JP6515801B2 - 電池用セパレータ塗液用増粘剤、電池用セパレータ塗液及び電池用セパレータ - Google Patents
電池用セパレータ塗液用増粘剤、電池用セパレータ塗液及び電池用セパレータ Download PDFInfo
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Description
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2] 微細繊維状セルロースはリン酸化セルロースである[1]に記載の電池用セパレータ塗液用増粘剤。
[3] 繊維幅が1000nm以下であり、平均重合度が400以上2000以下の微細繊維状セルロースと、微粒子と、分散媒と、を含む電池用セパレータ塗液。
[4] 微細繊維状セルロースはリン酸化セルロースである[3]に記載の電池用セパレータ塗液。
[5] 微細繊維状セルロースの含有量は、分散媒の100質量部に対して、0.1質量部以上1.3質量部以下である[3]又は[4]に記載の電池用セパレータ塗液。
[6] 微粒子は無機微粒子である[3]〜[5]のいずれかに記載の電池用セパレータ塗液。
[7] 基材と、塗工層を有する電池用セパレータであって、塗工層は、繊維幅が1000nm以下であり、平均重合度が400以上2000以下の微細繊維状セルロースと、微粒子とを含む電池用セパレータ。
[8] 微細繊維状セルロースはリン酸化セルロースである[7]に記載の電池用セパレータ。
[9] 微粒子は無機微粒子である[7]又は[8]に記載の電池用セパレータ。
[10] 基材は、ポリオレフィン系樹脂を含む[7]〜[9]のいずれかに記載の電池用セパレータ。
本発明は、繊維幅が1000nm以下であり、平均重合度が400以上2000以下の微細繊維状セルロースを含む電池用セパレータ塗液用増粘剤に関する。
TAPPI International Standard; ISO/FDIS 5351, 2009.
Smith, D. K.; Bampton, R. F.; Alexander, W. J. Ind. Eng. Chem.,Process Des. Dev. 1963, 2, 57−62.
リファレンスを測定するために、空の50ml容量のスクリュー管に純水15mlと1mol/Lの銅エチレンジアミン15mlを加え、0.5mol/Lの銅エチレンジアミン溶液を調製する。キャノンフェンスケ粘度計に上記の0.5mol/Lの銅エチレンジアミン溶液10mlを入れ、5分置いた後、落下時間を測定して溶媒落下時間とする。
測定に用いた絶乾状態の微細繊維状セルロース質量:a(g)(但し、aは0.14以上0.16以下)
溶液のセルロース濃度:c=a/30(g/mL)
溶媒落下時間:t0(sec)
微細繊維状セルロース溶液の落下時間:t(sec)
溶液の相対粘度:ηrel=t/t0
溶液の比粘度:ηsp=ηrel―1
固有粘度:[η]=ηsp/c(1+0.28ηsp)
重合度:DP=[η]/0.57
まず、電池用セパレータ塗液用増粘剤を希釈し、乾燥させた後に、透過型電子顕微鏡で観察し、微細繊維状セルロースの存在を確認する。次いで、固体NMRを用いて、微細繊維状セルロースのI型結晶を検出する。
電池用セパレータ塗液用増粘剤中に、微細繊維状セルロースの存在が確認された場合、以下の手順に従って微細繊維状セルロースを単離する。
まず、50ml容量のアルミカップに電池用セパレータ塗液用増粘剤20±5gを量り取る。同様にして、電池用セパレータ塗液用増粘剤を量り取ったアルミカップを複数個用意する。送風定温乾燥機にて105℃で16時間加熱し電池用セパレータ塗液用増粘剤を乾燥させる。乾燥させた電池用セパレータ塗液用増粘剤1gに対し、200mlの割合となるように0.5mol/L銅エチレンジアミン溶液を加え、撹拌して微細繊維状セルロースを溶解する。得られた溶解液を、ろ過して 残渣を取り除いた後、水中に滴下し、再生セルロースを得る。この再生セルロースは微細繊維状セルロースが銅エチレンジアミン溶液中で溶解し、水中で再生されたものである。得られた再生セルロース はろ別し、十分に水洗後、乾燥させる。
得られた再生セルロースの乾燥重量を測定する。この重量と、この重量を得るために用いた電池用セパレータ塗液用増粘剤の重量とから電池用セパレータ塗液用増粘剤中に含まれる微細繊維状セルロースの含有量を求める。
