以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用灯具10を示す正面図である。また、図2は、図1のII−II線断面図であり、図3は、図1のIII−III線断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用灯具10は、車両の左前端部に設けられるヘッドランプであって、ランプボディ12とこのランプボディ12の前端開口部に取り付けられた素通し状の透光カバー14とで形成される灯室内に、3つの灯具ユニット20A、20B、20Cが組み込まれた構成となっている。
なお、図2において、Xで示す方向が車両および車両用灯具10としての「前方」であり、Yで示す方向が「前方」と直交する「左方向」である。
透光カバー14は、その右端縁(灯具正面視では左端縁)からその左端縁へ向けて後方側に僅かに回り込むように形成されている。
3つの灯具ユニット20A、20B、20Cは、車幅方向に並んだ状態で配置されており、かつ、中央に位置する灯具ユニット20Bに対して右側(すなわち車幅方向内側)に位置する灯具ユニット20Cが後方側に変位するとともに、この灯具ユニット20Cに対して左側に位置する灯具ユニット20Aがさらに後方側に変位した状態で配置されている。
これら3つの灯具ユニット20A、20B、20Cは、いずれも発光素子22A、22B、22Cとこの発光素子22A、22B、22Cからの出射光を前方へ向けて反射させるリフレクタ24A、24B、24Cとを備えた構成となっている。
各灯具ユニット20A〜20Cの発光素子22A〜22Cは、いずれも同様の構成を有している。すなわち、各発光素子22A〜22Cは、白色に発光する発光ダイオードであって、横長矩形状の発光面22aを有している。
3つの灯具ユニット20A〜20Cの発光素子22A〜22Cは、同じ高さ位置に配置された状態で、ヒートシンクとしての機能を有する共通の基板26に支持されている。この基板26はランプボディ12に支持されている。
その際、2つの灯具ユニット20B、20Cの発光素子22B、22Cは、その発光面22aを真下の方向に向けた状態で配置されており、残り1つの灯具ユニット20Aの発光素子22Aは、その発光面22aを真下の方向に対して車幅方向内側に傾斜した方向へ向けた状態で配置されている。その際、真下の方向に対する車幅方向内側への傾斜角度は例えば30〜60°程度の値に設定されている。
各灯具ユニット20A〜20Cのリフレクタ24A〜24Cは、各発光素子22A〜22Cの下方側において、車幅方向に間隔をおいて並んだ状態で配置されている。
各リフレクタ24A〜24Cは、いずれも灯具正面視において縦長矩形状の反射面形状を有しており、その左右幅はいずれも同じ値に設定されている。そして、各リフレクタ24A〜24Cは、その上端縁において基板26に支持されている。
2つの灯具ユニット20B、20Cの発光素子22B、22Cは、そのリフレクタ24B、24Cにおける車幅方向の中央に位置するように配置されているが、残り1つの灯具ユニット20Aの発光素子22Aは、そのリフレクタ24Aにおける車幅方向の中央よりも車幅方向外側(具体的にはリフレクタ24Aにおける車幅方向外側の端縁近傍)に位置するように配置されている。
次に、各リフレクタ24A〜24Cの具体的な構成について説明する。
まず、中央に位置するリフレクタ24Bの構成について説明する。
このリフレクタ24Bの反射面24Baは、灯具正面視において上下4段で縦横格子状に区分けされるとともに各セグメントに反射素子24Bsが割り付けられた構成となっている。各反射素子24Bsは、灯具ユニット20Bの発光素子22Bの発光中心を焦点とするとともに灯具前後方向に延びる軸線Axbを中心軸とする回転放物面を基準面とする凹曲面で構成されている。
そして、このリフレクタ24Bは、その反射面24Baの各反射素子24Bsにおいて発光素子22Bからの光を反射制御することによりロービーム用配光パターン(これについては後述する)を形成するようになっている。
次に、車幅方向外側に位置するリフレクタ24Aの構成について説明する。
