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JP6955759B2 - 発毛用組成物 - Google Patents
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JP6955759B2 - 発毛用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、天然由来の成分を発毛の機能性成分とする発毛用組成物に関する。
従来、老化(加齢)に伴う薄毛、脱毛に対し、数多くの発毛、育毛剤が提案されている。例えば、ミノキシジル、フィナステリドなど、商品化されているものも数多くある(特許文献1〜2)。また、近年健康志向を反映して天然物由来の発毛、育毛剤が開発されている(特許文献3〜6)。
特許文献1には、ミノキシジルが発毛効果を有することが記載されている。ミノキシジルは高血圧用の経口薬として開発されたものであるが、本来の効果より、毛髪が濃くなるという副作用を主作用として現在利用されている。
一方、特許文献2に記載のフィナステリドは、男性ホルモンであるテストステロンをDHT(ジヒドロテストステロン)に変換する酵素を阻害する前立腺肥大症薬として開発されたものであるが、現在は男性型脱毛症(AGA)治療薬として使われるようになった。
特許文献3には、t−フラバノンが発毛効果を有することが記載されており、製品化もなされているが効果は明確でない。さらに、特許文献4には、フォルスコリンを有効成分とする養毛剤が記載されている。特許文献5には、ツツジ科エリカ属植物由来成分のエリカマルチフローラを含有する外皮系組織産生促進用組成物が記載されている。特許文献6には、セコイリドイドグルコシド誘導体を有効成分とする脱毛予防または発毛促進組成物が記載されている。
米国特許4139619号明細書 特表平9−505034号公報 特許4496063号公報 特開平1−216912号公報 特開2008−179599号公報 特表2014−533688号公報
しかしながら、上記のような公知の発毛剤は一定の効果を有するものの、有効性や適応性が乏しかったり、副作用を有したりすることから、発毛効果が高く、汎用的に使用できる発毛剤が嘱望されてきた。
したがって、本発明の目的は、男女を問わず汎用的に利用でき、安全で、優れた発毛効果を発現し得る、発毛用組成物を提供することにある。
本発明者らは、小動物およびヒトでの発毛試験系を鋭意検討したところ、天然由来のカエサルピニアスピノサ莢抽出物及び五倍子抽出物が優れた発毛効果を発現し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第1の観点では、カエサルピニアスピノサ莢抽出物及び五倍子抽出物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする発毛用組成物、を提供するものである。
また、本発明は、第2の観点では、発毛用組成物の製造のためのカエサルピニアスピノサ莢抽出物及び五倍子抽出物からなる群から選ばれた少なくとも1種の使用、を提供するものである。
本発明においては、前記発毛用組成物は、皮膚外用の形態で用いられることが好ましい。
本発明によれば、発毛の機能性成分として、カエサルピニアスピノサ莢抽出物及び五倍子抽出物からなる群から選ばれた少なくとも1種を用いるので、これにより優れた発毛効果を享受することができる。また、これらは天然由来の成分であるため、皮膚に対する刺激が少ない。
図1にはカエサルピニアスピノサ莢抽出物の主要成分である化合物(1)によるヒト毛乳頭増殖効果を示す。
本発明においては、発毛の機能性成分として、カエサルピニアスピノサ莢抽出物及び五倍子抽出物からなる群から選ばれた少なくとも1種を用いる。ここで、「発毛」とは、毛を生やすことと共に、毛髪を太く丈夫にしたり、抜けにくくしたり、といったような育毛や養毛というようなことをも包含する意味である。また、老化、加齢等に伴って薄毛、脱毛等が顕在化したヒトだけでなく、そのような毛髪の減少が顕在化していないヒトに対して予防的ないしは予備的に適用されてもよい。あるいは、ヒトだけでなくペット等の動物に適用されてもよい。
以下に、本発明で用いられる各抽出物について詳述する。
[カエサルピニアスピノサ莢抽出物]