得られた再生セルロースの乾燥物0.14g以上0.16g以下に対し、30mlの0.5mol/L銅エチレンジアミン溶液を加え、撹拌してセルロースを再度溶解する。得られた溶解液を、ろ過して残渣を取り除く。その後キャノンフェンスケ粘度計に調製したろ液10mlを入れ、5分置いた後、落下時間を測定する。測定した落下時間から、前述の方法に従って固有粘度を求め、重合度に換算する。
微細繊維状セルロースを得るための繊維状セルロース原料としては特に限定されないが、入手しやすく安価である点から、パルプを用いることが好ましい。パルプとしては、木材パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプを挙げることができる。木材パルプとしては例えば、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)、酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプ等が挙げられる。また、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ等が挙げられるが、特に限定されない。非木材パルプとしてはコットンリンターやコットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わら、バガス等の非木材系パルプ、ホヤや海草等から単離されるセルロース、キチン、キトサン等が挙げられるが、特に限定されない。脱墨パルプとしては古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられるが、特に限定されない。本実施態様のパルプは上記の1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。上記パルプの中で、入手のしやすさという点で、セルロースを含む木材パルプ、脱墨パルプが好ましい。木材パルプの中でも化学パルプはセルロース比率が大きいため、繊維微細化(解繊)時の微細繊維状セルロースの収率が高く、またパルプ中のセルロースの分解が小さく、軸比の大きい長繊維の微細繊維状セルロースが得られる点で好ましい。中でもクラフトパルプ、サルファイトパルプが最も好ましく選択される。軸比の大きい長繊維の微細繊維状セルロースを用いると高粘度が得られる傾向がある。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
微細繊維状セルロースに占めるI型結晶構造の割合は30%以上であることが好ましく、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。
リン酸基導入工程は、セルロースを含む繊維原料に対し、リン酸基を有する化合物及びその塩から選択される少なくとも1種(以下、「リン酸化試薬」又は「化合物A」という)を反応させることにより行うことができる。このようなリン酸化試薬は、乾燥状態または湿潤状態の繊維原料に粉末や水溶液の状態で混合してもよい。また別の例としては、繊維原料のスラリーにリン酸化試薬の粉末や水溶液を添加してもよい。
リン酸基を有する化合物としては、リン酸、リン酸のリチウム塩、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩などが挙げられるが、特に限定されない。リン酸のリチウム塩としては、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸三リチウム、ピロリン酸リチウム、またはポリリン酸リチウムなどが挙げられる。リン酸のナトリウム塩としてはリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、またはポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。リン酸のカリウム塩としてはリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、またはポリリン酸カリウムなどが挙げられる。リン酸のアンモニウム塩としては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
