実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能である。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能である。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の剥離方法及び表示装置の作製方法について図1〜図23を用いて説明する。
本実施の形態では、トランジスタ及び有機EL素子を有する表示装置(アクティブマトリクス型の有機EL表示装置ともいう)を例に挙げて説明する。当該表示装置は、基板に可撓性を有する材料を用いることで、フレキシブルデバイスとすることができる。なお、本発明の一態様は、有機EL素子を用いた発光装置、表示装置、及び入出力装置(タッチパネルなど)に限られず、他の機能素子を用いた半導体装置、発光装置、表示装置、及び入出力装置等の各種装置に適用することができる。
本実施の形態では、まず、基板上に第1の材料層、ここでは金属酸化物層を形成する。次に、金属酸化物層上に、第2の材料層、ここでは樹脂層を形成する。そして、光を照射することで、金属酸化物層と樹脂層とを分離する。
本実施の形態では、基板と樹脂層の間に下地となる層(下地層ともいう)を形成する。この下地層は、樹脂層との密着性(接着性)が、基板よりも低い層である。本実施の形態では、下地層として金属酸化物層を用いる場合を例に挙げて説明するが、これに限られない。
金属酸化物層と樹脂層とを分離する際に、光を用いると好ましい。光は、金属酸化物層と樹脂層との界面またはその近傍(界面または界面近傍とも記す)に照射されることが好ましい。また、光は、金属酸化物層中に照射されてもよい。また、光は、樹脂層中に照射されてもよい。なお、本明細書等において、「AとBとの界面またはその近傍」、「AとBとの界面または界面近傍」とは、少なくともAとBとの界面を含み、AとBとの界面から、AまたはBのいずれか一方の厚さの20%以内の範囲を含むものとする。
光を照射することで、金属酸化物層と樹脂層との界面(さらには金属酸化物層中及び樹脂層中)を加熱し、金属酸化物層と樹脂層との密着性(接着性)を低くすることができる。さらには金属酸化物層と樹脂層とを分離することができる。
図1〜図3を用いて、金属酸化物層と樹脂層とを分離する原理の一例を説明する。
まず、図1及び図2を用いて、H2Oが、金属酸化物層20と樹脂層23との密着性を阻害する作用(以下、阻害作用)について説明する。
図1において、作製基板14上に金属酸化物層20が設けられ、金属酸化物層20上に樹脂層23が設けられている。
金属酸化物層20と樹脂層23との界面、及び、金属酸化物層20中のうち一方または双方には、H2O、水素(H)、酸素(O)、水酸基(OH)、水素ラジカル(H*)、酸素ラジカル(O*)、ヒドロキシラジカル(OH*)のうち一つまたは複数が存在する。これらは、金属酸化物層20の成膜工程、金属酸化物層20成膜後の添加(dope)工程等によって供給することができる。図1のステップ(i)では、金属酸化物層20と樹脂層23との界面、及び、金属酸化物層20中に、それぞれ、H2O、H、O等を有する例を示す。
金属酸化物層20と樹脂層23との界面、及び、金属酸化物層20中に供給されたH、O、H2Oなどは、樹脂層23(例えば、ポリイミド、アクリルなど)を固体化(固化、硬化)させる工程(例えば、350℃での加熱)で当該界面にH2Oとして析出する場合がある。この場合、金属酸化物層20と樹脂層23との界面に析出したH2Oが、金属酸化物層20と、樹脂層23との密着性を阻害する可能性がある。つまり、金属酸化物層20と樹脂層23との界面に析出したH2Oは、密着性を阻害する作用(阻害作用)を有する。図1のステップ(ii)では、金属酸化物層20中のH2Oが金属酸化物層20と樹脂層23との界面に析出する例を示す。また、図1のステップ(ii)では、金属酸化物層20中の水素と水酸基(OH)とが、金属酸化物層20と樹脂層23との界面にH2Oとして析出する例を示す。
次に、作製基板14、金属酸化物層20、及び樹脂層23を有する積層体に光を照射する。図2のステップ(iii)では、作製基板14が上側に位置する状態で積層体を配置する例を示す。図2のステップ(iii)では、搬送機構(図示しない)を用いて、図中の矢印方向に積層体を移動させることで、図の右側から左側に向かって光が照射される。光は、作製基板14を介して、金属酸化物層20と樹脂層23との界面またはその近傍に照射される。ここでは、線状のレーザ光を用いる例を示す。図2のステップ(iii)、(iv)では、線状ビーム26が、作製基板14を介して、加工領域27に照射される例を示す。光照射により、金属酸化物層20と樹脂層23との界面(さらには金属酸化物層20中及び樹脂層23中)が加熱される。また、光照射により、金属酸化物層20と樹脂層23との界面に存在するH2Oが、高エネルギーで瞬間的に気化(蒸発)してアブレーションする(爆発する、ともいう)。
図2のステップ(v)では、積層体の上下を反転する例を示す。図2のステップ(vi)では、金属酸化物層20と樹脂層23とが分離されている例を示す。光照射により、H2Oが水蒸気となり、体積が膨張する。これにより、金属酸化物層20と樹脂層23の密着性が弱くなり、金属酸化物層20と樹脂層23の間を分離することができる。
次に、図3を用いて、金属酸化物層20と樹脂層23との間の結合について説明する。
図3において、金属酸化物層20と樹脂層23とが積層されている。
金属酸化物層20と樹脂層23との間には、結合が生じていると考えられる。具体的には共有結合、イオン結合、水素結合等の化学結合が、金属酸化物層20と樹脂層23との間に生じている。
図3のステップ(i)では、金属酸化物層20が有する金属Mと、樹脂層23が有する炭素Cとが、酸素Oによって結合されている例を示す。
金属酸化物層20と樹脂層23の積層構造に光を照射する(図3のレーザ光55参照)。ここでは、線状のレーザ光を用いる例を示す。基板と光源とを相対的に移動させることでレーザ光55を走査し、分離したい領域に亘ってレーザ光55を照射する。
光照射により、金属酸化物層20と樹脂層23との界面(さらには金属酸化物層20中及び樹脂層23中)が加熱され、式(1)(下記及び図3参照)の反応が生じる。光を照射することで、H2O(水蒸気)が、金属M−酸素O−炭素Cの結合を切断する。そして、金属酸化物層20と樹脂層23との間の結合を、水素結合にする。
M−O−C+H2O→M−OH+C−OH・・・(1)
図3のステップ(ii)では、金属酸化物層20が有する金属Mと酸素Oが結合し、樹脂層23が有する炭素Cと別の酸素Oが結合している例を示す。2つの酸素は、それぞれ、別の水素と共有結合を形成している。また、2つの酸素は、それぞれ、他方の酸素と結合している水素と水素結合を形成している。
水素結合は、共有結合に比べて極めて弱い結合であるため、容易に切断することができる。また、光照射のエネルギーにより、水は蒸発して水蒸気になる。このとき膨張する力によって、金属酸化物層20と樹脂層23の間の水素結合を切断することができる場合がある。したがって、金属酸化物層20と樹脂層23とを容易に分離することができる。
図3のステップ(iii)では、水素結合で結合されていた酸素と水素が離れ、金属酸化物層20と樹脂層23とが分離されている例を示す。金属酸化物層20が有する金属Mと酸素Oが結合し、樹脂層23が有する炭素Cと別の酸素Oが結合している。2つの酸素は、それぞれ、別の水素と共有結合を形成している。
以上のように、金属酸化物層20と樹脂層23の積層構造に光を照射することで、H2Oが、金属酸化物層20と樹脂層23の間の強固な結合を、弱い結合である水素結合に変える。これにより、金属酸化物層20と樹脂層23の間の分離に要する力を低減させることができる。また、光照射のエネルギーにより、H2Oが膨張することで、金属酸化物層20と樹脂層23とを分離することができる。
次に、上記阻害作用及び上記式(1)に示す反応に係るH2Oについて説明する。
H2Oは、金属酸化物層20中、樹脂層23中、及び金属酸化物層20と樹脂層23との界面などに存在する場合がある。
また、金属酸化物層20中、樹脂層23中、及び金属酸化物層20と樹脂層23との界面などに存在していた水素(H)、酸素(O)、水酸基(OH)、水素ラジカル(H*)、酸素ラジカル(O*)、ヒドロキシラジカル(OH*)等は、加熱されてH2Oとなる場合がある。
金属酸化物層20の内部、金属酸化物層20の表面(樹脂層23と接する面)、または金属酸化物層20と樹脂層23の界面に、H2O、水素(H)、酸素(O)、水酸基(OH)、水素ラジカル(H*)、酸素ラジカル(O*)、ヒドロキシラジカル(OH*)のうち一つまたは複数を添加することが好ましい。
なお、本実施の形態の剥離方法では、上記の阻害作用と、先に示す式(1)の反応と、が同時に生じる場合がある。この場合、金属酸化物層20と樹脂層23との密着性をさらに低下させる、別言すると金属酸化物層20と樹脂層23との剥離性をさらに高めることができると推定される。
金属酸化物層20中、樹脂層23中、及び金属酸化物層20と樹脂層23との界面などに、H2O、水素(H)、酸素(O)、水酸基(OH)、水素ラジカル(H*)、酸素ラジカル(O*)、ヒドロキシラジカル(OH*)等を多く有することが好ましい。反応に寄与するH2Oを多くすることで、反応を促進し、分離に要する力をより低減させることができる。
例えば、金属酸化物層20を形成する際に、金属酸化物層20中、または金属酸化物層20表面に、H2O、水素、酸素、水酸基、水素ラジカル(H*)、酸素ラジカル(O*)、ヒドロキシラジカル(OH*)等を多く含ませることが好ましい。
具体的には、金属層を形成し、金属層の表面にラジカル処理を行うことで金属酸化物層20を形成することが好ましい。ラジカル処理では、酸素ラジカル及びヒドロキシラジカルのうち少なくとも一方を含む雰囲気に、金属層の表面を曝すことが好ましい。例えば、酸素または水蒸気(H2O)のうち一方または双方を含む雰囲気でプラズマ処理を行うことが好ましい。
または、金属酸化物層20を形成し、金属酸化物層20の表面にラジカル処理を行うことが好ましい。ラジカル処理では、酸素ラジカル、水素ラジカル、及びヒドロキシラジカルのうち少なくとも1種を含む雰囲気に、金属酸化物層20の表面を曝すことが好ましい。例えば、酸素、水素、または水蒸気(H2O)のうち一つまたは複数を含む雰囲気でプラズマ処理を行うことが好ましい。
ラジカル処理は、プラズマ発生装置またはオゾン発生装置を用いて行うことができる。
例えば、酸素プラズマ処理、水素プラズマ処理、水プラズマ処理、オゾン処理等を行うことができる。酸素プラズマ処理は、酸素を含む雰囲気下でプラズマを生成して行うことができる。水素プラズマ処理は、水素を含む雰囲気下でプラズマを生成して行うことができる。水プラズマ処理は、水蒸気(H2O)を含む雰囲気下でプラズマを生成して行うことができる。特に水プラズマ処理を行うことで、金属酸化物層20の表面または内部に水分を多く含ませることができ好ましい。
酸素、水素、水(水蒸気)、及び不活性ガス(代表的にはアルゴン)のうち2種以上を含む雰囲気下でのプラズマ処理を行ってもよい。当該プラズマ処理としては、例えば、酸素と水素とを含む雰囲気下でのプラズマ処理、酸素と水とを含む雰囲気下でのプラズマ処理、水とアルゴンとを含む雰囲気下でのプラズマ処理、酸素とアルゴンとを含む雰囲気下でのプラズマ処理、または酸素と水とアルゴンとを含む雰囲気下でのプラズマ処理などが挙げられる。プラズマ処理のガスの一つとして、アルゴンガスを用いることで金属層または金属酸化物層20にダメージを与えながら、プラズマ処理を行うことが可能となるため好適である。
2種以上のプラズマ処理を大気に暴露することなく連続で行ってもよい。例えば、アルゴンプラズマ処理を行った後に、水プラズマ処理を行ってもよい。
これにより、図4に示すように、金属酸化物層20の表面または内部に、水素、酸素、水素ラジカル(H*)、酸素ラジカル(O*)、ヒドロキシラジカル(OH*)等を含ませることができる。また、図4では、樹脂層23に、炭素Cと結合した水素H、水酸基OHが含まれる例を示す。これらが、加熱処理や光照射により加熱され、H2Oとなることが考えられる。
ランプ、レーザ装置等を用いて光を照射することができる。
線状レーザ装置を用いてレーザ光を照射することが好ましい。低温ポリシリコン(LTPS(Low Temperature Poly−Silicon))等の製造ラインのレーザ装置を使用することができるため、これらの装置の有効利用が可能である。例えば、LTPSの結晶化工程に用いる線状レーザ装置は、基板の向きを表裏逆にし、作製基板14側を表面としてレーザ光を真上から照射することで、本発明の一態様におけるレーザ光照射工程に、転用可能である。また、既存のLTPSの製造ラインは、酸化物半導体(OS)を用いるトップゲート型のセルフアライン構造のトランジスタの製造ラインに適用できる。このように、既存のLTPSの製造設備は、本発明の一態様の分離工程と、OSトランジスタの製造工程を有する製造設備として容易に切り替え可能である。
線状レーザは、矩形長尺状に集光(線状レーザビームに成形)して、金属酸化物層と樹脂層との界面に光を照射する。
光は、波長領域が180nm以上450nm以下を有するように照射されることが好ましい。光は、波長領域が308nm又はその近傍を有するように照射されることがより好ましい。
本発明の一態様において、作製基板14、金属酸化物層20、及び樹脂層23の積層構造の、レーザ光の吸収率は高いことが好ましい。例えば、当該積層構造における、波長308nmの光の吸収率は、80%以上100%以下であることが好ましく、85%以上100%以下であることが好ましい。レーザ光の大部分が当該積層構造で吸収されることで、分離の歩留まりを高めることができる。また、機能素子にレーザ光が照射されることが抑制され、機能素子の信頼性の低下を抑制できる。
光のエネルギー密度は、250mJ/cm2以上400mJ/cm2以下が好ましく、250mJ/cm2以上360mJ/cm2以下がより好ましい。
レーザ装置を用いて光を照射する場合、同一箇所に照射されるレーザ光のショット数は、1ショット以上50ショット以下とすることができ、1ショットより多く10ショット以下が好ましく、1ショットより多く5ショット以下がより好ましい。
ビームの短軸方向の両端には、光の強度が低い部分が存在する。そのため、当該光の強度が低い部分の幅以上、一つのショットと次のショットの間にオーバーラップする部分を設けることが好ましい。そのため、レーザ光のショット数は、1.1ショット以上とすることが好ましく、1.25ショット以上とすることがより好ましい。
なお、本明細書中、レーザ光のショット数とは、ある点(領域)に照射されるレーザ光の照射回数を指し、ビーム幅、スキャン速度、周波数、またはオーバーラップ率などで決定される。また、線状のビームをあるスキャン方向に移動させているパルスとパルスの間、即ち、一つのショットと次のショットの間にオーバーラップする部分があり、その重なる比率がオーバーラップ率である。なお、オーバーラップ率が100%に近ければ近いほどショット数は多く、離れれば離れるほどショット数は少なくなり、スキャン速度が速ければ速いほどショット数は少なくなる。
上記のレーザ光のショット数が1.1ショットとは、連続する2つのショットの間にビームの10分の1程度の幅のオーバーラップを有することを示し、オーバーラップ率10%といえる。同様に、1.25ショットとは、連続する2つのショットの間にビームの4分の1程度の幅のオーバーラップを有することを示し、オーバーラップ率25%といえる。
ここで、LTPSのレーザ結晶化の工程で照射する光のエネルギー密度は高く、例えば350mJ/cm2以上400mJ/cm2以下が挙げられる。また、レーザのショット数も多く必要であり、例えば10ショット以上100ショット以下が挙げられる。
一方、本実施の形態において、金属酸化物層20と樹脂層23とを分離するために行う光の照射は、レーザ結晶化の工程で用いる条件よりも低いエネルギー密度、または少ないショット数で行うことができる。そのため、レーザ装置での処理可能な基板枚数を増やすことができる。また、レーザ装置のメンテナンスの頻度の低減など、レーザ装置のランニングコストの低減が可能となる。したがって、表示装置などの作製コストを低減することができる。
また、光の照射が、レーザ結晶化の工程で用いる条件よりも低いエネルギー密度、または少ないショット数で行われることから、基板がレーザ光の照射により受けるダメージを低減できる。そのため、基板を一度使用しても、強度が低下しにくく、基板を再利用できる。したがって、コストを抑えることが可能となる。
また、本実施の形態では、作製基板14と樹脂層23との間に金属酸化物層20を配置する。金属酸化物層20を用いることで、金属酸化物層20を用いない場合に比べて、光の照射を、低いエネルギー密度、または少ないショット数で行うことができることがある。
作製基板を介して光を照射する際、作製基板の光照射面にゴミなどの異物が付着していると、光の照射ムラが生じ、剥離性が低い部分が形成され、金属酸化物層と樹脂層とを分離する工程の歩留まりが低下することがある。そのため、光を照射する前、または光を照射している間に、光照射面を洗浄することが好ましい。例えば、アセトンなどの有機溶剤、水等を用いて作製基板の光照射面を洗浄することができる。また、エアナイフを用いて気体を噴きつけながら光を照射してもよい。これにより、光の照射ムラを低減し、分離の歩留まりを向上させることができる。
または、本実施の形態では、まず、基板上に金属酸化物層を形成する。次に、金属酸化物層上に樹脂層を形成する。次に、基板上及び樹脂層上に、樹脂層の端部を覆う絶縁層を形成する。次に、樹脂層上に、絶縁層を介して、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタを形成する。次に、金属酸化物層と樹脂層との界面またはその近傍に光を照射する。次に、樹脂層の少なくとも一部を金属酸化物層から分離することで、分離の起点を形成する。そして、金属酸化物層と樹脂層とを分離する。
基板上には、樹脂層が接する部分と、絶縁層が接する部分と、が設けられる。絶縁層は、樹脂層の端部を覆って設けられる。絶縁層は、樹脂層に比べて、金属酸化物層に対する密着性もしくは接着性が高い。樹脂層の端部を覆って絶縁層を設けることで、光を照射した後に、樹脂層が基板から意図せず剥がれることを抑制できる。例えば、レーザ装置から別の場所に基板を搬送する時などに樹脂層が剥がれることを抑制できる。そして、分離の起点を形成することで、所望のタイミングで、金属酸化物層と樹脂層とを分離することができる。つまり、本実施の形態では、金属酸化物層と樹脂層の分離のタイミングを制御でき、かつ、分離に要する力が小さい。これにより、金属酸化物層と樹脂層の分離工程、及び表示装置の作製工程の歩留まりを高めることができる。
本実施の形態の表示装置は、トランジスタのチャネル形成領域に、金属酸化物を有することが好ましい。金属酸化物は、酸化物半導体として機能することができる。
トランジスタのチャネル形成領域に低温ポリシリコン(LTPS(Low Temperature Poly−Silicon))を用いる場合、500℃から550℃程度の温度をかける必要があるため、樹脂層に耐熱性が求められる。また、レーザ結晶化の工程でのダメージを緩和するため、樹脂層の厚膜化が必要となることがある。
一方、チャネル形成領域に金属酸化物を用いたトランジスタは、350℃以下、さらには300℃以下で形成することができる。そのため、樹脂層に高い耐熱性は求められない。したがって、樹脂層の耐熱温度を低くすることができ、材料の選択の幅が広がる。
また、チャネル形成領域に金属酸化物を用いたトランジスタは、レーザ結晶化の工程が不要である。そして、本実施の形態では、レーザ結晶化の工程で用いる条件よりも、低いエネルギー密度または少ないショット数で光を照射することができる。また、レーザ結晶化の工程では、レーザ光が基板を介さずに樹脂層に照射されるが、本実施の形態では、作製基板と金属酸化物層とを介して樹脂層に照射される。このように、樹脂層が受けるダメージが少ないため、樹脂層の厚さを薄くすることができる。樹脂層に高耐熱性が要求されず、薄膜化できることで、デバイス作製の大幅なコストダウンが期待できる。また、LTPSを用いる場合に比べて、工程が簡略化でき好ましい。
ただし、本発明の一態様の表示装置は、トランジスタのチャネル形成領域に、金属酸化物を有する構成に限定されない。例えば、本実施の形態の表示装置は、トランジスタのチャネル形成領域に、シリコンを用いることができる。シリコンとしては、アモルファスシリコンまたは結晶性シリコンを用いることができる。結晶性シリコンとしては、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン等が挙げられる。
チャネル形成領域には、LTPSを用いることが好ましい。LTPSなどの多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、かつアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。
樹脂層23の厚さは、0.1μm以上5μm以下としてもよい。樹脂層23を薄く形成することで、低コストで表示装置を作製できる。また、表示装置の軽量化及び薄型化が可能となる。また、表示装置の可撓性を高めることができる。
樹脂層23の可視光の透過性は特に限定されない。例えば、有色の層であってもよく、透明の層であってもよい。ここで、表示装置の表示面側に樹脂層23が位置する場合、樹脂層23が着色している(有色である)と、光取り出し効率が低下する、取り出される光の色味が変わる、表示品位が低下する等の不具合が生じることがある。
樹脂層23は、ウエットエッチング装置、ドライエッチング装置、アッシング装置等を用いて除去することができる。特に、酸素プラズマを用いたアッシングを行って樹脂層23を除去することが好適である。
本実施の形態では、作製基板14と樹脂層23との間に金属酸化物層20を有する。金属酸化物層20が光を吸収する機能を有するため、樹脂層23の光の吸収率が低くても、光照射による効果が得られる。したがって、可視光の透過率が高い樹脂層23を用いることができる。そのため、表示装置の表示面側に樹脂層23が位置していても、高い表示品位を実現できる。また、表示品位を高めるために、着色している(有色の)樹脂層23を除去する工程を削減できる。また、樹脂層23の材料の選択の幅が広がる。
樹脂層23の波長450nm以上700nm以下の範囲の光の透過率の平均値は、70%以上100%以下が好ましく、80%以上100%以下が好ましく、90%以上100%以下がより好ましい。
本実施の形態では、樹脂層の耐熱温度以下の温度で、トランジスタ等を形成する。樹脂層の耐熱性は、例えば、加熱による重量減少率、具体的には5%重量減少温度等で評価できる。本実施の形態の剥離方法及び表示装置の作製方法では、工程中の最高温度を低くすることができる。例えば、本実施の形態では、樹脂層の5%重量減少温度を、200℃以上650℃以下、200℃以上500℃以下、200℃以上400℃以下、または200℃以上350℃以下とすることができる。そのため、材料の選択の幅が広がる。なお、樹脂層の5%重量減少温度は、650℃より高くてもよい。
分離前または分離中に、分離界面に水を含む液体を供給することが好ましい。分離界面に水が存在することで、樹脂層23と金属酸化物層20との密着性もしくは接着性をより低下させ、分離に要する力を低減させることができる。また、分離界面に水を含む液体を供給することで、樹脂層23と金属酸化物層20との間の結合を弱めるもしくは切断する効果を奏することがある。液体との化学結合を利用して、樹脂層23と金属酸化物層20の間の結合を切って分離を進行させることができる。例えば、樹脂層23と金属酸化物層20との間に水素結合が形成されている場合、水を含む液体が供給されることで、水と、樹脂層23または金属酸化物層20との間に水素結合が形成され、樹脂層23と金属酸化物層20との間の水素結合が切れることが考えられる。
金属酸化物層20は、表面張力が小さく、水を含む液体に対する濡れ性が高いことが好ましい。これにより、金属酸化物層20の表面全体に水を含む液体を行き渡らせ、分離界面に水を含む液体を容易に供給できる。金属酸化物層20全体に水が広がることで、均一な剥離ができる。
金属酸化物層20の水を含む液体との接触角は、0°より大きく60°以下が好ましく、0°より大きく50°以下がより好ましい。なお、水を含む液体に対する濡れ性が極めて高い場合(例えば接触角が約20°以下の場合)には、接触角の正確な値の取得が困難なことがある。金属酸化物層20は、水を含む液体に対する濡れ性が高いほど好適であるため、上記接触角の正確な値が取得できないほど、水を含む液体に対する濡れ性が高くてもよい。
分離界面に水を含む液体が存在することで、分離時に生じる静電気が、被剥離層に含まれる機能素子に悪影響を及ぼすこと(半導体素子が静電気により破壊されるなど)を抑制できる。また、イオナイザなどを用いて、分離により露出した被剥離層の表面を除電してもよい。
分離界面に液体を供給した場合は、分離により露出した被剥離層の表面を乾燥してもよい。
以下では、本実施の形態の表示装置の作製方法について、具体的に説明する。
なお、表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層成膜(ALD:Atomic Layer Deposition)法等を用いて形成することができる。CVD法としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD:Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法や、熱CVD法でもよい。熱CVD法の例として、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic CVD)法を使ってもよい。
表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等の方法により形成することができる。
表示装置を構成する薄膜を加工する際には、リソグラフィ法等を用いて加工することができる。または、シャドウマスクを用いた成膜方法により、島状の薄膜を形成してもよい。または、ナノインプリント法、サンドブラスト法、リフトオフ法などにより薄膜を加工してもよい。フォトリソグラフィ法としては、加工したい薄膜上にレジストマスクを形成して、エッチング等により当該薄膜を加工し、レジストマスクを除去する方法と、感光性を有する薄膜を成膜した後に、露光、現像を行って、当該薄膜を所望の形状に加工する方法と、がある。
