以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。なお、各図面において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係るインプリント装置100の構成を示す概略図である。インプリント装置100は、型を用いて基板上にインプリント材のパターンを形成するインプリント処理を行う。インプリント処理とは、基板上に供給されるインプリント材と型とを接触させ(押印)、接触状態でインプリント材を硬化させ、硬化したインプリント材から型を剥離(離型)することで型に形成されたパターンを基板上に転写する処理である。インプリント材の硬化方法として、光の照射による方法や、他のエネルギー(例えば、熱)による方法がある。
本実施形態におけるインプリント装置100は、レプリカモールド作製工程に使用されうる。レプリカモールド作製工程では、被処理基板として、パターンが形成されていないレプリカモールド(ブランクモールド)を用いる。レプリカモールド作製工程において、インプリント装置100は、ブランクモールド上に、型であるマスターモールドの凹凸パターンを転写する。
本実施形態では、インプリント材として紫外線で硬化する光硬化性樹脂を用いた光硬化法を採用する。また、型をマスターモールドMM、基板をレプリカモールドRMとしてレプリカモールドを複製する。なお、図1においては、レプリカモールド上のインプリント材に対して照射される紫外光の光軸に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内に互いに直交するX軸およびY軸を取っている。
型としてのマスターモールドMMは、外周部が矩形で、レプリカモールドRMに対する対向面に、所定の凹凸パターンが3次元状に形成されたパターン部Pを有する。マスターモールドMMのパターン部Pは、レプリカモールドRM上へ塗布されたインプリント材Rに転写される。マスターモールドMMの材質には、例えば、石英などの紫外線を透過させる素材が用いられる。マスターモールドMMは、光の入射面側に型側凹部101を有しうる
基板としてのレプリカモールドRMは、例えば、石英などの紫外線を透過する素材が用いられる。レプリカモールドRMは、マスターモールドMM側の面の中央部に、マスターモールドMMのパターンが転写される領域である基板側凸部102を有する。凸部102は、例えば、レプリカモールドRMの基部103より、30μm高い凸形状を形成する。凸部102は、例えば、半導体製造工程において、レプリカモールドRMを型として、基板としてのウエハにインプリント処理する際、レプリカモールドRMとウエハが密着して引きはがせなくなる事を防止するために必要である。レプリカモールドRMの凸部102には、インプリント材Rが塗布されうる。また、レプリカモールドRMは、凸部102と反対側の面に基板側凹部104を有しうる。
なお、本実施形態では、レプリカモールドを複製する場合を例に説明するが、通常のインプリント処理を行うにあたり、基板として、単結晶シリコンウエハやSOI(Silicon on Insulator)ウエハなどを用いても良い。
(インプリント装置)
インプリント装置100は、照明部110、型保持部120、基板保持部130、供給部140、型搬送部160、基板搬送部170、制御部180を備えうる。
照明部110は、インプリント処理の際に、マスターモールドMMに対してインプリント材Rを硬化させる紫外線UVを照射する照明手段である。この照明部110は、光源111と、光源111から射出された紫外線UVをインプリント材に照射するために適切な光に調整するための光学素子112および光を基板上に導くためのハーフミラーHMを含む。また、光を基板表面で走査する必要がある場合には、光を走査するための走査手段HMを含んでいてもよい。
型保持部120は、マスターモールドMMを保持、及び固定するための保持機構である。型保持部120は、マスターモールドMMを保持した状態で、マスターモールドMMをレプリカモールドRMに押し付けるためのZ駆動機構(不図示)を含みうる。また、このとき、マスターモールドMMやレプリカモールドRMの高さ・傾きに応じて、マスターモールドMMの高さと傾きを補正する補正駆動機構(不図示)も含みうる。
型保持部120内のマスターモールドMM上部には、TTM(Through The Mask)スコープ121を備える。TTMスコープ121は、マスターモールドMMに設けられたアライメントマーク(不図示)と、レプリカモールドRMに設けられたアライメントマーク(不図示)を検出するための光学系と撮像系を有するアライメントスコープである。TTMスコープ121によるアライメントマークの検出結果から、マスターモールドMMとレプリカモールドRMのX方向及びY方向のシフトずれや回転ずれを計測することができる。この計測結果を用いて型と基板の位置合わせを行う。