微細繊維状セルロースを製造する場合、リン酸基導入工程と、後述する解繊処理工程の間にアルカリ処理を行ってもよい。アルカリ処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ溶液中に、リン酸基導入繊維を浸漬する方法が挙げられる。
アルカリ溶液に含まれるアルカリ化合物は、特に限定されないが、無機アルカリ化合物であってもよいし、有機アルカリ化合物であってもよい。アルカリ溶液における溶媒としては水または有機溶媒のいずれであってもよい。溶媒は、極性溶媒(水、またはアルコール等の極性有機溶媒)が好ましく、少なくとも水を含む水系溶媒がより好ましい。
また、アルカリ溶液のうちでは、汎用性が高いことから、水酸化ナトリウム水溶液、または水酸化カリウム水溶液が特に好ましい。
アルカリ処理工程におけるアルカリ溶液への浸漬時間は特に限定されないが、5分以上30分以下が好ましく、10分以上20分以下がより好ましい。
アルカリ処理におけるアルカリ溶液の使用量は特に限定されないが、リン酸基導入繊維の絶対乾燥質量に対して100質量%以上100000質量%以下であることが好ましく、1000質量%以上10000質量%以下であることがより好ましい。
微細繊維状セルロースを製造する場合、リン酸基導入工程と、後述する解繊処理工程の間に酸処理を行ってもよい。また、リン酸基導入工程、酸処理、アルカリ処理及び解繊処理をこの順で行ってもよい。
酸処理工程における酸溶液への浸漬時間は特に限定されないが、5分以上30分以下が好ましく、10分以上20分以下がより好ましい。
酸処理における酸溶液の使用量は特に限定されないが、リン酸基導入繊維の絶対乾燥質量に対して100質量%以上100000質量%以下であることが好ましく、1000質量%以上10000質量%以下であることがより好ましい。
リン酸基導入繊維は、解繊処理工程で解繊処理される。解繊処理工程では、通常、解繊処理装置を用いて、繊維を解繊処理して、微細繊維状セルロース含有スラリーを得るが、処理装置、処理方法は、特に限定されない。
解繊処理装置としては、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミルなどを使用できる。あるいは、解繊処理装置としては、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、またはビーターなど、湿式粉砕する装置等を使用することもできる。解繊処理装置は、上記に限定されるものではない。好ましい解繊処理方法としては、粉砕メディアの影響が少なく、コンタミの心配が少ない高速解繊機、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーが挙げられる。
本発明は、繊維幅が1000nm以下であり、平均重合度が400以上2000以下の微細繊維状セルロースと、微粒子と、分散媒と、を含む電池用セパレータ塗液に関するものでもある。すなわち、電池用セパレータ塗液は電池用セパレータ塗液用増粘剤を含むものであり、上述した微細繊維状セルロースを含み、リン酸化セルロースを含むことが好ましい。
まず、電池用セパレータ塗液を希釈し、乾燥させた後に、透過型電子顕微鏡で観察し、微細繊維状セルロースの存在を確認する。次いで、固体NMRを用いて、セルロースのI型結晶を検出する。
電池用セパレータ塗液中に、微細繊維状セルロースの存在が確認された場合、以下の手順に従って微細繊維状セルロースを単離する。
まず、50ml容量のアルミカップに電池用セパレータ塗液20±5gを量り取る。同様にして、電池用セパレータ塗液を量り取ったアルミカップを複数個用意する。送風定温乾燥機にて105℃で16時間加熱し電池用セパレータ塗液を乾燥させる。乾燥させた電池用セパレータ塗液1gに対し、100mlの割合となるように0.5mol/L銅エチレンジアミン溶液を加え、撹拌して微細繊維状セルロースを溶解する。得られた溶解液を、ろ過して残渣を取り除いた後、水中に滴下し、再生セルロースを得る。この再生セルロースは微細繊維状セルロースが銅エチレンジアミン溶液中で溶解し、水中で再生されたものである。得られた再生セルロースはろ別し、十分に水洗後、乾燥させる。