カエサルピニアスピノサは、南米のペルーやその近隣地域を原産とするマメ科の低木植物であり、学名はCaesalpinia spinosa (Kuntze)であり、最近では、Tara spinosaとも呼ばれ、俗にタラ(Tara)と呼ばれることもある。カエサルピニアスピノサの果実部は、豆と莢とからなり、本発明においては、その莢の抽出物を用いる。ちなみに、カエサルピニアスピノサの果実部の豆の部分からは、食用や化粧品の増粘剤としても知られている多糖類のタラガムが得られる。なお、カエサルピニアスピノサは、一般に「タラノキ(▲葱▼木、▲妥▼木)」と呼ばれる、ウコギ科の落葉低木であるタラ(▲葱▼、▲妥▼)(学名:Aralia elata(Seem))とは全く別の植物である。
植物等の原料から抽出物を調製する方法は当業者に周知であり、本発明における上記莢抽出物に関しても、その抽出方法に特に制限はなく、当業者に周知の方法が、適宜適用され得る。典型的には、例えば、カエサルピニアスピノサ莢の乾燥末等に水、熱水等の溶媒を加えて、一定時間、混合、撹拌した後に、濾過により不溶物を除去することで、水抽出物を調製することができる。抽出溶媒としては、後述する加水分解型タンニンを効率的に抽出することができることから、水や熱水が好ましいが、任意であり、水や熱水以外にも、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等の極性溶媒や、それらの複数の溶媒を混合した混合溶媒などを用いてもよい。カエサルピニアスピノサ莢から調製された一次的な抽出物は、これに更に濃縮や粉末化の加工を施して、そのような濃縮物や粉末化物を、本発明におけるカエサルピニアスピノサ莢抽出物となしてもよい。
本発明で用いられるカエサルピニアスピノサ莢抽出物には、タンニンが多く含まれている。タンニンは、化学構造的に縮合型タンニンと加水分解型タンニンに分類されるが、上記の莢抽出物に含まれる主たるタンニンは、加水分解型に属するタンニンである。加水分解型タンニンは、加水分解により没食子酸を遊離するタンニンと定義されることがある(参照:有機合成化学協会誌、2004、62、94-101)。また、稀塩酸中で煮沸したとき、縮合型タンニンは不溶性の沈殿を生じる一方、加水分解型に属するタンニンは加水分解して、水溶性の没食子酸を生じる、と定義されることもある。
より具体的には、下記一般式(I)で表される化合物は、キナ酸骨格を有し、そのキナ酸に没食子酸(Gallic acid)がエステル結合した加水分解型タンニンであり、この加水分解型タンニンが、カエサルピニアスピノサ莢抽出物に主たるタンニンとして含まれている。
Figure 0006955759
(但し、R、R、およびRの少なくとも1つは下記一般式(II)で表される基である。)
Figure 0006955759
(但し、nは0〜2の整数を表す。)
一般式(I)であらわされる加水分解型タンニンについて以下に詳しく説明する。一般式(I)中の置換基R、R、およびRの少なくとも1つが一般式(II)で表される基であるが、好ましくは2つが、特に好ましくは3つとも一般式(II)で表される基である。
一般式(II)において、nは0〜2の整数を表すが、好ましくは0または1である。一般式(I)の置換基R〜Rの少なくとも1つはn=1の一般式(II)で表される基であることが好ましい。
以下に一般式(I)で表される化合物の好ましい具体例を示すが、これらに限定されるわけではない。
Figure 0006955759
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なお、現在までに、カエサルピニアスピノサ莢抽出物の成分として、上記化合物(1)、(7)、(8)、及び(9)の4種類のキナ酸骨格を有するタンニン化合物が知られており、主要成分は化合物(1)である。この化合物(1)は、文献上、タラタンニン(Tara Tannin)と命名されている(J.Chem.Soc., 1842(1961). ibid., 3786(1961))。ただし、キナ酸骨格を有するタンニン化合物のすべてをまとめてタラタンニンと呼ぶ場合もある(Holzforschung, 51, 235(1997))。
本発明における上記莢抽出物が、発毛の機能性成分として十分な効果を奏し得る組成物であることは、例えば、上記化合物(1)を指標にして評価することも可能である。すなわち、本発明における上記莢抽出物は、上記化合物(1)を10〜70質量%含有する組成物であることが好ましく、20〜60質量%含有する組成物であることがより好ましい。化合物(1)の濃度が上記範囲未満である場合、発毛効果を有効に奏し得ない場合がある。