さらに、型保持部120は、型側凹部101の圧力を調整する圧力調整機構122を備えうる。レプリカモールドRM上のインプリント材RにマスターモールドMMを接触させる際には、圧力調整機構122によって型側凹部101内の圧力が外部空間の圧力より高くされる。そして、パターン部Pおよび周辺部105がレプリカモールドRMに向かって凸形状になるように制御されうる。これにより、パターン部Pの中央部分が最初にレプリカモールドRM上のインプリント材Rに接触し、その後に接触部分が徐々に広がり、最終的にパターン部P全体がインプリント材Rに接触しうる。これにより、パターン部Pとインプリント材Rとの間に気体が閉じ込められることを抑えることができる。
基板保持部130は、レプリカモールドRMを真空吸着や静電吸着により保持し、かつ、XY平面内に移動可能な保持手段である。基板保持部130はレプリカモールドRMをZ軸まわりの回転駆動させるための駆動機構を備えることが望ましい。
基板保持部130は、インプリント装置100のステージ定盤106に沿って駆動する。この場合は、基板保持部130がXY平面内に駆動した時のZ方向や傾きの基準は、ステージ定盤106となる。ステージ定盤106は、マウント107上に構成されており、インプリント装置100は、床からの振動の影響を受けにくい構造になっている。また、基板保持部130は、レプリカモールドRMをZ方向に移動させる駆動機構や、XY軸周りにレプリカモールドRMを回転させる回転機構を有していてもよい。さらに、基板保持部130は、型保持部と同様に、基板側凹部104の圧力を調整する圧力調整機構131を備えうる。
基板保持部130には、マスターモールドMMの表面を計測することができる型計測センサー132(型検出手段)を備えうる。型計測センサー132は、マスターモールドMMの表面までのZ軸方向の距離(形状)を計測することができる距離計測器である。型計測センサー132の計測結果に基づいて、マスターモールドMMの表面の高さを求めることができる。
基板保持部130がXY平面に沿って移動することによって、型計測センサー132はマスターモールドMMの表面の各位置(全面)を計測可能である。型計測センサー132は、基板保持部130とは異なる機構に設けられていてもよい。その場合も、型計測センサー132がXY平面に沿って移動することでマスターモールドMMの表面を計測することができる。
さらにインプリント装置100は、レプリカモールドRMの表面を計測することができる基板計測センサー108を備えうる。基板計測センサー108は、レプリカモールドRMの表面までのZ軸方向の距離(形状)を計測することができる距離計測器である。基板計測センサー108の計測結果に基づいて、レプリカモールドRMの表面の高さを求めることができる。基板保持部130がXY平面に沿って移動することによって、基板計測センサー108はレプリカモールドRMの表面の各位置(全面)を計測可能である。基板計測センサー108がXY平面に沿って移動することによってレプリカモールドRMの表面を計測してもよい。
また、インプリント装置100は、基板保持部130に配置された基準プレート(不図示)に設けられた基準マークやアライメントマークを検出するオフアクシススコープ109も備えうる。オフアクシススコープ109は、レプリカモールドRMのアライメントマークを検出することも可能である。
供給部140は、レプリカモールドRM上にインプリント材Rを供給する供給手段である。供給部140は、吐出口(不図示)を有しており、吐出口からレプリカモールドRMにインプリント材を供給する。なお、本実施形態のインプリント材は、紫外線を照射することによって硬化する性質を持つ樹脂を利用する。また、供給するインプリント材の量などは、例えば、必要となるインプリント材の厚さや転写するパターン密度などによって、制御部180により決められる。
観察部150は、例えば、カメラなどの撮像部を含み、レプリカモールドRMを観察する。観察部150は、マスターモールドMMとレプリカモールドRM上のインプリント材Rとの接触状態を観察することが可能である。さらに、観察部150は、例えば、マスターモールドMMのパターン部Pへのインプリント材Rの充填状態や、レプリカモールドRM上の硬化したインプリント材RからのマスターモールドMMの離型状態などを観察することも可能である。本実施形態で観察部150は、マスターモールドMMやレプリカモールドRMからの光がハーフミラーHMを透過した光を観察している。しかし、光源部111と観察部150の配置は反対であってもよい。