得られた再生セルロースの乾燥重量を測定する。この重量と、この重量を得るために用いた電池用セパレータ塗液の重量とから電池用セパレータ塗液に含まれる微細繊維状セルロースの含有量を求める。
得られた再生セルロースの乾燥物0.14g以上0.16g以下に対し、30mlの0.5mol/L銅エチレンジアミン溶液を加え、撹拌してセルロースを再度溶解する。得られた溶解液を、ろ過して残渣を取り除く。その後キャノンフェンスケ粘度計に調製したろ液10mlを入れ、5分置いた後、落下時間を測定する。測定した落下時間から、前述の方法に従って固有粘度を求め、重合度に換算する。
なお、本発明においては、強撹拌後においても電池用セパレータ塗液の粘度が上記範囲内であることに特徴がある。ここで、本願明細書における強撹拌とは、ホモディスパーなどの適度なせん断力の生じる高速撹拌装置にて2000rpm以上の条件で撹拌をすることである。例えば、本発明では、撹拌機としてホモディスパーを用い、3000rpmで3時間撹拌した場合であっても、電池用セパレータ塗液の粘度低下が少ない。
粘度低下率(%)=(撹拌前の粘度−撹拌後の粘度)/撹拌前の粘度×100
電池用セパレータ塗液に含まれる微粒子としては、有機微粒子及び無機微粒子を挙げることができる。中でも微粒子は、無機微粒子であることが好ましい。
また、上記微粒子の表面を、電気絶縁性を有する材料(例えば、上記絶縁性微粒子を構成する材料など)で表面被覆することで、電気絶縁性を持たせた微粒子とすることが好ましい。
なお、微粒子の含有量は例えば10質量%以下であると、微粒子同士の衝突確率が減り、より沈降し易い傾向が見られる。しかし、本発明の電池用セパレータ塗液は、所定の構造を有する微細繊維状セルロースを含有するため、微粒子の含有量が少ない場合であっても、微粒子の沈降を抑制することができる。
電池用セパレータ塗液は分散媒を含む。分散媒としては、水や有機溶媒、及びこれらの混合物が挙げられる。中でも分散媒は水であることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール等が挙げられる。なお、本願明細書において分散媒とは、電池用セパレータ塗液中において、塗工層形成時の乾燥の際に残る固形分を除いた残りの部分を指す。
電池用セパレータ塗液は、上記成分のほかに、バインダー成分をさらに含んでもよい。上記バインダー成分の具体例としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルメタクリレート共重合体などの(メタ)アクリル酸共重合体;フッ素系ゴム;スチレン−ブタジエンゴム(SBR);ポリビニルアルコール(PVA);ポリビニルブチラール(PVB);ポリビニルピロリドン(PVP);ポリN−ビニルアセトアミド;架橋アクリル樹脂;ポリウレタン;エポキシ樹脂;などが挙げられる。これらのバインダー成分は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。電池用セパレータ塗液がバインダー成分をさらに含むことにより、後述する電池用セパレータ基材との接着性を高めることができる。上記バインダー成分の含有量は電池用セパレータ塗液中の微粒子の全質量に対して2質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
本発明は、基材と、塗工層を有する電池用セパレータに関するものでもある。塗工層は、繊維幅が1000nm以下であり、平均重合度が400以上2000以下の微細繊維状セルロースと、微粒子とを含む。
電池用セパレータは、基材の少なくとも一方の面に塗工層を有するものであればよく、基材の両面に塗工層を有するものであってもよいが、基材の片面に塗工層を有するものであることが好ましい。なお、電池用セパレータは塗工層を有するものであるが塗工層を形成する電池用セパレータ塗液の一部は、基材の表層領域に染みこんでいる。
まず、電池用セパレータの表面を透過型電子顕微鏡で観察し、微細繊維状セルロースの存在を確認する。次いで、固体NMRを用いて、セルロースのI型結晶を検出する。
電池用セパレータ表面に、微細繊維状セルロースの存在が確認された場合、以下の手順に従って微細繊維状セルロースを単離する。