[五倍子抽出物]
五倍子は、ウルシ科ヌルデ属の若芽や葉にヌルデシロアブラムシの仲間が寄生し、その刺激によって組織が膨れ上がり生成した虫こぶ(虫嬰;ちゅうえい)である。中国が一大産地であり、虫こぶは長方形の袋状で突起を持ち、長さ8cm、直径5cmに達するものもある。本発明においては、その五倍子の抽出物を用いる。
上述したように、植物等の原料から抽出物を調製する方法は当業者に周知であり、本発明における上記五倍子抽出物に関しても、その抽出方法に特に制限はなく、当業者に周知の方法が、適宜適用され得る。典型的には、例えば、虫こぶを乾燥させたもの等に水、熱水等の溶媒を加えて、一定時間、混合、撹拌した後に、濾過により不溶物を除去することで、水抽出物を調製することができる。抽出溶媒としては、後述する加水分解型タンニンを効率的に抽出することができることから、水や熱水が好ましいが、任意であり、水や熱水以外にも、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等の極性溶媒や、それらの複数の溶媒を混合した混合溶媒などを用いてもよい。五倍子から調製された一次的な抽出物は、これに更に濃縮や粉末化の加工を施して、そのような濃縮物や粉末化物を、本発明における五倍子抽出物となしてもよい。
本発明で用いられる五倍子抽出物には、タンニンが多く含まれている。上述したように、タンニンは、化学構造的に縮合型タンニンと加水分解型タンニンに分類されるが、五倍子抽出物に含まれる主たるタンニンは、加水分解型に属するタンニンである。
より具体的には、下記一般式(III)で表される化合物は、グルコース骨格を有し、そのグルコースに没食子酸(Gallic acid)がエステル結合した加水分解型タンニンであり、この加水分解型タンニンが、五倍子抽出物に主たるタンニンとして含まれている。
Figure 0006955759
(但し、R、R、R、R、およびRの少なくとも1つは下記一般式(IV)で表される基である。)
Figure 0006955759
(但し、nは0〜5の整数を表す。)
一般式(III)であらわされる加水分解型タンニンについて以下に詳しく説明する。一般式(III)中の置換基R、R、R、R、およびRの少なくとも1つが一般式(IV)で表される基であるが、好ましくは3つが、特に好ましくは5つとも一般式(IV)で表される基である。
一般式(IV)において、nは0〜5の整数を表すが、好ましくは0〜3の整数である。一般式(III)の置換基R〜Rの少なくとも1つはn=1の一般式(IV)で表される基であることが好ましい。
以下に一般式(III)で表される化合物の好ましい具体例を示すが、これらに限定されるわけではない。
Figure 0006955759
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なお、日本薬局方には、五倍子抽出物として得られたタンニンが「タンニン酸(Tannic Acid)」として収載されている。
本発明における上記五倍子抽出物が、発毛の機能性成分として十分な効果を奏し得る組成物であることは、例えば、上記化合物(10)を指標にして評価することも可能である。すなわち、本発明における上記五倍子抽出物は、上記化合物(10)を5〜50質量%含有する組成物であることが好ましく、10〜30質量%含有する組成物であることがより好ましい。化合物(10)の濃度が上記範囲未満である場合、発毛効果を有効に奏し得ない場合がある。
本発明による発毛用組成物は、カエサルピニアスピノサ莢抽出物もしくは五倍子抽出物を、発毛の機能性成分として含有するものである。あるいは、それら両抽出物を、発毛の機能性成分として含有するものである。その形態に特に制限はないが、皮膚外用の形態で用いられることが好ましく、例えば、溶液、ジェル、クリーム、泡状フォーム等の形態であることが好ましい。その形態への調製方法に特に制限はなく、適宜所望の形態とするための溶剤や基材と共に、上記抽出物がその形態中によく分散して含まれるように調製すればよい。