型搬送部160は、マスターモールドMMを型保持部120に搬入したり、インプリント装置100から搬出したりする搬送手段である。また、基板搬送部170は、レプリカモールドRMを基板保持部130に搬入したり、インプリント装置100から搬出したりする搬送手段である。
制御部180は、インプリント装置100の各構成ユニットの動作の制御、及び、各種センサー値などの取得を行う。また、制御部180は、レプリカモールドRMの面の向きに基づいてレプリカモールドRMの面の向きを反転するか否かを決定し、決定結果に基づいて後述する反転部を制御する。制御部180は、インプリント装置100の各構成ユニットに接続された、不図示のコンピュータやシーケンサなどで構成されており、処理部や記憶部を有しうる。制御部180は、インプリント装置100内に設けてもよいし、インプリント装置100とは別の場所に設置し遠隔で制御しても良い。
(インプリント方法)
図1のインプリント装置100を用いて、マスターモールドMMに形成されたパターンをレプリカモールドRMに転写することによってレプリカモールドを作製する、モールド作製方法を説明する。図2は、第1実施形態に係るインプリント装置100を用いたインプリント方法(モールド作製方法)を説明するフローチャートである。各フローは、主に制御部180による各部の制御により実行される。
まず、型搬送部160によって、マスターモールドMMがインプリント装置100内に搬入される。同様に、基板搬送部170によってレプリカモールドRMがインプリント装置100内に搬入される(S201)。なお、マスターモールドMMが既にインプリント装置100内に搬入済みの場合は、マスターモールドMMの搬入は行わない。
その後、型の状態を検出するために、型計測センサー132によってマスターモールドMMの表面の傾きや高さを計測する。同様に、レプリカモールドRMの状態を検出するために、基板計測センサー108によって、レプリカモールドRMの表面の傾きや高さを計測する。型計測センサー132と基板計測センサー108の2つセンサーの計測結果から、マスターモールドMMとレプリカモールドRMの表面が平行になるように、型保持部120の傾きを補正する(S202)。
次に、供給部140は、レプリカモールドRMのインプリント領域(凸部102)にインプリント材Rを供給する(S203)。基板保持部130によってレプリカモールドRMを供給部140の下でスキャン駆動させながら、凸部102にインプリント材Rを供給する。このとき、制御部180は、インプリント材の供給量や供給位置を設定したインプリント材の供給情報を不図示の記憶部から読み出してインプリント材Rの供給を制御する。
次に、基板保持部130を駆動することで、インプリント材Rが供給されたレプリカモールドRMをマスターモールドMMの直下に配置する。この状態で、TTMスコープ121がマスターモールドMMとレプリカモールドRMに形成されたアライメントマークを検出して、位置ずれを計測する。計測されたマスターモールドMMとレプリカモールドRMの位置ずれに基づき、基板保持部130を駆動して位置合わせを行う(S204)。
次に、圧力調整機構122、131を制御し、マスターモールドMMとレプリカモールドRMのそれぞれ対向する面を凸形状にする。その後、型保持部120をレプリカモールドRMに対向する面方向に駆動させ、マスターモールドMMとレプリカモールドRMとを、インプリント材Rを介して接触させる(S205)。なお、基板保持部130を、マスターモールドMMに対向する面方向に駆動させて、接触させても良い。接触させることにより、インプリント材Rは、パターン部Pに充填される。この後、圧力調整機構122、131を制御して徐々に圧力を下げ、マスターモールドMMとレプリカモールドRMとの接触面積を増やしていく。
そして、マスターモールドMMとレプリカモールドRMのアライメントマークをTTMスコープ121で観察しながら、基板保持部130を駆動させ、位置合わせするダイバイダイアライメントを実施する(S206)。
位置合わせが完了したら、照明部110から紫外線UVを照射し、レプリカモールドRM上のインプリント材Rを硬化させる(S207)。そして、再度、圧力調整機構122、131を制御し、マスターモールドMMとレプリカモールドRMのそれぞれ対向する面を凸形状にし、型保持部120をレプリカモールドRMに対向する面とは反対の方向に駆動する。これにより、マスターモールドMMをレプリカモールドRMから剥離(離型)する(S208)。この結果、硬化したインプリント材Rのパターンが、レプリカモールドRM上に形成される。なお、硬化したインプリント材RがレプリカモールドRM上に残留するよう、レプリカモールドRMの表面には、あらかじめ密着層を塗布しておくことが望ましい。そして最後に、インプリント処理が終わったレプリカモールドRMを、基板搬送部170により、インプリント装置100から搬出する(S209)。