リソグラフィ法において光を用いる場合、露光に用いる光は、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、またはこれらを混合させた光を用いることができる。そのほか、紫外線やKrFレーザ光、またはArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。また、露光に用いる光として、極端紫外光(EUV:Extreme Ultra−violet)やX線を用いてもよい。また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線または電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビームなどのビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
薄膜のエッチングには、ドライエッチング法、ウエットエッチング法、サンドブラスト法などを用いることができる。
[剥離方法]
まず、作製基板14上に、金属酸化物層20を形成する(図5(A1))。または、作製基板14上に、金属層19と金属酸化物層20とを積層する(図5(A2))。
作製基板14は、搬送が容易となる程度に剛性を有し、かつ作製工程にかかる温度に対して耐熱性を有する。作製基板14に用いることができる材料としては、例えば、ガラス、石英、セラミック、サファイヤ、樹脂、半導体、金属または合金などが挙げられる。ガラスとしては、例えば、無アルカリガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等が挙げられる。
上述の通り、本実施の形態では、作製基板14と樹脂層23の間に下地層を形成する。下地層は、樹脂層23との密着性(接着性)が、作製基板14よりも低い層である。本実施の形態では、金属酸化物層20を用いる場合を例に挙げて説明するが、これに限られない。
具体的には、下地層には、チタン、モリブデン、アルミニウム、タングステン、シリコン、インジウム、亜鉛、ガリウム、タンタル、錫、ハフニウム、イットリウム、ジルコニウム、マグネシウム、ランタン、セリウム、ネオジム、ビスマス、及びニオブのうち一つまたは複数を有する層を用いることができる。下地層には、金属、合金、及びそれらの化合物(金属酸化物など)を含むことができる。下地層は、チタン、モリブデン、アルミニウム、タングステン、シリコン、インジウム、亜鉛、ガリウム、タンタル、及び錫のうち一つまたは複数を有することが好ましい。
また、下地層の材料は、無機材料に限られず、有機材料を用いてもよい。例えば、有機EL素子のEL層に用いることができる各種有機材料を用いてもよい。下地層として、これら有機材料の蒸着膜を用いることができる。これにより、密着性の低い膜を形成できる。
金属層19には、各種金属や合金等を用いることができる。
金属酸化物層20には、各種金属の酸化物を用いることができる。金属酸化物としては、例えば、酸化チタン(TiOx)、酸化モリブデン、酸化アルミニウム、酸化タングステン、シリコンを含むインジウム錫酸化物(ITSO)、インジウム亜鉛酸化物、In−Ga−Zn酸化物等が挙げられる。
そのほか、金属酸化物としては、酸化インジウム、チタンを含むインジウム酸化物、タングステンを含むインジウム酸化物、インジウム錫酸化物(ITO)、チタンを含むITO、タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムを含むZnO、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化ネオジム、酸化スズ、酸化ビスマス、チタン酸塩、タンタル酸塩、ニオブ酸塩等が挙げられる。
金属酸化物層20の形成方法に特に限定は無い。例えば、スパッタリング法、プラズマCVD法、蒸着法、ゾルゲル法、電気泳動法、スプレー法等を用いて形成することができる。
金属層を成膜した後に、当該金属層に酸素を導入することで、金属酸化物層20を形成することができる。このとき、金属層の表面のみ、または金属層全体を酸化させる。前者の場合、金属層に酸素を導入することで、金属層19と金属酸化物層20との積層構造が形成される(図5(A2))。
例えば、酸素を含む雰囲気下で金属層を加熱することで、金属層を酸化させることができる。酸素を含むガスを流しながら金属層を加熱することが好ましい。金属層を加熱する温度は、100℃以上500℃以下が好ましく、100℃以上450℃以下がより好ましく、100℃以上400℃以下がより好ましく、100℃以上350℃以下がさらに好ましい。
金属層は、トランジスタの作製における最高温度以下の温度で加熱されることが好ましい。これにより、表示装置の作製における最高温度が高くなることを防止できる。トランジスタの作製における最高温度以下とすることで、トランジスタの作製工程における製造装置などを流用することが可能となるため、追加の設備投資などを抑制することができる。したがって、生産コストが抑制された表示装置とすることができる。例えば、トランジスタの作製温度が350℃までである場合、加熱処理の温度は350℃以下とすることが好ましい。
または、金属層の表面にラジカル処理を行うことで金属層を酸化させることができる。ラジカル処理では、酸素ラジカル及びヒドロキシラジカルのうち少なくとも一方を含む雰囲気に、金属層の表面を曝すことが好ましい。例えば、酸素または水蒸気(H2O)のうち一方または双方を含む雰囲気でプラズマ処理を行うことが好ましい。
上述の通り、金属酸化物層20の表面または内部に、水素、酸素、水素ラジカル(H*)、酸素ラジカル(O*)、ヒドロキシラジカル(OH*)等を含ませることで、金属酸化物層20と樹脂層23との分離に要する力を低減できる。このことからも、金属酸化物層20の形成に、ラジカル処理もしくはプラズマ処理を行うことは好適である。
金属層の表面にラジカル処理もしくはプラズマ処理を行うことで金属層を酸化させる場合、金属層を高温で加熱する工程が不要となる。そのため、表示装置の作製における最高温度が高くなることを防止できる。
または、酸素雰囲気下で、金属酸化物層20を形成することができる。例えば、酸素を含むガスを流しながら、スパッタリング法を用いて金属酸化物膜を成膜することで、金属酸化物層20を形成できる。この場合も、金属酸化物層20の表面にラジカル処理を行うことが好ましい。ラジカル処理では、酸素ラジカル、水素ラジカル、及びヒドロキシラジカルのうち少なくとも1種を含む雰囲気に、金属酸化物層20の表面を曝すことが好ましい。例えば、酸素、水素、または水蒸気(H2O)のうち一つまたは複数を含む雰囲気でプラズマ処理を行うことが好ましい。
ラジカル処理の詳細については、先に記した内容を参照できる。
そのほか、酸素、水素、水等の導入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオン注入法等を用いることができる。
金属層19の厚さは、1nm以上100nm以下が好ましく、1nm以上50nm以下がより好ましく、1nm以上20nm以下がより好ましい。
金属酸化物層20の厚さは、例えば、1nm以上200nm以下が好ましく、5nm以上100nm以下がより好ましく、5nm以上50nm以下がより好ましい。なお、金属層を用いて金属酸化物層20を形成する場合、最終的に形成される金属酸化物層20の厚さは、成膜した金属層の厚さよりも厚くなることがある。
分離前または分離中に、金属酸化物層20と樹脂層23との界面に水を含む液体を供給することで、分離に要する力を低減させることができる。金属酸化物層20と当該液体との接触角が小さいほど、液体供給による効果を高めることができる。具体的には、金属酸化物層20の水を含む液体との接触角は、0°より大きく60°以下が好ましく、0°より大きく50°以下がより好ましい。
金属酸化物層20には、酸化チタン、酸化タングステン等が好適である。酸化チタンを用いると、酸化タングステンよりもコストを低減でき、好ましい。
金属酸化物層20は光触媒機能を有してもよい。光触媒機能を有する金属酸化物層に光を照射することで、光触媒反応を生じさせることができる。これにより、金属酸化物層と樹脂層との結合力を弱め、容易に分離できる場合がある。金属酸化物層20には、金属酸化物層20を活性化させる波長の光を適宜照射することができる。例えば、金属酸化物層20に紫外光を照射する。例えば、金属酸化物層20の成膜後、他の層を介することなく、金属酸化物層20に直接、紫外光を照射してもよい。紫外光の照射には、紫外光ランプを好適に用いることができる。紫外光ランプとしては、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。または、分離前に行うレーザ照射工程によって、金属酸化物層20を活性化させてもよい。
金属もしくは窒素を添加した酸化チタンを用いてもよい。これらの元素を添加した酸化チタンを用いて金属酸化物層20を形成すると、紫外光でなく、可視光によって活性化させることができる。
次に、金属酸化物層20上に、第1の層24を形成する(図5(B))。
図5(B)では塗布法を用いて金属酸化物層20の一面全体に第1の層24を形成する例を示す。これに限られず、印刷法等を用いて第1の層24を形成してもよい。金属酸化物層20上に、島状の第1の層24、開口または凹凸形状を有する第1の層24等を形成してもよい。
第1の層24は、各種樹脂材料(樹脂前駆体を含む)を用いて形成することができる。
第1の層24は、熱硬化性を有する材料を用いて形成することが好ましい。
第1の層24は、感光性を有する材料を用いて形成してもよく、感光性を有さない材料(非感光性の材料ともいう)を用いて形成してもよい。
感光性を有する材料を用いると、光を用いたリソグラフィ法により、第1の層24の一部を除去し、所望の形状の樹脂層23を形成することができる。
第1の層24は、ポリイミド樹脂、ポリイミド樹脂前駆体、またはアクリル樹脂を含む材料を用いて形成されることが好ましい。第1の層24は、例えば、ポリイミド樹脂と溶媒を含む材料、ポリアミック酸と溶媒を含む材料、またはアクリル樹脂と溶媒を含む材料等を用いて形成できる。なお、第1の層24として、ポリイミド樹脂またはポリイミド樹脂前駆体を含む材料を用いると、比較的耐熱性を高められるため好適である。一方で、第1の層24として、アクリル樹脂を含む材料を用いると、可視光における透光性を高められるため好適である。ポリイミド樹脂及びアクリル樹脂は、それぞれ、表示装置の平坦化膜等に好適に用いられる材料であるため、成膜装置や材料を共有することができる。そのため本発明の一態様の構成を実現するために新たな装置や材料を必要としない。このように、第1の層24は、特別な材料は必要でなく、表示装置に用いる樹脂材料を用いて形成できるため、コストを削減することができる。
具体的には、樹脂層23は、構造式(100)で表される化合物(オキシジフタル酸)の残基を有することが好ましい。
樹脂層23には、オキシジフタル酸またはオキシジフタル酸誘導体を含む酸成分と、芳香族アミンまたは芳香族アミン誘導体を含むアミン成分と、を用いて得られるポリイミド樹脂が好適である。オキシジフタル酸誘導体としては、例えば、オキシジフタル酸無水物が挙げられる。また、樹脂層23は、フッ素を含んでいてもよい。樹脂層23中にフッ素を含む場合、当該フッ素を用いて、金属酸化物層20と樹脂層23の間の水素結合が形成されることがある。
また、第1の層24に好適に用いることができる、ポリイミド樹脂またはポリイミド樹脂前駆体を含む材料の物性値について、表1に示す。
表1に示す材料A〜材料Eを用いて樹脂層23を形成することができる。樹脂層23の信頼性を高めることができるため、材料のガラス転移温度(Tg)及び5%重量減少温度は、それぞれ高い方が好ましい。
そのほか、第1の層24の形成に用いることができる樹脂材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれら樹脂の前駆体等が挙げられる。
第1の層24は、スピンコータを用いて形成することが好ましい。スピンコート法を用いることで、大判基板に薄い膜を均一に形成することができる。
第1の層24は、粘度が5cP以上500cP未満、好ましくは5cP以上100cP未満、より好ましくは10cP以上50cP以下の溶液を用いて形成することが好ましい。溶液の粘度が低いほど、塗布が容易となる。また、溶液の粘度が低いほど、気泡の混入を抑制でき、良質な膜を形成できる。
そのほか、第1の層24の形成方法としては、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等が挙げられる。
次に、第1の層24に対して加熱処理を行うことで、樹脂層23を形成する(図5(C))。
加熱処理は、例えば、加熱装置のチャンバーの内部に、酸素、窒素、及び希ガス(アルゴンなど)のうち一つまたは複数を含むガスを流しながら行うことができる。または、加熱処理は、大気雰囲気下で加熱装置のチャンバー、ホットプレート等を用いて行うことができる。
大気雰囲気下や酸素を含むガスを流しながら加熱を行うと、樹脂層23が酸化により着色し、可視光に対する透過性が低下することがある。
そのため、窒素ガスを流しながら、加熱を行うことが好ましい。これにより、加熱雰囲気中に含まれる酸素を大気雰囲気よりも少なくすることができ、樹脂層23の酸化を抑制し、樹脂層23の可視光に対する透過性を高めることができる。
加熱処理により、樹脂層23中の脱ガス成分(例えば、水素、水等)を低減することができる。特に、樹脂層23上に形成する各層の作製温度以上の温度で加熱することが好ましい。これにより、トランジスタの作製工程における、樹脂層23からの脱ガスを大幅に抑制することができる。
例えば、トランジスタの作製温度が350℃までである場合、樹脂層23となる膜を350℃以上450℃以下で加熱することが好ましく、400℃以下がより好ましく、375℃以下がさらに好ましい。これにより、トランジスタの作製工程における、樹脂層23からの脱ガスを大幅に抑制することができる。
加熱処理の温度は、トランジスタの作製における最高温度以下の温度とすることが好ましい。トランジスタの作製における最高温度以下とすることで、トランジスタの作製工程における製造装置などを流用することが可能となるため、追加の設備投資などを抑制することができる。したがって、生産コストが抑制された表示装置とすることができる。例えば、トランジスタの作製温度が350℃までである場合、加熱処理の温度は350℃以下とすることが好ましい。
トランジスタの作製における最高温度と、加熱処理の温度を等しくすると、加熱処理を行うことで表示装置の作製における最高温度が高くなることを防止でき、かつ樹脂層23の脱ガス成分を低減できるため、好ましい。
処理時間を長くすることで、加熱温度が比較的低い場合であっても、加熱温度がより高い条件の場合と同等の剥離性を実現できる場合がある。そのため、加熱装置の構成により加熱温度を高められない場合には、処理時間を長くすることが好ましい。
加熱処理の時間は、例えば、5分以上24時間以下が好ましく、30分以上12時間以下がより好ましく、1時間以上6時間以下がさらに好ましい。なお、加熱処理の時間はこれに限定されない。例えば、加熱処理を、RTA(Rapid Thermal Annealing)法を用いて行う場合などは、5分未満としてもよい。
加熱装置としては、電気炉や、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって被処理物を加熱する装置等、様々な装置を用いることができる。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。RTA装置を用いることによって、処理時間を短縮することができるので、量産する上で好ましい。また、加熱処理はインライン型の加熱装置を用いて行ってもよい。
なお、加熱処理により、樹脂層23の厚さは、第1の層24の厚さから変化する場合がある。例えば、第1の層24に含まれていた溶媒が除去されることや、硬化が進行し密度が増大することにより、体積が減少し、第1の層24よりも樹脂層23が薄くなる場合がある。
加熱処理を行う前に、第1の層24に含まれる溶媒を除去するための熱処理(プリベーク処理ともいう)を行ってもよい。プリベーク処理の温度は用いる材料に応じて適宜決定することができる。例えば、50℃以上180℃以下、80℃以上150℃以下、または90℃以上120℃以下で行うことができる。または、加熱処理がプリベーク処理を兼ねてもよく、加熱処理によって、第1の層24に含まれる溶媒を除去してもよい。
樹脂層23は、可撓性を有する。作製基板14は、樹脂層23よりも可撓性が低い。
樹脂層23の厚さは、0.01μm以上10μm未満であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上3μm以下であることがさらに好ましい。樹脂層を薄く形成することで、低コストで表示装置を作製できる。また、表示装置の軽量化及び薄型化が可能となる。また、表示装置の可撓性を高めることができる。低粘度の溶液を用いることで、樹脂層23を薄く形成することが容易となる。ただし、これに限定されず、樹脂層23の厚さは、10μm以上としてもよい。例えば、樹脂層23の厚さを10μm以上200μm以下としてもよい。樹脂層23の厚さを10μm以上とすることで、表示装置の剛性を高めることができるため好適である。
樹脂層23の熱膨張係数は、0.1ppm/℃以上50ppm/℃以下であることが好ましく、0.1ppm/℃以上20ppm/℃以下であることがより好ましく、0.1ppm/℃以上10ppm/℃以下であることがさらに好ましい。樹脂層23の熱膨張係数が低いほど、加熱により、トランジスタ等を構成する層にクラックが生じることや、トランジスタ等が破損することを抑制できる。
次に、樹脂層23上に、被剥離層25を形成する(図5(D))。
被剥離層25として、例えば、絶縁層、機能素子(トランジスタ、表示素子など)を設けることができる。
被剥離層25は、絶縁層を有することが好ましい。当該絶縁層は、後の加熱工程において、金属酸化物層20及び樹脂層23などから放出される水素、酸素、及び水をブロックする機能を有することが好ましい。
被剥離層は、例えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、または窒化酸化シリコン膜を有することが好ましい。例えば、窒化シリコン膜を、シランガス、水素ガス、及びアンモニア(NH3)ガスを含む成膜ガスを用いたプラズマCVD法により成膜する。絶縁層の厚さは特に限定されない。例えば、50nm以上600nm以下、好ましくは100nm以上300nm以下の厚さとすることができる。
なお、本明細書等において「酸化窒化シリコン」とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものをいう。また、本明細書等において、「窒化酸化シリコン」とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものをいう。
そして、被剥離層25上に保護層を形成する。保護層は、表示装置の最表面に位置する層である。保護層は、可視光に対する透過性が高いことが好ましい。保護層が、有機絶縁膜を有すると、表示装置の表面に傷がつくことや、クラックが生じてしまうことを抑制できるため好ましい。
図5(D)には、接着層75bを用いて被剥離層25上に基板75aを貼り合わせた例を示す。
接着層75bには、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤等の各種硬化型接着剤を用いることができる。また、接着シート等を用いてもよい。
基板75aには、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用いることができる。基板75aには、可撓性を有する程度の厚さのガラス、石英、樹脂、金属、合金、半導体等の各種材料を用いてもよい。
次に、レーザ光55を照射する(図6(A))。レーザ光55は、例えば、図6(A)においては、左側から右側に走査される線状レーザビームで、その長軸は、その走査方向及びその入射方向(上から下)に垂直である。レーザ装置において、作製基板14が上側にくるように積層体を配置する。積層体には、積層体(作製基板14)の上側からレーザ光55が照射される。
レーザ光55は、作製基板14を介して金属酸化物層20と樹脂層23との界面またはその近傍に照射されることが好ましい(図6(A)の加工領域640参照)。また、レーザ光55は、金属酸化物層20中に照射されてもよく、樹脂層23中に照射されてもよい。
金属酸化物層20は、レーザ光55を吸収する。樹脂層23は、レーザ光55を吸収してもよい。
作製基板14と金属酸化物層20の積層構造におけるレーザ光55の吸収率は、50%以上100%以下が好ましく、75%以上100%以下がより好ましく、80%以上100%以下がさらに好ましい。当該積層構造が、レーザ光55の大半を吸収することで、金属酸化物層と樹脂層23との界面で確実に分離することが可能となる。また、樹脂層23が光から受けるダメージを低減できる。
レーザ光55の照射により、金属酸化物層20と樹脂層23の密着性もしくは接着性が低下する。レーザ光55の照射により、樹脂層23が脆弱化されることがある。
レーザ光55としては、少なくともその一部が作製基板14を透過し、かつ金属酸化物層20に吸収される波長の光を選択して用いる。レーザ光55は、可視光線から紫外線の波長領域の光であることが好ましい。例えば波長が180nm以上450nm以下の光、好ましくは200nm以上400nm以下の光、より好ましくは波長が250nm以上350nm以下の光を用いることができる。
レーザ光55は、金属酸化物層20のエネルギーギャップよりも高いエネルギーを有することが好ましい。例えば、酸化チタンのエネルギーギャップは、約3.2eVである。したがって、金属酸化物層20に酸化チタンを用いる場合、光は、3.2eVより高いエネルギーを有することが好ましい。
特に、波長308nmのエキシマレーザを用いると、生産性に優れるため好ましい。エキシマレーザは、LTPSにおけるレーザ結晶化にも用いるため、既存のLTPS製造ラインの装置を流用することができ、新たな設備投資を必要としないため好ましい。波長308nmの光のエネルギーは、約4.0eVである。つまり、金属酸化物層20に酸化チタンを用いる場合、波長308nmのエキシマレーザは好適である。また、Nd:YAGレーザの第三高調波である波長355nmのUVレーザなどの固体UVレーザ(半導体UVレーザともいう)を用いてもよい。固体レーザはガスを用いないため、エキシマレーザに比べて、ランニングコストを低減でき、好ましい。また、ピコ秒レーザ等のパルスレーザを用いてもよい。
レーザ光55として、線状のレーザ光を用いる場合には、作製基板14と光源とを相対的に移動させることでレーザ光55を走査し、分離したい領域に亘ってレーザ光55を照射する。
ここで、作製基板14の光照射面にゴミなどの異物18が付着していると、光の照射ムラが生じることがある。図7(A)では、作製基板14上に接して樹脂層23が形成されている比較例である。図7(A)では、作製基板14と樹脂層23の界面またはその近傍において、異物18の真下に、光の照射された領域16が途切れている部分を有する。この部分は、他の部分に比べて剥離性が低く、作製基板14と樹脂層23とを分離する工程の歩留まりが低下することが懸念される。
一方、本実施の形態では、作製基板14と樹脂層23との間に下地層を形成する。下地層としては、金属層19、金属酸化物層20、または、図7(B)に示すように、金属層19と金属酸化物層20の積層等が挙げられる。下地層は熱伝導性が高い層を有することが好ましい。例えば、図7(B)に示す金属層19の熱伝導性が高いと、作製基板14の光照射面に異物18が付着していても、異物18の周辺の金属層19が加熱されることで、金属層19全体にムラなく熱が伝導する。金属層19の異物18の陰になる部分にも熱が伝わることで、剥離性の低い部分が生じることを抑制できる。図7(B)に示すように、金属層19と金属酸化物層20の界面またはその近傍において、異物18の真下を含んで一面全体に、加熱された領域17が形成される。
金属酸化物層20と樹脂層23の界面またはその近傍において、光が当たらない領域は、一箇所または複数箇所設けられていてもよい。光が当たらない領域の面積は、特に限定は無く、例えば、それぞれ、1μm2以上1cm2以下である。場合によっては、光が当たらない領域の面積は、1μm2以下、または1cm2以上であってもよい。
次に、作製基板14と樹脂層23とを分離する。金属酸化物層20と樹脂層23との密着性もしくは接着性が低いため、金属酸化物層20と樹脂層23との界面で分離が生じる(図6(B1))。また、脆弱化された樹脂層23中で分離が生じる場合もある。
例えば、樹脂層23に垂直方向に引っ張る力をかけることにより、作製基板14と樹脂層23とを分離することができる。具体的には、基板75aの上面の一部を吸着し、上方に引っ張ることにより、作製基板14から樹脂層23を引き剥がすことができる。
ここで、分離時に、分離界面に水や水溶液など、水を含む液体を添加し、該液体が分離界面に浸透するように分離を行うことで、分離を容易に行うことができる。また、分離時に生じる静電気が、トランジスタなどの機能素子に悪影響を及ぼすこと(半導体素子が静電気により破壊されるなど)を抑制できる。図6(B2)では、液体供給機構21を用いて、分離界面に液体を供給する例を示す。
供給する液体としては、水(好ましくは純水)、中性、アルカリ性、もしくは酸性の水溶液や、塩が溶けている水溶液が挙げられる。また、エタノール、アセトン等が挙げられる。また、各種有機溶剤を用いてもよい。
分離前に、樹脂層23の一部を作製基板14から分離することで、分離の起点を形成してもよい。例えば、作製基板14と樹脂層23との間に、刃物などの鋭利な形状の器具を差し込むことで分離の起点を形成してもよい。または、基板75a側から鋭利な形状の器具で樹脂層23を切り込み、分離の起点を形成してもよい。または、レーザアブレーション法等のレーザを用いた方法で、分離の起点を形成してもよい。
本実施の形態では、金属酸化物層20及び樹脂層23を積層し、光を照射する。これにより、金属酸化物層20と樹脂層23との密着性もしくは接着性を低下させることができる。そのため、作製基板14と樹脂層23とを容易に分離することができる。
本実施の形態の剥離方法を用いることで、低コストで量産性の高い剥離方法、または半導体装置の作製方法を提供することができる。例えば、本実施の形態の剥離方法では、作製基板14(例えば、ガラス基板)、または作製基板14と金属酸化物層20との積層体を、複数回繰り返し使うことが可能となるため、生産コストを抑制することができる。
[作製方法例1]
次に、本実施の形態の表示装置の作製方法例について説明する。先に説明した剥離方法と同様の部分について、説明を省略することがある。
まず、作製基板14上に、金属酸化物層20を形成する(図8(A))。金属酸化物層20については、上記剥離方法における記載を参照できる。