このリフレクタ24Aの反射面24Aaも、灯具正面視において上下4段で縦横格子状に区分けされるとともに各セグメントに反射素子24Asが割り付けられた構成となっている。各反射素子24Asは、灯具ユニット20Aの発光素子22Aの発光中心を焦点とするとともに灯具前後方向に延びる軸線Axaを中心軸とする回転放物面を基準面とする凹曲面で構成されている。
その際、灯具ユニット20Aにおいては、リフレクタ24Aにおける車幅方向外側の端縁近傍に発光素子22Aが配置されていることから、その反射面24Aaは軸線Axaに対して車幅方向内側に片寄って延びるように形成されている。
そして、このリフレクタ24Aは、その反射面24Aaの各反射素子24Asにおいて発光素子22Aからの光を反射制御することにより、ハイビーム用付加配光パターン(これについても後述する)の一部として左右方向に大きく拡散する配光パターンを形成するようになっている。
次に、車幅方向内側に位置するリフレクタ24Cの構成について説明する。
このリフレクタ24Cの反射面24Caも、灯具正面視において上下4段で縦横格子状に区分けされているが、上側に位置する3段分が主反射面24Ca1として構成されており、最下段が副反射面24Ca2として構成されている。
主反射面24Ca1は、各セグメントに反射素子24Cs1が割り付けられた構成となっており、副反射面24Ca2は、各セグメントに反射素子24Cs2が割り付けられた構成となっている。
主反射面24Ca1を構成する各反射素子24Cs1は、灯具ユニット20Cの発光素子22Cの発光中心を焦点とするとともに灯具前後方向に延びる軸線Axcを中心軸とする回転放物面を基準面とする凹曲面で構成されている。
一方、副反射面24Ca2を構成する各反射素子24Cs2は、車幅方向外側に位置する灯具ユニット20Aの発光素子22Aの発光中心を焦点とするとともに軸線Axaを中心軸とする回転放物面を基準面とする凹曲面で構成されている。このため各反射素子24Cs2は、その前端縁が平面視において鋸刃状に形成されている。
そして、このリフレクタ24Cは、その主反射面24Ca1の各反射素子24Cs1において発光素子22Cからの光を反射制御することにより、上記ハイビーム用付加配光パターンの一部として左右方向にある程度拡散する配光パターンを形成するとともに、その副反射面24Ca2の各反射素子24Cs2において発光素子22Aからの光を反射制御することにより、上記ハイビーム用付加配光パターンの一部として横長のスポット状の配光パターンを形成するようになっている。
図4は、車両用灯具10からの照射光によって車両前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される配光パターンを透視的に示す図である。
同図(a)に示す配光パターンはロービーム用配光パターンPL1であり、同図(b)に示す配光パターンはハイビーム用配光パターンPH1である。
同図(a)に示すロービーム用配光パターンPL1は、中央に位置する灯具ユニット20Bのリフレクタ24Bにおいて該灯具ユニット20Bの発光素子22Bからの出射光を反射させることにより形成される配光パターンであって、上端縁にカットオフラインCL1、CL2を有する左配光のロービーム用配光パターンとして形成されている。
カットオフラインCL1、CL2は、灯具正面方向の消点であるH−Vを鉛直方向に通るV−V線を境にして左右段違いで水平方向に延びており、V−V線よりも右側の対向車線側部分が下段カットオフラインCL1として形成されるとともに、V−V線よりも左側の自車線側部分が、この下段カットオフラインCL1から傾斜部を介して段上がりになった上段カットオフラインCL2として形成されている。
このロービーム用配光パターンPL1において、下段カットオフラインCL1とV−V線との交点であるエルボ点Eは、H−Vの0.5〜0.6°程度下方に位置している。そして、このロービーム用配光パターンPL1においてエルボ点Eを囲む横長の領域は、高光度領域HZL1として形成されている。
同図(b)に示すハイビーム用配光パターンPH1は、ロービーム用配光パターンPL1とハイビーム用付加配光パターンPAとの合成配光パターンとして形成されている。
このハイビーム用付加配光パターンPAは、V−V線を中心にして左右両側に拡がる横長の配光パターンであって、カットオフラインCL1、CL2を上下に跨ぐようにして形成されている。