本発明による発毛用組成物が、発毛効果を十分に奏し得る組成物であるためは、例えば、カエサルピニアスピノサ莢抽出物を含有する場合に、上記化合物(1)を指標にして、その化合物(1)を0.01〜10質量%含有するような形態とすることが好ましく、0.1〜5質量%含有するような形態とすることがより好ましい。カエサルピニアスピノサ莢抽出物の含有量が、上記化合物(1)を指標にして、上記範囲未満である場合、発毛の機能性物質を適用箇所に十分に施与できない場合がある。また、例えば、五倍子抽出物を含有する場合に、上記化合物(10)を指標にして、その化合物(10)を0.01〜10質量%含有するような形態とすることが好ましく、0.1〜5質量%含有するような形態とすることがより好ましい。五倍子抽出物の含有量が、上記化合物(10)を指標にして、上記範囲未満である場合、発毛の機能性物質を適用箇所に十分に施与できない場合がある。更に、例えば、カエサルピニアスピノサ莢抽出物及び五倍子抽出物の両抽出物を含有する場合に、カエサルピニアスピノサ莢抽出物について、上記化合物(1)を指標にして、その化合物(1)を0.001〜5質量%含有するような形態とすることが好ましく、0.05〜2.5質量%含有するような形態とすることがより好ましく、また、五倍子抽出物について、上記化合物(10)を指標にして、その化合物(10)を0.001〜5質量%含有するような形態とすることが好ましく、0.05〜2.5質量%含有するような形態とすることがより好ましい。更には、カエサルピニアスピノサ莢抽出物及び五倍子抽出物の両抽出物の含有比が、カエサルピニアスピノサ莢抽出物について上記化合物(1)を指標にし、五倍子抽出物について上記化合物(10)を指標にした場合、その化合物(1)と化合物(10)との比が、1:9〜9:1であるような形態とすることが好ましく、2:5〜5:2であるような形態とすることがより好ましい。上記両抽出物を併用する場合、カエサルピニアスピノサ莢抽出物及び五倍子抽出物の含有量が、上記化合物(1)又は化合物(10)を指標にして、上記範囲未満である場合、発毛の機能性物質を適用箇所に十分に施与できない場合がある。
なお、本発明による発毛用組成物が溶液(例えばトニックやローション)の形態の場合、沈殿の発生等の問題があり、上記両抽出物の含有量の上限としては、それを単独で含有する場合にも、あるいは、両抽出物を併用して含有する場合にも、好ましくは、合計換算で20質量%以下であり、特に好ましくは10質量%以下である。また、ジェル又はクリームの形態の場合は、沈殿の発生等の問題が少ないためより高い含有量が可能となるが、好ましくは、50質量%以下であり、特に好ましくは30質量%以下である。
また、一般に、加水分解型タンニン等、没食子酸や没食子酸誘導体を構成に含む化合物は、3価鉄イオンと錯体を形成して不溶化し易い。よって、本発明による発毛用組成物は、実質的に重金属イオンを含まないことが好ましい。
本発明による発毛用組成物においては、上記のカエサルピニアスピノサ莢抽出物または五倍子抽出物以外にも、その発毛効果を更に向上させるため、サポニン類の少なくとも1つを含有せしめてもよい。サポニンとはサポゲニンと糖から構成される配糖体の総称であり、オレアナン系、ダンマラン系、およびステロイド系サポニンに大別される。
オレアナン系サポニンとしては、オンジ、モクツウ、キキョウ、サイコ、セネガ、カンゾウ、ゴシツ、チクセツニンジンV、およびキラヤ等のサポニンがあり、ダンマラン系サポニンとしては、ニンジン、タイソウ、チクセツニンジンIII、トラガント、およびオウギ等のサポニンがあり、ステロイド系サポニンとしては、ヤマノイモ、チモ、バクモンドウ、ジギタリス、およびユッカ(サルサともいう)等のサポニンがある。
好ましいサポニンはサイコサポニン、キラヤサポニン、チクセツニンジンサポニンおよびユッカサポニンであり、特に好ましくはユッカサポニンである。
本発明による発毛用組成物において、その発毛効果を更に向上させるため、サポニン類の少なくとも1つを含有せしめる場合、その含有量は、上記のカエサルピニアスピノサ莢抽出物または五倍子抽出物の機能が阻害されない限り、特に制限はないが、あらゆる形態において、サポニン類の合計含有量にして、好ましくは0.1〜20質量%であり、特に好ましくは0.2〜5質量%である。
本発明による発毛用組成物には、必要に応じて他の成分、例えば界面活性剤、浸透促進剤、保湿剤、血行促進剤、抗炎症剤、抗酸化剤、紫外線防止剤、抗菌剤、細胞増殖促進剤、細胞分化誘導剤、香料、油脂、オイル、酵素、清涼剤、ビタミン剤、アミノ酸、タンパク質、糖質等を添加してもよい。添加量は0.01〜5質量%であり。好ましくは0.1〜3質量%である。
