性置換基導入工程と、後述する解繊処理工程との間にアルカリ処理を行ってもよい。アルカリ処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ溶液中に、イオン性置換基導入繊維を浸漬する方法が挙げられる。
アルカリ溶液に含まれるアルカリ化合物は、特に限定されないが、無機アルカリ化合物であってもよいし、有機アルカリ化合物であってもよい。アルカリ溶液における溶媒としては水または有機溶媒のいずれであってもよい。溶媒は、極性溶媒(水、またはアルコール等の極性有機溶媒)が好ましく、少なくとも水を含む水系溶媒がより好ましい。
また、アルカリ溶液のうちでは、汎用性が高いことから、水酸化ナトリウム水溶液、または水酸化カリウム水溶液が特に好ましい。
アルカリ処理工程におけるアルカリ溶液への浸漬時間は特に限定されないが、5分以上30分以下が好ましく、10分以上20分以下がより好ましい。
アルカリ処理におけるアルカリ溶液の使用量は特に限定されないが、イオン性置換基導入繊維の絶対乾燥質量に対して100質量%以上100000質量%以下であることが好ましく、1000質量%以上10000質量%以下であることがより好ましい。
微細繊維状セルロースを製造する場合、イオン性置換基導入工程と、後述する解繊処理工程の間に酸処理を行ってもよい。また、イオン性置換基導入工程、酸処理、アルカリ処理及び解繊処理をこの順で行ってもよい。
酸処理工程における酸溶液への浸漬時間は特に限定されないが、5分以上120分以下が好ましく、10分以上60分以下がより好ましい。
酸処理における酸溶液の使用量は特に限定されないが、イオン性置換基導入繊維の絶対乾燥質量に対して100質量%以上100000質量%以下であることが好ましく、1000質量%以上10000質量%以下であることがより好ましい。
セルロース繊維は、解繊処理工程で解繊処理される。解繊処理工程では、通常、解繊処理装置を用いて、繊維を解繊処理して、微細繊維状セルロース含有スラリーを得るが、処理装置、処理方法は、特に限定されない。解繊処理工程では、イオン性置換基を有するセルロース繊維に対して解繊処理を施すことが解繊効率の観点から好ましい。
解繊処理装置としては、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミルなどを使用できる。あるいは、解繊処理装置としては、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、またはビーターなど、湿式粉砕する装置等を使用することもできる。解繊処理装置は、上記に限定されるものではない。好ましい解繊処理方法としては、粉砕メディアの影響が少なく、コンタミの心配が少ない高速解繊機、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーが挙げられる。
微粒子としては、有機微粒子及び無機微粒子を挙げることができる。中でも微粒子は、無機微粒子であることが好ましい。
また、上記微粒子の表面を、電気絶縁性を有する材料(例えば、上記絶縁性微粒子を構成する材料など)で表面被覆することで、電気絶縁性を持たせた微粒子とすることもできる。
繊維含有層は、バインダー樹脂を含む。バインダー樹脂としては、イオン伝導能を有する高分子を用いることが好ましい。本発明において、バインダー樹脂とは、微細繊維状セルロースとの結着作用を発揮し得るものをいう。結着作用を発揮し得る樹脂としては例えば、熱融着性の合成高分子を挙げることができる。例えば、カルボキシメチルセルロースは微細繊維状セルロースとの結着作用を発揮しないものであるため、バインダー樹脂には含まれない。
(メタ)アクリル酸単量体単位および(メタ)アクリル酸と共重合可能な以下の単量体単位((メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等)を含むアクリル酸アルキル樹脂;
エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、スチレン又はその誘導体によって変性された上記アクリル酸アルキル樹脂等の変性アクリル酸アルキル樹脂;
(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルなど)からなる樹脂;及びポリアクリル酸等を挙げることができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン等を挙げることができる。
ウレタン系樹脂としては、例えば、ポリウレタン、エポキシ変性ポリウレタン樹脂、シリコーン変性ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
シリコーン樹脂としては、例えば、メチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂等を挙げることができる。