このハイビーム用付加配光パターンPAは、3つの配光パターンPAa、PAb、PAcの合成配光パターンとして形成されている。
配光パターンPAaは、車幅方向外側に位置する灯具ユニット20Aのリフレクタ30Aにおいて該灯具ユニット20Aの発光素子22Aからの出射光を反射させることにより形成される配光パターンであって、V−V線を中心にして左右方向に大きく拡散する広拡散配光パターンとして形成されている。
配光パターンPAbは、車幅方向内側に位置する灯具ユニット20Cのリフレクタ30Cの主反射面24Ca1において該灯具ユニット20Cの発光素子22Cからの出射光を反射させることにより形成される配光パターンであって、V−V線を中心にして左右方向にある程度拡散する中配光パターンとして形成されている。
配光パターンPAcは、車幅方向内側に位置する灯具ユニット20Cのリフレクタ30Cの副反射面24Ca2において車幅方向外側に位置する灯具ユニット20Aの発光素子22Aからの出射光を反射させることにより形成される配光パターンであって、V−V線を中心とする横長のスポット状配光パターンとして形成されている。このように配光パターンPAcが横長のスポット状配光パターンとして形成されるのは、発光素子22Aから副反射面24Ca2までの距離が長いことによるものである。
そして、本実施形態に係る車両用灯具10においては、中央に位置する灯具ユニット20Bの発光素子22Bを点灯させることによりロービーム用配光パターンPL1を形成するとともに、車幅方向外側および車幅方向内側に位置する灯具ユニット20A、20Cの発光素子22A、22Cを追加点灯させることによりハイビーム用付加配光パターンPAをロービーム用配光パターンPL1に対して追加形成し、これによりハイビーム用配光パターンPH1を形成するようになっている。
このハイビーム用配光パターンPH1においては、主として配光パターンPAcによってH−V近傍に高光度領域HZH1が形成されるようになっている。
次に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係る車両用灯具10は、発光素子22A、22B、22Cからの出射光をリフレクタ24A、24B、24Cで反射制御するように構成された3つの灯具ユニット20A、20B、20Cが車幅方向(すなわち所要方向)に並んだ状態で配置されているが、これら3つの灯具ユニット20A〜20Cは、車幅方向外側(すなわち所要方向の一端部)に位置する灯具ユニット20A(すなわち第1灯具ユニット)の発光素子22Aからの出射光が、該灯具ユニット20Aに隣接する灯具ユニット20B(すなわち第2灯具ユニット)のリフレクタ24Bの後方側空間を通って車幅方向内側(すなわち所要方向の他端部)に位置する灯具ユニット20C(すなわち第3灯具ユニット)のリフレクタ24Cに到達し得る位置関係で配置されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、灯具ユニット20の発光素子22Aからの出射光が灯具ユニット20Cのリフレクタ24Cに到達するまでの距離を長く確保することができるので、このリフレクタ24Cからの反射光によって形成される配光パターンPAcの中心光度を高いものとすることができ、これにより遠方視認性を高めることができる。
その際、灯具ユニット20Aの発光素子22Aからの出射光は、これに隣接する灯具ユニット20Bのリフレクタ24Bの後方側空間を通って灯具ユニット20Cのリフレクタ24Cに到達するようになっているので、灯具ユニット20Aの発光素子22Aからの出射光の一部が灯具ユニット20Bのリフレクタ24Bで反射して迷光を発生させてしまうおそれをなくすことができる。
このように本実施形態によれば、発光素子22A、22B、22Cからの出射光をリフレクタ24A、24B、24Cで反射制御するように構成された3つの灯具ユニット20A、20B、20Cを備えた車両用灯具10において、迷光を発生させてしまうことなく、中心光度の高い配光パターンPAcを形成することができる。そしてこれによりハイビーム用配光パターンPH1における遠方視認性を高めることができる。