(搬送方法)
本実施形態におけるマスターモールドMMおよびレプリカモールドRMの搬送方法について説明する。図3は、第1実施形態に係るマスターモールドMMおよびレプリカモールドRMの搬送方法を説明するための模式図である。
第1開口部301(第1搬入出部)は、マスターモールドMMをインプリント装置100内に搬入出するための開口である。また、第2開口部302(第2搬入出部)は、レプリカモールドRMをインプリント装置100内に搬入出するための開口である。それぞれ、インプリント装置100に設けられる。
マスターモールドMMは、第1開口部301から、インプリント装置100に搬入出され、型搬送部160によって、読取部QR、外形位置決め部PA、などを経由して型保持部120へと搬入され、同様に型保持部120から第1開口部301へと搬出される。マスターモールドMMが、型搬送部160により搬送される経路を型搬送経路とする。
レプリカモールドRMは、第2開口部302から、インプリント装置100に搬入出される。レプリカモールドRMは、基板搬送部170によって、読取部QR、外形位置決め部PA、などを経由して基板保持部130へと搬入され、同様に基板保持部130から第2開口部302へと搬出される。レプリカモールドRMが、基板搬送部170により搬送される経路を基板搬送経路とする。
基板搬送経路には、レプリカモールドRMの面の向きを反転させる反転部303が備えられる。レプリカモールドRMは、制御部180の決定結果に応じて反転部303に搬送され、面の向きが反転される。制御部180は、反転前のレプリカモールドRMの面の向きに基づき、反転するか否かを決定する。
読取部QRは、マスターモールドMMおよびレプリカモールドRMに描画された例えばQRコード(登録商標)やバーコードなどを検出し、検出したQRコードやバーコードから読取った情報を制御部180へ出力する。外形位置決め部PAは、マスターモールドMMおよびレプリカモールドRMのXY方向と回転方向の位置決めを行う。
反転部303は、必要に応じてレプリカモールドRMの面の向きを反転する。反転部303は、例えば、回転機構を有するアクチュエータなどであるが、その構成は多様であり反転方法についてはこれに限られない。
マスターモールドMMの搬入方法について説明する。本工程は、図2中のS201を詳細に説明するものである。図4は、第1実施形態に係るカセットに格納した状態のマスターモールドおよびレプリカモールドの断面図である。本実施形態において、マスターモールドMMは、図4(A)に示すように、パターン部PがレプリカモールドRM側(下側)となる状態でカセット401に格納されているものとする。
マスターモールドMMを格納したカセット401は、第1開口部301に設置される。その後、不図示コンソールからの操作もしくはユーザからの遠隔操作により、インプリント装置100内へ搬送され、カセット401からマスターモールドMMが取り出される。マスターモールドMMは、型搬送部160によって、読取部QRに搬送され、読取部QRにより、情報が読取られる。読取部QRにより、読取られた情報は、制御部180に出力される。
その後、マスターモールドMMは、外形位置決め部PAに搬送され、XY方向と回転方向の位置決めが行なわれる。そして、マスターモールドMMは、型保持部120へと搬送される。
図5は、第1実施形態に係るレプリカモールドの搬送方法を説明するフローチャートである。各フローは、主に制御部180による各部の制御により実行され、レプリカモールドRMの搬送は基板搬送部170により行われる。まず、図2中のS201において、レプリカモールドRMは、インプリント装置内に搬入される。その際のレプリカモールドの搬送方法について説明する。
図5に戻り、まず、レプリカモールドRMが格納されたカセットを、第2開口部302に設置する(S501)。レプリカモールドRMは、通常、インプリント装置100に搬入される前においては、カセットに格納されている。本実施形態においては、第2開口部にレプリカモールドRMが格納されたカセットが設置された際、例えば、図4(B)に示す状態でカセット402に格納されているものとする。すなわち、レプリカモールドRMは、被転写面である凸部102がマスターモールドMMと反対側(下側)となる状態でカセット402に格納されているものとする。