繊維含有層は内添サイズ剤、アニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留り向上剤、濾水性向上剤等の内添助剤を必要に応じて添加することができる。内添サイズ剤の具体例としては、例えば、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、スチレン−アクリル系、高級脂肪酸系、石油樹脂系サイズ剤、ロジン系サイズ剤、ポリビニルアルコール等が挙げられる。また、歩留り向上剤、濾水性向上剤の具体例としては、例えば、アルミニウム等の多価金属化合物(具体的には、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物等)、各種澱粉類、凝集剤、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリエチレンオキサイド等が例示できる。さらに、染料、pH調整剤、スライムコントロール剤、消泡剤、粘剤等の添加助剤も用途に応じて適宜使用できる。上記の内添助剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電池用セパレータは基材を含む。基材は、電解液に対し安定なものであって、多孔性基材であることが好ましい。
中でも基材の構成材料は、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましく、ポリプロピレン又はポリエチレンであることがより好ましい。基材はポリプロピレン又はポリエチレンからなる不織布もしくはフィルムであることが特に好ましい。
また、必要に応じて、他の樹脂を併用することもできる。併用可能な樹脂としては、塩化ビニル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン/アクリル酸エステル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂や、SBR、NBR等のゴム系エマルジョンなどが挙げられる。
電池用セパレータの製造工程は、基材の少なくとも一方の面に電池用セパレータ塗液を塗布する工程と、電池用セパレータ塗液が塗布された基材を乾燥する工程とを含むことが好ましい。電池用セパレータ塗液を基材表面に塗布する際には、従来から知られている塗工機を用いることができる。塗工機としては、例えば、ダイコーター、グラビアコーター、リバースロールコーター、スクイズロールコーター、カーテンコーター、ブレードコーター、ナイフコーターなどを挙げることができる。なお、電池用セパレータ塗液は基材の片面に塗布されることが好ましい。
本発明は、繊維幅が1000nm以下であって、イオン性官能基を有する繊維状セルロースと、微粒子と、バインダー樹脂と、を含む電池用セパレータ塗液に関するものでもある。
この場合は、まず、電池用セパレータ塗液を希釈し、乾燥させた後に、透過型電子顕微鏡で観察し、微細繊維状セルロースの存在を確認する。次いで、固体NMRを用いて、セルロースのI型結晶を検出する。
まず、50ml容量のアルミカップに電池用セパレータ塗液20±5gを量り取る。同様にして、電池用セパレータ塗液を量り取ったアルミカップを複数個用意する。送風定温乾燥機にて105℃で16時間加熱し電池用セパレータ塗液を乾燥させる。乾燥させた電池用セパレータ塗液1gに対し、100mlの割合となるように0.5mol/L銅エチレンジアミン溶液を加え、撹拌して微細繊維状セルロースを溶解する。得られた溶解液を、ろ過して残渣を取り除いた後、水中に滴下し、再生セルロースを得る。この再生セルロースは微細繊維状セルロースが銅エチレンジアミン溶液中で溶解し、水中で再生されたものである。得られた再生セルロースはろ別し、十分に水洗後、乾燥させる。
電池用セパレータ塗液は分散媒を含むことが好ましい。分散媒としては、水や有機溶媒、及びこれらの混合物が挙げられる。中でも分散媒は水であることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール等が挙げられる。なお、本明細書において分散媒とは、電池用セパレータ塗液中において、繊維含有層形成時の乾燥の際に残る固形分を除いた残りの部分を指す。
本発明は、上述した電池用セパレータを備える電池に関するものであってもよい。本発明の電池は、有機電解液を用いるリチウム電池(一次電池および二次電池)や、スーパーキャパシタであることが好ましい。
負極としては、従来から知られているリチウム二次電池に用いられている負極であれば特に制限はない。負極はLi+イオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する。
乾燥質量100質量部の針葉樹クラフトパルプに、リン酸二水素アンモニウムと尿素の混合水溶液を含浸させ、リン酸二水素アンモニウムが49質量部、尿素が130質量部となるように圧搾し、薬液含浸パルプを得た。得られた薬液含浸パルプを105℃の乾燥機で乾燥し、水分を蒸発させてプレ乾燥させた。その後、140℃に設定した送風乾燥機で、10分間加熱し、パルプ中のセルロースにリン酸基を導入し、リン酸化パルプを得た。