特に、本実施形態に係る車両用灯具10は、中央に位置する灯具ユニット20Bからの照射光によってロービーム用配光パターンPL1を形成する構成となっているので、灯具ユニット20Aの発光素子22Aからの出射光の一部が灯具ユニット20Bのリフレクタ24Bで反射してしまわない構成とすることにより、その反射光が迷光となってグレアを発生させてしまうおそれをなくすことができる。
しかも本実施形態においては、灯具ユニット20Cのリフレクタ24Cが、該灯具ユニット20Cの発光素子22Cからの出射光を反射制御するための主反射面24Ca1と、灯具ユニット20Aの発光素子22Aからの出射光を反射制御するための副反射面24Ca2とを備えており、その際、副反射面24Ca2が主反射面24Ca1よりも灯具ユニット20Cの発光素子22Cから離れた位置に配置されているので、灯具ユニット20Aの発光素子22Aからの出射光が副反射面24Ca2に到達するまでの距離についてもこれを長く確保することが一層容易に可能となる。
さらに本実施形態においては、灯具ユニット20Aの発光素子22Aが、該灯具ユニット20Aのリフレクタ24Aにおける車幅方向の中央位置よりも車幅方向外側に位置するように配置されているので、灯具全体のサイズを大きくすることなく、灯具ユニット20Aの発光素子22Aからの出射光が灯具ユニット20Cのリフレクタ24Cの副反射面24Ca2に到達するまでの距離を一層長く確保することが可能となる。
また本実施形態においては、灯具ユニット20Aの発光素子22Aが、その発光面22aを車幅方向内側(すなわち所要方向の他端部寄りの方向)へ向けた状態で配置されているので、該発光素子22Aから出射して灯具ユニット20Cのリフレクタ24Cに到達する光の量を多くすることができ、これにより配光パターンPAcの中心光度をさらに高めることができる。
上記実施形態においては、各灯具ユニット20A〜20Cのリフレクタ24A〜24Cが、各発光素子22A〜22Cの下方側に配置されているものとして説明したが、下方側以外(例えば上方側あるいは側方側等)に配置された構成とすることも可能である。
上記実施形態においては、車両用灯具10として、3つの灯具ユニット20A〜20Cを備えているものとして説明したが、4つ以上の灯具ユニットを備えた構成とすることも可能である。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
まず、上記実施形態の第1変形例について説明する。
図5は、本変形例に係る車両用灯具110を示す、図1と同様の図である。
同図に示すように、この車両用灯具110の基本的な構成は上記実施形態に係る車両用灯具10と同様であるが、ロービーム用配光パターンのみを形成するためのヘッドランプとして構成されている点で上記実施形態の場合と異なっている。
このため本変形例においては、各灯具ユニット120A、120B、120Cのリフレクタ124A、124B、124Cの配光機能が上記実施形態の場合と異なっている。
すなわち、中央に位置する灯具ユニット120Bのリフレクタ124Bは、その反射面124Baを構成する複数の反射素子124Bsにおいて該灯具ユニット120Bの発光素子22Bからの出射光を反射制御することにより、ロービーム用配光パターンのカットオフラインを形成するようになっている。
また、車幅方向外側に位置する灯具ユニット120Aのリフレクタ124Aは、その反射面124Aaを構成する複数の反射素子124Asにおいて該灯具ユニット120Aの発光素子22Aからの出射光を反射制御することにより、ロービーム用配光パターンの広拡散領域を形成するようになっている。
さらに、車幅方向内側に位置する灯具ユニット120Cのリフレクタ124Cは、その反射面124Caの主反射面124Ca1を構成する複数の反射素子124Cs1において該灯具ユニット120Cの発光素子22Cからの出射光を反射制御することにより、ロービーム用配光パターンの中拡散領域を形成するとともに、その反射面124Caの副主反射面124Ca2を構成する複数の反射素子124Cs2において灯具ユニット120Aの発光素子22Aからの出射光を反射制御することにより、ロービーム用配光パターンの高光度領域を形成するようになっている。