図5に戻り、次に、カセット402を基板搬送部170によってインプリント装置100内に搬入し、カセット402からレプリカモールドRMを取り出す(S502)。レプリカモールドRMは、基板搬送部170によって、カセット402から読取部QRへ搬送され、読取部QRにより、情報が制御部180へと出力される(S503)。このカセット402から読取部QRへの搬送経路を経路Aとする。
その後、S503で出力された情報や、異常や操作指示などによる中断要因がないか判断する(S504)。中断する要因があった場合(Yes)、レプリカモールドRMを読取部QRからカセット402へと搬送する。カセット402に搬送されたレプリカモールドRMは、カセット402に格納され、第2開口部から搬出される(S512)。この読取部QRからカセット402への搬送経路を経路Bとする。
中断する要因がない場合(No)は、レプリカモールドRMを読取部QRから外形位置決め部PAへ搬送し、XY方向と回転方向の位置決めを行う(S505)。この読取部QRから外形位置決め部PAへの搬送経路を経路Cとする。
その後、S505の位置決めの結果、異常や操作指示などによる中断要因がないか判断する(S506)。中断する要因があった場合(Yes)、レプリカモールドRMを外形位置決め部PAからカセット402へ搬送する。カセット402に搬送されたレプリカモールドRMは、カセット402に格納され、第2開口部から搬出される(S512)。この外形位置決め部PAからカセット402への搬送経路を経路Dとする。
中断する要因がない場合(No)は、レプリカモールドRMを反転部303に搬送し、反転部303によりレプリカモールドRMの面の向きを反転する。すなわち、被転写面である凸部102がマスターモールドMM側(上側)になるように反転する(S507)。レプリカモールドRMを、被転写面をマスターモールドMM側に向けた状態で、基板保持部130に搬送するためである。なお、この外形位置決め部PAから基板保持部130搬送経路を経路Eとする。
その後、S507のレプリカモールドを反転する工程で、異常や操作指示などによる中断要因がないか判断する(S508)。中断する要因があった場合(Yes)、レプリカモールドRMの被転写面がマスターモールド側(上側)であるか否かを判断する(S509)。被転写面が上側である場合(Yes)、レプリカモールドRMを反転部303に搬送し、反転部303によりレプリカモールドRMの面の向きを反転する。すなわち、被転写面がマスターモールドMMとは反対側(下側)になるように反転する(S511)。被転写面を下向きの状態でカセット402に格納するためである。その後、レプリカモールドRMをカセットに格納し、第2開口部から搬出する(S512)。この、被転写面が上側であった場合の、反転部303からカセット402への搬送経路を経路Fとする。
レプリカモールドRMの被転写面が上側でない場合(S509、No)、レプリカモールドRMをカセットに格納し、第2開口部から搬出する(S512)。この被転写面が上側でない場合(下側)の、反転部303からカセット402への搬送経路を経路Gとする。
中断する要因がなかった場合(S508、No)、レプリカモールドRMを基板保持部130に搬送し、インプリント処理を行う(S510)。S510の工程は、図2中のS202〜208の工程に該当する。
図5に戻り、インプリント処理(S510)が完了したら、レプリカモールドRMを基板保持部130から反転部303に搬送し、反転部303によりレプリカモールドRMの面の向きを反転させる。すなわち、被転写面がマスターモールドMMとは反対側(下側)になるように反転させる(S511)。図4(B)に示すように、被転写面を下向きの状態でカセット402に格納するためである。そして、レプリカモールドRMをカセットに格納し、第2開口部から搬出する(S512)。この基板保持部130からカセット402への搬送経路を経路Hとする。
図6は、第1実施形態に係るレプリカモールドRMの搬送経路の一覧を示す図である。該一覧には、上述した経路A〜Gが示されている。上述の通り、本実施形態では、経路E、F、Hにおいて、レプリカモールドRMを反転させる必要があるため、制御部180は、レプリカモールドRMの面の向きを反転させる決定をし、反転部303を制御する。例えば、制御部180は、レプリカモールドRMを搬送元から搬送先へ搬送する間に、レプリカモールドRMの面の向きを反転するか否かを決定する。
図7は、第1実施形態に係るレプリカモールドRMの搬送経路を示す模式図である。異常や操作指示などによる中断要因がない場合、レプリカモールドRMはまず、第2開口部302に設置されたカセット402から、読取部QRへと搬送される(経路A)。そして、読取部QRから、外形位置決め部PAへと搬送される(経路C)。次に、外形位置決め部PAから、反転部303へと搬送され(経路E1)、面の向きが反転される。その後、反転部303から、基板保持部130へと搬送され(経路E2)、最後に、基板保持部130から第2開口部302に設置されたカセット402へと搬送される(経路H)。