乾燥質量100質量部の針葉樹クラフトパルプをシングルディスクリファイナー(熊谷理機工業株式会社製、KRK加圧レファイナー)にて変則フリーネスが100mlになるまで叩解し、固形分濃度が2質量%のパルプ分散液を得た。これを固形分濃度が0.2質量%になるようにイオン交換水で希釈し、微細繊維状セルロース1の製造と同様に湿式微粒化装置で200MPaの圧力にて15回処理し、微細繊維状セルロース2を得た。
乾燥質量100質量部の針葉樹クラフトパルプをシングルディスクリファイナー(熊谷理機工業株式会社製、KRK加圧レファイナー)にてフリーネス(測定はJIS P 8121に準じる)が400mlになるまで叩解し、固形分濃度が2質量%のパルプ分散液を得た。
<繊維幅の測定>
微細繊維状セルロース1及び2の繊維幅を下記の方法で測定した。
湿式微粒化装置にて処理をした微細繊維状セルロースの上澄み液を、微細繊維状セルロースの濃度が0.01質量%以上0.1質量%以下となるように水で希釈し、親水化処理したカーボングリッド膜に滴下した。乾燥後、酢酸ウラニルで染色し、透過型電子顕微鏡(日本電子社製、JEOL−2000EX)により観察した。観測された繊維についてランダムに30点抽出し、平均繊維径を算出した。微細繊維状セルロース1の平均繊維径は4nm、微細繊維状セルロース2の繊維径は75nmであった。
分散パルプの繊維径についてはパルプ分散液をスライドガラス上に滴下し、110℃で乾燥後、デジタルマイクロスコープ(株式会社ハイロックス製、KH2700)により観察した。観測された繊維についてランダムに30点抽出し、平均繊維径を算出した。平均繊維径は16000nmであった。
置換基導入量は、繊維原料へのリン酸基の導入量である。置換基導入量は、対象となる微細繊維状セルロースをイオン交換水で含有量が0.2質量%となるように希釈した後、イオン交換樹脂による処理、アルカリを用いた滴定によって測定した。イオン交換樹脂による処理では、0.2質量%繊維状セルロース含有スラリーに体積で1/10の強酸性イオン交換樹脂(アンバージェット1024;オルガノ株式会社、コンディショング済)を加え、1時間振とう処理を行った。その後、目開き90μmのメッシュ上に注ぎ、樹脂とスラリーを分離した。アルカリを用いた滴定では、イオン交換後の微細繊維状セルロース含有スラリーに、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えながら、スラリーが示す電気伝導度の値の変化を計測した。すなわち、図1に示した曲線の第1領域で必要としたアルカリ量(mmol)を、滴定対象スラリー中の固形分(g)で除して、置換基導入量(mmol/g)とした。置換基量は1.60mmol/gであった。
微細繊維状セルロース及び分散パルプを構成するセルロース分子の平均重合度の評価は下記の論文を参考に行なった。
TAPPI International Standard; ISO/FDIS 5351, 2009.
Smith, D. K.; Bampton, R. F.; Alexander, W. J. Ind. Eng. Chem.,Process Des. Dev. 1963, 2, 57-62.
リファレンスを測定するために、50ml容量の空のスクリュー管に純水15mlと1mol/Lの銅エチレンジアミン15mlを加え、0.5mol/Lの銅エチレンジアミン溶液を調製した。キャノンフェンスケ粘度計に上記の0.5mol/Lの銅エチレンジアミン溶液10mlを入れ、5分間置いた後、25℃における落下時間を測定して溶媒落下時間とした。
測定に用いた絶乾状態の微細繊維状セルロース質量:a(g)(但し、aは0.14以上0.16以下)
溶液のセルロース濃度:c=a/30(g/mL)
溶媒落下時間:t0(sec)
微細繊維状セルロース溶液もしくは分散パルプ溶液の落下時間:t(sec)
溶液の相対粘度:ηrel=t/t0
溶液の比粘度:ηsp=ηrel―1
固有粘度:[η]=ηsp/c(1+0.28ηsp)
重合度:DP=[η]/0.57
なお、微細繊維状セルロース1の平均重合度は370であり、微細繊維状セルロース2の平均重合度は850であり、分散パルプの平均重合度は2200であった。
(チタン酸バリウム分散液の調製)
チタン酸バリウム粉末(共立マテリアル社製、BT−HP9DX、粒子径:0.4μm)100質量部、微細繊維状セルロース1の懸濁液(固形分濃度2質量%)5質量部、及び水120質量部の混合物をT.K.ホモディスパー(特殊機化工業製)で3000rpmにて1時間撹拌し、チタン酸バリウム分散液(1)を得た。
チタン酸バリウム分散液(1)225質量部、ビニブラン2685(アクリル系エマルジョン、日信化学工業社製、固形分濃度30質量%)14.6質量部、および水20質量部を混合して電池用セパレータ塗液を得た。
(チタン酸バリウム分散液(2)の調製)