まず、電池用セパレータを1cm角程度に断裁後、カッターミルを用いて1mm角程度にまで粉砕する。次いで、電池用セパレータの粉砕物1gに対し、100mlの割合となるように0.5mol/L銅エチレンジアミン溶液を加え、撹拌して微細繊維状セルロースを溶解する。得られた溶解液を、ろ過して残渣を取り除いた後、水中に滴下し、再生セルロースを得る。この再生セルロースは微細繊維状セルロースが銅エチレンジアミン溶液中で溶解し、水中で再生されたものである。得られた再生セルロースはろ別し、十分に水洗後、乾燥させる。
得られた再生セルロースの乾燥重量を測定する。この重量と、この重量を得るために用いた電池用セパレータの重量とから電池用セパレータに含まれる微細繊維状セルロースの含有量を求める。
得られた再生セルロースの乾燥物0.14g以上0.16g以下に対し、30mlの0.5mol/L銅エチレンジアミン溶液を加え、撹拌してセルロースを再度溶解する。得られた溶解液を、ろ過して残渣を取り除く。その後キャノンフェンスケ粘度計に調製したろ液10mlを入れ、5分置いた後、落下時間を測定する。測定した落下時間から、前述の方法に従って固有粘度を求め、重合度に換算する。
電池用セパレータは基材を含む。基材は、電解液に対し安定なものであって、多孔性基材であることが好ましい。
中でも基材の構成材料は、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましく、ポリプロピレン又はポリエチレンであることがより好ましい。基材はポリプロピレン又はポリエチレンからなる不織布もしくはフィルムであることが特に好ましい。
また、必要に応じて、他の樹脂を併用することもできる。併用可能な樹脂としては、塩化ビニル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン/アクリル酸エステル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂や、SBR、NBR等のゴム系エマルジョンなどが挙げられる。
電池用セパレータの製造工程は、基材の少なくとも一方の面に電池用セパレータ塗液を塗布する工程と、電池用セパレータ塗液が塗布された基材を乾燥する工程とを含むことが好ましい。電池用セパレータ塗液を基材表面に塗布する際には、従来から知られている塗工機を用いることができる。塗工機としては、例えば、ダイコーター、グラビアコーター、リバースロールコーター、スクイズロールコーター、カーテンコーター、ブレードコーター、ナイフコーターなどを挙げることができる。なお、電池用セパレータ塗液は基材の片面に塗布されることが好ましい。
本発明の電池用セパレータは、リチウム二次電池等に代表される電気化学素子に好ましく用いられる。電気化学素子としては、有機電解液を用いるリチウム電池(一次電池および二次電池)の他、スーパーキャパシタなどの用途にも用いることができる。
負極としては、従来から知られているリチウム二次電池に用いられている負極、であれば特に制限はない。負極はLi+イオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する。
乾燥質量100質量部の針葉樹クラフトパルプに、リン酸二水素アンモニウムと尿素の混合水溶液を含浸させ、リン酸二水素アンモニウムが49質量部、尿素が130質量部となるように圧搾し、薬液含浸パルプを得た。得られた薬液含浸パルプを105℃の乾燥機で乾燥し、水分を蒸発させてプレ乾燥させた。その後、140℃に設定した送風乾燥機で、10分間加熱し、パルプ中のセルロースにリン酸基を導入し、リン酸化パルプを得た。
湿式微粒化装置における245MPaの圧力処理の回数を3回とした以外は、微細繊維状セルロース1の製造と同様にして、微細繊維状セルロース2を得た。X線回折により、この微細繊維状セルロース2はセルロースI型結晶を維持していることが確認された。
微細繊維状セルロース1の製造と同様にしてリン酸化パルプを得た後、リン酸化パルプの脱水シート1の絶乾質量として100質量部に5000質量部のイオン交換水を加え、希釈した。次いで、撹拌しながら、1N塩酸を少しずつ添加し、pHが2以上3以下のパルプスラリーを得た。その後、このパルプスラリーを脱水し、脱水シートを得た後、再びイオン交換水を注ぎ、撹拌して均一に分散させた。次いで、濾過脱水して脱水シートを得る操作を繰り返すことにより、余剰の塩酸を十分に洗い流し、リン酸化パルプ(H型)を得た。