本実施形態においては、一例として、レプリカモールドRMは、被転写面である凸部102が下向きの状態でカセット402に格納されている例について説明した。この他にも、例えば、外部の洗浄装置や検査装置に投入する場合など、パターンが形成された(インプリント処理後の)レプリカモールドRMをパターン面(被転写面)が上向きの状態でカセット402に格納する場合は、経路Hにおいて、反転させる必要はない。つまり、制御部180は、搬出先に基づいてレプリカモールドRMの面の向きを反転するか否かを決定する。本実施形態によれば、上述のような定常外の操作にも対処することが可能となり、基板の交換効率を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、基板搬送部170とは異なる反転部303を設けたが、例えば、基板搬送部170自体に回転機構を設け、基板搬送部170を反転部303としても良い。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態に係るマスターモールドMMの搬送方法を説明するための模式図である。第1実施形態と同様の構成は同符号で示し、説明は省略する。本実施形態では、型搬送経路に反転部303を設ける。
図9は、第2実施形態に係るカセットに格納した状態のマスターモールドMMとレプリカモールドRMの断面図である。本実施形態においては、第1開口部にカセット401が設置された際、例えば、図9(A)に示すように、マスターモールドMMは、パターン部PがレプリカモールドRMと反対側(上側)となる状態でカセット401に格納されているものとする。また、図9(B)に示すように、レプリカモールドRMは、被転写面である凸部102がマスターモールドMM側(上側)となる状態でカセット402に格納されているものとする。
マスターモールドMMを格納したカセット401は、第1開口部301に設置される。その後、第1実施形態と同様に、装置100内へ搬送され、カセット401からマスターモールドMMが取り出される。マスターモールドMMは、型搬送部160によって、読取部QRに搬送され、読取部QRにより、読取られた情報は、制御部180に出力される。
その後、マスターモールドMMは、外形位置決め部PAに搬送され、XY方向と回転方向の位置決めが行なわれる。次に、マスターモールドMMは、反転部303に搬送され、第1実施形態に係るレプリカモールドRMと同様に、反転部303により、面の向きが反転される。すなわち、パターン部PがレプリカモールドRM側(下側)になるように反転される。反転されたマスターモールドMMは、型保持部120へ搬送される。
その後インプリント処理を行う。インプリント処理が全て完了した後、マスターモールドMMは、型保持部120から反転部303に搬送され、反転部303により、面の向きが反転される。すなわち、パターン部PがレプリカモールドRMと反対側(上側)になるように反転される。反転されたマスターモールドMMは、カセット401に格納され、第1開口部301から搬出される。
型搬送経路中において、異常や操作指示によりマスターモールドMMを第1開口部301に戻す場合がある。読取部QR又は、外形位置決め部PAから第1開口部301に戻す場合は、マスターモールドMMのパターン部Pは上側にある状態であるので、反転部303にて反転を行わずに第1開口部301に搬送する。
反転部303から第1開口部301に戻す場合、マスターモールドMMのパターン部Pが下側になる状態であればパターン部Pが上側になるようマスターモールドMMを反転させた後に、上側になる状態であればそのまま第1開口部301に搬送する。
なお、本実施形態において、レプリカモールドRMは、カセット402に格納された状態において、被転写面である凸部102がマスターモールドMM側(上側)を向いているため、基板搬送経路において、レプリカモールドRMを反転させる必要はない。
本実施形態によれば、マスターモールドについての定常外の操作にも対処することが可能となり、型の交換効率を向上させることができる。
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態に係るマスターモールドMMおよびレプリカモールドRMの搬送方法を説明するための模式図である。本実施形態においても、第1実施形態と同様の構成は同符号で示し、説明は省略する。本実施形態のインプリント装置100は、型搬送経路および基板搬送経路に亘って1つの反転部303設置されることを特徴とする。