次に、金属酸化物層20上に、第1の層24を形成する(図8(B))。第1の層24については、上記剥離方法における記載を参照できる。
本実施の形態では、感光性及び熱硬化性を有する材料を用いて第1の層24を形成する。なお、第1の層24は、非感光性の材料を用いて形成してもよい。
第1の層24を成膜した後、溶媒を除去するための熱処理(プリベーク処理)を行い、その後フォトマスクを用いて露光を行う。続いて、現像処理を施すことで、不要な部分を除去することができる。次に、所望の形状に加工された第1の層24に対して加熱処理を行うことで、樹脂層23を形成する(図8(C))。図8(C)では、島状の樹脂層23を形成する例を示す。
なお、樹脂層23の形状は1つの島状に限られず、例えば、複数の島状、開口を有する形状などでもよい。また、ハーフトーンマスクもしくはグレートーンマスクを用いた露光技術、または多重露光技術などを用い、樹脂層23の表面に凹凸形状を形成してもよい。
第1の層24または樹脂層23上にレジストマスク、ハードマスク等のマスクを形成し、エッチングすることで、所望の形状の樹脂層23を形成することができる。この方法は、非感光性の材料を用いる場合に特に好適である。
例えば、樹脂層23上に無機膜を形成し、無機膜上にレジストマスクを形成する。レジストマスクを用いて、無機膜をエッチングした後、無機膜をハードマスクに用いて、樹脂層23をエッチングすることができる。
ハードマスクとして用いることができる無機膜としては、各種無機絶縁膜や、導電層に用いることができる金属膜及び合金膜などが挙げられる。
マスクを極めて薄い厚さで形成し、エッチングと同時にマスクを除去することができると、マスクを除去する工程を削減でき、好ましい。
加熱処理の詳細は、上記剥離方法における加熱処理の記載を参照できる。
次に、樹脂層23上に、絶縁層31を形成する(図8(D))。絶縁層31は、樹脂層23の端部を覆って形成される。金属酸化物層20上には、樹脂層23が設けられていない部分が存在する。そのため、金属酸化物層20上に接して絶縁層31を形成することができる。
絶縁層31は、樹脂層23の耐熱温度以下の温度で形成する。加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
絶縁層31は、樹脂層23に含まれる不純物が、後に形成するトランジスタや表示素子に拡散することを防ぐバリア層として用いることができる。例えば、絶縁層31は、樹脂層23を加熱した際に、樹脂層23に含まれる水分等がトランジスタや表示素子に拡散することを防ぐことが好ましい。そのため、絶縁層31は、バリア性が高いことが好ましい。
絶縁層31としては、例えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。また、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜等を用いてもよい。また、上述の絶縁膜を2以上積層して用いてもよい。特に、樹脂層23上に窒化シリコン膜を形成し、窒化シリコン膜上に酸化シリコン膜を形成することが好ましい。
無機絶縁膜は、成膜温度が高いほど緻密でバリア性の高い膜となるため、高温で形成することが好ましい。
絶縁層31の成膜時の基板温度は、室温(25℃)以上350℃以下が好ましく、100℃以上300℃以下がさらに好ましい。
次に、絶縁層31上に、トランジスタ40を形成する(図8(E))。
表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート構造またはボトムゲート構造のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。
ここではトランジスタ40として、金属酸化物層44を有する、ボトムゲート構造のトランジスタを作製する場合を示す。金属酸化物層44は、トランジスタ40の半導体層として機能することができる。金属酸化物は、酸化物半導体として機能することができる。
本実施の形態において、トランジスタの半導体には、酸化物半導体を用いる。シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
トランジスタ40は、樹脂層23の耐熱温度以下の温度で形成する。トランジスタ40は、加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
具体的には、まず、絶縁層31上に導電層41を形成する。導電層41は、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することで形成できる。
導電膜の成膜時の基板温度は、室温以上350℃以下が好ましく、室温以上300℃以下がさらに好ましい。
表示装置が有する導電層には、それぞれ、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、もしくはタングステン等の金属、またはこれを主成分とする合金を単層構造または積層構造として用いることができる。または、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO)、タングステンを含むインジウム酸化物、タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、チタンを含むインジウム酸化物、チタンを含むITO、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムを含むZnO、またはシリコンを含むITO等の透光性を有する導電性材料を用いてもよい。また、不純物元素を含有させる等して低抵抗化させた、多結晶シリコンもしくは酸化物半導体等の半導体、またはニッケルシリサイド等のシリサイドを用いてもよい。また、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。また、不純物元素を含有させた酸化物半導体等の半導体を用いてもよい。または、銀、カーボン、もしくは銅等の導電性ペースト、またはポリチオフェン等の導電性ポリマーを用いて形成してもよい。導電性ペーストは、安価であり、好ましい。導電性ポリマーは、塗布しやすく、好ましい。
続いて、絶縁層32を形成する。絶縁層32は、絶縁層31に用いることのできる無機絶縁膜を援用できる。
続いて、金属酸化物層44を形成する。金属酸化物層44は、金属酸化物膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該金属酸化物膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することで形成できる。
金属酸化物膜の成膜時の基板温度は、350℃以下が好ましく、室温以上200℃以下がより好ましく、室温以上130℃以下がさらに好ましい。
金属酸化物膜は、不活性ガス及び酸素ガスのいずれか一方または双方を用いて成膜することができる。なお、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)に、特に限定はない。ただし、電界効果移動度が高いトランジスタを得る場合においては、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)は、0%以上30%以下が好ましく、5%以上30%以下がより好ましく、7%以上15%以下がさらに好ましい。
金属酸化物膜は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。
金属酸化物は、エネルギーギャップが2eV以上であることが好ましく、2.5eV以上であることがより好ましく、3eV以上であることがさらに好ましい。このように、エネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
金属酸化物膜は、スパッタリング法により形成することができる。そのほか、PLD法、PECVD法、熱CVD法、ALD法、真空蒸着法などを用いてもよい。
続いて、導電層43a及び導電層43bを形成する。導電層43a及び導電層43bは、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。導電層43a及び導電層43bは、それぞれ、金属酸化物層44と接続される。
なお、導電層43a及び導電層43bの加工の際に、レジストマスクに覆われていない金属酸化物層44の一部がエッチングにより薄膜化する場合がある。
導電膜の成膜時の基板温度は、室温以上350℃以下が好ましく、室温以上300℃以下がさらに好ましい。
以上のようにして、トランジスタ40を作製できる(図8(E))。トランジスタ40において、導電層41の一部はゲートとして機能し、絶縁層32の一部はゲート絶縁層として機能し、導電層43a及び導電層43bは、それぞれソースまたはドレインのいずれか一方として機能する。
次に、トランジスタ40を覆う絶縁層33を形成する(図9(A))。絶縁層33は、絶縁層31と同様の方法により形成することができる。
また、絶縁層33として、酸素を含む雰囲気下で成膜した酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜等の酸化物絶縁膜を用いることが好ましい。さらに、当該酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜上に窒化シリコン膜などの酸素を拡散、透過しにくい絶縁膜を積層することが好ましい。酸素を含む雰囲気下で形成した酸化物絶縁膜は、加熱により多くの酸素を放出しやすい絶縁膜とすることができる。このような酸素を放出する酸化物絶縁膜と、酸素を拡散、透過しにくい絶縁膜を積層した状態で、加熱処理を行うことにより、金属酸化物層44に酸素を供給することができる。その結果、金属酸化物層44中の酸素欠損、及び金属酸化物層44と絶縁層33の界面の欠陥を修復し、欠陥準位を低減することができる。これにより、極めて信頼性の高い表示装置を実現できる。
以上の工程により、樹脂層23上に絶縁層31、トランジスタ40、及び絶縁層33を形成することができる(図9(A))。
この段階において、後述する方法を用いて作製基板14とトランジスタ40とを分離することで、表示素子を有さないデバイスを作製することができる。例えば、トランジスタ40や、トランジスタ40に加えて容量素子、抵抗素子、及び配線などを形成することで、半導体装置を作製することができる。
次に、絶縁層33上に絶縁層34を形成する(図9(A))。絶縁層34は、後に形成する表示素子の被形成面を有する層であるため、平坦化層として機能することが好ましい。絶縁層34は、絶縁層31に用いることのできる有機絶縁膜または無機絶縁膜を援用できる。
絶縁層34は、樹脂層23の耐熱温度以下の温度で形成する。絶縁層34は、加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
絶縁層34に有機絶縁膜を用いる場合、絶縁層34の形成時に樹脂層23にかかる温度は、室温以上350℃以下が好ましく、室温以上300℃以下がさらに好ましい。
絶縁層34に無機絶縁膜を用いる場合、成膜時の基板温度は、室温以上350℃以下が好ましく、100℃以上300℃以下がさらに好ましい。
次に、絶縁層34及び絶縁層33に、導電層43bに達する開口を形成する。
その後、導電層61を形成する。導電層61は、その一部が発光素子60の画素電極として機能する。導電層61は、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。
導電層61は、樹脂層23の耐熱温度以下の温度で形成する。導電層61は、加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
導電膜の成膜時の基板温度は、室温以上350℃以下が好ましく、室温以上300℃以下がさらに好ましい。
次に、導電層61の端部を覆う絶縁層35を形成する。絶縁層35は、絶縁層31に用いることのできる有機絶縁膜または無機絶縁膜を援用できる。
絶縁層35は、樹脂層23の耐熱温度以下の温度で形成する。絶縁層35は、加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
絶縁層35に有機絶縁膜を用いる場合、絶縁層35の形成時に樹脂層23にかかる温度は、室温以上350℃以下が好ましく、室温以上300℃以下がさらに好ましい。
絶縁層35に無機絶縁膜を用いる場合、成膜時の基板温度は、室温以上350℃以下が好ましく、100℃以上300℃以下がさらに好ましい。
次に、EL層62及び導電層63を形成する。導電層63は、その一部が発光素子60の共通電極として機能する。
EL層62は、蒸着法、塗布法、印刷法、吐出法などの方法で形成することができる。EL層62を画素毎に作り分ける場合、メタルマスクなどのシャドウマスクを用いた蒸着法、またはインクジェット法等により形成することができる。EL層62を画素毎に作り分けない場合には、メタルマスクを用いない蒸着法を用いることができる。
EL層62には、低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。
導電層63は、蒸着法やスパッタリング法等を用いて形成することができる。
導電層63は、樹脂層23の耐熱温度以下かつEL層62の耐熱温度以下の温度で形成する。また、加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
以上のようにして、発光素子60を形成することができる(図9(A))。発光素子60は、一部が画素電極として機能する導電層61、EL層62、及び一部が共通電極として機能する導電層63が積層された構成を有する。
ここでは、発光素子60として、トップエミッション型の発光素子を作製する例を示したが、本発明の一態様はこれに限られない。
発光素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型のいずれであってもよい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
次に、導電層63を覆って絶縁層74を形成する(図9(A))。絶縁層74は、発光素子60に水などの不純物が拡散することを抑制する保護層として機能する。発光素子60は、絶縁層74によって封止される。導電層63を形成した後、大気に曝すことなく、絶縁層74を形成することが好ましい。
絶縁層74は、樹脂層23の耐熱温度以下かつ発光素子60の耐熱温度以下の温度で形成する。絶縁層74は、加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
絶縁層74は、例えば、上述した絶縁層31に用いることのできるバリア性の高い無機絶縁膜が含まれる構成とすることが好ましい。また、無機絶縁膜と有機絶縁膜を積層して用いてもよい。
絶縁層74は、ALD法やスパッタリング法等を用いて形成することができる。ALD法及びスパッタリング法は低温成膜が可能であるため好ましい。ALD法を用いると絶縁層74のカバレッジが良好となり好ましい。
次に、絶縁層74上に保護層75を形成する(図9(A))。保護層75としては、図5(D)に示すように、接着層75b及び基板75aを用いてもよい。
次に、レーザ光55を照射する(図9(B1))。レーザ光55は、例えば、図9(B1)においては、左側から右側に走査される線状レーザビームで、その長軸は、その走査方向及びその入射方向(上から下)に垂直である。レーザ装置において、作製基板14が上側にくるように積層体を配置する。積層体には、積層体(作製基板14)の上側からレーザ光55が照射される。
レーザ光の照射工程については、上記剥離方法における記載を参照できる。
なお、1枚の作製基板で複数の表示装置を形成する(多面取りする)場合、1つの樹脂層23を用いて、複数の表示装置を形成することができる。または、複数の樹脂層23を用いて、表示装置ごとに樹脂層23を作り分けてもよい。図9(B2)は作製基板に1つの樹脂層23を有する例である。図9(B3)、(B4)は作製基板に4つの樹脂層23を有する例である。
レーザ装置は、大判の基板の処理が困難であること、もしくは高価であることがある。そのため、作製基板のサイズによっては、図9(B4)に示すように、作製基板を分断した後に、分断した作製基板それぞれに対してレーザ光を照射してもよい。
次に、樹脂層23に分離の起点を形成する(図10(A)〜(C))。
例えば、保護層75側から、樹脂層23の端部よりも内側に刃物などの鋭利な形状の器具65を差し込み、枠状に切れ目64を入れる。
または、樹脂層23に、枠状にレーザ光を照射してもよい。
上述の通り、多面取りにより、1つの樹脂層23を用いて、複数の表示装置を形成することができる。例えば、図10(B)の切れ目64の内側に、複数の表示装置が配置される。これにより、複数の表示装置を一度にまとめて作製基板と分離することができる。
または、複数の樹脂層23を用いて、表示装置ごとに樹脂層23を作り分けてもよい。図10(C)では、作製基板上に、4つの樹脂層23を形成する例を示す。4つの樹脂層23それぞれに、枠状に切れ目64を入れることで、各表示装置を異なるタイミングで作製基板と分離することができる。
作製方法例1では、金属酸化物層20上に、樹脂層23が接する部分と、絶縁層31が接する部分と、を設ける。金属酸化物層20と絶縁層31との密着性(接着性)は、金属酸化物層20と樹脂層23との密着性(接着性)よりも高い。そのため、樹脂層23が金属酸化物層20から意図せず剥がれることを抑制できる。そして、分離の起点を形成することで、所望のタイミングで、金属酸化物層20と樹脂層23とを分離することができる。したがって、分離のタイミングを制御でき、かつ、分離に要する力が小さい。これにより、分離工程、及び表示装置の作製工程の歩留まりを高めることができる。
次に、金属酸化物層20と樹脂層23とを分離する(図11(A))。
そして、露出した樹脂層23に、接着層28を用いて、基板29を貼り合わせる(図11(B))。
基板29は、表示装置の支持基板として機能することができる。基板29にはフィルムを用いることが好ましく、特に樹脂フィルムを用いることが好ましい。これにより表示装置の軽量化、薄型化が可能となる。また、フィルム基板を用いた表示装置は、ガラスや金属などを用いる場合に比べて、破損しにくい。また、表示装置の可撓性を高めることができる。
本実施の形態の剥離方法を用いることで、作製基板14上に作製したトランジスタ40及び発光素子60等を、作製基板14から剥離し、基板29に転置することができる。
接着層28には、接着層75bに用いることができる材料を適用することができる。基板29には、基板75aに用いることができる材料を適用することができる。
作製方法例1では、金属酸化物層20及び樹脂層23を積層し、光を照射する。これにより、金属酸化物層20と樹脂層23との密着性もしくは接着性を低下させることができる。そのため、作製基板14と樹脂層23とを容易に分離することができる。
[表示装置の構成例1]
図12(A)は、表示装置10Aの上面図である。図12(B)、(C)は、それぞれ、表示装置10Aの表示部381の断面図及びFPC372との接続部の断面図の一例である。
表示装置10Aは、上記の作製方法例1を用いて作製することができる。表示装置10Aは、曲がった状態に保持することや、繰り返し曲げることなどが可能である。
表示装置10Aは、保護層75及び基板29を有する。保護層75側が表示装置の表示面側である。表示装置10Aは、表示部381及び駆動回路部382を有する。表示装置10AにはFPC372が貼り付けられている。
接続体76を介して、導電層43cとFPC372とが電気的に接続されている(図12(B)、(C))。導電層43cは、トランジスタのソース及びドレインと同一の材料及び同一の工程で形成することができる。
接続体76としては、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)及び異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)等を用いることができる。
図12(C)に示す表示装置は、トランジスタ40を有さず、トランジスタ49を有している点、及び、絶縁層33上に着色層97を有する点で、図12(B)の構成と異なる。ボトムエミッション型の発光素子60を用いる場合、発光素子60よりも基板29側に着色層97を有していてもよい。上記の作製方法例1では、樹脂層23に可視光の透過率が高い材料を用いることができる。そのため、樹脂層23を介して発光素子60の光を取り出す表示装置であっても、高い表示品位を実現できる。
図12(C)に示すトランジスタ49は、図12(B)に示すトランジスタ40の構成に加えて、ゲートとして機能する導電層45を有する。
トランジスタ49には、チャネルが形成される半導体層を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。このような構成とすることで、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。このようなトランジスタは他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速駆動が可能な回路を作製することができる。さらには、回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示装置を大型化、または高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することができる。
または、2つのゲートのうち、一方に閾値電圧を制御するための電位を与え、他方に駆動のための電位を与えることで、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。
[作製方法例2]
まず、上記剥離方法と同様に、作製基板14上に、金属酸化物層20から絶縁層31までを形成する(図13(A))。
次に、絶縁層31上にトランジスタ80を形成する(図13(B))。
ここではトランジスタ80として、金属酸化物層83と2つのゲートを有するトランジスタを作製する場合を示す。
トランジスタ80は、樹脂層23の耐熱温度以下の温度で形成する。加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
具体的には、まず、絶縁層31上に導電層81を形成する。導電層81は、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することで形成できる。
続いて、絶縁層82を形成する。絶縁層82は、絶縁層31に用いることのできる無機絶縁膜を援用できる。
続いて、金属酸化物層83を形成する。金属酸化物層83は、金属酸化物膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該金属酸化物膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することで形成できる。金属酸化物層83は、金属酸化物層44に用いることのできる材料を援用できる。
続いて、絶縁層84及び導電層85を形成する。絶縁層84は、絶縁層31に用いることのできる無機絶縁膜を援用できる。絶縁層84及び導電層85は、絶縁層84となる絶縁膜と、導電層85となる導電膜とを成膜した後、レジストマスクを形成し、当該絶縁膜及び当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。
次に、金属酸化物層83、絶縁層84、及び導電層85を覆う絶縁層33を形成する。絶縁層33は、絶縁層31と同様の方法により形成することができる。
絶縁層33は、水素を含むことが好ましい。絶縁層33に含まれる水素が、絶縁層33と接する金属酸化物層83に拡散し、金属酸化物層83の一部が低抵抗化する。金属酸化物層83の一部が低抵抗領域として機能するため、トランジスタ80のオン電流の増大及び電界効果移動度の向上が可能である。
次に、絶縁層33に、金属酸化物層83に達する開口を形成する。
続いて、導電層86a及び導電層86bを形成する。導電層86a及び導電層86bは、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。導電層86a及び導電層86bは、それぞれ、絶縁層33の開口を介して金属酸化物層83と電気的に接続される。
以上のようにして、トランジスタ80を作製できる(図13(B))。トランジスタ80において、導電層81の一部はゲートとして機能し、絶縁層84の一部はゲート絶縁層として機能し、絶縁層82の一部はゲート絶縁層として機能し、導電層85の一部はゲートとして機能する。金属酸化物層83はチャネル領域と低抵抗領域とを有する。チャネル領域は絶縁層84を介して導電層85と重なる。低抵抗領域は導電層86aと接続される部分と、導電層86bと接続される部分と、を有する。
次に、絶縁層33上に絶縁層34から発光素子60までを形成する(図13(C))。これらの工程は作製方法例1を参照できる。
また、図13(A)〜(C)までの工程とは独立して、図14(A)〜(C)の工程を行う。まず、作製基板14上に金属酸化物層20を形成する工程と同様に、作製基板91上に、金属酸化物層92を形成する(図14(A))。次に、金属酸化物層20上に樹脂層23を形成する工程と同様に、金属酸化物層92上に第1の層を形成し、加熱処理を行うことで、樹脂層93を形成する(図14(B))。そして、樹脂層23上に絶縁層31を形成する工程と同様に、樹脂層93上に、樹脂層93の端部を覆う絶縁層95を形成する(図14(B))。
次に、絶縁層95上に、着色層97及び遮光層98を形成する(図14(C))。
着色層97として、カラーフィルタ等を用いることができる。着色層97は発光素子60の表示領域と重なるように配置する。
遮光層98として、ブラックマトリクス等を用いることができる。遮光層98は、絶縁層35と重なるように配置する。
次に、作製基板14のトランジスタ80等が形成されている面と、作製基板91の樹脂層93等が形成されている面とを、接着層99を用いて貼り合わせる(図14(D))。
次に、レーザ光55を照射する(図15)。レーザ光55は、例えば、図15においては、左側から右側に走査される線状レーザビームで、その長軸は、その走査方向及びその入射方向(上から下)に垂直である。レーザ装置において、作製基板14が上側にくるように積層体を配置する。積層体には、積層体(作製基板14)の上側からレーザ光55が照射される。
作製基板14と作製基板91はどちらを先に分離してもよい。ここでは、作製基板91よりも先に作製基板14を分離する例を示す。
レーザ光55は、作製基板14を介して金属酸化物層20と樹脂層23との界面またはその近傍に照射されることが好ましい。また、レーザ光55は、金属酸化物層20中に照射されてもよく、樹脂層23中に照射されてもよい。