実施例1のチタン酸バリウム分散液の調製において、微細繊維状セルロース1の懸濁液(固形分濃度2質量%)の量を5質量部から25質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてチタン酸バリウム分散液(2)を調製した。
実施例1の電池用セパレータ塗液の調製において、チタン酸バリウム分散液(1)225質量部に代えてチタン酸バリウム分散液(2)245質量部を用い、ビニブラン2685の量を14.6質量部から13.3質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして電池用セパレータ塗液を調製した。
(チタン酸バリウム分散液(3)の調製)
実施例1のチタン酸バリウム分散液の調製において、微細繊維状セルロース1の懸濁液(固形分濃度2質量%)の量を5質量部から100質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてチタン酸バリウム分散液(3)を調製した。
実施例1の電池用セパレータ塗液の調製において、チタン酸バリウム分散液(1)225質量部に代えてチタン酸バリウム分散液(3)320質量部を用い、ビニブラン2685の量を14.6質量部から8.3質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして電池用セパレータ塗液を調製した。
(電池用セパレータ塗液の調製)
実施例2の電池用セパレータ塗液の調製において、ビニブラン2685の量を13.3質量部から33質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして電池用セパレータ塗液を調製した。
(電池用セパレータ塗液の調製)
実施例2の電池用セパレータ塗液の調製において、ビニブラン2685に代えてハイテックP5060P(ポリプロピレンワックスエマルジョン、東邦化学工業社製、固形分濃度40質量%)を用い、添加量を10質量部とした以外は、実施例2と同様にして電池用セパレータ塗液を調製した。
(電池用セパレータ塗液の調製)
実施例2の電池用セパレータ塗液の調製において、ビニブラン2685に代えてシャリーヌR−170BX(シリコーン・アクリル系エマルジョン、日信化学工業社製、固形分濃度45質量%)を用い、添加量を8.8質量部とした以外は、実施例2と同様にして電池用セパレータ塗液を調製した。
(電池用セパレータ塗液の調製)
実施例2の電池用セパレータ塗液の調製において、ビニブラン2685に代えてスーパーフレックス150(水系ウレタン樹脂、第一工業製薬社製、固形分濃度30質量%)を用い、添加量を13.3質量部とした以外は、実施例2と同様にして電池用セパレータ塗液を調製した。
(電池用セパレータ塗液の調製)
実施例1のチタン酸バリウム分散液の調製において微細繊維状セルロース1を使用せず、実施例1の電池用セパレータ塗液の調製においてビニブラン2685の量を14.6質量部から15質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして電池用セパレータ塗液を調製した。
(電池用セパレータ塗液の調製)
実施例2のチタン酸バリウム分散液の調製において微細繊維状セルロース1の代わりに微細繊維状セルロース2を250質量部使用した以外は実施例2と同様にして電池用セパレータ塗液を調製した。
(電池用セパレータ塗液の調製)
実施例2のチタン酸バリウム分散液の調製において微細繊維状セルロース1の代わりにパルプ分散液を使用した以外は実施例2と同様にして電池用セパレータ塗液を調製した。
<微粒子分散性>
電池用セパレータ塗液を23℃で1日静置した後、粒子の沈降の有無を確認し、以下の基準で評価した。
○:微粒子の沈降がなく、上澄み層が存在しない。
×:微粒子の沈降があり、上澄み層が存在する。
ポリエチレン繊維(繊維長:5mm、繊維強度:28cN/dtex、弾性率:900cN/dtex)を0.2質量%となるように水に分散し、湿式抄紙法にて、ランダムな配向のウェブを形成した。このウェブに接着剤としてエチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂(東邦化学製、ハイテックS−3148、エチレン/アクリル酸=80質量部/20質量部、樹脂末端にウレタン基を有する)を対ポリエチレン繊維比で10質量%となるように噴霧した後、110℃に設定した熱風乾燥機にて乾燥することによって30g/m2の不織布を得た。この不織布に対しカレンダー処理を行い密度が0.64g/cm3の不織布を得た。この不織布を、電池用セパレータ塗液を塗工するための不織布基材とした。
上記不織布基材に乾燥後の繊維含有層坪量が5g/m2となるよう、実施例及び比較例で得られた電池用セパレータ塗液を塗工して電池用セパレータを作製した。
<塗工性>
不織布基材に乾燥後の繊維含有層坪量が5g/m2となるよう、電池用セパレータ塗液を塗工し、塗工性を以下の基準で評価した。
○:塗工後の外観観察で全面にムラがない。
△:塗工後の外観観察で一部にムラ部分がある。