反転部303は、型搬送経路及び基板搬送経路に設置され、マスターモールドMMおよびレプリカモールドRMの面の向きを反転する。なお、型搬送経路と基板搬送経路のそれぞれに異なる反転部303を設けても良い。本実施形態によれば、マスターモールドMM及びレプリカモールドRMの両方についての定常外の操作にも対処することが可能となり、型および基板の交換効率を向上させることができる。
なお、第1実施形態乃至第3実施形態において、第1開口部301と第2開口部302とは、異なる開口部であるものとして説明したが、同一の開口部を第1開口部301、第2開口部302としても良い。
(第4実施形態)
図11は、第4実施形態に係るレプリカモールドRMの搬送方法を説明するための模式図である。本実施形態においても、第1実施形態と同様の構成は同符号で示し、説明は省略する。本実施形態のインプリント装置100は、基板搬送経路中にレプリカモールドRMの面の向きを判別する判別部1101を備える。
レプリカモールドRMは被転写面である凸部102がマスターモールドMMと反対側(下側)となる状態でカセットに格納されている場合(図4(B))がある。また、凸部102がマスターモールドMM側(上側)となる状態上向き状態でカセットに格納されている場合(図9(B))もある。判別部1101は、レプリカモールドRMの被転写面がマスターモールドMM側(上側)または、マスターモールドMMとは反対側(下側)のいずれであるかを判別する。判別部1101は、例えば、レーザー変位計、分光干渉計等の高さセンサーである。図12は、レプリカモールドRMの一例を示す図である。判別部1101は、例えば、基板側凸部102の有無、基板側凹部104の有無を計測することで、レプリカモールドRMの面の向きを判別する。
なお、判別部1101は、例えば、高さセンサーまたは、接触センサーであって、レプリカモールドRMの切欠部1201を計測することで、レプリカモールドRMの面の向きを判別しても良い。さらに、判別部1101は、例えば画像センサーであって、レプリカモールドRMに描画されている未図示のアライメントマーク、バーコード、QRコードを計測検知することで、レプリカモールドRMの面の向きを判別しても良い。
また、判別部にて凸部102の長辺短辺の位置関係、切欠部1201、アライメントマーク、バーコード、QRコードの位置を検出することで、レプリカモールドRMの面の向きの判別のみならず回転姿勢の誤りを検知することも可能である。
本実施形態に係るレプリカモールドRMの搬送方法について説明する。カセット402から取り出されたレプリカモールドRMは、まず、判別部1101に搬送される。判別部1101は、レプリカモールドRMの面の向きを判別する。
制御部180は、判別部1101の判別結果に基づき、レプリカモールドRMの反転を行うか否かを決定する。例えば、判別部1101において、凸部102が、被転写面がマスターモールドMM側(上側)にあると判別された場合、制御部180は、反転を行わない決定をする。被転写面がマスターモールドMMとは反対側(下側)にある場合、制御部180は、反転を行う決定をし、レプリカモールドRMは反転部303に搬送される。反転部303に搬送されたレプリカモールドRMは、反転部303により、被転写面がマスターモールドMM側(上側)になるよう、反転される。
その後、レプリカモールドRMは、読取部QRと外形位置決め部PAを経由した後に、基板保持部130に搬送され、インププリント処理が行われる。これらの工程は第1実施形態と同様である。
なお、本実施形態においては、一例として、基板搬送経路中に判別部1101を備えるインプリント装置100を説明した。この他にも、型搬送経路中に同様に判別部1101を設け、マスターモールドMMの面の向きを判別し、該判別結果に基づき反転を行うか否かを決定することも可能である。この場合、例えば計測対象である基板側凸部102に対応するのは、パターン部P(型側凸部)であり、基板側凹部104に対応するのは、型側凹部101である。また、基板搬送経路及び型搬送経路の両方に判別部1101を設けても良いし、基板搬送経路及び型搬送経路に亘って一つの判別部1101を設けても良い。
本実施形態によれば、インプリント装置100におけるマスターモールド及びレプリカモールドの管理が容易となる。
(第4実施形態)
第4実施形態に係るインプリント装置100の制御部180は、指示部(不図示)と接続され、指示部によって、搬出時のマスターマスクMM(型)およびレプリカモールドRM(基板)の面の向きを設定することを特徴とする。指示部は、表示部(不図示)と入力部(不図示)を備えうる。