金属酸化物層20は、レーザ光55を吸収する。樹脂層23は、レーザ光55を吸収してもよい。
レーザ光55の照射により、金属酸化物層20と樹脂層23の密着性もしくは接着性が低下する。レーザ光55の照射により、樹脂層23が脆弱化されることがある。
レーザ光55の大部分は、レーザ光55が照射される側の作製基板、金属酸化物層、及び樹脂層の3層で吸収される。そのため、1度のレーザ光55の照射によって、金属酸化物層20と樹脂層23の密着性または金属酸化物層92と樹脂層93の密着性の一方のみを低下させることができる。作製基板14と作製基板91とで、分離のタイミングを変えることができるため、作製基板14と作製基板91をそれぞれ別工程で分離することができる。これにより、分離工程、及び表示装置の作製工程の歩留まりを高めることができる。
レーザ光の照射工程については、上記剥離方法における記載を参照できる。
次に、樹脂層23に分離の起点を形成することが好ましい。例えば、作製基板14と作製基板91の間に鋭利な刃物等を差し込み、作製基板14と作製基板91とが接着層99によって接着されている部分を分離することが好ましい。
作製方法例2では、金属酸化物層20上に、樹脂層23が接する部分と、絶縁層31が接する部分と、を設ける。金属酸化物層20と絶縁層31との密着性(接着性)は、金属酸化物層20と樹脂層23との密着性(接着性)よりも高い。そのため、樹脂層23が金属酸化物層20から意図せず剥がれることを抑制できる。同様に、金属酸化物層92上には、樹脂層93が接する部分と、絶縁層95が接する部分と、を設ける。金属酸化物層92と絶縁層95との密着性(接着性)は、金属酸化物層92と樹脂層93との密着性(接着性)よりも高い。そのため、樹脂層93が金属酸化物層92から意図せず剥がれることを抑制できる。
次に、作製基板14とトランジスタ80とを分離する(図16(A))。図16(A)では、樹脂層23の端部よりも外側の部分において、接着層99中で分離が生じる(接着層99が凝集破壊する)例を示すが、これに限られない。例えば、接着層99と、絶縁層95または絶縁層33と、の間で分離が生じる(界面破壊または接着破壊が生じるともいう)場合がある。
作製方法例2では、金属酸化物層20及び樹脂層23を積層し、光を照射する。これにより、金属酸化物層20と樹脂層23との密着性もしくは接着性を低下させることができる。そのため、作製基板14と樹脂層23とを容易に分離することができる。
次に、作製基板14から分離することで露出した樹脂層23と、基板29とを、接着層28を用いて貼り合わせる(図16(B))。基板29は、表示装置の支持基板として機能することができる。
次に、レーザ光55を照射する(図17)。レーザ光55は、例えば、図17においては、左側から右側に走査される線状レーザビームで、その長軸は、その走査方向及びその入射方向(上から下)に垂直である。レーザ装置において、作製基板91が上側にくるように積層体を配置する。積層体には、積層体(作製基板91)の上側からレーザ光55が照射される。
レーザ光55は、作製基板91を介して金属酸化物層92と樹脂層93との界面またはその近傍に照射されることが好ましい。また、レーザ光55は、金属酸化物層92中に照射されてもよく、樹脂層93中に照射されてもよい。
金属酸化物層92は、レーザ光55を吸収する。樹脂層93は、レーザ光55を吸収してもよい。
レーザ光55の照射により、金属酸化物層92と樹脂層93の密着性もしくは接着性が低下する。レーザ光55の照射により、樹脂層93が脆弱化されることがある。
レーザ光の照射工程については、上記剥離方法における記載を参照できる。
次に、樹脂層93に分離の起点を形成する(図18(A))。
図18(A)では、基板29側から、樹脂層93の端部よりも内側に刃物などの鋭利な形状の器具65を差し込み、枠状に切れ目を入れる。基板29に樹脂を用いる場合に好適である。
または、樹脂層23に分離の起点を形成した際と同様に、作製基板91側から、樹脂層93に、枠状にレーザ光を照射してもよい。
分離の起点を形成することで、所望のタイミングで、作製基板91と樹脂層93とを分離することができる。したがって、分離のタイミングを制御でき、かつ、分離に要する力が小さい。これにより、分離工程、及び表示装置の作製工程の歩留まりを高めることができる。
次に、作製基板91とトランジスタ80とを分離する(図18(B))。ここでは、枠状に切れ目を入れた内側の部分と作製基板91とを分離する例を示す。
作製方法例2では、金属酸化物層92及び樹脂層93を積層し、光を照射する。これにより、金属酸化物層92と樹脂層93との密着性もしくは接着性を低下させることができる。そのため、作製基板91と樹脂層93とを容易に分離することができる。
次に、作製基板91から分離することで露出した樹脂層93と、基板22とを、接着層13を用いて貼り合わせる(図19(A))。基板22は、表示装置の支持基板として機能することができる。
図19(A)において、発光素子60の発光は、着色層97、絶縁層95、及び樹脂層93を通して、表示装置の外部に取り出される。そのため、樹脂層93の可視光の透過率は高いことが好ましい。本発明の一態様では、樹脂層93の厚さを薄くすることができる。そのため、樹脂層93の可視光の透過率を高め、発光素子60の光取り出し効率の低下を抑制できる。
また、本発明の一態様では、金属酸化物層92と樹脂層93との界面またはその近傍に光を照射し、金属酸化物層92が光の一部を吸収する。そのため、樹脂層93の光の吸収率が低くても、金属酸化物層92と樹脂層93とを容易に分離することができる。よって、樹脂層93に可視光の透過率が高い材料を用いることができる。したがって、発光素子60の光取り出し効率の低下を抑制できる。
樹脂層93を除去してもよい。これにより、発光素子60の光取り出し効率をさらに高めることができる。図19(B)では、樹脂層93を除去し、接着層13を用いて絶縁層95に基板22を貼り合わせた例を示す。
接着層13には、接着層75bに用いることができる材料を適用できる。
基板22には、基板75aに用いることができる材料を適用できる。
作製方法例2は、本発明の一態様の剥離方法を2回行って表示装置を作製する例である。本発明の一態様では、表示装置を構成する機能素子等は、全て作製基板上で形成するため、精細度の高い表示装置を作製する場合においても、可撓性を有する基板には、高い位置合わせ精度が要求されない。よって、簡便に可撓性を有する基板を貼り付けることができる。
[変形例]
作製方法例2(図14(D))では、接着層99が、金属酸化物層20と絶縁層31とが接している部分、及び金属酸化物層92と絶縁層95とが接している部分の双方と重ねて設けられる場合を示した。
金属酸化物層20と絶縁層31の密着性(接着性)、及び金属酸化物層92と絶縁層95の密着性(接着性)は、それぞれ、金属酸化物層20と樹脂層23の密着性(接着性)、及び金属酸化物層92と樹脂層93の密着性(接着性)よりも高い。
金属酸化物層20と絶縁層31の界面または金属酸化物層92と絶縁層95の界面で剥離を行うと、剥離不良が生じるなど、剥離の歩留まりが低下することがある。そのため、樹脂層に分離の起点を枠状に形成した後、樹脂層と重なる部分のみを作製基板と分離する工程が好適である。
一方、図20(A)、(B)に示すように、接着層99を、金属酸化物層20と絶縁層31とが接している部分、及び金属酸化物層92と絶縁層95とが接している部分とは重ねない構成とすることができる。これにより、剥離不良を低減させることができる。
例えば、流動性の低い接着剤、または接着シートなどを接着層99に用いると、接着層99を島状に形成することが容易である(図20(A))。
または、枠状の隔壁96を形成し、隔壁96に囲まれた内側に接着層99を充填し硬化してもよい(図20(B))。
隔壁96を表示装置の構成要素として用いる場合、隔壁96には、硬化した樹脂を用いることが好ましい。このとき、隔壁96も、金属酸化物層20と絶縁層31とが接している部分、及び金属酸化物層92と絶縁層95とが接している部分とは重ねないことが好ましい。
隔壁96を表示装置の構成要素として用いない場合、隔壁96には、未硬化または半硬化の樹脂を用いることが好ましい。このとき、隔壁96を金属酸化物層20と絶縁層31とが接している部分、及び金属酸化物層92と絶縁層95とが接している部分の一方または双方と重ねてもよい。
本実施の形態では、隔壁96に未硬化の樹脂を用い、隔壁96が、金属酸化物層20と絶縁層31とが接している部分、及び金属酸化物層92と絶縁層95とが接している部分と重ならない例を示す。
[表示装置の構成例2]
図21(A)は、表示装置10Bの上面図である。図21(B)は、表示装置10Bの表示部381の断面図及びFPC372との接続部の断面図の一例である。
表示装置10Bは、上記の作製方法例2を用いて作製することができる。表示装置10Bは、曲がった状態に保持することや、繰り返し曲げることなどが可能である。
表示装置10Bは、基板22及び基板29を有する。基板22側が表示装置10Bの表示面側である。表示装置10Bは、表示部381及び駆動回路部382を有する。表示装置10BにはFPC372が貼り付けられている。
基板22及び基板29にはフィルムを用いることが好ましく、特に樹脂フィルムを用いることが好ましい。これにより表示装置の軽量化、薄型化が可能となる。また、フィルム基板を用いた表示装置は、ガラスや金属などを用いる場合に比べて、破損しにくい。また、表示装置の可撓性を高めることができる。
接続体76を介して、導電層86cとFPC372とが電気的に接続されている(図21(B))。導電層86cは、トランジスタのソース及びドレインと同一の材料及び同一の工程で形成することができる。
[積層体の作製装置の例]
次に、図22を用いて、積層体の作製装置の一例を説明する。図22に示す積層体の作製装置は、本実施の形態の剥離方法を用いて作製基板から被剥離層を剥離し、被剥離層を別の基板に転置することができる。図22に示す積層体の作製装置を用いて、半導体装置、表示装置等の積層体を作製することができる。
図22に示す積層体の作製装置は、レーザ照射ユニット610、基板反転ユニット630、複数の搬送ローラ(搬送ローラ643、644、645、646等)、テープリール602、巻き取りリール683、方向転換ローラ604、及び押圧ローラ606を有する。
図22に示す積層体の作製装置で処理できる積層体56は、例えば被剥離体56aと支持体56bが積層された構成を有する。積層体56は、被剥離体56aと支持体56bとの間で剥離が生じる。被剥離体56aは例えば樹脂層を有し、支持体56bは例えば作製基板を有する。
図22に示す積層体の作製装置は、積層体56に支持体601を貼り付け、支持体601を引っ張ることで被剥離体56aを積層体56から剥離する。支持体601を用いて、積層体56を自動的に分離することができ、作業時間の短縮及び製品の製造歩留まりを向上させることができる。
支持体56bと分離された被剥離体56aは、接着剤を用いて支持体671と貼り合わされる。これにより、支持体601、被剥離体56a、及び支持体671がこの順で積層された積層体59を作製することができる。
複数の搬送ローラは、積層体56を搬送することができる。積層体56を搬送する搬送機構は、搬送ローラに限られず、ベルトコンベア、または搬送ロボット等を用いてもよい。また、搬送機構上のステージに、積層体56を配置してもよい。
搬送ローラ643、搬送ローラ644、搬送ローラ645、搬送ローラ646は、複数に並べられた搬送ローラの1つであり、所定の間隔で設けられ、積層体56、被剥離体56a、または支持体56bの送出方向(実線矢印で示す右回転する方向)に回転駆動される。複数に並べられた搬送ローラは、それぞれ図示しない駆動部(モータ等)により回転駆動される。
レーザ照射ユニット610は、積層体56にレーザを照射するユニットである。レーザとしては、例えば波長308nmの紫外光を出力するエキシマレーザなどを用いることができる。また、高圧水銀ランプやUV−LEDなどを用いてもよい。
図22に示すように、積層体56は、上側に支持体56bが位置する状態で、レーザ照射ユニット610に搬送される。
エキシマレーザは高出力のパルスレーザであり、光学系にてビームを線状に整形することができる。線状ビームのレーザ光の照射位置において基板を移動させることで基板全体または必要箇所にレーザ光を照射することができる。なお、線状ビームは、用いる基板の一辺と同等以上の長さとすれば、基板を一方向に移動するのみで基板全体にレーザ光を照射することができる。パルスレーザの発振周波数は、1Hz以上300Hz以下が好ましく、60Hz近傍がより好ましい。
エキシマレーザ装置には、レーザ発振器を一つ搭載した装置の他、二つ以上のレーザ発振器を搭載する装置を用いることもできる。複数のレーザ発振器を搭載する装置においては、それぞれのレーザ発振器から同期されて出力されたレーザ光を光学系にて合成する(重ね合わす)ことで高エネルギー密度のレーザ光を得ることができる。したがって、本実施の形態の用途においては、第3.5世代(600mm×720mm)以上、第6世代(1500mm×1850mm)以上、第7世代(1870mm×2200mm)以上、または第8世代(2160mm×2460mm)以上のサイズのガラス基板の処理を行うこともできる。また、複数のレーザ発振器を搭載する装置では、それぞれのレーザ発振器から出力されるレーザ光が互いに出力ばらつきを補完するため、1パルス毎の強度ばらつきが少なくなり、歩留りの高い処理を行うことができる。なお、複数の発振器に替えて、複数のエキシマレーザ装置を用いてもよい。
図23(A)にエキシマレーザを用いたレーザ照射ユニット610の一例を示す。二つのレーザ発振器を有するエキシマレーザ装置660から出力されたレーザ光610a、610bは光学系635にて合成される。さらに光学系635にて横長に伸張されたレーザ光610cは、ミラー650を介してレンズ680に入射する。レンズ680を透過したレーザ光610dはレーザ光610cに比べて縮小される。このとき、レーザ光610dが、積層体56が有する加工領域640に支持体56b(例えばガラス基板)を介して照射されるようにする。以下では、レーザ光610dのうち、加工領域640に照射される部分を、線状ビーム610eと記す。
なお、ここでは二つのレーザ発振器を有する例を示したが、一つのレーザ発振器を有する構成としてもよく、これにより、装置を簡略化できる。また、三つ以上のレーザ発振器を有する構成としてもよく、これにより線状ビーム610eの強度を高めることができる。
そして、搬送ローラ644により図中の矢印方向に積層体56を移動させることで、加工領域640に線状ビーム610eを照射することができる。
図23(A)に示すように、積層体56を搬送ローラ644により一定の速度で搬送しながら線状ビーム610eを照射することにより、プロセス時間を短縮することが可能となる。なお、積層体56を少なくとも一方向に移動可能なステージに配置し、ステージを動かしながら線状ビーム610eを照射してもよい。なお、ステージを用いる場合には、進行方向に対して横方向、及び高さ方向に移動可能なステージを用い、線状ビーム610eの焦点の位置や深さを調整できる構成とすることが好ましい。なお、図23(A)では、積層体56を移動させることで、線状ビーム610eを照射する構成について例示したがこれに限定されない。例えば、積層体56を固定し、エキシマレーザ装置660などを移動させて、積層体56に線状ビーム610eを照射してもよい。
図23(A)では、線状ビーム610eが照射される加工領域640が、積層体56の端部よりも内側に位置する例を示している。これにより、加工領域640の外側の領域は密着性が高い状態を維持するため、搬送時に剥離が生じてしまうことを抑制できる。なお、線状ビーム610eの幅が積層体56の幅と等しい、または積層体56の幅よりも大きくてもよい。その場合、積層体56全体に線状ビーム610eが照射することができる。
図23(B)に、線状ビーム610eが積層体56の加工領域640に照射される様子を示す。積層体56は、作製基板58と、第1の層57aと、第2の層57bとを有する。ここで、作製基板58と第2の層57bを含む部分が支持体56bに相当し、第1の層57aを含む部分が被剥離体56aに相当する。
例えば、第1の層57aが上記樹脂層23に相当し、第2の層57bが上記金属酸化物層20に相当する。
レーザ光610dは、作製基板58を透過し、線状ビーム610eは、第1の層57aと第2の層57bの界面、またはその近傍に照射されることが好ましい。特に、線状ビーム610eは、第1の層57aと第2の層57bの界面、またはその近傍に焦点が位置することが好ましい。
また、第1の層57aと第2の層57bとの界面に線状ビーム610eの焦点が位置することで、第1の層57aと第2の層57bとの界面に存在しうる水が気化し、水の体積が急激に膨張する場合がある。この場合、水の体積の膨張に伴い、第1の層57aと第2の層57bとの界面、またはその近傍で剥離現象が生じると推定される。
なお、アモルファスシリコン膜にレーザ光を照射して、アモルファスシリコン膜を結晶化させる技術がある。当該技術の場合、アモルファスシリコン膜の内部にレーザ光の焦点を合わせる。しかしながら、本発明の一態様においては、図23(B)に示すように、レーザ光(ここでは、線状ビーム610e)の焦点は、第1の層57aと、第2の層57bとの界面またはその近傍である。このように本発明の一態様は、レーザ光の焦点位置がアモルファスシリコン膜を結晶化させる技術と相違している。
また、線状ビーム610eの焦点深度が十分に大きい(深い)場合、第1の層57aと第2の層57bの界面またはその近傍だけでなく、第1の層57aの厚さ方向全体、第2の層57bの厚さ方向全体、または第1の層57aと第2の層57bの両方の厚さ方向全体に亘って、線状ビーム610eの焦点が位置する場合がある。
なお、エキシマレーザとしては、波長308nmまたはそれよりも波長が長いものを用いることが好ましい。波長308nm以上であれば、支持体56bにガラス基板を用いた場合においても加工に必要なレーザ光を十分に透過させることができる。
図22に示す基板反転ユニット630は、積層体56の上下を入れ替えるユニットである。例えば積層体56の上下を挟む搬送ローラを有し、当該搬送ローラが回転する機構を有する構成とすることができる。なお、基板反転ユニット630の構成はこれに限られず、積層体56の上下を挟む搬送ローラが、らせん状に配置された構成としてもよいし、反転可能な搬送アームを有する構成としてもよい。
基板反転ユニット630を通過した積層体56は、図22に示すように、被剥離体56aが上側に位置する状態となる。
テープリール602は、ロールシート状の支持体601を繰り出すことができる。支持体601を繰り出す速度は可変であることが好ましい。例えば、該速度を比較的遅くすることで、積層体の剥離不良、または剥離した部材におけるクラックの発生を抑制できる。
巻き取りリール683は、積層体59を巻き取ることができる。
テープリール602及び巻き取りリール683を用いて、支持体601に張力を加えることができる。
支持体601は、連続的または間欠的に繰り出される。支持体601を連続的に繰り出すと、均一な速度、均一な力で剥離を行うことができるため、好ましい。剥離工程においては、剥離の進行が途中で停止することなく連続することが好ましく、等速で剥離を進行させることがより好ましい。剥離の進行を途中で停止し再び当該領域から剥離を始めると、剥離の進行が連続した場合とは異なり、当該領域に歪等がかかる。そのため、当該領域の微細構造の変化、または当該領域にある電子デバイス等の特性変化が起こり、例えば表示装置などでは、その影響が表示に現れることがある。
支持体601として、有機樹脂、金属、合金、またはガラス等を用いたロールシート状のフィルムを用いることができる。
図22では、支持体601に、可撓性基板など、作製する装置(例えばフレキシブルデバイス)を被剥離体56aとともに構成する部材を用いる。支持体601は、キャリアテープなど、作製する装置を構成しない部材であってもよい。
方向転換ローラ604によって、支持体601の送り方向を変えることができる。図22では、方向転換ローラ604は、テープリール602と押圧ローラ606の間に位置する例を示す。
支持体601は、押圧ローラ606及び搬送ローラ645によって、積層体56(被剥離体56a)に貼り付けられる。
図22の構成では、支持体601が、押圧ローラ606に届く手前で、積層体56と接触することを抑制できる。そのため、支持体601と積層体56の間に気泡が混入することを抑制できる。
押圧ローラ606は、図示しない駆動部(モータ等)により回転駆動される。押圧ローラ606が回転することで、積層体56に被剥離体56aを引き剥がす力がかかり、被剥離体56aが剥がれる。このとき、積層体56に剥離の起点が形成されていることが好ましい。被剥離体56aは、剥離の起点から剥がれ始める。そして、積層体56は、被剥離体56aと支持体56bに分離される。
積層体56から被剥離体56aを引き剥がす機構は、押圧ローラ606に限られず、凸面(凸曲面、凸状の曲面ともいえる)を有する構造体を適用することができる。例えば、円筒状(円柱状、直円柱状、楕円柱状、放物柱状、なども含む)、球状等の構造物を用いることができる。例えば、ドラム状のローラ等のローラを用いることができる。構造体の形状の一例として、底面が曲線で構成される柱体(底面が正円である円柱や、底面が楕円である楕円柱など)や、底面が直線及び曲線で構成される柱体(底面が半円、半楕円である柱体など)が挙げられる。構造体の形状がこれらの柱体のいずれかであるとき、凸面は、該柱体の曲面の部分にあたる。
構造体の材質としては、金属、合金、有機樹脂、ゴム等が挙げられる。構造体は内部に空間または空洞を有してもよい。ゴムとしては、天然ゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、ネオプレンゴム等が挙げられる。ゴムを用いる場合には、摩擦または剥離による帯電が生じにくい材料を用いる、または静電気を防止する対策を行うことが好ましい。例えば、図22に示す押圧ローラ606は、ゴムまたは有機樹脂を用いた中空の円筒606aと、円筒606aの内側に位置する、金属または合金を用いた円柱606bと、を有する。
押圧ローラ606の回転速度は可変であることが好ましい。押圧ローラ606の回転速度を制御することで、剥離の歩留まりをより高めることができる。
押圧ローラ606や複数の搬送ローラは、少なくとも一方向(例えば、上下、左右、または前後等)に移動可能であってもよい。押圧ローラ606の凸面と搬送ローラの支持面の間の距離が可変であると、様々な厚みの積層体の剥離が行えるため好ましい。
押圧ローラ606が支持体601を折り返す角度に特に限定はない。図22では、押圧ローラ606が支持体601を折り返す角度が鈍角である例を示す。
図22に示す積層体の作製装置は、さらに、ローラ617を有する。ローラ617は、凸面に沿って、支持体601を押圧ローラ606から巻き取りリール683に送ることができる。
ローラ617は、一以上の方向に移動可能である。
ローラ617の軸が移動することで、ローラ617は、支持体601に張力を加えることができる。つまり、ローラ617は、テンションローラということができる。具体的には、支持体601を、押圧ローラ606によって変えられた送り方向に引っ張ることができる。
ローラ617の軸が移動することで、ローラ617は、押圧ローラ606が支持体601を折り返す角度を制御することができる。
ローラ617は、支持体601を折り返し、支持体601の送り方向を変えることができる。例えば、支持体601の送り方向を水平方向に変えてもよい。または、ローラ617が、支持体601を折り返し、支持体601の送り方向を変えた後、ローラ617と巻き取りリール683の間に位置する方向転換ローラ607によって、さらに支持体601の送り方向を変え、支持体601の送り方向を水平方向にしてもよい。
図22に示す積層体の作製装置は、さらに、ガイドローラ(ガイドローラ631、632、633等)、巻き取りリール613、液体供給機構659、乾燥機構614、及び、イオナイザ(イオナイザ639、620)を有する。
積層体の作製装置は、支持体601を巻き取りリール683まで案内するガイドローラを有していてもよい。ガイドローラは単数であっても複数であってもよい。ガイドローラ632のように、ガイドローラは、支持体601に張力を加えることができてもよい。
支持体601の少なくとも一方の面にテープ600(セパレートフィルムともよぶ)が貼り合わされていてもよい。このとき、積層体の作製装置は、支持体601の一方の面に貼り合わされたテープ600を巻き取ることができるリールを有していることが好ましい。図22では、巻き取りリール613が、テープリール602と押圧ローラ606の間に位置する例を示す。さらに、積層体の作製装置は、ガイドローラ634を有していてもよい。ガイドローラ634は、テープ600を巻き取りリール613まで案内することができる。
積層体の作製装置は、乾燥機構614を有していてもよい。被剥離体56aに含まれる機能素子(例えば、トランジスタや薄膜集積回路)は静電気に弱いため、剥離を行う前に被剥離体56aと支持体56bの界面に液体を供給するか、当該界面に液体を供給しながら剥離を行うことが好ましい。また、剥離の進行部に液体が存在することで剥離に要する力を低下させることができる。液体供給機構659を用いて、当該界面に液体を供給しながら剥離を行うことができる。被剥離体56aに付着したまま液体が揮発するとウォーターマークが形成されることがあるため、剥離直後に液体を除去することが好ましい。したがって、機能素子を含む被剥離体56aに対してブローを行い、被剥離体56a上に残った液滴を除去することが好ましい。これにより、ウォーターマークの発生を抑えることができる。また、支持体601の撓みを防止するためにキャリアプレート609を有していてもよい。
水平面に対して斜め方向に支持体601を搬送しながら、支持体601の傾きに沿って下方向に気流を流し、液滴を下に落とすことが好ましい。
支持体601の搬送方向は、水平面に対して垂直とすることもできるが、水平面に対して斜め方向である方が、搬送中の支持体601が安定となり、振動を抑制できる。
工程中、静電気が発生する恐れのある位置では、積層体の作製装置が有する静電気除去器を用いることが好ましい。静電気除去器としては、特に限定はないが、例えば、コロナ放電方式、軟X線方式、紫外線方式等のイオナイザを用いることができる。
例えば、積層体の作製装置にイオナイザを設け、イオナイザからエアまたは窒素ガス等を、被剥離体56aに吹き付けて除電処理を行い、静電気による機能素子への影響を低減することが好ましい。特に、2つの部材を貼り合わせる工程及び1つの部材を分離する工程では、それぞれ、イオナイザを用いることが好ましい。