得られたリン酸化パルプ(TBA型)に、イソプロパノール/水の混合溶媒(質量比率:70/30)を添加し、リン酸化パルプ(TBA)の絶乾固形分濃度が1質量%となるように調製した。このようにして、微細化前スラリーを得た。
得られた微細化前スラリーを、湿式微粒化装置(スギノマシン社製、アルティマイザー)で245MPaの圧力にて3回処理し、微細繊維状セルロース3を得た。
乾燥質量100質量部相当の未乾燥の針葉樹晒クラフトパルプと、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル)1.25質量部と、臭化ナトリウム12.5質量部とを水10000質量部に分散させた。次いで、13質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、パルプ1.0gに対して次亜塩素酸ナトリウムの量が8.0mmolになるように加えて反応を開始した。反応中は0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10以上11以下に保ち、pHに変化が見られなくなった時点で反応終了と見なした。
<繊維幅の測定>
微細繊維状セルロースの繊維幅を下記の方法で測定した。
湿式微粒化装置にて処理をした微細繊維状セルロースの上澄み液を、微細繊維状セルロースの濃度が0.01質量%以上0.1質量%以下となるように水で希釈し、親水化処理したカーボングリッド膜に滴下した。乾燥後、酢酸ウラニルで染色し、透過型電子顕微鏡(日本電子社製、JEOL−2000EX)により観察した。微細繊維状セルロース1〜3及び微細繊維状セルロースAは、繊維幅4nm程度の微細繊維状セルロースになっていることを確認した。
置換基導入量は、繊維原料へのリン酸基もしくはカルボン酸基の導入量であり、この値が大きいほど、多くのリン酸基もしくはカルボン酸基が導入されている。置換基導入量は、対象となる微細繊維状セルロースをイオン交換水で含有量が0.2質量%となるように希釈した後、イオン交換樹脂による処理、アルカリを用いた滴定によって測定した。イオン交換樹脂による処理では、0.2質量%繊維状セルロース含有スラリーに体積で1/10の強酸性イオン交換樹脂(アンバージェット1024;オルガノ株式会社、コンディショング済)を加え、1時間振とう処理を行った。その後、目開き90μmのメッシュ上に注ぎ、樹脂とスラリーを分離した。アルカリを用いた滴定では、イオン交換後の微細繊維状セルロース含有スラリーに、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えながら、スラリーが示す電気伝導度の値の変化を計測した。すなわち、図1(リン酸基)及び図2(カルボキシル基)に示した曲線の第1領域で必要としたアルカリ量(mmol)を、滴定対象スラリー中の固形分(g)で除して、置換基導入量(mmol/g)とした。算出した結果は以下の表1に示した。
微細繊維状セルロースを構成するセルロース分子の平均重合度の評価は下記の論文を参考に行なった。
TAPPI International Standard; ISO/FDIS 5351, 2009.
Smith, D. K.; Bampton, R. F.; Alexander, W. J. Ind. Eng. Chem.,Process Des. Dev. 1963, 2, 57−62.
リファレンスを測定するために、空の50ml容量のスクリュー管に純水15mlと1mol/Lの銅エチレンジアミン15mlを加え、0.5mol/Lの銅エチレンジアミン溶液を調製した。キャノンフェンスケ粘度計に上記の0.5mol/Lの銅エチレンジアミン溶液10mlを入れ、5分置いた後、落下時間を測定して溶媒落下時間とした。
測定に用いた絶乾状態の微細繊維状セルロース質量:a(g)(但し、aは0.14以上0.16以下)
溶液のセルロース濃度:c=a/30(g/mL)
溶媒落下時間:t0(sec)
微細繊維状セルロース溶液の落下時間:t(sec)
溶液の相対粘度:ηrel=t/t0
溶液の比粘度:ηsp=ηrel―1
固有粘度:[η]=ηsp/c(1+0.28ηsp)