×:塗工後の外観観察で全面にムラがみられる。もしくは塗工自体が出来ない。
作製された電池用セパレータの表面を、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、以下の基準で評価した。
○:微粒子が一様に分散されており、繊維含有層のすべてにわたって均一な気孔が形成されている。
△:微粒子の分散性は良いが、高分子バインダーによって一部の気孔が塞がれている。
×:微粒子が凝集しており一様な気孔が形成されていない。
(正極の作製)
正極活物質としてLiCoO2粉末91質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン樹脂4.0質量部、導電剤としてグラファイト粉末5.0質量部、分散剤としてN−メチルピロリドンを配合したものを、分散機にて攪拌混合することにより正極活物質合剤の塗工用スラリーを調製し、アルミ箔から成る集電体に塗工し、オーブンで乾燥して分散剤を除去することにより正極活物質合剤塗膜を形成した。これを電極として一般的な密度までプレスし、所定サイズに切断して正極板を得た。
人造黒鉛粉末を90質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン樹脂を10質量部、分散剤としてN−メチルピロリドンを配合したものを、分散機にて攪拌混合させることにより、負極活物質合剤の塗工用スラリーを調製し、銅箔から成る集電体に塗工し、オーブンで乾燥して分散剤を除去することにより負極活物質合剤塗膜を形成した。これを電極として一般的な密度にプレスし、所定サイズに切断して、負極板を得た。
正極、負極及び電池用セパレータをスタック/折り畳み方式により組み立て、電池を作製した。このようにして組み立てられた電池に電解液を注入した。電解液は、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比で1:1:1に混合した溶媒に、LiPF6を1.1mol/Lの濃度になるよう溶解し、そこにFEC(フルオロエチレンカーボネート)を1.0質量%、VC(ビニレンカーボネート)を1.0質量%となるように溶解し、更に、2−プロピニル2−(ジエトキシホスホリル)アセテートを1.0質量%となるように添加した溶液である。
作製したリチウム二次イオン電池について局部圧壊試験を行い、安全性を評価した。
局部圧壊試験は、直径2cmの棒状の冶具を、一定の速度にて電池表面に押し付け、強制的に正極と負極が接触する内部短絡を発生させ、電池の爆発の発生の有無を調べる試験である。
○:爆発の発生がない。
×:爆発の発生がある。
Claims (10)
- 基材と、繊維含有層とを有し、
前記繊維含有層は、繊維幅が1000nm以下であって、イオン性置換基を有する繊維状セルロースと、微粒子と、バインダー樹脂と、を含み、
前記繊維状セルロースの平均重合度は750以下であり、
前記繊維状セルロースはリン酸化セルロースである、電池用セパレータ。 - 前記繊維状セルロースと前記バインダー樹脂の合計含有量は、前記微粒子100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下である請求項1に記載の電池用セパレータ。
- 前記繊維状セルロースの含有量と前記バインダー樹脂の含有量の質量比は、1:99〜99:1である請求項1又は2に記載の電池用セパレータ。
- 前記バインダー樹脂は、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂及びシリコーン系樹脂から選択される少なくとも1種を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
- 前記基材は、ポリオレフィン系樹脂を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電池用セパレータを備える電池。
- 繊維幅が1000nm以下であって、イオン性置換基を有する繊維状セルロースと、微粒子と、バインダー樹脂と、を含み、
前記繊維状セルロースの平均重合度は750以下であり、
前記繊維状セルロースはリン酸化セルロースである、電池用セパレータ塗液。 - 前記繊維状セルロースと前記バインダー樹脂の合計含有量は、前記微粒子100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下である請求項7に記載の電池用セパレータ塗液。
- 前記繊維状セルロースの含有量と前記バインダー樹脂の含有量の質量比は、1:99〜99:1である請求項7又は8に記載の電池用セパレータ塗液。
- 前記バインダー樹脂は、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂及びシリコーン系樹脂から選択される少なくとも1種を含む請求項7〜9のいずれか1項に記載の電池用セパレータ塗液。
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