例えば、イオナイザ639を用いて、被剥離体56aと支持体56bの界面近傍にイオンを照射し、静電気を取り除きながら、積層体56を被剥離体56aと支持体56bに分離することが好ましい。
積層体の作製装置は、基板ロードカセット641及び基板アンロードカセット642を有していてもよい。例えば、積層体56を基板ロードカセット641に供給することができる。基板ロードカセット641は、積層体56を搬送機構等に供給することができる。また、支持体56bを基板アンロードカセット642に供給することができる。
テープリール672は、ロールシート状の支持体671を繰り出すことができる。支持体671には、支持体601と同様の材料を用いることができる。
テープリール672及び巻き取りリール683を用いて、支持体671に張力を加えることができる。
積層体の作製装置は、支持体671を巻き取りリール683まで案内するガイドローラ677、678、679を有していてもよい。
方向転換ローラ676によって、支持体671の送り方向を変えることができる。
押圧ローラ675は、被剥離体56aと、テープリール672が繰り出す支持体671を加圧しながら貼り合わせることができる。これにより、支持体671と被剥離体56aの間に気泡が混入することを抑制できる。
支持体671の少なくとも一方の面に分離テープ670が貼り合わされていてもよい。リール673は、分離テープ670を巻き取ることができる。ガイドローラ674は、分離テープ670をリール673まで案内することができる。
作製された積層体59は、巻き取られてもよいし、分断されてもよい。図22では、巻き取りリール683が積層体59を巻き取る例を示す。ガイドローラ665、666のように、積層体59を巻き取りリール683に案内するガイドローラを有していてもよい。
図22に示す積層体の作製装置では、押圧ローラ606を用いて、積層体56から被剥離体56aを剥離し、押圧ローラ675を用いて被剥離体56aを支持体671に転置することができる。
以上のように、本実施の形態の剥離方法では、作製基板上に、金属酸化物層と樹脂層とを積層し、光を照射することによって樹脂層の金属酸化物層に対する剥離性を制御する。また、金属酸化物層上に樹脂層が接する部分と、絶縁層が接する部分とを設けることで、所望のタイミングで、作製基板から樹脂層を剥離することができる。したがって、本実施の形態の剥離方法を用いて、高い歩留まりで表示装置等を作製できる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。また、本明細書において、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置の作製方法について図24〜図28を用いて説明する。
本実施の形態では、トランジスタのチャネル形成領域に、低温ポリシリコン(LTPS)を用いる場合について説明する。
LTPSを用いる場合、樹脂層は、耐熱性の高い材料を用いて形成することが好ましい。さらに、樹脂層は、厚膜で形成することが好ましい。これにより、高温プロセスが可能となり、かつ、レーザ結晶化の工程でのダメージを緩和することができる。
まず、作製基板14上に、金属酸化物層20を形成する(図24(A))。金属酸化物層20の材料及び形成方法は、実施の形態1を参照することができる。
次に、金属酸化物層20上に第1の層24を形成する(図24(B))。
第1の層24の材料及び形成方法は、実施の形態1を参照することができる。本実施の形態で用いる第1の層24の材料の耐熱性は、十分に高いことが好ましい。
次に、所望の形状の第1の層24に対して加熱処理を行うことで、樹脂層23を形成する(図24(C))。ここでは、島状の樹脂層23を形成する。
加熱処理の条件は、実施の形態1を参照することができる。
本実施の形態では、第1の層24の材料に耐熱性の高い材料を用いるため、耐熱性の高い樹脂層23を形成することができる。
本実施の形態では、第1の層24の材料に耐熱性の高い材料を用いるため、実施の形態1に示した加熱温度よりも高い温度で、加熱処理を行うことができる。例えば、加熱処理の温度は、400℃以上600℃以下が好ましく、450℃以上550℃以下がより好ましい。
樹脂層23の厚さは、10μm以上200μm以下であることが好ましく、10μm以上100μm以下であることがより好ましく、10μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。樹脂層23が十分に厚いことで、レーザ結晶化の工程でのダメージを緩和することができる。また、表示装置の剛性を高めることができる。
樹脂層23の5%重量減少温度は、400℃以上600℃以下が好ましく、450℃以上600℃以下がより好ましく、500℃以上600℃以下がさらに好ましい。
次に、作製基板14上及び樹脂層23上に、絶縁層31を形成する(図24(D))。
絶縁層31は、樹脂層23の耐熱温度以下の温度で形成する。絶縁層31は、加熱処理の温度より低い温度で形成することが好ましい。
絶縁層31は、樹脂層23に含まれる不純物が、後に形成するトランジスタや表示素子に拡散することを防ぐバリア層として用いることができる。例えば、絶縁層31は、樹脂層23を加熱した際に、樹脂層23に含まれる水分等がトランジスタや表示素子に拡散することを防ぐことが好ましい。そのため、絶縁層31は、バリア性が高いことが好ましい。
絶縁層31には、実施の形態1で例示した材料を用いることができる。
次に、絶縁層31上に、トランジスタ140を形成する(図24(E)、図25(A)〜図25(E))。
ここではトランジスタ140として、チャネル形成領域にLTPSを有する、トップゲート構造のトランジスタを作製する場合を示す。
まず、絶縁層31上に、スパッタリング法、またはCVD法などを用いて、半導体膜を形成する。本実施の形態では、プラズマCVD装置を用いて、厚さ50nmの非晶質シリコン膜161を成膜する。
次に、非晶質シリコン膜161に対して加熱処理を行うことが好ましい。これにより、非晶質シリコン膜161中から、水素を脱離させることができる。具体的には、400℃以上550℃以下の温度で加熱することが好ましい。例えば、非晶質シリコン膜161の含有水素量を5atom%以下とすることで、結晶化工程での製造歩留まりを高めることができる。なお、非晶質シリコン膜161の含有水素量が低い場合、加熱処理を省略してもよい。
本実施の形態では、樹脂層23の耐熱性が高いため、非晶質シリコン膜161を高温で加熱することができる。これにより、非晶質シリコン膜161中の水素を十分に脱離し、結晶化工程での製造歩留まりを高めることができる。
次に、半導体膜を結晶化させることで、結晶構造を有する半導体膜162を形成する(図25(A))。
半導体膜の上方よりレーザ光を照射することで半導体膜を結晶化させることができる。レーザ光としては、例えば、193nm、248nm、308nm、または351nmの波長を用いることができる。または、金属の触媒元素を用いて、半導体膜を結晶化させてもよい。
本実施の形態では、樹脂層23の耐熱性が高く、かつ樹脂層23を厚膜で形成するため、結晶化の際のダメージを緩和することができる。
次に、結晶構造を有する半導体膜162にチャネルドープを行ってもよい。
次に、結晶構造を有する半導体膜162を加工し、島状の半導体膜を形成する。
半導体膜の加工方法としては、ウエットエッチング法及びドライエッチング法のいずれか一方または双方を用いることができる。
次に、絶縁層31及び半導体膜上に絶縁層163及び導電層164を形成する。絶縁層163は、絶縁層31に用いることのできる無機絶縁膜を援用できる。絶縁層163及び導電層164は、絶縁層163となる絶縁膜と、導電層164となる導電膜とを成膜した後、マスクを形成し、当該絶縁膜及び当該導電膜をエッチングした後にマスクを除去することにより形成できる。
半導体膜の一部に不純物元素を添加することで、チャネル領域162a及び低抵抗領域162b(ソース領域及びドレイン領域ともいえる)を形成する。不純物元素を複数回添加する(ライトドープとヘビードープを行う)ことで、チャネル領域162aと低抵抗領域162bの間にLDD(Lightly Doped Drain)領域を形成してもよい。絶縁層163及び導電層164、さらにはこれらを作製するために用いたマスクは、不純物元素の添加の際のマスクとして機能することができる。
nチャネル型のトランジスタを作製する場合、不純物元素としては、半導体膜にn型の導電性を付与する不純物を用いる。例えば、P、As、Sb、S、Te、Se等の元素を用いることができる。
pチャネル型のトランジスタを作製する場合、不純物元素としては、半導体膜にp型の導電性を付与する不純物を用いる。例えば、B、Al、Ga等の元素を用いることができる。
次に、半導体層、絶縁層163、及び導電層164を覆う絶縁層165を形成する(図25(C))。絶縁層165は、絶縁層31と同様の方法により形成することができる。
次に、加熱処理を行う。これにより、半導体膜に添加した不純物を活性化させる。当該加熱処理は、導電層164の酸化を防ぐため、絶縁層165を形成した後に行うことが好ましい。
本実施の形態では、樹脂層23の耐熱性が高いため、不純物の活性化のための加熱処理を高温で行うことができる。これにより、トランジスタの特性を高めることができる。
次に、絶縁層165上に絶縁層166を形成する(図25(D))。絶縁層166は、絶縁層31と同様の方法により形成することができ、特に、水素を含む絶縁膜を形成する。
次に、加熱処理を行う。これにより、水素を含む絶縁層166から半導体膜中(特にチャネル領域162a中)に水素を供給し、半導体膜中の欠陥を水素で終端することができる。当該加熱処理は、水素を含む絶縁層166を形成した後に行うことが好ましい。当該加熱処理は、水素を脱離させるために非晶質シリコン膜161に対して行った加熱処理よりも低い温度で行う。
本実施の形態では、樹脂層23の耐熱性が高いため、水素化のための加熱処理を高温で行うことができる。これにより、トランジスタの特性を高めることができる。
次に、絶縁層165及び絶縁層166に、半導体層の低抵抗領域162bに達する開口を形成する。
続いて、導電層167a及び導電層167bを形成する。導電層167a及び導電層167bは、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。導電層167a及び導電層167bは、それぞれ、絶縁層165及び絶縁層166の開口を介して低抵抗領域162bと電気的に接続される。
以上のようにして、トランジスタ140を作製できる(図25(E))。トランジスタ140において、導電層164の一部はゲートとして機能し、絶縁層163の一部はゲート絶縁層として機能する。半導体層はチャネル領域162a及び低抵抗領域162bを有する。チャネル領域162aは絶縁層163を介して導電層164と重なる。低抵抗領域162bは導電層167aと接続される部分と、導電層167bと接続される部分と、を有する。
次に、絶縁層166上に絶縁層34から保護層75までを形成する(図26(A))。これらの工程は実施の形態1を参照できる。
次に、レーザ光55を照射する(図26(B))。レーザ光55の照射の方法は、実施の形態1を参照できる。
次に、樹脂層23に分離の起点を形成する(図26(C))。分離の起点の形成方法は、実施の形態1を参照できる。
本実施の形態では、金属酸化物層20上に、樹脂層23が接する部分と、絶縁層31が接する部分と、を設ける。金属酸化物層20と絶縁層31との密着性(接着性)は、金属酸化物層20と樹脂層23との密着性(接着性)よりも高い。そのため、樹脂層23が金属酸化物層20から意図せず剥がれることを抑制できる。そして、分離の起点を形成することで、所望のタイミングで、金属酸化物層20と樹脂層23とを分離することができる。したがって、分離のタイミングを制御でき、かつ、分離に要する力が小さい。これにより、分離工程、及び表示装置の作製工程の歩留まりを高めることができる。
次に、金属酸化物層20と樹脂層23とを分離する(図27(A))。
そして、露出した樹脂層23に、接着層28を用いて、基板29を貼り合わせる(図27(B))。
基板29は、表示装置の支持基板として機能することができる。基板29にはフィルムを用いることが好ましく、特に樹脂フィルムを用いることが好ましい。これにより表示装置の軽量化、薄型化が可能となる。また、フィルム基板を用いた表示装置は、ガラスや金属などを用いる場合に比べて、破損しにくい。また、表示装置の可撓性を高めることができる。
以上のように、耐熱性の高い材料を用い、樹脂層を厚膜で形成することで、トランジスタにLTPSが適用された表示装置を作製することができる。
[表示装置の構成例3]
図28(A)は、表示装置10Cの上面図である。図28(B)、(C)は、それぞれ、表示装置10Cの表示部381の断面図及びFPC372との接続部の断面図の一例である。
表示装置10Cは、曲がった状態に保持することや、繰り返し曲げることなどが可能である。
表示装置10Cは、保護層75及び基板29を有する。保護層75側が表示装置の表示面側である。表示装置10Cは、表示部381及び駆動回路部382を有する。表示装置10CにはFPC372が貼り付けられている。
接続体76を介して、導電層43cとFPC372とが電気的に接続されている(図28(B)、(C))。導電層43cは、トランジスタのソース及びドレインと同一の材料及び同一の工程で形成することができる。
図28(C)に示す表示装置は、樹脂層23及び絶縁層31を有さず、樹脂層23a、絶縁層31a、樹脂層23b、及び絶縁層31bの積層構造を有する。このような積層構造を有することで、表示装置の信頼性を高めることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様を適用して作製することができる表示装置及び入出力装置について図29〜図38を用いて説明する。
本実施の形態の表示装置は、可視光を反射する第1の表示素子と、可視光を発する第2の表示素子とを有する。
本実施の形態の表示装置は、第1の表示素子が反射する光と、第2の表示素子が発する光のうち、いずれか一方、または両方により、画像を表示する機能を有する。
第1の表示素子には、外光を反射して表示する素子を用いることができる。このような素子は光源を持たない(人工光源を使用しない)ため、表示の際の消費電力を極めて小さくすることが可能となる。
第1の表示素子には、代表的には反射型の液晶素子を用いることができる。または、第1の表示素子として、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、光干渉方式のMEMS素子の他、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)方式等を適用した素子などを用いることができる。
第2の表示素子には、発光素子を用いることが好ましい。このような表示素子が射出する光は、その輝度や色度が外光に左右されることがないため、色再現性が高く(色域が広く)、コントラストの高い、鮮やかな表示を行うことができる。
第2の表示素子には、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)などの自発光性の発光素子を用いることができる。
本実施の形態の表示装置は、第1の表示素子のみを用いて画像を表示する第1のモード、第2の表示素子のみを用いて画像を表示する第2のモード、並びに、第1の表示素子及び第2の表示素子を用いて画像を表示する第3のモードを有し、これらのモードを自動または手動で切り替えて使用することができる。
第1のモードでは、第1の表示素子と外光を用いて画像を表示する。第1のモードは光源が不要であるため、極めて低消費電力なモードである。例えば、表示装置に外光が十分に入射されるとき(明るい環境下など)は、第1の表示素子が反射した光を用いて表示を行うことができる。例えば、外光が十分に強く、かつ外光が白色光またはその近傍の光である場合に有効である。第1のモードは、文字を表示することに適したモードである。また、第1のモードは、外光を反射した光を用いるため、目に優しい表示を行うことができ、目が疲れにくいという効果を奏する。
第2のモードでは、第2の表示素子による発光を利用して画像を表示する。そのため、照度や外光の色度によらず、極めて鮮やかな(コントラストが高く、且つ色再現性の高い)表示を行うことができる。例えば、夜間や暗い室内など、照度が極めて低い場合などに有効である。また周囲が暗い場合、明るい表示を行うと使用者が眩しく感じてしまう場合がある。これを防ぐために、第2のモードでは輝度を抑えた表示を行うことが好ましい。これにより、眩しさを抑えることに加え、消費電力も低減することができる。第2のモードは、鮮やかな画像(静止画及び動画)などを表示することに適したモードである。
第3のモードでは、第1の表示素子による反射光と、第2の表示素子による発光の両方を利用して表示を行う。第1のモードよりも鮮やかな表示をしつつ、第2のモードよりも消費電力を抑えることができる。例えば、室内照明下や、朝方や夕方の時間帯など、照度が比較的低い場合、外光の色度が白色ではない場合などに有効である。
このような構成とすることで、周囲の明るさによらず、視認性が高く利便性の高い表示装置を実現できる。具体的には、外光下でも、室内でも、視認性が高く利便性の高い表示装置を実現できる。
なお、第3のモードは、ハイブリッド表示方法を用いるモードということができる。
また、本実施の形態の表示装置及び入出力装置は、ハイブリッドディスプレイともいうことができる。
ハイブリッド表示とは、1つのパネルにおいて、反射光と自発光とを併用して、色調または光強度を互いに補完して、文字及び/または画像を表示する方法である。または、ハイブリッド表示とは、同一画素または同一副画素において、複数の表示素子からそれぞれの光を用いて、文字及び/または画像を表示する方法である。ただし、ハイブリッド表示を行っているハイブリッドディスプレイを局所的にみると、複数の表示素子のいずれか一を用いて表示される画素または副画素と、複数の表示素子の二以上を用いて表示される画素または副画素と、を有する場合がある。
なお、本明細書等において、上記構成のいずれか1つまたは複数の表現を満たすものを、ハイブリッド表示という。
また、ハイブリッドディスプレイは、同一画素または同一副画素に複数の表示素子を有する。なお、複数の表示素子としては、例えば、光を反射する反射型素子と、光を射出する自発光素子とが挙げられる。なお、反射型素子と、自発光素子とは、それぞれ独立に制御することができる。ハイブリッドディスプレイは、表示部において、反射光、及び自発光のいずれか一方または双方を用いて、文字及び/または画像を表示する機能を有する。
本実施の形態の表示装置は、第1の表示素子を有する第1の画素と、第2の表示素子を有する第2の画素とをそれぞれ複数有する。第1の画素と第2の画素は、それぞれ、マトリクス状に配置されることが好ましい。
第1の画素及び第2の画素は、それぞれ、1つ以上の副画素を有する構成とすることができる。例えば、画素には、副画素を1つ有する構成(白色(W)など)、副画素を3つ有する構成(赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3色、または、黄色(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の3色など)、または、副画素を4つ有する構成(赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、白色(W)の4色、または、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、黄色(Y)の4色など)を適用できる。
本実施の形態の表示装置は、第1の画素と第2の画素のどちらでも、フルカラー表示を行う構成とすることができる。または、本実施の形態の表示装置は、第1の画素では白黒表示またはグレースケールでの表示を行い、第2の画素ではフルカラー表示を行う構成とすることができる。第1の画素を用いた白黒表示またはグレースケールでの表示は、文書情報など、カラー表示を必要としない情報を表示することに適している。
図29は、表示装置300Aの斜視概略図である。表示装置300Aは、基板351と基板361とが貼り合わされた構成を有する。図29では、基板361を破線で明示している。
表示装置300Aは、表示部362、回路364、配線365等を有する。図29では表示装置300AにIC(集積回路)373及びFPC372が実装されている例を示している。そのため、図29に示す構成は、表示装置300A、IC、及びFPCを有する表示モジュールということもできる。
回路364としては、例えば走査線駆動回路を用いることができる。
配線365は、表示部362及び回路364に信号及び電力を供給する機能を有する。当該信号及び電力は、FPC372を介して外部から、またはIC373から配線365に入力される。
図29では、COG(Chip On Glass)方式またはCOF(Chip on Film)方式等により、基板351にIC373が設けられている例を示す。IC373は、例えば走査線駆動回路または信号線駆動回路などを有するICを適用できる。なお、表示装置300A及び表示モジュールは、ICを設けない構成としてもよい。また、ICを、COF方式等により、FPCに実装してもよい。
図29には、表示部362の一部の拡大図を示している。表示部362には、複数の表示素子が有する電極311bがマトリクス状に配置されている。電極311bは、可視光を反射する機能を有し、液晶素子180の反射電極として機能する。
また、図29に示すように、電極311bは開口451を有する。さらに表示部362は、電極311bよりも基板351側に、発光素子170を有する。発光素子170からの光は、電極311bの開口451を介して基板361側に射出される。発光素子170の発光領域の面積と開口451の面積とは等しくてもよい。発光素子170の発光領域の面積と開口451の面積のうち一方が他方よりも大きいと、位置ずれに対するマージンが大きくなるため好ましい。特に、開口451の面積は、発光素子170の発光領域の面積に比べて大きいことが好ましい。開口451が小さいと、発光素子170からの光の一部が電極311bによって遮られ、外部に取り出せないことがある。開口451を十分に大きくすることで、発光素子170の発光が無駄になることを抑制できる。
図30に、図29で示した表示装置300Aの、FPC372を含む領域の一部、回路364を含む領域の一部、及び表示部362を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
図30に示す表示装置300Aは、基板351と基板361の間に、トランジスタ201、トランジスタ203、トランジスタ205、トランジスタ206、液晶素子180、発光素子170、絶縁層220、着色層131、着色層134等を有する。基板361と絶縁層220は接着層141を介して接着されている。基板351と絶縁層220は接着層142を介して接着されている。
基板361には、着色層131、遮光層132、絶縁層121、及び液晶素子180の共通電極として機能する電極113、配向膜133b、絶縁層117等が設けられている。基板361の外側の面には、偏光板135を有する。絶縁層121は、平坦化層としての機能を有していてもよい。絶縁層121により、電極113の表面を概略平坦にできるため、液晶層112の配向状態を均一にできる。絶縁層117は、液晶素子180のセルギャップを保持するためのスペーサとして機能する。絶縁層117が可視光を透過する場合は、絶縁層117を液晶素子180の表示領域と重ねて配置してもよい。
液晶素子180は反射型の液晶素子である。液晶素子180は、画素電極として機能する電極311a、液晶層112、電極113が積層された積層構造を有する。電極311aの基板351側に接して、可視光を反射する電極311bが設けられている。電極311bは開口451を有する。電極311a及び電極113は可視光を透過する。液晶層112と電極311aの間に配向膜133aが設けられている。液晶層112と電極113の間に配向膜133bが設けられている。
液晶素子180において、電極311bは可視光を反射する機能を有し、電極113は可視光を透過する機能を有する。基板361側から入射した光は、偏光板135により偏光され、電極113、液晶層112を透過し、電極311bで反射する。そして液晶層112及び電極113を再度透過して、偏光板135に達する。このとき、電極311bと電極113の間に与える電圧によって液晶の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板135を介して射出される光の強度を制御することができる。また光は着色層131によって特定の波長領域以外の光が吸収されることにより、取り出される光は、例えば赤色を呈する光となる。
図30に示すように、開口451には可視光を透過する電極311aが設けられていることが好ましい。これにより、開口451と重なる領域においてもそれ以外の領域と同様に液晶層112が配向するため、これらの領域の境界部で液晶の配向不良が生じ、意図しない光が漏れてしまうことを抑制できる。
接続部207において、電極311bは、導電層221bを介して、トランジスタ206が有する導電層222aと電気的に接続されている。トランジスタ206は、液晶素子180の駆動を制御する機能を有する。
接着層141が設けられる一部の領域には、接続部252が設けられている。接続部252において、電極311aと同一の導電膜を加工して得られた導電層と、電極113の一部が、接続体243により電気的に接続されている。したがって、基板361側に形成された電極113に、基板351側に接続されたFPC372から入力される信号または電位を、接続部252を介して供給することができる。
接続体243としては、例えば導電性の粒子を用いることができる。導電性の粒子としては、有機樹脂またはシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したものを用いることができる。金属材料としてニッケルや金を用いると接触抵抗を低減できるため好ましい。またニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子を用いることが好ましい。また接続体243として、弾性変形、または塑性変形する材料を用いることが好ましい。このとき導電性の粒子である接続体243は、図30に示すように上下方向に潰れた形状となる場合がある。こうすることで、接続体243と、これと電気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗を低減できるほか、接続不良などの不具合の発生を抑制することができる。
接続体243は、接着層141に覆われるように配置することが好ましい。例えば硬化前の接着層141に、接続体243を分散させておけばよい。