重合度:DP=[η]/0.57
シリカ微粒子(富士シリシア化学(株)製、サイリシア310、粒子径:1.4μm)100gに分散媒として水51gを加え、T.K.ホモディスパー(特殊機化工業製)で3000rpmにて15分間撹拌した。その後、固形分濃度が2質量%の微細繊維状セルロース1の懸濁液50g(微細繊維状セルロース1の固形分1gと水49gの懸濁液)を加え、ディスパーザーでさらに1時間撹拌した。このようにして、シリカ微粒子50質量%、分散媒100質量部(上記分散媒51g+水49g)に対する微細繊維状セルロースの固形分濃度が1質量部の電池用セパレータ塗液を得た。
実施例1においてシリカ微粒子にあらかじめ加える水の量を65.7gとし、固形分濃度が2質量%の微細繊維状セルロース1の懸濁液の添加量を35g(微細繊維状セルロース1の固形分0.7g、水34.3g)として電池用セパレータ塗液を調製した以外は全て実施例1と同様に行なった。
実施例1においてシリカ微粒子にあらかじめ加える水の量を80.4gとし、固形分濃度が2質量%の微細繊維状セルロース1の懸濁液の添加量を20g(微細繊維状セルロース1の固形分0.4g、水19.6g)として電池用セパレータ塗液を調製した以外は全て実施例1と同様に行なった。
実施例1において微細繊維状セルロース1を微細繊維状セルロース2に代えた以外は全て実施例1と同様に行なった。
実施例2において微細繊維状セルロース1を微細繊維状セルロース2に代えた以外は全て実施例2と同様に行なった。
実施例3において微細繊維状セルロース1を微細繊維状セルロース2に代えた以外は全て実施例3と同様に行なった。
実施例1においてシリカ微粒子をベーマイト(河合石灰工業(株)製、セラシュールBMB、粒子径:1.5μm以上2μm以下)に代えた以外は全て実施例1と同様に行なった。
実施例2においてシリカ微粒子をベーマイト(河合石灰工業(株)製、セラシュールBMB、粒子径:1.5μm以上2μm以下)に代えた以外は全て実施例2と同様に行なった。
実施例3においてシリカ微粒子をベーマイト(河合石灰工業(株)製、セラシュールBMB、粒子径:1.5μm以上2μm以下)に代えた以外は全て実施例3と同様に行なった。
実施例1においてシリカ微粒子をアルミナ(日本軽金属(株)製、微粒アルミナA32、粒子径:1μm)に代えた以外は全て実施例1と同様に行なった。
実施例2においてシリカ微粒子をアルミナ((日本軽金属(株)製、微粒アルミナA32、粒子径:1μm)に代えた以外は全て実施例2と同様に行なった。
実施例3においてシリカ微粒子をアルミナ(日本軽金属(株)製、微粒アルミナA32、粒子径:1μm)に代えた以外は全て実施例3と同様に行なった。
実施例1において微細繊維状セルロース1を微細繊維状セルロース3とし、シリカ微粒子にあらかじめ加える分散媒をイソプロピルアルコール(IPA)/水=70/30(質量比)の混合溶媒60.4gとし、固形分濃度が1質量%の微細繊維状セルロース3の懸濁液の添加量を40g(微細繊維状セルロース3の固形分0.4g、分散媒39.6g)として電池用セパレータ塗液を調製した以外は全て実施例1と同様に行なった。
実施例1においてシリカ微粒子の添加量を25gとした以外は全て実施例1と同様に行なった。
実施例2においてシリカ微粒子の添加量を25gとした以外は全て実施例2と同様に行なった。
実施例3においてシリカ微粒子の添加量を25gとした以外は全て実施例3と同様に行なった。
実施例14においてシリカ微粒子にあらかじめ加える水の量を26.5gとし、固形分濃度が2質量%の微細繊維状セルロース1の懸濁液の添加量を75g(微細繊維状セルロース1の固形分1.5g、水73.5g)として電池用セパレータ塗液を調製した以外は全て実施例14と同様に行なった。
実施例1において微細繊維状セルロース1を微細繊維状セルロースAに代えた以外は全て実施例1と同様に行なった。
実施例1において微細繊維状セルロース1をカルボキシメチルセルロース(株式会社テルナイト製、テルポリマーH)に代えた以外は全て実施例1と同様に行なった。
実施例1において微細繊維状セルロース1をキサンタンガム(東京化成(株)製)に代えた以外は全て実施例1と同様に行なった。
実施例14において微細繊維状セルロース1を微細繊維状セルロースAに代えた以外は全て実施例14と同様に行なった。