この灯具ユニット120Cのリフレクタ124Cにおける車幅方向外側の端縁位置には、灯具ユニット120Aの発光素子22Aからの出射光が主反射面24Ca1に入射するのを阻止するための遮光壁130が配置されている。この遮光壁130は、リフレクタ124Cの車幅方向外側の端縁に沿って延びる鉛直壁として、リフレクタ124Cと一体で形成されている。
図6は、車両用灯具110の照射光によって上記仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンPL2を透視的に示す図である。
このロービーム用配光パターンPL2は、4つの配光パターンPBa、PBb、PBc、PBdの合成配光パターンとして形成されている。
配光パターンPBaは、車幅方向中央に位置する灯具ユニット120Bのリフレクタ130Bにおいて該灯具ユニット120Bの発光素子22Bからの出射光を反射させることにより形成される配光パターンであって、V−V線を中心にして左右方向に細長く延びる配光パターンとして形成され、その上端縁においてカットオフラインCL1、CL2を形成するようになっている。
配光パターンPBbは、車幅方向外側に位置する灯具ユニット120Aのリフレクタ130Aにおいて該灯具ユニット120Aの発光素子22Aからの出射光を反射させることにより形成される配光パターンであって、カットオフラインCL1、CL2よりも下方側においてV−V線を中心にして左右方向に大きく拡散する広拡散配光パターンとして形成されている。
配光パターンPBcは、車幅方向内側に位置する灯具ユニット120Cのリフレクタ130Cの主反射面124Ca1において該灯具ユニット120Cの発光素子22Cからの出射光を反射させることにより形成される配光パターンであって、カットオフラインCL1、CL2よりも下方側においてV−V線を中心にして左右方向にある程度拡散する中配光パターンとして形成されている。
配光パターンPBdは、車幅方向内側に位置する灯具ユニット120Cのリフレクタ130Cの副反射面124Ca2において車幅方向外側に位置する灯具ユニット120Aの発光素子22Aからの出射光を反射させることにより形成される配光パターンであって、エルボ点Eの下方近傍においてV−V線をやや左寄りに跨ぐ横長のスポット状配光パターンとして形成されている。
そして、このロービーム用配光パターンPL2においては、主として配光パターンPBdによってエルボ点Eの左下方近傍に高光度領域HZL2が形成されるようになっている。
このように本変形例によれば、発光素子22A、22B、22Cからの出射光をリフレクタ124A、124B、124Cで反射制御するように構成された3つの灯具ユニット120A、120B、120Cを備えた車両用灯具110において、迷光を発生させてしまうことなく、中心光度の高い配光パターンPBdを形成することができる。そしてこれによりロービーム用配光パターンPL2における遠方視認性を高めることができる。
特に、本変形例に係る車両用灯具10は、中央に位置する灯具ユニット120Bからの照射光によってロービーム用配光パターンPL1のカットオフラインCL1、CL2を形成する構成となっているので、灯具ユニット120Aの発光素子22Aからの出射光の一部が灯具ユニット120Bのリフレクタ124Bで反射してしまわない構成とすることにより、その反射光が迷光となってグレアを発生させてしまうおそれをなくすことができる。
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
図7は、本変形例に係る車両用灯具210を示す、図1と同様の図である。
同図に示すように、この車両用灯具210の基本的な構成は上記実施形態に係る車両用灯具10と略同様であるが、ハイビーム用付加配光パターンのみを形成するためのヘッドランプとして構成されている点で上記実施形態の場合と異なっている。
本変形例においては、ランプボディ212と透光カバー214とで形成される灯室内に、2つの灯具ユニット220A、220Cが車幅方向に並んだ状態で組み込まれた構成となっている。その際、各灯具ユニット220A、220Cの発光素子22A、22Cは、共通の基板226に支持されており、また、各灯具ユニット220A、220Cのリフレクタ224A、224Cも、その上端縁において基板226に支持されている。