発光素子170は、ボトムエミッション型の発光素子である。発光素子170は、絶縁層220側から画素電極として機能する電極191、EL層192、及び共通電極として機能する電極193の順に積層された積層構造を有する。電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ205が有する導電層222aと接続されている。トランジスタ205は、発光素子170の駆動を制御する機能を有する。絶縁層216が電極191の端部を覆っている。電極193は可視光を反射する材料を含み、電極191は可視光を透過する材料を含む。電極193を覆って絶縁層194が設けられている。発光素子170が発する光は、着色層134、絶縁層220、開口451、電極311a等を介して、基板361側に射出される。
液晶素子180及び発光素子170は、画素によって着色層の色を変えることで、様々な色を呈することができる。表示装置300Aは、液晶素子180を用いて、カラー表示を行うことができる。表示装置300Aは、発光素子170を用いて、カラー表示を行うことができる。
トランジスタ201、トランジスタ203、トランジスタ205、及びトランジスタ206は、いずれも絶縁層220の基板351側の面上に形成されている。これらのトランジスタは、同一の工程を用いて作製することができる。
液晶素子180と電気的に接続される回路は、発光素子170と電気的に接続される回路と同一面上に形成されることが好ましい。これにより、2つの回路を別々の面上に形成する場合に比べて、表示装置の厚さを薄くすることができる。また、2つのトランジスタを同一の工程で作製できるため、2つのトランジスタを別々の面上に形成する場合に比べて、作製工程を簡略化することができる。
液晶素子180の画素電極は、トランジスタが有するゲート絶縁層を挟んで、発光素子170の画素電極とは反対に位置する。
ここで、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、オフ電流が極めて低いトランジスタ206を適用した場合や、トランジスタ206と電気的に接続される記憶素子を適用した場合などでは、液晶素子180を用いて静止画を表示する際に画素への書き込み動作を停止しても、階調を維持させることが可能となる。すなわち、フレームレートを極めて小さくしても表示を保つことができる。本発明の一態様では、フレームレートを極めて小さくでき、消費電力の低い駆動を行うことができる。
トランジスタ203は、画素の選択、非選択状態を制御するトランジスタ(スイッチングトランジスタ、または選択トランジスタともいう)である。トランジスタ205は、発光素子170に流れる電流を制御するトランジスタ(駆動トランジスタともいう)である。
絶縁層220の基板351側には、絶縁層211、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214等の絶縁層が設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層212は、トランジスタ206等を覆って設けられる。絶縁層213は、トランジスタ205等を覆って設けられている。絶縁層214は、平坦化層としての機能を有する。なお、トランジスタを覆う絶縁層の数は限定されず、単層であっても2層以上であってもよい。
各トランジスタを覆う絶縁層の少なくとも一層に、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層をバリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに対して外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能となり、信頼性の高い表示装置を実現できる。
トランジスタ201、トランジスタ203、トランジスタ205、及びトランジスタ206は、ゲートとして機能する導電層221a、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211、ソース及びドレインとして機能する導電層222a及び導電層222b、並びに、半導体層231を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。
トランジスタ201及びトランジスタ205は、トランジスタ203及びトランジスタ206の構成に加えて、ゲートとして機能する導電層223を有する。
トランジスタ201及びトランジスタ205には、チャネルが形成される半導体層を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。このような構成とすることで、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。このようなトランジスタは他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速駆動が可能な回路を作製することができる。さらには、回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示装置を大型化、または高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することができる。
または、2つのゲートのうち、一方に閾値電圧を制御するための電位を与え、他方に駆動のための電位を与えることで、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。
表示装置が有するトランジスタの構造に限定はない。回路364が有するトランジスタと、表示部362が有するトランジスタは、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。回路364が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよく、2種類以上の構造が組み合わせて用いられていてもよい。同様に、表示部362が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよく、2種類以上の構造が組み合わせて用いられていてもよい。
導電層223には、酸化物を含む導電性材料を用いることが好ましい。導電層223を構成する導電膜の成膜時に、酸素を含む雰囲気下で成膜することで、絶縁層212に酸素を供給することができる。成膜ガス中の酸素ガスの割合を90%以上100%以下の範囲とすることが好ましい。絶縁層212に供給された酸素は、後の熱処理により半導体層231に供給され、半導体層231中の酸素欠損の低減を図ることができる。
特に、導電層223には、低抵抗化された金属酸化物を用いることが好ましい。このとき、絶縁層213に水素を放出する絶縁膜、例えば窒化シリコン膜等を用いることが好ましい。絶縁層213の成膜中、またはその後の熱処理によって導電層223中に水素が供給され、導電層223の電気抵抗を効果的に低減することができる。
絶縁層213に接して着色層134が設けられている。着色層134は、絶縁層214に覆われている。
基板351と基板361とが重ならない領域には、接続部204が設けられている。接続部204では、配線365が接続層242を介してFPC372と電気的に接続されている。接続部204は接続部207と同様の構成を有している。接続部204の上面は、電極311aと同一の導電膜を加工して得られた導電層が露出している。これにより、接続部204とFPC372とを接続層242を介して電気的に接続することができる。
基板361の外側の面に配置する偏光板135として直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。これにより、外光反射を抑制することができる。また、偏光板の種類に応じて、液晶素子180に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにする。
なお、基板361の外側には各種光学部材を配置することができる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光拡散層(拡散フィルムなど)、反射防止層、及び集光フィルム等が挙げられる。また、基板361の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜等を配置してもよい。
基板351及び基板361には、それぞれ、ガラス、石英、セラミック、サファイヤ、有機樹脂などを用いることができる。基板351及び基板361に可撓性を有する材料を用いると、表示装置の可撓性を高めることができる。
液晶素子180としては、例えば垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードが適用された液晶素子を用いることができる。垂直配向モードとしては、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。
液晶素子180には、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えばVAモードのほかに、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、TBA(Transverse Bend Alignment)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、ゲストホストモード等が適用された液晶素子を用いることができる。
液晶素子は、液晶の光学的変調作用によって光の透過または非透過を制御する素子である。液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界または斜め方向の電界を含む)によって制御される。液晶素子に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、高分子ネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
液晶材料としては、ポジ型の液晶、またはネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いることができる。
液晶の配向を制御するため、配向膜を設けることができる。なお、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性である。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
反射型の液晶素子を用いる場合には、表示面側に偏光板135を設ける。またこれとは別に、表示面側に光拡散板を配置すると、視認性を向上させられるため好ましい。
偏光板135よりも外側に、フロントライトを設けてもよい。フロントライトとしては、エッジライト型のフロントライトを用いることが好ましい。LEDを備えるフロントライトを用いると、消費電力を低減できるため好ましい。
発光素子、トランジスタ、絶縁層、導電層、接着層、接続層等に用いることができる材料については、それぞれ、実施の形態1の説明を参照できる。
<応用例>
本発明の一態様では、タッチセンサが搭載された表示装置(以下、入出力装置、タッチパネルとも記す)を作製することができる。
本発明の一態様の入出力装置が有する検知素子(センサ素子ともいう)に限定は無い。指またはスタイラス等の被検知体の近接または接触を検知することのできる様々なセンサを、検知素子として適用することができる。
例えばセンサの方式としては、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、光学方式、感圧方式等様々な方式を用いることができる。
本実施の形態では、静電容量方式の検知素子を有する入出力装置を例に挙げて説明する。
静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。また、投影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式等がある。相互容量方式を用いると、同時多点検出が可能となるため好ましい。
本発明の一態様の入出力装置は、別々に作製された表示装置と検知素子とを貼り合わせる構成、表示パネルが有する一対の基板の一方または双方に検知素子を構成する電極等を設ける構成等、様々な構成を適用することができる。
以下では、別々に作製した表示装置と検知素子とを貼り合わせた構成の入出力装置について説明する。図31及び図35に、本発明の一態様の表示装置の作製方法のフロー図を示す。図32及び図33(A)、(B)に作製中の表示装置の断面図を示す。図32は、図31に示すステップS6に対応する。同様に、図33(A)は、ステップS7、図33(B)は、ステップS8に対応する。また、図36及び図37に作製中の表示装置の断面図を示す。図36は、図35に示すステップS26に対応する。同様に、図37は、ステップS27に対応する。
図31に示すように、まず、作製基板14上に金属層19を形成する(ステップS1)。そして、金属層19を酸化させて、金属酸化物層20を形成する(ステップS2)。ここでは、H2Oプラズマ処理を行うことで、金属層19を酸化させ、金属酸化物層20を形成する。金属酸化物層20の形成方法については、実施の形態1を参照できる。
次に、金属酸化物層20上に第1の層24を形成する(ステップS3)。そして、第1の層24を硬化させて、樹脂層23を形成する(ステップS4)。ここでは、第1の層24を塗布し、ベークすることで、樹脂層23を形成する。樹脂層23の形成方法については、実施の形態1を参照できる。
次に、樹脂層23上に、トランジスタ等を形成する(ステップS5)。そして、トランジスタと電気的に接続される発光素子を形成し、封止する(ステップS6)。樹脂層23上に形成する各構成について、図32を用いて説明する。なお、既に述べた構成については先の記載を参照できる。
図32に示すように、作製基板14上に、金属酸化物層20が形成され、金属酸化物層20上に樹脂層23が形成されている。樹脂層23上には、絶縁層115が形成されている。絶縁層115は、バリア性が高いことが好ましい。絶縁層115には、窒化シリコン膜が好適である。絶縁層115上には、電極311a、電極311b、及び電極311cがこの順で積層されている。電極311aの端部と電極311cの端部は、電極311bの端部よりも外側に位置し、互いに接している。電極311a及び電極311cには、可視光を透過する導電膜を用いる。電極311bには、可視光を反射する導電膜を用いる。電極311bには、開口451が設けられている。開口451は発光素子170の発光領域と重なる。電極311c上には、絶縁層220aが設けられており、絶縁層220a上には導電層224が設けられており、導電層224上には、絶縁層220bが設けられている。導電層224は、容量素子の一方の電極として機能する。絶縁層220b上には、トランジスタ203、トランジスタ205、及びトランジスタ206が設けられている。トランジスタ206のソースまたはドレインは、接続部207において、電極311cと電気的に接続されている。トランジスタ205は、2つのゲートを有する。2つのゲートは、電気的に接続されている。トランジスタ205のソースまたはドレインは、導電層228を介して、発光素子170の電極191と電気的に接続される。各トランジスタは、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214、絶縁層225、及び絶縁層215で覆われている。これらのうち1つまたは複数の絶縁層のバリア性が高いことが好ましい。図32では、絶縁層213及び絶縁層225にバリア性が高い材料を用いる例を示す。絶縁層213は、絶縁層220a、絶縁層220b、絶縁層212等の端部を覆って設けられる。絶縁層225は、絶縁層214の端部を覆って設けられる。被覆膜226は、可視光を反射する膜である。被覆膜226は、発光素子170の発光の一部を反射して、開口451側に供給する機能を有する。レンズ227は、発光素子170の発光を透過する機能を有する。レンズ227は、発光素子170の発光領域と重なる。発光素子170は、電極191、EL層192、及び電極193を有する。EL層192は、副画素ごとに塗り分けられている。電極191の端部は、絶縁層216で覆われている。絶縁層217は、スペーサとしての機能を有する。接着層142によって、発光素子170と基板351とが貼り合わされている。
絶縁層214及び絶縁層215の一方または双方の材料としては、屈折率が1.55またはその近傍の材料、屈折率が1.66またはその近傍の材料、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができる。
被覆膜226の材料としては、金属を用いることができる。具体的には、銀を含む材料、銀及びパラジウムを含む材料、銀及び銅を含む材料等を用いて、被覆膜226を形成できる。
レンズ227の屈折率は、1.3以上2.5以下であることが好ましい。レンズ227は、無機材料及び有機材料の一方又は双方を用いて形成できる。
レンズ227の材料としては、例えば、酸化物または硫化物を含む材料、及び樹脂を含む材料等が挙げられる。酸化物または硫化物を含む材料として、具体的には、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、インジウムとスズを含む酸化物、インジウムとガリウムと亜鉛を含む酸化物、硫化亜鉛等が挙げられる。樹脂を含む材料として、具体的には、塩素、臭素またはヨウ素が導入された樹脂、重金属原子が導入された樹脂、芳香環が導入された樹脂、硫黄が導入された樹脂などが挙げられる。または、樹脂と当該樹脂より屈折率の高い材料のナノ粒子を含む材料をレンズ227に用いることができる。酸化チタンまたは酸化ジルコニウムなどをナノ粒子に用いることができる。
次に、作製基板14からトランジスタ等を剥離し、基板351側に転置する(ステップS7)。ここでは、作製基板14を介して金属酸化物層20と樹脂層23との界面またはその近傍にレーザ光を照射する。金属酸化物層20と樹脂層23との界面で分離が生じることで、樹脂層23が露出する(図33(A))。
次に、樹脂層23を除去することで、絶縁層115を露出する(ステップS8)。なお、絶縁層115の一部または全部を除去し、電極311aを露出させてもよい。バリア性の高い絶縁層115を残存させることで、トランジスタや発光素子170に水分が入り込むことを抑制でき、表示装置の信頼性を高めることができる。ここでは、アッシングにより樹脂層23を除去する(図33(B))。
そして、液晶素子180を形成する(ステップS9)。絶縁層115上(または電極311a上)に配向膜133aを形成する。また、基板361の一方の面に、着色層131、絶縁層121、絶縁層232、電極113、絶縁層117、及び配向膜133bを順に形成する。図34では、着色層131が、発光素子170の発光領域と重ならない例を示すが、着色層131は、発光素子170の発光領域に重ねて設けてもよい。絶縁層121は、オーバーコートとして機能する。絶縁層232には、バリア性の高い絶縁膜が好適である。電極113は、液晶素子180の共通電極として機能する。絶縁層117は、液晶素子180のセルギャップを保持するためのスペーサとして機能する。絶縁層117は、可視光を透過する。
配向膜133aと配向膜133bの間に液晶層112が挟持されるように、基板351と基板361とを貼り合わせることで、液晶素子180を形成する。液晶素子180は、電極311a、電極311b、電極311c、液晶層112、電極113を有する。
さらに、基板361の他方の面に、拡散フィルム233、及び偏光板135を貼り合わせる。そして、一方の面にタッチセンサが設けられた基板235を偏光板135に貼り合わせる。なお、図34では、接着層の図示を省略している箇所がある。基板235の他方の面には、反射防止加工が施されていることが好ましい。例えば、アンチグレア処理が施されていることが好ましい。表面の凹凸により、反射光を拡散し、映り込みを低減することができる。タッチセンサの導電層234aと導電層234bとの間には、絶縁層234cが設けられている。導電層234bは、絶縁層234dで覆われている。
以上により、図34に示す入出力装置310Aを形成することができる。その後、FPC、ICなどを実装し(ステップS10)、表示確認を行うことができる(ステップS11)。
図31に示すフローは、作製基板14から剥離した樹脂層23を除去する工程を有する。一方、図35は、当該工程を有さない場合のフローである。
図35に示すように、まず、作製基板14上に金属層19を形成する(ステップS21)。そして、金属層19を酸化させて、金属酸化物層20を形成する(ステップS22)。ここでは、H2Oプラズマ処理を行うことで、金属層19を酸化させ、金属酸化物層20を形成する。金属酸化物層20の形成方法については、実施の形態1を参照できる。
次に、金属酸化物層20上に第1の層24を形成する(ステップS23)。そして、第1の層24を硬化させて、樹脂層23を形成する(ステップS24)。ここでは、第1の層24を塗布し、ベークすることで、樹脂層23を形成する。樹脂層23の形成方法については、実施の形態1を参照できる。なお、ここでは、開口を有する樹脂層23を形成する。例えば、導電層を露出させたい部分で、樹脂層23を開口しておくことで、剥離後に、樹脂層23を除去することなく、導電層を露出させることができる。また、樹脂層23の可視光に対する透過率が低い場合、光を取り出す部分で、樹脂層23を開口しておくことで、剥離後に、樹脂層23を除去することなく、光取り出し効率の低下を抑制できる。
次に、金属酸化物層20上及び樹脂層23上に、トランジスタ等を形成する(ステップS25)。そして、トランジスタと電気的に接続される発光素子を形成し、封止する(ステップS26)。各構成について、図36を用いて説明する。なお、既に述べた構成については先の記載を参照できる。
図36に示すように、作製基板14上に、金属酸化物層20が形成され、金属酸化物層20上に樹脂層23が形成されている。樹脂層23には、開口が設けられている。樹脂層23が設けられていない部分には、金属酸化物層20と電極311aとが接する領域、及び金属酸化物層20と絶縁層213とが接する領域が存在する。金属酸化物層20上及び樹脂層23上には、電極311a、電極311b、及び電極311cがこの順で積層されている。電極311aの端部と電極311cの端部は、電極311bの端部よりも外側に位置し、互いに接している。電極311a及び電極311cには、可視光を透過する導電膜を用いる。電極311bには、可視光を反射する導電膜を用いる。これら電極とは重ならない部分に、発光素子170の発光領域が設けられている。電極311c上には、絶縁層220aが設けられており、絶縁層220a上には導電層224が設けられており、導電層224上には、絶縁層220bが設けられている。導電層224は、容量素子の一方の電極として機能する。絶縁層220b上には、トランジスタ203、トランジスタ205、及びトランジスタ206が設けられている。トランジスタ206のソースまたはドレインは、接続部207において、電極311cと電気的に接続されている。トランジスタ205は、2つのゲートを有する。2つのゲートは、電気的に接続されている。トランジスタ205のソースまたはドレインは、導電層228を介して、発光素子170の電極191と電気的に接続される。各トランジスタは、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214、絶縁層225、及び絶縁層215で覆われている。これらのうち1つまたは複数の絶縁層のバリア性が高いことが好ましい。図36では、絶縁層213及び絶縁層225にバリア性が高い材料を用いる例を示す。絶縁層213は、絶縁層220a、絶縁層220b、絶縁層212等の端部を覆って設けられる。絶縁層225は、絶縁層214の端部を覆って設けられる。被覆膜226は、可視光を反射する膜である。被覆膜226は、発光素子170の発光の一部を反射して、図面下側に供給する機能を有する。レンズ227は、発光素子170の発光を透過する機能を有する。レンズ227は、発光素子170の発光領域と重なる。発光素子170は、電極191、EL層192、及び電極193を有する。EL層192は、副画素ごとに塗り分けられている。電極191の端部は、絶縁層216で覆われている。絶縁層217は、スペーサとしての機能を有する。接着層142によって、発光素子170と基板351とが貼り合わされている。
次に、作製基板14からトランジスタ等を剥離し、基板351側に転置する(ステップS27)。ここでは、作製基板14を介して金属酸化物層20と樹脂層23との界面またはその近傍にレーザ光を照射する。金属酸化物層20と樹脂層23との界面で分離が生じることで、樹脂層23が露出する(図37)。また、樹脂層23が設けられていない部分では、金属酸化物層20と電極311aとの界面で分離が生じることで、電極311aが露出する(図37)。なお、電極311aは、金属酸化物層20との密着性が低い材料を用いることが好ましい。また、電極311aと金属酸化物層20との接触面積が小さいほど、界面での分離が容易となり好ましい。
そして、液晶素子180を形成する(ステップS28)。樹脂層23上及び電極311a上に配向膜133aを形成する。また、基板361の一方の面に、着色層131、絶縁層121、絶縁層232、電極113、絶縁層117、及び配向膜133bを順に形成する。これらの構成は、図34と同様であるため、説明を省略する。
配向膜133aと配向膜133bの間に液晶層112が挟持されるように、基板351と基板361とを貼り合わせることで、液晶素子180を形成する。液晶素子180は、電極311a、電極311b、電極311c、液晶層112、電極113を有する。
さらに、基板361の他方の面に、拡散フィルム233、及び偏光板135を貼り合わせる。そして、一方の面にタッチセンサが設けられた基板235を偏光板135に貼り合わせる。これらの構成は、図34と同様であるため、説明を省略する。
以上により、図38に示す入出力装置310Bを形成することができる。その後、FPC、ICなどを実装し(ステップS29)、表示確認を行うことができる(ステップS30)。
以上のように、本実施の形態の表示装置は、2種類の表示素子を有し、複数の表示モードを切り替えて使用することができるため、周囲の明るさによらず、視認性が高く利便性が高い。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができる金属酸化物について説明する。以下では特に、金属酸化物とCAC(Cloud−Aligned Composite)−OSの詳細について説明する。
CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC−OSまたはCAC−metal oxideを、トランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OSまたはCAC−metal oxideに付与することができる。CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC−OSまたはCAC−metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
CAC−OSは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
なお、金属酸化物は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、及びZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、及びZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC−OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、及びOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1−x0)O3(ZnO)m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC(c−axis aligned crystal)構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC−OSは、金属酸化物の材料構成に関する。CAC−OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC−OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC−OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC−OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
CAC−OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC−OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
CAC−OSは、X線回折(XRD:X−ray diffraction)測定法のひとつであるOut−of−plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa−b面方向、及びc軸方向の配向は見られないことが分かる。
またCAC−OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。従って、電子線回折パターンから、CAC−OSの結晶構造が、平面方向、及び断面方向において、配向性を有さないnc(nano−crystal)構造を有することがわかる。
また例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC−OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
従って、CAC−OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、及び高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
また、CAC−OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC−OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示モジュール及び電子機器について説明する。
図39(A)に示す表示モジュール8000は、上部カバー8001と下部カバー8002との間に、FPC8005に接続された表示パネル8006、フレーム8009、プリント基板8010、及びバッテリ8011を有する。
例えば、本発明の一態様を用いて作製された表示装置を、表示パネル8006に用いることができる。これにより、高い歩留まりで表示モジュールを作製することができる。
上部カバー8001及び下部カバー8002は、表示パネル8006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
また、表示パネル8006に重ねてタッチパネルを設けてもよい。タッチパネルとしては、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル8006に重畳して用いることができる。また、タッチパネルを設けず、表示パネル8006に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。
フレーム8009は、表示パネル8006の保護機能の他、プリント基板8010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム8009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板8010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ8011による電源であってもよい。バッテリ8011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュール8000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
図39(B)は、光学式のタッチセンサを備える表示モジュール8000の断面概略図である。
表示モジュール8000は、プリント基板8010に設けられた発光部8015及び受光部8016を有する。また、上部カバー8001と下部カバー8002により囲まれた領域に一対の導光部(導光部8017a、導光部8017b)を有する。
上部カバー8001と下部カバー8002には、例えばプラスチック等を用いることができる。また、上部カバー8001と下部カバー8002とは、それぞれ薄くすることができる。例えば各カバーの厚さを0.5mm以上5mm以下とすることができる。そのため、表示モジュール8000を極めて軽量にすることができる。少ない材料で上部カバー8001と下部カバー8002を作製できるため、作製コストを低減できる。
表示パネル8006は、フレーム8009を間に介してプリント基板8010やバッテリ8011と重ねて設けられている。表示パネル8006とフレーム8009は、導光部8017a、導光部8017bに固定されている。
発光部8015から発せられた光8018は、導光部8017aにより表示パネル8006の上部を経由し、導光部8017bを通って受光部8016に達する。例えば指やスタイラスなどの被検知体により、光8018が遮られることにより、タッチ操作を検出することができる。
発光部8015は、例えば表示パネル8006の隣接する2辺に沿って複数設けられる。受光部8016は、発光部8015と対向する位置に複数設けられる。これにより、タッチ操作がなされた位置の情報を取得することができる。
発光部8015は、例えばLED素子などの光源を用いることができる。特に、発光部8015として、使用者に視認されず、且つ使用者にとって無害である赤外線を発する光源を用いることが好ましい。
受光部8016は、発光部8015が発する光を受光し、電気信号に変換する光電素子を用いることができる。好適には、赤外線を受光可能なフォトダイオードを用いることができる。
導光部8017a、導光部8017bとしては、少なくとも光8018を透過する部材を用いることができる。導光部8017a及び導光部8017bを用いることで、発光部8015と受光部8016とを表示パネル8006の下側に配置することができ、外光が受光部8016に到達してタッチセンサが誤動作することを抑制できる。特に、可視光を吸収し、赤外線を透過する樹脂を用いることが好ましい。これにより、タッチセンサの誤動作をより効果的に抑制できる。
本発明の一態様により、曲面を有し、信頼性の高い電子機器を作製できる。また、本発明の一態様により、可撓性を有し、信頼性の高い電子機器を作製できる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、本発明の一態様の表示装置は、外光の強さによらず、高い視認性を実現することができる。そのため、携帯型の電子機器、装着型の電子機器(ウェアラブル機器)、及び電子書籍端末などに好適に用いることができる。
図40(A)、(B)に示す携帯情報端末800は、筐体801、筐体802、表示部803、及びヒンジ部805等を有する。
筐体801と筐体802は、ヒンジ部805で連結されている。携帯情報端末800は、折り畳んだ状態(図40(A))から、図40(B)に示すように展開させることができる。これにより、持ち運ぶ際には可搬性に優れ、使用するときには大きな表示領域により、視認性に優れる。
携帯情報端末800には、ヒンジ部805により連結された筐体801と筐体802に亘って、フレキシブルな表示部803が設けられている。
本発明の一態様を用いて作製された表示装置を、表示部803に用いることができる。これにより、高い歩留まりで携帯情報端末を作製することができる。
表示部803は、文書情報、静止画像、及び動画像等のうち少なくとも一つを表示することができる。表示部に文書情報を表示させる場合、携帯情報端末800を電子書籍端末として用いることができる。
携帯情報端末800を展開すると、表示部803が大きく湾曲した形態で保持される。例えば、曲率半径1mm以上50mm以下、好ましくは5mm以上30mm以下に湾曲した部分を含んで、表示部803が保持される。表示部803の一部は、筐体801から筐体802にかけて、連続的に画素が配置され、曲面状の表示を行うことができる。
表示部803は、タッチパネルとして機能し、指やスタイラスなどにより操作することができる。
表示部803は、一つのフレキシブルディスプレイで構成されていることが好ましい。これにより、筐体801と筐体802の間で途切れることのない連続した表示を行うことができる。なお、筐体801と筐体802のそれぞれに、ディスプレイが設けられる構成としてもよい。
ヒンジ部805は、携帯情報端末800を展開したときに、筐体801と筐体802との角度が所定の角度よりも大きい角度にならないように、ロック機構を有することが好ましい。例えば、ロックがかかる(それ以上に開かない)角度は、90度以上180度未満であることが好ましく、代表的には、90度、120度、135度、150度、または175度などとすることができる。これにより、携帯情報端末800の利便性、安全性、及び信頼性を高めることができる。
ヒンジ部805がロック機構を有すると、表示部803に無理な力がかかることなく、表示部803が破損することを防ぐことができる。そのため、信頼性の高い携帯情報端末を実現できる。
筐体801及び筐体802は、電源ボタン、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク等を有していてもよい。
筐体801または筐体802のいずれか一方には、無線通信モジュールが設けられ、インターネットやLAN(Local Area Network)、Wi−Fi(登録商標)などのコンピュータネットワークを介して、データを送受信することが可能である。
図40(C)に示す携帯情報端末810は、筐体811、表示部812、操作ボタン813、外部接続ポート814、スピーカ815、マイク816、カメラ817等を有する。
本発明の一態様を用いて作製された表示装置を、表示部812に用いることができる。これにより、高い歩留まりで携帯情報端末を作製することができる。
携帯情報端末810は、表示部812にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部812に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン813の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部812に表示される画像の種類の切り替えを行うことができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
また、携帯情報端末810の内部に、ジャイロセンサまたは加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯情報端末810の向き(縦か横か)を判断して、表示部812の画面表示の向きを自動的に切り替えることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部812に触れること、操作ボタン813の操作、またはマイク816を用いた音声入力等により行うこともできる。
携帯情報端末810は、例えば、電話機、手帳または情報閲覧装置等から選ばれた一つまたは複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。携帯情報端末810は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、動画再生、インターネット通信、ゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
図40(D)に示すカメラ820は、筐体821、表示部822、操作ボタン823、シャッターボタン824等を有する。またカメラ820には、着脱可能なレンズ826が取り付けられている。
本発明の一態様を用いて作製された表示装置を、表示部822に用いることができる。これにより、高い歩留まりでカメラを作製することができる。
ここではカメラ820を、レンズ826を筐体821から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ826と筐体821とが一体となっていてもよい。
カメラ820は、シャッターボタン824を押すことにより、静止画、または動画を撮像することができる。また、表示部822はタッチパネルとしての機能を有し、表示部822をタッチすることにより撮像することも可能である。
なお、カメラ820は、ストロボ装置や、ビューファインダーなどを別途装着することができる。または、これらが筐体821に組み込まれていてもよい。
図41(A)〜(E)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008等を有する。
本発明の一態様を用いて作製された表示装置を、表示部9001に好適に用いることができる。これにより、高い歩留まりで電子機器を作製することができる。
図41(A)〜(E)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信または受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図41(A)〜(E)に示す電子機器が有する機能はこれらに限定されず、その他の機能を有していてもよい。
図41(A)は腕時計型の携帯情報端末9200を、図41(B)は腕時計型の携帯情報端末9201を、それぞれ示す斜視図である。
図41(A)に示す携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図41(B)に示す携帯情報端末9201は、図41(A)に示す携帯情報端末と異なり、表示部9001の表示面が湾曲していない。また、携帯情報端末9201の表示部の外形が非矩形状(図41(B)においては円形状)である。
図41(C)〜(E)は、折り畳み可能な携帯情報端末9202を示す斜視図である。なお、図41(C)が携帯情報端末9202を展開した状態の斜視図であり、図41(D)が携帯情報端末9202を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図41(E)が携帯情報端末9202を折り畳んだ状態の斜視図である。
携帯情報端末9202は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9202が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9202を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9202は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
本実施例では、作製基板から樹脂層を剥離した結果について説明する。
図5及び図6を用いて、本実施例の試料の作製方法について説明する。
まず、作製基板14上に、金属酸化物層20を形成した(図5(A1))。
作製基板14には、厚さ約0.7mmのガラス基板を用いた。金属酸化物層20として、酸化チタン膜を形成した。具体的には、まず、スパッタリング法を用いて、厚さ約5nmのチタン膜を成膜した。その後、窒素ガスと酸素ガスの混合ガス(580NL/min、酸素濃度20%)を流しながら、450℃で1時間のベークを行うことで、酸化チタン膜を形成した。
次に、金属酸化物層20上に、第1の層24を形成した(図5(B))。第1の層24は、非感光性の可溶性ポリイミド樹脂を含む材料を用いて形成した。当該材料を塗布した際の膜厚は約2.0μmであった。
次に、第1の層24に加熱処理を行うことで、樹脂層23を形成した(図5(C))。加熱処理としては、N2雰囲気下、350℃で1時間のベークを行った。
そして、樹脂層23にUV剥離テープを貼り付けた(図5(D)の接着層75b及び基板75aに相当)。
本実施例の試料について、作製基板14側からレーザ光を照射した(図6(A))。レーザ光は上面視において試料の全面に照射した。なお、照射時には試料の外周部に遮光用のマスク(図示しない)を設けた。
レーザ光のレーザ発振器として、波長308nmのXeClエキシマレーザを用いた。ビーム短軸集光幅は625μm、エネルギー密度は約440mJ/cm2とした。なお、試料を、レーザ光の照射条件が異なる4つの領域に分けた。4つの領域のショット数は、それぞれ10ショット、20ショット、30ショット、40ショットとした。繰り返し周波数は60Hzとした。スキャン速度はショット数によって異なる。10ショットの領域は3.75mm/秒、20ショットの領域は1.90mm/秒、30ショットの領域は1.25mm/秒、40ショットの領域は0.93mm/秒とした。
作製基板14と金属酸化物層20の積層構造における、波長308nmの光の吸収率は、約75%であり、透過率は約13%であった。このことから、金属酸化物層20と樹脂層23の界面、金属酸化物層20中、及び樹脂層23中のいずれにも、レーザ光が照射されたと考えられる。
レーザ光の照射後、試料の基板75a側から、上記外周部より内側にカッターで切れ目を入れることで、試料から作製基板14を剥離した(図6(B1))。
図42に示すように、ショット数が10ショットから40ショットのいずれの領域においても、作製基板14から基板75aを剥離することができた。
図43に、ショット数が10ショットの条件の試料の断面STEM(Scanning Transmission Electron Microscopy)観察を行った結果を示す。
図43(A)に、剥離前の試料の断面STEM写真を示す。金属酸化物層20の厚さは、約14nmであった。図43(B)に剥離した基板75a側の断面STEM写真を示す。樹脂層23と観察用に形成したコート層との間に金属酸化物層20は観察されなかった。また、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用いた分析では、樹脂層23側にチタンが検出されなかった。図43(C)に剥離した作製基板14側の断面STEM写真を示す。金属酸化物層20の厚さは、約11nmであった。以上の結果から、金属酸化物層20と樹脂層23との界面で分離させることができたと考えられる。
本実施例の結果より、本発明の一態様の剥離方法によって、金属酸化物層20と樹脂層23との間を界面として作製基板14を剥離できることが確認できた。
さらに、エネルギー密度が約306mJ/cm2の条件、約324mJ/cm2の条件、約342mJ/cm2の条件、及び約360mJ/cm2の条件であっても、金属酸化物層20と樹脂層23との間を界面として作製基板14を剥離できることが確認できた(ショット数はそれぞれ10ショット)。このことから、レーザ結晶化の工程で用いる条件よりも低いエネルギー密度で処理が可能であることがわかった。このことから、レーザ装置での処理可能な基板枚数を増やすことができる。また、レーザ装置の長期使用が可能になり、レーザ装置のランニングコストが低減できる。
本実施例で用いた樹脂層は、透光性が高く(特に可視光の透過率が高い。)、光の吸収率が、着色された樹脂層に比べて低い。一方、本実施例で用いた作製基板(ガラス基板)、金属酸化物層(酸化チタン膜)、及び樹脂層(ポリイミド膜)の積層構造の、波長308nmの光の吸収率は、約87%であった。金属酸化物層(酸化チタン膜)を設けない場合の波長308nmの光の吸収率(約81%)に比べて、高い吸収率が得られた。作製基板と樹脂層との間に金属酸化物層を設けることで、レーザ光の吸収率を高めることができた。
図44に、本発明の一態様の剥離方法で用いることができるレーザ処理条件の一例を示す。領域Aは、本実施例で用いた作製基板(ガラス基板)、金属酸化物層(酸化チタン膜)、及び樹脂層(ポリイミド膜)の積層構造を用いた剥離方法で適用できる条件である。領域Bは、作製基板(ガラス基板)に接して本実施例で用いた樹脂層(可視光の透過率が高いポリイミド膜)を形成した構造を用いた剥離方法で適用できる条件である。金属酸化物層を設けることで、レーザ光のエネルギー密度及びショット数を低減させることができるとわかる。具体的には、本発明の一態様を適用することで、着色された樹脂層を用いる場合のレーザ光のエネルギー密度やショット数と同等の条件を用いることができた。
以上のことから、本発明の一態様では、特別なレーザ処理条件が不要であり、作製コストの上昇を抑えることができるとわかった。また、可視光の透過率が高い樹脂層を採用することができるため、表示装置の表示面側に樹脂層が位置していても、高い表示品位を実現できる。また、表示品位を高めるために、着色している(有色の)樹脂層を除去する工程を削減できる。また、樹脂層の材料の選択の幅が広がる。
本実施例では、作製基板から樹脂層を剥離した結果について説明する。
はじめに、比較例の表示装置を作製し表示状態を確認した。まず、作製基板(ガラス基板)上に接して樹脂層(ポリイミド膜)を形成し、樹脂層上に被剥離層(トランジスタ及び表示素子を含む)を形成した。そして、作製基板を介して、樹脂層にレーザ光を照射することで、作製基板から被剥離層を剥離する工程を経て、表示装置を作製した。
その結果、レーザ光のエネルギー密度が高すぎると、スス(樹脂が炭化した粉のようなもの)が発生しやすいことがわかった。
また、エネルギー密度が低いと、ススの発生は抑制できるが、作製基板(ガラス基板)上に樹脂層(ポリイミド膜)の膜残りが発生し、剥離の歩留まりが低下しやすいことがわかった。
作製基板を介して光を照射する際、作製基板の光照射面にゴミなどの異物が付着していたために、光の照射ムラが生じ、剥離が所望の位置で行われなかったと考えられる。
このように、作製基板上に接して樹脂層を形成する場合、好適なレーザ光の照射条件の範囲が狭く、制御が難しいことがある。
そこで、本実施例では、本発明の一態様が適用された積層構造を作製し、3種類の評価を行った。1つ目の評価では、レーザのエネルギー密度が、試料の剥離性に与える影響について調査した。残りの2つの評価では、作製基板のレーザ光を照射する面に存在するゴミ等の異物が、試料の剥離性に与える影響について調査した。
<評価1>
図5及び図6を用いて、評価1の試料の作製方法について説明する。
まず、作製基板14上に、金属酸化物層20を形成した(図5(A1))。
作製基板14には、厚さ約0.7mmのガラス基板を用いた。金属酸化物層20として、酸化チタン膜を形成した。具体的には、まず、スパッタリング法を用いて、厚さ約10nmのチタン膜を成膜した。次に、チタン膜の表面に対してH2Oプラズマ処理を行い、金属酸化物層20である酸化チタン膜を形成した。H2Oプラズマ処理のバイアスパワーは4500W、ICPパワーは0W、圧力は15Pa、処理時間は600secであり、プロセスガスに流量250sccmの水蒸気を用いた。酸化チタン膜の厚さは、約26nmであった。
次に、金属酸化物層20上に、第1の層24を形成した(図5(B))。第1の層24は、感光性を有し、かつポリイミド樹脂前駆体を含む材料を用いて形成した。当該材料を塗布した際の膜厚は約2.0μmであった。
次に、第1の層24に加熱処理を行うことで、樹脂層23を形成した(図5(C))。加熱処理としては、N2雰囲気下、450℃で1時間のベークを行った。
そして、樹脂層23に接着層75bを用いて基板75aを貼り付けた(図5(D))。
本実施例の試料について、作製基板14側からレーザ光を照射した(図6(A))。レーザ光は上面視において試料の全面に照射した。なお、照射時には試料の外周部に遮光用のマスク(図示しない)を設けた。
レーザ光のレーザ発振器として、波長308nmのXeClエキシマレーザを用いた。ビーム短軸集光幅は625μm、ショット数は10ショット、繰り返し周波数は60Hz、スキャン速度は3.75mm/秒とした。なお、試料を、レーザ光の照射条件が異なる5つの領域に分けた。5つの領域のエネルギー密度は、それぞれ約263mJ/cm2、約306mJ/cm2、約350mJ/cm2、約394mJ/cm2、約438mJ/cm2とした。
レーザ光の照射後、試料の基板75a側から、上記外周部より内側にカッターで切れ目を入れることで、試料から作製基板14を剥離した(図6(B1))。
図45に示すように、エネルギー密度が約263mJ/cm2から約438mJ/cm2のいずれの領域においても、作製基板14から基板75aを剥離することができた。また、エネルギー密度が高くてもススの発生は確認されなかった。
<評価2>
次に、本発明の一態様が適用された積層構造(試料A)と、比較の積層構造(比較試料B)とを作製し、作製基板から樹脂層を剥離した結果について説明する。
試料A及び比較試料Bの作製方法及び剥離方法について図46を用いて説明する。試料Aは、金属酸化物層20を有するのに対し、比較試料Bは、金属酸化物層20を有さない。