本発明による発毛用組成物が溶液等の形態である場合において、それに用いられる主要な溶媒は水であるが、所望の添加物が水に溶解しにくい場合は、化粧料に添加することが認められている有機溶媒を使用することができる。具体的には、例えば、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、もしくはブチレングリコールなどの有機溶媒を使用することができるが、その使用量は40質量%未満であることが好ましい。特に好ましい有機溶媒はブチレングリコール(1,3−ブタンジオール)である。
本発明による発毛用組成物は、溶液(例えばトニックやローション)、ジェル又はクリームの形態で用いられるが、好ましくは溶液の形態で用いられる。
本発明による発毛用組成物は、公知の発毛剤、例えばミノキシジル、フィナステリド、t−フラバノン、オタネニンジン抽出物、チクセツニンジン抽出物、アデノシン、エチニルエストラジオール、フォルスコリン等と併用してもよい。作用機序の異なる公知の発毛剤を併用するとより高い発毛効果を得ることができる。
本発明による発毛用組成物は、皮膚外用の形態で用いられることが好ましいが、具体的には、その使用態様としては、頭皮や毛根に塗布し、その適用箇所1cm当たりに1日1回、エサルピニアスピノサ莢抽出物であれば、上記化合物(1)を指標にして、その化合物(1)が、0.001〜10mg/cmの投与量で適用されるように使用されることが好ましく、0.01〜1mg/cmの投与量で適用されるように使用されることがより好ましい。また、五倍子抽出物であれば、上記化合物(10)を指標にして、その化合物(10)が、0.001〜10mg/cmの投与量で適用されるように使用されることが好ましく、0.01〜1mg/cmの投与量で適用されるように使用されることがより好ましい。更に、例えば、カエサルピニアスピノサ莢抽出物及び五倍子抽出物の両抽出物を含有する発毛用組成物を使用する場合には、カエサルピニアスピノサ莢抽出物について、上記化合物(1)を指標にして、その化合物(1)が、0.0005〜5mg/cmの投与量で適用されるように使用されることが好ましく、0.005〜0.5mg/cmの投与量で適用されるように使用されることがより好ましく、また、五倍子抽出物について、上記化合物(10)を指標にして、その化合物(10)が、0.0005〜5mg/cmの投与量で適用されるように使用されることが好ましく、0.005〜0.5mg/cmの投与量で適用されるように使用されることがより好ましい。更には、カエサルピニアスピノサ莢抽出物及び五倍子抽出物の両抽出物の適用比が、カエサルピニアスピノサ莢抽出物について上記化合物(1)を指標にし、五倍子抽出物について上記化合物(10)を指標にした場合、その化合物(1)と化合物(10)との比が、1:9〜9:1であるように適用されるように使用されることが好ましく、1:5〜5:1であるように適用されるように使用されることがより好ましい。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜9、比較例1〜6]〜剃毛マウスを用いた発毛試験〜
(1)試料又は比較試料の調整
実施例及び比較例の試料溶液を下記の組成で作成した。
有効成分 表1に記載の添加量
ブチレングリコール 5質量%
水 全量が100質量%になるように調整
カエサルピニアスピノサ莢抽出物(主要成分はタラタンニン)は川村通商から入手したタラパウダーの水抽出物を濃縮乾固して得られるものを使用した。五倍子抽出物(主要成分はタンニン酸)は富士化学工業から入手したものをそのまま使用した。
比較例の加水分解型タンニンであるチェストナット(栗)の木およびミラボラムの木の実の果肉の抽出物は輸入品を入手し、その水抽出物を濃縮乾固して得られるものを使用した。また、ミノキシジル、フィナステリド、t−フラバノン及びオレウロペインは市販試薬を使用した。
(2)実験動物の飼育
生後8週齢の雄性C3H/HeNCrlマウスを購入し、試験に用いた。5日間の予備飼育後、麻酔下、眠っているマウス背部を小動物用バリカンで剃毛した。
マウスは試験サンプル1種につき8匹を用い、試験開始前にデジタル写真撮影(Nikon COOLPIX S6100)及び観察を行った。
(3)試料又は比較試料の塗布
各実施例・比較例において、実施例1〜9の試料と、比較例1〜6の試料をピペットマンにて1mlを分取した後、手袋をした手で各マウスの剃毛した背部に30日間毎日塗布し、その都度写真撮影及び観察を行った。実施例1〜9の試料及び比較例1〜6の試料は表1に示した通りである。
(4)発毛試験結果の解析