各灯具ユニット220A、220Cは、上記実施形態の各灯具ユニット20A、20Cと略同様の構成を有しているが、そのリフレクタ224A、224Cの配光機能が上記実施形態の場合と異なっている。
すなわち、車幅方向外側に位置する灯具ユニット220Aのリフレクタ224Aは、その反射面224Aaを構成する複数の反射素子224Asにおいて該灯具ユニット220Aの発光素子22Aからの出射光を反射制御することにより、ハイビーム用付加配光パターンの広拡散領域を形成するようになっている。
また、車幅方向内側に位置する灯具ユニット220Cのリフレクタ224Cは、その反射面224Caの主反射面224Ca1を構成する複数の反射素子224Cs1において該灯具ユニット220Cの発光素子22Cからの出射光を反射制御することにより、ハイビーム用付加配光パターンの中拡散領域を形成するとともに、その反射面224Caの副主反射面224Ca2を構成する複数の反射素子224Cs2において車幅方向外側に位置する灯具ユニット220Aの発光素子22Aからの出射光を反射制御することにより、ハイビーム用付加配光パターンの高光度領域を形成するようになっている。
図8は、車両用灯具210の照射光によって上記仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用付加配光パターンPCを透視的に示す図である。
このハイビーム用付加配光パターンPCは、3つの配光パターンPCa、PCb、PCcの合成配光パターンとして形成されている。
配光パターンPCaは、車幅方向外側に位置する灯具ユニット220Aのリフレクタ230Aにおいて該灯具ユニット220Aの発光素子22Aからの出射光を反射させることにより形成される配光パターンであって、V−V線を中心にして左右方向に大きく拡散する広拡散配光パターンとして形成されている。
配光パターンPCbは、車幅方向内側に位置する灯具ユニット220Cのリフレクタ230Cの主反射面224Ca1において該灯具ユニット220Cの発光素子22Cからの出射光を反射させることにより形成される配光パターンであって、V−V線を中心にして左右方向にある程度拡散する中配光パターンとして形成されている。
配光パターンPCcは、車幅方向内側に位置する灯具ユニット220Cのリフレクタ230Cの副反射面224Ca2において車幅方向外側に位置する灯具ユニット220Aの発光素子22Aからの出射光を反射させることにより形成される配光パターンであって、V−V線を中心とする横長のスポット状配光パターンとして形成されている。このように配光パターンPCcが横長のスポット状配光パターンとして形成されるのは、発光素子22Aから副反射面224Ca2までの距離が長いことによるものである。
そして、本変形例に係る車両用灯具210においては、灯具ユニット220A、220Cの発光素子22A、22Cを点灯させることによりハイビーム用付加配光パターンPCを他の車両用灯具(図示せず)からの照射光によって形成されるロービーム用配光パターンPL3に対して追加形成し、これによりハイビーム用配光パターンPH3を形成するようになっている。
そして、このハイビーム用配光パターンPH3においては、主として配光パターンPCcによって高光度領域HZH3が形成されるようになっている。
上記第2変形例においては、車両用灯具210として、2つの灯具ユニット220A、220Cを備えているものとして説明したが、3つ以上の灯具ユニットを備えた構成とすることも可能であり、その際、2つの灯具ユニット220A、220Cの間に他の灯具ユニットが配置された構成とすれば、灯具ユニット220Aの発光素子22Aから灯具ユニット220Cの副反射面224Ca2までの距離をより一層長くすることでき、これにより配光パターンPCcをより小さくて明るいスポット状配光パターンとして形成することができる。
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
また、本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。