まず、試料Aの作製基板14上に、金属酸化物層20を形成した(図46(A1))。比較試料Bの作製基板14上には、金属酸化物層20を形成しなかった(図46(A2))。
作製基板14には、厚さ約0.7mmのガラス基板を用いた。金属酸化物層20として、酸化チタン膜を形成した。具体的には、まず、スパッタリング法を用いて、厚さ約10nmのチタン膜を成膜した。次に、チタン膜の表面に対してH2Oプラズマ処理を行い、金属酸化物層20である酸化チタン膜を形成した。H2Oプラズマ処理のバイアスパワーは4500W、ICPパワーは0W、圧力は15Pa、処理時間は600secであり、プロセスガスに流量250sccmの水蒸気を用いた。酸化チタン膜の厚さは、約26nmであった。
次に、試料Aでは、金属酸化物層20上に、樹脂層23を形成した(図46(A1))。比較試料Bでは、作製基板14上に、樹脂層23を形成した(図46(A2))。樹脂層23は、感光性を有し、かつポリイミド樹脂前駆体を含む材料を用いて形成した。当該材料を塗布した際の膜厚は約2.0μmであった。当該材料を塗布後、窒素を含む雰囲気下、450℃で1時間のベークを行った。
そして、樹脂層23に接着層75bを用いて基板75aを貼り付けた(図46(A1)、(A2))。接着層75bには、エポキシ樹脂を用いた。基板75aには、PETフィルムを用いた。
次に、作製基板14の樹脂層23等が形成されていない面に、遮光層15を複数形成した(図46(B1)、(B2))。遮光層15は、スパッタリング法を用いて、厚さ約300nmのチタン膜を成膜することで形成した。遮光層15は、メタルマスクを用いて、島状に形成した。遮光層15のサイズは、220μm×220μm、520μm×520μm、300μm×1100μm、820μm×1000μm、1000μm×2000μmの5種類である。作製基板14には、各サイズの遮光層15を複数形成した。
図47(A)〜(F)に、遮光層15の顕微鏡観察写真を示す。観察には、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−100を用いた。
図47(A)〜(C)は、試料Aに形成した遮光層15のパターン形状を示す。図47(A)は、300μm×1100μmのパターン、図47(B)は、820μm×1000μmのパターン、図47(C)は、1000μm×2000μmのパターンである。
図47(D)〜(F)は、比較試料Bに形成した遮光層15のパターン形状を示す。図47(D)は、300μm×1100μmのパターン、図47(E)は、820μm×1000μmのパターン、図47(F)は、1000μm×2000μmのパターンである。
次に、試料A及び比較試料Bについて、作製基板14側(遮光層15側)からレーザ光を照射した(図46(C1)、(C2))。レーザ光は上面視において試料の全面に照射した。なお、照射時には試料の外周部に遮光用のマスク(図示しない)を設けた。
レーザ光のレーザ発振器として、波長308nmのXeClエキシマレーザを用いた。ビーム短軸集光幅は625μm、エネルギー密度は約352mJ/cm2、ショット数は10ショット、繰り返し周波数は60Hz、スキャン速度は3.75mm/秒とした。
なお、作製基板14と金属酸化物層20との積層構造の、波長308nmの光の吸収率は、約82%であった。一方、作製基板14単体の、波長308nmの光の吸収率は約51%であった。
レーザ光の照射後、基板75a側から、上記外周部より内側にカッターで切れ目を入れることで、各試料から作製基板14を剥離した(図46(D1)、(D2))。
図48(A)〜(F)及び図49(A)〜(D)に、作製基板14側の剥離面の顕微鏡観察写真を示す。図48(A)〜(F)に、株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−100を用いた観察結果を示す。図49(A)〜(D)に、オリンパス株式会社製半導体/FPD検査顕微鏡を用いた観察結果を示す。
図48(A)〜(C)及び図49(A)、(B)は、試料Aの作製基板14側の剥離面の観察写真である。図48(A)は、300μm×1100μmのパターンの遮光層15が設けられていた部分に対応する。同様に、図48(B)は、820μm×1000μmのパターン、図48(C)及び図49(A)は、1000μm×2000μmのパターン、図49(B)は、220μm×220μmのパターンに対応する。
図48(A)〜(C)及び図49(A)、(B)に示すように、試料Aでは、作製基板14側の剥離面に、樹脂層23の膜残りは観察されなかった。なお、試料Aでは、レーザ光の照射時に、遮光層15が除去される場合と残存する場合とがあった。図48(A)〜(C)及び図49(B)では、作製基板14側の剥離面とは反対側の面に残存する遮光層15のパターンが観察された。
図48(D)〜(F)及び図49(C)、(D)は、比較試料Bの作製基板14側の剥離面の観察写真である。図48(D)は、300μm×1100μmのパターンの遮光層15が設けられていた部分に対応する。同様に、図48(E)は、820μm×1000μmのパターン、図48(F)及び図49(C)は、1000μm×2000μmのパターン、図49(D)は、220μm×220μmのパターンに対応する。
図48(D)〜(F)及び図49(C)、(D)に示すように、比較試料Bでは、作製基板14側の剥離面に、樹脂層23の膜残りが観察された。樹脂層23は、遮光層15とおおむね重なる位置に残存していた。
図50(A)〜(F)に、基板75a側の剥離面の顕微鏡観察写真を示す。観察には、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−100を用いた。
図50(A)〜(C)は、試料Aの基板75a側の剥離面の観察写真である。図50(A)は、300μm×1100μmのパターンの遮光層15が設けられていた部分に対応する。同様に、図50(B)は、820μm×1000μmのパターン、図50(C)は、1000μm×2000μmのパターンに対応する。
図50(A)〜(C)に示すように、試料Aでは、樹脂層23が剥離面全体にわたって残存しており、樹脂層23の欠損は観察されなかった。
図50(D)〜(F)は、比較試料Bの基板75a側の剥離面の観察写真である。図50(D)は、300μm×1100μmのパターンの遮光層15が設けられていた部分に対応する。同様に、図50(E)は、820μm×1000μmのパターン、図50(F)は、1000μm×2000μmのパターンに対応する。
図50(D)〜(F)に示すように、比較試料Bでは、遮光層15が設けられていた部分とおおむね重なる位置に、樹脂層23の欠損が観察された。
遮光層15と重なる部分に、樹脂層23の膜残りが存在するか、作製基板14側の剥離面の検査を行った。1種類のサイズの遮光層につき10個、検査を行った。検査の結果を表2に示す。
比較試料Bでは、5種類のサイズの遮光層それぞれについて、10個中10個、樹脂層23の膜残りが確認された。比較試料Bでは、作製基板14を介して光を照射する際、作製基板14の光照射面に遮光層15が付着していたために、光の照射ムラが生じ、剥離が所望の位置で行われなかったと考えられる。
本発明の一態様が適用された試料Aでも同様に、作製基板14側の剥離面の検査を行った。その結果、5種類のサイズの遮光層それぞれについて、10個中1個も、樹脂層23の膜残りが確認されなかった。本発明の一態様が適用された試料Aでは、作製基板14の光照射面に遮光層15が付着していても剥離性の低い部分が生じることを抑制できた。
<評価3>
次に、本発明の一態様が適用された積層構造(試料C)と、比較の積層構造(比較試料D)とを作製し、作製基板から樹脂層を剥離した結果について説明する。
試料C及び比較試料Dの作製方法及び剥離方法について図46を用いて説明する。試料Cは、金属酸化物層20を有するのに対し、比較試料Dは、金属酸化物層20を有さない。
まず、試料Cの作製基板14上に、金属酸化物層20を形成した(図46(A1))。比較試料Dの作製基板14上には、金属酸化物層20を形成しなかった(図46(A2))。
作製基板14には、厚さ約0.7mmのガラス基板を用いた。金属酸化物層20として、酸化チタン膜を形成した。具体的には、まず、スパッタリング法を用いて、厚さ約20nmのチタン膜を成膜した。次に、チタン膜の表面に対してH2Oプラズマ処理を行い、金属酸化物層20である酸化チタン膜を形成した。H2Oプラズマ処理のバイアスパワーは4500W、ICPパワーは0W、圧力は15Pa、処理時間は600secであり、プロセスガスに流量250sccmの水蒸気を用いた。酸化チタン膜の厚さは、約30nmであった。
次に、試料Cでは、金属酸化物層20上に、樹脂層23を形成した(図46(A1))。比較試料Dでは、作製基板14上に、樹脂層23を形成した(図46(A2))。樹脂層23は、感光性を有し、かつポリイミド樹脂前駆体を含む材料を用いて形成した。当該材料を塗布した際の膜厚は約2.0μmであった。当該材料を塗布後、窒素を含む雰囲気下、450℃で1時間のベークを行った。
そして、樹脂層23に接着層75bを用いて基板75aを貼り付けた(図46(A1)、(A2))。
また、作製基板14の光照射面に、黒色の油性マーカーペンで、肉眼で視認可能な大きさ(直径約1mm)の光を遮る領域(以下、遮光領域)を5か所形成した。そして、作製基板14を介して、樹脂層23にレーザ光を照射した。その後、作製基板14から樹脂層23を剥離し、作製基板14の剥離面上に樹脂層23が残っているかを確認した。
図51(B)に示すように、比較試料Dでは、作製基板14の剥離面に、樹脂層23の膜残りが5か所発生していた(点線で囲った部分)。当該膜残りは、遮光領域と重なっていた。一方、図51(A)に示すように、試料Cでは、樹脂層23の膜残りが確認されなかった。図51(A)では、作製基板14の裏面(剥離面とは反対側の面)の遮光領域が薄く見えているが、作製基板14の剥離面に樹脂層23は残存していなかった。
評価1の結果から、本発明の一態様を適用することで、レーザ光のエネルギー密度が高くても、ススの発生を抑制できることがわかった。また、評価2及び評価3の結果から、本発明の一態様を適用することで、光照射面に異物が存在する場合に、レーザ光のエネルギー密度を過度に高くしなくても、樹脂層の膜残りを抑制できることがわかった。以上のように、本発明の一態様の剥離方法は、レーザ光の照射条件の範囲が広く、制御しやすいと考えられる。また、本発明の一態様の剥離方法を用いることで、剥離の歩留まりを高めることができる。
以下では、本発明の一態様の剥離方法における表3に示す項目について詳述する。
実施例1等に示すように、下地層への処理としては、H2Oプラズマ処理が好適である。樹脂層の材料としては、感光性を有し、ポリイミド樹脂前駆体を含む材料が好適である。または、樹脂層の材料としては、非感光性の、可溶性ポリイミド樹脂を含む材料が好適である。
ここで、樹脂層の材料を塗布すると、基板の外周部などに不均一に塗布された部分が生じることがある。樹脂層の硬化前に、このような不要な部分を容易に除去できることが好ましい。例えば、シンナーなどの有機溶剤を用いて除去することができる。樹脂層の材料によっては、シンナーと反応して白濁、ゲル化、または凝固などが生じることがある。実施例1等で使用した樹脂層の材料は、シンナーなどの有機溶剤に溶解するため、樹脂層の硬化前に不要な部分を容易に除去できる。
感光性を有する材料を用いると、樹脂層の加工が容易となり好ましい。材料を塗布した後、露光、現像を行うことで、樹脂層を加工することができる。レジストマスクの形成が不要であるため、作製工程を短縮することができる。
非感光性の材料を用いる場合、材料を塗布し加熱により硬化させた後、樹脂層上にレジストを塗布し、露光、現像を行うことで、レジストマスクを形成する。その後、ドライエッチングを行うことで樹脂層を加工することができる。
樹脂層上に被剥離層(トランジスタ、表示素子等)を形成する工程、及び基板との貼り合わせ工程時に、作製装置が位置合わせ用のマーカを読み取りやすいことが好ましい。感光性を有する材料は、非感光性の材料に比べて着色していることがある。有色の樹脂層に比べて可視光の透過性が高い樹脂層は、マーカ認識が容易となり、設計時のレイアウトの自由度が高まり好ましい。
作製基板を介して樹脂層の一面全体にレーザ光を照射する工程では、作製基板の裏側(樹脂層を形成する面とは反対側の面)にゴミがあると、光が適切に照射されず、剥離不良につながることがある。また、樹脂層に対しレーザのパワーが強すぎると、樹脂層が変質してしまうことがある。例えば、ススが発生することがある。本発明の一態様の剥離方法では、作製基板と樹脂層との間に下地層を形成する。作製基板の光照射面に異物が付着していても、異物の周辺の下地層が加熱されることで、下地層全体にムラなく熱が伝導する場合がある。そのため、レーザのパワーを過度に強めなくてもよいため、レーザ光が樹脂層に与えるダメージを抑制できる。よって、本発明の一態様の剥離方法は、作製基板の裏面のゴミの影響を受けにくく、ススが発生しにくいといえる。なお、表2に示す通り、酸化チタンの熱伝導率は、約6.3W/m・Kであり、ポリイミドの熱伝導率は、約0.18W/m・Kである。
実施例1等に示すように、金属酸化物層と樹脂層との界面で剥離が生じると、剥離後の作製基板上に、樹脂層は残存しない。また、金属酸化物層の厚さ等によっては、樹脂層中で剥離が生じることがある。このように、剥離後の作製基板上に、樹脂層が残存することもある。
剥離後に樹脂層を除去する場合、貫通電極を露出することができる。樹脂層は、アッシングにより除去することが好ましい。樹脂層を除去するため、出来上がりの装置は、樹脂層の色味の影響を受けない。
剥離後に樹脂層を除去しない場合、剥離により貫通電極を露出することが好ましい。樹脂層の形成時に、樹脂層に開口を設け、開口内に貫通電極を形成する。感光性を有する材料を用いる場合は、露光技術により樹脂層に開口を形成することができる。このとき、開口の形状は、テーパー形状となる。非感光性の材料を用いる場合は、レジストマスクを用いて樹脂層に開口を形成することができる。このとき、開口の形状は、垂直に近い形状となる。そして、剥離によって、樹脂層及び貫通電極が露出する。なお、貫通電極には、作製基板との密着性が低い材料を用いることが好ましい。また、貫通電極と作製基板との接触面積は小さいほど好ましい。樹脂層を除去しないため、出来上がりの装置は、樹脂層の色味の影響を受ける。有色の樹脂を用いる場合には、光取り出し効率の低下を抑制するため、不要な部分に樹脂層を設けないことが好ましい。可視光に対する透過性が高い樹脂層を用いると、樹脂層が残存していても光取り出し効率が低下しにくく好ましい。
本実施例では、作製基板から樹脂層を剥離した結果について説明する。
図5及び図6を用いて、本実施例の試料の作製方法について説明する。
まず、作製基板14上に、金属酸化物層20を形成した(図5(A1))。
作製基板14には、厚さ約0.7mmのガラス基板を用いた。金属酸化物層20として、酸化チタン膜を形成した。具体的には、まず、スパッタリング法を用いて、厚さ約20nmのチタン膜を成膜した。次に、チタン膜の表面に対してH2Oプラズマ処理を行い、金属酸化物層20である酸化チタン膜を形成した。H2Oプラズマ処理のバイアスパワーは4500W、ICPパワーは0W、圧力は15Pa、処理時間は600secであり、プロセスガスに流量250sccmの水蒸気を用いた。
次に、金属酸化物層20上に、第1の層24を形成した(図5(B))。第1の層24は、感光性のアクリル樹脂を含む材料を用いて形成した。当該材料を塗布した際の膜厚は約2μmであった。
次に、第1の層24に加熱処理を行うことで、樹脂層23を形成した(図5(C))。加熱処理としては、N2雰囲気下、300℃で1時間のベークを行った。
ここで、図52に、アクリル樹脂の光の透過率を示す。試料は、ガラス基板上に、感光性のアクリル樹脂を含む材料を、膜厚が約2μmとなるように塗布し、N2雰囲気下で1時間のベークを行うことで作製した。ベーク温度は、250℃、300℃、350℃の3通りとした。図52に示すように、アクリル樹脂は可視光に対する透過性が高い。本実施例で用いた、300℃ベークで形成したアクリル樹脂は、可視光に対する透過性が高いため、剥離後に残存していても、可視光の透過性に悪影響を与えにくいことがわかった。
そして、樹脂層23に接着層75bを用いて基板75a(フィルム)を貼り付けた(図5(D))。
本実施例の試料について、作製基板14側からレーザ光を照射した(図6(A))。レーザ光は上面視において試料の全面に照射した。なお、照射時には試料の外周部に遮光用のマスク(図示しない)を設けた。
レーザ光のレーザ発振器として、波長308nmのXeClエキシマレーザを用いた。ビーム短軸集光幅は625μm、ショット数は10ショット、繰り返し周波数は60Hz、スキャン速度は3.75mm/秒とした。エネルギー密度は約352mJ/cm2と、約396mJ/cm2の2通りとした。
本実施例で作製した作製基板14、金属酸化物層20、及び樹脂層23の積層構造における、波長308nmの光の吸収率は、約92%であった。このことから、金属酸化物層20と樹脂層23の界面、金属酸化物層20中、及び樹脂層23中のいずれにも、レーザ光が照射されたと考えられる。
また、その他の構造における、波長308nmの光の吸収率について説明する。作製基板14に用いたガラス基板における、波長308nmの光の吸収率は、約51%であった。作製基板14と金属酸化物層20(酸化チタン膜)の積層構造における、波長308nmの光の吸収率は、金属酸化物層20の厚さが約10nmの場合、約76%であり、金属酸化物層20の厚さが約30nmの場合、約85%であった。金属酸化物層20が厚いほど剥離性が高いことが確認されているが、これは、レーザ光の吸収率が高いためと考えられる。
レーザ光の照射後、試料の基板75a側から、上記外周部より内側にカッターで切れ目を入れることで、試料から作製基板14を剥離した(図6(B1))。
本実施例では、レーザ光のエネルギー密度が約352mJ/cm2と約396mJ/cm2のいずれの条件においても、作製基板14から基板75aを剥離することができた。
図53は、レーザ光のエネルギー密度が約352mJ/cm2の条件の試料の写真である。
図54(A)、(B)に、レーザ光のエネルギー密度が約352mJ/cm2の条件の試料の断面STEM(Scanning Transmission Electron Microscopy)観察を行った結果を示す。
図54(A)に、剥離した基板75a側の断面STEM写真を示す。樹脂層23と観察用に形成したコート層30aとの間に金属酸化物層20は観察されなかった。なお、図54(A)では、樹脂層23とコート層30aの界面とその近傍を枠で囲っている。また、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用いた分析でも、樹脂層23側に、ノイズレベルのピークしか検出されなかったため、チタンは残存していないと考えられる。図54(B)に剥離した作製基板14側の断面STEM写真を示す。金属酸化物層20と観察用に形成したコート層30bとの間に樹脂層23は観察されなかった。以上の結果から、金属酸化物層20と樹脂層23との界面で分離させることができたと考えられる。
本実施例の結果より、本発明の一態様の剥離方法によって、金属酸化物層20と樹脂層23との間を界面として作製基板14を剥離できることが確認できた。
さらに、エネルギー密度が約396mJ/cm2の条件だけでなく、約352mJ/cm2の条件であっても、金属酸化物層20と樹脂層23との間を界面として作製基板14を剥離できることが確認できた(ショット数はそれぞれ10ショット)。このことから、レーザ結晶化の工程で用いる条件と同等またはそれよりも低いエネルギー密度で処理が可能であることがわかった。また、レーザ結晶化の工程で用いる条件と同等またはそれよりも少ないショット数(オーバーラップ率)で処理が可能であることがわかった。
本実施例で用いた樹脂層は、透光性が高く(特に可視光の透過率が高い。)、光の吸収率が、着色された樹脂層に比べて低い。一方、本実施例で用いた作製基板(ガラス基板)、金属酸化物層(酸化チタン膜)、及び樹脂層(アクリル膜)の積層構造の、波長308nmの光の吸収率は、約92%であった。金属酸化物層(酸化チタン膜)を設けない場合の波長308nmの光の吸収率(約77%)に比べて、高い吸収率が得られた。作製基板と樹脂層との間に金属酸化物層を設けることで、レーザ光の吸収率を高めることができた。
なお、実施の形態1で図7(A)、(B)を用いて説明したように、作製基板14の光照射面にゴミなどの異物18が付着していると、光の照射ムラが生じることがある。そこで、本実施例の構成において、作製基板のレーザ光を照射する面に存在するゴミ等の異物が、試料の剥離性に与える影響について調査した。
作製基板14の光照射面に、黒色のマーカーペンで、肉眼で視認可能な大きさ(直径約1mm)の、光を遮る領域を10か所形成した。それ以外は、上記と同様に試料を作製した。そして、作製基板14及び金属酸化物層20を介して、樹脂層23にレーザ光を照射した。レーザ光の照射条件も上記と同様であり、エネルギー密度は約352mJ/cm2とした。その後、作製基板14から樹脂層23を剥離し、作製基板14の剥離面上に膜が残っているかを確認した。その結果、本実施例の構成の試料で、膜残りは確認されなかった。
この結果から、本発明の一態様を適用することで、光照射面に異物が存在する場合に、レーザ光のエネルギー密度を過度に高くしなくても、樹脂層23の膜残りを抑制できることがわかった。
作製基板14の光照射面に異物が付着していても、異物の周辺の下地層が加熱されることで、下地層全体にムラなく熱が伝導する場合がある。したがって、下地層の異物の陰になる部分にも熱が伝わることで、剥離性の低い部分が生じることを抑制できたと考えられる。そのため、作製基板14と樹脂層23との間に形成する下地層として、作製基板14よりも熱伝導性が高い層を用いることが好適であると考えられる。
本実施例の結果から、本発明の一態様の剥離方法を用いることで、膜残りを抑制し、剥離の歩留まりを高められることがわかった。
以上のことから、本発明の一態様では、特別なレーザ処理条件及び特別な樹脂材料が不要であり、作製コストの上昇を抑えることができるとわかった。また、可視光の透過率が高い樹脂層を採用することができるため、表示装置の表示面側に樹脂層が位置していても、高い表示品位を実現できる。また、表示品位を高めるために、着色している(有色の)樹脂層を除去する工程を削減できる。また、樹脂層の材料の選択の幅が広がる。
本実施例では、本発明の一態様を適用してトランジスタ及びフレキシブルOLEDディスプレイをそれぞれ作製した結果について説明する。
<トランジスタの作製結果>
図5及び図6を用いて、本実施例の試料の作製方法について説明する。
まず、作製基板14上に、金属層19及び金属酸化物層20を形成した(図5(A2))。
作製基板14には、厚さ約0.7mmのガラス基板を用いた。金属層19及び金属酸化物層20の形成方法を説明する。まず、作製基板14上に、スパッタリング法を用いて、厚さ約35nmのチタン膜を成膜した。次に、チタン膜の表面に対してH2Oプラズマ処理を行い、チタン膜の一部を酸化させ、酸化チタン膜を形成した。これにより、金属層19であるチタン膜と金属酸化物層20である酸化チタン膜の積層構造を形成することができた。H2Oプラズマ処理のバイアスパワーは4500W、ICPパワーは0W、圧力は15Pa、処理時間は600secであり、プロセスガスに流量250sccmの水蒸気を用いた。
次に、金属酸化物層20上に、樹脂層23を形成した(図5(C))。樹脂層23は、感光性を有し、かつポリイミド樹脂前駆体を含む材料を用いて形成した。当該材料の膜厚が合計約4.0μmとなるよう、2回に分けて材料を塗布した。1回の塗布ごとに、加熱処理を行った(合計2回)。各回の加熱処理では、N2雰囲気下、450℃で1時間のベークを行った。
そして、樹脂層23上に、ボトムゲート型チャネルエッチ構造のトランジスタを形成した(図5(D)の被剥離層25に対応)。半導体層には、CAC−OSを用いた。チャネル長は4μm、チャネル幅は3μmとした。
そして、被剥離層25に接着層75bを用いて基板75aを貼り付けた(図5(D))。
本実施例の試料について、作製基板14側からレーザ光を照射した(図6(A))。そして、作製基板14から被剥離層25を剥離した。なお、剥離の際には、剥離界面に水を供給した。
レーザ光のレーザ発振器として、波長308nmのXeClエキシマレーザを用いた。ビーム短軸集光幅は625μm、ショット数は10ショット、繰り返し周波数は60Hz、スキャン速度は3.75mm/秒、エネルギー密度は約440mJ/cm2とした。
レーザ光照射による剥離前後のトランジスタのId−Vg特性及び電界効果移動度(Field effect mobility)μFEを図55に示す。図55には、Vd=0.1Vの結果とVd=20Vの結果を示す。図55において、剥離前のId−Vg特性は、太い実線、剥離後のId−Vg特性は、細い実線、剥離前のμFEは、太い点線、剥離後のμFEは、細い点線で示している。なお、図55において、太い実線と細い実線は、概略重なっており、太い点線と細い点線は概略重なって示されている。図55に示すように、剥離前後で特性に大きな変化は見られず、チャネル長4μmであっても、ノーマリーオフ特性を示していることがわかった。
<フレキシブルOLEDディスプレイの作製結果>
本実施例で作製したフレキシブルOLEDディスプレイは、表示領域が対角8.67インチ、有効画素数が1080×1920、精細度が254ppi、開口率が46.0%である、アクティブマトリクス型の有機ELディスプレイである。フレキシブルOLEDディスプレイには、スキャンドライバが内蔵されており、COFを用いてソースドライバが外付けされている。
トランジスタには、CAC−OSを用いたチャネルエッチ型のトランジスタを適用した。
発光素子には、白色の光を呈するタンデム(積層)型の有機EL素子を用いた。発光素子は、トップエミッション構造であり、発光素子の光は、カラーフィルタを通してディスプレイの外部に取り出される。
本実施例のフレキシブルOLEDディスプレイの作製方法では、トランジスタ等が形成された作製基板とカラーフィルタ等が形成された作製基板とを貼り合わせ、2回の剥離工程を行うことで、フィルム基板にトランジスタ及びカラーフィルタ等を転置する。本実施例では、トランジスタ等が形成された作製基板の剥離工程に、本発明の一態様を適用した。具体的には、作製基板上に金属酸化物層及び樹脂層を介して、トランジスタ、発光素子等を形成した。金属酸化物層及び樹脂層の構成は、上記トランジスタの作製時と同様である。一方、カラーフィルタ等が形成された作製基板の剥離工程には、無機剥離層(酸化タングステン膜)を用いた。
本実施例で作製したフレキシブルOLEDディスプレイの表示結果を図56に示す。図56に示すように、レーザ照射による剥離に起因した表示不具合は認められず、正常に発光していることが確認できた。