試験結果の解析は、各日のマウスのデジタル画像をパソコン上で「画像解析ソフトNIH-Image」を使って行った。最初にマウスの剃毛した範囲の画像面積をカウントし、次にその画像を二値化変換した画像から発毛した範囲の画像面積をカウントした。測定した剃毛部の面積カウント及び発毛部の面積カウントから下記の式で発毛比率を算出した。結果の解析には、各サンプルの全8匹のマウスのうち、最多発毛マウスの発毛比率と最少発毛マウスの発毛比率を除き、6匹のマウスの発毛比率の平均を取って試験サンプルの発毛比率とした。また、各マウスの皮膚の状態を観察し発疹、カブレ等の有無を調べた。結果を以下の表1に示した。
Figure 0006955759
Figure 0006955759
表1より、カエサルピニアスピノサ莢抽出物および五倍子抽出物は大きな発毛効果を奏することが分かる。特にカエサルピニアスピノサ莢抽出物の発毛効果は顕著である。また、カエサルピニアスピノサ莢抽出物および五倍子抽出物は公知の発毛剤と併用しても、その効果は顕著である。経口薬として用いられるフィナステリドは、その作用機序からもわかるように、本試験条件では発毛効果が著しく低いことがわかる。
[実施例10〜13、比較例7、8]〜ヒト試験〜
〜ヘアートニックの調製〜
(1)カエサルピニアスピノサ莢抽出物(川村通商から入手したタラパウダーより調製)4gを水に溶解してヘアートニックA、200g(2質量%溶液)を調製した
(2)五倍子抽出物(富士化学工業から入手)4gを水に溶解してアートニックB、200gを調製した(2質量%溶液)。
(3)有効成分を用いない水溶液だけのヘアートニックCを調製した。
頭頂部の1/5〜1/4が薄毛化した40〜60歳の男女各30名を20名ずつの3つのグループ(各グループは男性10名と女性10名とからなる)に分けた。実施例10においては男性10名に対して前記ヘアートニックAを用い、実施例11においては女性10名に対して前記ヘアートニックAを用いた。また、実施例12においては男性10名に対して前記ヘアートニックBを用い、実施例13においては女性10名に対して前記ヘアートニックBを用いた。さらに、比較例7においては、男性10名に対して前記ヘアートニックCを用い、比較例8においては女性10名に対して前記ヘアートニックCを用いた。
各実施例・比較例において、毎日、入浴後就寝前と起床後の2回/日、各ヘアートニックを1ml/回、3ヶ月間、頭頂部に塗布、塗布部のマッサージを行って頭皮に浸透させた。
効果の判定は、試験前後に、頭頂部の写真撮影を行い、発毛が観察された割合を測定して50%以上発毛した時は◎、20〜50%が発毛した時は○、20%未満の場合は×とした。
Figure 0006955759
表2より、ヒト試験においてカエサルピニアスピノサ莢抽出物および五倍子抽出物の有無により明確な差異が認められた。すなわち、タラタンニン及びタンニン酸が顕著な発毛効果を有することが認められた。また、男女間で有意な差は認められなかった。
[試験例1]
カエサルピニアスピノサ莢抽出物より、文献(J.Chem.Soc., 1961,1842-1854)を参考にして、主要成分を単離・精製した結果、純度80%で化合物(1)(分子量800。上記文献ではこの化合物をTara tanninと呼んでいる)を得ることができた。それを用いて、化合物(1)濃度5、10、20、40μMの4つの水溶液サンプルを調製した。
次に、作製した4サンプルをヒト毛乳頭細胞の培養細胞に添加し、48時間後と72時間後に、フローサイトメトリー (flow cytometry)を用いてヒト毛乳頭細胞の生存細胞数を測定することにより、化合物(1)の毛乳頭細胞増殖促進作用の有無を調べた。結果を図1に示す。
図1に示す通り、カエサルピニアスピノサ莢抽出物の主要成分である化合物(1)の添加により、ヒト毛乳頭細胞量が増加していることが確認できた。特に、20μMの効果が大きかった。ヒト毛乳頭細胞は毛の発生・成長に関わっており、この細胞レベルの試験結果は、カエサルピニアスピノサ莢抽出物が優れた発毛効果を発現し得るものであることを支持する結果であった。

Claims (4)

  1. カエサルピニアスピノサ莢抽出物を含有することを特徴とする発毛用組成物。
  2. 皮膚外用の形態で用いられる請求項1記載の発毛用組成物。
  3. 発毛用組成物の製造のためのカエサルピニアスピノサ莢抽出物の使用。
  4. 前記発毛用組成物は、皮膚外用の形態で用いられるものである請求項3記載の使用。
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