実施例14において微細繊維状セルロース1をカルボキシメチルセルロースに代えた以外は全て実施例14と同様に行なった。
ポリエチレン繊維(繊維長:5mm、繊維強度:28cN/dtex、弾性率:900cN/dtex)を0.2質量%となるように水に分散し、湿式抄紙法にて、ランダムな配向のウェブを形成した。このウェブに接着剤としてエチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂(東邦化学製、ハイテックS−3148、エチレン/アクリル酸=80質量部/20質量部、樹脂末端にウレタン基を有する)を対ポリエチレン繊維比で10質量%となるように噴霧した後、110℃に設定した熱風乾燥機にて乾燥することによって30g/m2の不織布を得た。この不織布に対しカレンダー処理を行い密度が0.64g/cm3の不織布を得た。この不織布を、電池用セパレータ塗液を塗工するための不織布基材とした。
上記不織布基材に乾燥後の電池用セパレータ塗液付着量が5g/m2となるよう、電池用セパレータ塗液を塗工して電池用セパレータを作製した。
電池用セパレータ塗液の安定性を確認するために、以下の評価を行なった。電池用セパレータ塗液においては、撹拌後も粘度低下が小さく、微粒子分散性が良好なものが塗液安定性が高いといえる。
調製後の電池用セパレータ塗液の粘度をB型粘度計(BLOOKFIELD社製、アナログ粘度計T−LVT)を用いて25℃にて測定した後、
T.K.ホモディスパー(特殊機化工業製)で3000rpmにて3時間撹拌し、再度粘度の測定を行なった。粘度低下率は、下記式で算出し、以下の基準で評価した。
粘度低下率(%)=(撹拌前の粘度−撹拌後の粘度)/撹拌前の粘度×100
○:粘度低下率が10%未満
△:粘度低下率が10%以上20%未満
×:粘度低下率が20%以上
電池用セパレータ塗液を23℃で1日静置した後、粒子の沈降の有無を確認し、以下の基準で評価した。
○:微粒子の沈降がなく、上澄み層が存在しない。
×:微粒子の沈降があり、上澄み層が存在する。
<塗工性>
不織布基材に乾燥後の電池用セパレータ塗液付着量が5g/m2となるよう、電池用セパレータ塗液を塗工し、塗工性(塗工できるか否か)を以下の基準で評価した。
○:塗工後の外観観察で全面にムラがない。
△:塗工後の外観観察で一部にムラ部分がある。
×:塗工後の外観観察で全面にムラがみられる。もしくは塗工自体が出来ない。
不織布基材に乾燥後の電池用セパレータ塗液付着量が5g/m2となるよう、電池用セパレータ塗液を塗工し、電池用セパレータ塗液の裏抜け有無を確認した。
○:ラボ塗工時に塗工台紙へ塗液の付着がない。
×:ラボ塗工時に塗工台紙へ塗液の付着が見られる。
一方、比較例で得られた電池用セパレータ塗液は微粒子分散性に劣っていた。また、粘度低下率も良好ではないものがあった。比較例で得られた電池用セパレータ塗液を塗工して作製した電池用セパレータにおいては、塗液の裏抜けが発生していた。
Claims (8)
- 繊維幅が1000nm以下であり、平均重合度が400以上2000以下の微細繊維状セルロースを含む、無機微粒子を含有する電池用セパレータ塗液用増粘剤。
- 前記微細繊維状セルロースはリン酸化セルロースである請求項1に記載の無機微粒子を含有する電池用セパレータ塗液用増粘剤。
- 繊維幅が1000nm以下であり、平均重合度が400以上2000以下の微細繊維状セルロースと、無機微粒子と、分散媒と、を含む電池用セパレータ塗液。
- 前記微細繊維状セルロースはリン酸化セルロースである請求項3に記載の電池用セパレータ塗液。
- 前記微細繊維状セルロースの含有量は、前記分散媒の100質量部に対して、0.1質量部以上1.3質量部以下である請求項3又は4に記載の電池用セパレータ塗液。
- 基材と、塗工層を有する電池用セパレータであって、
前記塗工層は、繊維幅が1000nm以下であり、平均重合度が400以上2000以下の微細繊維状セルロースと、無機微粒子とを含む電池用セパレータ。 - 前記微細繊維状セルロースはリン酸化セルロースである請求項6に記載の電池用セパレータ。
- 前記基材は、ポリオレフィン系樹脂を含む請求項6又は7に記載の電池用セパレータ。
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