図13は、第4実施形態に係る指示方法の一例を説明する図である。表示部は、例えば、図13に示すような方法で、搬入出時のレプリカモールドRMの被転写面向きを設定する項目を表示する。搬入時指示(Import)1310は選択肢として、被転写面上向き(Pattern Side Up)1311と被転写面下向き(Pattern Side Down)1312を有する。被転写面上向き(Pattern Side Up)1311は凸部102がマスターモールド側向きである。被転写面下向き(Pattern Side Down)1312は、凸部102がマスターモールドと反対側向きである。
また、搬出時の被転写面向きを設定する項目、搬出時指示(Export)1320は選択肢として、被転写面上向き(Pattern Side Up)1321と被転写面下向き(Pattern Side Down)1322を有する。
例えば、第2実施形態で示すように、レプリカモールドRMを、被転写面がマスターモールド側(上向き)の状態(図9(B))で、インプリント装置100に搬入出する場合について説明する。この場合、ユーザは、入力部により、図13に示すように搬入時指示1310、搬出時指示1320共に、選択肢は被転写面上向き1311、1321を選択する。
また、第1実施形態で示すように、レプリカモールドRMを、被転写面がマスターモールドと反対側(下向き)の状態(図4(B))で、インプリント装置100に搬入出する場合について説明する。この場合、ユーザは、入力部により、搬入時指示1310、搬出時指示1320共に、選択肢は被転写面下向き1312、1322を選択する。
さらに、例えば被転写面が下向き状態(図4(B))で搬入するが、一時的に被転写面が上向き状態(図9(B))で搬出する場合、搬入時指示1310は選択肢に被転写面下向き1312を、搬出時指示1320は被転写面上向き1321を選択する。そして、例えば、被転写面が上向き状態(図9(B))で搬入するが、一時的に被転写面が下向き状態(図4(B))で搬出する場合は、搬入時指示1310は選択肢に被転写面上向き1311を、搬出時指示1320は被転写面下向き1322を選択する。
このように、ユーザの指示による制御部180の制御によって、インプリント装置100への搬入時の被転写面向きを維持し搬出する運用も、被転写面向きを変更して搬出する運用も実施することができる。なお、同様の方法により、マスターモールドMM(型)の搬送指示を実施すること可能である。
(物品の製造方法)
インプリント装置を用いて形成した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、インプリント材モールドとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、インプリント材モールドは除去される。
次に、物品の具体的な製造方法について説明する。図14(a)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコンウエハ等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zが基板上に付与された様子を示している。
図14(b)に示すように、インプリント用の型4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材3zに向け、対向させる。図14(c)に示すように、インプリント材3zが付与された基板1zと型4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zは型4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーとして光を型4zを透して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
図14(d)に示すように、インプリント材3zを硬化させた後、型4zと基板1zを引き離すと、基板1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凹部が硬化物の凸部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zに型4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
図14(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングモールドとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。図14(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内において様々な変更が可能である。